JP6046141B2 - 注型ポリアミドを製造するための新規な組成物 - Google Patents

注型ポリアミドを製造するための新規な組成物 Download PDF

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Description

本発明は、注型ポリアミドを製造するための新規な組成物に関する。
注型ポリアミドの製造においては、ラクタムを、少なくとも1種の触媒および少なくとも1種の活性化剤と共に成形型の中に移し込み、その中でアニオン的に重合させる。その成形型の中に存在している出発化合物が、一般的には熱の作用のもとに重合する。これにより、均質な物質が得られ、このものは、結晶化度および機械的性質の面で、押出し成形した物質よりも優れている。
注型ポリアミドは、複雑な成形品を製作するための熱可塑性ポリマーとしては好適である。多くのその他の熱可塑性プラスチックとは対照的に、それらは溶融させる必要もなく、ラクタムをアニオン重合させることによって、成形型の中120〜150℃で数分の間に成形される。すべての公知の注型プロセス、たとえば固定式(stationary)注型プロセス、射出注型プロセス、回転注型プロセス、および遠心注型プロセスを採用することが可能である。それぞれの場合において得られる最終製品は、高分子量で結晶質のポリアミドの成形物であって、それは、軽量、高い機械的耐久性、極めて良好な摺動性、および優れた耐薬品性を特徴とし、低い内部応力しか有していない。
注型ポリアミドは、のこぎり引き、穿孔、機械加工、粉砕、溶着、印刷、または塗装が可能であり、複雑な中空の成形型の他にも、このポリマーから製造されるその他の物品としては、乗用エレベーターのためのローラー、ならびに半製品たとえば機械工学および自動車工業のための筒状物、棒状物、およびシートなどが挙げられる。アニオン性のインサイチューでのラクタム重合の手段によって繊維複合プラスチックを製造することも自体公知であって、たとえば次の文献を参照されたい:(非特許文献1)。
低粘度ラクタム溶融物および触媒、およびさらには活性化剤から出発して、ポリアミド注型物を製造する方法は、自体公知であって、活性化重合(activated polymerization)と呼ばれている。この目的のためには、典型的には、触媒とラクタム、ならびに活性化剤とラクタムの2種の混合物を、重合の直前に、相互に別々に液状溶融物の形態で製造しておき、注型用の成形型の中で相互に直接混合してから、重合させる。モノマーと活性化剤、ならびにモノマーと触媒を別々に準備するのは、望ましくない反応が早々と起きたりしないようにするためである。これでは、活性化剤、触媒、およびラクタムを別々に貯蔵することが必要となり、それが高い装置要件の原因となる。触媒/活性剤は、ほんの少量しか必要ないので、適量投与が困難である。投与量が正確でないと、製品の品質に大きい変動が生じ、そのために欠陥バッチとなる。さらに、活性化剤と触媒は両方とも、空気および湿分に繰り返して接触すると、悪影響を受ける。したがって労働衛生の観点からも、活性化剤および/または触媒を、異なった、より安全な方法で備えるのが望ましい。
P.Wagner,「Verarbeitung von Caprolactam zu Polyamid−Formteilen nach dem RIM−Verfahren」(「RIMプロセスによる、カプロラクタムのポリアミド成形物への加工」)Kunststoffe,73(10),p.588〜590(1983)
したがって、本発明の目的は、触媒または活性化剤と少なくとも1種のラクタム、または触媒と活性化剤とラクタムとを、貯蔵可能な形態で存在させ、そして注型ポリマーを製造するのに好適とするような、貯蔵可能な組成物を提供することであった。本発明の文脈において、「貯蔵可能な(storable)」という用語は、それらの組成物が、数週間の貯蔵、好ましくは20日を超える期間の貯蔵の後でも、注型ポリマーを製造するのに使用可能であるということを意味している。注型ポリアミド中の残存モノマーの含量が1重量%であれば、理想的である。
驚くべきことには、固化させたラクタム溶融物と特定の活性剤、固化させたラクタム溶融物と特定の触媒、および/またはラクタム溶融物と特定の活性剤および触媒が、この基準を満たし、ポリアミド注型物を製造するため、およびそのために必要とされる原料物質を貯蔵するための装置/タンクの数が、ほんのわずかしか必要ないということが今や見いだされた。
したがって、本発明は以下のものを含む組成物を提供する:
a)活性化剤としての、0.1〜5重量%の、少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、好ましくは少なくとも1種のポリマー性芳香族カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンを含む、固化させたラクタム溶融物、および
b)0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒を含む、固化させたラクタム溶融物、
および/または
c)0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒、ならびに0.1〜5重量%の、(場合によってはさらなる固化させたラクタム溶融物b)と組み合わせた)少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、好ましくは少なくとも1種のポリマー性芳香族カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンを含む、固化させたラクタム溶融物。
好ましい実施態様においては、本発明は、以下のものを含む組成物に関する:
a)活性化剤としての、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%の、少なくとも1種のウレトジオンを含む、固化させたラクタム溶融物、および
b)0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒を含む、固化させたラクタム溶融物、
および/または
