本発明は、冷凍装置の室外ユニットに関し、特に室外ユニットのケーシング内での室外熱交換器や圧縮機の配置構造に関するものである。
従来より、室外に設置される室外ユニットと室内に設置される室内ユニットとが冷媒配管で接続された構成の冷凍装置として、いわゆる室内マルチタイプの空気調和装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この空気調和装置では、1つの室外ユニットに対して複数の室内ユニットが接続され、ビルなどの複数の部屋を空調することができる。
一般に、上記空気調和装置の室外ユニットでは、ケーシング内に、圧縮機や室外熱交換器などの冷媒回路機器やそれらを接続する冷媒配管、室外熱交換器に送風するための室外ファン、及び上記圧縮機や室外ファンなどを制御する電装部品などが設けられている。
上記室外熱交換器は、上記ケーシングの底フレームの上面に下端面が載置された状態で固定され、熱交換面がケーシングの側面に沿うように設置されている。ところで、上記熱交換器の熱交換面積を大きくするために、ケーシングが有する複数の側面のすべてに沿って熱交換面を配置するように、室外熱交換器を角型の筒状に形成したものがある(例えば特許文献2参照)。特許文献2の室外熱交換器は、ケーシングが四角形であり、熱交換器は断面「ロ」の字状に形成されている。
特開2007−218534号公報
実公昭60−18767号公報
しかし、室外熱交換器の熱交換面がケーシングの複数の側面に沿う構成において、ケーシング内に圧縮機や他の冷媒回路部品を配置する場合、例えば圧縮機をメンテナンスで取り外すときには、圧縮機をケーシングの上方から取り出す作業を行う必要がある。また、ケーシングの4側面に沿って熱交換器を配置する場合には、室外ファンはケーシングの上方に配置されるので、上記のメンテナンスの際にはファンも取り外す必要があり、作業が極めて繁雑になってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、室外熱交換器をケーシングの複数の側面に沿って配置する構成の冷凍装置の室外ユニットにおいて、圧縮機等を容易にメンテナンスできるようにすることである。
第1の発明は、ケーシング(20)内に、圧縮機(50)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)とを備え、かつ室内ユニットへの連絡配管が取り付けられる閉鎖弁(55,56)及び該閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に取り付ける取付部材(57)を備え、上記室外熱交換器(30)が、上記ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿って熱交換面が配置されるとともに、一端面を下端にした状態で該ケーシング(20)の底フレーム(22)に固定される筒型の熱交換器により構成された冷凍装置の室外ユニットを前提としている。
そして、この空気調和装置の室外ユニットは、上記ケーシング(20)の1つの側面に、開放可能なサービス面が設けられ、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機(50)が配置され、上記サービス面の一端側に上記閉鎖弁(55,56)及び取付部材(57)が配置されるとともに、該サービス面の他端側からのびる上記室外熱交換器(30)の端部が該サービス面の幅方向中央近傍に配置され、上記サービス面における上記室外熱交換器(30)の一端と上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)の間に圧縮機サービス用アクセス開口(3b)が形成されていることを特徴としている。
この第1の発明では、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。なお、室外ユニットの据え付け時には、サービス用アクセス開口(3b)を通常はケーシング(20)の側面パネルで覆う構成を採用することになるが、圧縮機(50)をケーシング(20)から取り出すときには側面パネルもケーシング(20)から外すとよい。
第2の発明は、ケーシング(20)内に、圧縮機(50)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)とを備え、かつ電装品が収納される電装品ユニット(60)を備え、上記室外熱交換器(30)が、上記ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿って熱交換面が配置されるとともに、一端面を下端にした状態で該ケーシング(20)の底フレーム(22)に固定される筒型の熱交換器により構成された冷凍装置の室外ユニットを前提としている。
そして、この第3の発明の室外ユニットは、上記ケーシング(20)の1つの側面に、開放可能なサービス面が設けられ、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機(50)が配置され、上記サービス面の一端側に上記電装品ユニット(60)が配置されるとともに、該サービス面の他端側からのびる上記室外熱交換器(30)の端部が該サービス面の幅方向中央近傍に配置され、上記サービス面における上記室外熱交換器(30)の一端と上記電装品ユニット(60)の間に圧縮機サービス用アクセス開口(3c)が形成されていることを特徴としている。
この第3の発明では、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、圧縮機(50)を、室外熱交換器(30)と電装品ユニット(60)との間のサービス用アクセス開口(3c)から取り出すことができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記ケーシング(20)内に上記圧縮機(50)が複数台設置されていることを特徴としている。
この第3の発明では、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に複数の圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、各圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記ケーシング(20)には、上記圧縮機(50)を覆うための圧縮機カバー(70)が設けられるとともに、該圧縮機カバー(70)は、締結部材を用いて分解と組み立てが可能に構成され、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記締結部材を操作するための締結工具による該締結部材へのアクセスと、上記圧縮機カバー(70)を分解した部品の取り出しが可能な寸法に構成されていることを特徴としている。
この第4の発明では、上記サービス用アクセス開口(3b)から圧縮機カバー(70)の締結部材を締結工具で操作できるように上記開口(3b)を寸法設定している。したがって、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から上記開口(3a)を通して分解することができ、その後に分解したカバー部品や圧縮機(50)を取り出すこともできる。また、圧縮機(50)をケーシング(20)内に上記サービス用アクセス開口(3b)を通して組み込んだ後、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から組み立てることもできる。
第5の発明は、第4の発明において、上記圧縮機カバー(70)の締結部材が、サービス用アクセス開口(3b)で開放された範囲内に位置する第1の締結部材(77)と、該サービス用アクセス開口(3b)よりも室外熱交換面(30)の奥に位置する第2の締結部材(76)とを含み、上記第2の締結部材(76)の締結方向は、上記圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して上記サービス用アクセス開口(3b)側へ傾斜していることを特徴としている。
この第5の発明では、上記サービス用アクセス開口(3b)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)の締結部材の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させているので、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができる。
本発明によれば、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。また、ケーシング(20)の複数の側面に沿って室外熱交換器(30)を配置する場合には室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本発明によれば上記のメンテナンスの際にファンを取り外す必要もない。したがって、室外熱交換器(30)をケーシング(20)の複数の側面に沿って配置する構成の冷凍装置の室外ユニットにおいて、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記第2の発明によれば、室外熱交換器(30)と電装品ユニット(60)との間のサービス用アクセス開口(3c)から圧縮機(50)を取り出すことにより、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記第3の発明によれば、複数の熱交換面が圧縮機(50)の各側面に沿うように室外熱交換器(30)を配置した構成において、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(50)を上記開口(3b)から取り出すことができる。したがって、圧縮機(50)を複数備えた室外ユニットにおいても、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記第4の発明によれば、圧縮機(50)を覆う圧縮機カバー(70)が設けられる構成であっても、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記第5の発明によれば、上記サービス用アクセス開口(3b)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)の締結部材の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができるようにしているので、十分な熱交換面積を確保して熱交換器の能力低下を抑えられる。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和装置の室外ユニットの外観形状を示す斜視図である。
図2は、図1の室外ユニットの内部構造を示す第1の斜視図である。
図3は、図1の室外ユニットの内部構造を示す第2の斜視図である。
図4は、図1の室外ユニットの下半部の内部構造を示す平面図である。
