JP2004298246A - 電動歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】寿命を長くしてモーターの起動トルクを小さくする。
【解決手段】電動歯ブラシは、モーター1で回転される駆動磁石2と、この駆動磁石2の回転軌道と対向する位置に配設している往復運動磁石3と、この往復運動磁石3を弾性的に駆動磁石2の方向に押圧する弾性体4とを備える。駆動磁石2と往復運動磁石3は対向する面を同極として、磁気的な反発力が作用するように配置している。モーター1は駆動磁石2を回転し、駆動磁石2と往復運動磁石3との反発力と弾性体4の押圧力とで往復運動磁石3を往復運動させて、往復運動する往復運動磁石3でブラシ5を往復運動させる。さらに、電動歯ブラシは、駆動磁石2の回転軌道と対向する位置に反発磁石6を配設して、駆動磁石2が回転軌道を1回転移動する状態で、往復運動磁石3と反発磁石6の両方を反発するようにしている。
【選択図】 図2
【解決手段】電動歯ブラシは、モーター1で回転される駆動磁石2と、この駆動磁石2の回転軌道と対向する位置に配設している往復運動磁石3と、この往復運動磁石3を弾性的に駆動磁石2の方向に押圧する弾性体4とを備える。駆動磁石2と往復運動磁石3は対向する面を同極として、磁気的な反発力が作用するように配置している。モーター1は駆動磁石2を回転し、駆動磁石2と往復運動磁石3との反発力と弾性体4の押圧力とで往復運動磁石3を往復運動させて、往復運動する往復運動磁石3でブラシ5を往復運動させる。さらに、電動歯ブラシは、駆動磁石2の回転軌道と対向する位置に反発磁石6を配設して、駆動磁石2が回転軌道を1回転移動する状態で、往復運動磁石3と反発磁石6の両方を反発するようにしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシを往復運動させて歯を磨く電動歯ブラシに関し、とくにブラシを高速で往復運動させるのに最適な電動歯ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
電動歯ブラシは、歯を磨くブラシを往復運動させる。この電動歯ブラシは、モーターの回転運動を偏心カムやクランク機構等の往復運動変換機構で往復運動に変換してブラシを往復運動させる。この構造の電動歯ブラシは、特許文献1及び2の公報に記載される。
【0003】
これ等の公報に記載されるように、偏心カム等で回転運動を往復運動に変換する機構は、高速にブラシを往復運動させるのが難しい。たとえば、10000rpmと高速回転するモーターでブラシを往復運動させると、往復運動変換機構が効率よくスムーズに回転運動を往復運動に変換するのが難しく、往復運動機構の寿命も短くなる。よって、このような構造においては、ブラシの往復運動は約3000回/分程度にしかならない。
【0004】
偏心カム等を利用する往復運動変換機構に比較して、磁気的な吸引力や反発力を利用して、回転運動を往復運動に変換する機構は、高速回転するモーターの回転運動を無理なく往復運動に変換できる特長がある。それは、磁石を接触させることなく回転運動を往復運動に変換できるからである。この機構は、特許文献3ないし5の公報に記載される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−103705号公報
【特許文献2】
特開平5−123221号公報
【特許文献3】
実開平6−12767号公報
【特許文献4】
実開平1−144475号公報
【特許文献5】
特公昭31−8202号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3ないし5の公報に記載される、磁石を利用する往復運動変換機構の原理図を図1に示す。この機構は、モーターの回転軸1Aに固定している回転ディスク7に駆動磁石2を固定している。駆動磁石2と対向する位置に往復運動磁石3を配設している。往復運動磁石3は、回転しないが駆動磁石2に接近したり離れたりする方向には往復運動できるように配設している。また、往復運動する往復運動磁石3は、駆動磁石2に接近するが接触しないように配設される。駆動磁石2は回転軸を中心として、その両側の対向する位置をN極とS極としている。往復運動磁石は、駆動磁石との対向面の両端部分をN極とS極としている。この機構は、モーターで回転ディスク7を回転させると、回転ディスク7に固定している駆動磁石2のNS極の位置が回転する。駆動磁石2と往復運動磁石3の対向するNS極が同じ極になると、往復運動磁石3は駆動磁石2に反発し、対向するNS極が異なる極になると、往復運動磁石3は駆動磁石2に吸引される。往復運動磁石3は、駆動磁石2が1回転する毎に吸引と反発とが繰り返される。したがって、駆動磁石2をモーターで10000rpm回転させると、往復運動磁石3は1秒間に10000回往復運動する。
【0007】
以上の構造は、磁気的な吸引・反発力で回転運動を往復運動に変換するので、高速回転するモーターの回転運動を効率よく往復運動に変換できる。しかしながら、この構造は、駆動磁石が往復運動磁石を吸引、反発させて往復運動させるので、駆動磁石を回転させる回転軸に軸方向の力が作用する。駆動磁石の回転軸を回転できるように支持する軸受は、軸方向の力が作用すると寿命が短くなる欠点がある。軸方向の力に対応する軸受を使用して、この弊害を防止できるが、この構造の軸受は特殊な構造となって、部品コストが高くなる。とくに、モーターの回転軸に直接に駆動磁石を固定する構造は、軸受のみでなく、ブラシ等の寿命も短くなる。
【0008】
さらに、以上の構造によると、モーターの通電を停止するときに、駆動磁石が往復運動磁石に吸引される位置で停止する。回転しない往復運動磁石が駆動磁石を吸引して、この位置に停止されるからである。駆動磁石がこの位置に停止すると、モーターに大きな起動トルクが要求される。駆動磁石と往復運動磁石の吸引力が駆動磁石の回転を停止させるので、この力に打ち勝つ回転トルクで駆動磁石を回転させるからである。電動歯ブラシは、ブラシの往復運動に、電池で駆動される小さいモーターが使用される。このモーターの起動トルクは小さく、駆動磁石と往復運動磁石とが吸引される位置で停止されると、スムーズな起動が難しくなる。とくに、電池の残容量が少なくなるとモーターの起動トルクはますます弱くなって、駆動磁石の起動を難しくする。モーターと電池との間に、電圧を制御する回路を設けて、この弊害を少なくできる。電池電圧が低下すると、電圧を上昇させてモーターに供給して、起動トルクを大きくできるからである。ただ、この構造は、起動のときに電池電圧を高くするために専用に設計された電源回路を必要とするので、製造コストが高くなってしまう。
