JP6047421B2 - 鉄道車両用の空気調和機 - Google Patents
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Description
室外ユニットや室内ユニットには、空調性能を確保するための空気調和機器(以下、空調機器)が設置される。室外ユニットには、室外ユニット筺体部上に室外用送風機、室外熱交換器である凝縮器、圧縮機、配管、配線及び冷凍サイクル機器等の空調機器が配置される。また、室内ユニットには、室内ユニット筺体部上に室内用送風機、室内熱交換器である蒸発器、風量を調節する空調ダンパ等の風路制御機器及び電気を熱源とするヒータ等の空調機器が配設される。
室外ユニット筺体部及び室内ユニット筺体部は、金属板金で構成された箱状構造であり、2つの室内ユニット筐体部の内部はそれぞれ異なる個別構造、あるいは、室内ユニット筐体部が室外ユニット筐体部の中心線に対して線対称構造になっている(特許文献1参照)。
この発明は、2つの室内ユニット筺体部に用いる部品を共通化し、部品点数を減らすことを目的とする。
筺体内部に複数の部品が設置された2つの室内ユニットと、
前記2つの室内ユニットの間に配置された室外ユニットと
を備え、
一方の室内ユニットに設置された各部品と他方の室内ユニットに設置された各部品とは、ある点を基準として点対称に配置された
ことを特徴とする。
図1から図6に基づき、一般的な鉄道車両用の空気調和機1の構成について説明する。
空気調和機1は、車両50の屋根51上に搭載される。
冷房運転時には空気調和機1で冷却され生成された冷風1aが、空気調和機1に取り付けた送風ダクト2a,2bを通って、車内52に均一に送風される。車内52を循環した循環空気1bは車両50と空気調和機1との間に取り付けたリターンダクト3a,3bから空気調和機1に設けられたリターン口4a,4b(図2参照)を通って空気調和機1内部に吸い込まれ、再び冷却される。
図2に示すように、空気調和機1は、車両50の進行方向Aに対して直交方向に、室外ユニット9と、2つの室内ユニット5a,5bが並列に設置され、2つの室内ユニット5a,5bの間に室外ユニット9が配置される。
図3に示すように、室外ユニット筐体部10及び室内ユニット筐体部6a,6bは、厚い強靭な金属箱状板金で形成されており、その上に空調性能を確保するための重い空調機器が搭載されている。
具体的には、室内ユニット筐体部6a,6b上には、室内送風機7a,7bと蒸発器8a,8bとの空調機器が設置され、室外ユニット筐体部10上には、室外送風機11と凝縮器12a,12bと圧縮機13との空調機器が設置されている。室外ユニット筐体部10には、中央部に室外送風機11が配置され、室外送風機11を挟んで車両50の進行方向の両側に凝縮器12a,12bが配置され、室外送風機11の空きスペースに圧縮機13が設置されている。室内ユニット筐体部6a,6bには、中心部に室内送風機7a,7b及び蒸発器8a,8bが配置されている。なお、室内送風機7a,7bは、室外ユニット9の中心線Bに対し線対称に配置され、蒸発器8a,8bも、室外ユニット9の中心線Bに対し線対称に配置されている。
室内ユニット筐体部6a内部には、空調機器を取り付けるための、切り欠き部53bが形成されたL字取付け板金53aと、切り欠き部54bが形成された逆L字取付け板金54aと、切り欠き部55bが形成された仕切り55aとが配置されており、それぞれが室内ユニット筐体部6aに締結されている。切り欠き部53b,54b,55bは、配管や配線などを通すためのものであり、必要不可欠である。また、室内ユニット筐体部6aには、車両50側のダクト位置で決まる位置が決定される新鮮空気口14aが設けられる。
室内ユニット筐体部6b内部には、空調機器を取り付けるための切り欠き部56bが形成されたL字取付け板金56aと、切り欠き部57bが形成された逆L字取付け板金57aと、切り欠き部58bが形成された仕切り58aとが配置されており、それぞれが室内ユニット筐体部6bに締結されている。切り欠き部56b,57b,58bは、配管や配線などを通すためのものであり、必要不可欠である。また、室内ユニット筐体部6aには、車両50側のダクト位置で決まる位置が決定される新鮮空気口14bが設けられる。
