本明細書では、まず本発明の案内システムについて種々の実施例を用いて説明し、次に、本案内システムの種々の応用例について説明する。詳細については後述する各実施例において図面を参照して説明する。本発明の案内システムは、1以上の発光素子により光信号を送信する光信号送信機と当該光信号を複数の受光素子により受信する光信号受信機とから構成され、光信号受信機は複数の受光素子が設置された眼鏡部と当該眼鏡部に接続された受信回路部と当該受信回路部に接続され被案内者側へ所定の案内情報を伝える案内部とを有している。本明細書等では空間音響に関する被案内者の頭を中心とする球座標系を用いる。当該座標系の原点は被案内者の両外耳道入口を結ぶ線分の中点であり、水平面は右眼窩点と左右の耳珠を含む平面であり、横断面は両外耳道入口を通り水平面に垂直な面であり、正中面は水平面と横断面との両方に直交する平面である(例えば、「飯田一博、森本政之編著、空間音響学、2010年8月27日、コロナ社発行」等を参照されたい。)。球座標系における点は方位角をφ、仰角をθ、原点から点までの距離をrとすると、(r、θ、φ)で与えられる。ここで距離rは別名「動径」とも言う。球座標系と3次元(xyz)座標系との関係は以下のようになる。即ち、水平面において被案内者の左右の耳珠を結ぶ方向がx軸となり、水平面においてx軸と垂直且つ正中面に含まれる方向がz軸となり、横断面においてx軸と垂直且つ正中面に含まれる方向がy軸となる。z軸を中心とした左右の方位角方向はx軸上に射影された成分として考えれば−x、+x方向となり、上下の仰角方向はy軸上に射影された成分として考えれば+y、−y方向となる。以下で、眼鏡部のブリッジとは左右のレンズを繋ぐ部分であり、リムとはレンズを固定している縁の部分であり、テンプル(つる)とはフロントに繋がる開閉部分から耳に係る部分であり、智(ち)とはテンプルに繋がるフロントの左右端部分であり、ここを変形させることによりレンズに傾斜角を付けることができる部分である。
図1は、本発明の案内システムにおける種々の実施例の構成を示す。図1の(点線の)左側は光信号送信機の構成/機能を示し、右側は光信号受信機の構成/機能を示す。図1の光信号送信機側の構成/機能に示されるように、可視光乃至近赤外光を変調した光信号により所定の案内情報が発光素子から発光される(ステップS11〜S13)。ここで、発光素子は光軸を中心とした指向性がある1以上の発光素子である。発光された光信号は、光信号受信機側の眼鏡部に設置された受光素子により受光され、眼鏡部に接続された受信回路部へ送られて復調される(ステップS20〜S21)。ここで、受光素子は可視光乃至赤外光に感度を有する光軸を中心とした指向性がある複数の受光素子である。発光素子が設置された方向に関する方位角φ方向の情報および仰角θ方向の情報(各々一次元情報とし両方合わせて二次元情報と言う。以下、「xy情報」とも言う。)xy情報を得る場合(ステップS30)且つ所定の案内情報が聴覚情報の場合は、スピーカにより被案内者(例えば視覚障がい者)へ伝えられる(ステップS31)。このステップS31部分が実施例1〜9に相当する。実施例1〜9を1−xy−A(「A」は聴覚の意味。以下同様)グループとする。発光素子が設置された方向に関するxy情報を得る場合(ステップS30)且つ所定の案内情報が視覚情報の場合は、ディスプレイにより被案内者(例えば聴覚障がい者)へ伝えられる(ステップS32)。このステップS32部分が実施例10〜13に相当する。実施例10〜13を1−xy−B(「B」は視覚の意味。以下同様)グループとする。発光素子が設置された方向に関する方位角φ方向の情報およびの距離rの情報(各々一次元情報とし両方合わせて二次元情報と言う。以下、「xz情報」とも言う。)xz情報を得る場合(ステップS40)且つ所定の案内情報が聴覚情報の場合は、スピーカにより被案内者(例えば視覚障がい者)へ伝えられる(ステップS41)。このステップS41部分が実施例14〜18に相当する。実施例14〜18を1−xz−Aグループとする。発光素子が設置された方向に関するxz情報を得る場合(ステップS40)且つ所定の案内情報が視覚情報の場合は、ディスプレイにより被案内者(例えば聴覚障がい者)へ伝えられる(ステップS42)。このステップS42部分が実施例19〜22に相当する。実施例19〜22を1−xz−Bグループとする。発光素子が設置された位置に関する方位角φ方向の情報、仰角θ方向の情報および距離rの情報(各々一次元情報とし3つ合わせて三次元情報と言う。以下、「xyz情報」とも言う。)xyz情報を得る場合(ステップS50)且つ所定の案内情報が聴覚情報の場合は、スピーカにより被案内者(例えば視覚障がい者)へ伝えられる(ステップS51)。このステップS51部分が実施例23〜24に相当する。実施例23〜24を2−xyz−Aグループとする。発光素子が設置された位置に関するxyz情報を得る場合(ステップS50)且つ所定の案内情報が視覚情報の場合は、ディスプレイにより被案内者(例えば聴覚障がい者)へ伝えられる(ステップS52)。このステップS52部分が実施例25〜26に相当する。実施例25〜26を2−xyz−Bグループとする。
図1の左上に示されるように案内情報が光信号送信機の設置位置等である場合は(ステップS60)、実施例27に相当し3−ABグループとする。図1の中央に示されるように、光信号受信機が眼鏡部の傾きを検出する傾きセンサを用いる場合は(ステップS70)、実施例28〜30に相当し4−ABグループとする。光信号受信機が受光に関する補助装置を用いる場合は(ステップS80)、実施例31〜34に相当し5−ABグループとする。光信号送信機が光信号受信部を用い光信号受信機が光信号送信部を用いる場合は(ステップS90)、実施例35〜37に相当し6−ABグループとする。光信号送信機が光信号送信機の可動部/制御部を用いる場合は(ステップS100)、実施例38に相当し7−ABグループとする。以下では、1−xy−Aグループ、1−xy−Bグループ、・・・の順に各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
1−xy−Aグループ:
図2は、本発明の案内システムにおける1−xy−Aグループの実施例の構成を示す。図1と同様に、図2の(点線の)左側は光信号送信機の構成/機能を示し、右側は光信号受信機の構成/機能を示す。図2の光信号送信機側の構成/機能に示されるように、ボイスレコーダ等から出力された所定の案内情報が可視光乃至近赤外光を変調した光信号により送信される(ステップS10〜S12)。変調方式がアナログ変調(アナログ振幅変調:AM変調、アナログ周波数変調:FM変調、アナログ位相変調:PM変調)およびパルス変調(パルス幅変調:PWM変調およびPPM変調)の場合、各変調方式により変調された光信号が発光素子から発光される(ステップS12−1〜S13−1)。
発光された光信号は、光信号受信機側の眼鏡部に設置された受光素子により受光される(ステップS20−1)。ここで、眼鏡部のブリッジ付近には少なくとも3個の受光素子が設置されており、その内の2個の受光素子間において、指向性の領域が互いに一部重なり合うように光軸が方位角方向に角度をなす方位角方向の位置関係を有しており、その内の2個の受光素子間において、指向性の領域が互いに一部重なり合うように光軸が仰角仰角方向に角度をなす仰角方向の位置関係を有している。当該両位置関係の4個の受光素子が眼鏡部のフロント側から見てX字型の場合であって(ステップS25)、被案内者の顔の上下にスピーカを有する顔上下型スピーカを用いる場合が実施例1(ステップS31−1)であり、被案内者の耳の上下にスピーカを有する耳上下型スピーカを用いる場合が実施例2(ステップS31−2)である。上記X字型の場合であって(ステップS25)且つ他の型の受光素子を有する場合(ステップS25−1)、顔上下型スピーカに他の型のスピーカを用いる場合が実施例3(ステップS31−3)であり、耳上下型スピーカに他の型のスピーカを用いる場合が実施例4(ステップS31−4)である。当該両位置関係の4個の受光素子が眼鏡のフロント側から見て+字型の場合であって(ステップS26)、顔上下型スピーカと耳上下型スピーカとを用いる場合が実施例5(ステップS31−5)である。上記+字型の場合であって(ステップS26)且つ左右に別の受光素子を有する左右型の場合(ステップS26−1)、顔上下型スピーカに他の型のスピーカを用いる場合が実施例6(ステップS31−6)である。上記+字型(ステップS26)且つ左右型で(ステップS26−1)且つ他の型の受光素子を有する場合(ステップS26−2)、顔上下型スピーカに他の型のスピーカを用いる場合が実施例7(ステップS31−7)である。
光信号送信機側へ戻り、変調方式がディジタル変調の場合、ディジタル変調された光信号が発光素子から発光される(ステップS12−2〜S13−2)。発光された光信号は、光信号受信機側の眼鏡部に設置された受光素子により受光される(ステップS20−2)。眼鏡部のブリッジ付近に設置された4個の受光素子間における上記両位置関係がX型または+型のいずれかの場合(ステップS25+S26)、眼鏡部の左右に設置されたスピーカによるバーチャルサラウンド型(VS型)を用いる場合が実施例8(ステップS31−8)である。光信号送信機側でさらに外付の発光素子を用い、光信号受信機側でさらに狭い指向性の受光素子を用いる場合が実施例9(ステップS31−9)である。
図3は、本発明の実施例1における光信号送信機100の回路構成を示す。図3で右方向がz軸、上方向がx軸、手前方向がy軸(不図示)であり、符号111はボイスレコーダ回路、112は光信号送信回路、113L、113C、113Rは各々光信号送信回路112に接続された発光素子であり、それぞれ光軸117L(点線で示す。以下同様)を中心とした116L方向への指向性(点線で示す。以下同様)、光軸117Cを中心とした116C方向への指向性、光軸117Rを中心とした116R方向への指向性を有している。図3では発光素子113L等の指向性116L等はxz平面内に示されているが、これは図面の都合によるものであって、実際にはxyz空間内に光軸および指向性を有しており、発光素子113L等の数も3個に限定されるものではない。続けて図3において、符号114Aは電池、114Bは電源回路、115はメモリーカード(不図示)挿入機構付マイコン回路(以下、「マイコン回路」と略す。)、117は無線または有線LAN等の通信回路である。図3に示されるように、ボイスレコーダ回路111、光信号送信回路112、電池114A、電源回路114B、マイコン回路115および通信回路117はバスBTにより相互に接続されている。ここで「マイコン」とは、マイクロプロセッサの他、RAM、フラッシュメモリーやADコンバータ、タイマ、周辺モジュールなどが1チップに集積されたものを指す。
次に、光信号送信機100の機能について説明する。図3に示されるように、光信号送信回路112はボイスレコーダ回路111に録音された案内音声またはメモリーカードに記録された案内音声情報(所定の案内情報の種別が聴覚情報)を入力して、発光素子113L、113Cおよび113Rを変調するための電気信号に変換し、発光素子113L、 113C、113Rから可視光乃至近赤外光を変調した光信号として送信する。この際、光信号はアナログ強度(振幅)変調(AM)、アナログ周波数変調(FM)、アナログ位相変調(PM)、パルス幅変調(PWM)、パルス位置変調(PPM)、ディジタル変調等、いずれも使用可能である。ここで発光素子は少なくとも1つ必要であるが、図3に示されるように複数の発光素子113L等を用いた場合、光信号を送信可能な角度を広げることができることに加え、各発光素子113L等から異なる案内音声情報を送信することも可能となる。例えば、発光素子113Lから「〜の斜め左にいます」、発光素子113Cから「〜の正面にいます」、発光素子113Rから「〜の斜め右にいます」等の案内音声情報を送信することにより、被案内者に光信号送信機100との相対位置を知らせることが可能となる。発光素子113L等としては発光ダイオード(LED)または半導体レーザを用いることが好適である。マイコン回路115に挿入するメモリーカードに記録する案内情報は、通信回路117によって受信した指令により書き換えることが可能であり、この結果、状況に応じた音声案内を行うことができる。本実施例1および以下で説明される1−xy−Aグループの各実施例では、案内システムにおける光信号送信機として同じ光信号送信機100を用いる。このため以下の各実施例において光信号送信機100に関する説明は省略する。
図4(A)、(B)、(C)は本発明の実施例1における光信号受信機1の構成を示す。図4(A)は光信号受信機1の正面図、図4(B)は同平面図、図4(C)は同左側面図であり、各々x軸、y軸、z軸との関係は上述したように、水平面において光信号受信機1を装着した被案内者の左右の耳珠を結ぶ方向がx軸、横断面においてx軸と垂直且つ正中面に含まれる方向がy軸、水平面においてx軸と垂直且つ正中面に含まれる方向がz軸である。本明細書および図面では、左右方向とは光信号受信機1の装着者(被案内者)側から見た水平面におけるz軸正方向に対する左右の方位角方向を言うものとし、各々符号L、Rで示す。上下方向とは上記装着者側から見た水平面に対する上下の仰角方向を言うものとし、各々U(またはUP)、L(またはLW)で示す。符号Lは使用する態様により左か下かを区別可能である。図4(A)において、符号212UL、212UR、212LL、212LRの各々は眼鏡部FR1のブリッジ付近に設置された受光素子(好適にはフォトダイオード)であり、この順に左斜め上方向の光軸217UL、右斜め上方向の光軸217UR、左斜め下方向の光軸217LL、右斜め下方向の光軸217LRを有している。本明細書および図面では、眼鏡部FR1は狭義では眼鏡のフロントを指すが、広義では受光素子212UL等が設置された眼鏡全体(レンズ、智、テンプル等を含む)を指す。続けて図4(A)において、符号213Lおよび213Rは各々眼鏡部FR1の左右の智に設置された左右スピーカ、213UPは被案内者の頭部の左右に亘って装着される左右ヘッドバンド214Aの頭頂部に設置された頭頂部スピーカ、213LWは左右ヘッドバンド214Aの下方向(y軸下方向)に伸びた下方アーム部218Aの先端付近(先端部)に設置された下方スピーカ、213SW2は頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LWをオンオフ(または音量の高低等の調節を)するために下方アーム部218Aに設置された上下スピーカ用スイッチ、220は眼鏡部FR1の左右いずれかの智付近から下方向に伸びたケーブル部218Cにより眼鏡部FR1と接続された受信回路部である。なお、眼鏡部FR1と受信回路部220との間の通信はケーブル部218Cによる有線接続による通信の代わりに無線通信または人体通信で信号の送受を行うこともできる。この場合、ケーブル部218Cは不要になり、その代わりに眼鏡部FR1と受信回路部220に無線通信回路または人体通信回路を付加すればよい。以上の受光素子212UL、212UR、212LL、212LR(以下、「受光素子212UL等」と言う。)および頭頂部スピーカ213UPと下方スピーカ213LW、左右スピーカ213Lおよび213R(以下、「スピーカ213UP等」と言う。)は各々受信回路部220と接続されている。以上のように、左右スピーカ213Lおよび213Rと、頭頂部スピーカ213UPと、下方スピーカ213LWとを有する複数個のスピーカの設置形式を顔上下型スピーカ群形式と言い、これらのスピーカを顔上下型スピーカ群と言う。
図4(B)で図4(A)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図4(B)において、符号213SW1は左右スピーカ213Lおよび213Rをオンオフ(または音量の高低等の調節を)するために眼鏡部FR1の左側の智付近に設置された左右スピーカ用スイッチ、216Lは受光素子212ULおよび212LLの左前方方向指向性、216Rは受光素子212URおよび212LRの右前方方向指向性を示す。図4(B)に示されるように、2個の受光素子212ULと212URとの間において、左前方方向指向性216Lと右前方方向指向性216Rとの領域が互いに一部重なり合うように光軸217ULと217URとが左右方向に角度をなす位置関係を有している。この位置関係は2個の受光素子212LLと212LRとの間でも同様である。図4(A)では光軸217UL等はxy平面に投影された状態を示しているが、図4(B)に示されるように光軸217UL等はz軸方向へも伸びている。
図4(C)で図4(A)および(B)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図4(C)において、符号216UPは受光素子212ULおよび212URの斜め上方向指向性、216LWは受光素子212LLおよび212LRの斜め下方向指向性を示す。図4(C)に示されるように、2個の受光素子212ULと212LLとの間において、斜め上方向指向性216UPと斜め下方向指向性216LWとの領域が互いに一部重なり合うように光軸217ULと217LLとが仰角方向に角度をなす位置関係を有している。この位置関係は2個の受光素子212URと212LRとの間でも同様である。図4(C)に示されるように、左右ヘッドバンド214Aと下方アーム部218Aとは繋がっている。
光信号受信機1は、光信号送信機100から送信された光信号を4個の受光素子212UL等により受信して、当該光信号が到来する方向を左右および上下の2次元情報(xy情報およびxz情報)として検知することができる。以下では、その方法について受信回路部220の構成を示しながら説明する。図5は、本発明の実施例1における受信回路部220の外観を示す。図5において、符号221はスピーカ213UP等の音量を調整するための音量調整ダイヤル、222は受信回路部220の電源スイッチ、223は後述するメモリーカードおよびマイコン回路内のメモリーにデータを書き込むための外部機器を接続するコネクタである。図6は、本発明の実施例1における受信回路部220の回路構成を示す。図6において、符号224は光信号受信回路、225は音声出力回路、226はメモリーカード挿入機構付マイコン回路(マイコン回路)、227はディジタル信号処理(DSP)回路、228は受信回路部220の電池である。光信号受信回路224、音声出力回路225、マイコン回路226、DSP回路227および電池228はバスBRにより相互に接続されており、バスBRはコネクタ223に接続されている。受信回路部220はケーブル218Cを介して発光素子212UL等およびスピーカ213UP等と接続されている。上述した4つの受光素子212UL等によって受信された光信号は、ケーブル218Cを介して受信回路部220に導かれ、光信号受信回路224によって音声帯域の電気信号に復調される。復調された電気信号は音声出力回路225を通して上述したスピーカ213UP等から音声信号として被案内者へ伝えられる。
被案内者に発光素子113L等が存在する方向を知らせることは、複数のスピーカ213UP等から再生される音声信号について、スピーカ213UP等間の音量差または位相差、あるいはそれらの両方による、二次元空間(本明細書等では上述した二次元情報、即ち方位角による左右方向の情報と仰角による上下方向の情報とからなる空間を言う。)座標上への仮想音像定位により特定される位置を発光素子113L等の方向に一致させることにより可能となる。ここでまず仮想音像定位について簡単に説明する。人間は音を聞いた時に、音が聞こえる方向および音源までの距離を知ることができ、この能力を音像定位能と言う。ある位置から両耳に届く音には音源から両耳までの伝達特性(頭部伝達関数)が組み込まれており、音像定位能は人間がこの伝達特性を経験的に利用して、音源の空間的方向および距離を認知していることによるものと考えられている。言い換えれば、両耳に到達する音は音源の方向および距離によって両耳間のレベル差、時間差、周波数特性が異なり、人間はこれらの伝達特性の違いを手掛かりとして音源の方向および距離を知覚している。そこで、ある方向および距離の音源からの伝達特性と等価な音声信号を被案内者の両耳付近に供給すれば、被案内者は当該伝達特性を利用することにより、当該音声信号は当該方向および距離にある音源からの音声信号として認識することになる。即ち、仮想的な音響空間において音像の位置を定位する仮想音像定位が可能となる。背景技術で説明した(ステレオ)音像定位技術では音声信号をヘッドフォンまたはステレオイヤフォンを用いて音声信号を両耳に供給していたため、音像が人間の頭の中に定位してしまい、音像の方向がわかりにくくなるという問題があった。しかし、本発明の案内システムではヘッドフォンまたはステレオイヤフォンを用いず、仮想音像定位により特定される二次元空間上の方向を発光素子113L等の方向に一致させることにより、被案内者に発光素子113L等が存在する方向を知覚させる方法を用いている。以下、当該方法につき具体的に説明する。
仮想音像定位を行うことにより特定される二次元空間上の位置(以下、「仮想音像定位位置」と言う。)を発光素子113L等の方向に一致させるためには何通りかの方法がある。1つはアナログ強度変調(アナログ振幅変調:AM)された信号を用いる場合において、複数の受光素子212UL等の各々における光信号の受信強度を複数のスピーカ213UP等からの再生音量に対応させる方法である。この方法は受光素子212UL等の指向性と受光素子212UL等間の相対光軸角度を適切に選択することにより実現することができる。
図7乃至9は、本発明の案内システムにおいて複数の受光素子212UL等の組合せにより発光素子113L等の方向を検出する原理について説明するための図である。図7乃至9では、2個の受光素子(例えば212ULおよび212UR。同様な位置関係であれば他の受光素子の組を用いてもよいことは勿論である。)を用いて左右方向の角度を検出する場合を例にして説明している。図7は受光素子212ULまたは212URが光信号を受光する際の相対受信感度の左右の角度に対する依存性、即ち指向性を模式的に示したグラフであり、図8は光軸217ULおよび217URに角度を設けた2つの受光素子212ULおよび212URによって得られる合成された指向性を示すグラフであり、図9は図8において左右の受光素子212ULおよび212URによる相対受光感度特性によって得られる相対受信強度比と左右の角度との関係を示したグラフである。
図7に示されるグラフは、受光素子212ULまたは212URを上から見た場合の指向性図であり、横から見た場合の詳細な指向性図は省略する。図7に示されるグラフにおいて、左右方向の角度は光軸217UL方向を0°としており、0°方向における受信感度が最大の電界強度となる。図7に示される相対受信感度は、当該最大の電界強度を1とした場合における相対的な強度を示す。図7に示されるように、受光素子212ULまたは212URは光軸217ULまたは217URを中心とするやや狭めの指向性を有している。
図8に示されるグラフは、受光素子212ULおよび212URを上から見た場合の指向性図であり、図4(B)の指向性216Lおよび216Rに対応する。図7と同様に横から見た場合の詳細な指向性図は省略するが、図4(C)に示される指向性216UP、216LWを参照されたい。相対受信感度についても図7と同様である。図7に示される指向性を有する2個の受光素子212ULおよび212URを図8に示されるように相対角度をつけて配置する。図8に示される例では相対角度を90°(左側−45°〜右側45°)としている。図8において、左側に角度−45°をつけて受光素子212ULが配置され、その指向性(216Lに相当)は間隔の狭い点線Lで示され、右側に角度45°をつけて受光素子212URが配置され、その指向性(216Rに相当)は間隔の広い点線Rで示されている。受光素子212ULの指向性および受光素子212URの指向性の和は、実線L+Rで示されている。図8に示されるように、発光素子113C等が正面(0°)の位置にあるときには、受光素子212ULと212URとにおける相対受信感度は等しくなる。しかし、正面から左右へ角度が増すにつれ、受光素子212ULと受光素子212URとの相対受信感度の比大きくなる。
図9は、上述した変化を受光素子212ULおよび212URの相対受信(または受光)感度比で示したグラフであり、横軸は角度(°)、縦軸は相対受信感度比(dB)である。図9では図8に示されるL、Rを用い、相対受信感度比として10log(R/L)を実線で示し、10log(L/R)を点線で示す。図9に示されるように、角度が正(右側)になるほど実線で示される相対受信感度比は大きくなり、逆に角度が負(左側)になるほど点線で示される相対受信感度比は大きくなる。つまり、図9に示されるグラフは複数の受光素子(例えば212ULおよび212UR等)における相対受信感度比と光信号が到達する方向との関係を示している。
上述したようにAM変調された信号を用いる場合は、上記相対受信感度比を光信号受信機1における左右に配置したスピーカ213Lおよび213Rの各音量に対応させると、光信号送信機100の発光素子117C等が存在する左右方向を仮想音像定位することができる。即ち、図9に示される複数の受光素子における相対受信感度比と光信号が到達する方向との関係に対応するように各スピーカ213Lおよび213Rの音量を調節すればよい。当該対応をなるべく正確に合わせるためには、2つの受光素子212ULおよび212URの指向特性と両受光素子間の相対角度とを適切に選べばよい。以上説明した原理により、光軸217ULおよび217URに角度をつけた2個の受光素子212ULおよび212URにおける相対受信感度比を光信号受信回路224で測定することができれば、受信回路部220は予め作成した図9に示されるグラフにより発光素子117C等の左右方向の位置を得ることができ、音声出力回路225に当該位置に対応するように各スピーカ213Lおよび213Rの音量を調節させれば、光信号送信機100の発光素子117C等の方向を仮想音像定位の左右方向に対応させることができる。
以上の原理は、発光素子113C等が存在する仰角方向を検出することに対しても同様に適用することができる。この場合、2個の受光素子として例えば受光素子212ULおよび212LLを用いればよい。同様な位置関係であれば他の受光素子の組を用いてもよいことは勿論である。受光素子212ULまたは212LLを横から見た場合の指向性図として、図7に示されるグラフと同様の指向性図が得られる。但し、角度は上下方向となる。受光素子212ULおよび212LLを上から見た場合の指向性図として、図8に示されるグラフと同様の指向性図が得られる。但し、角度は上下方向となる。図8と同様に、2個の受光素子212ULおよび212LLを相対角度90°(上側−45°〜下側45°。但し、角度の正負は適宜変更してもよい。)をつけて配置すればよい。即ち、図8に示される例と同様に、上側に角度−45°をつけて受光素子212ULが配置され、その指向性(216UPに相当)は間隔の狭い点線Lと同様に示すことができ(図示しないが点線UPとする。)、下側に角度45°をつけて受光素子212LLが配置され、その指向性(216LWに相当)は間隔の広い点線Rと同様に示すことができる(図示しないが点線LWとする。)。受光素子212ULの指向性および受光素子212LLの指向性の和は、実線L+Rと同様に点線UP+LW(不図示)で示すことができる。図8と同様に、発光素子113C等が正面(0°)の位置にあるときには、受光素子212ULと212LLとにおける相対受信感度は等しくなる。しかし、正面から上下方向へ角度が増すにつれ、受光素子212ULの相対受信感度は上側が強く下側が弱くなり、一方、受光素子212LLの相対受信感度は下が強く上側は弱くなるように変化していく。上述した変化は受光素子212ULおよび212LLの相対受信感度比を用いて図9と同様に示すことができる。即ち、相対受信感度比として10log(LW/UP)を実線で示し、10log(LW/UP)を点線で示す。図9と同様に、角度が正(下側)になるほど実線で示される相対受信感度比は大きくなり、逆に角度が負(上側)になるほど点線で示される相対受信感度比は大きくなる。
上述したようにAM変調された信号を用いる場合は、上記相対受信感度比を光信号受信機1における上下に配置したスピーカ213UPおよび213LWの各音量に対応させることにより、光信号送信機100の発光素子117C等が存在する仰角方向を仮想音像定位することができる。当該対応をなるべく正確に合わせるためには、2つの受光素子212ULおよび212LLの指向特性と両受光素子間の相対角度とを適切に選べばよい。受信回路部220は予め作成した図9と同様のグラフにより発光素子117C等の左右方向を得ることができ、音声出力回路225に当該位置に対応するように各スピーカ213Lおよび213Rの音量を調節させれば、光信号送信機100の発光素子117C等の左右方向を仮想音像定位することができる。以上説明した原理により、光軸217ULおよび217LLに角度をつけた2個の受光素子212ULおよび212LLにおける受信強度比を光信号受信回路224で測定することができれば、受信回路部220は予め作成した図9と同様のグラフにより発光素子117C等が存在する仰角方向を得ることができ、音声出力回路225に当該位置に対応するように各スピーカ213UPおよび213LWの音量を調節させれば、光信号送信機100の発光素子117C等が存在する仰角方向を仮想音像定位することができる。
仮想音像定位の方向を発光素子113C等が存在する方向に一致させるための他の方法は、アナログ周波数変調(FM変調)、アナログ位相変調(PM変調)またはパルス幅変調(PWM変調)、パルス位置変調(PPM)された光信号、あるいはディジタル変調された光信号を用いる場合に、複数の受光素子における光信号の受信強度を測定し、測定された強度比に基づき複数のスピーカからの再生音量を制御するという手法である。この制御方法は2通りが可能であり、1つの方法は後述する受信強度測定回路からのアナログ出力を後述するAGC回路に接続し、上記スピーカ群の音量と発光素子が設置された二次元情報により特定される方向(左右および上下方向)との関係づけを行う方法である。もう1つの方法は後述する受信強度測定回路の出力をディジタル信号とし、上記スピーカ群の音量と発光素子が設置された二次元情報により特定される方向(左右および上下方向)との関係づけをマイコン回路226によるディジタル演算で行う方法である。後者のディジタル演算による方法では、図6で示した光信号受信回路224、マイコン回路226、ディジタル信号処理(DSP)回路227および音声出力回路225を用いる。例えば、図9で示したグラフ、即ち複数の受光素子における相対受信強度と光信号が到達する方向との関係を示す方位角方向方位角方向強度比テーブル(および仰角方向仰角方向強度比テーブル)と、複数個のスピーカ213UP等からの再生音量等と上記二次元情報により特定される光信号送信機(発光素子)の方向(仮想音像定位方向)との関係を示す仮想音像定位方向テーブルとをマイコン回路226内のメモリに記憶させておく。マイコン回路226は、光信号受信回路224で測定された複数の受光素子における相対受信強度と方位角方向方位角方向強度比テーブルおよび仰角方向仰角方向強度比テーブルとに基づき、光信号が到達する二次元空間における発光素子113C等の方向(仮想音像定位方向)を求める。次に、当該仮想音像定位方向と仮想音像定位方向テーブルとに基づき、複数個のスピーカ213UP等からの再生音量等を求める。音声出力回路225に当該再生音量等に基づき複数個のスピーカ213UP等から音声を出力させる。以上のように、ディジタル処理を行うことで二次元空間座標上への仮想音像定位方向を発光素子の方向に一致させることができる。
