JP6038686B2 - 原動機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転する回転子を、回転子と固定子とに設けられた磁力の吸引・反発により加速させる原動機に関するものである。
磁力同士の吸引や反発を利用した原動機として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
この特許文献1に記載の「エアー駆動モータ」は、円筒内周の対称位置にN極とS極の永久磁石を取付けた固定子と、固定子の内側に、円筒と同一の中心軸に回転自在に取付けられた複数の回転子とを備え、回転子の外周面上にN極とS極の永久磁石が平行に嵌設され、且つ回転子を揺動するためのエアーシリンダを有し、エアーシリンダが、固定子の永久磁石と対峙する回転子に嵌設されたN極とS極の永久磁石の極性を所定の位置で切替えるものである。
特開2011−83121号公報
特許文献1に記載の「エアー駆動モータ」では、回転子の永久磁石の切り替えをエアーシリンダで行なっているため、ピストンの作動に時間が掛かり、回転子を変位させるのに時間を要するので、移動の切替えタイミングを取るのが難しい。従って、回転子を高速に回転させることが困難である。
そこで本発明は、回転子を高速に回転させることで、高出力を得ることができる原動機を提供することを目的とする。
本発明の原動機は、第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、前記第2の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第2の磁極に対向させて吸引させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えている。
本発明の原動機は、第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、前記第1の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第1の磁極に対向させて反発させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えている。
本発明の原動機によれば、回転子位置決め手段が、揺動用カム部のカム面の位置に応じて、回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で、回転子を揺動させて、回転子の位置の切り替えを行なっているため、瞬時に回転子の位置を変位させることができる。そして、回転子の第1の磁極を、固定子の第2の磁極に対向させて吸引させる、または固定子の第1の磁極に対向させて反発させるので、回転子を加速させることができる。従って、エアーシリンダにより回転子の位置の切り替えを行うより、スムーズに回転子を変位させることができる。
前記揺動用カム部は、第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第2の磁極に、前記回転子の第1の磁極を吸引させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、第1のカム部一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えるのが望ましい。
または、前記揺動用カム部は、第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第1の磁極に、前記回転子の第1の磁極を反発させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えるのが望ましい。
揺動用カム部が、第1のカム部と第2のカム部とにより形成されているので、回転子が回転して、回転子位置決め手段が揺動用カム部のカム面の位置に応じて、回転子の位置決めをする際に、第1のカム部により、他方の位置から一方の位置へ回転子を変位させ、第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された固定子の第2の磁極に対向させて、回転子の第1の磁極を吸引させたり、固定子の第1の磁極に対向させて、回転子の第1の磁極を反発させたりすることにより、回転子の回転に加速を与えることができる。また、第2のカム部により、一方の位置から他方の位置へ回転子を変位させることで、元の位置へ復帰させることができる。
前記回転子の第1の磁極を前記固定子の第2の磁極に吸引させるときに、前記回転子の第1の磁極に反発する第1の磁極が、前記固定子に設けられている、または、前記回転子の第1の磁極を前記固定子の第1の磁極に反発させるときに、前記回転子の第1の磁極に吸引する第2の磁極が、前記固定子に設けられていると、回転子の回転を更に加速させることができる。
前記回転子位置決め手段は、所定間隔で配置された一対の回転体により形成されており、前記第1のカム部を間に通過させて、前記回転子を第2の位置から第1の位置へ変位させる第1の回転体対と、前記第2のカム部を間に通過させて、前記回転子を第1の位置から第2の位置へ変位させる第2の回転体対とを備えるのが望ましい。
回転子位置決め手段を、一対の回転体により形成することで、回転子が回転して一対の回転体の間を通過することで、回転子を第1の位置および第2の位置へ変位させることができる。
前記第1の回転体対と前記第2の回転体対とのうち、少なくとも1つの回転体に、前記回転子の回転制御用の電動機が設けられていると、回転子を変位させながら、回転子の回転速度を調整することができる。
前記回転子は、厚み方向に揺動しながら回転する複数の揺動部により形成され、前記揺動部は、軸線方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で、前記揺動用カム部の高さ位置に応じて揺動するものであり、前記固定子は、前記回転子の半径方向の外側に、第2の磁極が配置されているのが望ましい。
回転子を複数の揺動部から形成して、揺動用カム部の高さ位置に応じて、第1の位置と第2の位置との間で揺動させることで、エアーシリンダにより回転子の位置の切り替えを行うより、スムーズに回転子を変位させることができる。
前記回転子は、回転中心となる回転軸が水平に配置され、前記揺動部は、前記回転軸に対して前記揺動部の揺動方向に向かって下り傾斜となる案内手段によりスライドするのが望ましい。
回転子の揺動部が第1の位置から第2の位置へ揺動したり、第2の位置から第1の位置へ揺動したりするときに、揺動部が揺動方向に向かって下り傾斜となった案内手段に案内されて移動するので、自重の重い揺動部であっても、容易に移動させることができる。
前記回転子は、円錐台状に形成され、前記固定子は、前記回転子を囲う傾斜面に形成された内壁に配置され、前記揺動部は、前記回転子の回転軸を中心として周方向を分割して形成され、前記案内手段は、前記揺動部を前記傾斜面に沿ってスライドさせるのが望ましい。揺動部が揺動して、案内手段に案内されて移動しても、固定子が回転子を囲う傾斜面に形成された内壁に配置されているため、揺動部と固定子との間隔が大きく変化しない。従って、揺動部と固定子との間が大きく開いて磁力の強度が低下してしまうことを防止することができる。
前記回転子は、半径方向に揺動しながら回転する複数の揺動部により形成され、前記揺動部は、第1の磁極または第2の磁極のいずれか一方が厚み方向に向けて円弧状に配置され、半径方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で、前記揺動用カム部の半径方向の位置に応じて揺動するものであり、前記固定子は、前記回転子の厚み方向の外側に、第2の磁極が配置されているのが望ましい。
厚み方向に揺動させた場合と比較して、揺動部を半径方向に揺動させながら回転させることで軸線に対する振動や荷重の影響を抑えることができる。
前記揺動用カム部は、前記揺動部の円弧状平面部に立設され、前記回転子位置決め手段は、前記揺動用カム部の立設面となるカム面の位置に応じて、前記揺動部の位置を決定するものであるのが望ましい。
揺動部の円弧状平面部に立設された揺動用カム部の立設面をカム面とすると、揺動用カム部のカム面の半径方向の位置に基づいて、回転子位置決め手段が揺動部を半径方法へ移動させることができる。
前記揺動用カム部は、前記揺動部の外周面に設けられ、前記回転子位置決め手段は、前記揺動用カム部の頭頂面となるカム面の位置に応じて、前記揺動部の位置を決定するものであるのが望ましい。
揺動部の外周面に設けられた揺動用カム部の頭頂面をカム面として、揺動用カム部のカム面の厚み(高さ)に基づいて、回転子位置決め手段が揺動部を半径方法へ移動させることができる。