図5は、実施形態1の圧縮機カバーの分解斜視図である。
図6は、実施形態1の圧縮機カバーの分解組立状態を示す断面図である。
図7は、実施形態2に係る空気調和装置の室外ユニットの外観形状を示す斜視図である。
図8は、図7の室外ユニットの内部構造を示す第1の斜視図である。
図9は、図7の室外ユニットの内部構造を示す第2の斜視図である。
図10は、図7の室外ユニットの下半部の内部構造を示す平面図である。
図11は、実施形態3に係る室外ユニットの側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
図1〜図4に示すように、本実施形態1の室外ユニット(10)は、冷凍装置である空気調和装置に用いられるものであって、図示しないが、室内ユニットが接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。
上記室外ユニット(10)は、例えば、ビルの屋上等に設置され、ケーシング(20)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)と圧縮機構(50)とを備えている。
上記ケーシング(20)は、平面視矩形状に形成され、4本の支柱(21)と底フレーム(22)と側面パネル(23)と天板(24)とを備えている。
上記4つの支柱(21)は、四隅に設けられ、下部に底フレーム(22)が固定されている。また、前側の左右の支柱(21,21)の下端には基礎脚(27)が接続され、後ろ側の左右の支柱(21)の下端にも基礎脚(27)が接続されている。
上記側面パネル(23)は、ケーシング(20)の上半部四面を形成する上側面パネル(23a)と、ケーシング(20)の下半部における前面を形成し且つ左半分を形成する前側面パネル(23b)と、ケーシング(20)の下半部における左側の横側面を形成し且つ前半分を形成する横側面パネル(23c)とを備えている。そして、上記ケーシング(20)の側面には、下半部における前面の右半分と、下半部における右側の横側面と、下半部における背面と、下半部における左側の横側面の後半分に吸込口(25)が形成されている。
また、上記天板(24)は、支柱(21)の上端に固定され、吹出口(26)が形成されると共に、吹出口(26)を覆うグリル(24a)を備えている。
上記室外熱交換器(30)は、フィンアンドチューブ型熱交換器であって、室外空気と冷媒とを熱交換するように構成されている。そして、上記室外熱交換器(30)は、上下に起立した状態で設けられ、熱交換面が上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る(ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿う)折曲熱交換器(角筒形熱交換器)に構成されている。さらに、上記室外熱交換器(30)の両側端の間には、ケーシング(20)の前側の左隅角部を挟んで所定の開口(3a)が形成されている。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)の開口(3a)に対応して上記前側面パネル(23b)と横側面パネル(23c)が設けられている。
上記室外熱交換器(30)の開口(3a)が設けられているケーシング(20)の前面側は、サービス面になっており、前側面パネル(23b)を取り外した部分が開放面になる。このサービス面の一端側(図の左側)における上記開口(3a)内の部分には、室外ユニット(10)と室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が配置されている。そして、サービス面の他端側からのびる室外熱交換器(30)の端部は、サービス面のほぼ中央(ケーシング(20)の幅方向の中央近傍)に位置している。そして、この室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に、サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。サービス用アクセス開口(3b)は、圧縮機取り出し用開口部と言うことができる。
上記圧縮機構(50)は、ケーシング(20)内において、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に配置されている。具体的には、平面視において、室外熱交換器(30)と、室外熱交換器(30)の両端を結んだ線とで形成される仮想の筒体の内側に圧縮機の大部分が位置するようになっている。
上記底フレーム(22)には、上記圧縮機構(50)と油分離器(51)とアキュムレータ(52)とが取り付けられ、上記圧縮機構(50)は、2台の圧縮機(5a,5b)で構成されている。
また、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)が収納される下部空間(2a)と、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)との間に位置して、水平方向に延びるステー(20a,20b,20c,20d)が4面に取り付けられている。
上記室外ファン(40)は、2台設けられ、ファン本体(41)とファンモータ(図示せず)とベルマウス(43)とを備え、上記ステー(20a,20c)に取り付けられている。
さらに、上記ケーシング(20)には、圧縮機構(50)等を制御するための電装品が収納される電装品ユニット(60)が取り付けられている。該電装品ユニット(60)は、室外熱交換器(30)の前面上方において、室外熱交換器(30)の上端の直近に配置され、上側面パネル(23a)と室外ファン(40)のベルマウス(43)との間に設けられている。
上記室外熱交換器(30)は、上記底フレーム(22)に一端面を下端にして載置された状態でケーシング(20)に固定されている。具体的には、上記室外熱交換器(30)の両端に設けられている管板(31)を底フレーム(22)を含むケーシング(20)に締結することにより、室外熱交換器(30)がケーシング(20)に固定されている。なお、上記室外熱交換器(30)には、該室外熱交換器(30)の両端に示している管板(31)の他にも、必要に応じて複数の管板を設け、これらの管板も室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いてもよい。
上記底フレーム(22)には、上記圧縮機構(50)を覆う圧縮機カバー(70)が取り付けられている。この圧縮機カバー(70)は、圧縮機構(50)の振動による騒音を低減するための防音箱として設けられている。上記圧縮機カバー(70)は、図5の分解斜視図に示すように、前壁板(71)と左右の側壁板(72,73)と後壁板(74)と上壁板(75)とを有し、これらをビスなどの締結部材で固定することにより、上端が閉塞された縦長の四角い箱に形成されている。前壁(71)、左右の側壁板(72,73)、後壁板(74)及び上壁板(75)は、それぞれ、金属プレートを折り曲げ成形した板金部材である。圧縮機カバー(70)を構成する部材の内面には、例えば防音材を貼り付けておくとよい。
前壁板(71)は、互いに別部材である上部前板(71a)と下部前板(71b)とから構成されていて、上部前板(71a)の高さ寸法と下部前板(71b)の高さ寸法を合計した寸法が、左右の側壁板(72,73)及び後壁板(74)の高さ寸法と実質的に一致している。上部前板(71a)が下部前板(71b)の上方に隙間のない状態で配置される。
右側壁板(72)は、右横板(72a)と右前板(72b)とが一体的に形成された部材であって、平面視が「L」形の部材である。右横板(72a)の下端と右前板(72b)の下端には、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。この取付片(70a)は、ビスなどの締結部材を用いて右側壁板を上記底フレーム(22)に固定するために用いられる。
左側壁板(73)は、左横板(73a)と上記下部前板(71b)とが一体になった折り曲げ部品である。この左側壁板(73)の左横板(73a)と上記下部前板(71b)には、上記右側壁板(72)と同様に、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。また、上記下部前板(71b)には、上記圧縮機構(50)などの電気部品用のワイヤーハーネスを通すための複数の配線孔(70b)が形成されている。
上記後壁板(74)は、背板(74a)と右後板(74b)と左後板(74c)を一枚の金属プレートから折り曲げ形成した部材である。この後壁板(74)の下端には、上記右側壁板(72)及び右側壁板(72)と同様に、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。また、後壁板(74)の背板(74a)の上端には、2台の圧縮機(5a,5b)のそれぞれに接続された吸入管と吐出管とが挿通する切り欠き部(74d)が形成されている。なお、吸入管と吐出管は、ゴムホース等の制振部材を有する取付部材を介して背板(74a)に取り付けられている。このように吸入管及び吐出管を取り付けることにより、吸入管及び吐出管の振動が圧縮機カバー(70)に伝わらないようにして圧縮機カバー(70)の振動を抑制している。
上記右側壁板(72)の右横板(72a)と後壁板(74)の右後板(74b)は、フック(70e)を用いて一体化されるようになっている。そのために、右横板(72a)と右後板(74b)の継ぎ目には、それぞれフランジプレート(72c,74e)が設けられ、右横板(72a)のフランジプレート(72c)にはフック(70e)が形成される一方、右後板(74b)のフランジプレート(74e)には上記フック(70e)が係合する穴(70f)が形成されている。また、上記左側壁板(73)の左横板(73a)と後壁板(74)の左後板(74c)も、フック(70e)を用いて一体化されるようになっている。そのために、左横板(73a)と左後板(74c)の継ぎ目には、上記と同様、それぞれフランジプレート(73c,74f)が設けられ、左横板(73a)のフランジプレート(73c)にはフック(70e)が形成される一方、左後板(74c)のフランジプレート(74f)には上記フック(70e)が係合する穴(70f)が形成されている。
上記上壁板(75)は、右側壁板(72)、左側壁板(73)及び後壁板(74)の上端にネジ留めされるように構成されている。このために、上壁板(75)の周縁部には所定ピッチでビス孔が形成される一方、右側壁板(72)、左側壁板(73)及び後壁板(74)の上端部は圧縮機カバー(70)の内側に折り曲げられて、ネジ穴を有する上板固定片(70c)が形成されている。
上記前壁板(71)である上部前板(71a)と下部前板(71b)を右側壁板(72)に取り付ける構造を図6の断面図に示している。図示するように、上部前板(71a)及び下部前板(71b)における図の右側端部と、右前板(72b)の左側端部には、互いに重ねてビス(第2の締結部材)(76)で固定するためのフランジプレート(70d,70d)が形成されている。これらのフランジプレート(70d,70d)は、ビスの締結方向が前壁板(71)の面直角方向に対して、上記開口(3a)側へ傾斜した方向となるように形成されている。なお、図5における上部前板(71a)の左側端部は、左側壁板(73)の前端に形成されているフランジプレート(73b)に対しビス(第2の締結部材)(77)で固定するように構成され、そのビス止め方向は上部前板(71a)の面直角方向になっている。
