JP2018138842A - 空気調和装置の室内機 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管接続口の配置が互い異なる他の室内機との間で、可及的に構造の共通化を図りつつ、配管接続口とは反対側の熱交換器の左右一側部にメンテナンス部品が配置されていても、そのメンテナンスを好適に行うことができる空気調和装置の室内機を提供する。
【解決手段】熱交換器20が配置される熱交換室46と送風機22が配置される送風機室47とにケーシング40内を前後に区画する仕切り壁45がケーシング40内に設けられ、熱交換器20の左右一方側の側部とケーシング40の左右一方側の側壁43との間に、メンテナンスを要するメンテナンス部品19,38,39が配置され、熱交換室46におけるケーシング40の左右側壁43,44の少なくとも一方に、メンテナンス用の第1の開口51が形成され、仕切り壁45における左右一方側の端部に、メンテナンス用の第2の開口52が形成されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、空気調和装置の室内機に関する。
ビルやホテル等の室内の冷暖房に使用される空気調和装置として、天井埋込ダクト型の室内機を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
天井埋込ダクト型の室内機は、ケーシング内に熱交換器及び送風機を備え、送風機によってケーシングの後面又は下面から吸い込んだ空気と熱交換器中の冷媒との間で熱交換を行い、温度が調整された空気(以下、調和空気ともいう)をケーシングの前面から吹き出すように構成されている。
特開2000−249364号公報
例えば、ビジネスホテルでは、図1に示すように、壁6を挟んで隣接する2つの部屋1A,1Bが左右対称形状に形成されていることがある。各部屋1A,1Bは、入口2と居室5との間に通路3が設けられ、通路3の右側又は左側にユニットバス4が設置されている。通路3の天井には天井埋込ダクト型の室内機12が設けられ、当該室内機12は、天井に形成された空気取入口71aから室内空気を吸い込み、吹出口72aから居室5内に調和空気を吹き出すように構成されている。
室内機12のケーシングの左右一方の側壁には、室外機からの冷媒連絡配管を接続するための配管接続口27,28と、制御基板等を収容した電装品箱54とが設けられている。そして、配管接続口27,28や電装品箱54等に対する点検作業や保守作業(以下、「メンテナンス」ともいう)は、ユニットバス4の天井に設けられた点検口7から行われるようになっている。したがって、従来の各室内機12は、各部屋1A,1Bの点検口7の位置に合わせて電装品箱54や配管接続口27,28が配置されるように、その全体が互いに左右対称形状に形成されていた。このため、各室内機12のケーシングやその内部に収容される部品の構造が相互に異なり、各室内機12をそれぞれ個別に設計して製造する必要があり、部品数増、製造コスト増を招く原因となっていた。
このような問題を解消するため、各室内機12において、ケーシングの構造や、熱交換器20、送風機22等の収容部品の配置を同一とし、配管接続口27,28と電装品箱54との配置のみを左右逆にすることによって、各室内機12の設計をできるだけ共通化することが考えられる。
しかしながら、熱交換器20は、通常、左右片側の側部において冷媒が出入りするため、当該側部の近傍にヘッダ、分流器、膨張弁、温度センサ等の部品が配置される。そのため、双方の室内機12の熱交換器20の構造を共通化すると、これらの部品の配置も共通化されることになる。室内機12は、前述したような配管接続口27,28や電装品箱54だけでなく膨張弁や温度センサ等もメンテナンスの対象となるため、隣接する2つの部屋1A,1Bの一方に設置される室内機12は、膨張弁や温度センサが配管接続口27,28とは左右反対側に配置されることになり、これらの部品がユニットバス4の点検口7から離れるとともに、ユニットバス4とは反対側の壁8に接近し、メンテナンスを行うことが非常に困難となる。
本発明は、配管接続口の配置が互い異なる他の室内機との間で、可及的に構造の共通化を図りつつ、配管接続口とは反対側の熱交換器の左右一側部にメンテナンス部品が配置されていても、そのメンテナンスを好適に行うことができる空気調和装置の室内機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る空気調和装置の室内機は、
ケーシング内に送風機及び熱交換器が収容され、前記送風機によって生成された空気流が前記熱交換器を通過して前記ケーシングから吹き出される室内機であって、
前記熱交換器が配置される熱交換室と前記送風機が配置される送風機室とに前記ケーシング内を前後に区画する仕切り壁が前記ケーシング内に設けられ、