図10は、本発明の実施例1におけるFM変調、PM変調またはPWM、パルス位置変調(PPM)、あるいはディジタル変調された光信号を使用し、左右上下方向の二次元情報を検知してディジタル演算による手法で仮想音像定位を行うための回路例を示すブロック図である。図10では図4に示される光信号受信機1を使用する場合を例にして説明する。図10で図4および図6と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図10に示されるように、光信号受信回路224(点線で示す。)内には受光素子212UR、212UL、212LR、212LLからの各光信号を受信して電気信号へ変換する各光電変換回路212PUR、212PUL、212PLR、212PLLがある。光電変換回路212PURで変換された信号は右上チャネルの復調回路224DURと右上チャネルの受信強度測定回路224MURとに送られる。同様に、光電変換回路212PUL、212PLR、212PLLで変換された各信号は各々左上チャネル、右下チャネル、左下チャネルの各復調回路224DUL、224DLR、224MLLに送られ、さらに上記各信号は各々左上チャネル、右下チャネル、左下チャネルの各受信強度測定回路224MUL、224MLR、224MLLに送られる。受信強度測定回路224MUR、224MUL、224MLR、224MLLで測定された各受信強度はマイコン回路226へ送られる。復調回路224DURで復調された案内情報(種別は聴覚情報)は、上チャネルの自動利得制御回路(AGC回路)225AUと右チャネルのAGC回路225ARとへ送られる。復調回路224DULで復調された案内情報(種別は聴覚情報)は、上チャネルのAGC回路225AUと左チャネルのAGC回路225ALとへ送られる。復調回路224DLRで復調された案内情報(種別は聴覚情報)は、右チャネルのAGC回路225ARと下チャネルのAGC回路225ADとへ送られる。復調回路224DLLで復調された案内情報(種別は聴覚情報)は、左チャネルのAGC回路225ALと下チャネルのAGC回路225ADとへ送られる。AGC回路225AUの出力は上方向の音声を増幅する音声電力増幅回路225PUへ送られ、増幅された信号は頭頂部スピーカ213UPへと送られる。同様に、AGC回路225AL、225AR、225ADの各出力は左方向、右方向、下方向の各音声を増幅する各音声電力増幅回路225PL、225PR、225PDへ送られ、増幅された各信号は左右スピーカ213L、左右スピーカ213R、下方スピーカ213LWへと送られる。
マイコン回路226は、受信強度測定回路224MUR、224MUL、224MLR、224MLLから送られた各受信強度に基づき、各受光素子212UR、212UL、212LR、212LL間の相対受信強度を求める。続いて、上述したように当該相対受信強度と方位角方向強度比テーブルおよび仰角方向強度比テーブルとに基づき、光信号が到達した方向(発光素子113C等が設置された方向。以下、「仮想音像定位方向」と言う。)を求める。次に、当該仮想音像定位方向と仮想音像定位方向テーブルとに基づき、複数個のスピーカ213UP等からの再生音量等を求める。即ち、AGC回路225AU、225AL、225AR、225ARの各利得を決定する。スピーカ213UP等の音声出力強度を受信強度に比例させることにより、おおよその遠近を通知することもできる。
復調回路224DURと224DULとによって復調された音声信号はAGC回路225AUによって上チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PUによって頭頂部スピーカ213UPが駆動される。復調回路224DULと224DLLとによって復調された音声信号はAGC回路225ALによって左チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PLによって左右スピーカ213Lが駆動される。復調回路224DLRと224DURとによって復調された音声信号はAGC回路225ARによって右チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PRによって左右スピーカ213Rが駆動される。復調回路224DLLと224DLRとによって復調された音声信号はAGC回路225ADによって下チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PDによって下方スピーカ213LWが駆動される。以上のようにして、復調回路224DUR、224DLL、224DLRおよび224DLLよって復調された音声信号は、AGC回路225AU、225AD、225ALおよび225ARによって上下左右チャンネルの音量差が決定され、音声電力増幅回路225PU、225PD、225PLおよび225PRによって上下左右のスピーカ、即ち頭頂部スピーカ213UP、下方スピーカ213LW、左右スピーカ213Lおよび213Rが駆動される。
ここで、上述した受信回路部220の機能を纏めておく。受信回路部220は、発光素子113C等から送信された光信号を少なくとも2個の受光素子(例えば212ULおよび212UR等)で受信し所定の案内情報(種別は聴覚情報)を復調した際の当該受光素子212ULおよび212UR等間における受信強度比と、予め測定された複数の受光素子212ULおよび212UR等間における受信強度比と光信号が入射する方位角方向との関係を示す方位角方向強度比テーブルとに基づき、発光素子113C等が設置された方向に関する方位角方向の情報を得る機能を有している。当該機能と共に、眼鏡部FR1のブリッジ付近に設置された2個の受光素子(例えば212ULおよび212LL等)間において指向性の領域(例えば216UPおよび216LW等)が互いに一部重なり合うように光軸が仰角方向に角度をなす仰角方向の位置関係(所定の位置関係)に配置された上記受光素子で受信した光信号に基づき、発光素子113C等が設置された方向に関する他の方向(仰角方向)の情報(他の一次元情報)を得ることにより、発光素子113C等が設置された方向に関する二次元情報を得る機能も有している。両機能は受信回路部220内に二次元情報取得部というハードウェアとして設けておくことができる。あるいは両機能は二次元情報取得手段というソフトウェアとして実現することもできる。ソフトウェアとして実現する場合、受信回路部220のメモリ(不図示)に二次元情報取得手段の機能を有するソフトウェアを記録しておき、当該ソフトウェアをマイコン回路226により実行することにより実現することができる。以下では特に区別しない限り、二次元情報取得部および二次元情報取得手段を二次元情報取得部と言う。
二次元情報取得部は、より詳しくは、仰角方向の位置関係に配置された2個の受光素子(例えば212ULおよび212LL等)で受信した光信号の当該受光素子間における受信強度比と、予め測定された複数の受光素子(例えば212ULおよび212LL等)間における受信強度比と光信号が入射する仰角方向との関係を示す仰角方向強度比テーブルとに基づき発光素子113C等が設置された方向に関する他の方向の情報を得ることにより、発光素子113C等が設置された方向に関する二次元情報を得る。
上述したように、眼鏡部FR1のブリッジ付近に設置された2個の受光素子(例えば212ULおよび212UR等)間が有する光軸が左右(方位角)方向に角度をなす方位角方向の位置関係は、図4(B)に示されるようにxz平面に射影された各受光素子の光軸(例えば217ULと217URと)がz軸正方向を中心とした+45°(+φ)から−45°(−φ)の90°の指向角(半値全角、2φ)(所定の角度)を有する位置関係である。同様に、上述した仰角方向の位置関係は、図4(C)ではyz平面に射影されたように示されているが、各受光素子の光軸(例えば217ULと217LLと)が水平面からy軸方向へ+45°(+θ)から−45°(−θ)の90°の仰角(半値全角、2θ)(所定の角度)を有する位置関係である。詳しくは上述した図7から図9を参照されたい。図4(A)に戻って方位角方向の位置関係および仰角方向の位置関係を確認すると、xy平面においてX字型であることがわかる。眼鏡部FR1はサングラスまたは普通の眼鏡上に重ねてかけられる保護眼鏡用フレーム等の形態を有していてもよい。上述した所定の角度は30°以上で120°以下であればよく、好適には上述したように90°程度とすると、被案内者に対し違和感の少ない方向伝達が可能である。
光信号受信機1は、光信号受信機1を頭部に装着した被案内者側へ所定の案内情報(種別は聴覚情報)を伝える案内部の機能を有している。当該案内部は、眼鏡部FR1および被案内者の頭部付近に装着可能なヘッドバンド(例えば左右ヘッドバンド214A)に所定の設置形式で設置された複数個のスピーカ(眼鏡部FR1ならば左右スピーカ213Lおよび213R等、ヘッドバンドならば頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LW等)を有している。所定の設置形式としては上述した顔上下型スピーカ群形式が好適である。所定の設置形式で設置された複数個のスピーカは眼鏡部FR1またはヘッドバンド214Aのいずれか一方だけに設置されていてもよい。さらに案内部は、二次元情報取得部により得られた上記仮想音像定位方向と上記所定の設置形式で設置された複数個のスピーカ(例えば左右スピーカ213Lおよび213R等)の音量または位相差とを対応させる仮想音像定位を行うことにより、仮想音像定位された方向から被案内者側へ聴覚情報を伝える二次元仮想音像定位部の機能も有している。二次元仮想音像定位部も二次元情報取得部と同様に、受信回路部220内に二次元仮想音像定位部というハードウェアとして設けておくことができ、あるいは二次元仮想音像定位手段というソフトウェアとして実現することもできる。以下では特に区別しない限り、二次元仮想音像定位部および二次元仮想音像定位部手段を二次元仮想音像定位部と言う。
より詳しくは、二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ振幅変調(AM)方式の場合で顔上下型スピーカ群形式を用いる場合は、眼鏡部FR1のブリッジ付近に配置された上記方位角方向の位置関係を有する受光素子(例えば212ULおよび212UR等)間における受信強度比を左右スピーカ213Lおよび213Rの音量に対応させる。加えて、眼鏡部FR1のブリッジ付近に配置された上記仰角方向の位置関係を有する受光素子(例えば212ULおよび212LL等)間における受信強度比を頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LWの音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた上記仮想音像定位方向と複数個の上記スピーカ(左右スピーカ213Lおよび213R、頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LW)の音量とを対応させる仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。
二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合で顔上下型スピーカ群形式を用いる場合は、予め定められた、左右スピーカ213Lおよび213R、頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LWの音量および/または位相差と発光素子113C等が設置された二次元空間座標上における方向との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、二次元情報取得部により得られた上記仮想音像定位方向と複数個の上記スピーカの各音量および/または位相差とを対応させることにより仮想音像定位を行い、当該仮想音像定位方向から被案内者側へ前記聴覚情報を伝えることができる。
以上の説明において、発光素子113C等の指向性116C等、受光素子212UL等の指向性216L等、図7および8に示される指向性図は、おおよその形状をイメージさせるためのものであって、当該形状に厳密に限定されるものではない。以下の各実施例の説明においても同様に、光信号送信機100の発光素子113C等の指向性116C等、光信号受信機1等の受光素子212UL等の指向性216L等はおおよその形状をイメージさせるためのものであって、当該形状に厳密に限定されるものではない。以上の説明および以下の各実施例の説明において、光信号送信機100を複数個用いる場合は、各光信号送信機100等から送信される光信号の光の波長を変え、かつ強度の高い信号を選択して復調するることによって各光信号の混信を防ぐことができる。この場合には、案内システムの用途等に応じた波長を選択的に受光できる受光素子の組を光信号受信機1等に設置すればよい。複数の波長を同時に受信または任意に選択して受信する場合には、波長の数分の受光素子の組を光信号受信機に設置し、スイッチで当該組を選択可能とすればよい。あるいは以上の説明および以下の各実施例の説明において、光信号送信機100を複数個用いる場合、かつ光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を変え、かつ強度の高い信号を選択して復調することによって各光信号の混信を防ぐことができる。
以上より、本発明の実施例1によれば、光信号受信機1の眼鏡部FR1のブリッジ付近に設置された2個の受光素子(212ULと212UR等)間において、左前方方向指向性216Lと右前方方向指向性216Rとの領域が互いに一部重なり合うように光軸217ULと217URとが左右(方位角)方向に角度をなす方位角方向の位置関係を有している。さらに、2個の受光素子(212ULと212LL等)間において、斜め上方向指向性216UPと斜め下方向指向性216LWとの領域が互いに一部重なり合うように光軸217ULと217LLとが上下(仰角)方向に角度をなす仰角方向の位置関係を有している。二次元情報取得部は、方位角方向の位置関係に配置された2個の受光素子(例えば212ULおよび212UR等)で受信した光信号の当該受光素子間における受信強度比と方位角方向強度比テーブルとに基づき発光素子113C等が設置された方向に関する方位角方向の情報を得ることができ、且つ仰角方向の位置関係に配置された2個の受光素子(例えば212ULおよび212LL等)で受信した光信号の当該受光素子間における受信強度比と仰角方向強度比テーブルとに基づき発光素子113C等が設置された方向に関する仰角方向の情報を得ることにより、発光素子113C等が設置された仮想音像定位方向を得ることができる。この結果、送信機の位置を探すために受信機を左右に振りながら歩くことなく且つ複雑なシステムを用いる必要なく、送信機が設置された二次元空間上の方向を得ることができる。複雑なシステムとの送受信に要する時間および当該システムにおける計算処理に要する時間は不要であるため、被案内者が急速に頭部を動かした場合にも対応することができる案内システムを提供することができる。
さらに本発明の実施例1によれば、光信号受信機1は、光信号受信機1を頭部に装着した被案内者側へ所定の案内情報(種別は聴覚情報)を伝える案内部の機能を有している。当該案内部は、眼鏡部FR1および被案内者の頭部付近に装着可能なヘッドバンド(例えば左右ヘッドバンド214A)に所定の設置形式で設置された複数個のスピーカ(眼鏡部FR1ならば左右スピーカ213Lおよび213R等、ヘッドバンドならば頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LW等)を有している。さらに案内部は、二次元情報取得部により得られた上記仮想音像定位方向と上記所定の設置形式で設置された複数個のスピーカ(例えば左右スピーカ213Lおよび213R等)の音量または位相差とを対応させる仮想音像定位を行うことにより、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝える二次元仮想音像定位部の機能も有している。この結果、一般的な連続した空間に存在する送信機の詳細な位置情報を得ることができ、音像定位の方向が左右方向のの一次元情報に限定されない案内システムを提供することができる。
加えて本発明の実施例1によれば、二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ振幅変調(AM)方式の場合で顔上下型スピーカ群形式を用いる場合は、眼鏡部FR1のブリッジ付近に配置された上記方位角方向の位置関係を有する受光素子(例えば212ULおよび212UR等)間における受信強度比を左右スピーカ213Lおよび213Rの音量に対応させる。加えて、眼鏡部FR1のブリッジ付近に配置された上記仰角方向の位置関係を有する受光素子(例えば212ULおよび212LL等)間における受信強度比を頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LWの音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた上記仮想音像定位方向と複数個の上記スピーカ(左右スピーカ213Lおよび213R、頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LW)の音量とを対応させる仮想音像定位を行い、当該仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合で顔上下型スピーカ群形式を用いる場合は、予め定められた、左右スピーカ213Lおよび213R、頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LWの音量および/または位相差と発光素子113C等が設置された二次元空間座標上における方向との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、二次元情報取得部により得られた上記仮想音像定位方向と複数個の上記スピーカの各音量および/または位相差とを対応させることにより仮想音像定位を行い、当該仮想音像定位方向から被案内者側へ前記聴覚情報を伝えることができる。上記のような複数個のスピーカ213UP等をヘッドフォンまたはステレオイヤフォン等の替わりに用いることにより、音像の方向がわかりやすく、且つ視覚障がい者が日常の行動において必要としている周囲音の聴取を妨げることがない案内システムを提供することができる。
図11(A)、(B)、(C)は本発明の実施例2における光信号受信機2の構成を示す。図11(A)は光信号受信機2の正面図、図11(B)は同平面図、図11(C)は同左側面図である。図11(A)、(B)、(C)で、図4(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217、217UR、217LRおよび217LLも図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
実施例2における光信号受信機2が実施例1における光信号受信機1と異なる点は複数のスピーカの設置位置にあり、図11(A)、(B)、(C)に示されるように、眼鏡部FR2の左の智付近から上下(y軸上下方向)に伸びたアーム部214BLの上下の先端付近に各々スピーカ213UL、213LLが設置され、眼鏡部FR2の右の智付近から上下(y軸上下方向)に伸びたアーム部214BRの上下の先端付近に各々スピーカ213UR、213LRが設置されている。以下、スピーカ213UL、213LL,213URおよび213LRを総称して「左右上下スピーカ213UL等」と言う。図11(A)、(C)で、符号213SWUは左右上のスピーカ213ULおよび213URをオンオフするためにアーム部214BL中央付近に設置された左右上スピーカ用スイッチ、213SWLは左右下のスピーカ213LLおよび213LRをオンオフするためアーム部214BL下付近に設置された左右下スピーカ用スイッチである。スピーカ213UL、213UR、213LL、213LRは各々受信回路部220と接続されている。以上のような眼鏡部FR2の左右の智付近から上下(y軸上下方向)に伸びたアーム部214BL、214BRの先端付近に各々設置された左右上下スピーカ213UL等が設置された設置形式を耳上下型スピーカ群形式と言い、これらのスピーカを耳上下型スピーカ群と言う。
他の構成は実施例1と同様であり、二次元情報取得部、案内部における二次元仮想音像定位部の機能も実施例1と同様である。つまり、二次元仮想音像定位部は、眼鏡部FR2のブリッジ付近に設置された方位角方向の位置関係を有する受光素子212ULおよび212UR等間における受信強度比と眼鏡部FR2のブリッジ付近に設置された仰角方向の位置関係を有する受光素子(212ULおよび212LL等)間における受信強度比とを左右上下スピーカ213UL等の音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの音量とを対応させる仮想音像定位を行い、二次元情報により特定される方向(仮想音像定位方向)から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。同様に、二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合、予め定められた、左右上下スピーカ213UL等の各音量および/または位相差と発光素子113C等が設置された二次元空間座標上における方向との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの各音量および/または位相差と対応させることにより仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。
以上より、本発明の実施例2によれば、実施例1の顔上下型スピーカ群形式のスピーカの設置形式に替えて耳上下型スピーカ群形式を用いることができる。この結果、実施例1の効果に加えて、左右ヘッドバンド214Aおよびアーム部218Aが不要となるため、より装着しやすい光信号受信機2を有する案内システムを提供することができる。
図12(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例3における光信号受信機3の構成を示す。図12(A)は光信号受信機3の正面図、図12(B)は同平面図、図12(C)は同左側面図である。図12(A)、(B)、(C)で、図4(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217、217UR、217LRおよび217LLも図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
実施例3における光信号受信機3が実施例1における光信号受信機1と異なる点は、実施例1の受光素子212UL等にさらに受光素子を加えた点と、顔上下型スピーカ群にさらに複数のスピーカを設置した点とにある。図12(A)において、符号412SL、412SRの各々は眼鏡部FR3の左右の智付近に設置され受信回路部220に接続された受光素子であり、この順に左方向の光軸417SLおよび指向性416SL、右方向の光軸417SRおよび指向性416SRを有している。続けて図12(A)において、符号412TPは左右ヘッドバンド214Aの頭頂部付近に設置され受信回路部220に接続された受光素子であって、真上方向の光軸417TPおよび指向性416TPを有しており、符号412SWは受光素子412TPをオンオフするための選択スイッチである。受光素子412TPは上方からの光信号(位置通知信号等)を検出する受光素子であり、建物内の定位置または博物館等の特定の展示場所等の通知に使用できる。受光素子412TPが不要な場合は選択スイッチ412SWでオフにすることができる。図12(A)において、符号413Cは被案内者の頭部の前後に亘って装着される前後ヘッドバンド414Aにおける眼鏡部FR3のブリッジ付近に設置されたセンタースピーカ(中央スピーカ)であり、センタースピーカ413Cのオンオフ(および音量調節)は上下スピーカ用スイッチ213SW2で行う。センタースピーカ413Cは受信回路部220と接続されている。
図12(B)、(C)で図12(A)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図12(B)、(C)において、符号412BLおよび412BRは前後ヘッドバンド414Aにおける後頭部付近に、指向性の領域が互いに一部重なり合うように光軸が左右(方位角)方向に角度をなす後方位角方向の位置関係で設置され受信回路部220に接続された少なくとも2個の後方部受光素子であり、この順に左後方方向の光軸417BLおよび指向性416BL、右後方方向の光軸417BRおよび指向性416BRを有している。続けて図12(B)において、符号413Bは前後ヘッドバンド414Aにおける後頭部付近に設置された後方スピーカであり、413SW3は後方スピーカ413Bをオンオフ(および音量調節)するためのスイッチである。後方スピーカ413Bは受信回路部220と接続されている。以上のように、顔上下型スピーカ群に加え、前後ヘッドバンド414Aにおけるセンタースピーカ413Cと後方スピーカ413Bとが設置されたスピーカ群の設置形式を顔上下および頭前後型スピーカ群形式と言う。
他の構成は実施例1と同様であり、二次元情報取得部、案内部における二次元仮想音像定位部の機能も実施例1と同様である。つまり、二次元仮想音像定位部は、眼鏡部FR3のブリッジ付近に設置された方位角方向の位置関係を有する受光素子(212ULおよび212UR等)間における受信強度比と眼鏡部FR3の左右の智付近に設置された受光素子(412SLおよび412SR)間における受信強度比とを左右スピーカ213L等およびセンタースピーカ413Cの音量に対応させ、眼鏡部FR3のブリッジ付近に設置された仰角方向の位置関係を有する受光素子(212ULおよび212LL等)間における受信強度比を頭頂部スピーカ213TP、下方スピーカ213LWおよびセンタースピーカ413Cの音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの音量とを対応させる仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。同様に、二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合、予め定められた、左右スピーカ213Lおよび213R、頭頂部スピーカ213UP、下方スピーカ213LWおよびセンタースピーカ413Cの各音量および/または位相差と発光素子113C等が設置された二次元空間座標上における方向との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、あるいは、予め定められた、後方スピーカ413Bの音量と後方発光素子が設置された二次元空間座標上における位置との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの各音量および/または位相差と対応させることにより仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。
二次元情報取得部は、被案内者の後方に存在する後方発光素子(不図示)が設置された方向に関する方位角方向の情報について、後方部受光素子412BLおよび412BRで受信した光信号の当該受光素子間における受信強度比と方位角方向強度比テーブルとに基づき得る機能をさらに備えることができる。この場合、二次元仮想音像定位部は二次元情報取得部により得られた後方発光素子が設置された位置に関する方位角方向の情報を後方スピーカ413Bの音量に対応させる機能をさらに備えることができる。当該対応は例えば方位角で後方左ならば左スピーカ213Lと後方スピーカ413Bにより、後方右ならば右スピーカ213Rと後方スピーカ413Bとにより仮想音像定位を得ることができる。
頭頂部受光素子412TPの指向性の領域は、眼鏡部FR3のブリッジ付近に設置された方位角方向の位置関係を有する上部の受光素子212ULおよび212URの指向性の領域と一部重なり合わせることが可能である。この場合、二次元情報取得部は、発光素子113C等が設置された方向に関する仰角方向の情報について、頭頂部受光素子412TPと方位角方向の位置関係を有する上部の受光素子212ULおよび212URとで受信した光信号の当該受光素子間における受信強度比と、予め測定された複数の当該受光素子間における受信強度比と光信号が入射した一次元(仰角)方向との関係を示す第2仰角方向強度比テーブルとに基づき得ることにより、発光素子113C等が設置された二次元上の位置である仮想音像定位方向を得る機能をさらに備えることができる。二次元仮想音像定位部は、頭頂部受光素子412TPと方位角方向の位置関係を有する上部の受光素子212ULおよび212URとの間の受信強度比を、頭頂部スピーカ213UP、下方スピーカ213LWおよびセンタースピーカ413Cの音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの音量とを対応させる仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ前記聴覚情報を伝えることができる。
以上より、本発明の実施例3によれば、実施例1の顔上下型スピーカ群形式のスピーカの設置形式にセンタースピーカ413Cおよび後方スピーカ413Bを加えた顔上下および頭前後型スピーカ群形式の設置形式をとり、左右の受光素子412SLおよび412SRと頭頂部の受光素子412TPとを追加している。この結果、実施例1の効果に加えて、受光可能角度を左右および上方へ拡大することができるため、仮想音像定位の方向を上方に広げることができる。さらに、後方発光素子の検知も可能な光信号受信機3を有する案内システムを提供することができる。なお、図12には示されていないが、左右ヘッドバンド214Aと眼鏡部FR3との左右の交点付近、すなわち被案内者の左右の耳の付近にスピーカを追加することにより、仮想音像定位の範囲を左右に拡大することができる。本実施例3のように符号412SL、412SRに示される横方向の指向性を有する受光素子を有する場合には特に有効である。
図13(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例4における光信号受信機4の構成を示す。図13(A)は光信号受信機4の正面図、図13(B)は同平面図、図13(C)は同左側面図である。図13(A)、(B)、(C)で、図4(A)、(B)、(C)、図11(A)、(B)、(C)および図12(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217、217UR、217LRおよび217LLは図4(A)、(B)、(C)と同様であり、光軸417SL、417SRおよび417TPは図12(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
光信号受信機4における受光素子の構成は、図13(A)に示されるように実施例3と同様である。但し、受光素子412BLおよび412BRは図13(B)および(C)に示されるように、被案内者の後頭部の左右に亘って装着される後頭左右ヘッドバンド414Cにおける後頭部付近に後方位角方向の位置関係で設置されている。スピーカの設置形式は図13(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例2における耳上下型スピーカ群形式に加えて、後頭左右ヘッドバンド414Cにおける後頭部左右付近に設置された後方左右スピーカ413BLおよび413BRを有する設置形式であり、当該設置形式を耳上下及び後頭部型スピーカ群形式と言う。図13(A)、(B)、(C)に示されるように、符号414Bは左右ヘッドバンド214Aからアーム部218Aを取り除いた左右ヘッドバンド、412SWは受光素子412TPをオンオフするための選択スイッチであり、受光素子412TPが不要な場合は選択スイッチ412SWでオフにすることができる。但し、実施例3と異なり選択スイッチ412SWは左右ヘッドバンド414Bに設けられている。