本発明は、エアーシリンダにより回転子の位置の切り替えを行うより、スムーズに回転子を変位させることができると共に、回転子にエアーシリンダが設けられていないため重量の軽減を図ることができるので、高出力を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る原動機の斜視図である。 図1に示す原動機の内部を透過した状態の斜視図である。 固定子の斜視図である。 回転子と軸支部材の斜視図である。 外周部と第1の回転体対の図である。 内周部と第2の回転体対の図である。 図1に示す原動機の外周部の回転を説明するための前方側から見た斜視図である。 図7に続く原動機の外周部の回転を説明するための前方側から見た斜視図である。 図8に続く原動機の外周部の回転を説明するための前方側から見た斜視図である。 (A)は図7の状態を後方側(他側)から見た図、(B)は図8の状態を後方側(他側)から見た図、(C)は図9の状態を後方側(他側)から見た図である。 図1に示す原動機の内周部の回転を説明するための後方側から見た斜視図である。 図11に続く原動機の内周部の回転を説明するための後方側から見た斜視図である。 図12に続く原動機の内周部の回転を説明するための後方側から見た斜視図である。 (A)は図7の状態を前方側(一側)から見た図、(B)は図8の状態を前方側(一側)から見た図、(C)は図9の状態を前方側(一側)から見た図である。 固定子としてN磁石およびS磁石からなる環状部材が10列配列され、回転子として外周面にS磁石が10列配列された電動機の一例を示す筺体を一部欠いた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る他の原動機を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る原動機を示す図である。 図17に示す原動機の揺動部を内側から見た斜視図である。 図17に示す原動機を一側から見た斜視図である。 図17に示す原動機を他側から見た斜視図である。 図17に示す原動機の回転子および回転子位置決め手段を説明するための図であり、(A)は一側から見た図、(B)は他側から見た図である。 図17に示す原動機の動作を説明するための図である。 図22に続く原動機の動作を説明するための図であり、揺動部が第1の位置から第2の位置へ揺動した状態を示す図である。 図23に続く原動機の動作を説明するための図である。 図24に続く原動機の動作を説明するための図であり、揺動部が第2の位置から第1の位置へ揺動した状態を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る原動機の斜視図である。 (A)は図26に示す原動機の側面図、(B)は、(A)の反対側から、カム壁部材を省略して一部を透視した状態の側面図である。 (A)および(B)は、図26に示す電動機の固定子のS極を溝内に向けた永久磁石と、N極を溝内に向けた永久磁石とを説明するための図である。 (A)から(C)は、図26に示す原動機の揺動部が第2の位置から第1の位置へ移動する状態を説明するための図である。 (A)から(C)は、図26に示す原動機の揺動部が第1の位置から第2の位置へ移動する状態を説明するための図である。 本発明の実施の形態4に係る原動機の斜視図である。 図31に示す原動機の正面図である。 図31に示す原動機の側面図である。 図31に示す原動機の回転子を説明するための斜視図である。 (A)から(C)は、図31に示す原動機の揺動部が揺動する状態を説明するための図である。 本発明の実施の形態5に係る原動機の回転子および回転子位置決め手段を示す図である。 (1)から(C)は、図1に示す回転子の揺動部の動作を説明するための図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る原動機を図面に基づいて説明する。なお、本明細書においては、原動機の回転中心となる回転軸が突出している側を前、反対側を後ろ、回転子においては、前側を向いた側を一側、後方を向く側を他側として説明する。
図1および図2に示す原動機10は、電源装置Pにより回転制御用の4台の電動機Mを駆動して回転して、回転軸に設けられたプーリーRを回転させるものである。
原動機10は、筺体部20と、固定子30と、回転子40と、回転子位置決め手段50と、軸支部材70とを備えている。
筺体部20は、倒伏状態の円筒形の筒体21の下部に、筒体21を支持する一対の支持脚部22が設けられている。
固定子30は、筺体部20の筒体21の内壁に、回転方向に沿って配置された第1の磁極と第2の磁極とを一組として、軸線方向に並ぶ第1の位置および第2の位置に交互に配置されたものである。本実施の形態1では、図3に示すように、固定子30に、環状部材300を2列設けている。
環状部材300は、第1の磁極であるS極を内周に向けた永久磁石301(以下、S磁石と称す。)と、第2の磁極であるN極を内周に向けた永久磁石302(以下、N磁石と称す。)とを一組として、第1の位置に配置した半円部分である第1の固定磁石310と、第2の位置に配置させた半円部分である第2の固定磁石320とから構成されている。第1の固定磁石310および第2の固定磁石320のS磁石301とN磁石302との間には、所定間隔を設けた隙間303が設けられている。この隙間の位置は、回転子位置決め手段50が配置されている場所としている。本実施の形態1では、S磁石301の円弧長さより、N磁石302の円弧長さの方が長く形成されている。S磁石301とN磁石302とは、円弧状の非磁性体により第1の位置と第2の位置とに位置付けられている。本実施の形態1では、アルミ材が使用されている。
図4に示すように、回転子40は、回転子40の回転軸を中心として周方向を等分割して、厚み方向に揺動しながら回転する複数の揺動部400から構成されている。本実施の形態1では、回転子40が、軸線を中心とした中心角が120°ごとに3つに分割した3枚の揺動部400から形成されている。
揺動部400は、半径方向の外側に位置する外周部410と、半径方向の内側に位置する内周部420とから形成されている。
図5に示すように、外周部410には、略扇状に形成された基材411の一側と他側とに、第1のカム部として機能する厚みを調整するための厚み部材412,413が配置されることで、外周部410の円弧状平面部に揺動用カム部が形成される。また、同様にして、図6に示すように、内周部420には、略扇状に形成された基材421の一面側と他面側とに、第2のカム部として機能する厚みを調整するための厚み部材422,423が配置されることで、内周部420の円弧状平面部に揺動用カム部が形成される。基材411は、非磁性体により形成されている。本実施の形態1では、基材はアルミ材により形成されている。
例えば、図5(A)から同図(C)に示すように、外周部410の一側の回転方向の後側に厚み部材412が配置されている。また、外周部410の他面側の回転方向の前側に厚み部材413が配置されている。厚み部材412の前端部と厚み部材413の後端部には傾斜面412a,413aが形成されており、傾斜面412a,413aの位置を、基材411を挟んで同位置とすることで、外周部410を回転方向に沿って同じ厚みとしている。
図6(A)から同図(C)に示すように、内周部420の他側の回転方向の前側に厚み部材422が配置されている。また、内周部420の一面側の回転方向の後側に厚み部材423が配置されている。厚み部材422の後端部と厚み部材423の前端部には傾斜面422a,423aが形成されており、傾斜面422a,423aの位置を、基材421を挟んで同位置とすることで、内周部420を回転方向に沿って同じ厚みとしている。
以下、基材411の平面位置を基準に、厚み部材412,413,422,423が配置されることで高さが高くなった(厚みが厚くなった)外周部410および内周部420の位置を高位置、この厚み部材が配置されていないために、高位置より低い位置を低位置と称する。
外周部410の外周面には、第1の磁極であるS極を外周に向けた永久磁石414(以下、S磁石と称す。)が、円弧状に配置されている。本実施の形態1では、2本の環状部材300に対応させて、2列のS磁石414が基材411の外周面の軸線方向に沿って並べられている(例えば、図4参照。)。
図2に示す回転子位置決め手段50は、図5および図6に示す揺動用カム部として機能する外周部410と内周部420のカム面の位置(高さ位置)に応じて、回転子40の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動部400を揺動させるものである。
回転子位置決め手段50は、所定間隔で配置された一対の回転体により形成されている。具体的には、回転子位置決め手段50は、図5および図6に示すように、外周部410を間に通過させる一対の回転体から形成された第1の回転体対510と、第1の回転体対510と回転軸60を挟んで反対側に配置され、内周部420を間に通過させる一対の回転体から形成された第2の回転体対520とを備えている。
本実施の形態1では、第1の回転体対510がローラー511,512から形成され、第2の回転体対520がローラー521,522から形成されている。
ローラー511,512およびローラー521,522は、回転軸が回転可能に筺体部20への取付部材により支持されている。ローラー511,512の外周面同士の間隔と、ローラー521,522の外周面同士の間隔とは、外周部410と内周部420の厚みに合わせられている。
ローラー511,512の外周の長さは外周部410の円弧状平面部の円弧長さ(ローラーが回転する走行路の長さ)に合わせて形成され、ローラー521,522の外周の長さは内周部420の円弧状平面部の円弧長さに合わせて形成されている。つまり、外周部410が第1の回転体対510を通過すると、ローラー511,512が一周すると共に、内周部420が第2の回転体対520を通過すると、ローラー521,522が一周する。従って、外周部410を間に通過させるローラー511,512は、内周部420を間に通過させるローラー521,522より直径が大きい。