上記構成の圧縮機カバー(70)は、底フレーム(22)にまず圧縮機構(50)を固定してから、次に後壁板(74)を取り付けて配管作業を行った後、左右の側壁板(72,73)を底フレーム(22)に取り付けてから、前壁板(71)を右側壁板(72)に固定する順に取り付け作業を行う。なお、下部前板(71b)を底フレーム(22)に取り付けるのは、右側壁板(72)に対する下部前板(71b)の取り付け前後どちらに行ってもよい。
以上説明したように、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機構(50)が配置されるとともに、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)がある熱交換面には、室外熱交換器(30)の端部から閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)にわたって形成されるサービス用アクセス開口(3b)を有している。上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記圧縮機構(50)(圧縮機)(5a,5b)の取り出し必要寸法に設定されている。なお、取り出し必要寸法が設定される上記のサービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、各圧縮機(5a,5b)の取り出し最小幅寸法(ほぼ圧縮機の外径寸法と考えることができる)より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
また、上述したように、上記ケーシング(20)には、上記圧縮機構(50)を覆うための圧縮機カバー(70)が設けられるとともに、該圧縮機カバー(70)は、ビスなどの締結部材を用いて分解と組み立てが可能に構成されている。そして、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法(図4に示している開口(3a)における閉鎖弁(54)と管板(31)との間の幅寸法)は、上記第2の締結部材であるビス(76)を操作するための締結工具が上記管板(31)に干渉しないように寸法設定されている。言い換えると、本実施形態では、上記端板(31)を締結工具が干渉しない位置設定にするとともに、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法が、上記締結部材を操作するために締結工具で該開口(3a)からビス(76)にアクセスでき、かつ圧縮機カバー(70)を分解した部品の取り出しが可能な寸法に設定されている。なお、上部前板(71a)は、圧縮機(5a,5b)のメンテナンスの際には圧縮機カバー(70)から取り外される。
このように、本実施形態では、上記圧縮機カバー(70)の締結部材として、上記開口(3a)を有する前面側の熱交換面に対して、サービス用アクセス開口(3b)で開放された範囲内に位置する第1の締結部材(77)と、該開口(3b)よりも熱交換面の奥に位置する第2の締結部材(76)とを用い、上記第2の締結部材であるビス(76)の締結方向は、上記圧縮機カバー(70)の前壁板(71)の面直角方向に対して上記開口側へ傾斜させている。
−運転動作−
この空気調和装置の室外ユニット(10)の運転時は、圧縮機構(50)が動作して、この室外ユニット(10)と図示していない室内ユニットとの間に形成されている冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。また、室外ユニット(10)のケーシング(20)内では室外ファン(40)が回転し、ケーシング(20)の下半部に形成されている吸込口(25)により四方からケーシング(20)内に吸い込まれた室外空気が室外熱交換器(30)を通過する。室外熱交換器(30)を通過する室外空気は、室外熱交換器(30)の中を流れる冷媒と熱交換して、暖房運転時には蒸発器になっている室外熱交換器(30)で冷媒に熱を奪われて冷却され、冷房運転時には凝縮器になっている室外熱交換器(30)で冷媒から熱を奪って過熱される。そして、室外空気はさらに室外ファン(40)を通過して上方へ向きを変え、吹出口(26)から室外へ吹き出される。
この実施形態1では、ケーシング(20)の前面側に設けられているサービス用アクセス開口(3b)が圧縮機構(50)の取り出し必要寸法を満たすように形成されているので、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機構(50)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機構(50)(圧縮機(5a,5b))を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
なお、室外ユニット(10)の据え付け時には、サービス用アクセス開口(3b)をケーシングの前側面パネル(23b)で覆う構成を採用しているが、圧縮機構(50)をケーシング(50)から取り出すときには前側面パネル(23b)もケーシング(20)から取り外して作用を行う。
また、本実施形態では、上記サービス用アクセス開口(3b)から圧縮機カバー(70)のビス(76)を締結工具で操作できるように、その開口幅を寸法設定している。したがって、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から上記開口(3a)を通して分解することができ、その後に圧縮機(5a、5b)を取り出すこともできる。また、圧縮機(5a,5b)をケーシング(20)内に上記サービス用アクセス開口(3b)を通して組み込んだ後、圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)をケーシング(20)の外から組み立てることもできる。
特に、この実施形態では、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して開口(3a)側へ寝かせるように傾斜させているので、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、以上説明したように、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(5a,5b)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(5a,5b)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
また、ケーシング(20)の複数の側面に沿う熱交換面を有する室外熱交換器(30)を配置する場合には、本実施形態のように一般に室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本実施形態によれば上記のメンテナンスの際に室外ファン(40)を取り外す必要もない。したがって、圧縮機(5a,5b)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記サービス用アクセス開口(3b)を、各圧縮機(5a,5b)の取り出し必要寸法に設定しているので、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(5a,5b)を上記開口(3b)から確実に取り出すことができる。したがって、このことによっても、圧縮機(5a,5b)のメンテナンス作業を特に容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)の分解や組立を行うことができるようにしているので、開口(3a)の幅の適切な設定と相まって、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
図7に示すように、本実施形態2の室外ユニット(10)は、実施形態1のものと比べて小型に構成されている。
上記ケーシング(20)は、平面視矩形状に形成され、4本の支柱(21)と底フレーム(22)と側面パネル(23)と天板(24)とを備えている。
上記4つの支柱(21)は、四隅に設けられ、下部に底フレーム(22)が固定されている。また、前側の左右の支柱(21,21)の下端には基礎脚(27)が接続され、後ろ側の左右の支柱(21)の下端にも基礎脚(27)が接続されている。
上記側面パネル(23)は、ケーシング(20)の上半部四面を形成する上側面パネル(23a)と、ケーシング(20)の下半部における前面を形成し且つ左半分を形成する前側面パネル(23b)と、ケーシング(20)の下半部における左側の横側面を形成し且つ前半分を形成する横側面パネル(23c)とを備えている。そして、上記ケーシング(20)の側面には、下半部における前面の右半分と、下半部における右側の横側面と、下半部における背面と、下半部における左側の横側面の後半分に吸込口(25)が形成されている。
また、上記天板(24)は、支柱(21)の上端に固定され、吹出口(26)が形成されると共に、吹出口(26)を覆うグリル(24a)を備えている。
上記室外熱交換器(30)は、フィンアンドチューブ型熱交換器であって、室外空気と冷媒とを熱交換するように構成されている。図8及び図9に示すように、上記室外熱交換器(30)は、上下に起立した状態設けられ、上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る折曲熱交換器に構成されている。さらに、上記室外熱交換器(30)の両側端の間には、ケーシング(20)の前側の左隅角部を挟んで所定の開口(3a)が形成されている。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。つまり、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)の開口(3a)に対応して上記前側面パネル(23b)と横側面パネル(23c)が設けられている。
上記室外熱交換器(30)の開口(3a)が設けられているケーシング(20)の前面側は、サービス面になっており、前側面パネル(23b)を取り外した部分が開放面になる。このサービス面の一端側(図の左側)における上記開口(3a)内の部分には、室外ユニット(10)と室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が配置されている。そして、サービス面の他端側からのびる室外熱交換器(30)の端部は、サービス面のほぼ中央(ケーシング(20)の幅方向の中央近傍)に位置している。そして、この室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に、サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。