他の構成は実施例1と同様であり、二次元情報取得部、案内部における二次元仮想音像定位部の機能も実施例1と同様である。つまり、二次元仮想音像定位部は、眼鏡部FR4のブリッジ付近に設置された方位角方向の位置関係を有する受光素子(212ULおよび212UR等)間における受信強度比と眼鏡部FR4の左右の智付近に設置された受光素子(412SLおよび412SR)間における受信強度比とを左右上下スピーカ213UL等の音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの音量とを対応させる仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。同様に、二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合、予め定められた、左右上下スピーカ213UL等の各音量および/または位相差と発光素子113C等が設置された二次元空間座標上における方向との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、あるいは、予め定められた、後方左右スピーカ413BLおよび413BRの各音量および/または位相差と後方発光素子が設置された二次元(xy平面)空間座標上における方向との関係を示す仮想音像定位方向テーブルを用いて、二次元情報取得部により得られた定位位置と複数個の上記スピーカの各音量および/または位相差と対応させることにより仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。
二次元情報取得部は、被案内者の後方に存在する後方発光素子(不図示)が設置された方向に関する方位角方向の情報について、後方部受光素子412BLおよび412BRで受信した光信号の当該受光素子間における受信強度比と方位角方向強度比テーブルとに基づき得る機能をさらに備えることができる。この場合、二次元仮想音像定位部は二次元情報取得部により得られた後方発光素子が設置された方向に関する方位角方向の情報を後方左右スピーカ413BLおよび413BRの音量に対応させる機能をさらに備えることができる。
実施例3と同様に、頭頂部受光素子412TPの指向性の領域は、眼鏡部FR4のブリッジ付近に設置された方位角方向の位置関係を有する上部の受光素子212ULおよび212URの指向性の領域と一部重なり合わせることが可能である。この場合、二次元情報取得部の機能は実施例3と同様であるため説明は省略する。二次元仮想音像定位部は、頭頂部受光素子412TPと方位角方向の位置関係を有する上部の受光素子212ULおよび212URとの間の受信強度比を、左右上下スピーカ213UL等の音量に対応させることにより、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの音量とを対応させる仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ前記聴覚情報を伝えることができる。
以上より、本発明の実施例4によれば、受光素子の構成は基本的に実施例3と同様であり、スピーカの設置形式は実施例2における耳上下型スピーカ群形式に加えて、後頭左右ヘッドバンド414Cにおける後頭部左右付近に設置された後方左右スピーカ413BLおよび413BRを有する耳上下及び後頭部型スピーカ群形式である。この結果、実施例1の効果に加えて、実施例3と同様に受光可能角度を左右および上方へ拡大することができるため、仮想音像定位の方向を上方に広げることができる。さらに、後方左右スピーカ413BLおよび413BRを設けたことにより、実施例3と比較して後方の仮想音像定位を改善した光信号受信機4を有する案内システムを提供することができる。なお、図13には示されていないが、左右ヘッドバンド214Aと眼鏡部FR4の左右の交点付近、すなわち被案内者の左右の耳の付近にスピーカを追加することにより、仮想音像定位の範囲を左右に拡大することができる。本実施例4のように符号412SL、412SRに示される横方向の指向性を有する受光素子を有する場合には特に有効である。
図14(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例5における光信号受信機5の構成を示す。図14(A)は光信号受信機5の正面図、図14(B)は同平面図、図14(C)は同左側面図である。図14(A)、(B)、(C)で、図4(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略する。
光信号受信機5の構成は光信号受信機1の構成とほぼ同様である。スピーカの設置形式は光信号受信機1の構成と同一の顔上下型スピーカ群形式であるが、受光素子の位置関係が異なっている。図14(A)において、符号212UP、212LW、212L、212Rの各々は眼鏡部FR5のブリッジ付近に設置された受光素子であり、この順に上方向の光軸217UP、下方向の光軸217LW、左方向の光軸217L、右方向の光軸217Rを有している。以上の受光素子212UP、212LW、212L、212R(以下、「受光素子212UP等」と言う。)は各々受信回路部220と接続されている。
図14(B)で図14(A)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図14(B)において、符号216L’は受光素子212Lの左斜め前方方向指向性、216R’は受光素子212Rの右斜め前方方向指向性を示す。図14(B)に示されるように、2個の受光素子212Lと212Rとの間において、左斜め前方方向指向性216L’と右斜め前方方向指向性216R’との領域が互いに一部重なり合うように光軸217Lと217Rとが左右(x軸)方向に角度をなす位置関係を有している。図14(A)では光軸217L等はxy平面に投影された状態を示しているが、図14(B)に示されるように光軸217L等はz軸方向へも伸びている。
図14(C)で図14(A)および(B)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図14(C)において、符号216UP’は受光素子212UPの斜め上方向指向性、216LW’は受光素子212LWの斜め下方向指向性を示す。図14(C)に示されるように、2個の受光素子212UPと212LWとの間において、斜め上方向指向性216UP’と斜め下方向指向性216LW’との領域が互いに一部重なり合うように光軸217UPと217LWとが仰角方向に角度をなす位置関係を有している。
上述したように、眼鏡部FR5のブリッジ付近に設置された2個の受光素子(212Lおよび212R)間が有する光軸が左右(方位角)方向に角度をなす方位角方向の位置関係は、図14(B)に示されるようにxz平面に射影された各受光素子の光軸(217Lおよび217R)がz軸正方向を中心とした+45°から−45°の90°(所定の角度)を有する位置関係である。同様に、上述した仰角方向の位置関係は、図14(C)に示されるようにyz平面に射影された各受光素子の光軸(217UPおよび217LW)がz軸方向を中心とした+45°から−45°の90°(所定の角度)を有する位置関係である。図14(A)に戻って方位角方向の位置関係および仰角方向の位置関係を確認すると、xy平面において+字型であることがわかる。このように、受光素子の位置関係が+字型である点が光信号受信機1との相違点である。本明細書において、受光素子の方位角方向の位置関係および仰角方向の位置関係がxy平面においてX字型の実施例は適宜+字型へと変更することができ、+字型の実施例は適宜X字型へと変更することができる。実施例1で図7乃至9を用いて説明した複数の受光素子212UL等の組合せにより発光素子113C等の方向を検出する原理についても、受光素子212ULおよび212URの関係を受光素子212Lおよび212Rの関係に置き換え、受光素子212ULおよび212LLの関係を受光素子212UPおよび212LWの関係に置き換えれば同様に適用することができる。従って、二次元情報取得部の機能も実施例1と同様であり、他の構成および機能、例えば二次元仮想音像定位部の機能も同様であるため、説明は省略する。
図15は、実施例5におけるFM変調、PM変調またはPWM変調、PPM変調あるいはディジタル変調された光信号を使用し、左右上下方向の二次元情報を検知して仮想音像定位を行うための回路例を示すブロック図である。図15では図14に示される光信号受信機5を使用する場合を例にして説明する。図15で図6および図14と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図15に示される回路例は基本的には図10に示される回路例と同様であり、異なる点は受光素子の位置関係が+字型の場合に合わせた点である。このため、図15に示されるように、光信号受信回路224’(点線で示す。光信号受信回路224とほぼ同様。)への入力は光信号受信回路224における受光素子212UR、212UL、212LR、212LLからの各光信号に替えて、受光素子212UP、212L、212R、212LWからの各光信号となる。各光電変換回路224PU、224PL、224PRおよび224PDの機能は光信号受信回路224における各光電変換回路224PUR、224PUL、224PLR、212PLLと同様であるため、説明は省略する。各光電変換回路224PU等と各復調回路224DU、224DL、224DRおよび224DDとの間の接続関係および各復調回路224DU等の機能は、光信号受信回路224における各光電変換回路224PUR等と各復調回路224DUR等との間の接続関係および各復調回路224DUR等の機能と同様であるため説明は省略する。各光電変換回路224PU等と各受信強度測定回路224MU、224ML、224MRおよび224MRDとの間の接続関係および各受信強度測定回路224MU等の機能は、光信号受信回路224における各光電変換回路224PUR等と各受信強度測定回路224MUR等との間の接続関係および各受信強度測定回路224MUR等の機能と同様であるため説明は省略する。各受信強度測定回路224MU等とマイコン回路226との間の接続関係は、光信号受信回路224における各受信強度測定回路224MUR等とマイコン回路226との間の接続関係と同様であるため、説明は省略する。マイコン回路226と各AGC回路225AU’、225AL’、225AR’および225AD’との間の接続関係は、光信号受信回路224におけるマイコン回路226と各AGC回路225AU、225AL、225ARおよび225ADとの間の接続関係と同様であるため、説明は省略する。
図15に示される回路例では、各復調回路224DU等と各AGC回路225AU’等との間の接続関係が図10に示される回路例とは異なっている。図15に示されるように、復調回路224DUで復調された案内情報(種別は聴覚情報。以下同様)は上チャネルのAGC回路225AU’へ送られる。復調回路224DLで復調された案内情報は左チャネルのAGC回路225AL’へ送られる。復調回路224DRで復調された案内情報は右チャネルのAGC回路225AR’へ送られる。復調回路224DDで復調された案内情報は下チャネルのAGC回路225AD’へ送られる。
図15に示されるように、音声出力回路225’(点線で示す。)における各AGC回路225AU’等と各音声電力増幅回路225PU等との間の接続関係は、音声出力回路225における各AGC回路225AU等と各音声電力増幅回路225PU等と同様であり、各AGC回路225AU’等の機能および各音声電力増幅回路225PU等の機能は、音声出力回路225における各AGC回路225AU等と各音声電力増幅回路225PU等と同様であるため、説明は省略する。但し、音声出力回路225の場合と異なり、各音声電力増幅回路225PU、225PL、225PR、225PDの出力は各々頭頂部スピーカ213UP、左右スピーカ213Lおよび213R、下方スピーカ213LWへと送られる。
マイコン回路226は、受信強度測定回路224MU、224ML、224MR、224MRDから送られた各受信強度に基づき、各受光素子212UP、212L、212RR、212LW間の相対受信強度を求める。続いて、上述したように当該相対受信強度と方位角方向強度比テーブルおよび仰角方向強度比テーブルとに基づき、光信号が到達する方向(発光素子113C等の方向)である仮想音像定位方向を求める。次に、当該仮想音像定位方向と仮想音像定位方向テーブルとに基づき、複数個のスピーカ213UP等からの再生音量等を求める。即ち、AGC回路225AU’、225AL’、225AR’、225AD’の各利得を決定する。
復調回路224DUによって復調された音声信号はAGC回路225AU’によって上チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PUによって頭頂部スピーカ213UPが駆動される。復調回路224DLによって復調された音声信号はAGC回路225AL’によって左チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PLによって左右スピーカ213Lが駆動される。復調回路224DRによって復調された音声信号はAGC回路225AR’によって右チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PRによって左右スピーカ213Rが駆動される。復調回路224DDによって復調された音声信号はAGC回路225AD’によって下チャネルの音量が決定され、音声電力増幅回路225PDによって下方スピーカ213LWが駆動される。以上のようにして、復調回路224DU、224DL、224DRおよび224DDによって復調された音声信号は、AGC回路225AU’、225AD’、225AL’および225AR’によって上下左右チャンネルの音量差が決定され、音声電力増幅回路225PU、225PD、225PLおよび225PRによって上下左右の各頭頂部スピーカ213UP、下方スピーカ213LW、左右スピーカ213Lおよび213Rが駆動される。
以上より、本発明の実施例5によれば、スピーカの設置形式は光信号受信機1の構成と同一の顔上下型スピーカ群形式とし、受光素子の方位角方向の位置関係および仰角方向の位置関係をxy平面において+字型とすることができる。この場合においても、実施例1で図7乃至9を用いて説明した複数の受光素子212UL等の組合せにより発光素子113L等の方向を検出する原理についても、受光素子212ULおよび212URの関係を受光素子212Lおよび212Rの関係に置き換え、受光素子212ULおよび212LLの関係を受光素子212UPおよび212LWの関係に置き換えれば同様に適用することができる。従って、二次元情報取得部の機能も実施例1と同様であり、他の構成および機能、例えば二次元仮想音像定位部の機能も同様である光信号受信機5を有する案内システムを提供することができる。
図16(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例6における光信号受信機6の構成を示す。図16(A)は光信号受信機6の正面図、図16(B)は同平面図、図16(C)は同左側面図である。図16(A)、(B)、(C)で、図14(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UP、217LW、217Lおよび217Rは図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図16(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例6の光信号受信機6の構成は、実施例5の光信号受信機5の構成に実施例3の光信号受信機3における左右の受光素子412SLおよび412SRを付加した構成となっている。このため、二次元仮想音像定位部は、眼鏡部FR6のブリッジ付近に設置された方位角方向の位置関係を有する受光素子212Lおよび212R間における受信強度比と眼鏡部FR6の左右の智付近に設置された受光素子412SLおよび412SR間における受信強度比とを左右スピーカ213Lおよび213Rの音量に対応させ、眼鏡部FR6のブリッジ付近に設置された仰角方向の位置関係を有する受光素子212UPおよび212LW間における受信強度比を頭頂部スピーカ213UPおよび下方スピーカ213LWの音量に対応させる。これにより、二次元情報取得部により得られた二次元情報と複数個の上記スピーカの音量とを対応させる仮想音像定位を行い、仮想音像定位方向から被案内者側へ聴覚情報を伝えることができる。他の構成および機能は実施例5と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例6によれば、光信号受信機6の構成として実施例5の光信号受信機5の構成に実施例3の光信号受信機3における左右の受光素子412SLおよび412SRを付加した構成とすることができる。この結果、実施例5の効果に加えて、受光可能角度を左右へ拡大することができる光信号受信機6を有する案内システムを提供することができる。なお、図16には示されていないが、左右ヘッドバンド214Aと眼鏡フレームFR6との左右の交点付近、すなわち被案内者の左右の耳の付近にスピーカを追加することにより、音像定位の範囲を左右に拡大することができる。本実施例6のように符号412SL、412SRに示される横方向の指向性を有する受光素子を有する場合には特に有効である。
図17(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例7における光信号受信機7の構成を示す。図17(A)は光信号受信機7の正面図、図17(B)は同平面図、図17(C)は同左側面図である。図17(A)、(B)、(C)で、図13(A)、(B)、(C)および図14(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UP、217LW、217Lおよび217Rは図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図17(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例7の光信号受信機7の構成は、実施例4の光信号受信機4の構成におけるX字型の位置関係の受光素子212UL、212UR、212LL、212LRを、実施例5の光信号受信機5における+字型の受光素子212UP、212LW、212Lおよび212Rに替えた構成となっている。従って、二次元情報取得部の機能は実施例5で説明した機能と同様であり、二次元仮想音像定位部の機能は実施例4で説明した機能と同様であるため、説明は省略する。他の他の構成および機能は実施例4と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例7によれば、実施例4の光信号受信機4の構成におけるX字型の位置関係の受光素子212UL、212UR、212LL、212LRを、実施例5の光信号受信機5における+字型の受光素子212UP、212LW、212Lおよび212Rに替えた構成の光信号受信機7を有する案内システムを提供することができる。
図18(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例8における光信号受信機8の構成を示す。図18(A)は光信号受信機8の正面図、図18(B)は同平面図、図18(C)は同左側面図である。図18(A)、(B)、(C)で、図14(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UP等も図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図18(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例8の光信号受信機8の構成は、実施例5の光信号受信機5の構成から頭頂部スピーカ213UP、下方スピーカ213LWおよび下方アーム部218A(含むスイッチ213SW2)を取り去った構成となっている。図18に示されるようなスピーカの設置形式(眼鏡部FR8の左右の智付近に設置された左右スピーカ213Lおよび213Rを有する設置形式)を左右スピーカ群形式と言う。本実施例8では、受信回路部220において(図6に示される)マイコン回路部226とDSP回路227とを用いて、上下方向の仮想音像定位がバーチャルサラウンド技術により処理されている。
一般に、映画館、オーディオ機器、ホームシアターシステム等では、臨場感を高めるために上方および後方にもスピーカを配置して上方および後方からも音が聞こえるようにしている。バーチャルサラウンド技術とは、映画館、オーディオ機器、ホームシアターシステム等で複数チャンネルの音声トラックによるソース、例えば5.1Ch、7.1Ch、9.1Ch等の複数チャンネルのソースを、少ないスピーカ数(ステレオ2Ch等)で仮想的に上記複数スピーカで再生した時に聞こえるような音響空間を視聴者の聴覚に実現する技術である。このバーチャルサラウンド技術においては複雑な頭部伝達関数によって音源の方向に対応して生じるスペクトルや位相の変化を再現することにより、仮想的な三次元音場を形成している。より詳しくは、サラウンドRchのスピーカ位置と両耳との頭部伝達関数をサラウンドRch信号に畳み込むサラウンドRch信号のバイノーラル化を行い、次にバイノーラル化された左右信号のクロストークをキャンセルするクロストークキャンセルを行う。一方、ある被験者に頭部伝達関数が適合するか否かを判定する評価指標の研究により、3次元空間を両耳間差情報に対応する側方角とスペクトル情報に対応する上昇角とで定義し、頭部伝達関数を複数のスペクトラル・ピークとスペクトラル・ノッチに分解した場合、第1ノッチと第2ノッチとが上昇角知覚の重要な手がかりになることがわかるようになった(飯田一博他、「方向知覚メカニズムに基づいたHRTFの物理的評価指標」、日本音響学会講演論文集、pp.505−508、2008年9月)。従って、上下方向の仮想音像定位のためには上記の複雑な頭部伝達関数を用いる代わりに、スペクトルの操作を行う手法も可能である。本発明の表記においてはこのようなスペクトル操作もバーチャルサラウンド技術に含まれるものとする。
図19は、本発明の実施例8における、ディジタル変調された光信号を使用し、左右上下方向の二次元情報を検知してバーチャルサラウンド技術を用いて仮想音像定位を行うための回路例を示すブロック図である。図19で図15と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図19に示されるように、受信強度測定回路224ML、224MR、224MUおよび224MDにより左右上下の受光素子212L等の受信強度を測定し、マイコン回路226でディジタル信号処理(DSP)回路227に送信する数値を決定する。復調回路224DL、224DR、224DUおよび224DDによって復調されたディジタル信号はマイコン回路226で音声情報とその他の通知情報とに分けた処理が行われ、必要な信号のみが音声出力回路225’’(点線で示す。)内のDSP回路227に送信される。DSP回路227は上記受光素子212L等間の相対受信強度に応じたバーチャルサラウンド処理(例えば、上述した上下方向からくる音のスペクトルの違いの処理等)を行った後、音声信号を音声電力増幅回路225PLおよび225PRに伝達し、スピーカ213Lおよび213Rを駆動する。
本実施例8では+字型の位置関係の受光素子212UP等を使用したため、図19に示される光信号受信回路224’を用いたが、X字型の位置関係の受光素子212UL等を使用する場合は、図10に示される光信号受信回路224を用いればよい。二次元情報取得部の機能および他の構成は実施例5で説明した構成および機能と同様であるため、説明は省略する。二次元仮想音像定位部は、光信号送信機100における光信号の変調がディジタル変調方式の場合、二次元情報取得部により得られた二次元情報と左右スピーカ群形式で設置された左右スピーカ213Lおよび213Rの音量および/または位相差とをバーチャルサラウンド技術により対応させる仮想音像定位を行うことにより、仮想音像定位方向から被案内者側へ音声案内情報を伝えることができる。
以上より、本発明の実施例8によれば、実施例5の光信号受信機5の構成から頭頂部スピーカ213UP、下方スピーカ213LWおよび下方アーム部218A(含むスイッチ213SW2)を取り去った構成とすることができる。上下方向の仮想音像定位はバーチャルサラウンド技術を用いて行われる。即ち、本実施例8ではマイコン回路226とDSP回路227とにおいてバーチャルサラウンド処理が行われるため、2つのスピーカ213Lおよび213Rを用いて左右上下の二次元方向の仮想音像定位を行うことができる。この結果、軽量かつコンパクトな構成の光信号受信機8を提供することができる。加えて、バーチャルサラウンド技術によりスピーカ213L等より前方に仮想音像を定位させることも可能であり、被案内者がより自然な感覚を得ることができる光信号受信機8を有する案内システムを提供することができる。なお、実施例8においてはディジタル変調方式を用いた例を示したが、バーチャルサラウンド技術の適用はディジタル方式に限定されるわけではなく、実施例1〜7同様、各種アナログ変調方式の使用も可能である。
図20は、本発明の実施例9における光信号送信機101の回路構成を示す。図20で図3と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、光軸117C等は図3と同様であるため表示は省略する。光信号送信機101が光信号送信機100と異なる点は、複数の発光素子113C等とは別の外付発光素子113C2がケーブル120を介して光信号送信回路112に接続された点である。図20に示されるように、外付発光素子113C2はケーブル120により移動可能となっている。発光素子113C等から発する光信号の波長を赤外線とし、外付発光素子113C2から発する光信号の波長を可視光としたり、あるいは逆に発光素子113C等から発する光信号の波長を可視光とし、外付発光素子113C2から発する光信号の波長を赤外線としたりする等、両者の波長を異なるものとすることも可能である。発光素子113C等の代わりに蛍光灯またはLED照明器具等を光信号送信用の光源として用い、外付発光素子113C2から発する光信号の波長を赤色光または赤外線とすることも可能である。他の構成および機能は光信号送信機100と同様であるため、説明は省略する。またあるいは以上の説明および以下の各実施例の説明において、光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を変えることによって各光信号の混信を防ぐことができる。
図21(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例9における光信号受信機9−1の構成を示す。図21(A)は光信号受信機9−1の正面図、図21(B)は同平面図、図21(C)は同左側面図である。図21(A)、(B)、(C)で、図16(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UP等も図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図21(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例9の光信号受信機9−1の構成は、実施例6の光信号受信機6の構成に受光素子212Cとスピーカ213Cとを新たに備えた点にある。図21(A)、(B)に示されるように受光素子212Cは眼鏡部FR9−1のブリッジ付近に設置されており、図21(B)、(C)に示されるようにその光軸217Cはz軸方向を向き、その指向性216Cは他の受光素子212R等の指向性216R’等と比較して狭くなっている。図21(A)、(B)に示されるようにスピーカ213Cは眼鏡部FR9−1のブリッジ付近で受光素子212Cの下側に設置されている。受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内または通知音が出力されるため、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる。このため、受光素子212Cの指向角(半値全角、2θ)としては20°以下で、例えば2°、5°、10°、20°等の値を選択すると、目的に応じた位置分解能が得られる。図21(D)は、受光素子212Cの拡大図であり、符号212CAは受光素子本体、212CBは凸レンズ、212CCは遮光筒である。凸レンズ212CBと遮光筒212CCとを可動式にした場合、指向性216Cで示される指向角を調整することや212CBと212CCを取り外して指向角を広げることも可能である。なお、上記スピーカ213Cを省略し、上記音声案内または通知音は他のスピーカ群から正面方向に音像定位させることも可能である。あるいは上記スピーカ213Cをスピーカ213Lと213Rによるバーチャルサラウンドの補助スピーカとして使用することも可能である。
+字型の位置関係にある受光素子212UP等が受光する光信号の波長を赤外線とし、受光素子212Cが受光する光信号の波長を可視光としたり、あるいは逆に受光素子212UP等が受光する光信号の波長を可視光とし、受光素子212Cが受光する光信号の波長を赤外線とする等、両者の波長を異なるものとすることも可能である。上述したように、光信号送信機101側の光信号送信用の光源として蛍光灯またはLED照明器具等を用いた場合、受光素212UP等が受光する光信号の波長を緑色光を中心とした波長帯とし、受光素子212Cが受光する光信号の波長を赤色光または赤外線を中心とした波長帯にする等の組合せも可能である。他の構成および機能は実施例6の光信号受信機6の構成および機能と同様であるため、説明は省略する。
図22(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例9における光信号受信機9−2の構成を示す。図22(A)は光信号受信機9−2の正面図、図22(B)は同平面図、図22(C)は同左側面図である。図22(A)、(B)、(C)で、図18(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図22(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例9の光信号受信機9−2の構成は、実施例8の光信号受信機8における+字型の位置関係にある受光素子212UP等を図4等に示されるX字型の位置関係にある受光素子212UL等に替えた上で、光信号受信機9−1と同様に受光素子212Cとスピーカ213Cとを新たに備えた点にある。従って、受光素子212Cとスピーカ213Cとに関する説明は上述した光信号受信機9−1と同様であるため省略する。図22(D)は図21(D)と同一の受光素子212Cの拡大図であるため、説明は省略する。X字型の位置関係にある受光素子212UL等が受光する光信号の波長と受光素子212Cが受光する光信号の波長とを異なるものとする点も上述した光信号受信機9−1と同様であるため、説明は省略する。他の構成および機能は実施例8の光信号受信機8の構成および機能と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例9によれば、光信号送信機101は光信号送信機100と異なり、複数の発光素子113C等とは別の外付発光素子113C2がケーブル120を介して光信号送信回路112に接続されている。外付発光素子113C2はケーブル120により移動可能となっている。発光素子113C等から発する光信号の波長と外付発光素子113C2から発する光信号の波長とを異なるものとすることができる。発光素子113C等の代わりに蛍光灯またはLED照明器具等を光信号送信用の光源として用い、外付発光素子113C2から発する光信号の波長を赤色光または赤外線とすることも可能である。光信号受信機9−1の構成として、実施例6の光信号受信機6の構成に受光素子212Cとスピーカ213Cとを新たに備えることができる。この結果、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力されるため、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機9−1を有する案内システムを提供することができる。光信号受信機9−2の構成として、実施例8の光信号受信機8における+字型の位置関係にある受光素子212UP等をX字型の位置関係にある受光素子212UL等に替えた上で、光信号受信機9−1と同様に受光素子212Cとスピーカ213Cとを新たに備えることができる。この結果、光信号受信機9−1と同様の機能を備えた光信号受信機9−2を有する案内システムを提供することができる。