ここで、L字取付け板金53aに形成された切り欠き部53bとL字取付け板金56aに形成された切り欠き部56b、逆L字取付け板金54aに形成された切り欠き部54bと逆L字取付け板金57aに形成された切り欠き部57b、仕切り55aに形成された切り欠き部55bと仕切り58aに形成された切り欠き部58bも、中心線Bに対して線対称に配置されている。そのため、L字取付け板金53a、逆L字取付け板金54a、仕切り55aを反転させても、切り欠きの位置が変わってしまうため、L字取付け板金56a、逆L字取付け板金57a、仕切り58aとすることはできない。つまり、L字取付け板金53a,56a、逆L字取付け板金54a,57a、仕切り55a,58aを共用部品とすることはできない。
室外ユニット筐体部10の底板15に室外送風機11が取り付けられている。室外送風機11が室外カバー16に設けた吸込み孔16aから外気をC方向に吸い込み、凝縮器12a,12bを介してD方向に空気が流れ、室外カバー16に設けた排出孔16bを通して外部に排出される。
室外送風機11が底板15に取り付けられているため、車両50の振動や揺れが室外送風機11に直接伝わってしまう。
室外カバー16には外気を吸い込むための吸込み孔16aが開いており、室外送風機11により外気が吸い込まれ空気調和機1内に吸入される。そして、凝縮器12a,12b(図5参照)を介して熱交換がされた後、室外カバー16に設けた排出孔16bから空気が排出される。なお、図5では、室外ユニット筐体部10の側面に排出孔16bが設けられていたが、図6に示すように室外カバー16に排出孔16bが設けられていることもある。室外カバー16には冷風が通るため、結露防止の断熱材や水密パッキンが取り付けられている。
なお、以下の説明では、上述した一般的な鉄道車両用の空気調和機1と対応する構成要素については同じ符号を付し、構成が同一の場合には説明を省略する。
鉄道車両用の空気調和機1は、車両50の進行方向Eに、室外ユニット9と、2つの室内ユニット5a,5bとが並列に設置され、2つの室内ユニット5a,5bの間に室外ユニット9が配置される。
室外ユニット9の室外ユニット筐体部10と2つの室内ユニット5a,5bの室内ユニット筐体部6a,6bとは、隣り合う面同士が溶接等で締結されている。室外ユニット筐体部10や室内ユニット筐体部6a,6bの中には空調機器等が収納され、室外カバー16や室内カバー17a,17bにより外部侵入物から保護されている。
冷房運転時の動作について説明する。
冷房運転時には、まず室外ユニット9内に設置された圧縮機13によりガス冷媒が圧縮され高温高圧のガス冷媒になる。高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器である凝縮器12a,12bに入り、室外送風機11より室外カバー16の吸込み孔16a(図7参照)から吸い込まれた外気によって冷却され、液冷媒になる。ここで、凝縮器12a,12bを通り抜けた外気は室外カバー16の排出孔16b(図7参照)から外気へ放出される。
液冷媒は、図示されていない配管を通り、図示されていない膨張弁の微小なノズル孔から室内熱交換器である蒸発器8a,8b内へ噴射されることにより、減圧され気化される。気化した冷媒は蒸発器8a,8b周りの熱を奪い、蒸発器8a,8bが冷却される。ここで、蒸発器8a,8bを介して、室内送風機7a,7bにより吸い込まれた空気が冷却され、車内52へ送られる。
図9に示すように車内52の循環空気1bはリターンダンパ18a,18bが開口した際に、室内送風機7a,7bによりリターン口4a,4bから吸入される。吸入された循環空気1bは、リターンフィルタ19a,19bを通り、冷風ダクト20a,20bを介してF方向に室内ユニット5a,5b内部へ送り込まれる。そして、循環空気1bは、蒸発器8a,8bにて熱交換されて冷却され、送風ダクト2a,2bから車内52へ冷風として送られる。