前記熱交換器の左右一方側の側部と前記ケーシングの前記左右一方側の側壁との間に、メンテナンスを要するメンテナンス部品が配置され、
前記熱交換室における前記ケーシングの左右側壁の少なくとも一方に、メンテナンス用の第1の開口が形成され、
前記仕切り壁における前記左右一方側の端部に、メンテナンス用の第2の開口が形成されている。
この構成によれば、熱交換器の左右一方側に配置されたメンテナンス部品、例えば、熱交換器の左右一方側の側部に接続される冷媒管に取り付けられた膨張弁や温度センサ等に対して、仕切り壁に形成された第2の開口を用いてメンテナンスを行うことが可能となる。そのため、例えば、冷媒管の配管接続口がメンテナンス部品とは反対のケーシングの左右他方側の側壁から引き出され、ケーシングの左右一方側の側壁が部屋の壁に接近していたとしても、第2の開口を用いてメンテナンス部品のメンテナンスを行うことができる。また、この場合、冷媒管の配管接続口やその周辺に対しては、ケーシングの左右他方側の側壁に形成された第1の開口を用いてメンテナンスを行うことができる。また、冷媒管の配管接続口が、メンテナンス部品と同じケーシングの左右一方側の側壁に配置される場合は、当該側壁に形成された第1の開口や第2の開口を用いて配管接続口及びメンテナンス部品のメンテナンスを行うことができる。以上より、配管接続口の配置が互い異なる他の室内機との間で、可及的に構造の共通化を図りつつ、配管接続口とは反対側の熱交換器の左右一側部にメンテナンス部品が配置されていても、そのメンテナンスを好適に行うことができる。
(2)前記送風機室において、前記送風機の前記左右一方側の側部と、前記ケーシングの前記左右一方側の側壁との間に、前記第2の開口を介して前記熱交換室にアクセスするための空間が形成されていることが好ましい。
このような構成によって、第2の開口を用いてメンテナンス部品のメンテナンスを容易に行うことができる。
(3) 上記構成において、前記熱交換器の前記左右一方側の側部に一端部が接続される冷媒管を備え、
前記冷媒管の他端部に、前記ケーシングの前記左右他方側の側壁から外部に引き出されかつ室外機からの冷媒連絡管が接続される配管接続口が設けられていることが好ましい。
一般的な室内機は、熱交換器の左右片側(左右一方側)の側部に冷媒管の一端部が接続され、この冷媒管の他端部に設けられる配管接続口は、冷媒管の一端部と同側であるケーシングの左右片側(左右一方側)の側壁から外部に引き出される。
上記の本発明では、このような一般的な室内機と、ケーシングの構造、送風機及び熱交換器の配置等を同じにした状態で、冷媒管の配管接続口を冷媒管の一端部とは反対側のケーシングの左右他方側の側壁に配置することができる。したがって、配管接続口が互いに反対に配置される室内機の間で部品の共通化を図り、製造コストの低減を図ることができる。
(4) 上記構成において、前記第1の開口は、前記冷媒管の配管接続口を前記ケーシングの外部へ引き出すための開口を兼ねていることが好ましい。
このような構成によって、冷媒管の配管接続口を引き出すための孔を別途形成する必要がなく、第1の開口を利用して配管接続口の点検等を行うことができる。
(5) 上記構成において、前記第1の開口の縁部には、前記配管接続口を支持するための支持部が設けられていることが好ましい。
このような構成によって、第1の開口の縁部を用いて配管接続口を支持することができる。
(6) 上記構成において、前記ケーシングの前記左右一方側の側壁に形成された前記第1の開口と、前記第2の開口とが互いに直交した関係にあり、これら第1及び第2の開口の投影域が重複する平面視における範囲内に前記メンテナンス部品が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1の開口と第2に開口とのいずれからもメンテナンス部品のメンテナンスを容易に行うことができる。
(7) 上記構成において、前記ケーシングの左右一方側の側壁が、部屋の壁部に対向して配置されることが好ましい。
このように、ケーシングの左右一方側の側壁が部屋の壁部に対向して配置されて、当該側壁に形成された第1の開口を介してメンテナンス部品のメンテナンスを行うことが困難な場合であっても、第2の開口を介してメンテナンスを行うことができる。
本発明によれば、配管接続口の配置が互い異なる他の室内機との間で、可及的に構造の共通化を図りつつ、配管接続口とは反対側の熱交換器の左右一側部にメンテナンス部品が配置されていても、そのメンテナンスを好適に行うことができる。