1−xy−Bグループ:
図23は、本発明の案内システムにおける1−xy−Bグループの実施例の構成を示す。図1と同様に、図23の(点線の)左側は光信号送信機の構成/機能を示し、右側は光信号受信機の構成/機能を示す。図23の光信号送信機側の構成/機能に示されるように、文字・画像情報生成ボード等から出力された所定の案内情報が可視光乃至近赤外光により変調される(ステップS200〜S204)。変調方式がアナログ変調(アナログ振幅変調:AM変調、アナログ周波数変調:FM変調、アナログ位相変調:PM変調)、パルス変調(パルス幅変調:PWM変調、パルス位置変調:PPM変調)およびディジタル変調の場合、各変調方式により変調された光信号が発光素子から発光される(ステップS206〜S208)。
送信された光信号は、光信号受信機側の眼鏡部に設置された受光素子により受光される(ステップS210)。ここで、眼鏡部の方位角方向の位置関係がフロント側から見てX字型または+字型の場合(ステップS212)、リストバンド型ディスプレイを用いる場合が実施例10(ステップS214)であり、ウェアラブル型ディスプレイを用いる場合が実施例11(ステップS216)である。眼鏡部の方位角方向の位置関係がフロント側から見て+字型且つ他の型の受光素子を有する場合(ステップS220)、リストバンド型ディスプレイを用いる場合が実施例12(ステップS222)であり、ウェアラブル型ディスプレイを用いる場合が実施例13(ステップS224)である。
図24は、本発明の実施例10における光信号送信機600を示す。図24で図3と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図24に示される光信号送信機600が図3に示される光信号送信機100と異なる点は、文字・画像生成情報生成ボード611をボイスレコーダ回路111の替わりに備えた点にある。図24に示されるように、光信号送信回路112は文字・画像生成情報生成ボード611に記録された文字または画像による画像案内情報(所定の案内情報の種別が視覚情報)またはマイコン回路115に挿入されたメモリーカードに記録された画像案内情報を入力して、発光素子113L、113Cおよび113Rから可視光乃至近赤外光を変調した光信号を送信するための電気信号に変換し、発光素子113L、 113C、113Rから光信号として送信する。この際、光信号送信機100と同様に、光信号はアナログ強度(振幅)変調(AM)、アナログ周波数変調(FM)、アナログ位相変調(PM)、パルス幅変調(PWM)、パルス位置変調(PPM)、ディジタル変調等、いずれも使用可能である。その他の機能等も光信号送信機100と同様であるため、説明は省略する。本実施例10および以下で説明される1−xy−Bグループの各実施例では、案内システムにおける光信号送信機として同じ光信号送信機600を用いる。このため、光信号送信機600に関する説明は省略する。
図25(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例10における光信号受信機10の構成を示す。図25(A)は光信号受信機10の正面図、図25(B)は同平面図、図25(C)は同左側面図である。図25(A)、(B)、(C)で、図4(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図25(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例10の光信号受信機10の構成は、実施例1の光信号受信機1から顔上下型スピーカ群213UP等と、当該スピーカ群を設置するための左右ヘッドバンド214A、下方アーム部218Aおよびスイッチ213SW1を取り去った上で、受光素子212UL等にケーブル218Cを介して接続された新たな受信回路部720と受信回路部720を保持するためのリストバンド730とを備えた点にある。即ち、1−xy−Bグループでは画像案内情報(所定の案内情報の種別が視覚情報)を聴覚情報の替わりに用いるため、聴覚情報に関連した構成要素を取り去った上で、視覚情報表示用に受信回路部720を備えている。従って、二次元情報取得部の機能は1−xy−Aグループと同様であるため、説明は省略する。
図26は、本発明の実施例10における受信回路部720の回路構成を示す。図26で図6と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図26で符号725は文字・画像情報出力回路、722は電源スイッチである。光信号受信機10の4つの受光素子212UL等により受信された光信号は、ケーブル218Cを介して受信回路部720に導かれる。導かれた光信号は、図26に示される光信号受信回路224により電気信号に復調され、さらに文字・画像情報出力回路725とマイコン回路226とによって表示すべき文字・画像情報を生成する。図27は、受信回路部720の画像表示部721側を示す。図27で図26と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図27で、符号721は小型ディスプレイ等の画像表示部、723はケーブル218Cを接続するためのコネクタである。なお、接続ケーブル218Cの代わりに無線通信または人体通信で信号の送受を行うこともできる。この場合、ケーブル部218Cは不要になり、その代わりに眼鏡部FR10と受信回路部に無線通信回路または人体通信回路が付加される。この接続形態は以降の実施例においても共通である。生成された文字・画像情報は、図27に示されるように小型ディスプレイ721に表示されることにより被案内者へ伝えられる。この際、小型ディスプレイ721上の文字または画像の表示位置、矢印等によって被案内者に発光素子113C等が存在する方向を知らせることが可能となる。図27の表示例では、矢印により右30°方向および下15°方向に発光素子113C等が存在していることを示している。図27に示されるように、光信号の受信強度を小型ディスプレイ721上に文字またはグラフ等で表示することにより、発光素子113C等のおおよその遠近を通知することも可能である。リストバンド730は図27に示される受信回路部720の裏側に取付けられており、被案内者はリストバンド730を腕に巻き、適宜小型ディスプレイ721を見ることができるようになっている。図25(A)等に示されるような眼鏡部FR10と小型ディスプレイ721とが設置されたリストバンド730構成される画像表示装置をリストバンド型画像表示装置と言う。
以上のように、本発明の実施例10では所定の案内情報は視覚情報であり、案内部は、被案内者側に設置された小型ディスプレイ721(画像表示装置)と、二次元情報取得部により得られた二次元情報と上記視覚情報とに基づき、発光素子113C等が設置された二次元方向に関する情報を小型ディスプレイ721上に表示する画像表示部とをさらに備えることができる。
以上より、本発明の実施例10(1−xy−Bグループ)によれば、画像案内情報(所定の案内情報の種別が視覚情報)を聴覚情報の替わりに用いるため、聴覚情報に関連した構成要素を取り去った上で、視覚情報表示用に受信回路部720、小型ディスプレイ721および案内部を備えることができる。この結果、空間光通信を利用した聴覚障がい者用の案内システムを提供することができ、小型ディスプレイ721上に上下左右の二次元情報を表示することができる光信号受信機10を有する案内システムを提供することができる。
図28(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例11における光信号受信機11の構成を示す。図28(A)は光信号受信機11の正面図、図28(B)は同平面図、図28(C)は同左側面図である。図28(A)、(B)、(C)で、図25(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図28(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例11の光信号受信機11の構成は、実施例10の光信号受信機10からケーブル218Cおよびケーブル218Cに接続された受信回路部720を取り去った上で、眼鏡部FR11の左右のリムとレンズ部とに各々シースルー型ウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rを設置した点にある。受信回路部720は適宜小型化してウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rに接続されている(不図示)。ウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rの替わりに、左右のレンズ部に映像を投影するホログラフィックをシースルー型ウェアラブルディスプレイ等を用いてもよい。他の構成および機能は実施例10と同様であるため、説明は省略する。図28(A)に示されるような眼鏡部FR11の左右のレンズ部をシースルー型ウェアラブルディスプレイとした画像表示装置をウェアラブル型画像表示装置と言い、上述した眼鏡部FR11のリム部に投影型ウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rを設置した画像表示装置を投影型ウェアラブル型画像表示装置と言う。
以上より、本発明の実施例11によれば、実施例10の小型ディスプレイ721に替えて、ウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730R、または投影型ウェアラブルディスプレイを用いることができる。この結果、被案内者の頭の向きとウェアラブルディスプレイ装置730L等の画面の向きとが常に一致する光信号受信機11を有する案内システムを提供することができる。
図29(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例12における光信号受信機12の構成を示す。図29(A)は光信号受信機12の正面図、図29(B)は同平面図、図29(C)は同左側面図である。図29(A)、(B)、(C)で、図12(A)、(B)、(C)および図25(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図29(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例12の光信号受信機12の構成は、実施例11の光信号受信機11に実施例3における受光素子412TP、412SLおよび412SRを付加した構成となっている。即ち、光信号受信機12の眼鏡部FR12は、光信号受信機11の眼鏡部FR11に、左右の智付近に設置された受光素子412LおよびRと、被案内者の頭部の左右に亘って装着される左右ヘッドバンド214の頭頂部付近に設置された受光素子412TPと、被案内者の頭部の前後に亘って装着される前後ヘッドバンド414Aにおける後頭部付近に指向性の領域が互いに一部重なり合うように光軸が左右(方位角)方向に角度をなす方位角方向の位置関係で設置された少なくとも2個の受光素子412BLおよび412BRとをさらに備えている。但し、受光素子412TPの設置位置は、頭頂部スピーカ213UPが不要となったため左右ヘッドバンド214Aの頭頂部付近になっている。従って、二次元情報取得部の構成および機能は実施例3における二次元情報取得部の構成および機能と同様であるため、説明は省略する。案内部の構成および機能は実施例10における案内部および他の構成および機能と同様であるため、説明は省略する。他の構成および機能は実施例10と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例12によれば、光信号受信機12の構成は、実施例11の光信号受信機11に実施例3における受光素子412TP、412SLおよび412SRを付加した構成とすることができる。この結果、受光角度範囲が拡大し、さらに建物内の定位置および博物館等の場所や展示物の通知に使用する上方からの位置通知信号の検出が可能となる光信号受信機12を有する案内システムを提供することができる。
図30(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例13における光信号受信機13の構成を示す。図30(A)は光信号受信機13の正面図、図30(B)は同平面図、図30(C)は同左側面図である。図30(A)、(B)、(C)で、図28(A)、(B)、(C)および図29(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図30(A)、(B)、(C)に示されるように、実施例13の光信号受信機13の構成は、実施例12の光信号受信機12からケーブル218Cおよびケーブル218Cに接続された受信回路部720を取り去った上で、実施例11と同様に、眼鏡部FR13の左右のリムに各々ウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rを設置した点にある。受信回路部720は適宜小型化してウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rに接続されている(不図示)。実施例11と同様に、ウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rの替わりに、投影型ウェアラブルディスプレイとしてもよい。二次元情報取得部の構成および機能、案内部の構成および機能、他の構成および機能は実施例11および12と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例13によれば、光信号受信機13は、実施例12の光信号受信機11からケーブル218Cおよびケーブル218Cに接続された受信回路部720を取り去った上で、実施例11と同様に、眼鏡部FR13にウェアラブルディスプレイ装置730Lおよび730Rを設置することができる。この結果、被案内者の頭の向きとウェアラブルディスプレイ装置730L等の画面の向きとが常に一致する光信号受信機13を提供することができる。
ここで、1−xy−Aグループと1−xy−Bグループとの共通構成について纏めておく。即ち、二次元情報取得部における他の一次元方向は眼鏡部FRiのフロントの上下に沿う方向(仰角方向)であり、所定の位置関係は眼鏡部Friのブリッジ付近に設置された2個の受光素子間において指向性の領域が互いに一部重なり合うように光軸が仰角方向に角度をなす仰角方向の位置関係である。二次元情報取得部は、発光素子113C等が設置された方向に関する仰角方向の情報について、仰角方向の位置関係に配置された2個の受光素子212UL等で受信した光信号の当該受光素子212UL等間における受信強度比と、予め測定された複数の受光素子間における受信強度比と光信号が入射した他の一次元方向(仰角方向)との関係を示す仰角方向強度比テーブルとに基づき得ることにより、当該発光素子113C等が設置された二次元空間上の方向である仮想音像定位方向を得ることができる。X字型および+字型の方位角方向の位置関係は、xz平面に射影された各受光素子212UL等の光軸217UL等がz軸正方向を中心とした所定の角度(方位角)を有する位置関係であり、X字型および+字型の仰角方向の位置関係は、yz平面に射影された各受光素子212UL等の光軸217UL等がz軸正方向を中心とした所定の角度(仰角)を有する位置関係である。
1−xz−A、Bグループ:
図31は、本発明の案内システムにおける1−xz−A,Bグループの実施例の構成を示す。図1と同様に、図31の(点線の)左側は光信号送信機の構成/機能を示し、右側は光信号受信機の構成/機能を示す。図31の光信号送信機側の構成/機能に示されるように、所定の案内情報が可視光乃至近赤外光により変調される(ステップS300〜S302)。変調方式がアナログ変調(アナログ振幅変調:AM変調、アナログ周波数変調:FM変調、アナログ位相変調:PM変調)、パルス変調(パルス幅変調:PWM変調、パルス位置変調(PPM))およびディジタル変調の場合、各変調方式により変調された光信号が発光素子から送信される(ステップS304〜S306)。
送信された光信号は、光信号受信機側の眼鏡部に設置された受光素子により受光される(ステップS310)。ここで、眼鏡部の第1群の受光素子が方位角φ方向を判定し案内情報を復調するために用いられ、第2群の受光素子がxz平面(水平面)方向の距離d(三次元空間における距離rと区別するため、距離dとする。)を測定する(測距する)ために用いられる場合(ステップS312)、第2群の受光素子がアレイを形成する場合(ステップS314)で且つ案内情報が聴覚情報の場合が実施例14(ステップS316)であり、第2群の受光素子が角度可変に形成されている場合(ステップS320)で且つ案内情報が聴覚情報の場合が実施例15(ステップS322)である。ステップS310で、第2群の受光素子のみで距離dの測距を行うと共に案内情報の復調と方位角方向の強度差による判定とを行う場合(ステップS330)、第2群の受光素子がアレイを形成する場合(ステップS332)で且つ案内情報が聴覚情報の場合が実施例16(ステップS334)であり、第2群の受光素子が角度可変に形成されている場合(ステップS340)で且つ案内情報が聴覚情報の場合が実施例17(ステップS342)である。光信号送信機側で外付発光素子を用い光信号受信機側で狭い指向性の受光素子を用いる場合が実施例18(ステップS350)である。ステップS314で案内情報が視覚情報の場合が実施例19(ステップS318)であり、ステップS320で案内情報が視覚情報の場合が実施例20(ステップS324)であり、ステップS332で案内情報が視覚情報の場合が実施例21(ステップS336)であり、ステップS340で案内情報が視覚情報の場合が実施例22(ステップS344)である。以下で説明される1−xz−A、Bグループの各実施例では、案内システムにおける光信号送信機として案内情報が聴覚情報の場合は同じ光信号送信機100または101を用い、案内情報が視覚情報の場合は同じ光信号送信機600を用いる。このため、光信号送信機100、101、600に関する説明は省略する。
1−xz−Aグループ:
図32(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例14における光信号受信機14の構成を示す。図32(A)は光信号受信機14の正面図、図32(B)は同平面図、図32(C)は同左側面図である。図32(A)、(B)、(C)で、図14(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217L等も図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図32(A)、(B)、(C)で、符号917Lおよび917Rは受光素子アレイ、918LL1〜918LL4と918LLCと918LR1〜918LR4とは受光素子アレイ917Lを構成する各受光素子(不図示)の指向性、918RL1〜918RL4と918RRCと918RR1〜918RR4とは受光素子アレイ917Rを構成する各受光素子(不図示)の指向性である。図32(C)に示されるように、符号216Fは受光素子212Lおよび212Rの上下方向(仰角方向)指向性、918Fは受光素子アレイ917Lおよび917Rの前方向(距離方向)指向性である。受光素子212Lおよび212Rは第一の受光素子群に属する受光素子であり、受光素子アレイ917Lおよび917Rは第二の受光素子群に属する受光素子である。図32(B)では受光素子アレイ917Lおよび917Rにつき各々9個の受光素子を例示したが、この数は一例であって受光素子の数は9個に限定されるものではない。
本実施例14における光信号受信機14は、光信号を送出する光信号送信機100までの距離dを判定する機構を備えている。第二の受光素子群に属する受光素子アレイ917Lおよび917Rは距離判定に用いる受光素子アレイであり、図32(B)に示されるように、受光素子アレイ917Lでは指向性918LR4等のような横方向(x軸方向)の指向性が狭い受光素子を少しずつ光軸(不図示)の角度を変えながら、指向性918LL1〜918LL4と918LLCと918LR1〜918LR4とに示されるような放射状の指向性列を形成しており、同様に受光素子アレイ917Rでは指向性918RL1〜918RL4と918RRCと918RR1〜918RR4とに示されるような放射状の指向性列を形成している。これら第二の受光素子群において、左受光素子アレイ917Lで最も光信号受信強度が高い受光素子を判定することにより当該受光素子の光軸がなす角度を特定することができる。例えば、当該受光素子の指向性を918LR4とすると、xz平面におけるx軸に対する角度Lθと特定することができる。同様に、右受光素子アレイ917Rで最も光信号受信強度が高い受光素子を判定することにより当該受光素子の光軸がなす角度を特定することができる。例えば、当該受光素子の指向性を918RL4とすると、xz平面におけるx軸に対する角度Rθと特定することができる。この角度の組(LθおよびRθ)と眼鏡部FR14の左右の智間の距離xFR14とを用いることにより、三角測量の原理から眼鏡部FR14と光信号送信機100との間の距離dを計算することができる。当該距離の計算は受信回路部220において、マイコン回路226中のメモリ(不図示)に各受光素子アレイ917Lおよび917R中の各受光素子と当該各受光素子が有するxz平面におけるx軸に対する角度との対応表を記録しておき、同メモリ中に上記角度の組(LθおよびRθ)と当該距離dとの関係を数表として記録しておく。次にマイコン回路226が受信強度測定回路224ML等により測定された受信強度から最も光信号受信強度が高い左右の受光素子を判定し、判定された左右の受光素子と上記対応表とから角度の組(LθおよびRθ)を求め、当該角度の組(LθおよびRθ)と上記数表とから距離dを求めることができる。
測定した距離dの情報を被案内者に伝えるためには、案内に用いる音声信号について、音量操作、スペクトル操作、残響特性、位相揺らぎの少なくとも一つを用いることにより、またはバーチャルサラウンド技術を用いることにより音声情報処理を行うことが可能である。例えば、音量操作を用いる場合は距離dが遠くなるほど音量を減少させることが挙げられ、スペクトル操作を用いる場合は距離dが遠くなるほどスペクトルの高音域を減衰させることが挙げられ、残響または位相揺らぎを用いる場合は距離dが遠くなるほど残響または位相揺らぎ少なくすることが挙げられる。バーチャルサラウンド技術を用いる場合は実施例8で説明した内容を少し変形して、図19に第2の受光素子群用の受光素子アレイ917L等の受信強度測定回路を追加する。さらに、マイコン回路226で第2の受光素子群間の相対受信強度を計算して送信機までの距離dを測定し、DSP回路227に送信する数値を決定する。復調回路224DL、224DR、224DRおよび224DDによって復調されたディジタル信号はマイコン回路226で音声情報とその他の通知情報とに分けた処理が行われ、必要な信号のみが音声出力回路225’’(点線で示す。)内のDSP回路227に送信される。DSP回路227は上記第1および第2の受光素子群間の相対受信強度に応じたバーチャルサラウンド処理を行った後、音声信号を音声電力増幅回路213Lおよび213Rに伝達し、スピーカ213Lおよび213Rを駆動すればよい。以上により、擬似的な距離dの遠近感を被案内者に伝えることができる。
上述した擬似的な距離dの遠近感の情報と、第一の受光素子群に属する受光素子212Lおよび212Rを用いて得た発光素子113C等が設置された方向の左右(方位角方向)に関する1次元情報とを組み合わせることにより、当該一次元空間座標上への仮想音像定位に距離dの距離情報を加えた二次元空間情報を被案内者に伝えることが可能となる。
以上を纏めると、二次元情報取得部における他の一次元情報は距離dであり、所定の位置関係は、受光素子を有する受光素子アレイ917Lおよび917R(2台の受光素子部。第2の受光素子群)が眼鏡部FR14の左右の智付近に設置され、当該受光素子アレイ917Lおよび917Rは各々xz平面において光軸の角度が異なる複数の受光素子を有する受光素子群である。二次元情報取得部は、発光素子113C等が設置された方向に関する距離dの情報について、各受光素子アレイ917Lおよび917R群中で最も受信強度が高い各受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度(角度の組LθおよびRθ)を利用した三角測量から得ることにより、発光素子113C等が設置された方向に関する二次元情報を得ることができる。
本実施例14において所定の案内情報の種別は聴覚情報であり、案内部は眼鏡部FR14の少なくとも左右の智付近を含む位置に配置された複数個のスピーカ213Lおよび213Rと、二次元情報取得部により得られた一次元(方位角)情報に基づき、一次元空間における仮想音像定位方向を発光素子113C等が設置された方向に一致させると共に、二次元情報取得部により得られた他の一次元(距離)情報に基づき上記聴覚情報に所定の遠近操作処理を施すことにより、仮想音像定位方向から被案内者側へ上記聴覚情報を上記スピーカを用いて伝える二次元(距離)仮想音像定位部とをさらに備えることができる。聴覚情報に施される上記所定の遠近操作処理は、一次元(距離)情報に基づき距離の遠近に応じて、音量を減少または増大させる音量操作、スペクトルの高音域を減衰または増大させるスペクトル操作、残響または位相ゆらぎを減少または増大させる残響等操作のいずれか1つ以上の操作の組合せ、あるいはバーチャルサラウンド技術による擬似的遠近感の生成処理である。
以上より、本発明の実施例14によれば、光信号受信機14は第一の受光素子群に属する受光素子212Lおよび212Rと第二の受光素子群に属する受光素子アレイ917Lおよび917Rとを備えている。第二の受光素子群に属する受光素子アレイ917Lおよび917Rは距離判定に用いる受光素子アレイであり、横方向(x軸方向)の指向性918LR4等が狭い受光素子を少しずつ光軸の角度を変えて、受光素子アレイ917Lでは指向性918LL1〜918LL4と918LLCと918LR1〜918LR4とに示されるような放射状の指向性列を形成しており、同様に受光素子アレイ918Rでは指向性918RL1〜918RL4と918RRCと918RR1〜918RR4とに示されるような放射状の指向性列を形成している。これら第二の受光素子群において、左受光素子アレイ917Lで最も光信号受信強度が高い受光素子を判定することにより当該受光素子の光軸がなす角度Lθを特定することができる。同様に、右受光素子アレイ917Rで最も光信号受信強度が高い受光素子を判定することにより当該受光素子の光軸がなす角度Rθを特定することができる。この角度の組(LθおよびRθ)と眼鏡部FR14の左右の智間の距離xFR14とを用いることにより、三角測量の原理から眼鏡部FR14と光信号送信機100との間の距離dを計算することができる。測定した距離dの情報を被案内者に伝えるためには、案内に用いる音声信号について、音量操作、スペクトル操作、残響特性、位相揺らぎの少なくとも一つを用いることにより、またはバーチャルサラウンド技術を用いることにより音声情報処理を行うことが可能である。以上により、擬似的な距離dの遠近感を被案内者に伝えることができる。この結果、従来技術のように光信号の発信源の位置が高所に限定されず、受光感度レベルの調整を行うことなく、光信号の発信源までの距離を通知することができる光信号受信機14を有する案内システムを提供することができる。
図33(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例15における光信号受信機15の構成を示す。図33(A)は光信号受信機15の正面図、図33(B)は同平面図、図33(C)は同左側面図である。図33(A)、(B)、(C)で、図32(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217L等も図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図33(A)、(B)、(C)で、符号1117Lおよび1117Rは可変光軸角度受光素子アレイ、1118LVLと1118LVCと1118LVRとは可変光軸角度受光素子アレイ1117Lを構成する3個の受光素子(不図示)の指向性、1118RVLと1118RVCと1118RVRとは可変光軸角度受光素子アレイ1117Rを構成する受光素子の指向性である。図33(C)に示されるように、符号1118Fは受光素子アレイ1117Lおよび1117Rの前方向(距離d方向)指向性である。受光素子212Lおよび212Rは第一の受光素子群に属する受光素子であり、可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rは第二の受光素子群に属する受光素子である。図33(B)では可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rにつき各々3個の受光素子を例示したが、この数は一例であって受光素子の数は3個に限定されるものではない。
本実施例15における光信号受信機15は、光信号を送出する光信号送信機100までの距離dを判定する機構を備えている。第二の受光素子群に属する可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rは距離判定に用いる受光素子アレイであり、電気的に光軸角度が制御可能な機構を備えている。例えば、可動式の台座上に受光素子を設置したり、あるいは微小電気機械素子(Micro-Electro-Mechanical System:MEMS)に受光素子を組み込んだ素子を用いることにより、光軸角度を電気的に制御することができる。ここで、可変光軸角度受光素子アレイ1117L等の中央に位置する受光素子(指向性が1118LVC等)が受信する光信号の受信強度が最大となるように光軸角度の制御を行う。図33(B)に示されるように、このときの左右の光軸角度を可変光軸角度受光素子アレイ1117L側がLθで可変光軸角度受光素子アレイ1117R側がRθとすると、実施例14と同様に三角測量の原理を用いて光信号送信機100の発光素子113C等までの距離dを計算することができる。計算方法の詳細は実施例14と同様であるため、説明は省略する。可変光軸角度受光素子アレイ1117L等の他の受光素子(指向性が1118LVL、1118LVR等)は光軸角度を調整するべき方向の検知に用いる。このため、光軸角度の制御速度を向上させることができる。従って、可変光軸角度受光素子アレイ1117L等の受光素子は少なくとも指向性が1118LVC等に対応する受光素子が1個あればよい。