c)0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒、および0.1〜5重量%の少なくとも1種のウレトジオンを含む、固化させたラクタム溶融物。
本発明の文脈においては、その固化させたラクタム溶融物は、70℃未満の温度では、好ましくは非晶質または結晶質である。その固化させたラクタム溶融物は、粉体、ペレット、顆粒および/またはフレークとして得られても、あるいはそれらに2次加工されていてもよい。
すべての標準的な仕上げプロセスが可能であるが、好ましくは微粉化、ペレット化、フレーク化または顆粒化プロセスである。この目的のためには、市販されている装置、好ましくはたとえばLoedige Process Technologyから入手可能な、ミキサー−グラニュレーターおよびミキサー、たとえばSandvik Holding GmbHから、またはGMF Goudaから入手可能なペレット化ベルトまたはフレーク化ローラーを使用することができる。
本発明の文脈において使用されるラクタムは、好ましくは、一般式(I)の少なくとも1種の化合物である。
Figure 0006046141
[式中、Rは、3〜13個の炭素原子を有するアルキレン基である。]それは、好ましくはカプロラクタムおよび/またはラウロラクタムである。それらは、たとえばLanxess Deutschland GmbHから市販されている。カプロラクタムを使用するのが、極めて特に好ましい。
本発明の文脈においては、ウレトジオンは、少なくとも2個のイソシアネートがジオキソジアゼチジン結合を形成した反応生成物である。
Figure 0006046141
その調製法は、当業者には自体公知であり、たとえば、欧州特許出願公開第1 422 223A1号明細書に記載されているプロセスによって実施することができる。
そのウレトジオンは、ダイマー、トリマー、オリゴマー、またはポリマーであってよい。好適なウレトジオンの例は、当業者には自体公知である。好ましいウレトジオンは、次のものである:2,4−ジイソシアナトトルエン(TDI)のウレトジオン(2,4−ジオキソ−1,3−ジアゼチジン1,3−ビス(3−メチル−m−フェニレン)ジイソシアネート)、ジフェニルメタン4,4'−ジイソシアネート(MDI)のウレトジオン(ビス(4−((4−イソシアナトフェニル)メチル)フェニル)−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン)、またはヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)のウレトジオン(1,3−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン)。
上述の化合物は、たとえば、Rhein Chemie Rheinau GmbHから、Addolink(登録商標)およびAddonyl(登録商標)TTの製品名、またはBayer MaterialScience AGからDesmodur(登録商標)の製品名で市販されており、入手可能である。
脂肪族または芳香族イソシアネートから出発して得ることが可能であるウレトジオンのさらなる例は、好ましくは6〜20個の炭素原子、より好ましくは6〜15個の炭素原子を有している。相当する芳香族のモノマー性イソシアネートは、たとえば、2,6−ジイソシアナトトルエン、2,4−メチレンビス(フェニルジイソシアネート)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、N,N’−ビス(4−メチル−3−イソシアナトフェニル)尿素、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネートからなる群から選択することができる。
相当する脂肪族のモノマー性イソシアネートは、好ましくは、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシル1,4−ジイソシアネート、1,1−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)、1,2−ビス(4−イソシアナトノニル)−3−ヘプチル−4−ペンチルシクロヘキサンからなる群から選択される。
本発明の文脈におけるポリマー性カルボジイミドは、好ましくは式(II)の化合物である。
−(−N=C=N−R−)−R (II)
[式中、
mは、2〜500、好ましくは2〜50、最も好ましくは2〜200の整数であり、
=R−NCO、R−NHCONHR、R−NHCONR、またはR−NHCOORであり、
=C〜C18−アルキレン、C−C18−シクロアルキレン、アリーレン、および/またはC〜C18−アラルキレン、好ましくはアリーレンおよび/またはC〜C18−アラルキレンであり、かつ
=−NCO、−NHCONHR、−NHCONR、または−NHCOORであるが、
ここで、RにおけるRおよびRは、同一であるか、または異なっていて、それぞれ独立して、C〜C−アルキル、C〜C10−シクロアルキル、またはC〜C18−アラルキル基であり、かつRは、Rの定義の一つを有しているか、または、ポリエステル基またはポリアミド基または(CH−O−[(CH−O]−R[式中、l=1〜3、k=1〜3、g=0〜12である]であり、かつ
=HまたはC〜C−アルキルである。]
式(II)のポリマー性カルボジイミドの混合物もまた、同様に使用することができる。