ローラー511,512と、ローラー521,522のそれぞれの回転軸には、図4に示すように、電動機Mが接続されている。本実施の形態1では、電動機Mとして直流モータが接続されている。この電動機Mは、図1に示す電源装置Pから出力されるパルスによってPWM制御される。
図4に示すように、回転子40の回転中心の空洞部には、回転子40と共に回転して回転軸60を回転させる軸支部材70が設けられている。軸支部材70には、略三角形状に形成された部材本体71の各辺から、それぞれの揺動部400へ向かって、揺動部400の揺動をガイドするガイド支持部材72が突設されている。
ガイド支持部材72には、軸線に沿って溝が形成され、この溝に、内周部420の内周面に突設された略L字状の腕部材424の先端のベアリングが嵌装されることで、軸支部材70に回転子40の揺動部400を連結させながら、それぞれの揺動部400を、第1の位置と第2の位置との間を揺動可能としている。
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る原動機10の動作および使用状態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態1に係る原動機10は、固定子30および回転子40に2列の永久磁石を配列しているが、理解を容易とするために、図7から図14においては、固定子および回転子に配置された永久磁石が1列のものを例に説明する。
また、図4に示す軸支部材70と連結するための腕部材424や、ローラー511,512の回転軸、電動機Mなどは、省略している。
まず、図1に示すように、電源装置Pからそれぞれの電動機Mに電源を供給して電動機Mを回転駆動させる。
電動機Mを回転させると、図5に示すように、第1の回転体対510(ローラー511,512)および、図6に示すように、第2の回転体対520(ローラー521,522)が回転することで、図4に示す回転子40が回転し始める。
図5(A)、図7、および図10(A)に示すように、第1の回転体対510のローラー511は、外周部410の低位置にあり、ローラー512は、外周部410の高位置にある。従って、第1の回転体対510を通過している揺動部400は、第2の位置である。第1の回転体対510の位置では、固定子30の第1の固定磁石310が第1の位置に配置されているため、第1の固定磁石310からの磁力は、第1の回転体対510を通過している揺動部400のS磁石414に作用しない。
図5(B)、図8、および図10(B)に示すように、揺動部400の回転が進行して、揺動部400のS磁石414が、第1の固定磁石310のN磁石302とS磁石301とに跨り、揺動部400の全部が、第1の固定磁石310の範囲内となる位置まで回転すると、第1の回転体対510のローラー511が、厚み部材412の傾斜面412aへ乗り上げ、ローラー512が、厚み部材413の傾斜面413aを下る。第1の回転体対510は変位しないため、ローラー511が揺動部400を押し下げることで、徐々に揺動部400のS磁石414が第2の位置から第1の位置へ移動させられる。
図5(C)、図9、および図10(C)に示すように、更に、揺動部400の回転が進行して、ローラー511が厚み部材412上である高位置に位置し、ローラー512が基材411上である低位置に位置することで、揺動部400のS磁石414が第1の位置へ変位して回転をする。
第1の固定磁石310のN磁石302とS磁石301とは、第1の位置に配置されているため、揺動部400のS磁石414は、第1の固定磁石310のN磁石302とS磁石301と対向する。
揺動部400のS磁石414は、回転方向の後部に位置する第1の固定磁石310のS磁石301と同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第1の固定磁石310のN磁石302と異極であるため吸引される。従って、揺動部400は、回転方向へ加速される。
次に、第2の回転体対520を通過する内周部420について説明する。
図9および図10(C)に示す状態、つまり、揺動部400が第1の位置に位置した状態で、第2の回転体対520へ進行する。
図6(A)、図11、および図14(A)に示すように、第2の回転体対520のローラー521は、内周部420の厚み部材422に位置することで高位置にあり、ローラー522は、内周部420の基材421に位置することで低位置にある。従って、ローラー521により押し下げられた状態となるため、第2の回転体対520を通過している揺動部400は、第1の位置を維持する。第2の回転体対520の位置では、固定子30の第2の固定磁石320が第2の位置に配置されているため、第2の固定磁石320からの磁力は、第2の回転体対520を通過している揺動部400に作用しない。
図6(B)、図12、および図14(B)に示すように、揺動部400の回転が進行して、揺動部400のS磁石414が、第2の固定磁石320のN磁石302とS磁石301とに跨り、揺動部400の全部が、第2の固定磁石320の範囲内となる位置まで回転すると、第2の回転体対520のローラー521が、厚み部材422の傾斜面422aを下り、ローラー522が、厚み部材423の傾斜面423aに乗り上げる。第2の回転体対520は変位しないため、ローラー522が揺動部400を押し上げることで、徐々に揺動部400のS磁石414が第1の位置から元の位置である第2の位置へ移動させられる。
図6(C)、図13、および図14(C)に示すように、更に、揺動部400の回転が進行して、ローラー521が基材421上である低位置に位置し、ローラー522が厚み部材423上である高位置に位置することで、揺動部400のS磁石414が第2の位置へ変位して回転をする。
第2の固定磁石320のN磁石302とS磁石301とは、第2の位置に配置されているため、揺動部400のS磁石414は、第2の固定磁石320のN磁石302とS磁石301と対向する。
揺動部400のS磁石414は、回転方向の後部に位置する第2の固定磁石320のS磁石301と同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第1の固定磁石310のN磁石302と異極であるため吸引される。従って、揺動部400は、回転方向へ加速される。
そして、揺動部400が第2の位置に位置した状態で、第1の回転体対510の方向へ回転して進行する。
このように、回転子位置決め手段50の第1の回転体対510および第2の回転体対520が、揺動用カム部として機能する外周部410の基材411と厚み部材412,413との段差と、内周部420の基材421と厚み部材422,423との段差とに応じて、回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で、回転子40の揺動部400を揺動させて、回転子40の位置の切り替えを行なっている。そのため、瞬時に揺動部400の位置を変位させることができる。
そして、回転子40のS磁石414を、固定子30のS磁石301に対向させて反発させると共に、固定子30のN磁石302に対向させて吸引させるので、回転子40を加速させることができる。従って、特許文献1に記載のエアー駆動モータのエアーシリンダにより回転子の位置の切り替えを行う方法より、スムーズに回転子の位置の変位を行うことができる。従って、回転子40を高速に回転させることができるので、高出力を得ることができる。
図9に示すように、回転子40が回転して、揺動部400の外周部410の回転方向の後端が、第1の回転体対510を通過するときには、ローラー511は高位置にあり、ローラー512は低位置にある。従って、回転方向の後側に位置する隣接した揺動部400を第1の回転体対510に通過させるには、ローラー511は高位置から隣接した揺動部400の低位置へ、ローラー512は低位置から隣接した揺動部400の低位置へ移る必要がある。
しかし、第1の回転体対510を通過する揺動部400は押し下げられた第1の位置にあり、隣接した揺動部400は押し上げられた第2の位置にあるため、揺動部400の高位置(厚み部材412の上面)は隣接した揺動部400の低位置(基材411の上面)と同じ高さである。第1の回転体対510を通過する揺動部400の低位置(基材411の上面)は隣接した揺動部400の高位置(厚み部材413の上面)と同じ高さである。従って、回転子40は第1の回転体対510を通過しながらスムーズに回転することができる。
また、内周部420においても、第2の回転体対520を通過する揺動部400は押し上げられた第2の位置にあり、回転方向の後側に位置する隣接した揺動部400は押し下げられた第1の位置にあるため、揺動部400の低位置(基材421の上面)は隣接した揺動部400の高位置(厚み部材422の上面)と同じ高さである。第2の回転体対520を通過する揺動部400の高位置(厚み部材423の上面)は隣接した揺動部400の低位置(基材421の上面)と同じ高さである。従って、回転子40は第2の回転体対520を通スムーズに過しながら回転することができる。
このように、回転子位置決め手段50を通過するときに、揺動部400が揺動して、隣接する揺動部400と高さを合わせることで、抵抗なく回転子40を回転させることができるので、支障なく高速回転とすることができる。
