JP6044424B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに関する。
昨今、エンジンにおける酸性凝縮水が問題となることがある。酸性凝縮水の問題は、エンジンの暖機完了前の機関停止時に発現しやすくなる。このため、所定条件において、いわゆる、自動停止制御が実行されるエンジンにおいては、機関の運転時間が短くなる傾向にあり、酸性凝縮水の問題が顕著となる。このような状況下、例えば、特許文献1には、排気再循環装置の腐食を抑制すべく、凝縮水の蒸発が促進される促進状態であると判定されるまで自動停止制御を禁止する提案がされている。
特開2010−121574号公報
ところで、酸性凝縮水の問題は、排気再循環装置だけでなく、筒内噴射を行うインジェクタにおいても生じ得る。インジェクタの先端部に設けられた噴孔が酸性凝縮水によって腐食すると、スモークが大幅に悪化し、フィルタの詰まりを生じる等の可能性がある。このようなインジェクタにおける噴孔腐食の発現に対し、上記特許文献1で開示された提案を適用することも考えられる。
しかしながら、前記特許文献1で開示された提案を適用すると、自動停止制御による利点を放棄することにもなりかねない。また、自動停止制御が行われる場合だけでなく、通常使用時にエンジンを停止させるイグニションオフ時、ハイブリッド車におけるエンジン停止制御時においても、状況によってはインジェクタの先端部に結露する可能性がある。
そこで、本明細書開示のエンジンは、インジェクタの先端部における凝縮水の結露を効果的に抑制することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示されたエンジンは、エンジンが備える筒内に燃料を噴射するインジェクタと、前記エンジンのアクセルオフ時のインジェクタ先端部温度を用いて要求インジェクタ先端部温度を設定し、前記要求インジェクタ先端部温度に対応する要求アイドル回転数を算出するとともに、前記エンジンのアイドル回転数を算出された前記要求アイドル回転数に調整する制御部と、を備える。
アクセルオフされた後、例えば、エンジンの自動停止制御が実行される等により、エンジンが停止するまでにインジェクタ先端部温度が低下する低下代は、アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度に依存する。そこで、制御部は、アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度を用い、インジェクタの先端部に結露が生じない温度、すなわち、要求インジェクタ先端部温度を実現する要求アイドル回転数を算出する。そして、制御部は、アイドル回転数を、この要求アイドル回転数に調整する。これにより、エンジンが停止したときのインジェクタ先端部への凝縮水の付着を抑制することができる。
前記制御部は、算出された前記要求アイドル回転数が予め定められた上限閾値よりも高くなる場合に、前記要求アイドル回転数として前記上限閾値以下の値に設定するとともに、前記エンジンの負荷増大制御を行うようにしてもよい。
算出された要求アイドル回転数が予め定められた上限値よりも高くなる場合には、上限閾値以下の値を要求アイドル回転数として設定する。これにより、アイドル回転数の上限値が守られる。一方、算出された本来の要求アイドル回転数よりも低いアイドル回転数が設定されることにより、要求インジェクタ先端部温度となるための熱量が不足する。そこで、負荷増大制御を行うことにより、熱量の不足分を補って、要求インジェクタ先端部温度への到達を実現する。
また、前記制御部は、算出された前記要求アイドル回転数がアクセルオフ時のエンジン回転数よりも高くなる場合に、前記要求アイドル回転数として前記アクセルオフ時のエンジン回転数以下の値に設定するとともに、エンジンの負荷増大制御を行うようにしてもよい。
算出された要求アイドル回転数が高いと、アクセルオフしたにもかかわらず、エンジン回転数が上昇することが想定される。このような状態は、運転者へ違和感を抱かしかねない。そこで、制御部は、アクセルオフ時のエンジン回転数以下の値を要求アイドル回転数として設定する。これにより、運転者の違和感を緩和することができる。また、負荷増大制御を行うことにより、熱量の不足分を補って、要求インジェクタ先端部温度への到達を実現することができる。
前記制御部は、前記要求インジェクタ先端部温度を、エンジン停止後の前記インジェクタ先端部温度の露点到達時期が、前記エンジンのボア壁温度の露点到達時期よりも遅くなる温度に設定する。これにより、ボア壁において結露が生じ、ボア壁に凝縮水が付着するため、インジェクタ先端部における凝縮水の付着が抑制される。