式(II)の化合物は、たとえばRhein Chemie Rheinau GmbHから市販されているし、あるいは、たとえば、独国特許出願公開第A−11 30 594号明細書または米国特許第2 840 589号明細書に記載されているような、当業者には馴染みのあるプロセスによって調製することもできるし、または、ジイソシアネート、好ましくは2,4,6−トリイソプロピルフェニル1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリエチルフェニル1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリメチルフェニル1,3−ジイソシアネート、2,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトライソプロピル−4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン4,4'−ジイソシアネート、フェニレン1,3−ジイソシアネート、フェニレン1,4−ジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、トリレン2,6−ジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネートとトリレン2,6−ジイソシアネートとの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4'−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、および1,3,5−トリイソプロピルベンゼン2,4−ジイソシアネート、またはそれらの混合物を、高温、好ましくは40℃〜200℃で、触媒の存在下に二酸化炭素を脱離させながら縮合させることによって調製することもできる。好ましくは強塩基またはリン化合物が有用な触媒であることが見いだされている。ホスホレンオキシド、ホスホリジン、またはホスホリンオキシド、およびそれらに対応するスルフィドを使用するのが好ましい。それらに加えて、使用される触媒は、三級アミン、塩基性金属化合物、金属カルボン酸塩、および非塩基性有機金属化合物である。
本発明の文脈において、ラクタムをアニオン重合させるのに使用される触媒は、ラクタムマグネシウムハライド、好ましくはブロミド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、好ましくはナトリウム、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメート、好ましくはナトリウム、カリウムおよび/またはマグネシウムであってよく、それらは単独または混合物の形態で使用される。
上述の触媒は、たとえばRhein Chemie Rheinau GmbHから、またはKatChem spol.s.r.oから市販されており、入手することが可能である。
本発明の好ましい実施態様においては、a)とb)との混合物を、80〜200℃、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜160℃の間の温度で重合させる。
本発明の同様に好ましい実施態様においては、a)とb)とc)との混合物を、80〜200℃、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜160℃の間の温度で重合させる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、c)を、80〜200℃、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜160℃の間の温度で重合させる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、a)とc)との混合物を、80〜200℃、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜160℃の間の温度で重合させる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、b)とc)との混合物を、80〜200℃、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜160℃の間の温度で重合させる。
それぞれの重合は、たとえばKunststoffhandbuch[プラスチックス ハンドブック],vol.3/4,Technische Thermoplaste[工業用熱可塑性プラスチック]、Hanser Fachbuch,p.413〜430に記載されているような、当業者には馴染みのあるプロセスによって実施される。それらの混合物は、好ましくは、注型用成形型の中で直接、重合される。
それぞれの重合は、空気湿分を排除するか、またはそうでなければ減圧下、または不活性雰囲気中で実施するのが好ましい。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、固化させたラクタム溶融物a)およびb)および/または固化させたラクタム溶融物c)に以下のものを添加する:さらなるラクタムおよび/またはさらなる触媒および/または活性化剤および/または場合によってはさらなる添加剤、たとえば耐衝撃性改良剤、好ましくはポリエーテルアミンコポリマー、ガラス繊維、連続ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維および/または加工助剤、好ましくは高分子量ポリオール、増粘剤、好ましくはAerosil、UV安定剤、および熱安定剤、導電性改良剤、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイト、イオン性液体、マーカーおよび/または色素。
後における用途に応じて、それらの固化させたラクタム溶融物a)およびb)は、各種の比率で使用することができる。a)対b)の比率が(1:3)から(3:1)までであるのが好ましく、(1:1)の比率であればより好ましい。
本発明の組成物においては、活性化剤対触媒の比率が(1:2)であれば好ましい。この比率は、a)とb)単独、c)と組み合わせたa)とb)、a)とc)、ならびに活性化剤および/または触媒を遅れて投与するb)とc)の場合にもあてはめることができる。本発明のさらに好ましい実施態様においては、その組成物には、充填剤および/または強化材、ウレトジオン以外のさらなるポリマー、および/または使用される触媒および活性化剤とは化学的に異なるさらなる添加剤から選択される、少なくとも1種のさらなる成分が含まれる。
これらの追加の成分を、ポリマー性カルボジイミドおよび/またはウレトジオンと共に固化させたラクタム溶融物a)に添加するのが好ましい。
これらの追加の成分を、触媒と共に固化させたラクタム溶融物b)に添加するのも同様に好ましい。
