JP6038695B2 - 構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電パターンを備える構造体およびその製造方法に関する。
近年、電子装置の薄型化、およびその構成の簡素化のために、導電パターンを筺体と一体的に形成する技術が開発されている(特許文献1)。
特許文献1には、第1注入層、第2注入層、アンテナラジエータおよび外層がこの順に積層された筐体が開示されている。
特許文献1に開示されている技術では、第1注入層上の一部分に第2注入層を成形し、第2注入層上にアンテナラジエータを形成した後に、第1注入層の露出部分およびアンテナラジエータを覆うように外層を成形している。
米国特許出願公開第2011/0316759号明細書(2011年12月29日公開)
特許文献1に開示されている技術では、外層を成型する際に、第1注入層の露出部分では、外層が当該第1注入層と溶け合い、良好に密着(溶着)する。しかし、アンテナラジエータが形成されている部分では、外層はアンテナラジエータとは溶け合わないため、密着性が弱く、アンテナラジエータと外層とが剥離してしまうという課題がある。
アンテナラジエータと外層とが剥離してしまうと、アンテナラジエータが動作する共振周波数がずれてしまう虞がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、第一樹脂層上に導電パターンを形成し、その上に第二樹脂層を成形してなる構造体において、導電パターンと第二樹脂層とが剥離することを防ぐための技術を提供することにある。
本発明の一態様に係る構造体は、その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体であって、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものである。
本発明の一態様に係る構造体の製造方法は、その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体の製造方法であって、上記構造体は、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものであり、上記導電パターンを第一樹脂層上に形成する工程と、上記密着層を上記導電パターン上に形成する工程と、第二樹脂層を上記密着層上に形成する工程と、を包含する。
本発明の一態様によれば、密着層と導電パターンおよび密着層と第二樹脂層が密着し、少なくとも一方は特に強く密着する。これにより、導電パターンと第二樹脂層とが剥離することを好適に防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係る構造体の製造工程を概略的に示す側方断面図である。 本発明の一実施形態に係る構造体のバリエーションを示す側方断面である。 本発明の変形例に係る構造体の概略構成を示す側方断面図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信装置の概略構成を示す側方断面図である。
本発明に係る構造体は、その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体であって、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものである構成である。
本発明に係る構造体の製造方法は、その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体の製造方法であって、上記構造体は、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものであり、上記導電パターンを第一樹脂層上に形成する工程と、上記密着層を上記導電パターン上に形成する工程と、第二樹脂層を上記密着層上に形成する工程と、を包含する構成である。
(構造体の概要)
本発明に係る構造体は、アンテナエレメント、信号伝送経路、電力伝送経路等としての導電パターンを必要とする電子装置一般に組み込まれることで、当該電子装置に当該導電パターンを提供するものである。例えば、一実施形態において、本発明に係る構造体は、アンテナ装置に組み込まれ、当該アンテナ装置に備えられるアンテナエレメントを提供するようになっている。本発明に係る構造体は、また、例えば、電子装置に組み込まれ、回路基板と他の電子部品とを接続する信号伝送経路、電力伝送経路等を提供するようになっていてもよいし、回路基板とグランドとを接続する経路を提供するようになっていてもよい。
なお、本発明に係る構造体は、電子装置に固定されていてもよいし、着脱可能に装着されていてもよい。また、一実施形態において、本発明に係る構造体は、電子装置の筐体の少なくとも一部を構成してもよい。言い換えれば、本発明に係る構造体は、導電パターン形成筐体であり得る。なお、筐体とは、電子装置が備える電子部品を格納する部材を指し、導電パターン形成筐体とは、導電パターンが形成されている筐体を指す。但し、本発明に係る構造体は、これに限定されず、電子装置が備える筐体以外の部材であってもよい。