本発明の一実施の形態に係る空気調和装置の室内機が設置される部屋の構造を示す平面図である。 空気調和装置を示す概略構成図である。 室内機の内部を側方から見た概略的な断面図である。 右側室内機のケーシングの内部を示す平面図である。 図4におけるV−V矢視図である。 図4におけるVI−VI矢視図である。 左側室内機のケーシングの内部を示す平面図である。 図7におけるVIII−VIII矢視図である。 図7におけるIX−IX矢視図である。 ケーシング40の内部を後方から見た断面図である。 図7におけるXI−XI矢視断面図である。 第1の開口の一部を拡大して示す側面図である。 ケーシング内の要部を拡大して示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る空気調和装置の室内機が設置される部屋の構造を示す平面図である。
本実施形態に係る室内機12は、例えば、ビジネスホテルのように複数の部屋1A,1Bが並設されると共に、互いに隣接する2つの部屋1A,1Bが左右対称形状に形成されている建物に好適に設置することができるものである。図1に示す例では、2つの部屋1A,1Bのそれぞれには、入口2、通路3、ユニットバス4、居室5が設けられ、これらが壁6を中心として左右対称に配置されている。各部屋1A,1Bにおいて、入口2と居室5との間には通路3が配置され、この通路3の左側又は右側に隣接してユニットバス4が配置されている。本実施形態では、通路3の天井が、居室5の天井よりも1段低い下がり天井とされており、この下がり天井の内部に、天井埋込ダクト型の室内機12が配設されている。
[空気調和装置の全体構成]
次に、各部屋1A,1Bに設置された室内機12を有する空気調和装置の全体構成について説明する。
図2は、空気調和装置を示す概略構成図である。
空気調和装置10は、室外機11と、室内機12と、これらの間にわたって設けられた冷媒回路13とを備えている。
冷媒回路13は、室外機11に設けられた圧縮機15、四路切換弁16、室外熱交換器17、室外膨張弁18等を備えている。また、冷媒回路13は、室内機12に設けられた室内膨張弁19及び室内熱交換器20等を備えている。これらの部品は、冷媒配管によって接続されている。また、室外機11及び室内機12には、それぞれ送風機21,22が設けられている。
室外機11の内部冷媒回路の端末部には、ガス側閉鎖弁24と液側閉鎖弁25とが設けられている。ガス側閉鎖弁24は四路切換弁16側に配置されており、液側閉鎖弁25は室外膨張弁18側に配置されている。
また、室内機12の内部冷媒回路の端末部には、ガス側配管接続口27と液側配管接続口28とが設けられている。ガス側配管接続口27は、一端部が室内熱交換器20に接続されたガス管31の他端部に設けられている。液側配管接続口28は、一端部が室内熱交換器20に接続された液管32の他端部に設けられている。ガス管31は、ヘッダ34を含んでいる。液管32は、分流器35を含んでいる。液管32には、室内膨張弁19が設けられている。
ガス側閉鎖弁24とガス側配管接続口27とは、ガス側冷媒連絡管37aによって接続され、液側閉鎖弁25と液側配管接続口28とは液側冷媒連絡管37bによって接続される。
上記構成の空気調和装置10において、冷房運転を行う場合には、四路切換弁16が図2において実線で示す状態に保持される。圧縮機15から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁16を経て室外熱交換器17に流入し、室外送風機21の作動により室外空気と熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、全開状態の室外膨張弁18を通過し、液側冷媒連絡管37bを通って室内機12に流入する。室内機12において、冷媒は、室内膨張弁19で所定の低圧に減圧され、さらに室内熱交換器20で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、室内送風機22によって室内に吹き出され、当該室内を冷房する。また、室内熱交換器20で蒸発して気化した冷媒は、ガス側冷媒連絡管37aを通って室外機11に戻り、四路切換弁16を経て圧縮機15に吸い込まれる。
他方、暖房運転を行う場合には、四路切換弁16が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機15から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁16を経て室内機12の室内熱交換器20に流入し、室内空気と熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内送風機22によって室内に吹き出され、当該室内を暖房する。室内熱交換器20において液化した冷媒は、目標の過冷却度となるように開度調節された室内膨張弁19から液側冷媒連絡管37bを通って室外機11に戻る。室外機11に戻った冷媒は、室外膨張弁18で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器17で室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器17で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁16を経て圧縮機15に吸い込まれる。