本発明のさらなる実施態様においては、これらの追加の成分を、ポリマー性カルボジイミドおよび/またはウレトジオンおよび触媒と共に固化させたラクタム溶融物c)に添加する。
本発明の文脈においては、充填剤および/または強化材は、有機または無機の充填剤および/または強化材である。好ましいのは無機充填剤、特にカオリン、チョーク、ウォラストナイト、タルク、炭酸カルシウム、シリケート、二酸化チタン、酸化亜鉛、グラファイト、グラフェン、ガラス粒子(たとえば、ガラスビーズ)、ナノスケール充填剤(たとえば、カーボンナノチューブ カルボナノチューブ)、カーボンブラック、層状シリケート、ナノスケール層状シリケート、ナノスケール酸化アルミニウム(Al)、ナノスケール二酸化チタン(TiO)および/またはナノスケール二酸化ケイ素(SiO)である。
以下のものから選択される1種または複数の繊維状物質を使用するのが特に好ましい:公知の無機補強繊維、特にホウ素繊維、ガラス繊維、木材繊維、炭素繊維、シリカ繊維、セラミック繊維および玄武岩繊維;有機補強繊維、特にアラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維/ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維;ならびに天然繊維、特に木材繊維、亜麻繊維、麻繊維、およびサイザル繊維。ガラス繊維、特にチョップトガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、金属繊維、および/またはチタン酸カリウム繊維を使用するのが、特に好ましい。
より詳しくは、上述の充填剤および/または強化材の混合物を使用することもまた可能である。選択される充填剤および/または強化材は、より好ましくは、ガラス繊維および/またはガラス粒子、特にガラスビーズである。
使用される充填剤および/または強化材の量は、好ましくは30〜90重量%、特には30〜80重量%、より好ましくは30〜50重量%、さらに好ましくは50〜90重量%である。
本発明の文脈において、追加的に使用されるポリマーは以下のものである:ポリスチレン、スチレンコポリマー、特にスチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)またはスチレン−ブタジエンコポリマー(SB)、ポリフェニレンオキシドエーテル、ポリオレフィン、特にポリエチレン(HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、ポリプロピレンまたはポリ−1−ブテン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET);ポリアミド、ポリエーテル、特にポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリエーテルスルホン(PESUまたはPES);ビニル基を含むモノマーからのポリマー、特にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、ポリブタジエンおよび/またはポリスルホン。さらに、ポリマーとして、上述のポリマーのモノマー単位からなるコポリマーを使用することも可能である。
本発明のさらなる実施態様においては、使用されるポリマーに、それらのモノマーから形成されたポリマーとブロックコポリマーおよび/またはグラフトコポリマーを形成させるのに好適な基を含んでいてもよい。そのような基の例は、エポキシ、アミン、カルボキシル、無水物、オキサゾリン、カルボジイミド、ウレタン、イソシアネート、およびラクタム基である。活性化剤としてカルボジイミドを使用しない場合には、カルボジイミド基を有するポリマーを使用する。
場合によって存在させるポリマーは、好ましくは0〜40重量%の量で、より好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜10重量%の量で存在させる。
好ましい実施態様においては、本発明の組成物にはさらなる添加剤が含まれる。それらの添加剤は、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜4重量%、最も好ましくは0〜3.5重量%の量で使用される。加えられる添加剤は、好ましくは、安定剤、特に銅塩、色素、耐電防止剤、充填剤オイル、安定剤、表面改良剤、乾燥剤、離型剤、分離剤、抗酸化剤、光安定剤、安定剤、潤滑剤、ポリオール、難燃剤、発泡剤、耐衝撃性改良剤、および/または核化剤などであってよい。
好適な耐衝撃性改良剤は、特にポリジエンポリマー、好ましくは無水物基および/またはエポキシ基を含むポリブタジエン、ポリイソプレンである。ポリジエンポリマーは、特には0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−20℃未満のガラス転移温度を有する。それらのポリジエンポリマーは、ポリジエンコポリマーを基礎にしたポリアクリレート、ポリエチレンアクリレートおよび/またはポリシロキサンをベースとしていてもよく、そして標準的なプロセス、好ましくは乳化重合、懸濁重合、溶液重合、気相重合の手段によって調製することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、耐衝撃性を改良する目的で使用される添加剤が、たとえば、Rhein Chemie Rheinau GmbHからAddonyl(登録商標)8073の名称で得ることが可能なポリオールである。同様に、低温耐衝撃性を改良するのに好適なポリオールトリアミンを使用することが可能である。好適な製品は、Addonyl(登録商標)8112である。それらのポリオールは、1〜20重量%の濃度範囲使用するのが好ましい。
充填剤および/または強化材ならびにさらなる添加剤の任意の添加は、触媒および/または活性化剤の添加の前であっても、添加と同時であってもよい。
本発明の固化させた溶融物a)、b)および/またはc)は、以下のようにして製造するのが好ましい:
− 固化させたラクタム溶融物a)の製造:
この目的のためには、0.1〜5重量%の少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、好ましくは少なくとも1種のポリマー性芳香族カルボジイミドおよび/または少なくとも1種のウレトジオンを、70〜120℃、好ましくは80〜100℃の間の温度でラクタム溶融物に添加し、均質化させてから、好ましくは5分間以内、より好ましくは1分間以内に40℃未満の温度にまで冷却し、好ましくは冷却したペレット化ベルト上でペレット化させるか、またはフレーク化ローラーの上でフレーク化させる。
− 固化させたラクタム溶融物b)の製造:
この目的のためには、0.2〜5重量%の少なくとも1種の上述の触媒、好ましくはナトリウムカプロラクタメートまたはナトリウムカプロラクタメートのマスターバッチを、70〜120℃、好ましくは80〜100℃の間の温度でラクタム溶融物に添加し、均質化させてから、好ましくは5分間以内、より好ましくは1分間以内に40℃未満の温度にまで冷却し、好ましくは冷却したペレット化ベルト上でペレット化させるか、またはフレーク化ローラーの上でフレーク化させる。
− 固化させたラクタム溶融物c)の製造:
この目的のためには、0.1〜5重量%の少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、好ましくは少なくとも1種のポリマー性芳香族カルボジイミドおよび/または少なくとも1種のウレトジオンを、70〜120℃、好ましくは80〜100℃の間の温度でラクタム溶融物に添加し、そして0.2〜5重量%の少なくとも1種の上述の触媒、好ましくはナトリウムカプロラクタメートまたはナトリウムカプロラクタメートのマスターバッチを、別途に、70〜120℃、好ましくは80〜100℃の間の温度でラクタム溶融物に添加し、加熱タンクの中で別途に均質化させ、ミキサーの手段により、30分間以内、好ましくは10分間以内、より好ましくは1分間以内に70〜120℃、好ましくは80〜100℃の温度で共に混合してから、5分間以内、より好ましくは1分間以内に、40℃未満の温度にまで冷却し、場合によっては不活性雰囲気下、たとえば窒素下で、好ましくは冷却したペレット化ベルト上でペレット化させるか、またはフレーク化ローラーの上でフレーク化させる。
それらの固化させたラクタム溶融物a)、b)およびc)は、酸素および湿分から保護しながら、好ましくは4〜30℃の間の温度、より好ましくは10℃未満の温度で貯蔵する。
それらの固化させたラクタム溶融物a)、b)およびc)は、数週間の貯蔵可能性を特徴としているので、それらの混合物を使用現場に輸送して、使用するまでそれらを貯蔵することが可能となる。
したがって、用途にぴったり合わせた混合物を調製して、それにより、重合の直前に製造した混合物の場合に起きるような、組成における変動を避けることが可能となる。
本発明の好ましい実施態様においては、そのポリマー性カルボジイミドが式(II)の化合物に相当する。
−(−N=C=N−R−)−R (II)
[式中、
mは、2〜500の整数であり、
=R−NCO、R−NHCONHR、R−NHCONR、またはR−NHCOORであり、そして
=アリーレンおよび/またはC〜C18−アラルキレンであり、かつ
=−NCO、−NHCONHR、−NHCONR、または−NHCOORであるが、
ここで、Rの中のRおよびRは、同一であるか、または異なっていて、それぞれ独立してC〜C−アルキル、C〜C10−シクロアルキル、またはC〜C18−アラルキル基であり、かつRは、Rの定義の一つを有し、かつ
=HまたはC〜C−アルキル、である。]
本発明の組成物が、a)とb)、またはa)とc)、またはb)とc)の2成分混合物、そうでなければa)とb)とc)の混合物を含んでいるような場合においては、それらの2成分または3成分混合物に必要な構成成分を標準的な混合装置の中で撹拌する。
混合は、次のような標準的な混合装置を使用して実施することができる:水平もしくは垂直ミキサー、好ましくはパドルミキサー、ベルトミキサー、すき刃ミキサー、環状層(annular bed)ミキサー、またはミキサー−グラニュレーター(たとえばLoedige Process Technologyから市販されている)。
この場合もまた、そのポリマー性カルボジイミドが式(II)の化合物に相当しているのが好ましい。この点に関しては、詳細な参照がなされている。
本発明の主題にはさらに、0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒、ならびに0.1〜5重量%のカルボジイミドおよび/またはウレトジオンを含む固化させたラクタム溶融物の組成物が包含されるが、それらは、
a.カプロラクタム、および0.1〜5重量%の少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、好ましくは少なくとも1種のポリマー性芳香族カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンの、少なくとも1種の溶融物、ならびに
b.カプロラクタム、および0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される少なくとも1種の触媒の、少なくとも1種の溶融物、
を、70〜120℃の温度で、1〜60秒間混合し、次いで仕上げする、好ましくは冷却を伴うペレット化、微粉化、フレーク化、または粒状化をすることによって得ることができる。この仕上げ工程は、不活性ガスの存在下で実施することも可能である。
この場合もまた、そのポリマー性カルボジイミドが式(II)の化合物に相当しているのが好ましい。この点に関しては、詳細な参照がなされている。
本発明の主題にはさらに、本発明の組成物の1種または複数の構成成分を、注型用成形型の中で、80〜200℃、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜160℃、特に好ましくは100〜160℃の間の温度、好ましくは減圧下、好ましくは1bar未満か、または不活性雰囲気下、より好ましくは窒素雰囲気下で重合させることによる、注型ポリアミドを製造するためのプロセスも含まれる。