図10にも示すように、上記底フレーム(22)には、圧縮機構(50)と油分離器(51)とアキュムレータ(52)とが取り付けられ、上記圧縮機構(50)は、1台の圧縮機(5a)で構成されている。
また、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)が収納される下部空間(2a)と、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)との間に位置して、水平方向に延びるステー(20a,20b,20c,20d)が4面に取り付けられている。
上記室外ファン(40)は、ファン本体(41)とファンモータ(図示省略)とベルマウス(43)とを備え、上記ステー(20a,20c)に取り付けられている。
さらに、上記ケーシング(20)には、圧縮機構(50)等を制御するための電装品が収納される電装品ユニット(60)が取り付けられている。該電装品ユニット(60)は、ケーシング(20)を正面から見て左側に位置するステー(20d)の上に配置され、室外熱交換器(30)の上端の直近に配置され、ケーシング(20)を正面から見て左側に位置する上側面パネル(23a)と室外ファン(40)のベルマウス(43)との間に設けられている。
上記室外熱交換器(30)は、上記底フレーム(22)に一端面を下端にして載置された状態でケーシング(20)に固定されている。具体的には、上記室外熱交換器(30)の両端に設けられている管板(31)を底フレーム(22)を含むケーシング(20)に締結することにより、室外熱交換器(30)がケーシング(20)に固定されている。なお、上記室外熱交換器(30)には、該室外熱交換器(30)の両端に示している管板(31)の他にも、必要に応じて複数の管板を設け、これらの管板も室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いてもよい。
以上のように、実施形態2の室外ユニット(10)は、圧縮機構(50)が1台の圧縮機(5a)で構成されていることを除き、実施形態1とほぼ同様に構成されている。また、圧縮機カバー(70)の構成も、圧縮機(5a)の台数が異なるために寸法設定が実施形態1とは相違する点を除いて、構成自体は実施形態1と同じである。そのため、実施形態2の圧縮機カバー(70)の分解斜視図や具体構成の説明は本実施形態では省略する。また、圧縮機カバー(70)の分解や組立構造と、上部前板(71a)とサービス用アクセス開口(3b)との位置関係に基づいてビス(76)の締結方向を斜め向きに設定していることも実施形態1と同じである。
−実施形態2の効果−
この実施形態2においても、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(5a)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(5a)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
また、ケーシング(20)の複数の側面に沿う熱交換面を有する室外熱交換器(30)を配置する場合には、本実施形態のように一般に室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本実施形態によれば上記のメンテナンスの際に室外ファン(40)を取り外す必要もない。したがって、圧縮機(5a)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記サービス用アクセス開口(3b)を、各圧縮機(5a)の取り出し必要寸法に設定しているので、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(5a)を上記開口(3b)から確実に取り出すことができる。したがって、圧縮機のメンテナンス作業を特に容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)の分解や組立を行うことができるようにしているので、開口(3a)の幅の適切な設定と相まって、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。
図11は、実施形態3の室外ユニット(10)において熱交換器の開口(3a)が形成された面の側面図である。
図示するように、上記室外ユニット(10)のケーシング(20)の内部には、室外熱交換器(30)と室外ファン(40)と圧縮機構(50)が設けられている。室外熱交換器(30)は、上記各実施形態と同様に、上下に起立した状態でケーシング(20)の底面に設けられ、熱交換面が上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る(ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿う)折曲熱交換器(角筒形熱交換器)に構成されている。この室外熱交換器(30)における図の左側の端面には管板(31)が設けられている。
上記室外ファン(40)は、上記各実施形態と同様に室外熱交換器(30)の上方に設けられている。
また、ケーシング(20)の底面部分における図の左側の端部には、室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が設けられている。
そして、ケーシング(20)の左側端面における閉鎖弁(55,56)には、電装品ユニット(60)が設けられている。
この実施形態3において、圧縮機取り出し用開口部であるサービス用アクセス開口(3b)は、室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に形成されている。サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記圧縮機構(50)の取り出し必要寸法に設定されている。なお、取り出し必要寸法が設定される上記のサービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、圧縮機(50)の取り出し最小幅寸法(ほぼ圧縮機の外径寸法と考えることができる)より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
そして、この実施形態3では、上記サービス用アクセス開口(3b)を第1のサービス用アクセス開口とすると、室外熱交換器(30)の端面と電装品ユニット(60)との間に第2のサービス用アクセス開口(3c)が形成されている。このサービス用アクセス開口(3c)は、第1のサービス用アクセス開口(3b)と同様に圧縮機(50)の取り出し最小幅寸法より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
上記構成において、閉鎖弁(55,56)及び取付部材(57)と電装品ユニット(60)の寸法及び取り付け位置によって、閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)における図の右側の端部が電装品ユニット(60)における図の右側の端部よりも室外熱交換器(30)の図の左側の端部寄りに位置していると、第1のサービス用アクセス開口(3b)が第2のサービス用アクセス開口(3c)よりも小さな幅の開口寸法を有することになる。この場合、幅寸法の小さな第1のサービス用アクセス開口(3b)からでも圧縮機(50)へアクセスできるように構成されるので、第1のサービス用アクセス開口(3b)を実質的なサービス用アクセス開口と考えることができる。
また、電装品ユニット(60)における図の右側の端部が閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)における図の右側の端部よりも室外熱交換器(30)の図の左側の端部寄りに位置していると、第2のサービス用アクセス開口(3c)が第1のサービス用アクセス開口(3b)よりも小さな幅の開口寸法を有することになる。この場合、幅寸法の小さな第2のサービス用アクセス開口(3c)からでも圧縮機(50)へアクセスできるように構成されるので、第2のサービス用アクセス開口(3c)を実質的なサービス用アクセス開口と考えることができる。
また、この実施形態においては、圧縮機カバー(70)は図示していないが上記各実施形態と同様に設けられており、ビスの締結方向を含めて上記各実施形態と同様に構成されている。
そして、この実施形態においても、上記各実施形態と同様に、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b,3c)から取り出すことができるうえ、メンテナンス時に室外ファン(40)を取り外す必要がないため、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、この実施形態では、室外ユニット(10)の設置状況によって第1のサービス用アクセス開口(3b)及び第2のサービス用アクセス開口(3c)の一方が使えないような場合は、他方を使って圧縮機(50)のメンテナンスをすることも可能である。
また、圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を上記各実施形態1,2と同様に設定しているので、作業性をよくすることができるとともに、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
なお、この実施形態3では、第1のサービス用アクセス開口(3b)と第2のサービス用アクセス開口(3c)を設けているが、ケーシング(20)内の機器の配置などによっては、第2のサービス用アクセス開口(3c)だけを設けるようにしてもよい。
また、圧縮機(50)は、実施形態1と同様に複数の圧縮機(5a,5b)にしてもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記圧縮機の台数やサイズ及び圧縮機カバーの位置設定などにより、場合によって、上部前板のビスの締結方向を左右両側とも上部前板の面直角方向にしてもよい。
また、本発明は、室外熱交換器を、下端を底フレームに載置した状態でケーシングに固定するタイプの室外ユニットであれば適用可能であり、室外熱交換器の開口から圧縮機を取り出せる構成である限り、他の具体的な形状は適宜変更してもよい。
また、上記実施形態における冷媒回路機器の配置などは一例に過ぎず、適宜変更することが可能である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置の室外ユニットにおけるケーシング内での室外熱交換器や圧縮機の配置構造について有用である。
10 室外ユニット
20 ケーシング
22 底フレーム
30 室外熱交換器
3a 開口
40 室外ファン
50 圧縮機
70 圧縮機カバー
76 ビス(締結部材)
77 ビス(締結部材)