【0009】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、磁気的な力で回転運動を往復運動に変換しながら、特殊な構造とすることなく寿命を長くできる電動歯ブラシを提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、駆動磁石を回転させるモーターの起動トルクを小さくして、モーターをスムーズに起動できる電動歯ブラシを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動歯ブラシは、モーター1で回転される駆動磁石2と、この駆動磁石2の回転軌道と対向する位置にあって、駆動磁石2の回転面に対して垂直な方向に往復運動できるように配設される往復運動磁石3と、この往復運動磁石3を弾性的に駆動磁石2の方向に付勢する弾性体4とを備える。駆動磁石2と往復運動磁石3は対向する面を同極として、駆動磁石2が往復運動磁石3に接近すると磁気的な反発力が作用するように配置している。モーター1は駆動磁石2を回転し、駆動磁石2と往復運動磁石3との反発力と弾性体4の付勢力とで往復運動磁石3を往復運動させ、往復運動する往復運動磁石3でブラシ5を往復運動させる。さらに、本発明の電動歯ブラシは、駆動磁石2の回転軌道と対向する位置に、反発磁石6を配設して、駆動磁石2が回転軌道を1回転移動する状態で、往復運動磁石3と反発磁石6の両方を反発するようにしている。
【0011】
本発明の請求項2の電動歯ブラシは、モーター1で回転される回転ディスク7に駆動磁石2を固定しており、この回転ディスク7に駆動磁石2とバランスウエイト8を固定している。さらに、本発明の請求項3の電動歯ブラシは、往復運動磁石3と反発磁石6が駆動磁石2と対向する面を半円形として、往復運動磁石3と反発磁石6とが円形になるように配置している。また、請求項4の電動歯ブラシは、反発磁石6が駆動磁石2と対向する面の形状を、駆動磁石2の回転軌道に沿う形状としている。さらにまた、本発明の請求項5の電動歯ブラシは、モーター1が非駆動時に静止した駆動磁石2が、静止から回転する状態に起動する際にモーター1が回転を開始する起動トルクが小さくなるように、起動磁石13を配置している。さらに、本発明の請求項6の電動歯ブラシは、反発磁石6と往復運動磁石3との間の側部に起動磁石13を配置しており、この起動磁石13が停止する駆動磁石2の起動トルクを小さくするようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電動歯ブラシを例示するものであって、本発明は電動歯ブラシを以下のものに特定しない。
【0013】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0014】
本発明の一実施例の電動歯ブラシを図2ないし図5に示す。図2はこの電動歯ブラシの往復運動機構の原理図を、図3は往復運動機構の斜視図を、図4は電動歯ブラシを側面から見た断面図を、図5は正面から見た断面図をそれぞれ示している。ただし、図2と図3に示す往復運動機構は、上部の部材については下方から、下部の部材については上方から見た斜視図としている。これらの図に示す電動歯ブラシは、電池9に駆動されて回転させるモーター1と、このモーター1で回転される駆動磁石2と、この駆動磁石2の回転軌道上の1箇所と間隔を持って対向する位置にあって、図2の矢印Aで示すように、駆動磁石2の回転面に対して垂直な方向に往復運動できるように配設される往復運動磁石3と、この往復運動磁石3を弾性的に駆動磁石2の方向に付勢する弾性体4と、駆動磁石2の回転軌道上の他の1箇所と間隔を持って対向する位置に配設されて駆動磁石2を往復運動磁石3と同じ方向に押圧する反発磁石6と、往復運動磁石3を下端に固定して上端にブラシ5を連結している振動ロッド10と、これ等の部品を内蔵しているケース11とを備える。なお、図2、図3及び図7においては、理解しやすくするために、駆動磁石2と往復運動磁石3との間が、フレーム15を切断して、離した状態を示しているが、実際には、図4と図5に示すように、フレーム15は切断することなく、駆動磁石2と往復運動磁石3が接近して、間隔4〜8mm程度に設置される。
【0015】
モーター1は、回転軸1Aに回転ディスク7を固定して、この回転ディスク7に駆動磁石2を固定している。モーター1は、その回転軸1Aを、往復運動磁石3が往復運動する方向と平行とする姿勢でケース11に内蔵される。回転ディスク7は、プラスチック、アルミニウム、シンチュウ、銅、プラスチック等の非磁性体で製作されて、駆動磁石2とバランスウエイト8を固定している。駆動磁石2は、回転ディスク7の中心から半径方向に離された位置に固定され、バランスウエイト8は、片側に駆動磁石2を固定してアンバランスになっている回転ディスク7を重量バランスさせるように、回転軸1Aを中心点として駆動磁石2と点対称の位置に固定される。バランスウエイト8は、銅やステンレス等の非磁性体で製作される。バランスウエイト8を固定している回転ディスク7は、振動しないように回転される。
なお、反発磁石6は、上面視においては、往復運動磁石3に対して、回転軸1Aを中心点として点対称の位置に固定されていることになる。
【0016】
駆動磁石2と往復運動磁石3は、対向する面を同じ極として、駆動磁石2が往復運動磁石3に接近すると磁気的な反発力が作用するように配置する。往復運動磁石3は、ホルダー17に固定されており、このホルダー17を介して駆動磁石2の軌道上と対向する位置に、対向する面の磁極が同じになるように配置している。ホルダー17は、たとえばプラスチックの成形体で、往復運動磁石3を嵌入する凹部を下面に設けている。駆動磁石2と往復運動磁石3は、対向する面をN極、またはS極とし、回転する駆動磁石2が往復運動磁石3に接近する時に磁気的な反発力で往復運動磁石3を押して、弾性体4を変形させて振動させる。本発明の電動歯ブラシは、磁気的な反発力のみを利用し、磁気的な吸引力を利用することなく、往復運動磁石3を往復運動させる。モーター1の起動トルクを小さくするためである。
【0017】
反発磁石6は、駆動磁石2と対向する面である下面に磁極を配置しており、この磁極を、往復運動磁石3が駆動磁石2と対向する面の磁極と同じ磁極としている。駆動磁石2が往復運動磁石3との対向位置から離れたときに、反発磁石6が駆動磁石2を押圧して、駆動磁石2を軸方向に押圧するためである。反発磁石6は、ホルダー18に固定されており、このホルダー18を介して駆動磁石2と対向する位置に、対向する面の磁極が同じとなるように配置している。このホルダー18も、たとえばプラスチックの成形体で、駆動磁石3を嵌入する凹部を下面に設けており、直動軸受け14及びフレーム15に連結されている。駆動磁石2は、反発磁石6と往復運動磁石3の両方で押圧される。この構造は、駆動磁石2が往復運動磁石3と反発磁石6の両方を押圧する、いいかえると、往復運動磁石3と反発磁石6の両方に押圧されるので、1回転するときに磁気的な反発力が作用する時間が長く継続的となることで、モーター1の回転軸1Aがブレたり、がたつくこと(モータースラスト)を抑え、騒音も小さくすることができる。もし、このような反発磁石3がないなら、騒音は倍程度の大きさとなる。
【0018】
図3に示す往復運動磁石3と反発磁石6は、駆動磁石2と対向する面の形状を半円形とし、互いに隣接して配置される往復運動磁石3と反発磁石2で円形になるように配置している。この電動歯ブラシは、駆動磁石2が1回転するとき、往復運動磁石3と反発磁石6のいずれかを押圧するので、駆動磁石2を固定している回転軸1Aは、常に軸方向の反発力が作用する。このため、回転軸1Aに軸方向に振動する力が作用せず、回転軸1Aの寿命を特に長くできる。反発磁石6と往復運動磁石3との間には、往復運動磁石3が反発磁石6に接触しないで押圧できる狭い直線状のスリット12を設けている。