測定した距離dの情報を被案内者に伝えるための方法も実施例14と同様であり、案内用いる音声信号について、音量操作、スペクトル操作、残響特性、位相揺らぎの少なくとも一つを用いることにより、またはバーチャルサラウンド技術を用いることにより音声情報処理を行うことが可能である。上記各方法の詳細は実施例14と同様であるため、説明は省略する。
以上を纏めると、二次元情報取得部における他の一次元情報は距離dであり、所定の位置関係は、受光素子を有する可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117R(2台の受光素子部。第2の受光素子群)が眼鏡部FR15の左右の智付近に設置され、当該可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rは各々xz平面において光軸の角度が可変である少なくとも1個の受光素子を有する受光素子群である。二次元情報取得部は、発光素子113C等が設置された方向に関する距離dの情報について、各可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rの受光素子(複数の受光素子を有する場合は指向性が1118LVC等の中央にある受光素子。1個の受光素子の場合は当該1個の受光素子)において最も受信強度が高いときの当該受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度(角度の組LθおよびRθ)を利用した三角測量から得ることにより、発光素子113C等が設置された方向に関する二次元情報を得ることができる。
本実施例15においても所定の案内情報の種別は聴覚情報であり、案内部の構成および機能は実施例14と同様であり、二次元(距離)仮想音像定位部の機能も実施例14と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例15によれば、光信号受信機1は第一の受光素子群に属する受光素子212Lおよび212Rと第二の受光素子群に属する可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rとを備えている。第二の受光素子群に属する可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rは距離判定に用いる受光素子アレイであり、電気的に光軸角度が制御可能な機構を備えているここで、可変光軸角度受光素子アレイ1117L等の中央に位置する受光素子(指向性が1118LVC等)が受信する光信号の受信強度が最大となるように光軸角度の制御を行う。このときの左右の光軸角度を可変光軸角度受光素子アレイ1117L側がLθで可変光軸角度受光素子アレイ1117R側がRθとすると、実施例14と同様に三角測量の原理を用いて光信号送信機100の発光素子113C等までの距離dを計算することができる。測定した距離dの情報を被案内者に伝えるための方法も実施例14と同様である。この結果、可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117Rにおいて少なくとも1個の受光素子があれば発光素子113C等までの距離dを計算することができる光信号受信機15を有する案内システムを提供することができる。
上述した実施例14において、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)を音声信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。音声信号の復調のための構成および機能は上述した各実施例と同様であり、左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得るための構成および機能も上述した各実施例と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例16によれば、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)を音声信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。この結果、受光素子の数を減らした光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
上述した実施例15において、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117R)を音声信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。音声信号の復調のための構成および機能は上述した各実施例と同様であり、左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得るための構成および機能も上述した各実施例と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例17によれば、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117R)を音声信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(可変光軸角度受光素子アレイ1117Lおよび1117R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。この結果、受光素子の数を減らした光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
上述した実施例14〜17における光信号送信機は光信号送信機100を想定していた。しかし、光信号送信機として実施例9で説明した外付発光素子113C2付の光信号送信機101を用いることもできる。実施例9と同様に、発光素子113C等から発する光信号の波長と外付発光素子113C2から発する光信号の波長とを異なるものとすることができる。発光素子113C等の代わりに蛍光灯またはLED照明器具等を光信号送信用の光源として用い、外付発光素子113C2から発する光信号の波長を赤色光または赤外線とすることも可能である点も実施例9と同様である。光信号送信機101の構成および機能は実施例9で説明したものと同様であるため、説明は省略する。
以上の場合、光信号受信機14等は実施例9で説明した狭い指向性の受光素子212Cとスピーカ213Cとを新たに備えればよい。受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内または通知音が出力される。実施例9と同様に、受光素子212Cの他の受光素子212UP等が受光する光信号の波長を赤外線とし、受光素子212Cが受光する光信号の波長を可視光としたり、あるいは逆に受光素子212UP等が受光する光信号の波長を可視光とし、受光素子212Cが受光する光信号の波長を赤外線とする等、両者の波長を異なるものとすることも可能である。上述したように、光信号送信機101側の光信号送信用の光源として蛍光灯またはLED照明器具等を用いた場合、受光素212UP等が受光する光信号の波長を緑色光を中心とした波長帯とし、受光素子212Cが受光する光信号の波長を赤色光または赤外線を中心とした波長帯にする等の組合せも可能である。光信号受信機についても受光素子212Cとスピーカ213Cの構成および機能は実施例9で説明したものと同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例18によれば、光信号送信機として実施例9で説明した外付発光素子113C2付の光信号送信機101を用いることもできる。光信号受信機14等は実施例9で説明した狭い指向性の受光素子212Cとスピーカ213Cとを新たに備えればよい。この結果、実施例14〜17における光信号受信機14等に加え、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
1−xz−Bグループ:
図34(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例19における光信号受信機19の構成を示す。図34(A)は光信号受信機19の正面図、図34(B)は同平面図、図34(C)は同左側面図である。図34(A)、(B)、(C)で、図32(A)、(B)、(C)、図24(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217L等も図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
本実施例19における光信号受信機19の構成は、実施例14における光信号受信機14の構成から左右のスピーカ213Lおよび213Rとスイッチ213SW1を取り去った上で、実施例10と同様に左右の受光素子212Lおよび212Rにケーブル218Cを介して接続された新たな受信回路部720と受信回路部720を保持するためのリストバンド730とを備えた点にある。即ち、1−xz−Bグループでは画像案内情報(所定の案内情報の種別が視覚情報)を聴覚情報の替わりに用いるため、聴覚情報に関連した構成要素を取り去った上で、視覚情報表示用に受信回路部720を備えている。従って、距離dを測距する二次元情報取得部の機能は1−xz−Aグループと同様であり、実施例14で説明した機能と同様となるため、説明は省略する。
受信回路部720の回路構成および機能も実施例10で説明した構成および機能と同様であり、受信回路部720が小型ディスプレイ等の画像表示部721を有し、受信した光信号を電気信号へ復調した後、当該電気信号から文字・画像情報出力回路724とマイコン回路226とによって表示すべき文字・画像情報を生成し、当該文字・画像情報を小型ディスプレイ721に表示することにより被案内者へ伝える点も同様である。その際、小型ディスプレイ721上の文字または画像の表示位置、矢印等によって被案内者に発光素子113C等が存在する方向を知らせる点も同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上より、本発明の実施例19によれば、所定の案内情報は視覚情報であり、案内部は、被案内者側に設置された小型ディスプレイ721(画像表示装置)と、二次元情報取得部により得られた二次元(左右および上下)情報と上記視覚情報とに基づき、発光素子113C等が設置された二次元空間(左右および上下)方向に関する情報を小型ディスプレイ721上に表示する画像表示部とをさらに備えた光信号受信機19を有する案内システムを提供することができる。
図35(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例20における光信号受信機20の構成を示す。図35(A)は光信号受信機20の正面図、図35(B)は同平面図、図35(C)は同左側面図である。図35(A)、(B)、(C)で、図33(A)、(B)、(C)、図25(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217L等も図14(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
本実施例20における光信号受信機20の構成は、実施例15における光信号受信機15の構成から左右のスピーカ213Lおよび213Rとスイッチ213SW1を取り去った上で、実施例10と同様に左右の受光素子212Lおよび212Rにケーブル218Cを介して接続された新たな受信回路部720と受信回路部720を保持するためのリストバンド730とを備えた点にある。即ち、1−xz−Bグループでは画像案内情報(所定の案内情報の種別が視覚情報)を聴覚情報の替わりに用いるため、聴覚情報に関連した構成要素を取り去った上で、視覚情報表示用に受信回路部720を備えている。従って、距離dを測距する二次元情報取得部の機能は1−xz−Aグループと同様であり、実施例15で説明した機能と同様となるため、説明は省略する。
受信回路部720の回路構成および機能も実施例10で説明した構成および機能と同様であり、受信回路部720が小型ディスプレイ等の画像表示部721を有し、受信した光信号を電気信号へ復調した後、当該電気信号から文字・画像情報出力回路724とマイコン回路226とによって表示すべき文字・画像情報を生成し、当該文字・画像情報を小型ディスプレイ721に表示することにより被案内者へ伝える点も同様である。その際、小型ディスプレイ721上の文字または画像の表示位置、矢印等によって被案内者に発光素子113C等が存在する方向を知らせる点も同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上より、本発明の実施例20によれば、所定の案内情報は視覚情報であり、案内部は、被案内者側に設置された小型ディスプレイ721(画像表示装置)と、二次元情報取得部により得られた二次元(左右および上下)情報と上記視覚情報とに基づき、発光素子113C等が設置された二次元(左右および上下)方向に関する情報を小型ディスプレイ721上に表示する画像表示部とをさらに備えた光信号受信機20を有する案内システムを提供することができる。
上述した実施例19において、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)を画像信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。画像信号の復調のための構成および機能は上述した各実施例(例えば実施例10)と同様であり、左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得るための構成および機能も上述した各実施例と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例21によれば、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)を画像信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(受光素子アレイ917Lおよび917R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。この結果、受光素子の数を減らした光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
上述した実施例20において、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(受光素子アレイ1117Lおよび1117R)を画像信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(受光素子アレイ1117Lおよび1117R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。画像信号の復調のための構成および機能は上述した各実施例(例えば実施例10)と同様であり、左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得るための構成および機能も上述した各実施例と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例22によれば、第一の受光素子群に属する受光素子212Lと212Rとを除去し、第二の受光素子群(受光素子アレイ1117Lおよび1117R)を画像信号の復調のための光信号の受信用にも使用することもできる。加えて、第二の受光素子群(受光素子アレイ1117Lおよび1117R)の左右の受信強度差から発光素子113C等が設置された方向の左右に関する1次元(方位角)情報を得ることもできる。この結果、受光素子の数を減らした光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
ここで、1−xz−Aグループと1−xz−Bグループとの共通構成について纏めておく。即ち、二次元情報取得部における他の一次元情報は距離dであり、所定の位置関係は、受光素子を有する2台の受光素子アレイ917Lおよび917R等(受光素子部)が眼鏡部FRiの左右の智付近に設置され、2台の受光素子アレイ917Lおよび917R等は各々xz平面において光軸の角度が異なる複数の受光素子を有する受光素子群であるか、または2台の受光素子アレイ917Lおよび917R等は各々xz平面において光軸の角度が可変である受光素子を有するものであり、二次元情報取得部は、発光素子113C等が設置された方向に関する距離dの情報について、2台の受光素子アレイ917Lおよび917R等が各々受光素子アレイ(受光素子群)である場合は各受光素子群中で最も受信強度が高い各受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度、または2台の受光素子アレイ917Lおよび917R等が各々光軸の角度が可変である光軸角度可変受光素子1117Lおよび1117Rを有する場合は各受光素子において最も受信強度が高いときの各受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度、を利用した三角測量から得ることにより、発光素子113C等が設置された方向に関する二次元()情報を得ることができる。
ここで、1−xy−A、Bグループと1−xz−A,Bグループとの共通構成について纏めておく。即ち、可視光乃至近赤外光により変調された光信号により所定の案内情報(聴覚情報または視覚情報)を送信する光軸を中心とした指向性がある1以上の発光素子113C等を有する光信号送信機100等と、可視光乃至赤外光に感度を有する光軸を中心とした指向性がある複数の受光素子212L等が設置された眼鏡部FRiと当該眼鏡部FRiに接続された受信回路部220等と当該受信回路部220等に接続され被案内者側へ所定の案内情報を伝える案内部とを有する光信号受信機1等とを備えた案内システムであって、空間音響に関する被案内者の頭を中心とする球座標系を用いるものであり、眼鏡部FRiのブリッジ付近に設置された2個の受光素子212ULおよび212UR等間において、指向性の領域が互いに一部重なり合うように光軸が左右(方位角)方向に角度をなす方位角方向の位置関係を有しており、受信回路部220等は、発光素子113Cから送信された光信号を前記少なくとも2個の受光素子212ULおよび212UR等で受信した際の該受光素子間における受信強度比と、予め測定された複数の受光素子212ULおよび212UR等間における受信強度比と光信号が入射した一次元(方位角)方向との関係を示す方位角方向強度比テーブルとに基づき、発光素子113C等が設置された方向に関する一次元(方位角)方向の情報を得ると共に、所定の位置関係に配置された受光素子212ULおよび212LL等で受信した光信号に基づき、発光素子113C等が設置された位置に関する他の一次元情報(仰角方向の情報または距離の情報)を得ることにより、発光素子113C等が設置された方向に関する二次元情報を得る二次元情報取得部とを備えた案内システムである。
2−xyz−A、Bグループ:
図36は、本発明の案内システムにおける2−xyz−A、Bグループの実施例の構成を示す。図36に示されるように、1−xy−Aグループと1−xz−Aグループとを合わせたものが2−xyz−Aグループであって実施例23および24となり、1−xy−Bグループと1−xz−Bグループとを合わせたものが2−xyz−Bグループであって実施例25および26となる。以下で説明される1−xyz−A、Bグループの各実施例では、案内システムにおける光信号送信機として案内情報が聴覚情報の場合は同じ光信号送信機100または101を用い、案内情報が視覚情報の場合は同じ光信号送信機600を用いる。このため、光信号送信機100、101、600に関する説明は省略する。
図37(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例23における光信号受信機23の構成を示す。図37(A)は光信号受信機23の正面図、図37(B)は同平面図、図37(C)は同左側面図である。図37(A)、(B)、(C)で、図32(A)、(B)、(C)、図18(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
本実施例23における光信号受信機23の構成は、実施例8における光信号受信機8の構成(但し、受光素子はX字型)に実施例14における左右の受光素子アレイ917Lおよび917Rを備えた構成である。即ち、発光素子113Cが設置された二次元(左右および上下)の方向である二次元情報を得る二次元情報取得部の機能は実施例8(従って、実施例1)と同様であり、当該二次元情報と左右スピーカ群形式で設置された左右スピーカ213Lおよび213Rの音量および/または位相差とをバーチャルサラウンド技術により対応させる仮想音像定位を行うことにより、仮想音像定位された仮想音像定位方向から被案内者側へ音声案内情報を伝える二次元仮想音像定位部の機能も実施例8と同様であるため、説明は省略する。
z軸方向の距離を測距する機能は基本的に実施例14で説明した機能と同様である。但し、二次元情報取得部の機能は実施例8では二次元(左右および上下)上の仮想音像定位方向を得るのに対し、実施例14では二次元(左右および距離による二次元)上の仮想音像定位方向を得るように構成されているため、本実施例23では以下のように距離dを測距している。即ち、眼鏡部FR23の左右の智付近に設置された受光素子を有する2台の受光素子アレイ917Lおよび917R(受光素子部)は各々xz平面において光軸の角度が異なる複数の受光素子を有する受光素子群である。光信号受信機23は、発光素子113C等が設置された方向に関する距離dの情報について、2台の各受光素子アレイ917Lおよび917R中で最も受信強度が高い各受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度(実施例14で説明した角度LθおよびRθ)を利用した三角測量から得ることにより、発光素子113Cが設置された方向に関する一次元(距離d)情報を取得する距離情報取得部と、二次元仮想音像定位部により特定される仮想音像定位方向から被案内者側へ伝えられる聴覚情報に、距離情報取得部により得られた一次元(距離)情報に基づき所定の遠近操作処理を施す三次元仮想音像定位部とを備えている。
距離dを測距する機能として、実施例15で説明した機能を用いることもできる。この場合、眼鏡部FR23の左右の智付近に設置された受光素子を有する2台の受光素子アレイ1117Lおよび1117R(受光素子部)は各々xz平面において光軸の角度が可変である受光素子を有する受光素子群となる。光信号受信機23は、発光素子113C等が設置された方向に関する距離dの情報について、2台の各受光素子アレイ1117Lおよび1117Rにおいて最も受信強度が高いときの各受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度(実施例15で説明した角度LθおよびRθ)を利用した三角測量から得ることにより、発光素子113Cが設置された方向に関する距離dの情報を取得する距離情報取得部と、二次元仮想音像定位部により特定された仮想音像定位方向から被案内者側へ伝えられる聴覚情報に距離情報取得部により得られた一次元(距離)情報に基づき所定の遠近操作処理を施す三次元仮想音像定位部とを備えることになる。
聴覚情報に施される上記所定の遠近操作処理は、距離情報取得部により得られた一次元(距離)情報に基づき距離dの遠近に応じて、音量を減少または増大させる音量操作、スペクトルの高音域を減衰または増大させるスペクトル操作、残響または位相ゆらぎを減少または増大させる残響等操作のいずれか1つ以上の操作の組合せを行う擬似的遠近感の生成処理とすることができる。上記説明では二次元仮想音像定位部はバーチャルサラウンド技術を用いるものとした。しかし、1−xy−Aグループで説明した種々のスピーカ群形式を用いた仮想音像定位を行うこともできる。
以上より、本発明の実施例23によれば、光信号受信機23の構成は実施例8における光信号受信機8の構成(但し、受光素子はX字型)に実施例14における左右の受光素子アレイ917Lおよび917Rを備えた構成とすることができる。この結果、被案内者に対し発光素子113C等の方向に関する二次元(左右および上下)情報に距離の情報を加えた三次元情報を伝えることができる光信号受信機23を有する案内システムを提供することができる。
実施例23において、光信号受信機23に実施例9の光信号受信機9−1が有する光軸217Cがz軸方向を向き、その指向性216Cが他の受光素子212UL等の指向性と比較して狭くなっている受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることもできる(図21(A)等参照)。この場合、実施例9と同様に、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力される。
以上より、本発明の実施例24によれば、実施例23の光信号受信機23に実施例9の光信号受信機9−1が有する受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることができる。この結果、実施例23の効果に加えて、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
図38(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例25における光信号受信機25の構成を示す。図38(A)は光信号受信機25の正面図、図38(B)は同平面図、図38(C)は同左側面図である。図38(A)、(B)、(C)で、図37(A)、(B)、(C)、図28(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
本実施例25における光信号受信機25の構成は、実施例11における光信号受信機11の構成に実施例14における左右の受光素子アレイ917Lおよび917Rを備えた構成である。但し、図38(A),(B)、(C)において、符号730L’および730R’はレンズ部分に三次元画像であるホログラフィック画像を投影するホログラフィック型シースルウェアラブルディスプレイ装置である。実施例11と同様に、受信回路部720は適宜小型化してホログラフィック型シースルウェアラブルディスプレイ装置730L’および730R’に接続されている(不図示)。発光素子113Cが設置された二次元(左右および上下)の方向である二次元情報を得る二次元情報取得部の機能は実施例11(従って、実施例1)と同様であるため、説明は省略する。
距離dを測距する機能は基本的に実施例24で説明した機能と同様である。即ち、眼鏡部FR25の左右の智付近に設置された受光素子を有する2台の受光素子アレイ917Lおよび917R(受光素子部)は各々xz平面において光軸の角度が異なる複数の受光素子を有する受光素子群である。光信号受信機23は実施例24で説明した発光素子113Cが設置された方向に関する一次元(距離)情報を取得する距離情報取得部を備えている。
画像表示部は、二次元情報取得部により得られた二次元(左右および上下)情報と距離情報取得部により得られた一次元(距離)情報と視覚情報とに基づき、発光素子が設置された三次元空間に関する情報(三次元画像)をホログラフィック型シースルウェアラブルディスプレイ装置730L’および730R’に表示する。
距離dを測距する機能として、実施例24で説明したように、各々xz平面において光軸の角度が可変である2台の受光素子アレイ1117Lおよび1117R(受光素子部)を用いることもできる。光信号受信機25は、実施例24と同様に発光素子113C等が設置された方向に関する距離の情報について、2台の各受光素子アレイ1117Lおよび1117Rにおいて最も受信強度が高いときの各受光素子がxz平面においてx軸に対してなす各角度(実施例24で説明した角度LθおよびRθ)を利用した三角測量から得ることにより、発光素子113Cが設置された方向に関する一次元(距離)情報を取得する距離情報取得部を備えることになる。
以上より、本発明の実施例25によれば、光信号受信機25は実施例11における光信号受信機11の構成に実施例14における左右の受光素子アレイ917Lおよび917Rを備えた構成とすることができる。この結果、発光素子が設置された三次元空間に関する情報(三次元画像)をホログラフィック型シースルウェアラブルディスプレイ装置730L’および730R’に表示することができ、バーチャルリアリティ効果が得られる光信号受信機25を有する案内システムを提供することができる。
実施例25において、光信号受信機25に実施例9の光信号受信機9−1が有する光軸217Cがz軸方向を向き、その指向性216Cが他の受光素子212UL等の指向性と比較して狭くなっている受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることもできる(図21(A)等参照)。この場合、実施例9と同様に、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力される。
以上より、本発明の実施例26によれば、実施例25の光信号受信機25に実施例9の光信号受信機9−1が有する受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることができる。この結果、実施例25の効果に加えて、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
上述した各実施例において所定の案内情報が聴覚情報(音声案内情報)の場合、光信号送信機100等は音声案内情報に加え、以下のような識別(ID)情報を送信することができる。例えば、光信号送信機100等が設置された場所に関する情報、光信号送信機100等の構成または各発光素子113C等のチャンネル識別(左L、中央C、右R、設置角度等)に関する情報、発光素子113C等の出力または指向性に関する情報、受信器内メモリーカードに対する情報参照信号が挙げられる。つまり、所定の案内情報は光信号送信機100等の設置場所に関する情報および構成に関する情報を含むことができる。また、ID情報を受信した光信号受信器が受信機内メモリーカードに蓄積した音声案内情報を出力することもできる。ディジタル変調により送信を行う場合、上記ID情報(ID信号)と従前の聴覚情報(データ信号)とは時分割多重(TDMA)により多重化を行えばよい。
以上より、本発明の実施例27によれば、上述した各実施例において所定の案内情報が聴覚情報(音声案内情報)の場合、光信号送信機100等は音声案内情報に加え、光信号送信機100等の設置場所に関する情報および構成に関する情報及び光信号受信機内メモリーカードに対する情報参照信号を含むことができる。この結果、光信号送信機100等の構成および各発光素子113C等のチャンネル識別に関する情報を光信号受信機1等側で得ることができる案内システムを提供することができる。さらに、光信号送信機100等に複数の発光素子113C等が使われている場合、光信号受信機1等側では送信中の発光素子113C等の特定が可能になるため、被案内者と発光素子113C等との間の距離に加え、両者の相対位置の判定に使用可能な情報が増えるため、光信号送信機の位置に関する精度の高い判定が可能である。例えば、指向性の狭い発光素子113C2の使用が光信号受信機1等側で判定できると、被案内者は光信号送信機100等の正面付近に所在していることが確認できる。光出力の小さい発光素子の使用が光信号受信機1等で判定できると、被案内者は光信号送信機100等の近くに所在していることが確認できる。多数の方向を向く多数の発光素子113C等の使用が光信号受信機1等側で判定できると、現在受信している光信号がどの向きを向いている発光素子113C等からの光信号であるかを知ることにより、被案内者は光信号送信機100等が設置された場所に対して、どの方向に所在しているかを確認することができる。
