JP6041829B2 - ゴルフクラブ用グリップおよびゴルフクラブ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブ用グリップに関し、特に耐摩耗性に優れたグリップに関する。
ゴルフクラブに装着されるグリップとして、ゴム製のグリップが多用されている。このようなゴム製グリップとして、例えば、特許文献1には、ガラス転移点が−40℃以上−13℃以下であるアクリロニトリル−ブタジエンゴムを基材ポリマーとし、該アクリロニトリル−ブタジエンゴムの基材ポリマー全量に占める比率を45質量%以上とした、ゴム組成物が架橋されることによって成形されており、初期歪みが10%であり振幅が±2%であり周波数が10Hzであり開始温度が−100℃であり終了温度が100℃であり昇温速度が3℃/minであり変形モードが引張である条件で粘弾性スペクトロメーターによって測定された損失係数曲線のピーク温度が、−29℃以上0℃以下であるゴルフクラブ用グリップが記載されている(特許文献1(請求項4)参照)。
特許第3701220号公報
本発明は、ウェット時のグリップ性能および耐摩耗性に優れたゴルフクラブ用グリップを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフクラブ用グリップは、基材ゴムと架橋剤とを含有するゴム組成物から成形されたものであって、前記基材ゴムが、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有することを特徴とする。基材ゴムとしてカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用することにより、ウェット時のグリップ性能はアクリロニトリル−ブタジエンゴムと同程度に維持しつつ、耐摩耗性を高めることができる。
前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのカルボキシ基を含有する単量体の含有率は、1.0質量%〜8.0質量%が好ましく、3.5質量%〜8.0質量%がより好ましい。前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのアクリロニトリル含有率は、26質量%〜34質量%が好ましい。
本発明には、シャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられたヘッドと、前記シャフトの他端に取り付けられたグリップとを備え、前記グリップが前記ゴルフクラブ用グリップであるゴルフクラブも含まれる。
本発明によれば、ウェット時のグリップ性能および耐摩耗性に優れたゴルフクラブ用グリップが得られる。
本発明のゴルフクラブ用グリップの一例を示す斜視図である。 本発明のゴルフクラブの一例を示す斜視図である。
本発明のゴルフクラブ用グリップは、基材ゴムと架橋剤とを含有するゴム組成物から成形されている。そして、本発明では、前記基材ゴムとして、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用する。カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用することで、ウェット時のグリップ性能を維持したまま、グリップの耐摩耗性を向上できる。
本発明のゴルフクラブ用グリップに使用されるゴム組成物について説明する。前記ゴム組成物は、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有する基材ゴムと架橋剤とを含有する。前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムとは、カルボキシ基を有する単量体と、アクリロニトリルと、ブタジエンとの共重合体である。前記カルボキシ基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム中のアクリロニトリル含有率は、15質量%以上が好ましく、より好ましくは18質量%以上、さらに好ましくは21質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。アクリロニトリル含有率が15質量%以上であれば耐摩耗性が良好となり、50質量%以下であれば寒冷地や冬場におけるグリップの触感が良好となる。
前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのカルボキシ基を含有する単量体の含有率は、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。カルボキシ基を含有する単量体の含有率が1.0質量%以上であれば耐摩耗性がより良好となり、30質量%以下であれば寒冷地や冬場におけるグリップの触感が良好となる。
前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのカルボキシ基含有量は、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。カルボキシ基含有量が1.0質量%以上であれば耐摩耗性がより良好となり、30質量%以下であれば寒冷地や冬場におけるグリップの触感が良好となる。
前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムとして、分子中の一部の二重結合が水素添加された水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用してもよい。この場合、前記水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムの二重結合含有量は、0.09mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.2mmol/g以上であり、2.5mmol/g以下が好ましく、より好ましくは2.0mmol/g以下、さらに好ましくは1.5mmol/g以下である。二重結合含有量が0.09mmol/g以上であれば成形時に加硫しやすくなり、2.5mmol/g以下であれば耐候性の低下が抑制できる。二重結合含有量は、共重合体中のブタジエン含有率や、共重合体への水素添加量により調整できる。