【0019】
反発磁石6は、図6の平面図に示すように、駆動磁石2と対向する面の形状を、駆動磁石2の回転軌道に沿う形状とすることもできる。この反発磁石6は、駆動磁石2の回転軌道に伸びる円弧状として、円弧の一部を切欠してこの切欠部に往復運動磁石3を配置している。図の一点鎖線は、駆動磁石2の中心の回転軌道を示している。図の往復運動磁石3は円形であるから、反発磁石6は円形の切欠部を設けて、ここに往復運動磁石3を配置している。この反発磁石6も往復運動磁石3との間に狭いスリット12を設けている。往復運動磁石3を反発磁石6に接触させないで往復運動させるためである。この図の往復運動磁石3は円形であるが、往復運動磁石は必ずしも円形とする必要はなく、楕円形や多角形とすることもできる。
【0020】
さらに、図7は、本発明の他の実施例である往復運動変換機構を示し、往復運動磁石3と反発磁石6は、駆動磁石2と対向する面の形状を円形としている。往復運動磁石3を固定しているホルダー17と、反発磁石6を固定しているホルダー18は、駆動磁石2と対向する面の形状を半円形としており、互いに隣接して配置する状態で円形となるように配置している。
上述のように、図7は、理解しやすくするために、フレーム15を切断して、駆動磁石2と往復運動磁石3との間が離れているが、電動ブラシに組み込まれた状態においては、図4と図5と同じように配置される。
【0021】
さらに、この図の電動歯ブラシは、反発磁石6と往復運動磁石3との間の側部に起動磁石13を配置している。起動磁石13は、フレーム15に固定されて、駆動磁石2を磁気的な反発力で押圧して、より小さい起動トルクでモーター1を起動できるようにする。駆動磁石2は、図8の平面図に示すように、往復運動磁石3と反発磁石6との谷間にできる磁気ギャップに停止される。起動磁石13は、ここに停止する駆動磁石2を磁気的な反発力で押圧して、より小さい回転トルクで駆動磁石2を起動させる。起動磁石13は、磁気的な反発力で駆動磁石2を押圧するので、駆動磁石2と対向する面の磁極を駆動磁石2と同じ極としている。起動磁石13は、好ましくは、この図に示すように、往復運動磁石3と反発磁石6の間の両側に配設される。この構造の電動歯ブラシは、往復運動磁石3と反発磁石6のいずれの位置に駆動磁石2が停止しても、小さい起動トルクで駆動磁石2をスムーズに起動させる。ただし、本発明の電動歯ブラシは、必ずしも起動磁石を設ける必要はない。さらに、本発明の電動歯ブラシは、反発磁石と往復運動磁石とを図3や図6に示す形状とし、これらの形状の反発磁石と往復運動磁石との間の一方あるいは両方の側部に起動磁石を配置することもできる。
以上のように、起動磁石13の役目は、モーター1が非駆動時に静止した駆動磁石2において、駆動磁石2が静止から回転する状態に起動する際に、モーター1が回転を開始する起動トルクが小さくなるようにすることである。したがって、起動磁石13は、そのような磁気経路、回路となるように配置される。
【0022】
さらに、電動歯ブラシは、往復運動磁石3を固定している振動ロッド10に弾性体4を連結している。図の振動ロッド10は、上下部にそれぞれ弾性体4U、4Dを連結している。振動ロッド10は、略円筒状の直動軸受け14の上下端に環状にベアリングを配置したリング型ベアリングを固定して、振動ロッド10が上下方向にガタツキなくスムーズに動き、軸方向に往復運動できるが回転しないように、フレーム15の上部に連結している。図の振動ロッド10は、上端部分に鍔16を固定しており、この鍔16と直動軸受け14との間に、弾性体4Uであるスプリングを配設している。さらに、図の振動ロッド10は、下端部分にホルダー17を固定しており、このホルダー17と直動軸受け14との間に、弾性体4Dであるスプリングを配設している。図のスプリングは押しバネであるコイルスプリングである。ただ、スプリングは、引きバネであるコイルスプリングとすることもできる。これらの弾性体4U、4Dは、ケース11及びフレーム15に連結して固定された直動軸受け14に対して、弾性体4Uの上端を鍔16に当接させ、弾性体4Uの下端を直動軸受け14に当接させると共に、弾性体4Dの下端をホルダー17に当接させ、弾性体4Dの上端を直動軸受け14に当接させている。このため、所定の位置を中心として、振動ロッド10を上下方向に往復運動させることができる。外力がないとき(弱いときも含む)は、弾性体4U、4Dの均衡した押圧力により、所定の位置で静止することになる。一方、外力(往復運動磁石3からの反発力)が加わったときは、所定の位置の静止状態から振動ロッド10が上方に移動し、弾性体4U、4Dの押圧力の均衡がくずれる。このとき、上側の弾性体4Uが伸長し、下側の弾性体4Dが収縮することになるので、下側の弾性体4Dによる押圧力の方が上側の弾性体4Uによる押圧力よりも大きくなり、その後、振動ロッド10が下方に移動する(このとき、駆動磁石2が回転しているので往復運動磁石3の反発力はなくなっている)。そして、上記の静止した状態での所定の位置を通過して、下方に移動する振動ロッド10は、下側の弾性体4Dが伸長し、上側の弾性体4Uが収縮することになるので、上側の弾性体4Uによる押圧力の方が下側の弾性体4Dによる押圧力よりも大きくなり、振動ロッド10が上方に移動することになる。このようにして、モーター1により回転ディスク7が回転することにより、駆動磁石2が回転し周期的に往復運動磁石3に反発力を加えることになるので、振動ロッド10も周期的に上下方向に往復運動することになる。
【0023】
以上の実施例は、振動ロッド10の上下部に弾性体4U、4Dを配設しており、これらの弾性体4U、4Dをバランスさせながら、振動ロッド10を上下方向に往復運動させる構造としている。このように、振動ロッド10の上下に一対の弾性体4U、4Dを配設する構造は、2つの弾性体4U、4Dの付勢力を調整して、振動ロッド10をより理想的に往復運動できる特長がある。ただ、本発明の電動歯ブラシは、ひとつの弾性体で振動ロッドと往復運動磁石を所定の位置に配置することもできる。振動ロッドを所定の位置に配置するひとつの弾性体は、一端を振動ロッドに連結して、他端を直動軸受けに連結する。この弾性体は、振動ロッドの下部または上部に配設することができる。振動ロッドの下部に配設する弾性体は、往復運動磁石が上方向に押圧されると収縮して、下向きに押圧力が生じる押しバネであるコイルスプリングとすることができる。また、振動ロッドの上部に配設する弾性体は、往復運動磁石が上方向に押圧されると伸長して、下向きに付勢力が生じる引きバネとすることができる。さらにまた、振動ロッドの上部に配設する弾性体は、上端を鍔を介して振動ロッドに固定することなく、ケースの内面に当接する状態で配設することにより、押しバネであるコイルスプリングを使用することも可能である。この弾性体は、往復運動磁石が上方向に押圧されると収縮して、振動ロッドを下向きに弾性的に押圧する。
【0024】