4−A、Bグループ:
以下で説明される4−A、Bグループの各実施例では、案内システムにおける光信号送信機として案内情報が聴覚情報の場合は同じ光信号送信機100または101を用い、案内情報が視覚情報の場合は同じ光信号送信機600を用いる。このため、光信号送信機100、101、600に関する説明は省略する。
図39(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例28における光信号受信機28の構成を示す。図39(A)は光信号受信機28の正面図、図39(B)は同平面図、図39(C)は同左側面図である。図39(A)、(B)、(C)で、図18(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図39(A)、(B)、(C)で、符号1542は被案内者の頭部の動きを検出する位置変位・方向センサであり、受信回路部220と接続されている。本実施例28における光信号受信機28の構成は、実施例8における光信号受信機8の構成(但し、受光素子はX字型)に、図39(A)、(B)、(C)に示されるように眼鏡部FR28の右側のりレム上に位置変位・方向センサ1542を設置した構成である。位置変位・方向センサ1542としては、例えばxyz軸の3方向の加速度を検出できる3軸加速度センサ、3軸加速度センサおよび3軸角速度センサ(ジャイロ)、3軸センサと地磁気センサとによる9軸センサ等を使用することができる。被案内者が急に頭を動かした場合、位置変位・方向センサ1542および受信回路部220内の検出回路(不図示)により当該頭の動きを検出し、マイコン回路226で音声案内情報に適宜補正を加えることによって、被案内者に対する正確な位置案内をすることができる。つまり、位置変位・方向センサ1542および受信回路部220内の検出回路(不図示)による検出情報を発光素子113C等の位置検出における補正情報とすることにより、仮想音像定位方向を頭の動きに追従させることができる。他の構成および機能は実施例8で説明した構成および機能と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例28によれば、光信号受信機28の構成は実施例8における光信号受信機8の構成に、位置変位・方向センサ1542を設置した構成とすることができる。この結果、被案内者が急に頭を動かした場合であっても、当該動きに追従し被案内者に対する正確な位置案内をすることができる光信号受信機28を有する案内システムを提供することができる。この機能は特にID情報を受信した光信号受信器が受信機内メモリーカードに蓄積した音声案内情報を出力する場合に有効である。本実施例28は実施例8の光信号受信機8だけでなく、上述した他の実施例(1−xy−A、1−xz−A、2−xyz−Aの各グループにおける実施例)に対しても同様に適用することができる。
図40(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例29における光信号受信機29の構成を示す。図40(A)は光信号受信機29の正面図、図40(B)は同平面図、図40(C)は同左側面図である。図40(A)、(B)、(C)で、図39(A)、(B)、(C)、図25(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図40(A)、(B)、(C)で、位置変位・方向センサ1542は受信回路部720と接続されている。本実施例29における光信号受信機29の構成は、実施例10における光信号受信機10の構成に、図40(A)、(B)、(C)に示されるように眼鏡部FR28の右側のリム上に位置変位・方向センサ1542を設置した構成である。位置変位・方向センサ1542の設置位置は眼鏡部FR28の左のリム等であってもよい。位置変位・方向センサ1542については実施例28と同様であるため、説明は省略する。被案内者が急に頭を動かした場合、位置変位・方向センサ1542および受信回路部720内の検出回路(不図示)により当該頭の動きを検出し、マイコン回路226で画像案内情報に適宜補正を加えることによって、被案内者に対する正確な位置案内をすることができる。つまり、位置変位・方向センサ1542および受信回路部720内の検出回路(不図示)による検出情報を発光素子113C等の位置検出における補正情報とすることにより、リストバンド型ディスプレイ721に表示される画像案内情報を頭の動きに追従させることができる。他の構成および機能は実施例10で説明した構成および機能と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例29によれば、光信号受信機29の構成は実施例10における光信号受信機10の構成に、位置変位・方向センサ1542を設置した構成とすることができる。この結果、被案内者が急に頭を動かした場合であっても、当該動きに追従し被案内者に対する正確な位置案内をすることができる光信号受信機29を有する案内システムを提供することができる。本実施例29は実施例10の光信号受信機10だけでなく、上述した他の実施例(1−xy−B、1−xz−B、2−xyz−Bの各グループにおける実施例)に対しても同様に適用することができる。
実施例28において、光信号受信機28に実施例9の光信号受信機9−1が有する光軸217Cがz軸方向を向き、その指向性216Cが他の受光素子212UL等の指向性と比較して狭くなっている受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることもできる(図21(A)等参照)。この場合、実施例9と同様に、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力される。
以上より、本発明の実施例30によれば、実施例28の光信号受信機28に実施例9の光信号受信機9−1が有する受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることができる。この結果、実施例28の効果に加えて、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
5−A、Bグループ:
以下で説明される5−A、Bグループの各実施例では、案内システムにおける光信号送信機として案内情報が聴覚情報の場合は同じ光信号送信機100または101を用い、案内情報が視覚情報の場合は同じ光信号送信機600を用いる。このため、光信号送信機100、101、600に関する説明は省略する。
図41(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例31における光信号受信機31の構成を示す。図41(A)は光信号受信機31の正面図、図41(B)は同平面図、図41(C)は同左側面図である。図41(A)、(B)、(C)で、図18(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
図41(A)、(C)で、符号1650は好適にはタッチペン型の補助ハンディ送受信機(補助装置)、1651は補助ハンディ送受信機1650の補助受光部、1652は補助ハンディ送受信機1650において光信号を受信する際にオンにするスイッチ、1653は補助ハンディ送受信機1650において操作信号(後述)を送信する際にオンにする切替スイッチ(切替部)である。図41(A)、(C)に示されるように、光信号受信機31はケーブル1650Cを介して受信回路部220と接続されている。補助受光部1651は光信号送信機100等に近接可能であり、補助ハンディ送受信機1650は補助受光部1651により光信号送信機100等と通信可能となっている。本実施例31における光信号受信機31の構成は、実施例8における光信号受信機10の構成(但し、受光素子はX字型)に補助ハンディ送受信機1650をさらに追加した構成となっている。
光信号送信機100等が室内設備または家電機器等に設置されている場合、光信号送信機100等は当該室内設備または家電機器等を操作する操作スイッチと、操作スイッチまたは当該操作スイッチの周囲に設置された操作スイッチ側光信号送信部および操作スイッチ側光信号受信部とをさらに備えることができる。この場合、補助ハンディ送受信機1650は、上記操作スイッチを操作する操作信号を上記操作スイッチ側光信号受信部側へ送信する操作信号送信部をさらに備えることができる。操作信号送信部は補助受光部1651と同じ位置に設けることが好適である。切替スイッチ1653は、補助受光部1651と操作信号送信部とを相互に切替えて動作するために用いる。
例えば、室内設備または家電機器等の操作スイッチの位置を、当該位置付近に設けられた発光ダイオード(操作スイッチ側光信号送信部)から光信号を送信して光信号受信機31に通知する場合、補助ハンディ送受信機1650を室内設備または家電機器等の自照式操作スイッチあるいは隣接するパイロットランプとして設置された発光ダイオードに近接させることが可能となる。この結果、被案内者は上記スイッチの詳細な位置情報を得ることができると共に、同スイッチの操作を確実に行うことが可能となる。
以上のように、光信号送信機100等側に補助ハンディ送受信機1650のからの操作信号を受信する機能を設けておくことにより、被案内者は補助ハンディ送受信機1650の切替スイッチ1653を使用して操作信号送信部をオンにすれば、室内設備または家電機器等の操作をすることが可能となる。この結果、被案内者は室内設備または家電機器等のスイッチの配列や仕組(機構)を理解しなくても操作することが可能となる。操作スイッチ側光信号送信部および操作信号送信部は可視光または近赤外光を各別に用いることもできる。例えば、操作スイッチ側光信号送信部から送信される光信号には可視光を用い、補助ハンディ送受信機1650の操作信号送信部から送信される光信号には近赤外光を用いることにより、双方の信号が混信することを防ぐことができる。またあるいは光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を変えることによって各光信号の混信を防ぐことができる。他の構成および機能は実施例8で説明した構成および機能と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例31によれば、光信号受信機31の構成として実施例8における光信号受信機10の構成(但し、受光素子はX字型)に補助ハンディ送受信機1650をさらに追加した構成とすることができる。光信号送信機100等側に補助ハンディ送受信機1650のからの操作信号を受信する機能を設けておくことにより、被案内者は補助ハンディ送受信機1650の切替スイッチ1653を使用して操作信号送信部をオンにすれば、室内設備または家電機器等の操作をすることが可能となる。この結果、被案内者は室内設備または家電機器等のスイッチの配列や仕組(機構)を理解しなくても操作することが可能となる補助ハンディ送受信機1650を有する案内システムを提供することができる。
図42(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の実施例32における光信号受信機32の構成を示す。図42(A)は光信号受信機32の正面図、図42(B)は同平面図、図42(C)は同左側面図であり、図42(D)は補助ハンディ送受信機1750を示す。図42(A)、(B)、(C)で、図41(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。
光信号受信機32が光信号受信機31と異なる点は、補助ハンディ送受信機1750の形状がタッチペン型から指輪型へ変わった点にある。指輪型にしたことによる携帯性の向上に加え、補助ハンディ送受信機1750と受信回路部220との間の通信には無線通信または人体通信を用い、信号線を用いない構成としているため、被案内者にとって補助ハンディ送受信機1750の方が使い勝手がより向上している。他の構成および機能は実施例31と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例32によれば、補助ハンディ送受信機1750を指輪型とすることができる。補助ハンディ送受信機1750と受信回路部220との間の通信には無線通信または人体通信を用い、信号線を用いない構成とする。この結果、被案内者にとって補助ハンディ送受信機1750の使い勝手がより向上した補助ハンディ送受信機1750を有する案内システムを提供することができる。
実施例31において、光信号受信機31に実施例9の光信号受信機9−1が有する光軸217Cがz軸方向を向き、その指向性216Cが他の受光素子212UL等の指向性と比較して狭くなっている受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることもできる(図21(A)等参照)。この場合、切替スイッチ1653は、補助受光部1651、操作信号送信部および受光素子212C間の切替に用いることができる。以上により、実施例9と同様に、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力される。他の構成および機能は実施例31と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例33によれば、実施例31の光信号受信機31に実施例9の光信号受信機9−1が有する受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることができる。この結果、実施例31の効果に加えて、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
実施例32において、光信号受信機32に実施例9の光信号受信機9−1が有する光軸217Cがz軸方向を向き、その指向性216Cが他の受光素子212UL等の指向性と比較して狭くなっている受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることもできる(図21(A)等参照)。この場合、切替スイッチ1653は、補助受光部1651、操作信号送信部および受光素子212C間の切替に用いることができる。以上により、実施例9と同様に、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力される。他の構成および機能は実施例32と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例34によれば、実施例32の光信号受信機32に実施例9の光信号受信機9−1が有する受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることができる。この結果、実施例32の効果に加えて、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
6−A、Bグループ:
図43は、本発明の実施例35における光信号送信機1800の回路構成を示す。図43で、図3および図24と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図43で、符号1821L、1821Cおよび1821Rは光信号受信回路1820に接続された受光素子、1822L、1822Cおよび1822Rはこの順に受光素子1821L、1821Cおよび1821R(以下、「受光素子1821L等」と言う。)の指向性、1823は発光素子113C等から送信した光信号を受光素子1821L等が受光しないように設けた隔壁である。図43に示されるように、光信号送信機1800は光信号送信機100の構成に光信号送信機600の文字・画像情報生成ボード611と受光素子1821L等と光信号受信回路1820とを追加した構成になっており、文字・画像情報生成ボード611と光信号受信回路1820とはバスBTに接続されている。受光素子1821L等と光信号受信回路1820とを合わせて光信号受信部と言う。以上のように、光信号送信機1800は光信号送信機100等に光信号受信部をさらに備えた構成になっている。以下では、光信号受信部を備えた光信号送信機1800を光信号送受信機1800とも言う。実施例35では所定の案内情報として聴覚情報を用いるものとする。従って、光信号送信回路112はボイスレコーダ回路111に録音された案内音声またはメモリーカードに記録された案内音声情報を入力して、発光素子113C等から可視光乃至近赤外光を変調した光信号を送信するための電気信号に変換し、発光素子113C等から光信号として送信する。
図44(A)、(B)、(C)は、本発明の実施例35における光信号受信機35の構成を示す。図44(A)は光信号受信機35の正面図、図43(B)は同平面図、図43(C)は同左側面図である。図44(A)、(B)、(C)で、図18(A)、(B)、(C)と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため説明は省略し、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸217UL等も図4(A)、(B)、(C)と同様であるため表示は省略する。上述したように、実施例35では所定の案内情報として聴覚情報を用いるものとする。従って、4つの受光素子212UL等によって受信された光信号は、光信号受信回路224によって音声帯域の電気信号に復調され、復調された電気信号は音声出力回路225を通してスピーカ213L等から音声信号として被案内者へ伝えられる。
図44(A)、(B)、(C)に示されるように、光信号受信機35は実施例8の光信号受信機8に発光素子1961および発光素子1961のハウジング1962を追加した構成(但し、受光素子はX字型)となっており、発光素子1961は眼鏡部FR35の左のリム上に設置され送受信回路部1920に接続されている。発光素子1961の設置位置は眼鏡部FR35の右のリム等であってもよい。
図45は、本発明の実施例35における送受信回路部1920の外観を示す。図45で図5と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図46は、本発明の実施例35における送受信回路部1920の回路構成を示す図である。図45で図6と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図46に示されるように、送受信回路部1920は実施例1の受信回路部220に光信号送信回路1929を追加した構成となっており、光信号送信回路1929はバスBRに接続されている。光信号送信回路1929と発光素子1961とを合わせて光信号送信部と言う。以上のように、光信号受信機35は光信号受信機100等に光信号送信部をさらに備えた構成になっている。以下では、光信号送信部を備えた光信号受信機35を光信号送受信機35とも言う。
光信号送受信機35から光信号送受信機1800に向けて送信する光信号は、主として被案内者側のID(被案内者自身のIDまたは被案内者側の光信号送受信機35のID)信号である。他の光信号の例としては、案内用の言語の選択情報を示す光信号、健常者用、視覚障がい者用、聴覚障がい者用等に対応した案内内容の選択情報を示す光信号、大人用または子供用の案内内容の選択情報を示す光信号、被案内者の所在位置に関する情報を示す光信号等が挙げられる。ここで、被案内者の所在位置に関する情報は、光信号送受信機1800に設置された複数の受光素子1821L等により、光信号送受信機35と同様の原理を用いて光信号が到達した方向を検知することにより得ることができる。以上のようにID信号として種々の情報を光信号送受信機35から送信することにより、光信号送受信機1800は被案内者のタイプに合った案内信号または被案内者の所在位置を反映した案内信号を送信することが可能になる。さらに被案内者側のID信号を受信することにより光信号送受信機1800は被案内者の接近を感知することができる。他の構成および機能は実施例8と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例35によれば、光信号送受信機1800は光信号送信機100等に光信号受信部をさらに備えた構成とし、光信号送受信機35は光信号受信機100等に光信号送信部をさらに備えた構成とすることができる。光信号送受信機35から光信号送受信機1800に向けて被案内者側のIDおよび種々の情報を送信することができる。この結果、光信号送受信機1800は被案内者のタイプに合った案内信号または被案内者の所在位置を反映した案内信号を送信することが可能になる案内システムあるいは被案内者の接近を感知して光信号送信をon-offすることができる案内システムを提供することができる。
本発明の実施例36は、上述した実施例35において所定の案内情報を視覚情報とする。従って、図43に示される光信号送信回路112は文字・画像情報生成ボード111により生成された画像案内情報またはメモリーカードに記録された画像案内情報を入力して、発光素子113C等から可視光乃至近赤外光を変調した光信号を送信するための電気信号に変換し、発光素子113C等から光信号として送信する。光信号送受信機35は、左右のスピーカ213Lおよび213Rを取り去り、例えば図27に示されるような小型ディスプレイ721を有する送受信回路部1920を備えた構成となる。光信号送受信機35の4つの受光素子212UL等により受信された光信号は光信号受信回路224により電気信号に復調され、さらにマイコン回路226等によって小型ディスプレイ721に表示すべき文字・画像情報が生成される。他の構成および機能は実施例35と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例36によれば、実施例35において所定の案内情報を視覚情報とすることができる。この結果、光信号送受信機1800は被案内者のタイプに合った文字・画像情報信号または被案内者の所在位置を反映した文字・画像情報信号を送信することが可能になる案内システムあるいは被案内者の接近を感知して光信号送信をon-offすることができる案内システムを提供することができる。
実施例35において、光信号送受信機1800に実施例9の光信号送信機101が有する外付発光素子113C2をさらに追加した構成とすることができる。この場合、光信号送受信機35に光軸217Cがz軸方向を向き、その指向性216Cが他の受光素子212UL等の指向性と比較して狭くなっている受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることもできる(図21(A)等参照)。この場合、切替スイッチ1653は、補助受光部1651、操作信号送信部および受光素子212C間の切替に用いることができる。以上により、実施例9と同様に、受光素子212Cの狭い指向性範囲216C内に光信号を受光した場合のみ、スピーカ213Cから音声案内が出力される。他の構成および機能は実施例35と同様であるため、説明は省略する。
以上より、本発明の実施例37によれば、実施例35の光信号送受信機1800に実施例9の光信号送信機101が有する外付発光素子113C2をさらに追加した構成とすることができる。さらに、光信号受信機31に実施例9の光信号受信機9−1が有する受光素子212Cとスピーカ213Cとを設けることができる。この結果、実施例35の効果に加えて、よりピンポイントに位置情報を被案内者に伝達することができる光信号受信機を有する案内システムを提供することができる。
7−A、Bグループ:
図47は、本発明の実施例38における光信号送信機2000の斜視図である。図47で、x軸、y軸、z軸との関係、左右上下の方向およびL、R、U、Lの符号の付け方は図3および図4(A)、(B)、(C)と同様であるため説明は省略し、光軸および指向性等も図3等と同様であるため表示は省略する。
図47において、符号2013は発光素子、2021UL、2021LL、2021UR、2021LRは受光素子(以下、「受光素子2021UL等」と言う。)、2050は横方向回転角(xz平面回転角)または縦方向あおり角(yz平面あおり角)の少なくとも一方または両方を自在に可変可能な機構(可動部)である。図47で可動部2050を動作させるための電動装置、電動装置用制御回路は省略されている。図47に示されるように、光信号送信機2000は、光信号送信機2000が載置され、発光素子2013および上記光信号受信部が設置された設置面(光信号を送受信する正面)の向きをxz平面および/またはyz平面において可動可能な可動部2050と、光信号送受信機35等の光信号送信部から送信され上記光信号受信部により受信された光信号に基づき、可動部2050により設置面の向きを上記光信号送信部が存在する方向へ向ける制御を行う制御部(不図示)とを備えている。図47に示されるように光信号送信機2000は受光素子2021UL等を有しているため、光信号受信部を備えている。そこで、以下では光信号送受信機1800と同様に、光信号受信部を備えた光信号送信機2000を光信号送受信機2000とも言う。光信号送受信機2000は可動部2050および制御部の機能により、光信号送受信機35等の存在する方向を設置面が自動的に追尾することができる。このため、光信号をより高い強度で受信可能すること、あるいは晴眼者(または聴覚障がい者)に対しては光信号送受信機2000が応答していることを明瞭に知らせることが可能である。図47では発光素子2013を1個、受光素子2021UL等を4個示しているが、これらの個数に限定されるものではない。
以上より、本発明の実施例38によれば、光信号送受信機2000は設置面の向きをxz平面および/またはyz平面において可動可能な可動部2050と、光信号送受信機35等の光信号送信部から送信され上記光信号受信部により受信された光信号に基づき、可動部2050により設置面の向きを上記光信号送信部が存在する方向へ向ける制御を行う制御部とを備えている。この結果、光信号送受信機35等の存在する方向を設置面が自動的に追尾することができる案内システムを提供することができる。
S−1〜6−A、Bグループ:
以下では、上述した案内システムの種々の応用例について説明する。図48は、本発明の案内システムの応用例におけるS−1〜6−A、Bグループの実施例の構成を示す。図48に示されるように、光信号送信機(または光信号送受信機)が固定され所定の案内情報が方向情報、接近情報の場合(ステップS400)且つ別の光信号送信機が存在し当該所定の案内情報に加え位置情報を出す場合(ステップS410)且つ別の光信号送信機が存在し当該所定の案内情報に加え場所情報を出す場合(ステップS420)、これらの情報が聴覚情報の場合(ステップS430)は交通信号機の例が実施例39、40であり(ステップS431)、廊下の例が実施例42、43であり(ステップS432)、階段の例が実施例44であり(ステップS433)、駅ホームの例が実施例45であり(ステップS434)、公衆トイレの例が実施例46であり(ステップS435)、書込器を用いる例が実施例47である(ステップS436)。ステップS420で視覚情報の場合(ステップS440)が実施例48である(ステップS441)。
図48に示されるように、ステップS400で視覚障がい者用ブロックを用いる場合が実施例41である(ステップS450)。ステップS400で当該所定の案内情報に加え設備情報を出す場合(ステップS460)、家電、エレバータ、自動販売機(自販機)の例が実施例49乃至52であり(ステップS465)、ステップS400で光信号送信機のIDを送信する場合で(ステップS470)、可動部の例が実施例54であり(ステップS480)、さらにアミューズメント施設の例が実施例55である(ステップS490)。
図48に示されるように、光信号送信機(または光信号送受信機)が移動可能であり所定の案内情報が接近警戒情報の例が実施例56である(ステップS495)。
以下の各実施例において、光信号送信機としては上述した光信号送信機100および101、光信号送信機600、光信号送受信機1800と同じ構成および機能を有するものを使用し、光信号受信機としては光信号受信機1乃至32、光信号送受信機35と同じ構成および機能を有するものを使用する。このため、光信号送信機、光信号受信機、各光信号送受信機についての説明は省略する。光信号送信機100または101、光信号送信機600、光信号送受信機1800のいずれを用いてもよい場合、後ろに符号○○○○を付して「光信号送信機○○○○等」と言う。光信号受信機1乃至32、光信号送受信機35のいずれを用いてもよい場合、後ろに符号△△△△を付して「光信号受信機△△△△等」と言う。光信号送信機○○○○等、光信号受信機△△△△等における指向性の示し方は上述した案内システムと同様である。光軸の考え方は上述した案内システムと同様であるが、図面の都合上、表示は省略する。
S−1−A、Bグループ:
図49は、本発明の実施例39における案内システムの応用例を示す。図49で、符号2100Mは光信号受信機2100等を頭部に装着した被案内者、2101UPは光信号受信機2100等の斜め上方向受光素子の指向性、2101LW
は光信号受信機2100等の斜め下方向受光素子の指向性、2101TPは光信号受信機2100等の真上方向受光素子の指向性、2110は被案内者2100Mが渡っている横断歩道、2120は歩行者用交通信号機、2131FWは第一の光信号送信機2130等から送信される進行方向を示す光信号の指向性、2131DNは第一の光信号送信機2130等から送信される被案内者の所在位置を示す光信号の指向性、2140
は第2の光信号送信機2150の視覚障がい者(盲人または交通弱者)用押しボタン箱、2151は第二の光信号送信機2150等から送信される光信号の指向性(手前側に円錐状に広がっている様子を示している)である。
図49に示されるように、第二の光信号送信機2150等は視覚障がい者用押ボタン箱2140の存在を知らせるための光信号(位置情報)を送信する。第一の光信号送信機2130等は進行方向を示す(方向情報)と共に歩行者用交通信号機2120が設置された交差点の名称と交通信号の状態等とを知らせるための光信号(場所情報)を横断歩道2110の対面側に向かって斜め下方向(指向性2131FWの方向)に送信し、さらに被案内者の所在位置を示すための光信号(接近情報)を下向き(指向性2131DNの方向)に送信する。光信号受信機2100等は上記の光信号を受信し、音声案内を行う。被案内者は交差点の横断歩道2110を横断する時に第一の光信号送信機2130等によって送信された信号(指向性2131FW)を音声として聞きながら歩行すると、横断歩道2110の終点に近づくにつれ、仮想音像定位の方向が徐々に上方に移動し、さらに横断を終了すると案内が聞こえなくなることにより、横断の終了を知ることができる。さらに、第一の光信号送信機2130等によって下向きに送信された所在位置を示すための光信号(指向性2131DN)を光信号受信機2100等の真上方向受光素子(不図示)で受信することにより、被案内者は自分の位置を知ることができ、横断が終了したことをさらに明示的に知ることができる。