また、図8に示すように新鮮空気1cを吸入する場合には、フレッシュダンパ21a,21bが開口し、新鮮空気口23a,23bから室内送風機7a,7bによりG方向に新鮮空気1cが吸入される。吸入された新鮮空気1cは、フレッシュフィルタ22a,22bを介し、塵埃が取り除かれた状態で冷風ダクト20a,20bに入り込み、室内ユニット5a,5b内に送り込まれる。そして、新鮮空気1cは、循環空気1bと同じように、蒸発器8a,8bで熱交換されて冷却され、送風ダクト2a,2bから車内52へ冷風として送られる。
なお、新鮮空気1cの風路内には図示していない煙検知器が装着され、煙が検知された場合、フレッシュダンパ21a,21bが閉じる構造になっている。
室内ユニット筐体部6aと室外ユニット筐体部10と室内ユニット筐体部6bとは、それぞれ板金等でできた箱であり、隣り合う面同士が溶接等で締結され一体化され、直方体形状の構造体となっている。そして、車両50の進行方向Gに沿って、直方体形状の構造体の外側に、長手梁25a、25b(棒状部材)が設けられるとともに、車両50の進行方向Gに対して直交方向に短手梁26a、26b、26c、26d(棒状部材)が設けられている。この短手梁26a、26b、26c、26dは、室外カバー16及び室内カバー17a,17bの取付部を兼ねている。また、短手梁26b、26cの間に2本の吊り梁27a、27bが設けられている。なお、短手梁26b、26cは、コ字状やL字状に曲げられており、室外ユニット筐体部10や室内ユニット筐体部6a,6bの内面と締結されていてもよい。
室内ユニット筐体部6aに設けられた新鮮空気口23a(外気取込口)と、室内ユニット筐体部6bに設けられた新鮮空気口23b(外気取込口)とは、室外ユニット9の中心点を基準として、点対称に配置されている。
これに伴い、室内ユニット筐体部6a,6bには、冷風ダクト20a,20bに繋がる仕切り板28a,28b、仕切り板29a,29b、フレッシュフィルタ取付板32a,32b等の室内ユニット筐体部6a,6b内の筐体板金が、室外ユニット9の中心点を基準として、点対称に配置されている。
これに合わせて、室内ユニット筐体部6a,6bに設置される他の部品も、室外ユニット9の中心点を基準として、点対称に配置される。
上述した筐体板金は、L字取付け板金53a,56a、逆L字取付け板金54a,57a、仕切り55a,58aのような形状の場合がある。この場合、図4に示す線対称構造の場合には、L字取付け板金53a,56a、逆L字取付け板金54a,57a、仕切り55a,58aを共通部品とすることはできない。しかし、図12に示す点対称構造とした場合、室内ユニット5aの内部を、室外ユニット9の中心点に対し、180度回転させると、室内ユニット5bの内部の配置に一致する。すなわち、点対称に配置することによって、L字取付け板金53a,56a、逆L字取付け板金54a,57a、仕切り55a,58aを共用化することができる。
室外送風機11は、吊り梁状の神輿梁構造33により、室外ユニット筐体部10に取り付けられる。
ここで、連結梁37a,37bは、梁材34a,35aよりも、下側(梁材34a,35a側)に凹んだコ字状に形成されている。
つまり、2本の梁材34aと梁材35aとの間に、連結梁37a,37bを台座として室外送風機11が取り付けられ、梁材34a,35aを担ぎ棒に見立てれば、神輿のような構造をした神輿梁構造33によって室外送風機11は取り付けられる。
この際、コ字状に形成された連結梁37a,37bは、室外ユニット筐体部10の底面との間に空間が空いている。したがって、室外送風機11は、室外ユニット筐体部10内に、宙吊り状態で取り付けられる。
室内カバー17a,17bは、室内ユニット5a,5bを保護するために、室内ユニット筐体部6a,6bの開口を覆うように取り付けられる。また、室外カバー16は、室外ユニット9を保護するために、室外ユニット筐体部10の開口を覆うように取り付けられる。