以上のように、本発明の電動ブラシにおいて、弾性体は、駆動磁石で押圧された往復運動磁石を、駆動磁石の方向に弾性的に付勢するはたらきをするように配設することができる。したがって、振動ロッド10を往復運動させる機構については、以下のように表現することができる。弾性体4は、磁気的な反発力で上方向に押圧される往復運動磁石3を、駆動磁石2に間隔を持って接近させる方向に弾性的に押圧していることになる。弾性体4は、往復運動磁石3が駆動磁石2で押圧されない状態で、往復運動磁石3を回転ディスク7に接近させるが、接触させない位置に配置することになる。往復運動磁石3に駆動磁石2が接近して、往復運動磁石3が駆動磁石2で押圧されると、弾性体4が弾性変形して振動ロッドが上方向に移動し、駆動磁石2が往復運動磁石3から離れると、弾性体4の付勢力によって振動ロッド10が下方向に移動される。往復運動磁石3は、弾性体4を弾性変形させながら駆動磁石2で往復運動される。
【0025】
本実施例においては、モーター1の回転数(約10000rpm)がそのまま、往復運動の振動数(約10000回/分)となる。振動ロッド10の往復運動の幅は、約1〜3mm程度である。そして、弾性体4の特性、モーター1の回転数、本実施例の総合的な磁気的反発力等を考慮して、弾性体4U、4Dが共振するように種々の構成を設定できるなら、振動ロッド10の往復運動の幅を、約2〜3mm程度と大きくすることができる。
【0026】
本実施例においては、磁力の反発力を利用して振動ロッド10を往復運動させているので、従来の偏心カム等で回転運動を往復運動に変換する機構と比べて、カム、ギア等の機構がなく、耐久性が良好である。つまり、本実施例の電動歯ブラシを使用する際に、ブラシ5は負荷が加わるとき、カム、ギア等がないので、これらが摩耗することなく、耐久性が良好である。
【0027】
振動ロッド10は、先端に脱着できるようにブラシ5を連結する。往復運動する振動ロッド10は、ブラシ5を往復運動させる。ブラシ5は、プラスチック製の基台5Aの先端部分に多数の毛5Bを植え付けている。脱着できるブラシ5は、複数のユーザーが交換して使用できる。また、ブラシ5が摩耗すると簡単に交換できる。
【0028】
上方が先細りとなった略円筒状の樹脂製ケース11は、フレーム15を所定の位置に固定し、フレーム15に固定している直動軸受け14とモーター1と振動ロッド10と反発磁石6と起動磁石13等を定位置に固定する。さらに、ケース11には、モーター1を駆動する電池9を内蔵しており、表面にはモーター1をオンオフするスイッチ19を配置している。
【0029】
【発明の効果】
本発明の電動歯ブラシは、磁気的な力で回転運動を往復運動に変換しながら、特殊な構造とすることなく寿命を長くできる特長がある。それは、本発明の電動歯ブラシが、モーターで駆動磁石を回転し、駆動磁石と往復運動磁石との反発力と弾性体の押圧力とで往復運動磁石を往復運動させて、これに連結しているブラシを往復運動させることに加えて、駆動磁石の回転軌道と対向する位置に反発磁石を配設しており、駆動磁石が回転軌道を1回転移動するときに、往復運動磁石と反発磁石の両方を反発して押圧するからである。反発磁石と往復運動磁石の両方を磁気的な反発力で押圧しながら回転する駆動磁石は、往復運動磁石と反発磁石の両方を押圧する反作用で長い時間押圧される。このため、駆動磁石を回転させる回転軸の振動を少なくして、回転軸が振動することに起因する寿命の低下を防止できる。
【0030】
さらに、本発明の電動歯ブラシは、駆動磁石を回転させるモーターの起動トルクを小さくして、モーターをスムーズに起動できる特長もある。それは、本発明の電動歯ブラシが、駆動磁石が往復運動磁石の磁気的な反発力と弾性体の復元力とで往復運動磁石を往復運動させるからである。従来のように、磁気的な吸引力と反発力の両方で振動させる機構は、吸引力が作用する位置で駆動磁石が停止する。この位置で停止する駆動磁石は、吸引力で往復運動磁石を吸引して近く引き寄せる。磁気的な力で吸引される一対の磁石は、その間隔が狭くなるに従って吸引力が急激に大きくなる。したがって、往復運動磁石に最も接近する位置で停止する駆動磁石は、この位置から離すのに極めて強い回転トルクを必要とするので、駆動磁石を回転させるモーターの起動トルクを大きくする必要がある。これに対して、本発明の電動歯ブラシは、駆動磁石が反発磁石と往復運動磁石の両方を反発してバランスする位置で停止する。この位置に停止する駆動磁石は、往復運動磁石と反発磁石の両方を反発する位置で停止されるが、反発力は磁石の相対距離が遠くなるにしたがって弱くなるので、この位置で停止する駆動磁石は、弱い回転トルクで起動される。
【0031】
また、本発明の請求項2に記載している電動歯ブラシは、駆動磁石をモーターで回転される回転ディスクに固定して、この回転ディスクに駆動磁石とバランスウエイトを固定しているので、駆動磁石を固定している回転ディスクをバランスよく回転できる。このため、電動歯ブラシの振動を著しく少なくできる。このことは、駆動磁石を往復運動磁石と反発磁石の両方で押圧して、駆動磁石の回転軸を振動させないことと相乗して、電動歯ブラシの振動を極めて小さくできる。
【0032】
さらに、本発明の請求項3の電動歯ブラシは、往復運動磁石と反発磁石の駆動磁石と対向する面を半円形として、往復運動磁石と反発磁石とを円形とし、また本発明の請求項4の電動歯ブラシは、反発磁石の駆動磁石と対向する面の形状を、駆動磁石の回転軌道に沿う形状としているので、駆動磁石の回転軸に作用する振動を特に小さくできる。それは、駆動磁石の回転軸に常に押圧力が作用して、回転軸を一定の方向に押圧して振動させないからである。
【0033】
また、本発明の請求項5の電動歯ブラシは、モーターの非駆動時に静止した駆動磁石が、静止から回転する状態に起動する際にモーターが回転を開始する起動トルクを小さくする起動磁石を配置しているので、モーターをスムーズに起動できる特長がある。さらにまた、本発明の請求項6の電動歯ブラシは、反発磁石と往復運動磁石との間の側部に起動磁石を配置しているので、停止するモーターの起動トルクを理想的に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁石を利用する往復運動変換機構の原理を示す概略断面図
【図2】本発明の一実施例にかかる電動歯ブラシの往復運動変換機構の原理を示す概略斜視図
【図3】本発明の一実施例にかかる電動歯ブラシの往復運動変換機構を示す斜視図
【図4】本発明の一実施例にかかる電動歯ブラシを側面から見た断面図
【図5】図4に示す電動歯ブラシを正面から見た断面図
【図6】駆動磁石と往復運動磁石の他の一例を示す平面図
【図7】本発明の他の実施例にかかる電動歯ブラシの往復運動変換機構を示す斜視図
【図8】図7に示す往復運動変換機構に配置される各磁石の位置関係を示す平面図
【符号の説明】
1…モーター 1A…回転軸
2…駆動磁石
3…往復運動磁石
4…弾性体 4U…弾性体 4D…弾性体
5…ブラシ 5A…基台 5B…毛
6…反発磁石
7…回転ディスク
8…バランスウエイト
9…電池
10…振動ロッド
11…ケース
12…スリット
13…起動磁石
14…直動軸受け
15…フレーム
16…鍔
17…ホルダー
18…ホルダー
19…スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシを往復運動させて歯を磨く電動歯ブラシに関し、とくにブラシを高速で往復運動させるのに最適な電動歯ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