本明細書開示のエンジンによれば、インジェクタの先端部における凝縮水の結露を効果的に抑制することができる。
図1は第1実施形態のエンジンの概略構成を示す説明図である。 図2はエンジン回転数の変化に伴うインジェクタ先端部温度の変化を示すグラフである。 図3(A)は比較例におけるインジェクタ先端部温度の変化の様子を示すグラフであり、図3(B)は第1実施形態におけるインジェクタ先端部温度の変化の様子を示すグラフである。 図4は第1実施形態のエンジンにおいて実施される制御の一例を示すフロー図である。 図5は要求アイドル回転数を決定するマップの一例である。 図6は第2実施形態のエンジンにおいて実施される制御の一例を示すフロー図である。 図7はアイドル回転数の上限値を維持した状態で負荷を増大し、燃料噴射量を増量する制御の様子を示すグラフである。 図8は燃料噴射量を増大したことによりインジェクタ先端部温度が上昇する様子を示すグラフである。 図9(A)は通常時のバルブタイミングを示す説明図であり、図9(B)はエンジン負荷を増大するバルブタイミングの一例を示す説明図である。 図10は第3実施形態のエンジンにおいて実施される制御の一例を示すフロー図である。 図11はエンジン回転数及び燃料噴射量の制御によるインジェクタ先端部温度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態のエンジン100の概略構成を示す説明図である。エンジン100には、燃料噴射装置1が組み込まれている。エンジン100は、筒内噴射を行うエンジン、より具体的にはディーゼルエンジンである。エンジン100は4気筒である。エンジン100は、エンジン本体101を備え、そのエンジン本体101に♯1気筒〜♯4気筒を備える。燃料噴射装置1は、♯1気筒〜♯4気筒に対応して、♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4を備える。具体的に、♯1気筒には、♯1インジェクタ107−1が装着され、♯2気筒には♯2インジェクタ107−2が装着されている。♯3気筒には♯3インジェクタ107−3が装着され、♯4気筒には♯4インジェクタ107−4が装着されている。♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4はそれぞれコモンレール120に接続され、コモンレール120から高圧の燃料が供給される。
エンジン100は、エンジン本体101に取り付けられたインテークマニホールド102、エキゾーストマニホールド103を備える。インテークマニホールド102には、吸気管104が接続されている。エキゾーストマニホールド103には排気管105が接続されると共に、EGR通路108の一端が接続されている。EGR通路108の他端は、吸気管104に接続されている。EGR通路108には、EGRクーラ109が設けられている。また、EGR通路108には、排気ガスの流通状態を制御するEGRバルブ110が設けられている。吸気管104には、エアフロメータ106が接続されている。エアフロメータ106は、ECU111に電気的に接続されている。ECU111には、インジェクタ107−i(iは気筒番号を示す)、具体的に、♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4が電気的に接続されている。ECU111は、制御部に相当し、後に詳述する各種制御を行う。
ECU111には、エンジンの回転数を測定するNEセンサ112、冷却水の水温を測定する水温センサ113及び燃料の温度を測定する燃温センサ114、クランク角センサ115、燃料性状センサ116が電気的に接続されている。ECU111は、エンジンが所定の状態となったときにエンジンを自動的に停止させる自動停止制御部111aを備える。また、ECU111は、アイドリング調整部111b、インジェクタ107−iの先端部温度を演算して取得する先端部温度取得部111cを備える。先端部温度取得部111cには、エンジンルーム内温度取得部111c1、負荷履歴格納部111c2及び水温取得部111c3が含まれる。水温取得部111c3は、水温センサ113の測定値を取得する。
ECU111は、エンジン周辺の種々の制御を行う。例えば、オルタネータ117、VVT(Variable valve timing)118及び可変ノズル式ターボチャージャーのアクチュエータ119の動作を制御する。
