JP6039495B2 - アルミナ質焼結体およびこれを用いた耐電圧部材 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧が印可されることによる沿面絶縁破壊の起こりにくいアルミナ質焼結体およびこれを用いた耐電圧部材に関する。
従来、CTスキャン等の医療機器や透過型電子顕微鏡等の分析装置に用いられるカソード−アノード間に高い電圧が印可されるX線管のハウジングや、大型加速器の壁面部材および高電圧導入端子などの高い絶縁性の求められる部位に、各種セラミックスが適用されている。
例えば、特許文献1には、X線管の高電圧ブッシング(碍管)における絶縁部材として、アルミナセラミックスを用いることが提案されている。
特開平8−106828号公報
CTスキャン等の医療機器や透過型電子顕微鏡等の分析装置のカソード−アノード間において用いられるセラミックスは、電圧が印可されるとカソード側からアノード側に向かって電子が放出され、この電子がセラミックスの表面に衝突することによって2次電子が放出される。そして、アノード側に到達する2次電子の量が許容範囲を超えたとき沿面絶縁破壊が起こる。なお、この沿面絶縁破壊は、セラミックスの表面において、酸素欠陥が多く存在するときに、電子が移動しやすく、それに伴って2次電子が多く放出されることに起因していると考えられる。
このような沿面絶縁破壊が起こると、CTスキャン等の医療機器や透過型電子顕微鏡などの分析装置において、カソード−アノード間に印可される電圧が瞬間的に降下(以降、瞬時電圧降下と記載する。)し、重要な医療データや分析データの欠落が起こる。そのため、このような用途に用いられるセラミックスは、2次電子の放出を少なくして沿面絶縁破壊が起こることを少なくする必要がある。
また、精度向上や軽量化の観点から、医療機器や分析装置等において小型化が望まれているが、単にカソード−アノード間の沿面距離を短くして小型化しただけでは、沿面絶縁破壊が起こりやすくなってしまうことから、小型化の要求に応えるためにも沿面絶縁破壊に至るまでの許容電圧を大きくする必要がある。
本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、電圧が印可されることによる沿面絶縁破壊の起こりにくいアルミナ質焼結体およびこれを用いた耐電圧部材を提供することを目的とする。
本発明のアルミナ質焼結体は、X線回折装置により測定した場合に、アルミナが最も高いピークとして表れるとともに、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物のピークが表れるアルミナ質焼結体であって、アルミナ結晶と、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物の結晶とのそれぞれに、アルカリ土類金属が固溶していることを特徴とするもの
である。
また、本発明の耐電圧部材は、放電が生じる部位に上記構成のアルミナ質焼結体を用いたことを特徴とするものである。
本発明のアルミナ質焼結体によれば、アルミナ結晶および遷移金属とアルミニウムとの酸化物の結晶いずれもの酸素欠陥が少なくなるため、2次電子の放出を抑制することができることから、電圧が印可されることによる沿面絶縁破壊を起こりにくくすることができる。
また、本発明の耐電圧部材によれば、放電が生じる部位に、本発明のアルミナ質焼結体を用いたことにより、沿面絶縁破壊が起こりにくいため、瞬時電圧降下によるデータの欠落を少なくすることができる。また、沿面絶縁破壊に至るまでの許容電圧を大きくすることができることから、沿面距離を短くすることが可能となり、搭載する機器や装置の小型化を図ることができる。
以下、本実施形態のアルミナ質焼結体およびこれを用いた耐電圧部材の一例について説明する。
本実施形態のアルミナ質焼結体は、X線回折装置により測定した場合に、アルミナが最も高いピークとして表れるとともに、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物のピークが表れるものであり、アルミナ結晶と、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物の結晶とのそれぞれに、アルカリ土類金属が固溶していることを特徴としている。
このような構成を満たしていることにより、本実施形態のアルミナ質焼結体は、アルミナ結晶および遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の結晶に存在する酸素欠陥がアルカリ土類金属の固溶によって埋められることで酸素欠陥が少なくなり、2次電子の放出が抑制されることから、電圧が印可されることによる沿面絶縁破壊を起こりにくくすることができる。