その重合は、Kunststoffhandbuch,vol.3/4,Technische Thermoplaste,Hanser Fachbuch,p.413〜430に記載されているプロセスで実施するのが好ましい。
本発明のさらなる変法においては、その重合を、好適な成形プロセス、好ましくは射出成形プロセス、たとえば反応射出成形(RIM)、固定式注型プロセス、または回転注型プロセスによって実施することもできる。その重合を射出成形プロセスで実施できれば、より好ましい。
上述の本発明の組成物は、好ましくは、自動車工業における金属の代替え物としてのプラスチック製品を製造するため、電子的エンジニアリング部品の製造において、シート、棒状物、筒状物、ローププーリー、ロープローラー、歯車の歯、およびベアリングを製造するため、ならびに/または容器を製作するために、好適に使用される。繊維状のプラスチックを製造することもまた可能である。この文脈において使用可能な布帛は、好ましくはガラス繊維布帛、玄武岩布帛、炭素繊維、ガラス繊維と炭素繊維とからなるハイブリッド布帛、および/またはアラミド布帛である。
本発明の範囲は、上記および下記の、一般的または好ましいとされる領域の内、すなわち個々の領域と好ましいとされる領域との間も含めて各種の組み合わせで、基の定義、指数、パラメーター、および説明のあらゆる組み合わせをカバーしている。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、本発明にいかなる限定的効果を与えるものではない。
作業実施例:
反応剤:
(A)乾燥カプロラクタム(軟化点>69℃)(Lanxess Deutschland GmbH製);
(B)Addonyl(登録商標)Kat NL(Rhein Chemie Rheinau GmbH製)、カプロラクタム中約18%ナトリウムカプロラクタメート;
活性剤として:
(C)Addonyl(登録商標)8108:脂肪族ポリイソシアネート溶液(Rhein Chemie Rheinau GmbHから市販);
(D)Desmodur(登録商標)H:ヘキサメチレンジイソシアネート(Bayer MaterialScience AGから市販);
(E)Stabaxol(登録商標)P:芳香族ポリマー性カルボジイミド(Rhein Chemie Rheinau GmbHから市販);
(F)Stabaxol(登録商標)I:芳香族モノマー性カルボジイミド(Rhein Chemie Rheinau GmbHから市販);
(G)Addolink(登録商標)TT:ダイマー性TDIウレトジオン(Rhein Chemie Rheinau GmbHから市販);
(H)Addonyl(登録商標)TT:ダイマー性TDIウレトジオン(Rhein Chemie Rheinau GmbHから市販)。
手順および試験:
a)およびb)からの2成分混合物の製造(2K粉体混合物)
カプロラクタムを75℃で溶融させ、減圧下20分間かけて乾燥させた。その後で、個々の活性化剤(表1参照)を撹拌しながら添加して、その混合物を均質化させ、窒素シールしたアルミニウム成形型の中に注入した。その溶融物を固化させてから、それを微粉砕し、窒素シールした試料ビンに移して、貯蔵した。
同様の方法で、カプロラクタムを75℃で溶融させ、減圧下20分間かけて乾燥させた。その後で、Addonyl(登録商標)Kat NLを撹拌しながら添加し、その混合物を均質化させ、窒素シールしたアルミニウム成形型の中に注入した。その溶融物を固化させてから、それを微粉化し、窒素シールした試料ビンに移して、貯蔵した。
30日経過後に、活性化剤および触媒を含む、それらに相当する粉体を、1:1の質量比で混合し、試料ビンの中に移し、次いでそれを、以下に記載する重合実験に直接使用した。
1成分混合物c)の製造(1K混合物)
カプロラクタムを75℃で溶融させ、減圧下20分間かけて乾燥させた。その後で、撹拌しながら、それぞれの活性化剤(表1参照)を添加し、その混合物を均質化させた。同様の方法で、カプロラクタムを75℃で溶融させ、減圧下20分間かけて乾燥させた。その後で、撹拌しながらAddonyl(登録商標)Kat NLを添加し、均質化させた。次いで、そのようにして得られた触媒および活性化剤の溶融物を組み合わせて、75℃で数分間かけて均質化させた。次いでその内容物を、窒素シールしたアルミニウム成形型の中に注入した。その溶融物を固化させてから、それを微粉化し、窒素シールした試料ビンに移して、貯蔵した。30日経過後に、活性化剤および触媒を含む粉体を試料ビンの中に移し、以下に記載する重合実験で使用した。
重合実験
160℃の乾燥キャビネットの中に試料ビンを入れた。約30分後に、試料を取り出した。結果を表2にまとめた。
Figure 0006046141
Figure 0006046141
本発明の注型ポリアミドの残存モノマー含量は、1重量%未満であった。
したがって、硬化を調節して精密に行い、必要とされる活性化剤および触媒を選択することによって、貯蔵安定性の組成物を得ることが可能となり、それによって、装置の複雑さを極めて低くして、ポリアミド注型物を製造することが可能となった。
本発明の組成物からの注型PA6ポリマー成形物、および注型PA6ポリマー複合材料成形物の製造例:
実施例11:
a)およびb)からの2成分混合物の製造(2K粉体混合物)
193.6gのカプロラクタムを75℃で溶融させた。その後で、6.4gのAddonyl(登録商標)TT(Rhein Chemie Rheinau製)を撹拌しながら添加して、その混合物を均質化させ、そして減圧下で5分間かけて後乾燥させ、その溶融物を、窒素シールした21℃の冷たいアルミニウム成形型の中に注入した。溶融物を固化させてから、それを微粉砕し、窒素シールした試料ビンの中に移し、冷蔵庫中6℃で1週間貯蔵した。
同様の方法で、184gのカプロラクタムを75℃で溶融させた。その後で、16gのAddonyl(登録商標)Kat NLを撹拌しながら添加し、その混合物を均質化させ、そして減圧下で5分間かけて後乾燥させ、窒素シールした温度21℃の冷たいアルミニウム成形型の中に注入した。その溶融物を固化させてから、それを微粉化し、窒素シールした試料ビンに移した。冷蔵庫中6℃で1週間貯蔵した。