本発明は、冷凍装置の室外ユニットに関し、特に室外ユニットのケーシング内での室外熱交換器や圧縮機の配置構造に関するものである。
従来より、室外に設置される室外ユニットと室内に設置される室内ユニットとが冷媒配管で接続された構成の冷凍装置として、いわゆる室内マルチタイプの空気調和装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この空気調和装置では、1つの室外ユニットに対して複数の室内ユニットが接続され、ビルなどの複数の部屋を空調することができる。
一般に、上記空気調和装置の室外ユニットでは、ケーシング内に、圧縮機や室外熱交換器などの冷媒回路機器やそれらを接続する冷媒配管、室外熱交換器に送風するための室外ファン、及び上記圧縮機や室外ファンなどを制御する電装部品などが設けられている。
上記室外熱交換器は、上記ケーシングの底フレームの上面に下端面が載置された状態で固定され、熱交換面がケーシングの側面に沿うように設置されている。ところで、上記熱交換器の熱交換面積を大きくするために、ケーシングが有する複数の側面のすべてに沿って熱交換面を配置するように、室外熱交換器を角型の筒状に形成したものがある(例えば特許文献2参照)。特許文献2の室外熱交換器は、ケーシングが四角形であり、熱交換器は断面「ロ」の字状に形成されている。
特開2007−218534号公報
実公昭60−18767号公報
しかし、室外熱交換器の熱交換面がケーシングの複数の側面に沿う構成において、ケーシング内に圧縮機や他の冷媒回路部品を配置する場合、例えば圧縮機をメンテナンスで取り外すときには、圧縮機をケーシングの上方から取り出す作業を行う必要がある。また、ケーシングの4側面に沿って熱交換器を配置する場合には、室外ファンはケーシングの上方に配置されるので、上記のメンテナンスの際にはファンも取り外す必要があり、作業が極めて繁雑になってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、室外熱交換器をケーシングの複数の側面に沿って配置する構成の冷凍装置の室外ユニットにおいて、圧縮機等を容易にメンテナンスできるようにすることである。
第1の発明は、ケーシング(20)内に、圧縮機(50)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)とを備え、かつ室内ユニットへの連絡配管が取り付けられる閉鎖弁(55,56)及び該閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に取り付ける取付部材(57)を備え、上記室外熱交換器(30)が、上記ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿って熱交換面が配置されるとともに、一端面を下端にした状態で該ケーシング(20)の底フレーム(22)に固定される筒型の熱交換器により構成された冷凍装置の室外ユニットを前提としている。
そして、この空気調和装置の室外ユニットは、上記ケーシング(20)の1つの側面に、開放可能なサービス面が設けられ、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機(50)が配置され、上記サービス面の一端側に上記閉鎖弁(55,56)及び取付部材(57)が配置されるとともに、該サービス面の他端側からのびる上記室外熱交換器(30)の端部が該サービス面の幅方向中央近傍に配置され、上記サービス面における上記室外熱交換器(30)の一端と上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)の間に圧縮機サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。
この第1の発明では、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。なお、室外ユニットの据え付け時には、サービス用アクセス開口(3b)を通常はケーシング(20)の側面パネルで覆う構成を採用することになるが、圧縮機(50)をケーシング(20)から取り出すときには側面パネルもケーシング(20)から外すとよい。
第2の発明は、ケーシング(20)内に、圧縮機(50)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)とを備え、かつ電装品が収納される電装品ユニット(60)を備え、上記室外熱交換器(30)が、上記ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿って熱交換面が配置されるとともに、一端面を下端にした状態で該ケーシング(20)の底フレーム(22)に固定される筒型の熱交換器により構成された冷凍装置の室外ユニットを前提としている。
そして、この第2の発明の室外ユニットは、上記ケーシング(20)の1つの側面に、開放可能なサービス面が設けられ、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機(50)が配置され、上記サービス面の一端側に上記電装品ユニット(60)が配置されるとともに、該サービス面の他端側からのびる上記室外熱交換器(30)の端部が該サービス面の幅方向中央近傍に配置され、上記サービス面における上記室外熱交換器(30)の一端と上記電装品ユニット(60)の間に圧縮機サービス用アクセス開口(3c)が形成されている。
この第2の発明では、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、圧縮機(50)を、室外熱交換器(30)と電装品ユニット(60)との間のサービス用アクセス開口(3c)から取り出すことができる。
また、第1,第2の発明では、上記ケーシング(20)には、上記圧縮機(50)を覆うための圧縮機カバー(70)が設けられるとともに、該圧縮機カバー(70)は、締結部材を用いて分解と組み立てが可能に構成され、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記締結部材を操作するための締結工具による該締結部材へのアクセスと、上記圧縮機カバー(70)を分解した部品の取り出しが可能な寸法に構成されている。
この第1,第2の発明では、上記サービス用アクセス開口(3b)から圧縮機カバー(70)の締結部材を締結工具で操作できるように上記開口(3b)を寸法設定している。したがって、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から上記開口(3a)を通して分解することができ、その後に分解したカバー部品や圧縮機(50)を取り出すこともできる。また、圧縮機(50)をケーシング(20)内に上記サービス用アクセス開口(3b)を通して組み込んだ後、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から組み立てることもできる。
また、第1,第2の発明では、上記圧縮機カバー(70)の締結部材が、サービス用アクセス開口(3b)で開放された範囲内に位置する第1の締結部材(77)と、該サービス用アクセス開口(3b)よりも室外熱交換面(30)の奥に位置する第2の締結部材(76)とを含み、上記第2の締結部材(76)の締結方向は、上記圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して上記サービス用アクセス開口(3b)側へ傾斜している。
この第1,第2の発明では、上記サービス用アクセス開口(3b)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)の締結部材の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させているので、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記ケーシング(20)内に上記圧縮機(50)が複数台設置されていることを特徴としている。
この第3の発明では、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に複数の圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、各圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
第1の発明によれば、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニットにおいて、圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。また、ケーシング(20)の複数の側面に沿って室外熱交換器(30)を配置する場合には室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本発明によれば上記のメンテナンスの際にファンを取り外す必要もない。したがって、室外熱交換器(30)をケーシング(20)の複数の側面に沿って配置する構成の冷凍装置の室外ユニットにおいて、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記第2の発明によれば、室外熱交換器(30)と電装品ユニット(60)との間のサービス用アクセス開口(3c)から圧縮機(50)を取り出すことにより、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記第1,第2の発明によれば、圧縮機(50)を覆う圧縮機カバー(70)が設けられる構成であっても、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記第1,第2の発明によれば、上記サービス用アクセス開口(3b)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)の締結部材の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができるようにしているので、十分な熱交換面積を確保して熱交換器の能力低下を抑えられる。
上記第3の発明によれば、複数の熱交換面が圧縮機(50)の各側面に沿うように室外熱交換器(30)を配置した構成において、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(50)を上記開口(3b)から取り出すことができる。したがって、圧縮機(50)を複数備えた室外ユニットにおいても、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和装置の室外ユニットの外観形状を示す斜視図である。
図2は、図1の室外ユニットの内部構造を示す第1の斜視図である。
図3は、図1の室外ユニットの内部構造を示す第2の斜視図である。
図4は、図1の室外ユニットの下半部の内部構造を示す平面図である。
図5は、実施形態1の圧縮機カバーの分解斜視図である。
図6は、実施形態1の圧縮機カバーの分解組立状態を示す断面図である。