前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、市販品を使用することができる。このようなカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムとしては、例えば、ランクセス社から市販されているKrynac(登録商標) X146、Krynac X160、Krynac X740、Krynac X750、日本ゼオン社から市販されているZetpol(登録商標) 1072J、Zetpol DN631、Zetpol NX775が挙げられる。また、水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムとしては、例えば、ランクセス社から市販されているTherban(登録商標) XT KA 8889VPが挙げられる。
前記基材ゴムは、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。前記基材ゴム中のカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムの含有率は60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。基材ゴムとしてカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのみを使用することも好ましい。
前記架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物を使用できる。前記硫黄系架橋剤としては単体硫黄、硫黄ドナー型化合物が挙げられる。前記単体硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド状硫黄、不溶性硫黄が挙げられる。前記硫黄ドナー型化合物としては、4,4’−ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。前記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−ジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。前記架橋剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記架橋剤としては、硫黄系架橋剤が好ましく、単体硫黄がより好ましい。前記架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.4質量部以上、さらに好ましくは0.6質量部以上であり、4.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.5質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、基材ゴム、架橋剤に加えて、金属化合物を含有することが好ましい。金属化合物を含有することで、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムが有するカルボキシ基に金属架橋を形成できる。前記金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属過酸化物、金属水酸化物、金属炭酸化物が挙げられる。前記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化銅、酸化鉛などが挙げられる。前記金属過酸化物としては、過酸化亜鉛、過酸化クロム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウムなどが挙げられる。前記金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅などが挙げられる。前記金属炭酸化物としては、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。前記金属化合物として好ましいのは、二価金属化合物であり、より好ましくは亜鉛化合物である。これらの金属化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属化合物の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは0.6質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上であり、10.0質量部以下が好ましく、より好ましくは9.5質量部以下、さらに好ましくは9.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、さらに加硫促進剤、加硫活性剤を含有することが好ましい。
前記加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系;ジフェニルグアニジンなどのグアニジン系;ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸塩系;トリメチルチオ尿素、N,N'−ジエチルチオ尿素などのチオウレア系;メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジスルフィドなどのチアゾール系;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系;などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記加硫促進剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、0.4質量部以上が好ましく、より好ましくは0.8質量部以上、さらに好ましくは1.2質量部以上であり、8.0質量部以下が好ましく、より好ましくは7.0質量部以下、さらに好ましくは6.0質量部以下である。
前記加硫活性剤としては、金属酸化物、金属過酸化物、脂肪酸などが挙げられる。前記脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などが挙げられる。これらの加硫活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記加硫活性剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは0.6質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上であり、10.0質量部以下が好ましく、より好ましくは9.5質量部以下、さらに好ましくは9.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、さらに必要に応じて補強材、老化防止剤、軟化剤、着色剤などを配合してもよい。