そして、電圧が印可されることによる沿面絶縁破壊が起こりにくいということは、沿面絶縁破壊に至るまでの許容電圧が大きいと言い換えることができるものであることから、CTスキャン等の医療機器や透過型電子顕微鏡等の分析装置のカソード−アノード間において本実施形態のアルミナ質焼結体を用いれば、瞬時電圧降下によるデータの欠落を少なくすることができる。併せて、沿面距離を短くすることが可能となり、搭載する機器や装置の小型化を図ることができることから、精度向上や軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態のアルミナ質焼結体において、CuのKα線を用いたX線回折装置により測定した場合に、アルミナが最も高いピークとしてチャートに表れるものである。また、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物のピークが表れるものである。これらの得られたピークの同定については、JCPDSカードデータと照合すればよい。
そして、本実施形態において遷移金属は、チタン(Ti)またはコバルト(Co)からなり、アルカリ土類金属は、ベリリウム(Be),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)の少なくともいずれかからなる。
また、アルミナ結晶および遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の結晶にアルカリ土類金属が固溶しているか否かについては、アルミナ質焼結体に研磨加工等を施した加工
面を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、付設のエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて、アルミナ結晶および遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の結晶のそれぞれにスポット(φ1nm)を当てた際、アルカリ土類金属が検出されるか否かで確認することができる。また、簡易的には、X線回折チャートをリートベルト解析し、アルミナおよび遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の格子定数の変化によって固溶しているとみなすこともできる。
具体的には、遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の結晶が、例えば、AlTiOであったとき、結晶粒内にスポットを当てた際、Ti,Al,O以外にアルカリ土類金属が検出されれば、検出されたアルカリ土類金属が固溶しているということができる。なお、この分析においては、φ1nmのスポットにおける質量を100質量%としたときの
各元素の質量割合を知ることができる。
また、沿面絶縁破壊に至るまでの許容電圧は、沿面絶縁破壊到達電圧によって確認することができる。この沿面絶縁破壊到達電圧とは、カソード−アノード間において、沿面絶縁破壊によって電圧降下に至った電圧を沿面距離(カソード−アノード間の距離)で除したものであり、本実施形態のアルミナ質焼結体によれば、この沿面絶縁破壊到達電圧は6kV/mm以上となる。
また、本実施形態のアルミナ質焼結体は、それぞれのモル%比率を、アルミナをα、遷移金属の酸化物をβ、アルカリ土類金属の酸化物をγとしたとき、α,βおよびγが、80≦α≦99.8,0.1≦β≦10,0.1≦γ≦10およびα+β+γ=100を満足してなることが好
ましい。
なお、本実施形態のアルミナ質焼結体のモル%比率は、まず、アルミナ質焼結体の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸などの溶液に溶解した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100)を用いて測定し、得られたAl、遷移金属、アルカリ土類金属の含有量から、それぞれ酸化物に換算する。そして、それぞれの分子量からモル比を算出し、モル比の合計を分母、それぞれのモル比を分子として算出することにより、モル%比率を求めればよい。
具体的には、遷移金属がチタンであり、アルカリ土類金属がマグネシウムであるとき、Al,Ti.Mgの含有量から、それぞれAl,TiO,MgOに換算し、それぞれの分子量からモル比を算出し、モル比の合計を分母、それぞれのモル比を分子として算出することにより、モル%比率を求めればよい。
また、アルミナおよび遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の質量については、遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物がAlTiOであるとき、Tiの含有量からAlTiOに換算し、この換算に必要としたAl量をAlの含有量から差し引き、残りのAl量をAlに換算すればよい。
また、本実施形態のアルミナ質焼結体は、遷移金属がチタンであり、アルカリ土類金属がマグネシウムであることが好ましい。遷移金属がチタンであり、アルカリ土類金属がマグネシウムであるときには、2次電子の放出がさらに抑制される。理由については明らかではないが、マグネシウムが他の遷移金属よりも、アルミナ結晶および遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の結晶の酸素欠陥に入りやすくなっているためと考えられる。本実施形態のアルミナ質焼結体において、遷移金属がチタンであり、アルカリ土類金属がマグネシウムであるとき、沿面絶縁破壊到達電圧は9kV/mm以上となる。