[室内機12の構造]
図3は、室内機12の内部を側方から見た概略的な断面図である。
室内機12は、前述した室内熱交換器20及び室内送風機22を収容するケーシング40を備えている。ケーシング40は直方体形状に形成され、平面視で矩形状(長方形状又は正方形状)に形成された天板49及び底板50と、天板49及び底板50の4辺に設けられた前後壁41,42及び左右側壁43,44(図4及び図7参照)とを有している。後壁42には、空気の吸込口42aが形成されている。また、ケーシング40の前壁41には、空気の吹出口41aが形成されている。なお、本明細書においては、ケーシング40内の空気流の方向を前後方向、特に、空気流の下流側を前側とし、上流側を後側とする。また、前後方向に直交する水平方向を左右方向とする。
ケーシング40の内部は仕切り壁45によって前後に区画されている。仕切り壁45よりも前側は、室内熱交換器20が収容される熱交換室46とされ、仕切り壁45の後側は、室内送風機22が収容される送風機室47とされている。
室内送風機22は、いわゆるシロッコファンが用いられており、ファンケーシング22aと、羽根車22bとを有している。ファンケーシング22aの前端における上部側には吐出口22cが形成され、この吐出口22cが仕切り壁45に取り付けられている。そして、室内送風機22の羽根車22bを回転させることによって、ケーシング40の吸込口42aからケーシング40内に空気が取り入れられ、室内送風機22の吐出口22cから熱交換室46へ向けて空気が吐出される。熱交換室46では、空気流が室内熱交換器20を通過した後に吹出口41aから吹き出される。したがって、室内送風機22によって、ケーシング40内には前後方向に向けて流れる空気流が生成される。また、吐出口22cは、ファンケーシング22aの上部側に設けられているため、室内送風機22は、熱交換室46内の上部側で風速が高く、下部側で風速が低くなるような速度分布を有する空気流を生成する。
前述したように、室内機12は、部屋1A,1Bの下がり天井70に埋設されており、この下がり天井70の水平板71に形成された空気取入口71aから天井70内に空気が取り入れられ、ケーシング40の吸込口42aから室内送風機22に吸い込まれる。そして、ケーシング40の吹出口41aから吹き出した空気流は、ダクト73を通って下がり天井70の垂直板72に形成された空気吹出口72aから室内に吹き出される。
室内熱交換器20は、クロスフィンアンドチューブ型の熱交換器であり、熱交換室46内において傾斜した姿勢で設けられている。具体的には、室内熱交換器20の上端が前側(吹出口41a側)に位置し、下端が後側(室内送風機22側)に位置するように傾斜している。また、室内熱交換器20の下方にはドレンパン48が配置されている。
次に、各部屋1A,1Bに設置された室内機12の個別の構成について説明する。
(右側室内機)
まず、図1における部屋1Aに設置された室内機12(以下、「右側室内機12A」ともいう)について説明する。図4は、右側室内機12Aのケーシング40の内部を示す平面図である。図5は、図4におけるV−V矢視図であり、図6は、図4におけるVI−VI矢視図である。
図4に示すように、右側室内機12Aのケーシング40は、前壁41、後壁42、左側壁43、及び右側壁44を有し、平面視矩形状に形成されている。前述したように、空気の吸込口42aは後壁42に形成され、吹出口41aは前壁41に形成されている。
室内送風機22は、前述のファンケーシング22a及び羽根車22bと、羽根車22bを回転させるモータ22fとを備えている。モータ22fはファンケーシング22aの左側に配置されている。また、室内送風機22は、送風機室47の右側に偏って配置されている。そして、送風機室47内において、室内送風機22の左側部とケーシング40の左側壁43との間には、空間Sが形成されている。
室内熱交換器20は、熱交換室46の右側に偏って配置されている。また、室内熱交換器20の左側部とケーシング40の左側壁43との間には、冷媒管であるガス管31及び液管32の一部(ヘッダ34及び分流器35)が配置されている。ガス管31の一端部は、室内熱交換器20の左側部に接続されている。具体的には、ヘッダ34から突出する複数本の接続管34aが、室内熱交換器20の左側部に接続されている。ガス管31の他端部に設けられたガス側配管接続口27は、ケーシング40の左側壁43から外部へ引き出されている。ガス管31には、冷媒の温度を測定するサーミスタ等の温度センサ38が設けられている。温度センサ38は、室内熱交換器20とケーシング40の左側壁43との間に配置されている。