つぎに、このようなエンジン100におけるインジェクタ107の先端部への凝縮水の付着抑制について説明する。図2を参照すると、エンジン100の固定アイドル回転は一定に設定されている。そして、図2中、比較例として示しているように、何らの措置もとらない場合のアクセルオフ後のエンジン回転数は、直線的に固定アイドル回転数まで落ちる。そして、所定時間経過後に自動停止制御部111aの指令に基づいて、エンジン100は停止し、エンジン回転数は0となる。このようなアイドル回転数の変化に伴って、インジェクタ先端部温度もアクセルオフ後から直線に近い状態で低下する。そして、エンジン100が停止すると低下速度が速まる。このように、インジェクタ先端部温度は、エンジン回転数の変化に伴って変化する。インジェクタ先端部温度は、図3(A)を参照すると、何らの対策をとらない比較例の場合、エンジン100が停止した後、ボア101b1の温度よりも、インジェクタ先端部温度の方が先に露点温度に到達する。このため、インジェクタ107の先端部で結露が生じ、噴孔腐食の原因となる。特に、インジェクタの先端部における結露は、エンジンが停止した後の早期の段階で生じ、噴孔腐食(コロージョン)を誘発する。また、インジェクタ107は、高負荷運転で噴射圧が上昇した際のエロージョンの繰り返しで腐食が進行しやすい。このような現象は、エンジン100が完全暖機される以前に停止されると発現しやすい。このため、自動停止制御が行われると、このようにインジェクタ先端部で結露する機会が増える。
そこで、第1実施形態のエンジン100では、図3(B)に示すように、エンジン停止後のインジェクタ先端部温度の露点到達時期が、エンジン100のボア壁温度の露点到達時期よりも遅くなる制御を実施する。ボア壁温度の露点到達時期がインジェクタ先端部温度の露点到達時期よりも先であれば、ボア壁101b1で結露し、インジェクタ107の先端部での結露が回避されるためである。
インジェクタ先端部温度と、ボア壁温度とのこのような露点到達時期の関係を実現すべく、第1実施形態のエンジン100では、要求インジェクタ先端部温度A(℃)を設定し、この要求インジェクタ先端部温度A(℃)を実現する要求アイドル回転数N(rpm)を設定する制御を行う。図2を参照すると、アセルオフ後のアイドル回転数を要求アイドル回転数N(rpm)に維持することにより、インジェクタ先端部温度を要求インジェクタ先端部温度A(℃)に維持することができる。これにより、図3(B)に示すようにエンジン停止後のインジェクタ先端部温度の露点到達時期が、エンジン100のボア壁温度の露点到達時期よりも遅くすることができる。
以下、この要求アイドル回転数Nを決定し、インジェクタ先端部における凝縮水の付着を回避する制御の一例について説明する。かかる制御は、ECU111によって主体的に行われる。凝縮水の付着を回避する制御は、所定条件下に行われるアイドルアップ制御である。図4を参照すると、まず、ステップS1において、アクセルオフされたか否かが判断される。ステップS1においてNoと判断したときは、ステップS1でYesと判断されるまでステップS1の措置が繰り返される。
ステップS1でYesと判断したときは、ステップS2へ進む。ステップS2では、要求インジェクタ先端部温度A(℃)を算出する。要求インジェクタ先端部温度A(℃)は、以下の式1によって算出する。要求インジェクタ先端部温度は、先端部温度取得部111cによって演算される。

式1
A(℃)=f(水温、エンジンルーム内温度、負荷履歴)
ここで、エンジンルーム内温度はエンジンルーム内温度取得部111aにより、水温は、水温取得部111c3により取得される。また、負荷履歴は、負荷履歴格納部111c2内に格納されたデータが参照される。アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度は、インジェクタ107の周囲環境、すなわち、水温、エンジンルーム内温度の影響を受ける。また、インジェクタ107のそれまでの受熱量の影響を受ける。受熱量はそれまでの負荷履歴を参酌することによって得ることができる。このようにして得られるインジェクタ先端部温度を用いて要求インジェクタ先端部温度A(℃)を算出する。すなわち、インジェクタ先端部温度を加味して、エンジン停止後のインジェクタ先端部温度の露点到達時期が、エンジンのボア壁温度の露点到達時期よりも遅くなる温度に要求インジェクタ先端部温度A(℃)を設定する。
ここで、アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度を用いるのは、アクセルオフ後、エンジンが停止するまでにインジェクタ先端部温度が低下する低下代は、アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度に依存するためである。