次に、本実施形態のアルミナ質焼結体の製造方法の一例について説明する。
まず、アルミナ(酸化アルミニウム)粉末と、アルカリ土類金属の酸化物として酸化マグネシウム粉末とを所定量秤量して混合する。その後、焼成炉にて大気中1400〜1600℃で熱処理し、その後粉砕してMg固溶アルミナ粉末を得る。また、アルミナ粉末と、酸化マグネシウム粉末と、遷移金属の酸化物として酸化チタン粉末とを所定量秤量して混合する。その後、焼成炉にて大気中1400〜1600℃で熱処理し、その後粉砕してMg固溶チタン酸アルミニウム粉末を得る。
その後、Mg固溶アルミナ粉末と、Mg固溶チタン酸アルミニウム粉末とを所定量秤量して1次原料とした。なお、酸化物粉末に限らず水酸化物粉末や炭酸化物粉末等を用いてもよい。次に、この秤量後の1次原料粉末と、この秤量した1次原料粉末100質量%に対
し、例えば5質量%以下の焼結助剤と、1〜1.5質量%のPVAなどのバインダと、100質量%の溶媒と、0.1〜0.5質量%分散剤とを攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーとした後、これを噴霧造粒装置(スプレードライヤー)にて造粒し、顆粒を得る。
その後、得られた顆粒を用いて金型プレス成形法や静水圧プレス成形(ラバープレス)法などの各種成形方法により所定形状に成形し、必要に応じて切削加工を施した後、これを焼成炉にて大気雰囲気中1400〜1700℃の最高温度で焼成する。焼成後、研削加工により最終仕上げすることにより本実施形態のアルミナ質焼結体を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
アルミナ結晶および遷移金属とアルミニウムとからなる酸化物の結晶へのアルカリ土類金属の固溶の有無の異なる試料を作製し、沿面絶縁破壊の起こりにくさを確認すべく、沿面絶縁破壊到達電圧の測定を行なった。
1)本発明となる試料の顆粒の作製
まず、アルミナ粉末と、炭酸ストロンチウム粉末とを所定量混合し、焼成炉にて大気中1500℃で熱処理した後、粉砕してSr固溶アルミナ粉末を得た。また、アルミナ粉末と、炭酸ストロンチウム粉末と、酸化チタン粉末とを混合し、焼成炉にて大気中1500℃で熱処理した後、粉砕してSr固溶チタン酸アルミニウム粉末を得た。
なお、炭酸ストロンチウム粉末については、Sr固溶アルミナ粉末作製時におけるアルミナ粉末の質量と、Sr固溶チタン酸アルミニウム粉末作製時におけるアルミナ粉末および酸化チタン粉末の合計の質量との比率に基づいた量を秤量した。また、酸化チタン粉末については、Sr固溶チタン酸アルミニウム粉末作製時に、含有させたいチタン酸アルミニウムの質量に基づいて秤量した。さらに、アルミナ粉末は、Sr固溶チタン酸アルミニウム粉末作製時には、含有させたいチタン酸アルミニウムの質量に基づいて秤量し、残りがSr固溶アルミナ粉末作製時に用いるものとなるように秤量した。
そして、Sr固溶アルミナ粉末と、Sr固溶チタン酸アルミニウム粉末とを1次原料とし、この1次原料の合計100質量%に対し、1質量%のPVA(ポリビニールアルコール
)と、100質量%の溶媒と、0.2質量%の分散剤とを攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーとした。その後、このスラリーを噴霧造粒装置(スプレードライヤー)にて造粒して顆粒を得た。
2)比較例1となる試料の顆粒の作製
Sr固溶アルミナ粉末と、チタン酸アルミニウム源となるアルミナ粉末およびチタン粉末とを1次原料としたこと以外は、本発明となる試料の顆粒の作製時と同じ方法により比較例1となる試料の顆粒を作製した。
3) 比較例2となる試料の顆粒の作製
アルミナ源となるアルミナ粉末と、Sr固溶チタン酸アルミニウム粉末とを1次原料としたこと以外は、本発明となる試料の顆粒の作製時と同じ方法により比較例2となる試料の顆粒を作製した。
4)比較例3となる試料の顆粒の作製
アルミナ源となるアルミナ粉末と、チタン酸アルミニウム源となるアルミナ粉末およびチタン粉末と、炭酸ストロンチウム粉末とを1次原料としたこと以外は、本発明となる試料の顆粒の作製時と同じ方法により比較例3となる試料の顆粒を作製した。なお、1次原料は、本発明、比較例1〜3ともに、AlをAl、TiをTiO、SrをSrOと換算したときのモル%比率は90:5:5となるように秤量してある。
次に、それぞれ得られた顆粒を用い、金型内に充填してプレスし、その後、切削加工を施して所定形状の成形体を得た。次に、得られた成形体を焼成炉に入れて大気雰囲気中1600℃の最高温度で焼成した。そして、焼成後に研削加工を施し、外径がφ20mm、厚みが5mmの円板形状の試料をそれぞれ複数個得た。
そして、X線回折装置(PANalytical社製:X’PertPRO)を用いて、2θ=8°〜80°,CuKα測定の条件で複数の試料表面を測定し、得られたX線回折チャートからJCPDSカードに基づき主ピークの同定を実施し、いずれの試料にもアルミナおよびチタン酸アルミニウムが存在していることを確認した。また、アルミナのピークは最も高いものであった。