前記補強材としては、カーボンブラック、シリカなどが挙げられる。前記補強材の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、2.0質量部以上が好ましく、より好ましくは3.0質量部以上、さらに好ましくは4.0質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。
前記老化防止剤としては、イミダゾール類、アミン類、フェノール類などが挙げられる。前記イミダゾール類としては、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩などが挙げられる。アミン類としては、フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。フェノール類としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。これらの老化防止剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記老化防止剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.4質量部以上であり、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは4.8質量部以下、さらに好ましくは4.6質量部以下である。
前記軟化剤としては、鉱物油、可塑剤が挙げられる。前記鉱物油としては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマチックオイルなどが挙げられる。前記可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアジペートなどが挙げられる。
前記ゴム組成物は、従来公知の方法で調製できる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの混練機を用いて、各原料を混練りすることで調製できる。混練りする際の温度(材料温度)は、90℃〜160℃が好ましい。
本発明のゴルフクラブ用グリップの形状は特に限定されず、従来公知の形状が採用できる。グリップの形状としては、例えば、シャフトが挿嵌される円筒部と、前記円筒部の後端の開口を覆うように一体形成されたキャップ部とを有する形状が挙げられる。前記円筒部の厚みは、軸方向に一定となるように形成してもよいし、先端部から後端部に向かって徐々に厚くなるように形成してもよい。また、円筒部の厚みは、径方向に一定となるように形成してもよいし、一部に凸条部分(いわゆるバックライン)を設けてもよい。また、円筒部の表面には溝を設けてもよい。溝により、ゴルファーの手とグリップとの間の水膜形成が抑制され、ウェット状態でのグリップ性能がより向上する。さらに、グリップの防滑性能および耐摩耗性の観点から、グリップ内に補強コードを配設してもよい。
ゴルフクラブ用グリップは、前記ゴム組成物を、金型内で成形することで得られる。成型方法としては、プレス成形、射出成形が挙げられる。プレス成形を採用する場合、金型温度は140℃〜200℃が好ましく、成形時間は5分間〜45分間が好ましく、成形圧力は0.1MPa〜100MPaが好ましい。
本発明のゴルフクラブは、シャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられたヘッドと、前記シャフトの他端に取り付けられたグリップとを備え、前記グリップが前記ゴム組成物から成形されたものである。前記シャフトは、ステンレス鋼製や炭素繊維強化樹脂製が使用できる。前記ヘッドとしては、ウッド型、ユーティリティ型、アイアン型が挙げられる。前記ヘッドを構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えばチタン、チタン合金、炭素繊維強化プラスチック、ステンレス鋼、マルエージング鋼、軟鉄などが挙げられる。
以下、図面を参照して、本発明のゴルフクラブ用グリップおよびゴルフクラブについて説明する。図1は、本発明のゴルフクラブ用グリップの一例を示す斜視図である。グリップ1は、シャフトが挿嵌される円筒部1aと、前記円筒部の後端の開口を覆うように一体形成されたキャップ部1bとを有する。前記円筒部1aの厚みは、先端部から後端部に向かって徐々に厚くなるように形成されている。
図2は、本発明のゴルフクラブの一例を示す斜視図である。ゴルフクラブ2は、シャフト3と、前記シャフト3の一端に取り付けられたヘッド4と、前記シャフト3の他端に取り付けられたグリップ1とを備えている。グリップ1の円筒部1aにシャフト3の後端が嵌入されている。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[評価方法]
(1)アクリロニトリル含有率
アクリロニトリル含有率は、ISO 24698−1(2008)により測定した。
(2)カルボキシ基を含有する単量体の含有率
水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムを1g量りとり、クロロホルム50mlに溶解させ、ここにチモールブルー指示薬を滴下した。この溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウムの0.05mol/Lメタノール溶液を滴下し、最初に変色するまでの滴下量(Vml)を記録した。ブランクとして水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有しないクロロホルム50mlについても、チモールブルーを指示薬として、水酸化ナトリウムの0.05mol/Lメタノール溶液を滴下し、最初に変色するまでの滴下量(Bml)を記録した。下記式により、カルボキシ基を含有する単量体の含有率を算出した。
カルボキシ基含有単量体含有率={0.05×(V−B)×PM}/10
(式中、V:試験溶液の水酸化ナトリウム溶液滴下量(ml)、B:ブランクの水酸化ナトリウム溶液滴下量(ml)、PM:カルボキシ基含有単量体の分子量、X:カルボキシ基含有単量体の価数)
(3)二重結合含有量(mmol/g)
二重結合含有量は、共重合体中のブタジエン含有率(質量%)と残存二重結合量(%)から算出した。前記残存二重結合量とは、水素添加前の共重合体中の二重結合と水素添加後の共重合体中の二重結合との質量比(水素添加後の二重結合量/水素添加前の二重結合量)であり、赤外分光法により測定できる。共重合体中のブタジエン含有率は100からアクリロニトリル含有率(質量%)およびカルボキシ基を含有する単量体の含有率(質量%)を減ずることで求められる。