回転子位置決め手段50とした第1の回転体対510および第2の回転体対520に電動機Mが設けられているため、回転子40の回転速度を上昇させたい場合には、電動機Mの回転を電源装置Pにより調整することで可能である。従って、回転子位置決め手段50を第1の回転体対510と第2の回転体対520とで構成して電動機Mを設けることで、揺動部400を揺動させながら、回転子40の回転速度を調整することができる。
また、ローラー511,512の円周長さを、外周部410上を転がる円弧長さとし、ローラー521,522の円周長さを、内周部420上を転がる円弧長さとしているため、ローラー511,512およびローラー521,522の一回転が1/3周となるため、速度制御が容易である。
また、S磁石301の円弧長さより、N磁石302の円弧長さの方が長く形成されているため、回転子40のS磁石414がN磁石302による吸引により、強く引っ張られると共に、第1の位置を回転している揺動部400が第2の位置へ変位してしまったり、第2の位置を回転している揺動部400が第1の位置へ変位してしまったりすることを防止することができるので、揺動部400を安定した状態で回転させることができる。
固定子30の第1の固定磁石310と第2の固定磁石320のそれぞれのS磁石301とN磁石302との間に、隙間303が設けられているので、この隙間303を揺動部400が回転して移動している間に、揺動部400を第1の位置と第2の位置との間で変位させることができると共に、隣り合うS磁石301とN磁石302との間で磁力の干渉を少ないものとすることができる。
特許文献1のモータでは、回転子の外周面上にN極とS極の永久磁石が平行に嵌設されているため、回転方向に沿った2列の永久磁石が必要であるが、本実施の形態1の原動機の回転子40では、第1の位置と第2の位置との間を揺動する永久磁石がS磁石414だけであるため、回転子40を軽量に構成することができる。
また、特許文献1のモータでは、回転子の永久磁石を移動させて、回転方向の後部で同極による反発を起こさせ、回転方向の前部で異極による吸引を起こさせて加速させる際に、一旦、回転方向の後部で異極により吸引の状態となり、回転方向の前部で同極による反発の状態になるタイミングが発生する。従って、このタイミングでは、回転子は固定子によってブレーキが掛けられた状態となる。
本実施の形態1に係る原動機10では、回転子40にS磁石414だけが装着されており、回転方向の後部で同極による反発と、回転方向の前部で異極による吸引となる位置にS磁石414が跨ったときに、回転子の位置を移動させている。従って、回転子40にブレーキを掛けることなく、回転子40を回転させることができる。
また、特許文献1のモータでは、回転子と共にエアーシリンダが回転するため、エアーシリンダの重量が大きな負荷となるが、本実施の形態1に係る原動機10では、回転子40にエアーシリンダが設けられていないため重量の軽減を図ることができる。
更に、特許文献1のモータでは、回転子の揺動にエアーシリンダのピストンの押出/収縮を利用しているため、ピストンの上下方向の運動は回転子の回転に寄与しない。しかし、原動機10は、回転子40の揺動部400のカム面の位置に応じて、第1の回転体対510が回転しながら揺動部400を第2の位置から第1の位置へ変位させ、第2の回転体対520が回転しながら揺動部400を第1の位置から第2の位置へ変位させている。従って、第1の回転体対510および第2の回転体対520から得られる回転は、回転子40の回転に寄与するため、第1の回転体対510および第2の回転体対520の回転エネルギーを、回転子40を揺動させるだけでなく、無駄なく回転運動とすることができる。
なお、本実施の形態1では、第1の回転体対510および第2の回転体対520の各ローラーに電動機Mが設けられているが、少なくとも4つのローラーのうちの一つに、回転駆動源となる電動機や水力・風力・人力などによる動力源が接続されていれば、速度の調整が可能である。第1の回転体対510および第2の回転体対520はそれぞれ一対のローラーで構成しているが、回転体の回転により揺動部が回転して揺動すればよいので、揺動部にラックギヤを配置し、ローラーをピニオンギヤとして揺動部の位置決めを行うようにしてもよい。
また、回転子位置決め手段50を第1の回転体対510および第2の回転体対520としたが、間隔を固定し、揺動部400に摺動しながら揺動部400を揺動させるものとしてもよい。
本実施の形態1では、図2から図4に示すように固定子30および回転子40に永久磁石が2列配置されているが、3列以上としてもよい。また、環状の固定子30の内部を回転子40が回転するように構成されているが、固定子の外周を回転子が回転するように構成してもよい。
例えば、図15に示す原動機10xでは、固定子としてN磁石およびS磁石からなる環状部材300が10列配列され、回転子として外周面にS磁石が10列配列されている。このように固定子と回転子との永久磁石を多層化することで、高トルクを出力することができる。
また、回転子40の回転力が低下しても問題がなければ、固定子30に、回転子40のS磁石414と吸引するN磁石302を設けていれば、第1の位置および/または第2の位置に配置した固定子30のS磁石301は省略することができる。
また、第1の磁極をS極とし、第2の磁極をN極としたが、第1の磁極をN極とし、第2の磁極をS極として反対としてもよい(つまり、回転子40のS磁石414をN磁石にする場合、固定子30のS磁石301をN磁石に、N磁石302をS磁石にしてもよい。)。
更に、回転子40の揺動部400は、回転子40を3分割したものとしているが、4分割以上としてもよい。また、回転子の分割数に応じて固定子の分割数も増加させてもよい。その場合には、回転子位置決め手段も増加度合いに応じて増加させるのが望ましい。
また、原動機10では外周部410と内周部420とに揺動部400を分けて第1の位置と第2の位置との間で揺動させていたが、例えば、図16に示すように、一方のローラー531,532はカム面との接触位置を固定し、これらのローラーと対をなす図示しない他方のローラーはカム面の変位に応じて回転位置を可変とするように回転子位置決め手段を構成する。そして、揺動部400aをローラー531,532に対して回転方向の前半を薄く、後半を厚く形成する。このようにすれば、ローラー531が揺動部400aの一側のカム面の位置に応じて、揺動部400aを第1の位置から第2の位置へ変位させ、ローラー532が揺動部400aの他側のカム面の位置に応じて、揺動部400aを第2の位置から第1の位置へ変位させるようにすることで、一側を外周部410と同様に機能させ、他側を内周部420と同様に機能させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る原動機を図面に基づいて説明する。
原動機10の出力を高めるためには、回転子と固定子とをより多く並べるのが望ましい。例えば、上述した図15に示す原動機10xでは、固定子としてN磁石およびS磁石からなる環状部材300が10列配列され、回転子として外周面にS磁石が10列配列されている。しかし、出力を高めるために、回転子と固定子とを数多く並べると、揺動部は重くなり、回転位置決め手段のローラーが揺動部を押圧して揺動部を移動させにくくなる。
本実施の形態2に係る原動機は、回転子の移動をスムーズに行うことを特徴としている。なお、図17から図25においては、図1から図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図17に示すように原動機10yは、回転子40yを囲う筐体部20yの筒体21yが、一側S1から他側S2に向かって徐々に内径が拡がる円錐台状に形成されている。
筒体21yの傾斜面に形成された内壁には、固定子30yであるS磁石とN磁石とを一組とした環状部材300が設けられている。
筒体21yの内部には、回転子40yが配置されている。回転子40yは、筐体部20yの軸線に配置された回転軸60により回転自在に支持されている。回転子40yは、回転中心となる回転軸60が水平になるように配置されている。
回転軸60には、回転子40yの両端面の外側に、回転軸60と共に回転する円盤状の支持板61,61が設けられている。
図18に示すように、支持板61,61の間には、回転子40yの揺動部400yを貫通するスライド棒62が、案内手段として設けられ、回転子40yのそれぞれの揺動部400yを支持している。スライド棒62は、水平に配置された回転中心となる回転軸60に対して回転子40yの揺動部400yの揺動方向に向かって下り傾斜して揺動部400yをスライドさせるものである。
本実施の形態2では、1つの揺動部400yに2本ずつのスライド棒62が設けられているが、揺動部400yの重量に応じてスライド棒62は1本でも、3本以上としてもよい。
回転子40yが回転軸60を中心に回転したときには、下側に位置したスライド棒62は、回転子40yの直径の小さい一側S1から直径の大きい他側S2に向かって下り傾斜となる。また、上側に位置したスライド棒62は、直径の小さい一側S1から直径の大きい他側S2に向かって上り傾斜となる。
回転子40yは、揺動しながら回転する複数の揺動部400yにより形成され、図18に示すように、軽量化を図るために中空構造を有している。回転子40yは、図17に示すように、筒体21yの内壁に沿って円錐台状に形成されている。回転子40yは、外周部410と、内周部420が一体的に形成されて両端面が形成されている。