活性化剤または触媒を含むそれらの粉体を、冷蔵庫から取り出し、混合して、窒素シールしたリザーバー容器/3口フラスコの中に導入し、次いで温度90℃で溶融させ、以下に記載する実験のためにこの温度で保持した。
10分ごとに、プラスチックピペットを使用して、2mLの試料を採取し、それを内径5mmの試験管の中に移し、オイルバスを使用して170℃に加熱した。
30分間経過すると、温度が上昇し、その溶融物を完全に重合させることが可能であった。その試験片は、視覚的には均質であった。
実施例12:
実施例11の場合と同様にして、3口のフラスコ中、窒素雰囲気下で約400gの活性化させたカプロラクタム溶融物を作成した。
20×30×0.2cmの寸法のキャビティを有するスチール製の成形型は、二つ割りになっていて、それをシリコーンシール材を用いてシールした。この実験にかかる前に、予備乾燥させたガラス繊維布帛(PPG製、坪量約600m、2/2綾織り構成)の2プライを、そのキャビティの中において、機械的に固定した。綾織りとは、平織りおよび朱子織りと並んで、織物の三つの基本的な構造のタイプの一つである。
そのスチール製の成形型は、二つの穴を有していて、そこを通って、実施例11からの活性化されたカプロラクタム溶融物が、キャビティの中に流入し、その第二の穴を通して、完全な充填が終わってから、過剰の溶融物が流れ出すことが可能であった。
そのスチール製の成形型を加熱して170℃とし、スチール製の成形型の穴の一つに接続した真空ポンプを利用して、実施例11からの活性化されたカプロラクタム溶融物を成形型の中に吸入すると、それが、布帛に浸透し、重合が完全に進行した。
30分間経過後に、成形型を開き、完全に重合した複合プラスチックシートを取り出した。
その複合プラスチックシートは完全に重合していて、メタノール抽出によって求めた残存モノマー含量は、1重量%未満であった。
実施例13:
1成分混合物の製造(1K粉体混合物)
193.6gのカプロラクタムを75℃で溶融させた。その後で、6.4gのAddonyl(登録商標)TT(Rhein Chemie Rheinau製)を撹拌しながら添加し、その混合物を均質化させ、そして減圧下(<0.1mbar)でさらに5分間かけて後乾燥させた。
それと同時に、第二のバッチにおいて、184gのカプロラクタムを75℃で溶融させ、その後で、16gのAddonyl(登録商標)Kat NLを撹拌しながら添加し、その混合物を5分間かけて均質化させ、そして減圧下(<0.1mbar)で5分間かけて後乾燥させた。
活性化剤含有溶融物を触媒含有溶融物に添加することによって、それら2種の溶融物を組み合わせ、その組み合わせた溶融物を、さらに30秒間撹拌した。
その後で、その溶融混合物を、温度21℃の窒素シールしたアルミニウム成形型の中に注入した。溶融物を固化させてから、それを微粉化し、窒素シールした試料ビンの中に移し、冷蔵庫中6℃で1週間貯蔵した。
活性化剤と触媒の両方を含むこの粉体を冷蔵庫から取り出し、窒素シールした3口のフラスコの中へ導入し、そこで、温度90℃でそれを溶融させ、その溶融混合物をこの温度で保持した。
10分ごとに、プラスチックピペットを使用して、2mLの試料を採取し、それを内径5mmの試験管の中に移し、オイルバスを使用してそれを170℃に加熱した。
30分間経過すると、温度が上昇し、その溶融物を完全に重合させることが可能であった。その試験片は、視覚的には均質であった。
実施例14:
a)およびb)の2成分混合物の製造(2K粉体混合物)、製造後に粉体a)と粉体b)とを組み合わせてから、この粉体混合物を10℃未満の温度で貯蔵
193.6gのカプロラクタムを75℃で溶融させた。その後で、6.4gのAddonyl(登録商標)TT(Rhein Chemie Rheinau製)を撹拌しながら添加して、その混合物を均質化させ、そして減圧下(<0.1mbar)で5分間かけて後乾燥させ、その溶融物を、窒素シールした21℃の温度を有するアルミニウム成形型の中に注入した。溶融物が固化してから、それを微粉砕した。
同様の方法で、184gのカプロラクタムを75℃で溶融させた。その後で、16gのAddonyl(登録商標)Kat NLを撹拌しながら添加し、その混合物を均質化させ、そして減圧下(<0.1mbar)で5分間かけて後乾燥させ、その溶融物を、窒素シールした21℃の温度を有するアルミニウム成形型の中に注入した。溶融物が固化してから、それを同様に微粉砕して、フレークにした。
その2種の粉体を、(1:1)の質量比で混合し、フレークの形態で窒素シールした試料ビンの中に移し、冷蔵庫中6℃で1週間貯蔵した。
これらのフレークを冷蔵庫から取り出して、窒素シールした3口のフラスコの中に導入してから、温度90℃で溶融させ、得られた溶融物を使用して、実施例12に記載したような複合プラスチックを製造した。
この場合においてもまた、約1重量%の残存モノマー含量を有する複合プラスチックシートを製造することが可能であった。

Claims (15)

  1. 0.1〜5重量%の、少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンを、70〜120℃の間の温度でラクタム溶融物に添加し、均質化させてから40℃未満の温度にまで冷却することにより、固化させたラクタム溶融物a)を調製する工程、
    0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒を、70〜120℃の間の温度でラクタム溶融物に添加し、均質化させてから40℃未満の温度にまで冷却することにより、固化させたラクタム溶融物b)を調製する工程、
    および
    0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒、ならびに0.1〜5重量%の少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンを、70〜120℃の間の温度で別々のラクタム溶融物に添加し、それぞれ均質化させてから70〜120℃の間の温度で共に混合してから、40℃未満の温度にまで冷却することにより、固化させたラクタム溶融物c)を調製する工程
    のいずれか1つまたは複数を含む、固化させたラクタム溶融物a)〜c)のいずれか1種または複数を含む組成物の製造方法。
