JP6041550B2 - ポリ乳酸系樹脂組成物及びそれを用いたフィルム又はシート - Google Patents
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また、本発明は、ポリ乳酸系フィルム又はシート、より詳しくは、製造時や加工時に破断や裂けが生じないポリ乳酸系フィルム又はシートに関する。
また、本発明は、粘着テープ又はシート、より詳しくは、製造時や加工時に破断や裂けが生じないポリ乳酸系フィルム又はシートを基材とする粘着テープ又はシートに関する。
また、本発明は、ポリ乳酸系フィルム又はシート、より詳しくは、耐熱性に優れるとともに、製造時や加工時に破断や裂けが生じないポリ乳酸系フィルム又はシートに関する。
また、本発明は、粘着テープ又はシート、より詳しくは、耐熱性に優れるとともに、製造時や加工時に破断や裂けが生じない、ポリ乳酸系フィルム又はシートを基材とする粘着テープ又はシートに関する。
ポリ乳酸(A)と、
ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)、及び、
ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)から選択された少なくとも1種とを含み、
ポリ乳酸セグメントと非晶性ポリエステルセグメントとの重量比(前者:後者)が、98:2〜51:49であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物を提供する。
また、酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)の含有量は、ポリ乳酸(A)と、ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)と、ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)との総量100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
また、フッ素系ポリマー(E)の含有量は、ポリ乳酸(A)と、ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)と、ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)との総量100重量部に対し、0.5〜15重量部であることが好ましい。
前記ポリ乳酸系樹脂組成物を用いて形成されたポリ乳酸系フィルム又はシートであって、
下記式(1)で求められる成膜時結晶化部の融解吸熱量ΔHc′が30J/g未満であり、且つ、
引裂強度(JIS K7128−3 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法に準拠)が、少なくとも流れ方向(MD方向)に引裂いたときに160N/mm以上である、
ポリ乳酸系フィルム又はシートを提供する。
ΔHc′=ΔHm−ΔHc (1)
[式中、ΔHcは、DSCにて測定される、成膜後のポリ乳酸系フィルム又はシートの昇温過程での結晶化に伴う発熱量(J/g)であり、ΔHmは、一度融解させた後に、降温過程で結晶化させ、その後、再昇温させたときの融解に伴う吸熱量(J/g)である。なお、降温過程で結晶化可能領域は全て結晶化しており、再昇温過程では再結晶化に伴う発熱はないものとする]
上記ポリ乳酸系フィルム又はシートを、以下単にポリ乳酸系フィルム又はシート(P)と称する場合がある。
ポリ乳酸(A)と、
ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)、及び、
ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)から選択された少なくとも1種とを含み、
ポリ乳酸セグメントと非晶性ポリエステルセグメントとの重量比(前者:後者)が、98:2〜80:20であるポリ乳酸系樹脂組成物を用いて形成されたポリ乳酸系フィルム又はシートであって、
上記式(1)で求められる成膜時結晶化部の融解吸熱量ΔHc′が30J/g以上であり、且つ、
引裂強度(JIS K7128−3 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法に準拠)が、少なくとも流れ方向(MD方向)に引裂いたときに120N/mm以上であることを特徴とする、
ポリ乳酸系フィルム又はシートを提供する。
上記ポリ乳酸系フィルム又はシートを、以下単にポリ乳酸系フィルム又はシート(Q)と称する場合がある。
本願発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、
ポリ乳酸(A)と、
非晶性ポリエステル(B)及びトリブロック共重合体(C)から選択された少なくとも1種とを含み、
ポリ乳酸セグメントと非晶性ポリエステルセグメントとの重量比(前者:後者)が、98:2〜51:49であることを特徴とするが、上記以外の点では、特に制限されない。
本発明の粘着テープ又はシートの基材として用いられるポリ乳酸系フィルム又はシートは、ポリ乳酸(A)を含む樹脂フィルム又はシートである。ポリ乳酸の原料モノマーである乳酸は、不斉炭素原子を有するため、光学異性体のL体とD体が存在する。本発明で使用するポリ乳酸(A)は、どちらも使用できる。L体の乳酸を主成分とした場合、製造時に不純物として混入するD体の乳酸の含有量が少ないものほど、高結晶性で高融点の重合体となるため、できるだけL体純度の高いものを用いるのが好ましく、L体純度が95%以上のものを用いるのがより好ましい。D体の乳酸を主成分とした場合は、その反対で、D体純度が95%以上のものを用いるのが好ましい。