図19から図21に示すように、回転子40yの両端面の外周部410に、第1のカム部として機能する揺動用カム部が、厚み部材412,413によりに形成されている。また、回転子40yの両端面の内周部420に、第2のカム部として機能する揺動用カム部が、厚み部材422,423によりに形成されている。
この厚み部材412,413および厚み部材422,423の配置位置は、図5および図6に示す実施の形態1に係る原動機10と同じである。
以上のように構成された本発明の実施の形態2に係る原動機10yの動作および使用状態を、図面に基づいて説明する。
なお、図19から図21に示す第1の回転体対510(ローラー511,512)と第2の回転体対520(ローラー521,522)のそれぞれの回転により回転子40yが回転移動して、厚み部材412,413に対する第1の回転体対510の位置と、厚み部材422,423に対する第2の回転体対520の位置が変わる。この説明を、回転子(揺動部)の厚みが異なるが、図5および図6に基づいて説明する。
図示しない電動機を回転させると、図22に示すように第1の回転体対510(ローラー511,512)および、第2の回転体対520(ローラー521,522)が回転することで、回転子40yが回転し始める。回転子40yが回転して厚み部材422,423が回転移動すると、第2の回転体対520のローラー521,522が、厚み部材422,423に対して、図6(A)により示される位置となる。
更に、回転子40yが回転すると、図6(B)に示すように、第2の回転体対520のローラー521が、厚み部材422の傾斜面422aを下り、ローラー522が、厚み部材423の傾斜面423aに乗り上げる。
図6(C)に示すように、更に、回転子40yの回転が進行して、ローラー521が基材421上である低位置に位置し、ローラー522が厚み部材423上である高位置に位置することで、上部に位置した揺動部400yが、図23に示すように、スライド棒62に沿って下り傾斜を滑るようにスライドして、第1の位置から第2の位置へ移動させられる。
図24に示すように、揺動部400yが第1の位置から第2の位置へ移動することで、揺動部400yは、S磁石414が、図24では図示していない第2の固定磁石320のN磁石302により吸引され、S磁石301による反発されて、回転が加速される。
更に、回転子40yが回転して、揺動部400yが回転子40yの下部に位置すると、厚み部材412,413が回転移動すると、第1の回転体対510のローラー511,512が、厚み部材412,413に対して、図5(A)により示される位置となる。
そして、図5(B)に示すように、第1の回転体対510のローラー511が、厚み部材412の傾斜面412aを下り、ローラー522が、厚み部材423の傾斜面423aに乗り上げる。
図5(C)に示すように、更に、回転子40yの回転が進行して、ローラー511が基材411上である低位置に位置し、ローラー522が厚み部材423上である高位置に位置することで、図25に示すように、揺動部400yが下部に位置することで傾斜方向が変わったスライド棒62に沿って、揺動部400yが下り傾斜を滑るように第2の位置から第1の位置へ移動する。
揺動部400yが第2の位置から第1の位置へ移動することで、揺動部400yは、S磁石414が、図24では図示していない第2の固定磁石320のN磁石302により吸引され、S磁石301による反発されて、回転が加速される。
このように、回転子40yの揺動部400yが一側S1(第1の位置)から他側S2(第2の位置)へ揺動し、他側S2(第2の位置)から一側S1(第1の位置)へ揺動するときに、揺動部400yが揺動方向に向かって下り傾斜となったスライド棒62に案内されて移動するので、自重の重い揺動部400yであっても、容易に移動させることができる。
また、回転子40yが円錐台形状に形成され、固定子30yが、回転子40yを囲う傾斜面に形成された内壁に配置されているため、一側S1が小さい半径で、他側S2が大きい半径の揺動部400yが、一側S1から他側S2へスライドしたり、他側S2から一側S1へスライドしたりしても、揺動部400yと固定子30yとの間隔が大きく変化しない。
従って、揺動部400yと固定子30yとの間が大きく開いて磁力の強度が低下してしまうことを防止することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る原動機を図面に基づいて説明する。
本実施の形態3に係る原動機は、回転子の揺動部が半径方向に変位することを特徴としている。なお、図26から図29においては、図1から図25と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図26および図27に示すように原動機10zは、回転軸60を支持する支持体20zと、矩形状の固定子30zと、固定子30zの円形状の穴31内で回転する回転子40zと、回転子40zを構成する揺動部400zの位置を決定する回転子位置決め手段50zと、回転子40zの回転中心の空洞部に設けられた軸支持部材70zと、保護ローラー80とを備えている。
固定子30zに開設された穴31の周壁には、回転子40zが回転するための溝32が形成され、回転子40zの周縁部が収納されている。
溝32の溝壁には、円弧状に円柱状の永久磁石が埋設されている。固定子30zの円弧状に埋設された永久磁石は、図28(A)および同図(B)に示すように、第1の磁極であるS極を、図28では図示しない溝32内に向けた永久磁石301z(以下、S磁石と称す。)と、第2の磁極であるN極を溝32内に向けた永久磁石302z(以下、N磁石と称す。)とから構成されている。
S磁石301zと、N磁石302zとを一組として、溝32の両側の溝壁に、上半分の略半円状の第1の固定磁石310zが第1の位置に配置され、下半分の略半円状とした第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されている。
回転子40zは、回転子40zの回転軸を中心として周方向を等分割して、半径方向に揺動しながら回転する複数の揺動部400zから構成されている。本実施の形態3も実施の形態1,2と同様に、回転子40zが、軸線を中心とした中心角が120°ごとに3つに分割した3枚の揺動部400zから形成されている。
揺動部400zの外周部には、第1の磁極であるS極を、固定子30zの溝32の溝壁(回転子40zの厚み方向)に向けた円柱状の永久磁石414z(以下、S磁石と称す。)が、円弧状に埋設されて配置されている。本実施の形態3では、S磁石414zが一面側と他面側とにそれぞれ設けられている。
揺動部400zの円弧状平面部に、揺動用カム部として機能するカム壁部材431,432が円周方向に沿って立設されている。
カム壁部材431は、固定子30zの第1の固定磁石310zが設けられた揺動部400zの一面側に形成されている。カム壁部材431は、内周側に位置した第1の円弧壁部431aと、第1の円弧壁部431aから徐々に外周側へ傾斜する傾斜部431bと、第1の円弧壁部431aより外周側に位置する第2の円弧壁部431cとにより形成されていることで、第1のカム部として機能する。
カム壁部材432は、固定子30zの第2の固定磁石320zが設けられた揺動部400zの他面側に形成されている。カム壁部材432は、外周側に位置した第1の円弧壁部432aと、第1の円弧壁部432aから徐々に内周側へ傾斜する傾斜部432bと、第1の円弧壁部432aより内周側に位置する第2の円弧壁部432cとにより形成されていることで、第2のカム部として機能する。
回転子位置決め手段50zは、実施の形態1,2と同様に、第1の回転体対510(ローラー511,512)と、第2の回転体対520(ローラー521,522)とから構成されている。第1の回転体対510は、その間にカム壁部材431を通過させ、カム壁部材431の立設面であるカム面の位置に応じて、揺動部400zの位置を決定する。第2の回転体対520は、その間にカム壁部材432を通過させて、カム壁部材432の立設面であるカム面の位置に応じて、揺動部400zの位置を決定する。
軸支持部材70zは、図26に示すように、回転子40zと共に回転して回転軸60を回転させるものである。軸支部材70zには、略三角形状に形成された部材本体71の各辺から、それぞれの揺動部400zへ向かって、揺動部400zの揺動をガイドする棒状のガイド支持部材72が突設されている。
図28に示すように、保護ローラー80は、揺動部400zが落下方向に揺動するときに揺動部400zの衝撃を緩和するものである。
以上のように構成された本発明の実施の形態3に係る原動機10zの動作および使用状態を、図面に基づいて説明する。
まず、図示しない電動機を回転駆動させることで、図29および図30に示す第1の回転体対510(ローラー511,512)および、第2の回転体対520(ローラー521,522)が回転することで、回転子40zが回転し始める。
図29(A)に示すように、第1の回転体対510を通過するカム壁部材431の第1の円弧壁部431aは、揺動部400zの内周側に位置しているため、揺動部400zは、第1の回転体対510によって、軸支持部材70zの部材本体71より離間した位置にある。
従って、第1の円弧壁部431aが第1の回転体対510を通過している揺動部400zは、第2の位置である。第2の位置では、固定子30zの第1の固定磁石310zが、揺動部400zのS磁石414zより内周側に位置する第1の位置であるため、第1の固定磁石310zからの磁力は、第1の回転体対510を通過している揺動部400zのS磁石414zに作用しない。