二重結合量={ブタジエン含有率/45}×残存二重結合量×10
(4)耐摩耗性
耐摩耗性は、学振型摩耗試験機(スガ試験機社製、FR−2)を用いて評価した。具体的には、ゴム組成物を用いてプレス成形(成形温度160℃、成形時間15分)により、厚さ2mmのシートを作製した。このシートを長さ130mm、幅35mmの長方形状に打ち抜いて試験片を作製し、試験片台に固定した。摩擦子の先端にサンドペーパー(番手240番)を取り付け、2Nの荷重で、試験片の中央部100mmの間を毎分30回往復の速度で500回往復摩擦した。その後、試験片の試験前後の質量変化により耐摩耗性を評価した。なお、耐摩耗性は、グリップNo.1の耐摩耗性を100として、指数化した値で示した。
(5)ウェット時のグリップ性能
グリップをシャフトに取り付けて、ゴルフクラブを製作した。このグリップに水をつけてウェット状態とし、このゴルフクラブを10名のゴルファーに使用させて防滑性能を「1」から「5」の5段階で評価させた。最も滑りが生じにくいものを「5」、生じやすいものを「1」とした。各グリップの10名のゴルファーの評価値の平均を求め、グリップNo.1の防滑性能を100として、指数化した値で示した。
[グリップの作製]
表1に示す配合で各原料をバンバリーミキサー(材料温度150℃)で混練し、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物を、キャビティ面に溝パターンを備えた金型に投入した。そして、金型温度160℃、加熱時間15分間で熱処理を行い、ゴルフ用グリップを得た。
各グリップの評価結果を表1に示した。
Figure 0006041829
NBR:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ランクセス社製、Krynac(登録商標) 3345F(アクリロニトリル含有率33.0質量%))
XNBR1:カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ランクセス社製、Krynac X146(アクリロニトリル含有率32.5質量%))
XNBR2:カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ランクセス社製、Krynac X750(アクリロニトリル含有率27.0質量%))
HXNBR:水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ランクセス社製、Therban(登録商標) XT VPKA 8889(アクリロニトリル含有率33.0質量%、残存二重結合量3.5%))
硫黄:鶴見化学工業社製、5%油入微粉硫黄(200メッシュ)
TMTD:テトラメチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業社製、ノクセラー(登録商標)TT−P)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、銀嶺R
過酸化亜鉛:シグマアルドリッチ社製
ステアリン酸:日油社製、ビーズステアリン酸つばき
カーボンブラック:東海カーボン社製、シーストSO(FEF)
NDIBC:ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(大内新興化学工業社製、ノクラック(登録商標)NBC)
グリップNo.1〜3は、基材ゴムとしてアクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用し、カーボンブラックの使用量を変更させたものである。これらの耐摩耗性を比較すると、グリップNo.2(カーボンブラック10質量部)はグリップNo.1よりも耐摩耗性が向上しているが、グリップNo.3(カーボンブラック30質量部)はグリップNo.2よりも耐摩耗性が劣っている。グリップNo.4〜6は、基材ゴムとしてカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用した場合である。これらのグリップNo.5、6の耐摩耗性とグリップNo.1〜3の引張強さとを比較すると、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用すれば、カーボンブラックの使用量を増加させるよりも耐摩耗性の向上効果が大きいことがわかる。
1:グリップ、2:ゴルフクラブ、3:シャフト、4:ヘッド

Claims (5)

  1. 基材ゴムと架橋剤とを含有するゴム組成物から成形されたものであって、
    前記基材ゴムが、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有し、
    前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのカルボキシ基を含有する単量体の含有率が、3.5質量%〜20.0質量%であることを特徴とするゴルフクラブ用グリップ。
  2. 前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムのアクリロニトリル含有率が、15質量%〜50質量%である請求項1に記載のゴルフクラブ用グリップ。
  3. 前記基材ゴム中のカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムの含有率が、60質量%以上である請求項1または2に記載のゴルフクラブ用グリップ。
  4. 前記カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムが、分子中の一部の二重結合が水素添加された水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムであり、
    前記水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムの二重結合含有量が、0.09mmol/g〜2.5mmol/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ用グリップ。
  5. シャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられたヘッドと、前記シャフトの他端に取り付けられたグリップとを備え、
    前記グリップが、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ用グリップであることを特徴とするゴルフクラブ。
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