カラム:TSKgel SuperHZM−H/HZ2000/HZ1000
カラムサイズ:4.6mmI.D.×150mm
溶離液:クロロホルム
流量:0.3ml/min
検出器:RI
カラム温度:40℃
注入量:10μl
非晶性ポリエステル(B)は、ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が30000〜600000であれば良く、その他の点では特に制限されない。
本発明のトリブロック共重合体(C)は、例えば、非晶性ポリエステル(B0)の両末端の水酸基を起点に、ラクチドを開環重合させることによって得られる。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、上記の成分のほか、酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)を含んでいてもよい。ポリ乳酸系樹脂組成物として、酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)を配合したものを用いることにより、ロール滑性を付与できる。このため、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物をカレンダー成膜機等により溶融状態にし、金属ロール間の空隙を通過させて成膜させる際に、フィルム又はシートが金属ロールの表面から容易に剥離し、円滑に成膜することができる。酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、フッ素系ポリマー(E)を含んでいてもよい。フッ素系ポリマー(E)は、例えば、溶融張力調整剤や、結晶化促進剤として利用される。フッ素系ポリマー(E)としては、例えば、テトラフルオロエチレン系ポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等が挙げられる。フッ素系ポリマー(E)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。フッ素系ポリマー(E)としては、特に、テトラフルオロエチレン系ポリマー(E′)を好適に用いることができる。
結晶化促進剤としては、上記フッ素系ポリマー(E)のうち結晶化促進剤として利用可能なフッ素系ポリマー[例えば、テトラフルオロエチレン系ポリマー(E′)等]以外のものを用いることもできる。このような結晶化促進剤[結晶化促進剤と称する場合がある]としては、結晶化促進の効果が認められるものであれば、特に限定されないが、ポリ乳酸セグメントの結晶格子の面間隔に近い面間隔を持つ結晶構造を有する物質を選択することが望ましい。結晶格子の面間隔がポリ乳酸セグメントの結晶格子の面間隔に近い物質ほど、ポリ乳酸セグメントの結晶核剤としての効果が高いからである。そのような結晶化促進剤としては、例えば、有機系物質であるポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、フェニルホスホン酸亜鉛、フェニルホスホン酸カルシウム、フェニルホスホン酸マグネシウム、無機系物質のタルク、クレー等が挙げられる。なかでも、最も面間隔がポリ乳酸セグメントの面間隔に近似し、良好な結晶化促進効果が得られるフェニルホスホン酸亜鉛が好ましい。結晶化促進剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本願発明のポリ乳酸系フィルム又はシートのうち、
ポリ乳酸系フィルム又はシート(P)は、
本願発明のポリ乳酸系樹脂組成物を用いて形成されたポリ乳酸系フィルム又はシートであって、
下記式(1)で求められる成膜時結晶化部の融解吸熱量ΔHc′が30J/g未満であり、且つ、
引裂強度(JIS K7128−3 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法に準拠)が、少なくとも流れ方向(MD方向)に引裂いたときに160N/mm以上であるが、上記以外の点では、特に制限されない。
ΔHc′=ΔHm−ΔHc (1)
[式中、ΔHcは、DSCにて測定される、成膜後のポリ乳酸系フィルム又はシートの昇温過程での結晶化に伴う発熱量(J/g)であり、ΔHmは、一度融解させた後に、降温過程で結晶化させ、その後、再昇温させたときの融解に伴う吸熱量(J/g)である。なお、降温過程で結晶化可能領域は全て結晶化しており、再昇温過程では再結晶化に伴う発熱はないものとする]
ポリ乳酸系フィルム又はシート(Q)は、
ポリ乳酸(A)と、
ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)、及び、
ジオールとジカルボン酸とを反応させることによって得られ、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)から選択された少なくとも1種とを含み、
ポリ乳酸セグメントと非晶性ポリエステルセグメントとの重量比(前者:後者)が、98:2〜80:20であるポリ乳酸系樹脂組成物を用いて形成されたポリ乳酸系フィルム又はシートであって、
上記式(1)で求められる成膜時結晶化部の融解吸熱量ΔHc′が30J/g以上であり、且つ、