図29(B)に示すように、揺動部400zの回転が進行して、揺動部400zのS磁石414zが、第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zとに跨り、揺動部400zの全部が、第1の固定磁石310zの範囲内となる位置まで回転すると、第1の回転体対510にカム壁部材431の傾斜部431bが入る。第1の回転体対510zは変位しないため、カム壁部材431の外側に位置するローラー511がカム壁部材431を押し下げることで、揺動部400zが押し下げられ、揺動部400zがガイド支持部材72を内部に収納しながら部材本体71に接近して、徐々に揺動部400zのS磁石414zが第2の位置から第1の位置へ移動させられる。
図29(C)に示すように、更に、揺動部400zの回転が進行して、第1の回転体対510にカム壁部材431の第2の円弧壁部431cが入ることで、揺動部400zのS磁石414zが第1の位置へ変位して回転をする。
第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zとは、第1の位置であるため、揺動部400zのS磁石414zは、第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
揺動部400zのS磁石414zは、回転方向の後部に位置する第1の固定磁石310のS磁石301zと同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第1の固定磁石310zのN磁石302zと異極であるため吸引される。従って、揺動部400zは、回転方向へ加速される。
回転子40zの上部で、第2の位置から第1の位置に変位する揺動部400zは、落下方向に移動するため、重量が重くても、容易に変位させることができる。
このとき、第2の円弧壁部431cが保護ローラー80に当接するので、揺動部400zが変位して第2の円弧壁部431cがローラー512へ当接する際の衝撃を緩和することができる。
次に、第2の回転体対520を通過する揺動部400zについて説明する。
図30(A)に示す状態、つまり、揺動部400zが第1の位置に位置した状態で、第2の回転体対520へ進行して、第2の回転体対520にカム壁部材432の第1の円弧壁部432cが入る。このとき、固定子30zの第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されているため、第2の固定磁石320zからの磁力は、第2の回転体対520を通過している揺動部400zのS磁石414zには作用しない。
図30(B)に示すように、揺動部400zの回転が進行して、揺動部400zのS磁石414zが、第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zとに跨り、揺動部400zの全部が、第2の固定磁石320zの範囲内となる位置まで回転すると、第2の回転体対520にカム壁部材432の傾斜部432bが入る。第2の回転体対520zは変位しないため、カム壁部材432の内側に位置するローラー522がカム壁部材432を押し下げることで、揺動部400zが揺動部400z内に収納したされたガイド支持部材72を内部から出しながら部材本体71から離間して、徐々に揺動部400zのS磁石414zが第1の位置から第2の位置へ移動させられる。
図30(C)に示すように、更に、揺動部400zの回転が進行して、第2の回転体対520にカム壁部材432の第2の円弧壁部432cが入ることで、揺動部400zのS磁石414zが第2の位置へ変位して回転をする。
第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zとは、第2の位置に配置されているため、揺動部400zのS磁石414zは、第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
揺動部400zのS磁石414zは、回転方向の後部に位置する第2の固定磁石320のS磁石301zと同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第2の固定磁石320zのN磁石302zと異極であるため吸引される。従って、揺動部400zは、回転方向へ加速される。
回転子40zの下部で、第1の位置から第2の位置に変位する揺動部400zは、落下方向に移動するため、重量が重くても、容易に変位させることができる。
このとき、第2の円弧壁部432cが保護ローラー80に当接するので、揺動部400zが変位して第2の円弧壁部432cがローラー522へ当接する際の衝撃を緩和することができる。
このように、回転子位置決め手段50zの第1の回転体対510および第2の回転体対520が、揺動用カム部として機能するカム壁部材431,432のカム面の位置に応じて、揺動部400zを、半径方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で揺動させて、揺動部400zの位置の切り替えを行なっている。そのため、瞬時に揺動部400zの位置を変位させることができる。
そして、回転子40zのS磁石414zを、固定子30zのS磁石301zに対向させて反発させると共に、固定子30zのN磁石302zに対向させて吸引させるので、回転子40zを加速させることができる。
また、図5や図6に示す揺動部400を厚み方向に揺動させた場合と比較して、揺動部400zを半径方向に揺動させながら回転させることで、回転軸60に対する振動や荷重の影響を抑えることができる。
また、固定子30zおよび回転子40zのそれぞれの厚み方向に永久磁石を並べることで、長さが長い磁石を配置しても、厚みが厚くなるだけなので、磁力の強い磁石を配置することができる。
本実施の形態3では、第1の固定磁石310zと第2の固定磁石320zとを、固定子30zの溝32の溝壁の両面に設け、回転子40zの両面にS磁石414zを設けているが、いずれか一方の組み合わせだけでもよい。しかし、溝32の溝壁の両面に第1の固定磁石310zと第2の固定磁石320zとを設けると、回転子40zの両面に設けたS磁石414zに対して吸引と反発が両側から作用して、揺動部400zに対して軸線方向への応力が相殺されるため、回転軸60への負担を軽減することができる。
また、回転子40zの一方の面をS磁石とし、他方の面をN磁石として、1個の永久磁石を並べるようにしてもよい。この場合、N磁石側となった、固定子では、第1の固定磁石と第2の固定磁石のN磁石とS磁石を反対となるように設ける。
また、固定子30zは、その穴31の周壁に、回転子40zを回転させるための溝31が形成されているが、回転子40zが回転できればよいので、2枚の板状の固定子の間に回転子40zを配置してもよい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る原動機を図面に基づいて説明する。
本実施の形態4に係る原動機は、回転子の揺動部が半径方向に変位し、揺動用カム部が揺動部の外周面に設けられていることを特徴としている。なお、図31から図35においては、図1から図30と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図31から図34に示すように原動機10pは、回転軸60を支持する支持体20pと、矩形板状の固定子30pと、それぞれの固定子30pの間で回転する回転子40pと、回転子40pを構成する揺動部400pの位置を決定する回転子位置決め手段50pと、回転子40pの回転中心の空洞部に設けられた軸支持部材70pとを備えている。
固定子30pには、回転子40pの円弧に合わせて、円弧状に円柱状の永久磁石が埋設されている。固定子30pの円弧状に埋設された永久磁石は、第1の磁極であるS極を固定子30p間に向けたS磁石301zと、第2の磁極であるN極を固定子30p間に向けたN磁石302zとから構成されている。
S磁石301zと、N磁石302zとを一組として、上半分の略半円状の第1の固定磁石310zが第1の位置に配置され、下半分の略半円状とした第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されている。
回転子40pは、回転子40の回転軸を中心として周方向を等分割して、半径方向に揺動しながら回転する複数の揺動部400pから構成されている。本実施の形態4では、回転軸60を中心に一対の揺動部400pを備えた回転子40pが、4枚の固定子30pのそれぞれの間に、3つ設けられている。
揺動部400pの外周部には、第1の磁極であるS極を、固定子30p(回転子40pの厚み方向)に向けた円柱状の永久磁石414z(以下、S磁石と称す。)が、円弧状に埋設されて配置されている。本実施の形態4では、実施の形態3と同様に、永久磁石414zが一面側と他面側とにそれぞれ設けられている。
図34に示すように、揺動部400pの外周面に、第1のカム部として機能する厚み(回転軸60からの半径)を調整するための厚み部材415が配置されることで、揺動用カム部が形成される。
また、同様にして、揺動部400pの外周面に、第2のカム部として機能する厚み(回転軸60からの半径)を調整するための厚み部材425が配置されることで、揺動用カム部が形成される。厚み部材415と厚み部材425とは、揺動部400pの外周面の厚みの半分ずつの幅で、外周面に沿って並べられている。