本発明に係る構造体では、導電パターンが第一樹脂層および第二樹脂層によって挟まれているために、導電パターンの外部への露出を抑制することができる。これにより、美観を確保し、導電パターンの損傷、変形、劣化等を防ぐことができる。
第一樹脂層および第二樹脂層は、ともに射出成形物であり、同じ樹脂から構成されていても、異なる樹脂から構成されていてもよい。第一樹脂層および第二樹脂層を構成する樹脂としては、これらに限定するものではないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(PC−ABS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、メタクリル樹脂(PMMA)等から選択される一種類以上の樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂には、強度を上げるためにガラス等の他の材料を混合してもよい。
また、一つの局面において、第一樹脂層を構成する樹脂として、第二樹脂層を構成する樹脂よりも耐熱性を有する樹脂を用いてもよい。これにより、第二樹脂層を成形するときに、第一樹脂層および第二樹脂層を形成する樹脂が過度に溶け合うことを抑制できる。例えば、第一樹脂層を構成する樹脂としてPC、第二樹脂層を構成する樹脂としてABSを用いることができる。
導電パターンは、第一樹脂層の表面に形成された導電体からなるパターンである。導電体の種類は、導電性を有するものであれば特に限定されず、銅、鉄、ニッケル、金等の金属、導電性ポリマー、導電性カーボン等を用いることができる。また、導電パターンの形成方法は、特に限定されないが、例えば、金属を、第一樹脂層の表面にメッキすることによって導電パターンを形成してもよいし、導電体を含有する導電ペーストを、第一樹脂層の表面に印刷することによって導電パターンを形成してもよいし、銅箔などの可撓性を有する薄膜状の導電性体を、第一樹脂層の表面に貼付することによって導電パターンを形成してもよい。また、導電パターンの形成に用いる導電体は一種類に限定されない。例えば、銅パターンの上に金メッキを施すなど、複数の導電体を組み合わせて導電パターンを形成してもよい。
例えば、一実施形態において、LDS(Laser Direct Structuring)法を用いて導電パターンを形成することができる。すなわち、第一樹脂層を構成する樹脂に有機金属を混合しておき、第一樹脂層の表面の導電パターンを形成する領域にレーザ照射する。これによって、レーザ照射部へ有機金属を析出させ、また、レーザ照射部を微細に荒らして(凹凸を作り)、当該有機金属をそのレーザ照射部に結合させることにより、導電パターンを好適に形成することができる。また、他の実施形態において、DPA(Direct Printed Antenna)法を用いて導電パターンを形成してもよい。DPA法とは、あらかじめ導電パターンを作成するための印刷版を用意し、その版から導電パターン形状をパットなどにより樹脂面へ転写する方法である。
上述の方法、特にLDS法では、レーザ照射により第一樹脂層の表面に導電パターンを生成しているため、第一樹脂層と導電パターンとが非常に強く密着する。
そして、本発明に係る構造体では、導電パターンと第二樹脂層との間に、導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように絶縁性の密着層が設けられている。当該密着層は、導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が導電パターンよりも高いか、より好ましくはその両方を満たす(すなわち、導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高く、かつ、第二樹脂層に対する密着性が導電パターンよりも高い)ものである。
なお,本明細書において「密着性」とは、二つの部材間の密着の強さを示すものであり、言い換えれば、二つの部材間における剥離の起こり難さを示すものである。
このような密着層は、上述した条件を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、絶縁性の接着剤、または第二樹脂層とは異なる絶縁性の樹脂によって形成することができる。接着剤としては、これに限定するものではないが、例えば、ボンド(ホットメルトボンドを含む)、シリコン系の接着剤、エポキシ系の接着剤等が挙げられる。また、樹脂としては、これに限定するものではないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等(但し、第二樹脂層と異なるもの)が挙げられる。
また、導電パターンをアンテナエレメントとして使用する場合、密着層は、比誘電率および誘電正接の少なくとも一方が、第二樹脂層よりも低いものであることが好ましい。アンテナエレメントに隣接する部材の比誘電率および誘電正接の少なくとも一方を低くすることにより、第二樹脂層による損失、波長短縮効果の影響が小さくなり、アンテナ特性を改善することができる。さらには、密着層を介してアンテナエレメントと重なる第二樹脂層を密着層の厚さ分だけ薄くすることにより、第二樹脂層による損失、波長短縮効果の影響が小さくなり、アンテナ特性を改善することができる。