引裂強度(JIS K7128−3 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法に準拠)が、少なくとも流れ方向(MD方向)に引裂いたときに120N/mm以上であるが、上記以外の点では、特に制限されない。
本願発明のポリ乳酸系フィルム又はシートの製造方法としては、特に制限されないが、例えば、二軸押出機等による連続溶融混練機、又は加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ロール混練機等のバッチ式溶融混練機により、各成分を均一分散させた樹脂組成物を調製し、これを、例えば、溶融成膜法、例えば、プレス成型法、又は、Tダイ法、インフレーション法等の押出法、さらに又はカレンダー法、ポリッシング法等により成膜、冷却固化すること等により製造することができるが、溶融成膜法により成膜されたものであることが、使用材料の自由度、生産性、経済性の観点から好ましい。
特にポリ乳酸系フィルム又はシート(Q)の場合は、より高温で使用可能とするために、結晶化させることが好ましい。
(1)溶融成膜して冷却させる過程で、結晶化温度の工程を施すことにより結晶化させる方法、
(2)溶融成膜して冷却させた後に、結晶化温度の工程を施すことにより結晶化させる方法、及び、
(3)溶融成膜して冷却させた後に、一軸あるいは二軸の延伸を行うことにより延伸結晶化させる方法等がある。
(1)溶融成膜して冷却させる過程で、結晶化温度の工程を施すことにより結晶化させる方法、である。
この方法であれば、成膜時の残留応力によるひずみの影響を受けにくく、高温下でも熱収縮の影響の少ないポリ乳酸系フィルム又はシートを得ることができる。
本願発明の粘着テープ又はシートは、
本願発明のポリ乳酸系フィルム又はシートを基材とする粘着テープ又はシートであって、上記以外の点では、特に制限されない。
<B1の重合例>
プロピレングリコール(PG)300gとコハク酸(SA)233gを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下で、150℃のオイルバス中700Torrの条件で混合した。その後、生成する水を除去しながら7hかけて300Torrまで徐々に減圧し、脱水反応を行った。その後、生成物の重量に対し0.2wt%量のチタンテトラノルマルブトキシドを加え、窒素雰囲気下、150℃のオイルバス中で混合した。そして30Torrまで徐々に減圧後、1h毎に10℃昇温して行き、180℃になるまで加熱し、その温度で84h反応させた。この反応により得られた非晶性ポリエステルB1のNMRより求めた数平均分子量Mn(NMR)は9200であった。そのGPCによる数平均分子量Mn(GPC)は15900、重量平均分子量Mw(GPC)は27000であった。
B1と同様の方法で数平均分子量Mn(NMR)が11500、Mn(GPC)が20000、重量平均分子量Mwが36000のポリプロピレンサクシネート(PPS)を合成した。得られたPPS 30gを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、150℃のオイルバス中で30分間、加熱攪拌した。その後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をPPSの水酸基に対し、モル比で0.7mol%となる量を加え、20min反応させた。得られたB2のGPCRより求めた数平均分子量Mn(GPC)は59100、重量平均分子量Mw(GPC)は142000であった。
<C1の重合例>
数平均分子量Mn(NMR)が18700のポリプロピレンサクシネート(PPS)21.7g、及びL−ラクチド28.3gを反応容器に仕込み、高真空下(0.5Torr以下)、40℃のオイルバス中で5h攪拌し、乾燥させた。その後、L−ラクチドに対し9.0×10-3mol%量のオクチル酸スズを加え、40℃で2h、及び90℃で1h乾燥を行った。その後、混合物を180℃で30min加熱して、重合を行った。重合生成物をジクロロメタンに溶解させた後、大過剰のメタノール中に投入して析出させ、濾過、乾燥した。得られたトリブロック共重合体CのNMRより求めた数平均分子量Mn(NMR)は49200であった。そのGPCによる数平均分子量Mn(GPC)は59100、重量平均分子量Mw(GPC)は142000であった。
<NMRによる構造解析>
ポリマーの構造解析は、600MHz 1H−NMR分析装置を用い、以下の条件で測定した。
装置:Brucker UltraSheld Plus spectrometer
溶媒:重クロロホルム
基準物質:テトラメチルシラン(TMS) 0.03vol%
試料濃度:30g/L
非晶性ポリエステル(B)
δ = 1.20 (-OCH2CH(CH 3 )-OH),
1.23 (-OCH(CH 3 )CH2-OH),
1.25 (-OCH2(CH 3 )CH-O-:PG繰り返し部),
2.64 (-CH 2 -:SA繰り返し部) ,
3.59, 3.68 (-OCH(CH3)CH 2 -OH),
3.97, 4.13 (-OCH 2 CH(CH3)-OH),
4.04 (-OCH2CH(CH3)-OH),
4.09, 4.18 (-OCH 2 (CH3)CH-O-:PG繰り返し部),
5.03 (-OCH(CH3)CH2-OH),
5.15 ppm (-OCH2(CH3)CH-O-:PG繰り返し部).