厚み部材415の中間位置と厚み部材425の中間位置には傾斜面415p,425pが形成されている。
揺動部400pの外周部には、第1の磁極であるS極を固定子30pに向けた永久磁石414z(以下、S磁石と称す。)が、円弧状に配置されている。
回転子位置決め手段50pは、第1の回転体510p(ローラー511p)と、第2の回転体520p(ローラー521p)とから構成されている。ローラー511pとローラー521pとの回転軸は回転可能に固定されている。ローラー511pは厚み部材415の頭頂面をカム面として回転し、ローラー521pは厚み部材425の頭頂面を回転することで、揺動部400pの位置を決定する。
軸支持部材70pは、回転子40pと共に回転して回転軸60を回転させるものである。軸支部材70pには、円形状に形成された部材本体71pから、それぞれの揺動部400pへ向かって、揺動部400pの揺動をガイドする棒状のガイド支持部材72が突設されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態4に係る原動機10pの動作および使用状態を、図面に基づいて説明する。
まず、図示しない電動機を回転駆動させることで、図35に示すローラー511pおよびローラー521pが回転することで、回転子40pが回転し始める。
図33(A)に示すように、揺動部400pは、厚み部材415の厚みが薄い前端部がローラー511pを通過しているため、軸支持部材70pの部材本体71pから離間した位置にある。
従って、厚み部材415の前端部がローラー511pを通過している揺動部400pは、第2の位置である。第2の位置では、固定子30pの第1の固定磁石310zが、揺動部400pのS磁石414zより内周側に位置する第1の位置であるため、第1の固定磁石310zからの磁力は、ローラー511pを通過している揺動部400pのS磁石414zに作用しない。
図35(B)に示すように、揺動部400pの回転が進行して、揺動部400pのS磁石414zが、第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zとに跨り、揺動部400pの全部が、第1の固定磁石310zの範囲内となる位置まで回転すると、ローラー511pが、厚み部材415の傾斜面415pに乗り上げる。
ローラー511pは変位しないため、ローラー511pが厚み部材415を押し下げることで、揺動部400pが押し下げられ、ガイド支持部材72を内部に収納しながら部材本体71pに接近して、徐々に揺動部400pのS磁石414zが第2の位置から第1の位置へ移動させられる。
図35(C)に示すように、更に、揺動部400pの回転が進行して、ローラー511pが厚み部材415の後端部に乗り上げることで、揺動部400pのS磁石414zが第1の位置へ変位して回転をする。
第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zとは、第1の位置であるため、揺動部400pのS磁石414zは、第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
揺動部400pのS磁石414zは、回転方向の後部に位置する第1の固定磁石310のS磁石301zと同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第1の固定磁石310zのN磁石302zと異極であるため吸引される。従って、揺動部400pは、回転方向へ加速される。
回転子40pの上部で、第2の位置から第1の位置に変位する揺動部400pは、落下方向に移動するため、重量が重くても、容易に変位させることができる。
次に、第2の回転体520pであるローラー521pを通過する揺動部400pについて説明する。
図35(A)に示す状態、つまり、揺動部400pが第1の位置に位置した状態で、ローラー521pへ進行して、ローラー521pが厚み部材425の厚みが厚い前端部に乗り上げている。このとき、固定子30zの第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されているため、第2の固定磁石320zからの磁力は、ローラー521pを通過している揺動部400zのS磁石414には作用しない。
図35(B)に示すように、揺動部400pの回転が進行して、揺動部400pのS磁石414zが、第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zとに跨り、揺動部400zの全部が、第2の固定磁石320zの範囲内となる位置まで回転すると、ローラー521pが、厚み部材425の傾斜面425pに乗り上げる。
ローラー521pは変位しないため、揺動部400pはローラー521pに支えられながら自重により下がる。揺動部400pが厚み部材425の厚みに応じて押し下げることで、揺動部400p内に収納されたガイド支持部材72を内部から出しながら部材本体71pから離間して、徐々に揺動部400pのS磁石414zが第1の位置から第2の位置へ移動させられる。
図35(C)に示すように、更に、揺動部400pの回転が進行して、ローラー521pに厚み部材425の厚みの薄い後端部が位置することで、揺動部400pのS磁石414zが第2の位置へ変位して回転をする。
第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zとは、第2の位置に配置されているため、揺動部400pのS磁石414zは、第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
揺動部400pのS磁石414zは、回転方向の後部に位置する第2の固定磁石320のS磁石301zと同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第2の固定磁石320zのN磁石302zと異極であるため吸引される。従って、揺動部400zは、回転方向へ加速される。
回転子40pの下部で、第1の位置から第2の位置に変位する揺動部400pは、落下方向に移動するため、重量が重くても、容易に変位させることができる。
このように、回転子位置決め手段50pのローラー511およびローラー521が、揺動用カム部として機能する厚み部材415,425のカム面の位置に応じて、揺動部400pを、半径方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で揺動させて、揺動部400pの位置の切り替えを行なっている。そのため、瞬時に揺動部400pの位置を変位させることができる。
また、高速で回転する揺動部400の遠心力を、揺動部400pの外側で、ローラー511およびローラー521が支持するため、回転子40pを高速でも安定させた状態で回転させることができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る原動機を図面に基づいて説明する。なお、図36および図37については、図31から図35と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略するものであり、固定子については、実施の形態4の固定子30pと同じで構成であるため、図示していない。
実施の形態4に係る原動機10p(図35参照)では、揺動部400pが、ガイド支持部材72を内部に収納しながら移動することで、半径方向に揺動していたため、対向する揺動部400pはそれぞれ独立して揺動していた。
実施の形態5ではガイド支持部材72の両端がそれぞれの揺動部400pに固定され、ガイド支持部材72が軸支持部材70pの部材本体71pを挿通した状態で行き交うことで、対向する揺動部400pのうち一方の揺動部400pが部材本体71pに接近すると、他方の揺動部400pが離間し、他方の揺動部400pが部材本体71pに接近すると、一方の揺動部400pが離間して、一緒に揺動するものである。
図36に示すように、回転子40qは、軸支持部材70pを中心にして両側に位置するそれぞれの揺動部400pが、連結部材441によって連結され、一体となっている。
ガイド支持部材72は、両端部が揺動部400pに固定されていると共に、部材本体71p内を、軸線に沿ってスライドするように挿通している。
厚み部材415は全周に渡って形成され、回転方向の前端部が薄く、後端部が厚い。また、厚み部材425は全周に渡って形成され、回転方向の前端部が厚く、後端部が薄い。ローラー511pおよびローラー521pによって挟まれた距離は、回転子40pの回転でも変位しないため、回転子40pの回転位置に無関係に、ローラー511pとローラー521pとの間の距離が一定となるように、厚み部材415,425の厚みが形成されている。
このように本発明の実施の形態5に係る原動機が構成されていることで、図37(A)に示すように、図示しない電動機によりローラー511pおよびローラー521pが回転することで、回転子40qが回転し始める。
ローラー511pが厚み部材415の厚みが薄い前端部を通過している揺動部400pは、第2の位置にある。第2の位置をある揺動部400pのS磁石414zには、第1の固定磁石310zからの磁力は作用しない。
また、ローラー521pが厚み部材425の厚みが厚い前端部を通過している揺動部400pは、第1の位置にある。第1の位置にある揺動部400pのS磁石414zには、第2の位置にある第2の固定磁石320zからの磁力は作用しない。