液管32の一端部は、室内熱交換器20の左側部に接続されている。具体的には、分流器35によって分岐する複数の分流管35aが室内熱交換器20の左側部に接続されている。液管32の他端部に設けられた液側配管接続口28は、ケーシング40の左側壁43から外部へ引き出されている。液管32の中途部には、室内膨張弁19が設けられている。また、液管32には、冷媒の温度を測定するサーミスタ等の温度センサ39が設けられている。室内膨張弁19及び温度センサ38,39は、室内熱交換器20とケーシング40の左側壁43との間に配置されている。
図5に示すように、ガス側配管接続口27及び液側配管接続口28は、ケーシング40の左側壁43に形成されたメンテナンス用の第1の開口51を介して外部へ引き出されている。具体的には、図12に示すように、第1の開口51の周縁部には、嵌合凹部(支持部)51aが形成され、この嵌合凹部51aに、断熱材36が巻かれたガス管31及び液管32が嵌合されている。また、第1の開口51は、左側壁43に着脱自在に取り付けられる蓋体53によって塞がれており、この蓋体53には、ガス管31及び液管32を嵌合させる嵌合凹部53aが形成されている。したがって、ガス管31及び液管32は、第1の開口51の周縁によって支持されている。
また、ケーシング40の左側壁43の外面であって、送風機室47の側方には、電装品箱54が配置されている。この電装品箱54には、送風機や電動弁等の動作を制御するための制御基板を始め、各種の電気部品が収容されている。
図6に示すように、ケーシング40の右側壁44にも、メンテナンス用の第1の開口51が形成されている。この第1の開口51は、左側壁43に形成された第1の開口51と同一形状で左右対称に配置されている。右側室内機12Aにおいては、この第1の開口51は用いられず、その全体が、右側壁44に着脱自在に取り付けられる蓋体55によって閉鎖されている。
また、図4に示すように、仕切り壁45には第2の開口52が形成され、蓋体56によって閉鎖されている。この第2の開口52については後述する。
図1及び図4に示すように、右側室内機12Aは、その左側に配置されたユニットバス4の天井に設けられた点検口7からメンテナンス等を行うことができる。特に、第1の開口51に取り付けられた蓋体53を外すことによって、第1の開口51を介して配管接続口27,28周りのメンテナンスや、室内膨張弁19及び温度センサ38,39のメンテナンスを行うことができる。また、点検口7から電装品箱54のメンテナンスも行うことができる。
また、点検口7から天井70内のケーシング40の背面に入り込み、吸込口42aを介して室内送風機22等のメンテナンスも行うことができる。天井70に形成された空気取入口71aからも吸込口42aを介して室内送風機22等のメンテナンスを行うことができる。
右側室内機12Aの右側には、例えば、200〜300mmの間隔をあけて部屋の壁8が対向して配置されている。
(左側室内機)
次に、図1における部屋1Bに設置された室内機12(以下、「左側室内機12B」ともいう)について説明する。図7は、左側室内機12Bのケーシング40の内部を示す平面図である。図8は、図7におけるVIII−VIII矢視図であり、図9は、図7におけるIX−IX矢視図である。
図7に示すように、左側室内機12Bのケーシング40は、右側室内機12Aと同一である。したがって、ケーシング40は、前壁41、後壁42、左側壁43、及び右側壁44を有し、平面視矩形状に形成されている。後壁42に空気の吸込口42aが形成され、前壁41に吹出口41aが形成されている。また、左右の側壁43,44には、メンテナンス用の第1の開口51が形成され、仕切り壁45には、メンテナンス用の第2の開口52が形成されている。
室内送風機22は、右側室内機12Aの室内送風機22と同一であり、ケーシング40の送風機室47内に、右側に偏った状態で配置されている。そして、送風機室47内において、室内送風機22の左側部とケーシング40の左側壁43との間には、空間Sが形成されている。
室内熱交換器20は、右側室内機12Aの室内熱交換器20と同一であり、熱交換室46の右側に偏って配置されている。また、室内熱交換器20の左側部とケーシング40の左側壁43との間には、冷媒管であるガス管31と液管32の一部(ヘッダ34及び分流器35)が配置されている。
ガス管31の一端部である接続管34aは、室内熱交換器20の左側部に接続されている。また、ガス管31は、中途部31aが室内熱交換器20を左右方向に横切り、他端部に設けられたガス側配管接続口27がケーシング40の右側壁44から外部へ引き出されている。具体的に、ガス管31の中途部31aは、室内熱交換器20の上側、すなわち室内熱交換器20における空気流の上流側(一次側)を通過している。室内熱交換器20の左側において、ガス管31には、冷媒の温度を測定するサーミスタ等の温度センサ38が設けられている。