トリブロック共重合体(C)
δ = 1.25 (-OCH2(CH 3 )CH-O-:PPS繰り返し部),
1.49 (CH 3 :ポリ乳酸末端部),
1.52 (CH 3 :PLA-PPS(一級水酸基末端側)結合部のPPS部),
1.58 (CH 3 :ポリ乳酸繰り返し部),
2.64 (-CH 2 -:PPS繰り返し部のSA部),
4.09, 4.18 (-OCH 2 (CH3)CH-O-:PPS繰り返し部),
4.14, 4.25 (-OCH(CH3)CH 2 -O-:PPS-PLA結合部のPPS部),
4.35 (CH:ポリ乳酸末端),
5.15 (-OCH2(CH3)CH-O-:PPS繰り返し部),
5.17 (CH:ポリ乳酸繰り返し部).
Mn(NMR)は末端基のシグナルと主鎖のシグナルの積分比から重合度を計算して求めた。
数平均分子量Mn(GPC)及び重量平均分子量Mw(GPC)は島津製作所製SEC分析装置(LC-20ADポンプ、RID-10A RI検出器から成る)を用いて、以下の測定条件で測定した。
カラム:TOSOH TSK gel Super HZM-N/Super HZ-H columns
溶離液:クロロホルム
流量:0.25mL/min
検出器:RI
カラム温度:40℃
注入量:10μl
ガラス転移温度及び融点は、Perkin Elmer Diamond DSC熱分析装置により、α−アルミナをレファレンスとして窒素下で測定した。サンプルを−40℃から200℃に昇温速度20℃/分で昇温(1回目昇温)の後、200℃から−40℃にインタークーラーを用いてクエンチすることにより急冷した。次に−40℃から200℃に20℃/分で昇温(2回目昇温)した。この2回目昇温の時の変曲点によるガラス転移温度及び融点測定した。以下に測定条件を示す。
装置:Perkin Elmer Diamond DSC thermal analyzer
条件:測定温度域−40℃→200℃→quench→−40℃→200℃
昇温速度:20℃/min
測定雰囲気:窒素雰囲気下
A1:ポリ(L)乳酸、
(重量平均分子量165000、ガラス転移温度63.6℃、融点169.7℃
商品名「テラマックTP−4000」、ユニチカ社製)、
B1:ポリプロピレンサクシネート、重量平均分子量27000、
ガラス転移温度−10.4℃、融点なし
B2:ポリプロピレンサクシネート、重量平均分子量142000、
ガラス転移温度 −6.8℃、融点なし
B3:ポリプロピレンサクシネート、重量平均分子量233000、
ガラス転移温度 −6.5℃、融点なし
B4:ポリプロピレンサクシネート、重量平均分子量528000、
ガラス転移温度 −6.2℃、融点なし
B5:ポリプロピレンサクシネート、重量平均分子量612000、
ガラス転移温度 −6.2℃、融点なし
C1:ポリ(L)乳酸−ポリプロピレンサクシネート−ポリ(L)乳酸、
重量平均分子量39000−66000−39000、
ガラス転移温度14.1℃、融点142.0℃
C2:ポリ(L)乳酸−ポリプロピレンサクシネート−ポリ(L)乳酸、
重量平均分子量48000−41000−48000、
ガラス転移温度26.2℃、融点157.0℃
C3:ポリ(L)乳酸−ポリプロピレンサクシネート−ポリ(L)乳酸、
重量平均分子量38700−106700−38700、
ガラス転移温度11.6℃、融点145.1℃
D1:無水マレイン酸基含有変性ポリプロピレン
(重量平均分子量32000、酸価52mgKOH/g、
商品名「ユーメックス1010」、三洋化成工業社製)
E1:アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン
(商品名「メタブレンA−3000」、三菱レイヨン社製)
下記表2に示す配合割合で樹脂組成物を調製し、ミキシングロールにて溶融混練を行った後、200℃で5分間、厚さ100μmになるようにプレス成型を行い、その後、プレス機から取り出し、すぐさま水中浸漬することで、フィルムを得た。
下記表3に示す配合割合で樹脂組成物を調製し、ミキシングロールにて溶融混練を行った後、200℃で5分間、厚さ100μmになるようにプレス成型を行い、そのまま130℃まで冷却し、5分間の等温結晶化を行った。その後、プレス機から取り出し、すぐさま水中浸漬することで、フィルムを得た。
下記式(1)によって得られるΔHc′が、30J/g以上であれば、120℃以上に加熱しても、フィルム形状は維持可能である。
ΔHc′=ΔHm−ΔHc (1)
[式中、ΔHc′は、DSCにて測定される、成膜後のフィルムの昇温過程での結晶化に伴う発熱量(J/g)であり、ΔHmは、一度融解させた後に、降温過程で結晶化させ、その後、再昇温させたときの融解に伴う吸熱量(J/g)である。なお、降温過程で結晶化可能領域は全て結晶化しており、再昇温過程では再結晶化に伴う発熱はないものとする。]
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 DSC6220
条件:測定温度域:20℃→220℃→20℃→220℃
昇温/降温速度:2℃/min
測定雰囲気:窒素雰囲気下(200ml/min)
JIS K7128−3 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法に準じ測定した。使用した測定装置及び測定条件は、以下の通りである。
装置:引張試験機(オートグラフAG−20kNG、島津製作所製)
試料サイズ:JIS規格に基づいた試験片形状
条件:引張速度200mm/min