図7は、実施形態2に係る空気調和装置の室外ユニットの外観形状を示す斜視図である。
図8は、図7の室外ユニットの内部構造を示す第1の斜視図である。
図9は、図7の室外ユニットの内部構造を示す第2の斜視図である。
図10は、図7の室外ユニットの下半部の内部構造を示す平面図である。
図11は、実施形態3に係る室外ユニットの側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
図1〜図4に示すように、本実施形態1の室外ユニット(10)は、冷凍装置である空気調和装置に用いられるものであって、図示しないが、室内ユニットが接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。
上記室外ユニット(10)は、例えば、ビルの屋上等に設置され、ケーシング(20)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)と圧縮機構(50)とを備えている。
上記ケーシング(20)は、平面視矩形状に形成され、4本の支柱(21)と底フレーム(22)と側面パネル(23)と天板(24)とを備えている。
上記4つの支柱(21)は、四隅に設けられ、下部に底フレーム(22)が固定されている。また、前側の左右の支柱(21,21)の下端には基礎脚(27)が接続され、後ろ側の左右の支柱(21)の下端にも基礎脚(27)が接続されている。
上記側面パネル(23)は、ケーシング(20)の上半部四面を形成する上側面パネル(23a)と、ケーシング(20)の下半部における前面を形成し且つ左半分を形成する前側面パネル(23b)と、ケーシング(20)の下半部における左側の横側面を形成し且つ前半分を形成する横側面パネル(23c)とを備えている。そして、上記ケーシング(20)の側面には、下半部における前面の右半分と、下半部における右側の横側面と、下半部における背面と、下半部における左側の横側面の後半分に吸込口(25)が形成されている。
また、上記天板(24)は、支柱(21)の上端に固定され、吹出口(26)が形成されると共に、吹出口(26)を覆うグリル(24a)を備えている。
上記室外熱交換器(30)は、フィンアンドチューブ型熱交換器であって、室外空気と冷媒とを熱交換するように構成されている。そして、上記室外熱交換器(30)は、上下に起立した状態で設けられ、熱交換面が上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る(ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿う)折曲熱交換器(角筒形熱交換器)に構成されている。さらに、上記室外熱交換器(30)の両側端の間には、ケーシング(20)の前側の左隅角部を挟んで所定の開口(3a)が形成されている。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)の開口(3a)に対応して上記前側面パネル(23b)と横側面パネル(23c)が設けられている。
上記室外熱交換器(30)の開口(3a)が設けられているケーシング(20)の前面側は、サービス面になっており、前側面パネル(23b)を取り外した部分が開放面になる。このサービス面の一端側(図の左側)における上記開口(3a)内の部分には、室外ユニット(10)と室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が配置されている。そして、サービス面の他端側からのびる室外熱交換器(30)の端部は、サービス面のほぼ中央(ケーシング(20)の幅方向の中央近傍)に位置している。そして、この室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に、サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。サービス用アクセス開口(3b)は、圧縮機取り出し用開口部と言うことができる。
上記圧縮機構(50)は、ケーシング(20)内において、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に配置されている。具体的には、平面視において、室外熱交換器(30)と、室外熱交換器(30)の両端を結んだ線とで形成される仮想の筒体の内側に圧縮機の大部分が位置するようになっている。
上記底フレーム(22)には、上記圧縮機構(50)と油分離器(51)とアキュムレータ(52)とが取り付けられ、上記圧縮機構(50)は、2台の圧縮機(5a,5b)で構成されている。
また、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)が収納される下部空間(2a)と、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)との間に位置して、水平方向に延びるステー(20a,20b,20c,20d)が4面に取り付けられている。
上記室外ファン(40)は、2台設けられ、ファン本体(41)とファンモータ(図示せず)とベルマウス(43)とを備え、上記ステー(20a,20c)に取り付けられている。
さらに、上記ケーシング(20)には、圧縮機構(50)等を制御するための電装品が収納される電装品ユニット(60)が取り付けられている。該電装品ユニット(60)は、室外熱交換器(30)の前面上方において、室外熱交換器(30)の上端の直近に配置され、上側面パネル(23a)と室外ファン(40)のベルマウス(43)との間に設けられている。
上記室外熱交換器(30)は、上記底フレーム(22)に一端面を下端にして載置された状態でケーシング(20)に固定されている。具体的には、上記室外熱交換器(30)の両端に設けられている管板(31)を底フレーム(22)を含むケーシング(20)に締結することにより、室外熱交換器(30)がケーシング(20)に固定されている。なお、上記室外熱交換器(30)には、該室外熱交換器(30)の両端に示している管板(31)の他にも、必要に応じて複数の管板を設け、これらの管板も室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いてもよい。
上記底フレーム(22)には、上記圧縮機構(50)を覆う圧縮機カバー(70)が取り付けられている。この圧縮機カバー(70)は、圧縮機構(50)の振動による騒音を低減するための防音箱として設けられている。上記圧縮機カバー(70)は、図5の分解斜視図に示すように、前壁板(71)と左右の側壁板(72,73)と後壁板(74)と上壁板(75)とを有し、これらをビスなどの締結部材で固定することにより、上端が閉塞された縦長の四角い箱に形成されている。前壁(71)、左右の側壁板(72,73)、後壁板(74)及び上壁板(75)は、それぞれ、金属プレートを折り曲げ成形した板金部材である。圧縮機カバー(70)を構成する部材の内面には、例えば防音材を貼り付けておくとよい。
前壁板(71)は、互いに別部材である上部前板(71a)と下部前板(71b)とから構成されていて、上部前板(71a)の高さ寸法と下部前板(71b)の高さ寸法を合計した寸法が、左右の側壁板(72,73)及び後壁板(74)の高さ寸法と実質的に一致している。上部前板(71a)が下部前板(71b)の上方に隙間のない状態で配置される。
右側壁板(72)は、右横板(72a)と右前板(72b)とが一体的に形成された部材であって、平面視が「L」形の部材である。右横板(72a)の下端と右前板(72b)の下端には、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。この取付片(70a)は、ビスなどの締結部材を用いて右側壁板を上記底フレーム(22)に固定するために用いられる。
左側壁板(73)は、左横板(73a)と上記下部前板(71b)とが一体になった折り曲げ部品である。この左側壁板(73)の左横板(73a)と上記下部前板(71b)には、上記右側壁板(72)と同様に、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。また、上記下部前板(71b)には、上記圧縮機構(50)などの電気部品用のワイヤーハーネスを通すための複数の配線孔(70b)が形成されている。
上記後壁板(74)は、背板(74a)と右後板(74b)と左後板(74c)を一枚の金属プレートから折り曲げ形成した部材である。この後壁板(74)の下端には、上記右側壁板(72)及び右側壁板(72)と同様に、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。また、後壁板(74)の背板(74a)の上端には、2台の圧縮機(5a,5b)のそれぞれに接続された吸入管と吐出管とが挿通する切り欠き部(74d)が形成されている。なお、吸入管と吐出管は、ゴムホース等の制振部材を有する取付部材を介して背板(74a)に取り付けられている。このように吸入管及び吐出管を取り付けることにより、吸入管及び吐出管の振動が圧縮機カバー(70)に伝わらないようにして圧縮機カバー(70)の振動を抑制している。
上記右側壁板(72)の右横板(72a)と後壁板(74)の右後板(74b)は、フック(70e)を用いて一体化されるようになっている。そのために、右横板(72a)と右後板(74b)の継ぎ目には、それぞれフランジプレート(72c,74e)が設けられ、右横板(72a)のフランジプレート(72c)にはフック(70e)が形成される一方、右後板(74b)のフランジプレート(74e)には上記フック(70e)が係合する穴(70f)が形成されている。また、上記左側壁板(73)の左横板(73a)と後壁板(74)の左後板(74c)も、フック(70e)を用いて一体化されるようになっている。そのために、左横板(73a)と左後板(74c)の継ぎ目には、上記と同様、それぞれフランジプレート(73c,74f)が設けられ、左横板(73a)のフランジプレート(73c)にはフック(70e)が形成される一方、左後板(74c)のフランジプレート(74f)には上記フック(70e)が係合する穴(70f)が形成されている。
上記上壁板(75)は、右側壁板(72)、左側壁板(73)及び後壁板(74)の上端にネジ留めされるように構成されている。このために、上壁板(75)の周縁部には所定ピッチでビス孔が形成される一方、右側壁板(72)、左側壁板(73)及び後壁板(74)の上端部は圧縮機カバー(70)の内側に折り曲げられて、ネジ穴を有する上板固定片(70c)が形成されている。
上記前壁板(71)である上部前板(71a)と下部前板(71b)を右側壁板(72)に取り付ける構造を図6の断面図に示している。図示するように、上部前板(71a)及び下部前板(71b)における図の右側端部と、右前板(72b)の左側端部には、互いに重ねてビス(第2の締結部材)(76)で固定するためのフランジプレート(70d,70d)が形成されている。これらのフランジプレート(70d,70d)は、ビスの締結方向が前壁板(71)の面直角方向に対して、上記開口(3a)側へ傾斜した方向となるように形成されている。なお、図5における上部前板(71a)の左側端部は、左側壁板(73)の前端に形成されているフランジプレート(73b)に対しビス(第2の締結部材)(77)で固定するように構成され、そのビス止め方向は上部前板(71a)の面直角方向になっている。