液管32の一端部である分流管35aは、室内熱交換器20の左側部に接続されている。また、液管32は、中途部32aが、室内熱交換器20を左右方向に横切り、他端部に設けられた液側配管接続口28が、ケーシング40の右側壁44から外部へ引き出されている。具体的に、液管32の中途部32aは、室内熱交換器20の上側、すなわち室内熱交換器20における空気流の上流側(一次側)を通過している。室内熱交換器20の左側において、液管32には、室内膨張弁19と、冷媒の温度を測定するサーミスタ等の温度センサ39とが設けられている。
図9に示すように、ガス側配管接続口27及び液側配管接続口28は、ケーシング40の右側壁44に形成された第1の開口51を介して外部へ引き出されている。具体的には、図12を用いて説明したように、第1の開口51の周縁に形成された嵌合凹部51aと、蓋体53に形成された嵌合凹部53aとに、断熱材36が巻かれたガス管31及び液管32が嵌合されている。したがって、ガス管31及び液管32は、第1の開口51の周縁によって支持されている。
また、ケーシング40の右側壁44の外面であって、送風機室47の側方には、電装品箱54が配置されている。
図8に示すように、ケーシング40の左側壁43に形成された第1の開口51は、その全体が蓋体55によって閉鎖されている。
図10は、ケーシング40の内部を後方から見た断面図である。仕切り壁45の左側部には、メンテナンス用の第2の開口52が形成されている。この第2の開口52は、室内送風機22の左側における空間Sの前方に位置している。第2の開口52は、送風機室47側から仕切り壁45に着脱自在に取り付けられる蓋体56によって閉鎖されている。
図1及び図7に示すように、左側室内機12Bは、その右側に配置されたユニットバス4の天井に設けられた点検口7から配管接続口27,28や電装品箱54等のメンテナンスを行うことができる。特に、ケーシング40の右側壁44に形成された第1の開口51を介して配管接続口27,28周りのメンテナンスを行うことができる。
また、点検口7から天井70内のケーシング40の後側に入り込み、吸込口42aを介して室内送風機22等のメンテナンスも行うことができる。天井70に形成された空気取入口71aからも吸込口42aを介して室内送風機22等のメンテナンスを行うことができる。
左側室内機12Bの左側には、例えば200〜300mmの間隔をあけて部屋の壁8が対向して配置されている。この間隔は、メンテナンスを行うには狭い間隔である。そのため、液管32に設けられた室内膨張弁19及び温度センサ39、ガス管31に設けられた温度センサ38等のメンテナンスは、左側壁43の第1の開口51からは行い難い。しかしながら、本実施形態では、ケーシング40の仕切り壁45に第2の開口52(図7及び図10参照)が形成されているので、ケーシング40の吸込口42aから第2の開口52を介して熱交換室46内に手を挿入し、室内膨張弁19や温度センサ38,39等のメンテナンスを行うことができる。このとき、送風機室47には空間Sが形成されているので、吸込口42aから第2の開口52に手を挿入してアクセスしやすく、メンテナンスを容易に行うことができる。
また、ケーシング40の左側壁43と壁8との間隔に片腕だけを挿入し、第1の開口51からも熱交換室46内に手を挿入することによって、第1及び第2の開口51,52の双方を用いて両手でメンテナンスを行うことも可能となる。送風機室47は、前後方向の幅が約300〜400mm程度であり、第1の開口51は、第2の開口52に近い熱交換室46の後部側に設けられているので、双方の開口51,52を用いたメンテナンスが可能となっている。
また、図13に示すように、ケーシング40の左側壁43に形成された第1の開口51の投影域X1と、仕切り壁45に形成された第2の開口52の投影域X2とが重複する平面視における範囲X(図13において2点鎖線のハッチングが付された範囲X)内には、室内膨張弁19、温度センサ38,39が配置されている。そのため、これらの部品19,38,39のメンテナンスを、第1の開口51及び第2の開口52のいずれからも好適に行うことができる。
以上、説明したように、本実施形態の右側室内機12A及び左側室内機12Bは、室内熱交換器20に接続されるガス管31及び液管32の構造(特に、配管接続口27,28の配置)が互いに異なるものの、ケーシング40の構造、室内熱交換器20及び室内送風機22の構造と配置とが互いに共通している。そのため、室内機12A,12Bの構造を可及的に共通化することができる。