また、密着層の材料は、第一樹脂層上に第二樹脂層を成形するときに、融解するものであることが好ましい。成形時に密着層を形成する材料が融解することにより、密着層と導電パターンおよび第二樹脂層との密着性を高めることができる。このような材料としては、例えば、ホットメルトボンド、または融点の低い樹脂等が挙げられる。
また、密着層を形成する材料は、成形が終了した時に粘性をもつ半液体等であってもよい。成形終了時に密着層が粘性を有することにより、密着層と導電パターンおよび第二樹脂層との密着性を高めることができる。
また、本発明に係る構造体は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、公知の射出成形技術を用いて、第一樹脂層を所望の形状に形成する(第一樹脂層形成工程)。次いで、上述した手法を用いて、第一樹脂層の表面に導電パターンを形成する(導電パターン形成工程)。
そして、導電パターンの少なくとも一部を覆う密着層を形成する(密着層形成工程)。密着層形成工程では、密着層として接着剤を用いる場合には、当該接着剤を塗布すればよい。また、密着層として樹脂を用いる場合には、当該樹脂を含む樹脂溶液を塗布してもよいし、第一樹脂層上に、導電パターンの少なくとも一部を覆うように密着層を成形してもよい。塗布方法については、はけで塗る、スプレー等で吹き付ける等の方法を用いてもよい。
その後、第一樹脂層上に、導電パターンを挟むように第二樹脂層を積層する(積層工程)。このとき、成形型に第一樹脂層を配置した状態で、第二樹脂層を、第一樹脂層と一体に成形することにより(インサート成型)、第一樹脂層と第二樹脂層とを、良好に密着(接着)することができる。また、導電パターンと第二樹脂層とによって密着層を挟み、密着層が導電パターンおよび第二樹脂層の両方に密着するようにする。また、上述したように、このとき、密着層が溶解することが好ましい。これにより、密着層と、導電パターンおよび第二樹脂層との密着性を高めることができる。また、成形終了時においても、粘性をもつ半液体であることが好ましい。これにより、密着層と、導電パターンおよび第二樹脂層との密着性を高めることができる。
また、本発明における構造体では、第一樹脂層と第二樹脂層との間に導電パターン、および、接着剤、樹脂等から形成される密着層を挟み込む構造になっている。そのため、本発明における構造体は、密着層を、第一樹脂層と一体に成形し、さらに、第二樹脂層を、第一樹脂層および密着層と一体に成形する、いわゆる三色成形により形成してもよい。
密着層が設けられていない場合、導電パターンが広範囲になるにつれて第一樹脂層と第二樹脂層との接触面積がさらに減少する。そのため、導電パターンと第二樹脂層とが剥離してしまうと、更に第一樹脂層と第二樹脂層とが剥離してしまう虞がある。しかし、本発明では、密着層が、導電パターンと第二樹脂層との間に、導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられているため、導電パターンが広範囲になっても、密着層と、導電パターンおよび第二樹脂層との密着性を維持することができ、その結果、第一樹脂層と第二樹脂層との剥離を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、導電パターンがアンテナエレメントとして機能する形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
(構造体10)
図1の(d)に示すように、構造体10は、第一樹脂層1、アンテナエレメント(導電パターン)2、密着層3および第二樹脂層4を備えており、密着層3は、アンテナエレメント2と第二樹脂層4との間に、アンテナエレメント2および第二樹脂層4に密着するように設けられている。
なお、上述したように、密着層3は、アンテナエレメント2に対する密着性が第二樹脂層4よりも高いか、第二樹脂層4に対する密着性がアンテナエレメント2よりも高いか、より好ましくはその両方を満たすものである。なお、例えば、密着層3が、アンテナエレメント2に対する密着性が第二樹脂層4よりも高く、かつ、第二樹脂層4に対する密着性がアンテナエレメント2よりも高いものである場合、アンテナエレメント2と密着層3との間の密着性、および、密着層3と第二樹脂層4との間の密着性が、何れも密着層3を設けなかった場合のアンテナエレメント2と第二樹脂層4との間の密着性よりも向上する。
なお、図4に示すように、構造体10は、無線通信装置100に組み込まれ得る。その場合、構造体10は、下部筐体12とともに、無線通信装置100の筐体(導電パターン形成筐体)を構成し、実装部品/シールド7、内部基板8および電子回路部9からなる内部装置11を格納するようになっている。ただし、本発明に係る構造体はこれに限定されず、無線通信装置以外の電子装置に組み込まれていてもよい。