なお、室内カバー17a,17bには、外気との結露防止として断熱材42a,42bが取り付けられる。室内カバー17a,17bには、断熱材42a,42bを取り付けるための取付け案内を兼ねたカバー補強梁43a,43bと室内ユニット5a,5bの外部と密着して水が入らないようにする水密パッキン44a,44bが取り付けられている。カバー補強梁43a,43bには、L字状のカバー補強梁ガイド部43c,43dが付いており、パッキン44a,44bを貼りやすくするためのガイドにもなっている。このカバー補強梁43a,43b等も点対称に配置されており、部品を共通化することができる。
室内ユニット筐体部6aと室外ユニット筐体部10との締結された面の端部に設置される短手梁26bには、突起17cと突起16cとを取り付ける必要がある。そのため、突起17cと突起16cとは、互い違いに突出している。同様に、室内ユニット筐体部6bと室外ユニット筐体部10との締結された面の端部に設置される短手梁26cには、突起17dと突起16cとを取り付ける必要がある。そのため、突起17dと突起16cとは、互い違いに突出している。
これにより、車両50の進行方向の室外ユニット9及び室内ユニット5a,5bの長手方向の長さを短くすることができる。
室外カバー16と排出孔16bを形成するパネル45とは別部材になっており、容易に取り外しができる。この排出孔16bは外部に空気を排出し易くするためのものであり、板金を角度約30度から角度約60度に切り起し、ヨロイ状にしたものである。
また、室外ユニット9の一部の部品も、室外ユニット9の中心点を基準として、点対象に配置されている。この一部の部品を共通化することができる。
Claims (7)
- 外気を取り込むための外気取込口が設けられ、筺体内部に複数の部品が設置された2つの室内ユニットと、
前記2つの室内ユニットの間に配置された室外ユニットと
を備え、
一方の室内ユニットに設置された各部品と他方の室内ユニットに設置された各部品とは、ある点を基準として点対称に配置されるとともに、一方の室内ユニットの外気取込口と他方の室内ユニットの外気取込口とは、前記点を基準として点対称となる位置に設けられた
ことを特徴とする鉄道車両用の空気調和機。 - 前記点は、前記室外ユニットの中心点である
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用の空気調和機。 - 前記2つの室内ユニットと前記室外ユニットとは、それぞれ直方体の箱で構成され、前記2つの室内ユニットの箱の間に前記室外ユニットの箱が配置されて隣り合う面同士が締結され、前記2つの室内ユニットと前記室外ユニットとの周囲に棒状部材が取り付けられた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用の空気調和機。 - 前記室外ユニットは、直方体の箱で構成され、
前記室外ユニットには、前記室外ユニットを構成する箱の対向する2つの面を繋ぐ2本の梁が取り付けられ、室外送風機が前記室外ユニットを構成する箱の底面と間を空けて前記2本の梁の間に前記2本の梁に取り付けて設けられた
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の鉄道車両用の空気調和機。 - 前記2つの室内ユニットと前記室外ユニットとを構成する各箱は、締結された場合に同一側になる面が開口しており、
前記各箱には、その箱の開口を覆うカバーが隣り合う箱の締結された面の端部に突起が固定されて取り付けられ、隣り合う箱の開口を覆うカバーは、前記突起が互い違いに突出した
ことを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用の空気調和機。 - 前記2つの室内ユニットと前記室外ユニットとは、車両の進行方向に並べられた
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の鉄道車両用の空気調和機。 - 前記棒状部材は、金属又は樹脂材で形成された
ことを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用の空気調和機。
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