即ち、第一の光信号送信機2130等は歩行者用交通信号機2120が設置された場所(所定の場所)に固定して設置され、案内情報の内容は被案内者2100M側に対して第一の光信号送信機2130までの方向を得させる方向情報および第一の光信号送信機2130に接近または到着したことを知らせる接近情報を含む。第二の光信号送信機2150(別の光信号送信機)は、歩行者用交通信号機2120付近の横断歩道2110を介した反対側の歩道上(付近位置)にある視覚障がい者用押しボタン箱(信号機用押しボタン装置)2140に設置されており、案内情報の内容は被案内者2100M側に対して第二の光信号送信機2150の位置を知らせる位置情報を含む。第一の光信号送信機2130等および/または第二の光信号送信機2150等が送信する案内情報は、第一の光信号送信機2130等および/または第二の光信号送信機2150等が設置された場所に関連する場所情報をさらに含む。場所情報には歩行者用交通信号機2120の点灯若しくは点滅状態、および/または歩行者用交通信号機2120が設置された場所名を含む。
光信号受信機2100等を装着した被案内者2100Mは、横断歩道2110に近づくと視覚障がい者用押しボタン箱2140に設置された第二の光信号送信機2150等からの案内信号(位置情報)を受信することにより、視覚障がい者用押しボタン箱2140の存在を容易に認識し、操作することができる。押しボタン(不図示)が押されると、歩行者用交通信号機2120はその状態を通知する光信号(場所情報)を送信すると共に、状況に応じて自動車用交通信号を含めた交通信号システムの信号制御を行う。この信号制御は従来のシステムと同様である。歩行者用交通信号機2120の状態を通知する光信号の案内内容は、例えば「○○交差点の◎◎方向、赤信号です。」、「○○交差点の◎◎方向、青信号です。」、「もうすぐ赤になります。」等が挙げられる。被案内者2100Mによる押しボタンの押下に依存せず、常時光信号を送信しても良い。この場合、次のような案内情報、「○○交差点の◎◎方向、赤信号です。渡る場合は右側に押ボタンがあります。」の送信も可能である。さらに、休日に道路が歩行者天国となり歩行者用交通信号機2120が休止している場合、または夜間等に信号表示が点滅信号に変わっている場合には、第一の光信号送信機2130等は無線または有線通信回路(不図示)で受信した制御信号と案内情報とにより、案内情報を書き換えることも可能である。被案内者2100Mは音声案内情報を聞きながら横断歩道2110を渡ることにより、左右方向の仮想音像定位が同時に得られるため、顔を振ることなく常に進むべき方向を知覚することができる(光信号受信機2100等の左右方向の指向性は不図示であるが、上述した各実施例で説明した通り、光信号受信機2100等は左右方向の仮想音像定位を行うことができる。以下同様)。音声案内情報が周囲音の認識の邪魔になるときは、被案内者2100Mはスイッチ213SW1等によりスピーカ213L等の音量を下げることができる。
以上より、本発明の実施例39によれば、第一の光信号送信機2130等を歩行者用交通信号機2120が設置された場所に固定して設置し、第二の光信号送信機2150を歩行者用交通信号機2120付近の横断歩道2110を介した反対側の歩道上にある視覚障がい者用押しボタン箱2140に設置した案内システムとすることができる。第一の光信号送信機2130等から送信する案内情報の内容として、被案内者2100M側に対して第一の光信号送信機2130までの方向を得させる方向情報および第一の光信号送信機2130に接近または到着したことを知らせる接近情報を含ませることができる。第二の光信号送信機2130等から送信する案内情報の内容として、被案内者2100M側に対して第二の光信号送信機21550の位置を知らせる位置情報を含ませることができる。さらに、第一の光信号送信機2130等および/または第二の光信号送信機2150等が設置された場所に関連する場所情報を含ませることができ、場所情報には歩行者用交通信号機2120の点灯若しくは点滅状態、および/または歩行者用交通信号機2120が設置された場所名を含ませることができる。この結果、被案内者2100Mは音声案内情報を聞きながら横断歩道2110を渡ることにより、左右方向の仮想音像定位が同時に得られるため、顔を振ることなく常に進むべき方向を知覚することができる案内システムを提供することができる。
実施例39において、視覚障がい者用押しボタン箱2140に実施例9で説明した外付け発光素子113C2を設置し、第二の光信号送信機2150等から送信される光信号とは異なる波長の光信号を送信することもできる。例えば、第二の光信号送信機2150等からは赤外線、外付け発光素子113C2からは可視光を送信することもできる。光信号受信機2100等における正面方向の受光素子(不図示)が外付け発光素子113C2からの光信号を選択的に受信する機能を有するように設定することにより、視覚障がい者用押しボタン箱2140の正確な通知が可能となる。外付け発光素子113C2からは可視光が送信されるため、弱視者が視覚障がい者用押しボタン箱2140の位置を視認することも可能となる。
以上より、本発明の実施例40によれば、視覚障がい者用押しボタン箱2140に実施例9で説明した外付け発光素子113C2を設置し、第二の光信号送信機2150等から送信される光信号とは異なる波長の光信号を送信することもできる。この結果、視覚障がい者用押しボタン箱2140の正確な通知が可能となる案内システムを提供することができる。
図50は、本発明の実施例41における案内システムの応用例を示す。図50に示されるように、第一の光信号送信機2210等は路上に設置された視覚障がい者誘導用ブロック(点字ブロック)2202における警告ブロック(点状ブロック)2204(所定の場所)の中央に設置されている。図50で、符号2211Lと2211Rとは各々第一の光信号送信機2210等における発光素子の左右方向の指向性である。図51は、本発明の実施例41における案内システムの他の応用例を示す。図51に示されるように、第一の光信号送信機2220等は路上に設置された視覚障がい者誘導用ブロック2202における誘導ブロック(線状ブロック)2206(所定の場所)の側面に設置されている。図51で、符号2211Fは第二の光信号送信機2220等における発光素子の図面上奥方向の指向性である。
本実施例41においても案内システムは第一の光信号送信機2210等と光信号受信機等とから構成されているが、説明の都合上、図50では光信号送信機2210等のみ示す。第一の光信号送信機2210等は警告ブロック2204にアプローチする4方向に対し、各方向に応じた案内情報を載せた光信号を送信するが、図50ではそのうち左右2方向の指向性2211Rおよび2211Lのみを示す。被案内者が警告ブロック2204に接近すると、位置および方向に関する音声案内情報(位置案内情報)を聞くことができる。被案内者が警告ブロック2204に近づくにつれて仮想音像定位の位置が徐々に下方へ移動するため、被案内者は自分の位置を知ることができる。図51では図50と同様に第一の光信号送信機2220等のみ示す。第一の光信号送信機2220等は誘導ブロック2206の両側面からブロックの存在を通知する光信号を送信するが、図51ではそのうち図面上奥方向の指向性221Fのみ示す。第一の光信号送信機2220等が搭載された誘導ブロック2206を一定間隔で配置することにより、視覚障がい者誘導用ブロック2202列の存在を広範囲に通知することができる。
光信号受信機100等を装着した被案内者が視覚障がい者誘導用ブロック2202を歩行して来ると、特定の建造物や交差点、横断歩道の手前等に設置された警告ブロック2204に接近することになる。ここで、被案内者は光信号送信機2210等から送信された光信号を光信号受信機100等により受信することによって、音声案内情報を聞くことができる。当該光信号は警告ブロック2204の4方向に対して指向性2211R等を有して送信されているため、被案内者はアプローチする方向に応じた音声案内情報を受けることができる。例えば、進行方向に対して直角方向にある建造物の方向を案内する場合、左右どちらからアプローチするかによって、建造物の案内方向が左右逆になる。さらに、警告ブロック2204に近づくにつれて仮想音像定位の方向が徐々に下方へ移動することにより、警告ブロック2204と自分との間の距離を知ることができる。加えて、駅の乗車ホームに設置されている点字ブロックに応用した場合には、左右が何番線かという情報と同時に列車が進入するホームの端がどの方向にあるのかということを認識することが可能となるため、転落事故の可能性を低減することができる。
被案内者が視覚障がい者誘導用ブロック2202の近傍にいる場合には、誘導ブロック2206の両側面に設置された光信号送信機2220等から送信される誘導ブロック2206の存在を通知する光信号を光信号受信機100等により受信して音声案内情報を受けることにより、誘導ブロック2206に容易にたどりつくことができる。図51に示されるように、当該光信号は指向性2221Fを有するため、視覚障がい者誘導用ブロック2202上を歩行している時には受信されない。このため、警告ブロック2204から送信される指向性2211R等の位置案内情報とは混信することがない。さらに、駅の乗車ホームの端に設置されている誘導ブロック2206に設置すれば転落事故の可能性を低減することができる。加えて、火災、地震等の災害時等においては、第一の光信号送信機2220等は無線または有線通信回路で受信した制御信号と案内情報とによってメモリ内の案内を書き換えて、避難経路を案内することも可能である。
以上より、本発明の実施例41によれば、第一の光信号送信機2210等を路上に設置された視覚障がい者誘導用ブロック2202における警告ブロック2204の中央に設置することができる。第一の光信号送信機2210等は警告ブロック2204にアプローチする4方向に対し、各方向に応じた案内情報を載せた光信号を送信するため、被案内者がアプローチする方向に応じた音声案内情報を受けることができる案内システムを提供することができる。あるいは、第一の光信号送信機2220等を路上に設置された視覚障がい者誘導用ブロック2202における誘導ブロック(線状ブロック)2206(所定の場所)の側面に設置することができる。被案内者が視覚障がい者誘導用ブロック2202の近傍にいる場合には、誘導ブロック2206の両側面に設置された光信号送信機2220等から送信される誘導ブロック2206の存在を通知する光信号を光信号受信機100等により受信して音声案内情報を受けることにより、誘導ブロック2206に容易にたどりつくことができる案内システムを提供することができる。
図52は、本発明の実施例42における案内システムの応用例を示す。図52で図49と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図52で、符号2305は被案内者2100Mを案内する部屋のドア、2310はドア2305のドアノブ、2341は光信号送信機2340等から送信される光信号の指向性(図面の手前側に円錐状に広がっている様子を示す。)、2331は光信号送信機2330等から送信される光信号の指向性である。図52に示されるように、光信号送信機2330等からは目的とする部屋あるいは展示物のある場所等へ被案内者を案内するための光信号を送信し、光信号送信機2340等からはドアノブ2310の位置の通知あるいは展示物に関する説明を行うための光信号を送信する。光信号受信機2100等はそれらの光信号を受信し、音声案内を行う。
図52に示されるように、光信号送信機2330等は建物内の廊下2315に面した部屋のドア2305の上方(所定の場所)に設置されている。光信号送信機2340等(別の光信号送信機)はドア2305のドアノブ2310付近(付近位置)に設置されており、送信する場所情報は部屋内の説明を含む。
図52に示されるように、光信号受信機2100等を装着した被案内者2100Mがホテルの廊下、病院の廊下、博物館または美術館等の展示室の廊下を歩行してくると、光信号受信機2100等は光信号送信機2330等からの光信号を受けることにより、目的位置(ドア2305)までの歩行支援のための音声案内を聞くことができる。被案内者2100Mは案内音声を聞きながら歩行する際、左右方向の仮想音像定位が得られるため、顔を振ることなく常に進むべき方向を知覚することができる。この時、案内音声が周囲音の認識の邪魔になる場合、被案内者2100Mは光信号受信機2100等のスピーカ213L等の音量を下げることができる。光信号送信機2330等はドア2305の上方に設置されているため、被案内者2100Mが案内位置(ドア2305)に近づくにつれて仮想音像定位の位置が徐々に上方に移動することにより、被案内者2100Mは目的位置への接近を知ることができる。さらに、被案内者2100Mが案内位置に到着すると、光信号受信機2100の受光素子212UL等の指向性2101UPは光信号送信機2330等の指向性2331から外れ、指向性2101TPを有する受光素子213UP等のみが光信号を受信するようになる。このとき、被案内者2100Mにとって案内音声が真上から聞こえるようになるため、目的位置への到着を知ることができる。同時に指向性2101UPと指向性2101LWとを有する受光素子212UL等は光信号送信機2340等の指向性2341内に入るため、光信号受信機2100等は光信号送信機2340等が送信するホテルの客室または病院の診察室のドアノブ2310の位置を案内する信号、あるいは博物館または美術館等における展示物に関する説明の信号を受信し、被案内者2100Mはこれらの音声案内情報を音声により知ることができる。この時、被案内者2100Mには2種類の音声案内(指向性2101TPおよび指向性2101LWによる音声案内)が同時に行われることになるが、仮想音像定位の方向が異なるため、2つの情報を分離して聞き取ることができる。この際、被案内者2100Mは不要な音声案内を光信号受信機2100等に設置されている上下スピーカ用スイッチ213SW2または左右スピーカ用スイッチ213SW1)によりオフまたは音量を下げることも可能である。2つの光信号送信機2330等と2340等とから送信される各光信号の光波長を変えて(例えば光信号送信機2330等の送信波長を赤外線、光信号送信機2340等の送信波長を可視光として)、光信号受信機2100等にこれらの波長を各々選択的に受光する受光素子を設けておき、スイッチで切り替えられるようにすることも可能である。光信号送信機2340等の光信号出力を弱くし、そのかわり指向性2341は広くすることにより、光信号送信機2340等からの光信号は送信機に近い場所のみで受信可能な強度になるように調整することができる。本実施例42における案内システムは、博物館または美術館等における晴眼者用の展示物の解説にも使用可能である。
以上より、本発明の実施例42によれば、光信号送信機2330等を建物内の廊下2315に面した部屋のドア2305の上方(所定の場所)に設置し、目的とする部屋あるいは展示物のある場所等へ被案内者を案内するための光信号を送信させる。被案内者2100Mは案内音声を聞きながら歩行する際、左右方向の仮想音像定位が得られるため、顔を振ることなく常に進むべき方向を知覚することができる案内システムを提供することができる。光信号送信機2340等(別の光信号送信機)をドア2305のドアノブ付近(付近位置)に設置して、光信号送信機2340等から送信する場所情報に部屋内の説明を含ませることができる。なお、実施例42のシステムにおける光信号送信機2330において、実施例39における光信号送信機2130のように下向きに光信号を送信する発光素子を追加することもできる
実施例42において、ドアノブ2310の位置に外付け発光素子113C2を設置し、光信号送信機2340等から送信される光信号とは異なる波長の光信号(例えば光信号送信機2340等からは赤外線、外付け発光素子113C2からは可視光)を送信あるいは光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を異なるものとし、光信号受信機2100等における正面方向の受光素子212UL等で外付け発光素子113C2からの光信号を選択的に受信する機能を持たせることもできる。この結果、ドアノブの位置2310の正確な通知を行うことが可能となる。さらに、外付け発光素子113C2から送信される光信号が可視光の場合、弱視者はドアノブ2310の位置の視認も可能となる。
以上より、本発明の実施例43によれば、ドアノブ2310の位置に外付け発光素子113C2を設置し、光信号送信機2340等から送信される光信号とは異なる波長の光信号を送信し、光信号受信機2100等における正面方向の受光素子212UL等で外付け発光素子113C2からの光信号を選択的に受信する機能を持たせることもできる。この結果、ドアノブの位置2310の正確な通知を行うことができる案内システムを提供することができる。
図53は、本発明の実施例44における案内システムの応用例を示す。図53で図49と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図53で、符号2405は階段、2411は光信号送信機2410等から送信される光信号の指向性、2421は光信号送信機2420等から送信される光信号の指向性である。図53に示されるように、光信号送信機2410等および2420等は階段2405の脇の壁の上部(所定の場所)に設置されており、被案内者2100Mへ階段2405への案内を行うための光信号を送信する。光信号受信機2100等は送信された当該光信号を受信して、被案内者2100Mへ音声案内を行う。
図54は、図53に示される被案内者2100Mが階段2405に到着した状況を横から見た図であり、本発明の実施例44における案内システムの他の応用例を示す。図54で図53および図49と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図54で、符号2431は光信号送信機2430等から送信される光信号の指向性、2441は光信号送信機2440等から送信される光信号の指向性である。図54に示されるように、光信号送信機2430等および2440等(別の光信号送信機)は階段2405を上がった通路2407の上部(付近位置)に設置されており、光信号送信機2430等は階段2405を被案内者2100Mへ案内するための光信号を送信し、光信号送信機2440等は各種の案内情報を送信する。例えば階段2405を上がった所が商業施設の場合、光信号送信機2440等が送信する場所情報は通路2407における商店の案内情報等である。その他、階段2405を上がった所が駅ホームの場合は列車の運行情報、学校の場合は教室位置案内情報となる。
図53および図54に示されるように、光信号受信機2100等を装着した被案内者2100Mが駅の構内、歩道橋が設置された歩道、商業施設または学校の廊下若しくは通路を歩行してくると、光信号受信機2100等が天井付近に設置された光信号送信機2410等および2420等から送信された光信号を受けることにより、被案内者2100Mは階段2405の位置までの歩行支援のための音声案内を聞くことができる。被案内者2100Mは案内音声を聞きながら歩行する際、左右方向の仮想音像定位が得られるため、顔を振ることなく常に進むべき方向を知覚することができる。この時、案内音声が周囲音の認識の邪魔になる場合、被案内者2100Mは光信号受信機2100等のスピーカ213L等の音量を下げることができる。光信号送信機2410等は階段2405の上方に設置されているため、被案内者2100Mが案内位置(階段2405)に近づくにつれて仮想音像定位の位置が徐々に上方に移動することにより、被案内者2100Mは目的位置への接近を知ることができる。階段2405を上がった所が駅ホームの場合、案内音声の内容は「○番線ホーム、○○線◎◎方面、階段下です。」等である。光信号送信機2410等は無線または有線通信回路(不図示)で受信した制御信号と案内情報とによりメモリ内の案内を書き換え、「次の発車は○番線ホーム○○時◎◎分、××行き、◎番線ホーム○○時◎◎分、××行きです。」等の運行情報も案内することができる。この時、図54に示されるように指向性2401UPと指向性2401LWとは光信号送信機2430等の指向性2431内に入るため、光信号受信機2100等は光信号送信機2430等が送信する階段2405および階上2407の案内信号を受信することができる。案内音声の内容は、「○、◎番線ホーム、左は○○線◎◎方面、右は○○線◎◎方面、上り階段です。」等である。被案内者2100Mが当該案内音声を聞きながら階段2405を上っていくと、階段2405の終点付近で仮想音像定位の位置が徐々に上方へ移動し、終点では指向性2101UPは光信号送信機2430等の指向性2431から外れ、指向性2101TPを有する受光素子のみが光信号送信機2430等からの光信号を受信するようになる。このとき、被案内者2100Mは案内音声が真上から聞こえるようになるため、階段2405を上り終えたことを知ることができる。なお、実施例44のシステムにおける光信号送信機2430において、実施例39における光信号送信機2130のように下向きに光信号を送信する発光素子を追加することもできる。階段2405の上りが終了して被案内者2100Mが通路2407の歩行を始めると、指向性2101UPと2101LWとは光信号送信機2440の指向性2441内に入り、光信号受信機2100等は光信号送信機2440等が送信する駅のホーム情報、列車運行情報、商業施設のフロア案内、学校の教室位置案内等の案内信号を受信することができるようになる。この際、光信号送信機2440等は無線または有線通信回路(不図示)で受信した制御信号と案内情報とによりメモリ内の案内を書き換え、例えば駅のホームにおいては列車の運行案内を行うことができる。案内音声の内容は「次の発車は左側◎番線より○○時◎◎分、××行きです。あと5分で到着します。」等である。上述の説明では階下から階上への案内例を示したが、これとは逆に階上から階下への案内も同様に行うことができる。
以上より、本発明の実施例44によれば、光信号送信機2410等および2420等を階段2405の脇の壁の上部(所定の場所)に設置し、被案内者2100Mへ階段2405への案内を行うための光信号を送信させることができる。被案内者2100Mは案内音声を聞きながら歩行する際、左右方向の仮想音像定位が得られるため、顔を振ることなく常に進むべき方向を知覚することができる案内システムを提供することができる。光信号送信機2430等および2440等(別の光信号送信機)を階段2405を上がった通路2407の上部上部(付近位置)に設置し、光信号送信機2430等に階段2405を被案内者2100Mへ案内するための光信号を送信させ、光信号送信機2440等に各種の案内情報を送信させることができる。
図55は、本発明の実施例45における案内システムの応用例を示す。図55で図49と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図55で、符号2501は駅の乗車ホーム、2510は乗車ホーム2501に設置されたホームドア(別名スクリーンドア、ホームゲート、可動式ホーム柵等)、2521R、2521C
、2521Lは各々、ホームドア2510に設置された光信号送信機2520等から送信される光信号の指向性(手前側に円錐状に広がっている様子を示している)である。図56は図55において乗車ホームに列車が入線しホームドア2510が開いた状況を示す。図56で図55と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図56で、符号2530は乗車ホーム2501に入線した列車の一部分、2541R、2541C
、2541Lは、各々、列車2530の乗降用ドア上部に設置された光信号送信機2540等から送信される光信号の指向性(手前側に円錐状に広がっている様子を示している)である。図55および図56に示されるように、光信号送信機2520からホームドア2510の位置案内または列車運行案内が送信され、光信号送信機2540等から列車2530の乗車口位置または行き先案内等が送信される。光信号受信機2100等はこれらの送信された光信号を受信し、音声案内を行う。
図55および図56に示されるように、光信号送信機2520等は駅ホーム2501(所定の場所)に設置され、光信号送信機2540等(別の光信号送信機)は駅ホーム2501に停車している列車(車両)2530のドア上方(付近位置)に設置されている。上記所定の場所はバス停または電停であってもよい。光信号送信機2540等が送信する場所情報は列車、バス、路面電車等の運行情報を含む。
図55および図56に示されるように、光信号受信機2100等を装着した被案内者2100Mが駅ホーム2501において、列車2530が入線していない場合には、光信号受信機2100等がホームドア2510に設置された光信号送信機2520等からの光信号を受けることにより、ホームドア2510の位置または列車運行に関する音声案内を聞くことができる。音声案内の内容は例えば、「◎番線ホーム△号車の乗車ゲートの斜め右です(正面です、斜め左です)。次の発車は○○時◎◎分、××行きです。あと5分で到着します。」等である。乗車ゲートの斜め左、正面、斜め右という情報は、角度によって異なる案内情報を送信できる光信号送信機2520等から送信する。一方、列車2530が入線している場合には、光信号受信機2100等が列車2530の乗降用ドア上部に設置された光信号送信機2540等からの光信号を受信することにより、被案内者2100Mは列車2530の乗車口と運行とに関する音声案内を聞くことができる。音声案内の内容は例えば、「○時◎◎分発◎◎行き列車、△号車の乗車口斜め右です(正面です、斜め左です)。ドアが開きます(乗車できます、ドアが閉まります)。」等である。乗車口の斜め左、正面、斜め右という情報は、角度によって異なる案内情報を送信できる光信号送信機2540等から送信する。
上記に加えて、光信号送信機2540等は列車2530内の指定席の座席番号案内等も同様に送信可能である。列車2530の運用情報については、光信号送信機2540等は無線または有線通信回路(不図示)で受信した制御信号と案内情報とによりメモリ内の案内を書き換えることによって送信が可能となる。被案内者2100Mは上記の光信号を光信号受信機2100等で受信することにより、左右上下の仮想音像定位を伴った音声案内を受けることができ、安全かつ安心して列車に乗車することができる。
同様の案内システムはバス乗り場にも構築可能である。この場合は同様に、バス停に設置された光信号送信機よりバス停の位置情報とバスの運行情報とを送信し、バス車両の乗車口の直上等に設置された光信号送信機よりバスのドアの位置情報と運行情報を送信する。バス車両内ではワンマンバスの降車ボタン位置案内、長距離バス内ではトイレの位置、指定席の座席番号案内等が可能である。空港、旅客船ターミナルと機内、船内とにおいても同様の案内が可能である。
以上より本発明の実施例45によれば、光信号送信機2520等を駅ホーム2501(所定の場所)に設置し、光信号送信機2540等(別の光信号送信機)を駅ホーム2501に停車している列車(車両)2530のドア上方(付近位置)に設置して、光信号送信機2540等が送信する場所情報として列車、バス、路面電車等の運行情報を含む案内システムを提供することができる。
図57は、本発明の実施例46における案内システムの応用例を示す。図57で図49と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図57で、符号3000は光信号送信機を設置した公衆トイレ、3011および3012は小用便器、3021および3022は大用便器、3031は洗面台であり、AからKは各々案内ポイントである。図57に示されるように、案内ポイントAの天井付近には光信号送信機3051等が設置され、案内ポイントBの天井付近には光信号送信機3052等が設置され、案内ポイントCの天井付近には光信号送信機3053等が設置され、案内ポイントDの小用便器3011付近には光信号送信機3054等が設置され、同様に案内ポイントEの小用便器3012付近には光信号送信機3055等が設置され、案内ポイントFの大用個室ドアには光信号送信機3056等が設置され、案内ポイントGの大用個室ドアには光信号送信機3057等が設置され、案内ポイントHの大用便器3021の水洗ノブ付近には光信号送信機3058等が設置され、案内ポイントIの大用便器3022の水洗ノブ付近には光信号送信機3059が設置され、案内ポイントJの洗面台3031の蛇口付近には光信号送信機3060等が設置押され、案内ポイントKの洗面台3031の蛇口付近には光信号送信機3061等が設置されている。
図57に示されるように、案内ポイントAに設置した光信号送信機3051等は2方向に別の案内信号を送信する。入室する被案内者(不図示)には指向性3061ENで示すような光信号を送信し、退室する被案内者には指向性3061EXで示すような光信号を送信する。同様に、案内ポイントBに設置した光信号送信機3053等は3方向に各々別の案内信号を送信する。入室する被案内者には指向性3062ENで示すような光信号を送信し、退室する被案内者には指向性3062EX1と3062EX2とで示すような光信号を送信する。案内ポイントDおよびEの光信号送信機3054等および3055等における発光ダイオード(発光素子)は、小用便器3011等に従来用いられている使用者検出用の発光ダイオードと兼用することが可能である。大用個室ドアに設置した光信号送信機3056等および3057等は、個室の施錠金具の開閉を検知して案内内容を変える仕組みを有している。
以上のように、光信号送信機3051等は公衆トイレ3000の出入口付近の天井(所定の場所)に設置することができ、光信号送信機3054等(別の光信号送信機)の設置場所(付近位置)は公衆トイレ3000内の大小便器3021等の位置付近、公衆トイレ3000内の個室ドア、洗面台3031付近とすることができる。光信号送信機3054等が送信する場所情報には大用個室の使用状況を含ませることができる。
被案内者はまず、仮想音像定位を利用した音声案内(指向性3061EN)により、公衆トイレ3000の入口(案内ポイントA)、男子用または女子用の区別を知ることができる。次に、案内ポイントBから送信される入室案内用光信号(指向性3062EN)を受信し、公衆トイレ3000内の大用個室、小用便器3011等、洗面台3031の位置配置を知ることができる。例えば、「正面と斜め右に大用個室、向かい側の右後方に2台の小用便器3011および3012、左に洗面台3031があります。」等の音声案内を行うことができる。ここで、大用個室を目標とする被案内者はそのまま進行し、案内ポイントFまたはGの大用個室ドアに設置した光信号送信機3056等からの光信号を受信する。光信号送信機3056等は個室の施錠金具の開閉を検知して案内内容を変える仕組みを有しており、被案内者は位置情報の他、使用中かまたは空きかの情報を得ることができる。さらに、大用個室内においては案内ポイントHまたはIに設置した光信号送信機3058等により、大用便器3021等の水洗ノブの位置を知ることができる。一方、案内ポイントBにおいて小用便器3011等を目標とする被案内者は右を向くことになり、この結果、次の案内ポイントCからの信号を受信し、次に進むべき方向の案内を受ける。例えば、「左側は大用個室、右側に2台の小用便器3011および3012があります。」等である。そこでさらに右を向くと、案内ポイントDの小用便器3011付近と案内ポイントEの小用便器3012付近とに設置された光信号送信機3054等および3055等からの信号を同時に受信することになるが、仮想音像定位の位置が異なるため、双方の位置を認識することができる。小用便器3011等付近の光信号送信機3054等の発光ダイオードは水洗装置作動用に設置された既存の使用者検出用発光ダイオード(水洗装置用)と兼用することが可能である。この際、すでに小用便器3011等の使用者がいた場合には2通りの方法で通知が可能である。1つ目は発光ダイオードからの出射光が使用者により遮られることを利用するもので、被案内者は使用者がいない場合のみ案内信号を受信することができる。2つ目はさらに既存の使用者検出用装置と案内ポイントCの光信号送信機3053等とを連動させるものであり、使用者がいた場合には案内ポイントCからの光信号受信時に空きの有無を知ることができる。例えば、「右側に2台の小用便器3011および3012のうち、左側の小用便器3012が空いています。」等である。トイレの利用が終わった被案内者は案内ポイントBと案内ポイントAとから送信される退室案内用信号を受信して出口に案内される。