図1は、構造体10の製造過程の概要を模式的に示す図である。まず、図1の(a)に示すように、第一樹脂層1を成形する(第一樹脂層形成工程)。次いで、図1の(b)に示すように、第一樹脂層1上にアンテナエレメント2を形成する(導電パターン形成工程)。そして、図1の(c)に示すように、アンテナエレメント2上に密着層3の材料を形成(塗布)する。そして、第二樹脂層4が密着層3を覆うように、第一樹脂層1上に第二樹脂層4を成形する。すなわち、アンテナエレメント2および密着層3が形成された第一樹脂層1を成形型内に配置し、当該成形型に第二樹脂層4を形成する樹脂を注入して第二樹脂層4を成形する。これにより、図1の(d)に示すように、アンテナエレメント2が内蔵され、第一樹脂層1上に第二樹脂層4が成形された構造体10を製造することができる。
(密着層の形状のバリエーション)
以下、本実施形態における密着層3の形状のバリエーションについて、図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る構造体のバリエーションを示す側方断面図である。
図2の(a)に示すように、構造体20において、アンテナエレメント2が設けられていない部分において、密着層3の厚さを、アンテナエレメント2よりも厚くすることもできる。これにより、第一樹脂層1と第二樹脂層4との間隔を一定にすることもできる。
図2の(b)に示すように、構造体30において、密着層3がアンテナエレメント2のみを覆っていてもよい。通常、第一樹脂層1と第二樹脂層4とは強い力で密着しているため、密着層3を介して、これらの層を密着させる必要はない。一方、アンテナエレメント2と第二樹脂層4とは弱い力で密着するため、密着層3を介して、これらの層を密着させることにより、密着層3がない場合に比べて密着性を向上させることができる。よって、密着層3およびアンテナエレメント2、または、密着層3および第二樹脂層4が強固に密着し、アンテナエレメント2の剥離を抑制することができる。
図2の(c)に示すように、構造体40において、密着層3がアンテナエレメント2の一部を覆い、アンテナエレメント2の他の部分を覆っていなくてもよい。例えば、第二樹脂層4の厚みを余り取れない場合、密着層3を配置すると、その部分で第二樹脂層4が薄くなり、第二樹脂層4の強度が弱くなることがある。このような場合でも、密着層3がアンテナエレメント2の一部を覆うようにすることで、密着層3を配置するために第二樹脂層4が薄くなる部分を小さくして、第二樹脂層4の強度を確保しつつ、アンテナエレメント2と第二樹脂層4との密着性を向上させることができる。
図2の(d)に示すように、構造体50において、密着層3がアンテナエレメント2の上面のみを覆っていてもよい。すなわち、アンテナエレメント2の側面は密着層3で覆われていない。この場合も、通常、第一樹脂層1と第二樹脂層4とは強い力で密着しているため、密着層3を介して、これらの層を密着させる必要はない。一方、アンテナエレメント2と第二樹脂層4とは弱い力で密着するため、密着層3を介して、これらの層を密着させることにより、密着層3がない場合に比べて密着性を向上させることができる。よって、密着層3およびアンテナエレメント2、または、密着層3および第二樹脂層4が強固に密着し、アンテナエレメント2の剥離を抑制することができる。
図2の(e)に示すように、構造体60において、アンテナエレメント2の形状は平面に限定されず、L字形状を有していてもよい。なお、アンテナエレメント2は任意の形状をとることができる。このような場合であっても、密着層3は、アンテナエレメント2の少なくとも一部を覆うようになっていればよく、例えば、アンテナエレメント2に沿った形状を有していればよい。
図2の(f)に示すように、構造体70において、アンテナエレメント2は第一樹脂層1上に配置されている構造に限定されず、例えば、第一樹脂層1内に埋め込まれていてもよい。このような場合であっても、アンテナエレメント2と第二樹脂層4との間に密着層3を挟むことにより、本発明の効果を得ることができる。
(変形例)
本実施形態に係る構造体10の変形例について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の変形例に係る構造体の概略構成を示す側方断面図である。
図3の(a)に示すように、構造体80において、アンテナエレメント2は、L字型の形状をしており、第一樹脂層1の側面に伸びた部分において、第二樹脂層4に覆われていない露出部5を含んでいる。そして、この露出部5を、密着層3が覆っている。また、図3の(b)に示すように、構造体90において、アンテナエレメント2は、L字型の形状をしており、第一樹脂層1の上面および側面上の両方において、第二樹脂層4に覆われていない露出部6を含んでいる。そして、この露出部6を、密着層3が覆っている。
アンテナエレメント(導電パターン)が、第二樹脂層に覆われていない露出部を有している場合、当該部分において、腐食、傷、UV等による劣化が生じるおそれがある。