電動歯ブラシは、歯を磨くブラシを往復運動させる。この電動歯ブラシは、モーターの回転運動を偏心カムやクランク機構等の往復運動変換機構で往復運動に変換してブラシを往復運動させる。この構造の電動歯ブラシは、特許文献1及び2の公報に記載される。
【0003】
これ等の公報に記載されるように、偏心カム等で回転運動を往復運動に変換する機構は、高速にブラシを往復運動させるのが難しい。たとえば、10000rpmと高速回転するモーターでブラシを往復運動させると、往復運動変換機構が効率よくスムーズに回転運動を往復運動に変換するのが難しく、往復運動機構の寿命も短くなる。よって、このような構造においては、ブラシの往復運動は約3000回/分程度にしかならない。
【0004】
偏心カム等を利用する往復運動変換機構に比較して、磁気的な吸引力や反発力を利用して、回転運動を往復運動に変換する機構は、高速回転するモーターの回転運動を無理なく往復運動に変換できる特長がある。それは、磁石を接触させることなく回転運動を往復運動に変換できるからである。この機構は、特許文献3ないし5の公報に記載される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−103705号公報
【特許文献2】
特開平5−123221号公報
【特許文献3】
実開平6−12767号公報
【特許文献4】
実開平1−144475号公報
【特許文献5】
特公昭31−8202号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3ないし5の公報に記載される、磁石を利用する往復運動変換機構の原理図を図1に示す。この機構は、モーターの回転軸1Aに固定している回転ディスク7に駆動磁石2を固定している。駆動磁石2と対向する位置に往復運動磁石3を配設している。往復運動磁石3は、回転しないが駆動磁石2に接近したり離れたりする方向には往復運動できるように配設している。また、往復運動する往復運動磁石3は、駆動磁石2に接近するが接触しないように配設される。駆動磁石2は回転軸を中心として、その両側の対向する位置をN極とS極としている。往復運動磁石は、駆動磁石との対向面の両端部分をN極とS極としている。この機構は、モーターで回転ディスク7を回転させると、回転ディスク7に固定している駆動磁石2のNS極の位置が回転する。駆動磁石2と往復運動磁石3の対向するNS極が同じ極になると、往復運動磁石3は駆動磁石2に反発し、対向するNS極が異なる極になると、往復運動磁石3は駆動磁石2に吸引される。往復運動磁石3は、駆動磁石2が1回転する毎に吸引と反発とが繰り返される。したがって、駆動磁石2をモーターで10000rpm回転させると、往復運動磁石3は1秒間に10000回往復運動する。
【0007】
以上の構造は、磁気的な吸引・反発力で回転運動を往復運動に変換するので、高速回転するモーターの回転運動を効率よく往復運動に変換できる。しかしながら、この構造は、駆動磁石が往復運動磁石を吸引、反発させて往復運動させるので、駆動磁石を回転させる回転軸に軸方向の力が作用する。駆動磁石の回転軸を回転できるように支持する軸受は、軸方向の力が作用すると寿命が短くなる欠点がある。軸方向の力に対応する軸受を使用して、この弊害を防止できるが、この構造の軸受は特殊な構造となって、部品コストが高くなる。とくに、モーターの回転軸に直接に駆動磁石を固定する構造は、軸受のみでなく、ブラシ等の寿命も短くなる。
【0008】
さらに、以上の構造によると、モーターの通電を停止するときに、駆動磁石が往復運動磁石に吸引される位置で停止する。回転しない往復運動磁石が駆動磁石を吸引して、この位置に停止されるからである。駆動磁石がこの位置に停止すると、モーターに大きな起動トルクが要求される。駆動磁石と往復運動磁石の吸引力が駆動磁石の回転を停止させるので、この力に打ち勝つ回転トルクで駆動磁石を回転させるからである。電動歯ブラシは、ブラシの往復運動に、電池で駆動される小さいモーターが使用される。このモーターの起動トルクは小さく、駆動磁石と往復運動磁石とが吸引される位置で停止されると、スムーズな起動が難しくなる。とくに、電池の残容量が少なくなるとモーターの起動トルクはますます弱くなって、駆動磁石の起動を難しくする。モーターと電池との間に、電圧を制御する回路を設けて、この弊害を少なくできる。電池電圧が低下すると、電圧を上昇させてモーターに供給して、起動トルクを大きくできるからである。ただ、この構造は、起動のときに電池電圧を高くするために専用に設計された電源回路を必要とするので、製造コストが高くなってしまう。
【0009】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、磁気的な力で回転運動を往復運動に変換しながら、特殊な構造とすることなく寿命を長くできる電動歯ブラシを提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、駆動磁石を回転させるモーターの起動トルクを小さくして、モーターをスムーズに起動できる電動歯ブラシを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動歯ブラシは、モーター1で回転される駆動磁石2と、この駆動磁石2の回転軌道と対向する位置にあって、駆動磁石2の回転面に対して垂直な方向に往復運動できるように配設される往復運動磁石3と、この往復運動磁石3を弾性的に駆動磁石2の方向に付勢する弾性体4とを備える。駆動磁石2と往復運動磁石3は対向する面を同極として、駆動磁石2が往復運動磁石3に接近すると磁気的な反発力が作用するように配置している。モーター1は駆動磁石2を回転し、駆動磁石2と往復運動磁石3との反発力と弾性体4の付勢力とで往復運動磁石3を往復運動させ、往復運動する往復運動磁石3でブラシ5を往復運動させる。さらに、本発明の電動歯ブラシは、駆動磁石2の回転軌道と対向する位置に、反発磁石6を配設して、駆動磁石2が回転軌道を1回転移動する状態で、往復運動磁石3と反発磁石6の両方を反発するようにしている。
【0011】
本発明の請求項2の電動歯ブラシは、モーター1で回転される回転ディスク7に駆動磁石2を固定しており、この回転ディスク7に駆動磁石2とバランスウエイト8を固定している。さらに、本発明の請求項3の電動歯ブラシは、往復運動磁石3と反発磁石6が駆動磁石2と対向する面を半円形として、往復運動磁石3と反発磁石6とが円形になるように配置している。また、請求項4の電動歯ブラシは、反発磁石6が駆動磁石2と対向する面の形状を、駆動磁石2の回転軌道に沿う形状としている。さらにまた、本発明の請求項5の電動歯ブラシは、モーター1が非駆動時に静止した駆動磁石2が、静止から回転する状態に起動する際にモーター1が回転を開始する起動トルクが小さくなるように、起動磁石13を配置している。さらに、本発明の請求項6の電動歯ブラシは、反発磁石6と往復運動磁石3との間の側部に起動磁石13を配置しており、この起動磁石13が停止する駆動磁石2の起動トルクを小さくするようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電動歯ブラシを例示するものであって、本発明は電動歯ブラシを以下のものに特定しない。