本実施形態において、上記のように算出された要求インジェクタ先端部温度A(℃)には、アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度が折り込まれている。すなわち、一旦アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度を明確に提示することなく、アクセルオフ時のインジェクタ先端部温度を反映させた形で直接要求インジェクタ先端部温度A(℃)を算出している。もちろん、一旦インジェクタ先端部温度を取得し、取得したインジェクタ先端部温度を用いて要求インジェクタ先端部温度A(℃)を求める形態であってもよい。
なお、要求インジェクタ先端部温度A(℃)を算出する際に、燃料中の硫黄(S)濃度を参酌するようにしてもよい。高硫黄(S)燃料が使用された場合、燃料中の硫黄の酸濃度、すなわち、硫黄濃度が増加する。これにより、酸露点が上昇する。このため、より厳密に腐食回避の制御を実施するために要求インジェクタ先端部温度A(℃)を高めに設定する必要がある。そこで、燃料性状センサ116により検出されたS濃度を用い、要求インジェクタ先端部温度A(℃)を補正するようにしてもよい。S濃度を把握するために、燃料性状センサ116以外の、他の周知の手段を用いてもよい。
ステップS2で要求インジェクタ先端部温度A(℃)を算出した後は、ステップS3において要求アイドル回転数N(rpm)を算出し、アイドル回転数として要求アイドル回転数N(rpm)を設定する。要求アイドル回転数N(rpm)は、インジェクタ先端部における噴孔腐食を回避するための、いわば、アイドル回転数の下限ガードとなる。
要求インジェクタ先端部温度A(℃)から要求アイドル回転数N(rpm)を算出するために、例えば、図5に示す要求アイドル回転数決定マップを参酌する。まず、水温に基づいて参酌する線分を選定する。ここで、水温は、停止時のボア壁温度と相関性を有する値として参酌される。図5に示すマップを参照すると、要求インジェクタ先端部温度A(℃)が同じであっても、水温が高いほど、すなわち、ボア壁温度が高いほど、要求アイドル回転数N(rpm)が大きくなるように設定されている。
マップを参照することにより要求アイドル回転数N(rpm)が決定された後は、アイドリング調整部111bにより、エンジン回転数が要求アイドル回転数Nに調整される。これにより、図2に示すように、エンジン停止前の一定期間元々設定されている固定アイドル回転数よりも高いアイドル回転数とされ、インジェクタ先端部温度がA(℃)に維持される。この結果、図3(B)に示すように、インジェクタ先端部温度の露点温度到達に先立ってボア壁温度が露点温度に到達し、インジェクタ先端部における凝縮水の付着が抑制される。
なお、第1実施形態では、自動停止制御を実施する場合について説明しているが、通常のイグニションオフによるエンジン停止時、ハイブリット車におけるエンジン停止時にも同様の制御を適用することができる。この点は、以下に説明する第2実施形態や、第3実施形態においても同様である。
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態につき、図6乃至図9を参照しつつ説明する。図6は第2実施形態のエンジン100において実施される制御の一例を示すフロー図である。図7はアイドル回転数の上限値を維持した状態で負荷を増大し、燃料噴射量を増量する制御の様子を示すグラフである。図8は燃料噴射量を増大したことによりインジェクタ先端部温度が上昇する様子を示すグラフである。図9(A)は通常時のバルブタイミングを示す説明図であり、図9(B)はエンジン負荷を増大するバルブタイミングの一例を示す説明図である。なお、第2実施形態のエンジン100の構成は、第1実施形態のエンジン100と異なるところがないため、その詳細な説明は省略する。
ステップS11〜ステップS13の措置は、第1実施形態におけるステップS1〜S3と共通する。ステップS13に引き続き行われるステップS14では、ステップS13で算出された要求アイドル回転数N(rpm)が予め定められた上限閾値Nmax(rpm)よりも高い否かを判断する。ここで、上限閾値Nmax(rpm)は、運転者にアイドル回転数上昇に対し違和感を与えないことを考慮した値として設定されている。要求アイドル回転数N(rpm)が高いと、アクセルオフしているにもかかわらず、運転者が違和感を持つことを考慮した措置である。ステップS14でNoと判断したときは、処理は終了となる(エンド)。
ステップS14でYesと判断したときは、ステップS15へ進む。ステップS15では、要求アイドル回転数Nを上限閾値Nmaxに設定し直す。そして、エンジンの負荷増大制御であるアイドル時負荷上昇制御を行う。アイドル時負荷上制御は、ステップS13で算出された本来の要求アイドル回転数よりも低いアイドル回転数が設定されることにより、要求インジェクタ先端部温度A(℃)となるための熱量が不足することを考慮した措置である。アイドル時負荷上昇制御を行うことにより、熱量の不足分を補って、要求インジェクタ先端部温度A(℃)への到達を実現する。