また、右側室内機12Aと左側室内機12Bとは、配管接続口27,28が互いにケーシング40の左右反対側に配置されているが、室内熱交換器20の構造が同一であるために室内膨張弁19や温度センサ38,39等のメンテナンス部品は、いずれも室内熱交換器20とケーシング40の左側壁43との間に配置されている。これらのメンテナンス部品19,38,39は、右側室内機12Aにおいても左側室内機12Bにおいても、第1の開口51又は第2の開口52から好適にメンテナンスを行うことができる。
[左側室内機12Bにおけるガス管31及び液管32の配置]
図11は、図7におけるXI−XI矢視断面図である。図11に示すように、室内熱交換器20を左右方向に横切るガス管31の中途部31a(以下、単に「ガス管31a」ともいう)及び液管32の中途部32a(以下、単に「液管32a」ともいう)は、室内熱交換器20よりも空気流方向の上流側(一次側)に配置されている。これは、仮に、ガス管31a及び液管32aが室内熱交換器20の下流側(二次側)に配置されていたとすると、室内熱交換器20で熱交換された後の空気がガス管31a及び液管32aに当たり、ガス管31a及び液管32aを流れる冷媒の温度に悪影響を与える可能性があるからである。
また、ガス管31a及び液管32aは、前後方向及び上下方向に間隔をあけて配置されている。具体的には、ガス管31aは、液管32aよりも後方及び上方に配置されている。また、ガス管31aと液管32aとは、室内送風機22からの空気の流れを基準として所定の関係を有するように配置されている。以下、この点について詳細に説明する。
室内送風機22の吐出口22cから吐出される空気流は、吐出口22cの上壁22d及び下壁22eの間の中心線Oに沿って吹き出されていると仮定することができる。吐出口22cの上壁22dと下壁22eとは互いに平行ではなく、前方ほど間隔が拡がるように相対的に傾斜して配置されている。したがって、本実施形態の中心線Oは、上壁22dと下壁22eとの間の角度θの中心を通る仮想線となっている。
ガス管31aと液管32aとは、中心線Oと平行な方向に関して少なくとも一部が重なるように配置されている。具体的には、中心線Oと平行な方向に関して、ガス管31aの下部と液管32aの上部とが重なっている。このようにガス管31aと液管32aとが重なることによって、吐出口22cから吐出された空気流がガス管31a及び液管32aから受ける抵抗を可及的に小さくすることができる。また、ガス管31aと液管32aとは、中心線Oと平行な方向に関して、互いに間隔をあけて配置されている。これによって、ガス管31aと液管32aとの間の空気流の流れをスムーズにすることができる。また、ガス管31aは、中心線O上に配置されている。
また、中心線Oと平行な方向に関して、ガス管31aは、室内送風機22と室内熱交換器20との略中間に配置されている。具体的には、ガス管31aから室内送風機22までの距離aと、室内熱交換器20までの距離bとは略同一とされている。また、中心線Oと平行な方向に関して、液管32aは、室内送風機22よりも室内熱交換器20の近くに配置されている。室内送風機22から吐出される空気流は、上壁22dと下壁22eの角度θによって上下に拡がりながら前方へ流れる。そのため、ガス管31a及び液管32aが吐出口22cに近いほど、空気流の上下の幅に占めるガス管31a及び液管32aの上下幅が大きくなり、その分、ガス管31a及び液管32aが空気流に与える影響が大きくなる。本実施形態では、ガス管31a及び液管32aが、室内送風機22と室内熱交換器20との中間又はそれよりも室内熱交換器20寄りに配置されているので、ガス管31a及び液管32aが空気流に与える影響を小さくすることができる。なお、ガス管31aは、液管32aと同様に、室内送風機22と室内熱交換器20との中間よりも室内熱交換器20寄りに配置されていてもよい。
ガス管31a及び液管32aは、空気流が流入する室内熱交換器20の上面(流入面)20aに垂直な方向の投影面積の下半分(後半分)の領域Rに配置されている。上記のようにシロッコファンにより構成された室内送風機22は、熱交換室46の上部側で風速が高く、下部側で風速が低くなるような速度分布で空気流を生成する。そのため、上記のようにガス管31a及び液管32aを領域Rに配置することで、可及的に風速の低い領域にガス管31a及び液管32aを配置することができ、ガス管31a及び液管32aが空気流に与える影響を小さくすることができる。
また、液管32aは、ガス管31aよりも室内熱交換器20の近くに配置され、その距離(最短距離)Lは、ガス管31aの直径dの、1.8倍以上2.2倍以下の寸法、(すなわち、1.8d≦L≦2.2d)に設定されている。距離Lが1.8dよりも小さいと、室内熱交換器20に流入する空気流が少なくなり、距離Lが2.2dよりも大きいと、室内送風機22から吹き出す空気流の抵抗になり易くなるからである。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態においては、室内機12のケーシング40の左右両側壁43,44に第1の開口51が形成されていたが、配管接続口27,28が引き出される側のみに形成されていてもよい。すなわち、右側室内機12Aにおいては左側壁43に、左側室内機12Bにおいては右側壁44に第1の開口51が形成されていてもよい。この場合、左右の室内機12A,12Bにおいて、ケーシング40の構成は若干異なるが、室内熱交換器20と室内送風機22との構造及び配置を共通化することが可能となり、メンテナンス性が損なわれることもない。