【0013】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0014】
本発明の一実施例の電動歯ブラシを図2ないし図5に示す。図2はこの電動歯ブラシの往復運動機構の原理図を、図3は往復運動機構の斜視図を、図4は電動歯ブラシを側面から見た断面図を、図5は正面から見た断面図をそれぞれ示している。ただし、図2と図3に示す往復運動機構は、上部の部材については下方から、下部の部材については上方から見た斜視図としている。これらの図に示す電動歯ブラシは、電池9に駆動されて回転させるモーター1と、このモーター1で回転される駆動磁石2と、この駆動磁石2の回転軌道上の1箇所と間隔を持って対向する位置にあって、図2の矢印Aで示すように、駆動磁石2の回転面に対して垂直な方向に往復運動できるように配設される往復運動磁石3と、この往復運動磁石3を弾性的に駆動磁石2の方向に付勢する弾性体4と、駆動磁石2の回転軌道上の他の1箇所と間隔を持って対向する位置に配設されて駆動磁石2を往復運動磁石3と同じ方向に押圧する反発磁石6と、往復運動磁石3を下端に固定して上端にブラシ5を連結している振動ロッド10と、これ等の部品を内蔵しているケース11とを備える。なお、図2、図3及び図7においては、理解しやすくするために、駆動磁石2と往復運動磁石3との間が、フレーム15を切断して、離した状態を示しているが、実際には、図4と図5に示すように、フレーム15は切断することなく、駆動磁石2と往復運動磁石3が接近して、間隔4〜8mm程度に設置される。
【0015】
モーター1は、回転軸1Aに回転ディスク7を固定して、この回転ディスク7に駆動磁石2を固定している。モーター1は、その回転軸1Aを、往復運動磁石3が往復運動する方向と平行とする姿勢でケース11に内蔵される。回転ディスク7は、プラスチック、アルミニウム、シンチュウ、銅、プラスチック等の非磁性体で製作されて、駆動磁石2とバランスウエイト8を固定している。駆動磁石2は、回転ディスク7の中心から半径方向に離された位置に固定され、バランスウエイト8は、片側に駆動磁石2を固定してアンバランスになっている回転ディスク7を重量バランスさせるように、回転軸1Aを中心点として駆動磁石2と点対称の位置に固定される。バランスウエイト8は、銅やステンレス等の非磁性体で製作される。バランスウエイト8を固定している回転ディスク7は、振動しないように回転される。
なお、反発磁石6は、上面視においては、往復運動磁石3に対して、回転軸1Aを中心点として点対称の位置に固定されていることになる。
【0016】
駆動磁石2と往復運動磁石3は、対向する面を同じ極として、駆動磁石2が往復運動磁石3に接近すると磁気的な反発力が作用するように配置する。往復運動磁石3は、ホルダー17に固定されており、このホルダー17を介して駆動磁石2の軌道上と対向する位置に、対向する面の磁極が同じになるように配置している。ホルダー17は、たとえばプラスチックの成形体で、往復運動磁石3を嵌入する凹部を下面に設けている。駆動磁石2と往復運動磁石3は、対向する面をN極、またはS極とし、回転する駆動磁石2が往復運動磁石3に接近する時に磁気的な反発力で往復運動磁石3を押して、弾性体4を変形させて振動させる。本発明の電動歯ブラシは、磁気的な反発力のみを利用し、磁気的な吸引力を利用することなく、往復運動磁石3を往復運動させる。モーター1の起動トルクを小さくするためである。
【0017】
反発磁石6は、駆動磁石2と対向する面である下面に磁極を配置しており、この磁極を、往復運動磁石3が駆動磁石2と対向する面の磁極と同じ磁極としている。駆動磁石2が往復運動磁石3との対向位置から離れたときに、反発磁石6が駆動磁石2を押圧して、駆動磁石2を軸方向に押圧するためである。反発磁石6は、ホルダー18に固定されており、このホルダー18を介して駆動磁石2と対向する位置に、対向する面の磁極が同じとなるように配置している。このホルダー18も、たとえばプラスチックの成形体で、駆動磁石3を嵌入する凹部を下面に設けており、直動軸受け14及びフレーム15に連結されている。駆動磁石2は、反発磁石6と往復運動磁石3の両方で押圧される。この構造は、駆動磁石2が往復運動磁石3と反発磁石6の両方を押圧する、いいかえると、往復運動磁石3と反発磁石6の両方に押圧されるので、1回転するときに磁気的な反発力が作用する時間が長く継続的となることで、モーター1の回転軸1Aがブレたり、がたつくこと(モータースラスト)を抑え、騒音も小さくすることができる。もし、このような反発磁石3がないなら、騒音は倍程度の大きさとなる。
【0018】
図3に示す往復運動磁石3と反発磁石6は、駆動磁石2と対向する面の形状を半円形とし、互いに隣接して配置される往復運動磁石3と反発磁石2で円形になるように配置している。この電動歯ブラシは、駆動磁石2が1回転するとき、往復運動磁石3と反発磁石6のいずれかを押圧するので、駆動磁石2を固定している回転軸1Aは、常に軸方向の反発力が作用する。このため、回転軸1Aに軸方向に振動する力が作用せず、回転軸1Aの寿命を特に長くできる。反発磁石6と往復運動磁石3との間には、往復運動磁石3が反発磁石6に接触しないで押圧できる狭い直線状のスリット12を設けている。
【0019】
反発磁石6は、図6の平面図に示すように、駆動磁石2と対向する面の形状を、駆動磁石2の回転軌道に沿う形状とすることもできる。この反発磁石6は、駆動磁石2の回転軌道に伸びる円弧状として、円弧の一部を切欠してこの切欠部に往復運動磁石3を配置している。図の一点鎖線は、駆動磁石2の中心の回転軌道を示している。図の往復運動磁石3は円形であるから、反発磁石6は円形の切欠部を設けて、ここに往復運動磁石3を配置している。この反発磁石6も往復運動磁石3との間に狭いスリット12を設けている。往復運動磁石3を反発磁石6に接触させないで往復運動させるためである。この図の往復運動磁石3は円形であるが、往復運動磁石は必ずしも円形とする必要はなく、楕円形や多角形とすることもできる。
【0020】
さらに、図7は、本発明の他の実施例である往復運動変換機構を示し、往復運動磁石3と反発磁石6は、駆動磁石2と対向する面の形状を円形としている。往復運動磁石3を固定しているホルダー17と、反発磁石6を固定しているホルダー18は、駆動磁石2と対向する面の形状を半円形としており、互いに隣接して配置する状態で円形となるように配置している。
上述のように、図7は、理解しやすくするために、フレーム15を切断して、駆動磁石2と往復運動磁石3との間が離れているが、電動ブラシに組み込まれた状態においては、図4と図5と同じように配置される。
【0021】
さらに、この図の電動歯ブラシは、反発磁石6と往復運動磁石3との間の側部に起動磁石13を配置している。起動磁石13は、フレーム15に固定されて、駆動磁石2を磁気的な反発力で押圧して、より小さい起動トルクでモーター1を起動できるようにする。駆動磁石2は、図8の平面図に示すように、往復運動磁石3と反発磁石6との谷間にできる磁気ギャップに停止される。起動磁石13は、ここに停止する駆動磁石2を磁気的な反発力で押圧して、より小さい回転トルクで駆動磁石2を起動させる。起動磁石13は、磁気的な反発力で駆動磁石2を押圧するので、駆動磁石2と対向する面の磁極を駆動磁石2と同じ極としている。起動磁石13は、好ましくは、この図に示すように、往復運動磁石3と反発磁石6の間の両側に配設される。この構造の電動歯ブラシは、往復運動磁石3と反発磁石6のいずれの位置に駆動磁石2が停止しても、小さい起動トルクで駆動磁石2をスムーズに起動させる。ただし、本発明の電動歯ブラシは、必ずしも起動磁石を設ける必要はない。さらに、本発明の電動歯ブラシは、反発磁石と往復運動磁石とを図3や図6に示す形状とし、これらの形状の反発磁石と往復運動磁石との間の一方あるいは両方の側部に起動磁石を配置することもできる。