アイドル時負荷上昇制御につき、図7を参照して説明する。アイドル回転数は上限閾値Nmaxに設定され、その状態で負荷を増大し、これに伴って燃料噴射量を増量する。これにより、図8に示すように、本来、元々算出された要求アイドル回転数Nよりも低いエンジン回転数である上限閾値Nmaxにおいて、インジェクタ先端部温度を要求インジェクタ先端部温度A(℃)まで引き上げることができる。
なお、再設定される要求アイドル回転数Nとして上限閾値Nmaxを設定しているが、上限閾値Nmaxよりも低い値を設定することもできる。この場合、再設定される要求アイドル回転数Nとして上限閾値Nmaxを設定する場合と比較して、アイドル時負荷上昇制御に伴う燃料噴射量を増量して、要求インジェクタ先端部温度A(℃)に到達するための発熱量の不足分を補う。
ここで、アイドル時負荷上昇制御として採用することができる措置の一例について説明する。アイドル時負荷上昇制御には、その措置を採ることによって負荷上昇し、燃料噴射量の増量が行われるものであれば採用することができる。例えば、ポンプロスを増加させることができる措置を採用することができる。例えば、Dスロの閉じ制御、ターボチャージャーのアクチュエータ119の制御による可変ノズル式ターボチャージャーの閉じ制御を行うことができる。また、オルタネータ117の発電要求を上昇させる措置を採用することもできる。さらに、図9に示すように、VVT118の制御によるバルブタイミングの変更措置を採用することもできる。具体的に、例えば、図9(A)に示す通常のバルブタイミングに対し、図9(B)に示すように、排気バルブを早開き、早閉じするとともに、吸気バルブを遅閉じする措置を採用することができる。このように、負荷が上昇することに伴って燃料噴射量が増大し、インジェクタ先端部温度を上昇させることができる。
この結果、要求インジェクタ先端部温度A(℃)が実現され、インジェクタ先端部における凝縮水の付着を抑制することができる。第2実施形態によれば、これに加えて、運転者の違和感を回避することができる。
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態につき、図10、図11を参照しつつ説明する。図10は第3実施形態のエンジン100において実施される制御の一例を示すフロー図である。図11はエンジン回転数及び燃料噴射量の制御によるインジェクタ先端部温度の変化を示すグラフである。なお、第3実施形態のエンジン100の構成は、第1実施形態のエンジン100と異なるところがないため、その詳細な説明は省略する。
ステップS21〜ステップS23の措置は、第1実施形態におけるステップS1〜S3と共通する。ステップS23に引き続き行われるステップS24では、ステップS23で算出された要求アイドル回転数N(rpm)がアクセルオフ時のエンジン回転数Nx(rpm)よりも高いか否かを判断する。ここで、アクセルオフ時のエンジン回転数Nx(rpm)を比較対象としているのは、算出された要求アイドル回転数が高いと、アクセルオフしたにもかかわらず、エンジン回転数が上昇することが想定されることを考慮したものである。アクセルオフしたにもかかわらず、エンジン回転数が上昇すると、運転者へ違和感を抱かしかねないため、これを回避する措置である。ステップS24でNoと判断したときは、処理は終了となる(エンド)。
ステップS24でYesと判断したときは、ステップS25へ進む。ステップS25では、要求アイドル回転数Nをアクセルオフ時のエンジン回転数Nxに設定し直す。そして、エンジンの負荷増大制御であるアイドル時負荷上昇制御を行う。アイドル時負荷上制御は、ステップS23で算出された本来の要求アイドル回転数よりも低いアイドル回転数が設定されることにより、要求インジェクタ先端部温度A(℃)となるための熱量が不足することを考慮した措置である。アイドル時負荷上昇制御を行うことにより、熱量の不足分を補って、要求インジェクタ先端部温度A(℃)への到達を実現する。このアイドル時負荷上昇制御については、第2実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態の制御につき、比較例とともに図11を参照しつつ説明する。まず、第1比較例は、アクセルオフ時のアイドル回転数に関する制御が行われない場合である。第2比較例は、第2実施例で示した例である。すなわち、要求アイドル回転数Nとして予め定められた上限値Nmaxとする例である。