また、試料の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸などの溶液に溶解した後、ICP発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100)を用いて測定し、得られたAl,Ti,Srの含有量から、AlをAl、TiをTiO、SrをSrOに換算した。そして、それぞれの分子量からモル比を算出し、モル比の合計を分母、それぞれのモル比を分子として算出することにより、モル%比率を求めたところ、本発明、比較例1〜3ともに、Al:TiO:SrO=90:5:5であった。
また、試料のうち1つを切断し、その切断面を研磨加工した後、透過型電子顕微鏡で観察し、付設のエネルギー分散型X線分光器を用いて、結晶粒内の複数個所にφ1nmのスポットを当てて分析した。なお、アルミナおよびチタン酸アルミニウムにおいて、アルカリ土類金属であるストロンチウムが検出された試料については「○」、検出されなかった試料については「−」と表1に示した。
次に、沿面絶縁破壊到達電圧を算出すべく、各試料の両主面の端部に金属電極をメタライズにより接合した。そして、予め電源端子から各金属電極に接続した配線を介して大容量電源(最大電圧120kV)により、徐々に高電圧を印可した。そして、電圧降下に至っ
た電圧を金属電極間の距離である沿面距離(試料厚み5mm)で除すことにより沿面絶縁破壊到達電圧を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006039495
表1から、アルミナ結晶およびチタン酸アルミニウム結晶において、ストロンチウムが検出(固溶)された本発明の試料は、沿面絶縁破壊到達電圧が高く、印可される電圧によって沿面絶縁破壊の起こりにくいアルミナ質焼結体であることがわかった。
次に、遷移金属およびアルカリ土類金属を表2に示すように種々変更した試料No.1〜8を作製し、沿面絶縁破壊到達電圧の測定を行ない、得られた値の順位付けを行なった。なお、遷移金属源やアルカリ土類金属源となる粉末を異ならせたこと以外は、実施例1における本発明の試料と同様の方法により作製した。結果を表2に示す。
Figure 0006039495
表2から、遷移金属がTi(チタン)であり、アルカリ土類金属がMg(マグネシウム)である組み合わせのときが、最も高い沿面絶縁破壊到達電圧の値が得られた。
次に、組成を表3に示すように種々変更した試料No.9〜38を作製し、沿面絶縁破壊到達電圧の測定を行なった。組成を異ならせたこと以外は、実施例1における本発明の試料と同様の方法により作製した。
そして、実施例1と同様の方法により、各試料におけるAl,TiO,MgOのモル%比率を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006039495
表3から、モル%比率が、80≦α≦99.8,0.1≦β≦10,0.1≦γ≦10およびα+β+γ=100を満足する試料No.10〜15,18〜22,26〜36については、沿面絶縁破壊到達電圧
が11kV/mm以上と高い値が得られ、印可される電圧によって沿面絶縁破壊の起こりにくい良好なアルミナ質焼結体であることがわかった。
また、試料No.9〜16の結果から、遷移金属の酸化物とアルカリ土類金属の酸化物とのモル%比率は、等モルに近いことが好ましいことがわかった。
これらの実施例から明らかなように、本発明のアルミナ質焼結体は、沿面絶縁破壊が起こりにくいものであることから、放電が生じる部位に用いたとき、瞬時電圧降下によるデータの欠落を少なくすることができることから、耐電圧部材として好適であることがわかった。また、沿面絶縁破壊に至るまでの許容電圧を大きくすることができることから、本発明のアルミナ質焼結体耐電圧用部材として用いることにより、沿面距離を短くすること
が可能となり、搭載する機器や装置の小型化を図れることがわかった。

Claims (4)

  1. X線回折装置により測定した場合に、アルミナが最も高いピークとして表れるとともに、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物のピークが表れるアルミナ質焼結体であって、アルミナ結晶と、遷移金属およびアルミニウムからなる酸化物の結晶とのそれぞれに、アルカリ土類金属が固溶していることを特徴とするアルミナ質焼結体。
  2. それぞれのモル%比率を、前記アルミナをα、前記アルカリ土類金属の酸化物をβ、遷移金属の酸化物をγとしたとき、α,βおよびγが下記を満足してなることを特徴とする請求項1に記載のアルミナ質焼結体。
    80≦α≦99.8
    0.1≦β≦10
    0.1≦γ≦10
    α+β+γ=100
  3. 前記遷移金属がチタンであり、前記アルカリ土類金属がマグネシウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミナ質焼結体。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ質焼結体を放電が生じる部位に用いたことを特徴とする耐電圧部材。
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