以上のように、起動磁石13の役目は、モーター1が非駆動時に静止した駆動磁石2において、駆動磁石2が静止から回転する状態に起動する際に、モーター1が回転を開始する起動トルクが小さくなるようにすることである。したがって、起動磁石13は、そのような磁気経路、回路となるように配置される。
【0022】
さらに、電動歯ブラシは、往復運動磁石3を固定している振動ロッド10に弾性体4を連結している。図の振動ロッド10は、上下部にそれぞれ弾性体4U、4Dを連結している。振動ロッド10は、略円筒状の直動軸受け14の上下端に環状にベアリングを配置したリング型ベアリングを固定して、振動ロッド10が上下方向にガタツキなくスムーズに動き、軸方向に往復運動できるが回転しないように、フレーム15の上部に連結している。図の振動ロッド10は、上端部分に鍔16を固定しており、この鍔16と直動軸受け14との間に、弾性体4Uであるスプリングを配設している。さらに、図の振動ロッド10は、下端部分にホルダー17を固定しており、このホルダー17と直動軸受け14との間に、弾性体4Dであるスプリングを配設している。図のスプリングは押しバネであるコイルスプリングである。ただ、スプリングは、引きバネであるコイルスプリングとすることもできる。これらの弾性体4U、4Dは、ケース11及びフレーム15に連結して固定された直動軸受け14に対して、弾性体4Uの上端を鍔16に当接させ、弾性体4Uの下端を直動軸受け14に当接させると共に、弾性体4Dの下端をホルダー17に当接させ、弾性体4Dの上端を直動軸受け14に当接させている。このため、所定の位置を中心として、振動ロッド10を上下方向に往復運動させることができる。外力がないとき(弱いときも含む)は、弾性体4U、4Dの均衡した押圧力により、所定の位置で静止することになる。一方、外力(往復運動磁石3からの反発力)が加わったときは、所定の位置の静止状態から振動ロッド10が上方に移動し、弾性体4U、4Dの押圧力の均衡がくずれる。このとき、上側の弾性体4Uが伸長し、下側の弾性体4Dが収縮することになるので、下側の弾性体4Dによる押圧力の方が上側の弾性体4Uによる押圧力よりも大きくなり、その後、振動ロッド10が下方に移動する(このとき、駆動磁石2が回転しているので往復運動磁石3の反発力はなくなっている)。そして、上記の静止した状態での所定の位置を通過して、下方に移動する振動ロッド10は、下側の弾性体4Dが伸長し、上側の弾性体4Uが収縮することになるので、上側の弾性体4Uによる押圧力の方が下側の弾性体4Dによる押圧力よりも大きくなり、振動ロッド10が上方に移動することになる。このようにして、モーター1により回転ディスク7が回転することにより、駆動磁石2が回転し周期的に往復運動磁石3に反発力を加えることになるので、振動ロッド10も周期的に上下方向に往復運動することになる。
【0023】
以上の実施例は、振動ロッド10の上下部に弾性体4U、4Dを配設しており、これらの弾性体4U、4Dをバランスさせながら、振動ロッド10を上下方向に往復運動させる構造としている。このように、振動ロッド10の上下に一対の弾性体4U、4Dを配設する構造は、2つの弾性体4U、4Dの付勢力を調整して、振動ロッド10をより理想的に往復運動できる特長がある。ただ、本発明の電動歯ブラシは、ひとつの弾性体で振動ロッドと往復運動磁石を所定の位置に配置することもできる。振動ロッドを所定の位置に配置するひとつの弾性体は、一端を振動ロッドに連結して、他端を直動軸受けに連結する。この弾性体は、振動ロッドの下部または上部に配設することができる。振動ロッドの下部に配設する弾性体は、往復運動磁石が上方向に押圧されると収縮して、下向きに押圧力が生じる押しバネであるコイルスプリングとすることができる。また、振動ロッドの上部に配設する弾性体は、往復運動磁石が上方向に押圧されると伸長して、下向きに付勢力が生じる引きバネとすることができる。さらにまた、振動ロッドの上部に配設する弾性体は、上端を鍔を介して振動ロッドに固定することなく、ケースの内面に当接する状態で配設することにより、押しバネであるコイルスプリングを使用することも可能である。この弾性体は、往復運動磁石が上方向に押圧されると収縮して、振動ロッドを下向きに弾性的に押圧する。
【0024】
以上のように、本発明の電動ブラシにおいて、弾性体は、駆動磁石で押圧された往復運動磁石を、駆動磁石の方向に弾性的に付勢するはたらきをするように配設することができる。したがって、振動ロッド10を往復運動させる機構については、以下のように表現することができる。弾性体4は、磁気的な反発力で上方向に押圧される往復運動磁石3を、駆動磁石2に間隔を持って接近させる方向に弾性的に押圧していることになる。弾性体4は、往復運動磁石3が駆動磁石2で押圧されない状態で、往復運動磁石3を回転ディスク7に接近させるが、接触させない位置に配置することになる。往復運動磁石3に駆動磁石2が接近して、往復運動磁石3が駆動磁石2で押圧されると、弾性体4が弾性変形して振動ロッドが上方向に移動し、駆動磁石2が往復運動磁石3から離れると、弾性体4の付勢力によって振動ロッド10が下方向に移動される。往復運動磁石3は、弾性体4を弾性変形させながら駆動磁石2で往復運動される。
【0025】
本実施例においては、モーター1の回転数(約10000rpm)がそのまま、往復運動の振動数(約10000回/分)となる。振動ロッド10の往復運動の幅は、約1〜3mm程度である。そして、弾性体4の特性、モーター1の回転数、本実施例の総合的な磁気的反発力等を考慮して、弾性体4U、4Dが共振するように種々の構成を設定できるなら、振動ロッド10の往復運動の幅を、約2〜3mm程度と大きくすることができる。
【0026】
本実施例においては、磁力の反発力を利用して振動ロッド10を往復運動させているので、従来の偏心カム等で回転運動を往復運動に変換する機構と比べて、カム、ギア等の機構がなく、耐久性が良好である。つまり、本実施例の電動歯ブラシを使用する際に、ブラシ5は負荷が加わるとき、カム、ギア等がないので、これらが摩耗することなく、耐久性が良好である。
【0027】
振動ロッド10は、先端に脱着できるようにブラシ5を連結する。往復運動する振動ロッド10は、ブラシ5を往復運動させる。ブラシ5は、プラスチック製の基台5Aの先端部分に多数の毛5Bを植え付けている。脱着できるブラシ5は、複数のユーザーが交換して使用できる。また、ブラシ5が摩耗すると簡単に交換できる。
【0028】
上方が先細りとなった略円筒状の樹脂製ケース11は、フレーム15を所定の位置に固定し、フレーム15に固定している直動軸受け14とモーター1と振動ロッド10と反発磁石6と起動磁石13等を定位置に固定する。さらに、ケース11には、モーター1を駆動する電池9を内蔵しており、表面にはモーター1をオンオフするスイッチ19を配置している。