  2. 以下の条件:
    ・前記a)のポリマー性カルボジイミドがポリマー性芳香族カルボジイミドである;
    ・前記c)のポリマー性カルボジイミドがポリマー性芳香族カルボジイミドである;及び
    ・固化させたラクタム溶融物b)が、固化させたラクタム溶融物a)〜c)のいずれか1種または複数にさらに添加される;
    の一つ以上に従う、請求項1に記載の方法。
  3. 固化させたラクタム溶融物a)及び/または固化させたラクタム溶融物c)を調製する工程を、さらなる固化させたラクタム溶融物b)を調製する工程と任意に組み合わせて含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 式(I)
    Figure 0006046141
    [式中、Rは、3〜13個の炭素原子を有するアルキレン基である]
    の化合物を、ラクタム溶融物のために使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ウレトジオンが、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシル1,4−ジイソシアネート、1,1−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)、1,2−ビス(4−イソシアナトノニル)−3−ヘプチル−4−ペンチルシクロヘキサン、およびヘキサメチレン1,6−ジイソシアネートの群から選択されるモノマー性化合物から出発して調製されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ウレトジオンが、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、メチレンジフェニル4,4'−ジイソシアネート、1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)−2,4−ジオキソジアゼチジン、N,N’−ビス(4−メチル−3−イソシアナトフェニル)尿素、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネートからなる群から選択される芳香族イソシアネートから出発して得られる化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ポリマー性カルボジイミドが、式(II)
    −(−N=C=N−R−)−R (II)
    [式中、
    mは、2〜500の整数であり、
    =R−NCO、R−NHCONHR、R−NHCONR、またはR−NHCOORであり、
    =C〜C18−アルキレン、C−C18−シクロアルキレン、アリーレン、および/またはC〜C18−アラルキレンであり、
    かつ
    =−NCO、−NHCONHR、−NHCONR、または−NHCOORであるが、
    ここで、RにおけるRおよびRは、同一であるか、または異なっていて、それぞれ独立して、C〜C−アルキル、C〜C10−シクロアルキル、またはC〜C18−アラルキル基であり、かつRは、Rの定義の一つを有しているか、または、ポリエステル基またはポリアミド基または(CH−O−[(CH−O]−R[式中、h=1〜3、k=1〜3、g=0〜12である]であり、かつ
    =HまたはC〜C−アルキルである]
    の少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項7に規定される式(II)において、Rがアリーレンおよび/またはC〜C18−アラルキレンである、請求項7に記載の方法
  9. 前記ラクタム溶融物を基準にして、0.1〜5重量%の少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンを含むか、および/または0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒を含む、前記固化させたラクタム溶融物が、粉体、ペレット、顆粒、またはフレークの形態であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ポリマー性カルボジイミドが、ポリマー性芳香族カルボジイミドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される触媒、ならびに0.1〜5重量%のポリマー性カルボジイミドおよび/またはウレトジオンを含む固化させたラクタム溶融物の製造方法であって、
    a.カプロラクタム、および0.1〜5重量%の少なくとも1種のポリマー性カルボジイミド、および/または少なくとも1種のウレトジオンの、少なくとも1種の溶融物、ならびに
    b.カプロラクタム、および0.2〜5重量%の、ラクタムマグネシウムハライド、アルカリ金属アルミノジラクタメート、アルカリ金属ラクタメートおよび/またはアルカリ土類金属ラクタメートの群から選択される少なくとも1種の触媒の、少なくとも1種の溶融物を、
    70〜120℃の温度で、1〜60秒間混合し、次いで冷却して仕上げることによる、固化させたラクタム溶融物の製造方法。
  12. 前記ポリマー性カルボジイミドが、ポリマー性芳香族カルボジイミドである、請求項11に記載の固化させたラクタム溶融物の製造方法。
  13. 注型ポリアミドを製造するための方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により製造された組成物を、注型用成形型の中で、100〜160℃の温度で重合させることによる、方法。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により製造された組成物を重合させることによる、注型ポリアミドの製造方法。
  15. 注型ポリアミドを製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により製造されたa)、b)、及びc)の1種または複数の使用。
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