以上より、本発明の実施例46によれば、光信号送信機3051等を公衆トイレ3000の出入口付近の天井(所定の場所)に設置することができ、光信号送信機3054等(別の光信号送信機)の設置場所(付近位置)を公衆トイレ3000内の大小便器3021等の位置付近、公衆トイレ3000内の個室ドア、洗面台3031付近とすることができる案内システムを提供することができる。
図58は、本発明の実施例47における案内システムの応用例を示す。図58で、符号2600は上述した各実施例における光信号受信機1等のメモリに情報を書き込むデータ書き込み器、2611乃至2616は商業施設等の各区画、2621は上述した各実施例における光信号送信機100等を設置する案内ポイントA、同様に2622は上述した各実施例における光信号送信機100等を設置する案内ポイントBである。
被案内者(不図示)は商業施設等の入口付近に設置されたデータ書き込み器2600を用いて、自らが装着する光信号受信機1等のメモリに情報を書き込む。案内ポイントA2621およびB2622においては、光信号送信機100等から矢印で示される上下左右の4方向の通路に向けて案内用光信号が送信されている。案内用の光信号には案内ポイントA2621、
B2622等に設置された光信号送信機100等のID信号が含まれている。例えば、被案内者が案内ポイントA2611付近の区画2611(売り場)を選択した場合、案内ポイントB2622の手前において、光信号送信機100等から送信される案内情報に案内ポイントB2622に関する情報の他、光信号受信機1等のメモリに書き込まれた情報を用いた区画2611(売り場)に到達するための経路案内情報が付け加えられる。
図59は、データ書き込み器2600の表示部2630を示す。図59で、符号2631はデータ書き込み器2600の設置位置と操作方法の概要とを知らせるための光信号を送信するための発光素子、2632は受信回路部挿入スロット、2633は点字表示付行先スイッチ、2634は操作方法点字案内、2635はスロット点字案内、2636は行先カテゴリー点字案内である。スロット内部には例えば図5中の223に対するコネクタ接続部が設けられている。データ書き込み器2600はパソナルコンピュータと接続して対話型の操作を行う仕様とすること、あるいはさらに無線または有線LAN等の通信回線を介してパソナルコンピュータと通信が可能な仕様とすることにより、その機能を単純化し且つ多機能化することができる。
図58に示されるデータ書き込み器2600を用いることにより、被案内者(視覚障がい者)自らが光信号受信機1等の(内臓)メモリに案内情報を操作性良く書き込むことができる。例えば店舗内の案内を行う場合、案内情報としては被案内者が選択した売り場への経路情報が好適である。経路情報に示される案内ポイントA2621等において、当該案内ポイントA2621等に関する位置情報の他、進行方向等の情報を付与した音声案内を光信号送信機100等から送信し、被案内者を目的地(選択した売り場)まで誘導することが可能となる。発光素子2631は光信号受信機1等を装着した被案内者をデータ書き込み器26000自身に誘導し、光信号受信機1等の受信回路部220を受信回路部挿入スロット2632に挿入することを促すと共に、種々の点字案内2634等があることを説明する。被案内者は操作方法点字案内2634、行先カテゴリー点字案内2636でおおよその操作方法および目的地を認識し、点字表示付行先スイッチ2633によって具体的な売り場を選択し、点字表示付行先スイッチ2633を押し込むことにより選択した売り場までの経路情報をメモリに書き込む。受信回路部220を受信回路挿入スロット2632に挿入した時点で発光素子2631からの操作案内を音声へ切り替えることにより、詳細な操作案内を音声で行うことも可能である。経路情報としては、例えば区画2611の売り場を選択した場合、「○フロア、南通路Bポイント、斜め左は◎売り場、斜め右は×売り場です」、「売り場1はここで右折して1ブロック進んで下さい」等が挙げられる。本実施例47ではメモリへの案内情報書き込みを受信回路部220を受信回路挿入スロット2635に挿入して行っているが、この書き込みは赤外線通信、無線通信、人体通信等を介して行うことも可能である。
以上のように、データ書き込み器2600は行先を示す点字表示付行先スイッチ2633(行先スイッチ)と、入口等(所定の位置)から売り場等(行先)までに存在する案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等(別の光信号送信機)のID(識別子)を含む経路情報を記録した経路情報記録部とを有している。データ書込み器2600は、入口等において被案内者により点字表示付行先スイッチ2633が押下された場合、入口等から点字表示付行先スイッチ2633に対応する行先までの経路情報記録部に記録された経路情報を光信号受信機1等側のメモリへ書き込む(送信する)。案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等から送信される場所情報は、案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等を識別するID信号を含んでいる。光信号受信機1等は、データ書込み器2600から送信された経路情報をメモリに記録し、案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等から送信された場所情報を受信した場合、当該場所情報に含まれるIDとメモリに記録された上記経路情報とに基づき、所定の経路案内情報を被案内者側へ伝える経路案内部をさらに備えている。
本実施例47では商業施設を例として説明したが、病院等の場合は目的とする診察室または病室までの経路案内、美術館および博物館等の展示施設の場合は目的とする展示物への経路案内と陳列物の解説案内とに使用可能である。駅の構内等の場合は目的とする乗り場までの経路案内等が可能である。本実施例47の案内システムにおける区画2611等を町のブロックとし、案内ポイントA2621等を交差点の信号機とし、データ書き込み器2600を被案内者の自宅等に設置することにより、当該案内システムを自宅から近隣における、あるいは観光地のスポットから周辺におけるナビゲーション・インフォメーションシステムに拡張することができる。
以上より、本発明の実施例47によれば、データ書き込み器2600は行先を示す点字表示付行先スイッチ2633と、入口等から売り場等までに存在する案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等のIDを含む経路情報を記録した経路情報記録部とを有している。データ書込み器2600は、入口等において被案内者により点字表示付行先スイッチ2633が押下された場合、入口等から点字表示付行先スイッチ2633に対応する行先までの経路情報記録部に記録された経路情報を光信号受信機1等側のメモリへ書き込む。案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等から送信される場所情報は、案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等を識別するID信号を含んでいる。光信号受信機1等は、データ書込み器2600から送信された経路情報をメモリに記録し、案内ポイントB2622等に設置された光信号送信機100等および/または案内ポイントA2621等に設置された光信号送信機100等から送信された場所情報を受信した場合、当該場所情報に含まれるIDとメモリに記録された上記経路情報とに基づき、所定の経路案内情報を被案内者側へ伝える経路案内部をさらに備えた案内システムを提供することができる。
上述した各応用例において、光信号受信機100等の仮想音像定位に代わり、小型ディスプレイ721、ヘッドマウントディスプレイ上の表示位置または矢印等を利用した光信号受信機10または11を用いてもよい。
以上より、本発明の実施例48によれば、小型ディスプレイ721、ヘッドマウントディスプレイ上の表示位置または矢印等を利用した光信号受信機10または11を用いた案内システムの応用例を構成することもできる。この結果、聴覚障がい者用の案内システム観光客用の案内システムの応用例を上述した各応用例と同様に構成することができる。
図60は、本発明の実施例49における案内システムの応用例を示す。図60において、符号2700は光信号送信機100等を組込んだ洗濯機、2710は光信号送信機100等の発光素子(発光ダイオード)を内蔵した洗濯機2700の電源スイッチ、2701は洗濯開始スイッチ、2702は乾燥開始スイッチ、2703は洗濯および乾燥開始スイッチであり各々図示されるように点字案内が付されている。上記発光ダイオードを用いて洗濯機2700の設置位置と電源スイッチ2710の設置位置とを光信号受信機1等を装着した被案内者に通知することができる。上記発光ダイオードは電源スイッチ2710の近傍に単独で設置してもよい。上記発光ダイオードから送信する光信号の案内情報には洗濯機2700の簡単な操作案内を含めることもできる。その他の操作スイッチ2701等に関しては付されている点字案内により通知を行う。以上により、被案内者は仮想音像定位を利用した音声案内により、洗濯機2700の位置およびに電源スイッチ2710の位置を知ることができる。
図61は、本発明の実施例49における案内システムの他の応用例を示す。図61で図60と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図61で、符号2721は光信号送信機100等の発光素子(発光ダイオード)を内蔵した洗濯開始スイッチ、2722は同様の発光ダイオードを内蔵した乾燥開始スイッチ、2723は同様の発光ダイオードを内蔵した洗濯および乾燥開始スイッチ、2730は同様の発光ダイオードである。即ち、いずれの発光ダイオードも光信号送信機100等の発光素子である。電源スイッチ2710と同様に、洗濯開始スイッチ2721等の各発光ダイオードを用いて洗濯開始スイッチ2721等の設置位置と簡単な操作案内とを光信号受信機1等を装着した被案内者に通知することができる。但し、洗濯開始スイッチ2721等間の距離が近いため、眼鏡フレームFRi等に設置した受光素子212UL等だけでは音像定位による位置の区別が難しい場合があり得る。そこで、光信号受信機100等では上述した補助ハンディ送受信機1650を用いて光信号の受信を行う。この場合、発光ダイオード2730は赤外線を用い、電源スイッチ2710および洗濯開始スイッチ2721等の発光ダイオードは可視光にすること、あるいは光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を変えることにより、光信号の混信を防ぐことができる。補助ハンディ受信機1650を用いることにより、洗濯開始スイッチ2721等のその他の操作スイッチの位置情報と操作案内をと受け取ることができる。
以上より、本発明の実施例49によれば、所定の案内情報が聴覚情報である場合、光信号送信機100等を洗濯機等の家電製品(所定の設備)に組込むことができる。案内情報の内容は、洗濯機等の家電製品または当該家電製品の電源スイッチ等が存在する位置に関する設備位置情報と洗濯機等の家電製品の操作に関する設備操作情報とを含むことができる案内システムを提供することができる。
図62は、本発明の実施例50における案内システムの応用例を示す。図62において、符号2800は光信号送信機100等を組込んだエレベータ内の操作パネル、2811は光信号送信機100等の発光素子(発光ダイオード)、2821乃至2824は1階から4階用の同様の発光ダイオードを内蔵した操作スイッチ、2831は閉まりかけたエレベータのドアを開くための同様の発光ダイオードを内蔵した操作スイッチ、2832はエレベータのドアを閉めるための同様の発光ダイオードを内蔵した操作スイッチである。即ち、いずれの発光ダイオードも光信号送信機100等の発光素子である。光信号受信機1等を装着した被案内者に、発光ダイオード2811を用いて操作パネルの設置位置を通知し、上記各操作スイッチ2821等の発光ダイオードを用いて行き先階、ドアの開閉スイッチの位置と操作案内とを通知する。但し、操作スイッチ2821等間の距離が近いため、眼鏡フレームFRi等に設置した受光素子212UL等だけでは音像定位による位置の区別が難しい場合があり得る。そこで、光信号受信機100等では上述した補助ハンディ送受信機1650を用いて光信号の受信を行う。この場合、発光ダイオード2811は赤外線を用い、操作スイッチ2821等の発光ダイオードは可視光にすることあるいは光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を変えることにより、光信号の混信を防ぐことができる。被案内者は仮想音像定位を利用した音声案内により、エレベータ内の操作パネルの位置を知ることができ、簡単な操作案内を受けることもできる。被案内者は補助ハンディ受信機1650を用いることにより、エレベータの操作スイッチ2821等の位置情報と操作案内とを受け取ることができる。
エレベータの行き先操作スイッチ2821等は、行き先階の設定時あるいはエレベータノドア開閉時に自照式スイッチとしての表示機能が求められる。そこで、例えば操作スイッチ2821乃至2824の発光ダイオードと操作スイッチ2831および2832の発光ダイオードとは赤色とし、自照式スイッチとしての表示機能用には緑色または青色とすることで区別を行うことができる。これらの操作スイッチ2821等の発光ダイオードは弱視者への対応を考慮して可視光であることが好適である。
以上より、本発明の実施例50によれば、所定の案内情報が聴覚情報である場合、光信号送信機100等をエレベータ内の操作パネル(所定の設備)に組込むことができる。案内情報の内容は、エレベータの操作パネルまたは操作スイッチ2821等が存在する位置に関する設備位置情報と操作スイッチ2821等の操作に関する設備操作情報とを含むことができる案内システムを提供することができる。案内情報の内容は、設備位置情報、設備操作情報、操作パネルの状態(正常または異常等)に関する設備状態情報、操作パネルに関する警報(設備警報情報)のいずれか1つ以上を含めることができる。
図63は、本発明の実施例51における案内システムの応用例を示す。図63において、符号2900は光信号送信機100等を組込んだ切符販売機、2911は光信号送信機100等の発光素子(発光ダイオード)、2921乃至2924は同様の発光ダイオードを内蔵した操作スイッチである。即ち、いずれの発光ダイオードも光信号送信機100等の発光素子である。光信号受信機1等を装着した被案内者に、発光ダイオード2911を用いて切符販売機の設置位置を通知し、上記各操作スイッチ2921等の発光ダイオードを用いて切符の金額と対応する行先駅とを通知する。但し、操作スイッチ2921等間の距離が近いため、眼鏡フレームFRi等に設置した受光素子212UL等だけでは音像定位による位置の区別が難しい場合があり得る。そこで、光信号受信機100等では上述した補助ハンディ送受信機1650を用いて光信号の受信を行う。この場合、発光ダイオード2911は赤外線を用い、操作スイッチ2921等の発光ダイオードは可視光にすることあるいは光信号の変調方式がアナログ周波数変調(FM)方式、アナログ位相変調(PM)方式、パルス幅変調(PWM)方式、パルス位置変調(PPM)方式又はディジタル変調方式の場合には、光信号の変調に用いる複搬送波の周波数を変えることにより、光信号の混信を防ぐことができる。被案内者は仮想音像定位を利用した音声案内により、切符販売機内の位置を知ることができ、簡単な操作案内を受けることもできる。被案内者は補助ハンディ受信機1650を用いることにより、切符販売機の操作スイッチ2921等の位置情報と操作案内とを受け取ることができる。
切符販売機の操作スイッチ2921は、金銭投入時時に自照式スイッチとしての表示機能が求められる。そこで、例えば操作スイッチ2921乃至2924の発光ダイオードは赤色とし、自照式スイッチとしての表示機能用には緑色または青色とすることで区別を行うことができる。これらの操作スイッチ2921等の発光ダイオードは弱視者への対応を考慮して可視光であることが好適である。あるいは近年普及している液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイを用いた切符販売機の場合、上記発光ダイオード2911の代わりにタッチボタン領域を表示させる映像信号に案内信号を重畳することができる。この際、ディスプレイは高速応答型とすることが好適である。本実施例51では切符販売機を例に挙げて説明したが、他の自動販売機に対しても上述した内容を同様に適用することができる。
以上より、本発明の実施例51によれば、所定の案内情報が聴覚情報である場合、光信号送信機100等を切符販売機(所定の設備)に組込むことができる。案内情報の内容は、切符販売機または操作スイッチ2921等が存在する位置に関する設備位置情報と操作スイッチ2921等の操作に関する設備操作情報とを含むことができる案内システムを提供することができる。案内情報の内容は、設備位置情報、設備操作情報、切符販売機の状態(正常または異常等)に関する設備状態情報、切符販売機に関する警報(設備警報情報)のいずれか1つ以上を含めることができる。
上述した実施例51において、実施例9で説明した指向性の狭い1つの受光素子212Cを正面に向けて配置した構成の光信号受信機9−1等(図21(A)等参照)を用いる場合、受光素子212Cのみが可視光(操作スイッチ2921等の発光ダイオードからの光信号)に感度を有するように構成することもできる。この場合、実施例51で説明した補助ハンディ受信機1650を使用した例と類似した案内システムを構成することができる。
以上より、本発明の実施例52によれば、上述した実施例51において、指向性の狭い1つの受光素子212Cを正面に向けて配置した構成の光信号受信機9−1等を用い、受光素子212Cのみが可視光に感度を有するように構成することもできる。こ結果、実施例51で説明した補助ハンディ受信機1650を使用した例と類似した案内システムを提供することができる。
本実施例53では、光信号受信機35等の光信号送信部(実施例35参照。光信号送信回路1929と発光素子1961とを合わせた部分)が所定のID(識別子)を含む光信号を送信し、光信号送信機1800等の光信号受信部(実施例35参照。受光素子1821L等と光信号受信回路1820とを合わせた部分)が上記光信号送信部から送信され当該光信号受信部により受信された光信号に含まれる所定のIDに対応する案内情報を送信する。以上により、上述した案内システムの各応用例の状況において、被案内者の行き先に応じた案内情報の送信、被案内者の母国語による案内、被案内者の種別(視覚障がい者、認知症患者、観光客等)に応じた案内情報の送信、交通押しボタン信号のボタンまたは各種の操作スイッチに代わる操作、被案内者が接近した時のみに光信号を送信する機能の付与等が可能となる。
以上より、本発明の実施例53によれば、光信号受信機35等の光信号送信部が所定のIDを含む光信号を送信し、光信号送信機1800等の光信号受信部が上記光信号送信部から送信され当該光信号受信部により受信された光信号に含まれる所定のIDに対応する案内情報を送信する構成とする。この結果、上述した案内システムの各応用例の状況において、被案内者の行き先に応じた案内情報の送信や目的地までの切符の自動発券等が可能となる案内システムを提供することができる。
図64は、本発明の実施例54における案内システムの応用例を示す。図64に示されるように、光信号送信機2000は図47に示した実施例38における横方向回転角(xz平面回転角)または縦方向あおり角(yz平面あおり角)の少なくとも一方または両方を自在に可変可能な機構を有する光信号送信機である。実施例38で説明したように、光信号送信機2000は可動部2050により設置面の向きを上記光信号送信部が存在する方向へ向ける制御を行う制御部とを備えており、光信号送受信機35等の存在する方向を設置面が自動的に追尾することができる機能を有している。続けて、図47で、符号3210は癒し系マスコットまたは癒し系ロボットであり、光信号送信機2000は癒し系マスコット3210の頭部に組込まれている。図64では光信号送信機2000の機構が露出しているが、実際には癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210の首から顔の部分に目立たないように埋込んだ形態で構成されている。
光信号送信機2000は、実施例53の案内システムの応用例において、発光素子および光信号受信部が設置された設置面の向きをxz平面および/またはyz平面において可動可能な可動部2050と、光信号受信機35等の光信号送信部から送信され上記光信号受信部により受信された光信号に基づき、可動部2050により設置面の向きを上記光信号送信部が存在する方向へ向ける制御を行う制御部とをさらに備えている。このため、光信号受信機35等の光信号送信部が所定のIDを含む光信号を送信した場合、光信号送信機2000は実施例53の機能に加えて、可動部2050により設置面の向きを上記光信号送信部が存在する方向へ向ける制御を行うことができる。
以上より、本発明の実施例54によれば、癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210の頭部に組込まれた光信号送信機2000の光信号受信部が光信号受信機35等の光信号送信部から発せられたID信号を受信することにより、光信号受信機35等が存在する方向に正対するように向きを変えることができる。これと共に、光信号受信機35等の光信号送信部から発せられたID信号によって案内情報を選択して送信することができる。 被案内者が癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210に視線を向けて装着した光信号受信機35等の光信号送信部からID信号が発信されると、癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210が被案内者の方を向いて話しかけてくるため、従来の癒し系マスコットまたは癒し系ロボットに比べて、より高い癒し効果を得ることができる。光信号受信機35等の光信号送信部から発せられるID信号によって、光信号送信機2000による被案内者の母国語による案内、被案内者の種別(視覚障がい者、聴覚障がい者、認知症患者、健常者、年齢、性別、被案内者のうれしい/悲しい/元気を出したいなどの気分)に応じたメッセージの送信、被案内者が接近した時のみに光信号を送信する機能の付与等が可能となる案内システムを提供することができる。
図65は、本発明の実施例55における案内システムの応用例を示す。図65で図49、図64と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図65で、符号3310は被案内者2100Mが乗って移動する自動車型、列車型またはボート型等のアミューズメント施設における乗り物、3320は乗り物3310が進行する道路、線路または水路等の経路である。図65に示されるように、癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210(あるいは同様の機能を有する模型等)は経路3320沿いあるいは経路3320から見える範囲程度の距離に配置されている。即ち、光信号送信機2000をアミューズメント施設における被案内者2100Mが搭乗可能な乗り物3310の移動経路3320付近に設置している。
以上より、本発明の実施例55によれば、アミューズメント施設等における乗り物3310に光信号受信機35等を装着した被案内者2100Mが乗り込んだ際、当該乗り物3310が移動する経路3320沿いあるいは経路3320から見える範囲程度の距離に配置された癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210に視線を向けると、癒し系マスコットまたは癒し系ロボット3210が自分を向いて話しかけてくる、あるいはアクションを起こすことから、被案内者2100Mはより高い臨場効果を得ることができる。光信号受信機35等から発せられるID信号によって、被案内者の母国語による案内、被案内者の種別(視覚障がい者、認知症患者、観光客等)に応じたメッセージ(案内情報)の送信、交通押しボタン信号のボタンまたは各種の操作スイッチに代わる操作、被案内者が接近した時のみに光信号を送信する機能の付与等が可能となる案内システムを提供することができる。
図66は、本発明の実施例56における案内システムの応用例を示す。図66で図12と同じ符号を付した個所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図66で、符号3100Mは光信号受信機3等(実施例3参照。後方受光素子412BRおよび412BLを有する光信号受信機)を装着した被案内者、3110は接近警報用に用いられる光信号送信機100等が装備された自動車(車両)、3112は接近警報用の光信号送信機100等から送信される光信号の指向性である。図66に示されるように、本実施例56では他の案内システムの応用例とは異なり、光信号送信機100等は移動可能な自動車3110に設置されている。
接近警報用の光信号送信機100等からは自動車3110が接近していることを被案内者3100Mに通知するための光信号を送信する。図66では、被案内者3100Mは視覚障がい者の案内を念頭に置いたイメージを示しているが、音声案内の代わりに小型ディスプレイ721またはヘッドマウントディスプレイを用いた光信号受信機10等を用いれば、聴覚障がい者の案内に有功な案内システムを構成することもできる。本実施例では自動車3110を例示したが、同様の案内システムは近年増加している自転車と歩行者との衝突事故を防止するための自転車等の接近警報システムとして構成することもできる。即ち、光信号送信機100等を自動車3110または自転車等の車両に搭載し、案内情報の内容に、被案内者3100M側に対する車両の接近を知らせる接近警報情報を含ませることができる。
以上より、本発明の実施例56によれば、被案内者3100Mが光信号受信機3等を装着して案内情報を受けながら歩行している際、後方から自動車3110あるいは自転車等の車両などが接近した場合、接近警報信号を受け取ることができる。特にハイブリッドカーまたは電気自動車、自転車のように走行音が小さい乗り物の場合に有効である。
図67は、上述した各実施例におけるマイコン回路226の内部構成を示すブロック図である。図67に示されるように、CPU4010、ROM4012、RAM4014、画像制御部4016、コントローラ4022、入力制御部4026、復調回路224DUR等、受信強度測定回路224MUR等およびAGC回路(U)225AU等はバス4030に接続されている。図67において、上述した二次元情報取得部、仮想音像定位部等をソフトウェアで実現する場合のコンピュータ・プログラムは、ROM4012、メモリーカード4024等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録しておくことができる。二次元情報取得部等のコンピュータ・プログラムは、ROM4012からバス4030を介し、またはメモリーカード4024等の記録媒体からコントローラ4022を経由してバス4030を介しRAM4014(メモリ)へロードされる。入力制御部4026は上下スイッチ213SW1等のスイッチ部4028と接続されスイッチ213SW1等のスイッチ制御等を行う。画像メモリであるVRAM4018は小型ディスプレイ712またはヘッドマウントディスプレイ等の少なくとも一画面分のデータ容量に相当する容量を有しており、画像制御部4016はVRAM4018のデータを画像データへ変換して小型ディスプレイ712またはヘッドマントディスプレイ等の表示装置4020へ送出する機能を有している。脱着可能な記録媒体としては上述したメモリーカード4024の他に、メモリ・スティック、CDまたはDVD等を用いることができる。
なお、上述した本発明の実施例1に係る装置は、上記以外に以下の構成が可能である。上記図4(A)、(B)、(C)における眼鏡部を用いずに図68(A)、(B)、(C)で示すヘッドバンドのみによる構成、上記図4(A)、(B)、(C)における眼鏡部やヘッドバンドを用いずに図69(A)、(B)、(C)で示す帽子を用いた構成、上記図10による回路例の代わりに図70の回路例を用い、FM変調、PM変調またはPWM、パルス位置変調(PPM)、あるいはディジタル変調された光信号を使用してアナログ処理を行う構成、上記図10による回路例の代わりに図71の回路例を用い、AM変調された光信号を使用してアナログ処理を行う構成である。以下、図面をもとに順次説明する。
図68(A)、(B)、(C)は本発明の実施例1における光信号受信機1の構成を、上記眼鏡部を用いずにヘッドバンドのみにより構成する場合の例である。図68(A)等に示されるように、眼鏡部の代わりに前後ヘッドバンド214Bと外周ヘッドバンド214Cが用いられている。その他の構成並びに機能は図4(A)、(B)、(C)による光信号受信機と同様であるため、説明は省略する。
図69(A)、(B)、(C)は本発明の実施例1における光信号受信機1の構成を、上記眼鏡部やヘッドバンドを用いずに帽子を用いて構成する場合の例である。図69(A)等に示されるように、眼鏡部の代わりに帽子214Dが用いられている。その他の構成並びに機能は図4(A)、(B)、(C)による光信号受信機と同様であるため、説明は省略する。。
図70は、本発明の実施例1においてFM変調、PM変調またはPWM、パルス位置変調(PPM)、あるいはディジタル変調された光信号を使用し、左右上下方向の二次元情報を検知してアナログ演算による手法で仮想音像定位を行うための回路例を示すブロック図である。図10に示される回路と異なる点は、図70に示されるように、図10におけるマイコン回路226の代わりに、アナログ演算を行う加算・増幅回路226AAU、226AAL、226AAR、226AADが用いられていることである。概各加算・増幅回路の機能は、受信強度測定回路224MUR、224MUL、224MLR、224MLLから出力されるアナログ受信強度信号を適宜加算・増幅し、AGC回路225AU、225AL、225AR、225ADにアナログ信号として伝送することにある。例えば加算・増幅回路226AAUは左斜め上方向の受光素子212ULと右斜め上方向の受光素子212URで受光した光信号の強度を受信強度測定回路224MULと224MURによってアナログ受信強度信号に変換した後に加算することによって上方向からの光信号強度を得、AGC回路225AUに適した入力レベルに増幅する機能を有するものである。加算・増幅回路226AAL、226AAR、226AADも同様に、それぞれ左方向からの光信号強度、右方向からの光信号強度、下方向からの光信号強度を得て接続されたAGC回路に光信号強度信号を伝達する機能を有する。
図71は、本発明の実施例1においてAM変調された光信号を使用し、左右上下方向の二次元情報を検知してアナログ演算による手法で仮想音像定位を行うための回路例を示すブロック図である。図10に示される回路と異なる点は、図71に示されるように、図10における受信強度測定回路とAGC回路が省略されていることである。復調回路224DUR、224DUL、224DLR、224DLL、から出力された復調信号は、AM変調された光信号を復調した信号であるため、受信強度に比例した振幅を有する。よってこれらの信号を加算・増幅回路226AAU、226AAL、226AAR、226AADによって加算、増幅し、音声電力増幅回路225PU、225PL、225PR、225PDに伝達することにより、仮想音像定位を得ることができる。