【0029】
【発明の効果】
本発明の電動歯ブラシは、磁気的な力で回転運動を往復運動に変換しながら、特殊な構造とすることなく寿命を長くできる特長がある。それは、本発明の電動歯ブラシが、モーターで駆動磁石を回転し、駆動磁石と往復運動磁石との反発力と弾性体の押圧力とで往復運動磁石を往復運動させて、これに連結しているブラシを往復運動させることに加えて、駆動磁石の回転軌道と対向する位置に反発磁石を配設しており、駆動磁石が回転軌道を1回転移動するときに、往復運動磁石と反発磁石の両方を反発して押圧するからである。反発磁石と往復運動磁石の両方を磁気的な反発力で押圧しながら回転する駆動磁石は、往復運動磁石と反発磁石の両方を押圧する反作用で長い時間押圧される。このため、駆動磁石を回転させる回転軸の振動を少なくして、回転軸が振動することに起因する寿命の低下を防止できる。
【0030】
さらに、本発明の電動歯ブラシは、駆動磁石を回転させるモーターの起動トルクを小さくして、モーターをスムーズに起動できる特長もある。それは、本発明の電動歯ブラシが、駆動磁石が往復運動磁石の磁気的な反発力と弾性体の復元力とで往復運動磁石を往復運動させるからである。従来のように、磁気的な吸引力と反発力の両方で振動させる機構は、吸引力が作用する位置で駆動磁石が停止する。この位置で停止する駆動磁石は、吸引力で往復運動磁石を吸引して近く引き寄せる。磁気的な力で吸引される一対の磁石は、その間隔が狭くなるに従って吸引力が急激に大きくなる。したがって、往復運動磁石に最も接近する位置で停止する駆動磁石は、この位置から離すのに極めて強い回転トルクを必要とするので、駆動磁石を回転させるモーターの起動トルクを大きくする必要がある。これに対して、本発明の電動歯ブラシは、駆動磁石が反発磁石と往復運動磁石の両方を反発してバランスする位置で停止する。この位置に停止する駆動磁石は、往復運動磁石と反発磁石の両方を反発する位置で停止されるが、反発力は磁石の相対距離が遠くなるにしたがって弱くなるので、この位置で停止する駆動磁石は、弱い回転トルクで起動される。
【0031】
また、本発明の請求項2に記載している電動歯ブラシは、駆動磁石をモーターで回転される回転ディスクに固定して、この回転ディスクに駆動磁石とバランスウエイトを固定しているので、駆動磁石を固定している回転ディスクをバランスよく回転できる。このため、電動歯ブラシの振動を著しく少なくできる。このことは、駆動磁石を往復運動磁石と反発磁石の両方で押圧して、駆動磁石の回転軸を振動させないことと相乗して、電動歯ブラシの振動を極めて小さくできる。
【0032】
さらに、本発明の請求項3の電動歯ブラシは、往復運動磁石と反発磁石の駆動磁石と対向する面を半円形として、往復運動磁石と反発磁石とを円形とし、また本発明の請求項4の電動歯ブラシは、反発磁石の駆動磁石と対向する面の形状を、駆動磁石の回転軌道に沿う形状としているので、駆動磁石の回転軸に作用する振動を特に小さくできる。それは、駆動磁石の回転軸に常に押圧力が作用して、回転軸を一定の方向に押圧して振動させないからである。
【0033】
また、本発明の請求項5の電動歯ブラシは、モーターの非駆動時に静止した駆動磁石が、静止から回転する状態に起動する際にモーターが回転を開始する起動トルクを小さくする起動磁石を配置しているので、モーターをスムーズに起動できる特長がある。さらにまた、本発明の請求項6の電動歯ブラシは、反発磁石と往復運動磁石との間の側部に起動磁石を配置しているので、停止するモーターの起動トルクを理想的に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁石を利用する往復運動変換機構の原理を示す概略断面図
【図2】本発明の一実施例にかかる電動歯ブラシの往復運動変換機構の原理を示す概略斜視図
【図3】本発明の一実施例にかかる電動歯ブラシの往復運動変換機構を示す斜視図
【図4】本発明の一実施例にかかる電動歯ブラシを側面から見た断面図
【図5】図4に示す電動歯ブラシを正面から見た断面図
【図6】駆動磁石と往復運動磁石の他の一例を示す平面図
【図7】本発明の他の実施例にかかる電動歯ブラシの往復運動変換機構を示す斜視図
【図8】図7に示す往復運動変換機構に配置される各磁石の位置関係を示す平面図
【符号の説明】
1…モーター 1A…回転軸
2…駆動磁石
3…往復運動磁石
4…弾性体 4U…弾性体 4D…弾性体
5…ブラシ 5A…基台 5B…毛
6…反発磁石
7…回転ディスク
8…バランスウエイト
9…電池
10…振動ロッド
11…ケース
12…スリット
13…起動磁石
14…直動軸受け
15…フレーム
16…鍔
17…ホルダー
18…ホルダー
19…スイッチ
Claims (6)
- モーター(1)で回転される駆動磁石(2)と、この駆動磁石(2)の回転軌道上の1箇所と間隔を持って対向する位置にあって、駆動磁石(2)の回転面に対して垂直な方向に往復運動できるように配設される往復運動磁石(3)と、この往復運動磁石(3)を弾性的に駆動磁石(2)の方向に付勢する弾性体(4)とを備え、駆動磁石(2)と往復運動磁石(3)は対向する面を同極として、駆動磁石(2)が往復運動磁石(3)に接近すると磁気的な反発力が作用するように配置しており、
モーター(1)で駆動磁石(2)を回転し、駆動磁石(2)と往復運動磁石(3)との反発力と弾性体(4)の付勢力とで往復運動磁石(3)を往復運動させ、往復運動する往復運動磁石(3)でブラシ(5)を往復運動させるようにしてなる電動歯ブラシであって、
駆動磁石(2)の回転軌道上の他の1箇所と間隔を持って対向する位置に反発磁石(6)を配設し、駆動磁石(2)が回転軌道を1回転移動する状態で、往復運動磁石(3)と反発磁石(6)の両方を反発するようにしてなる電動歯ブラシ。 - 駆動磁石(2)をモーター(1)で回転される回転ディスク(7)に固定しており、この回転ディスク(7)に駆動磁石(2)とバランスウエイト(8)を固定している請求項1に記載される電動歯ブラシ。
- 往復運動磁石(3)と反発磁石(6)が駆動磁石(2)と対向する面を半円形として、往復運動磁石(3)と反発磁石(6)とが円形になるように配置している請求項1に記載される電動歯ブラシ。
- 反発磁石(6)が駆動磁石(2)と対向する面の形状を、駆動磁石(2)の回転軌道に沿う形状としている請求項1に記載される電動歯ブラシ。
- モーター(1)が非駆動時に静止した駆動磁石(2)において、
駆動磁石(2)が静止から回転する状態に起動する際にモーター(1)が回転を開始する起動トルクが小さくなるように、起動磁石(13)を配置したことを特徴とする請求項1に記載される電動歯ブラシ。 - 反発磁石(6)と往復運動磁石(3)との間の側部に起動磁石(13)を配置しており、この起動磁石(13)が停止する駆動磁石(2)の起動トルクを小さくするようにしてなる請求項1に記載される電動歯ブラシ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091960A patent/JP2004298246A/ja active Pending
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