引裂強度算出方法:以下の式(2)を用い算出した。
T=(F/d) (2)
T:引裂強度(N/mm)
F:最大引張荷重(N)
d:試験片の厚さ(mm)
(合否判定) DSC測定におけるΔHc′が30J/g未満の場合は、160N/mm以上を合格とした。また、ΔHc′が30J/g以上の場合は、120N/mm以上を合格とした。
厚さ0.1mm×幅100mm×長さ100mmに切り出したサンプルを、120℃のオーブン中に3分間投入する。その後、取り出したときに元の形状を保てたものを「○」(良好)、元の形状が保てなかったものを「×」(不良)と判定した。
混練時の分散状態、成膜時の表面状態、さらには成膜後のフィルムの表面状態を目視で確認し、外観上、問題が無いものを「○」(良好)、問題があるものを「×」(不良)と判断した。外観上の問題とは、具体的には、ロール混練時に混和物表面の艶がなく、メルトフラクチャーが発生している(ロール間を通過するときのシェアに混和物が耐えられずにスリップなどを起こしている)場合、成膜後の状態として均一分散がされておらずフィルム外観にむらがある場合等が考えられる。このような症状が出たものは、連続成形を行うのは困難である。
JIS K 7161のプラスチック−引張特性の試験方法に準じて測定した。
使用した測定装置及び測定条件は、以下の通りである。
装置:引張試験機(オートグラフAG−20kNG、島津製作所製)
試料サイズ:厚さ0.1mm×幅10mm×長さ100mm
(なお、長さ方向に平行な方向がフィルム成膜時の流れ方向(MD)
となるように切り出した)
測定条件:チャック間距離:50mm
引張速度:300mm/min
Claims (11)
- ポリ乳酸(A)と、
ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、重量平均分子量が6000〜100000であるポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)とを含むポリ乳酸系樹脂組成物であって、
前記ポリ乳酸(A)の乳酸成分と前記ポリ乳酸(A 0 )の乳酸成分との光学異性体種が同一であり、
当該ポリ乳酸系樹脂組成物における、ポリ乳酸構成部と非晶性ポリエステル構成部との重量比(前者:後者)が、98:2〜51:49であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。 - ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)をさらに含む、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)が、ポリプロピレンサクシネートである、請求項2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)が、ポリプロピレンサクシネートである、請求項1〜3の何れか1項に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)をさらに含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸(A)と、ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)との総量(さらに、ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)を含む場合は、前記(A)と前記(C)と前記(B)との総量)100重量部に対し、酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)を0.1〜10重量部含む、請求項5に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)の酸価が10〜70mgKOH/gである、請求項5又は6に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 酸性官能基変性オレフィン系ポリマー(D)の重量平均分子量が10000〜80000である、請求項5〜7の何れか1項に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- フッ素系ポリマー(E)をさらに含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸(A)と、ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が10000〜120000である非晶性ポリエステル(B0)の両端に、ポリ乳酸(A0)を重合してなるトリブロック共重合体(C)との総量(さらに、ジオールとジカルボン酸とのコポリマーであって、重量平均分子量が30000〜600000である非晶性ポリエステル(B)を含む場合は、前記(A)と前記(C)と前記(B)との総量)100重量部に対し、フッ素系ポリマー(E)を0.5〜15重量部含む、請求項9に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- フッ素系ポリマー(E)がテトラフルオロエチレン系ポリマーである、請求項9又は10に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
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