これに対し、図3の(a)および(b)に示す変形例では、露出部5または6を、密着層3が覆うようになっている。ここで、密着層3は、腐食(さび、酸化等を含む)、傷、UV等に対するコーティング剤または塗装の機能を備えていることが好ましい。これにより、新たな部材を設けることなく、アンテナエレメント2の腐食、傷、UV等による劣化を抑制することができる。
なお、密着層3に、コーティング剤または塗装の機能を付与するためには、例えば、密着層3の材料として、外観に使用する塗料を用いてもよいし、コーティング剤または塗料を密着層3の材料に混合してもよい。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る構造体は、その表面に導電パターン(アンテナエレメント2)が形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体であって、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものである。
上記の構成によれば、密着層と導電パターンおよび密着層と第二樹脂層が密着し、少なくとも一方は特に強く密着する。これにより、導電パターンと第二樹脂層とが剥離することを好適に防ぐことができる。
本発明の一態様に係る構造体では、上記導電パターンは、アンテナエレメントであってもよい。
上記の構成によれば、アンテナエレメントを内蔵する構造体を提供することができる。
本発明の一態様に係る構造体では、上記密着層は、比誘電率および誘電正接の少なくとも一方が、第二樹脂層よりも低いものであってもよい。
上記の構成によれば、アンテナエレメントに隣接する部材の比誘電率および誘電正接の少なくとも一方を低くすることにより、第二樹脂層による損失、波長短縮効果の影響が小さくなり、アンテナ特性を改善することができる。
本発明の一態様に係る構造体では、上記導電パターンは、第二樹脂層に覆われていない露出部を含んでおり、当該露出部を、上記密着層が覆っていてもよい。
上記の構成によれば、上記導電パターンが、第二樹脂層に覆われていない露出部を含んでいる場合であっても、当該露出部を密着層が覆うため、当該露出部の劣化を防ぐことができる。
本発明の一対応に係る構造体の製造方法は、その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体の製造方法であって、上記構造体は、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものであり、上記導電パターンを第一樹脂層上に形成する工程と、上記密着層を上記導電パターン上に形成する工程と、第二樹脂層を上記密着層上に形成する工程と、を包含する。
上記の構成によれば、本発明の一態様に係る構造体を好適に製造することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、導電パターンを備える構造体、および当該構造体を備える無線通信装置の製造分野において利用可能である。
1 第一樹脂層
2 アンテナエレメント(導電パターン)
3 密着層
4 第二樹脂層
5、6 露出部
7 実装部品/シールド
8 内部基板
9 電子回路部
11 内部装置
10、20、30、40、50、60、70、80、90 構造体
100 無線通信装置

Claims (3)

  1. その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体であって、
    上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、
    上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものであり、
    上記導電パターンは、アンテナエレメントであり、
    上記導電パターンは、第二樹脂層に覆われていない露出部を含んでおり、
    上記密着層は、上記露出部を覆っていることを特徴とする構造体。
  2. 上記密着層は、比誘電率および誘電正接の少なくとも一方が、第二樹脂層よりも低いことを特徴とする請求項に記載の構造体。
  3. その表面に導電パターンが形成された第一樹脂層上に、当該導電パターンを挟むように第二樹脂層を成形してなる構造体の製造方法であって、
    上記構造体は、上記導電パターンと第二樹脂層との間に、上記導電パターンおよび第二樹脂層に密着するように設けられた絶縁性の密着層をさらに備えており、
    上記密着層は、上記導電パターンに対する密着性が第二樹脂層よりも高いか、第二樹脂層に対する密着性が上記導電パターンよりも高いか、またはその両方を満たすものであり、
    上記導電パターンは、アンテナエレメントであり、
    上記導電パターンは、第二樹脂層に覆われていない露出部を含んでおり、
    上記密着層は、上記露出部を覆っており、
    上記導電パターンを第一樹脂層上に形成する工程と、
    上記密着層を上記導電パターン上に形成する工程と、
    第二樹脂層を上記密着層上に形成する工程と、を包含することを特徴とする構造体の製造方法。
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