第3実施形態は、要求アイドル回転数Nをアクセルオフ時のアイドル回転数Nxとする点で、上限閾値Nmaxを変数とする例であるといえる。通常、第2実施形態における要求アイドル回転数Nよりも第3実施形態における要求アイドル回転数Nの方が低くなる。これにより、第3実施形態は、運転者の違和感緩和という点で、第2実施形態よりも有効であるといえる。一方、第2実施形態における要求アイドル回転数Nよりも第3実施形態における要求アイドル回転数Nの方が低くなるため、アイドル回転数が抑えられた分を補う燃料噴射量を、第2実施形態よりも多くしている。これにより、要求インジェクタ先端部温度A(℃)が実現され、エンジン停止後のインジェクタ先端部温度の露点到達時期を、エンジンのボア壁温度の露点到達時期よりも遅くすることができる。これにより、インジェクタ先端部における凝縮水の付着を抑制することができる。
なお、再設定される要求アイドル回転数Nとしてアクセルオフ時のエンジン回転数Nxを設定しているが、アクセルオフ時のエンジン回転数Nxよりも低い値を設定することもできる。この場合、アクセルオフ時のエンジン回転数Nxが設定される場合と比較して、アイドル時負荷上昇制御に伴う燃料噴射量を増量して、要求インジェクタ先端部温度A(℃)に到達するための発熱量の不足分を補う。ただし、再設定される要求アイドル回転数Nはアクセルオフ後の第1比較例よりも高い値とする。
以上、第1実施形態〜第3実施形態について説明したが、これらの実施形態の特徴につき、説明する以下の如くである。
インジェクタ先端部における結露、腐食に直接的に影響するインジェクタ先端部温度に基づいて制御を行うため物理的に高い確率で噴孔腐食を抑制することができる。また、基本的に、従来、エンジンが備える構成を用い、制御の適正化によって噴孔腐食を回避することができるため、新たなハード構成の追加が不要であり、コスト面で有利である。
さらに、自動停止制御の実行が妨げられることがなく、運転車が意図しないエンジン動作となることもない。EGR量の減量等を伴うこともないため、環境面や、燃費の面でも有利である。また、アクセルオフ時、すなわち、エンジン回転数が高い状態のときに要求アイドル回転Nを算出するため、必要以上にエンジン回転数を下げることがなく、捨てることとなる熱がない。このため、例えば、通常のアイドル後や自動停止制御直前でアイドルアップする等の措置と比較して燃費の面でも有利となる。
さらに、自動停止制御を実行する場合、アイドルアップ後の数秒でエンジンが停止状態となるため、追加で要求される燃料量は極微量でよく、この点でも燃費的に有利である。なお、第1実施形態〜第3実施形態の制御は、いずれもアイドルアップ制御であるが、これらの制御は水温が上昇し、暖機されるまでの間に限られる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 燃料噴射装置 100 エンジン
101 エンジン本体 102 インテークマニホールド
103 エキゾーストマニホールド 104 吸気管
105 排気管 107 インジェクタ
111 ECU 111a 自動停止制御部
111b アイドリング調整部 111c 先端部温度取得部

Claims (4)

  1. エンジンが備える筒内に燃料を噴射するインジェクタと、
    前記エンジンのアクセルオフ時のインジェクタ先端部温度を用いて要求インジェクタ先端部温度を設定し、前記要求インジェクタ先端部温度に対応する要求アイドル回転数を算出するとともに、前記エンジンのアイドル回転数を算出された前記要求アイドル回転数に調整する制御部と、
    を備えるエンジン。
  2. 前記制御部は、算出された前記要求アイドル回転数が予め定められた上限閾値よりも高くなる場合に、前記要求アイドル回転数として前記上限閾値以下の値に設定するとともに、前記エンジンの負荷増大制御を行う請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記制御部は、算出された前記要求アイドル回転数がアクセルオフ時のエンジン回転数よりも高くなる場合に、前記要求アイドル回転数として前記アクセルオフ時のエンジン回転数以下の値に設定するとともに、エンジンの負荷増大制御を行う請求項1に記載のエンジン。
  4. 前記制御部は、前記要求インジェクタ先端部温度を、エンジン停止後のインジェクタ先端部温度の露点到達時期が、前記エンジンのボア壁温度の露点到達時期よりも遅くなる温度に設定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジン。
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