上記構成の圧縮機カバー(70)は、底フレーム(22)にまず圧縮機構(50)を固定してから、次に後壁板(74)を取り付けて配管作業を行った後、左右の側壁板(72,73)を底フレーム(22)に取り付けてから、前壁板(71)を右側壁板(72)に固定する順に取り付け作業を行う。なお、下部前板(71b)を底フレーム(22)に取り付けるのは、右側壁板(72)に対する下部前板(71b)の取り付け前後どちらに行ってもよい。
以上説明したように、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機構(50)が配置されるとともに、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)がある熱交換面には、室外熱交換器(30)の端部から閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)にわたって形成されるサービス用アクセス開口(3b)を有している。上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記圧縮機構(50)(圧縮機)(5a,5b)の取り出し必要寸法に設定されている。なお、取り出し必要寸法が設定される上記のサービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、各圧縮機(5a,5b)の取り出し最小幅寸法(ほぼ圧縮機の外径寸法と考えることができる)より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
また、上述したように、上記ケーシング(20)には、上記圧縮機構(50)を覆うための圧縮機カバー(70)が設けられるとともに、該圧縮機カバー(70)は、ビスなどの締結部材を用いて分解と組み立てが可能に構成されている。そして、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法(図4に示している開口(3a)における閉鎖弁(54)と管板(31)との間の幅寸法)は、上記第2の締結部材であるビス(76)を操作するための締結工具が上記管板(31)に干渉しないように寸法設定されている。言い換えると、本実施形態では、上記端板(31)を締結工具が干渉しない位置設定にするとともに、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法が、上記締結部材を操作するために締結工具で該開口(3a)からビス(76)にアクセスでき、かつ圧縮機カバー(70)を分解した部品の取り出しが可能な寸法に設定されている。なお、上部前板(71a)は、圧縮機(5a,5b)のメンテナンスの際には圧縮機カバー(70)から取り外される。
このように、本実施形態では、上記圧縮機カバー(70)の締結部材として、上記開口(3a)を有する前面側の熱交換面に対して、サービス用アクセス開口(3b)で開放された範囲内に位置する第1の締結部材(77)と、該開口(3b)よりも熱交換面の奥に位置する第2の締結部材(76)とを用い、上記第2の締結部材であるビス(76)の締結方向は、上記圧縮機カバー(70)の前壁板(71)の面直角方向に対して上記開口側へ傾斜させている。
−運転動作−
この空気調和装置の室外ユニット(10)の運転時は、圧縮機構(50)が動作して、この室外ユニット(10)と図示していない室内ユニットとの間に形成されている冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。また、室外ユニット(10)のケーシング(20)内では室外ファン(40)が回転し、ケーシング(20)の下半部に形成されている吸込口(25)により四方からケーシング(20)内に吸い込まれた室外空気が室外熱交換器(30)を通過する。室外熱交換器(30)を通過する室外空気は、室外熱交換器(30)の中を流れる冷媒と熱交換して、暖房運転時には蒸発器になっている室外熱交換器(30)で冷媒に熱を奪われて冷却され、冷房運転時には凝縮器になっている室外熱交換器(30)で冷媒から熱を奪って過熱される。そして、室外空気はさらに室外ファン(40)を通過して上方へ向きを変え、吹出口(26)から室外へ吹き出される。
この実施形態1では、ケーシング(20)の前面側に設けられているサービス用アクセス開口(3b)が圧縮機構(50)の取り出し必要寸法を満たすように形成されているので、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機構(50)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機構(50)(圧縮機(5a,5b))を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
なお、室外ユニット(10)の据え付け時には、サービス用アクセス開口(3b)をケーシングの前側面パネル(23b)で覆う構成を採用しているが、圧縮機構(50)をケーシング(50)から取り出すときには前側面パネル(23b)もケーシング(20)から取り外して作用を行う。
また、本実施形態では、上記サービス用アクセス開口(3b)から圧縮機カバー(70)のビス(76)を締結工具で操作できるように、その開口幅を寸法設定している。したがって、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から上記開口(3a)を通して分解することができ、その後に圧縮機(5a、5b)を取り出すこともできる。また、圧縮機(5a,5b)をケーシング(20)内に上記サービス用アクセス開口(3b)を通して組み込んだ後、圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)をケーシング(20)の外から組み立てることもできる。
特に、この実施形態では、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して開口(3a)側へ寝かせるように傾斜させているので、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、以上説明したように、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(5a,5b)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(5a,5b)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
また、ケーシング(20)の複数の側面に沿う熱交換面を有する室外熱交換器(30)を配置する場合には、本実施形態のように一般に室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本実施形態によれば上記のメンテナンスの際に室外ファン(40)を取り外す必要もない。したがって、圧縮機(5a,5b)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記サービス用アクセス開口(3b)を、各圧縮機(5a,5b)の取り出し必要寸法に設定しているので、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(5a,5b)を上記開口(3b)から確実に取り出すことができる。したがって、このことによっても、圧縮機(5a,5b)のメンテナンス作業を特に容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)の分解や組立を行うことができるようにしているので、開口(3a)の幅の適切な設定と相まって、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
図7に示すように、本実施形態2の室外ユニット(10)は、実施形態1のものと比べて小型に構成されている。
上記ケーシング(20)は、平面視矩形状に形成され、4本の支柱(21)と底フレーム(22)と側面パネル(23)と天板(24)とを備えている。
上記4つの支柱(21)は、四隅に設けられ、下部に底フレーム(22)が固定されている。また、前側の左右の支柱(21,21)の下端には基礎脚(27)が接続され、後ろ側の左右の支柱(21)の下端にも基礎脚(27)が接続されている。
上記側面パネル(23)は、ケーシング(20)の上半部四面を形成する上側面パネル(23a)と、ケーシング(20)の下半部における前面を形成し且つ左半分を形成する前側面パネル(23b)と、ケーシング(20)の下半部における左側の横側面を形成し且つ前半分を形成する横側面パネル(23c)とを備えている。そして、上記ケーシング(20)の側面には、下半部における前面の右半分と、下半部における右側の横側面と、下半部における背面と、下半部における左側の横側面の後半分に吸込口(25)が形成されている。
また、上記天板(24)は、支柱(21)の上端に固定され、吹出口(26)が形成されると共に、吹出口(26)を覆うグリル(24a)を備えている。
上記室外熱交換器(30)は、フィンアンドチューブ型熱交換器であって、室外空気と冷媒とを熱交換するように構成されている。図8及び図9に示すように、上記室外熱交換器(30)は、上下に起立した状態設けられ、上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る折曲熱交換器に構成されている。さらに、上記室外熱交換器(30)の両側端の間には、ケーシング(20)の前側の左隅角部を挟んで所定の開口(3a)が形成されている。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。つまり、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)の開口(3a)に対応して上記前側面パネル(23b)と横側面パネル(23c)が設けられている。
上記室外熱交換器(30)の開口(3a)が設けられているケーシング(20)の前面側は、サービス面になっており、前側面パネル(23b)を取り外した部分が開放面になる。このサービス面の一端側(図の左側)における上記開口(3a)内の部分には、室外ユニット(10)と室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が配置されている。そして、サービス面の他端側からのびる室外熱交換器(30)の端部は、サービス面のほぼ中央(ケーシング(20)の幅方向の中央近傍)に位置している。そして、この室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に、サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。