図37(B)に示すように、それぞれの揺動部400pの回転が進行することで、ローラー511pが厚み部材415の傾斜面415pに乗り上げ、ローラー521pが厚み部材425の傾斜面425pに乗り上げる。
ローラー511pは変位しないため、ローラー511pが厚み部材415を押し下げることで、揺動部400pが押し下げられ、部材本体71pに接近し、反対側の揺動部400pが部材本体71pから離間する。部材本体71pから離間する揺動部400pは、ローラー521pに支えられながら自重により下がる。
図37(C)に示すように、更に、揺動部400pの回転が進行して、ローラー511pが厚み部材415の後端部に乗り上げることで、揺動部400pのS磁石414zが第2の位置から第1の位置へ変位して回転をする。また、ローラー521pに支持されながら回転する揺動部400pのS磁石414zが第2の位置へ変位する。
第1の位置へ変位した揺動部400pのS磁石414zは、回転方向の後部に位置する第1の固定磁石310のS磁石301zと同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第1の固定磁石310zのN磁石302zと異極であるため吸引される。従って、揺動部400pは、回転方向へ加速される。 また、第2の位置へ変位した反対側の揺動部400pのS磁石414zは、回転方向の後部に位置する第2の固定磁石320のS磁石301zと同極であるため反発し、回転方向の前部に位置する第2の固定磁石320zのN磁石302zと異極であるため吸引される。従って、揺動部400zは、回転方向へ加速される。
このように、ガイド支持部材72の両端に固定され、連結部材441により一体的に連結された2つの揺動部400pが、軸支持部材70pを中心に一方へ寄ったり、他方へ寄ったり揺動しながら回転させることができるので、瞬時に揺動部400pの位置を変位させることができる。
また、回転子40pの下部で揺動部400pを支持するローラー521が保護ローラーとして機能するため、回転子40pの上部で落下方向へ揺動する揺動部400pの衝撃が回転軸60へ伝われることを防止することができる。
本発明の原動機は、電動機の代わりとして、例えば、ベルトコンベアの駆動に使用したり、発電機に接続して発電させたりするものとして、好適である。
10,10x,10y,10z,10p 原動機
20,20y 筺体部
20z,20p 支持体
21,21y 筒体
22 支持脚部
30,30y,30z,30p 固定子
300 環状部材
301 S極を内周に向けた永久磁石(S磁石)
301z S極を溝内に向けた永久磁石(S磁石)
302 N極を内周に向けた永久磁石(N磁石)
302z N極を溝内に向けた永久磁石(N磁石)
303 隙間
310,310z 第1の固定磁石
320,320z 第2の固定磁石
31 穴
32 溝
40,40y,40z,40p,40q 回転子
400,400a,400y,400z,400p 揺動部
410 外周部
411 基材
412,413 厚み部材
412a,413a 傾斜面
414,414z S極を外周に向けた永久磁石(S磁石)
415 厚み部材
415p 傾斜面
420 内周部
421 基材
422,423 厚み部材
422a,423a 傾斜面
424 腕部材
425 厚み部材
425p 傾斜面
431,432 カム壁部材
431a 第1の円弧壁部
431b 傾斜部
431c 第2の円弧壁部
432a 第1の円弧壁部
432b 傾斜部
432c 第2の円弧壁部
441 連結部材
50,50z,50p 回転子位置決め手段
510,510z 第1の回転体対
511,512 ローラー
520 第2の回転体対
521,522 ローラー
531,532 ローラー
510p 第1の回転体
511p ローラー
520p 第2の回転体
521p ローラー
60 回転軸
61 支持板
62 スライド棒
70,70z,70p 軸支部材
71,71p 部材本体
72 ガイド支持部材
80 保護ローラー
P 電源装置
M 電動機
R プーリー
S1 一側
S2 他側

Claims (14)

  1. 第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、
    前記第2の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、
    前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第2の磁極に対向させて吸引させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えた原動機。
  2. 前記揺動用カム部は、
    第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第2の磁極に、前記回転子の第1の磁極を吸引させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、
    一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えた請求項1記載の原動機。
  3. 前記回転子の第1の磁極を前記固定子の第2の磁極に吸引させるときに、前記回転子の第1の磁極に反発する第1の磁極が、前記固定子に設けられている請求項1または2記載の原動機。
  4. 第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、
    前記第1の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、
    前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第1の磁極に対向させて反発させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えた原動機。
  5. 前記揺動用カム部は、
    第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第1の磁極に、前記回転子の第1の磁極を反発させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、
    一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えた請求項4記載の原動機。
  6. 前記回転子の第1の磁極を前記固定子の第1の磁極に反発させるときに、前記回転子の第1の磁極に吸引する第2の磁極が、前記固定子に設けられている請求項4または5記載の原動機。
  7. 前記回転子位置決め手段は、所定間隔で配置された一対の回転体により形成されており、
    前記第1のカム部を間に通過させて、前記回転子を第2の位置から第1の位置へ変位させる第1の回転体対と、
    前記第2のカム部を間に通過させて、前記回転子を第1の位置から第2の位置へ変位させる第2の回転体対とを備えた請求項2または4記載の原動機。
  8. 前記第1の回転体対と前記第2の回転体対とのうち、少なくとも1つの回転体に、前記回転子の回転制御用の電動機が設けられている請求項7記載の原動機。
  9. 前記回転子は、厚み方向に揺動しながら回転する複数の揺動部により形成され、
    前記揺動部は、軸線方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で、前記揺動用カム部の高さ位置に応じて揺動するものであり、
    前記固定子は、前記回転子の半径方向の外側に、第2の磁極が配置されている請求項1から8のいずれかの項に記載の原動機。
  10. 前記回転子は、回転中心となる回転軸が水平に配置され、
    前記揺動部は、前記回転軸に対して前記揺動部の揺動方向に向かって下り傾斜となる案内手段によりスライドする請求項9記載の原動機。
  11. 前記回転子は、円錐台状に形成され、
    前記固定子は、前記回転子を囲う傾斜面に形成された内壁に配置され、
    前記揺動部は、前記回転子の回転軸を中心として周方向を分割して形成され、
    前記案内手段は、前記揺動部を前記傾斜面に沿ってスライドさせる請求項10記載の原動機。
  12. 前記回転子は、半径方向に揺動しながら回転する複数の揺動部により形成され、
    前記揺動部は、第1の磁極または第2の磁極のいずれか一方が厚み方向に向けて円弧状に配置され、半径方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で、前記揺動用カム部の半径方向の位置に応じて揺動するものであり、
    前記固定子は、前記回転子の厚み方向の外側に、第2の磁極が配置されている請求項1から8のいずれかの項に記載の原動機。
  13. 前記揺動用カム部は、前記揺動部の円弧状平面部に立設され、
    前記回転子位置決め手段は、前記揺動用カム部の立設面となるカム面の位置に応じて、前記揺動部の位置を決定するものである請求項12記載の原動機。
  14. 前記揺動用カム部は、前記揺動部の外周面に設けられ、
    前記回転子位置決め手段は、前記揺動用カム部の頭頂面となるカム面の位置に応じて、前記揺動部の位置を決定するものである請求項12記載の原動機。
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