左側室内機12Bのガス管31及び液管32は、室内熱交換器20の空気流方向の上流側における前後の配置を逆にすることも可能である。
室内送風機22は、室内熱交換器20の前方に配置され、熱交換室46の空気を吸引して前方に吐出するものであってもよい。
上記実施形態では、室内熱交換器20及び室内送風機22がケーシング40の右側に偏って配置されていたが、左側に偏って配置されていてもよく、ケーシング40の左右中央に配置されていてもよい。また、冷媒管31,32の一部(ヘッダ34及び分流器35)や、室内膨張弁19、温度センサ38,39等のメンテナンス部品は、室内熱交換器20とケーシング40の右側壁44との間に配置されていてもよい。
10 :空気調和装置
12 :室内機
12A :右側室内機
12B :左側室内機
19 :室内膨張弁(メンテナンス部品)
20 :室内熱交換器
22 :室内送風機
22c :吐出口
27 :ガス側配管接続口
28 :液側配管接続口
31 :ガス管(冷媒管)
32 :液管(冷媒管)
38 :温度センサ(メンテナンス部品)
39 :温度センサ(メンテナンス部品)
40 :ケーシング
43 :左側壁
44 :右側壁
45 :仕切り壁
46 :熱交換室
47 :送風機室
51 :第1の開口
52 :第2の開口
S :空間
X :範囲
X1 :投影域
X2 :投影域

Claims (7)

  1. ケーシング(40)内に送風機(22)及び熱交換器(20)が収容され、前記送風機(22)によって生成された空気流が前記熱交換器(20)を通過して前記ケーシング(40)から吹き出される室内機(12)であって、
    前記熱交換器(20)が配置される熱交換室(46)と前記送風機(22)が配置される送風機室(47)とに前記ケーシング(40)内を前後に区画する仕切り壁(45)が前記ケーシング(40)内に設けられ、
    前記熱交換器(20)の左右一方側の側部と前記ケーシング(40)の前記左右一方側の側壁(43)との間に、メンテナンスを要するメンテナンス部品(19,38,39)が配置され、
    前記熱交換室(46)における前記ケーシング(40)の左右の側壁(43,44)の少なくとも一方に、メンテナンス用の第1の開口(51)が形成され、
    前記仕切り壁(45)における前記左右一方側の端部に、メンテナンス用の第2の開口(52)が形成されている空気調和装置の室内機。
  2. 前記送風機室(47)において、前記送風機(22)の前記左右一方側の側部と、前記ケーシング(40)の前記左右一方側の側壁(43)との間に、前記第2の開口(52)を介して前記熱交換室(46)にアクセスするための空間(S)が形成されている、請求項1に記載の空気調和装置の室内機。
  3. 前記熱交換器(20)の前記左右一方側の側部に一端部が接続される冷媒管(31,32)を備え、
    前記冷媒管(31,32)の他端部に、前記ケーシング(40)の前記左右他方側の側壁(44)から外部に引き出されかつ室外機からの冷媒連絡管が接続される配管接続口(27,28)が設けられている、請求項1又は2に記載の空気調和装置の室内機。
  4. 前記第1の開口(51)は、前記冷媒管(31,32)の配管接続口(27,28)を前記ケーシング(40)の外部へ引き出すための開口を兼ねている、請求項3に記載の空気調和装置の室内機。
  5. 前記第1の開口(51)の縁部には、前記配管接続口(27,28)を支持するための支持部が設けられている、請求項3又は4に記載の空気調和装置の室内機。
  6. 前記ケーシング(40)の前記左右一方側の側壁(43)に形成された前記第1の開口(51)と、前記第2の開口(52)とが互いに直交した関係にあり、これら第1及び第2の開口(51,52)の投影域が重複する平面視における範囲内に前記メンテナンス部品(19,38,39)が配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
  7. 前記ケーシング(40)の左右一方側の側壁(43)が、部屋の壁部(8)に対向して配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
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