図10にも示すように、上記底フレーム(22)には、圧縮機構(50)と油分離器(51)とアキュムレータ(52)とが取り付けられ、上記圧縮機構(50)は、1台の圧縮機(5a)で構成されている。
また、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)が収納される下部空間(2a)と、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)との間に位置して、水平方向に延びるステー(20a,20b,20c,20d)が4面に取り付けられている。
上記室外ファン(40)は、ファン本体(41)とファンモータ(図示省略)とベルマウス(43)とを備え、上記ステー(20a,20c)に取り付けられている。
さらに、上記ケーシング(20)には、圧縮機構(50)等を制御するための電装品が収納される電装品ユニット(60)が取り付けられている。該電装品ユニット(60)は、ケーシング(20)を正面から見て左側に位置するステー(20d)の上に配置され、室外熱交換器(30)の上端の直近に配置され、ケーシング(20)を正面から見て左側に位置する上側面パネル(23a)と室外ファン(40)のベルマウス(43)との間に設けられている。
上記室外熱交換器(30)は、上記底フレーム(22)に一端面を下端にして載置された状態でケーシング(20)に固定されている。具体的には、上記室外熱交換器(30)の両端に設けられている管板(31)を底フレーム(22)を含むケーシング(20)に締結することにより、室外熱交換器(30)がケーシング(20)に固定されている。なお、上記室外熱交換器(30)には、該室外熱交換器(30)の両端に示している管板(31)の他にも、必要に応じて複数の管板を設け、これらの管板も室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いてもよい。
以上のように、実施形態2の室外ユニット(10)は、圧縮機構(50)が1台の圧縮機(5a)で構成されていることを除き、実施形態1とほぼ同様に構成されている。また、圧縮機カバー(70)の構成も、圧縮機(5a)の台数が異なるために寸法設定が実施形態1とは相違する点を除いて、構成自体は実施形態1と同じである。そのため、実施形態2の圧縮機カバー(70)の分解斜視図や具体構成の説明は本実施形態では省略する。また、圧縮機カバー(70)の分解や組立構造と、上部前板(71a)とサービス用アクセス開口(3b)との位置関係に基づいてビス(76)の締結方向を斜め向きに設定していることも実施形態1と同じである。
−実施形態2の効果−
この実施形態2においても、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(5a)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(5a)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
また、ケーシング(20)の複数の側面に沿う熱交換面を有する室外熱交換器(30)を配置する場合には、本実施形態のように一般に室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本実施形態によれば上記のメンテナンスの際に室外ファン(40)を取り外す必要もない。したがって、圧縮機(5a)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記サービス用アクセス開口(3b)を、各圧縮機(5a)の取り出し必要寸法に設定しているので、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(5a)を上記開口(3b)から確実に取り出すことができる。したがって、圧縮機のメンテナンス作業を特に容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)の分解や組立を行うことができるようにしているので、開口(3a)の幅の適切な設定と相まって、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。
図11は、実施形態3の室外ユニット(10)において熱交換器の開口(3a)が形成された面の側面図である。
図示するように、上記室外ユニット(10)のケーシング(20)の内部には、室外熱交換器(30)と室外ファン(40)と圧縮機構(50)が設けられている。室外熱交換器(30)は、上記各実施形態と同様に、上下に起立した状態でケーシング(20)の底面に設けられ、熱交換面が上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る(ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿う)折曲熱交換器(角筒形熱交換器)に構成されている。この室外熱交換器(30)における図の左側の端面には管板(31)が設けられている。
上記室外ファン(40)は、上記各実施形態と同様に室外熱交換器(30)の上方に設けられている。
また、ケーシング(20)の底面部分における図の左側の端部には、室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が設けられている。
そして、ケーシング(20)の左側端面における閉鎖弁(55,56)には、電装品ユニット(60)が設けられている。
この実施形態3において、圧縮機取り出し用開口部であるサービス用アクセス開口(3b)は、室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に形成されている。サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記圧縮機構(50)の取り出し必要寸法に設定されている。なお、取り出し必要寸法が設定される上記のサービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、圧縮機(50)の取り出し最小幅寸法(ほぼ圧縮機の外径寸法と考えることができる)より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
そして、この実施形態3では、上記サービス用アクセス開口(3b)を第1のサービス用アクセス開口とすると、室外熱交換器(30)の端面と電装品ユニット(60)との間に第2のサービス用アクセス開口(3c)が形成されている。このサービス用アクセス開口(3c)は、第1のサービス用アクセス開口(3b)と同様に圧縮機(50)の取り出し最小幅寸法より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
上記構成において、閉鎖弁(55,56)及び取付部材(57)と電装品ユニット(60)の寸法及び取り付け位置によって、閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)における図の右側の端部が電装品ユニット(60)における図の右側の端部よりも室外熱交換器(30)の図の左側の端部寄りに位置していると、第1のサービス用アクセス開口(3b)が第2のサービス用アクセス開口(3c)よりも小さな幅の開口寸法を有することになる。この場合、幅寸法の小さな第1のサービス用アクセス開口(3b)からでも圧縮機(50)へアクセスできるように構成されるので、第1のサービス用アクセス開口(3b)を実質的なサービス用アクセス開口と考えることができる。
また、電装品ユニット(60)における図の右側の端部が閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)における図の右側の端部よりも室外熱交換器(30)の図の左側の端部寄りに位置していると、第2のサービス用アクセス開口(3c)が第1のサービス用アクセス開口(3b)よりも小さな幅の開口寸法を有することになる。この場合、幅寸法の小さな第2のサービス用アクセス開口(3c)からでも圧縮機(50)へアクセスできるように構成されるので、第2のサービス用アクセス開口(3c)を実質的なサービス用アクセス開口と考えることができる。
また、この実施形態においては、圧縮機カバー(70)は図示していないが上記各実施形態と同様に設けられており、ビスの締結方向を含めて上記各実施形態と同様に構成されている。
そして、この実施形態においても、上記各実施形態と同様に、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(50)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(50)を上記サービス用アクセス開口(3b,3c)から取り出すことができるうえ、メンテナンス時に室外ファン(40)を取り外す必要がないため、圧縮機(50)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、この実施形態では、室外ユニット(10)の設置状況によって第1のサービス用アクセス開口(3b)及び第2のサービス用アクセス開口(3c)の一方が使えないような場合は、他方を使って圧縮機(50)のメンテナンスをすることも可能である。
また、圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を上記各実施形態1,2と同様に設定しているので、作業性をよくすることができるとともに、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
なお、この実施形態3では、第1のサービス用アクセス開口(3b)と第2のサービス用アクセス開口(3c)を設けているが、ケーシング(20)内の機器の配置などによっては、第2のサービス用アクセス開口(3c)だけを設けるようにしてもよい。
また、圧縮機(50)は、実施形態1と同様に複数の圧縮機(5a,5b)にしてもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記圧縮機の台数やサイズ及び圧縮機カバーの位置設定などにより、場合によって、上部前板のビスの締結方向を左右両側とも上部前板の面直角方向にしてもよい。
また、本発明は、室外熱交換器を、下端を底フレームに載置した状態でケーシングに固定するタイプの室外ユニットであれば適用可能であり、室外熱交換器の開口から圧縮機を取り出せる構成である限り、他の具体的な形状は適宜変更してもよい。
また、上記実施形態における冷媒回路機器の配置などは一例に過ぎず、適宜変更することが可能である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置の室外ユニットにおけるケーシング内での室外熱交換器や圧縮機の配置構造について有用である。
10 室外ユニット
20 ケーシング
22 底フレーム
30 室外熱交換器
3a 開口
40 室外ファン
50 圧縮機
70 圧縮機カバー
76 ビス(締結部材)
77 ビス(締結部材)