JP2014075961A - 原動機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原動機10は、固定子30の内側に回転子40が配置され、回転子40が回転するに伴って、回転子を揺動する回転子位置決め手段50を備えている。固定子30は、回転方向に沿って配置されたS磁石301とN磁石302とを一組として、軸線方向に並ぶ第1の位置または第2の位置に交互に配置されている。回転子40は、S磁石414が円弧状に配置され、円周に沿って第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成されている。回転子位置決め手段50は、揺動用カム部のカム面の位置に応じて、回転子40のS磁石414を揺動させて、第1の位置または第2の位置にある固定子30のS磁石301とN磁石302に対向させて、反発および吸引により回転子40を加速させる。
【選択図】図8
Description
この特許文献1に記載の「エアー駆動モータ」は、円筒内周の対称位置にN極とS極の永久磁石を取付けた固定子と、固定子の内側に、円筒と同一の中心軸に回転自在に取付けられた複数の回転子とを備え、回転子の外周面上にN極とS極の永久磁石が平行に嵌設され、且つ回転子を揺動するためのエアーシリンダを有し、エアーシリンダが、固定子の永久磁石と対峙する回転子に嵌設されたN極とS極の永久磁石の極性を所定の位置で切替えるものである。
本発明の原動機は、第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、前記第1の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第1の磁極に対向させて反発させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えている。
または、前記揺動用カム部は、第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第1の磁極に、前記回転子の第1の磁極を反発させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えるのが望ましい。
回転子を複数の揺動部から形成して、揺動用カム部の高さ位置に応じて、第1の位置と第2の位置との間で揺動させることで、エアーシリンダにより回転子の位置の切り替えを行うより、スムーズに回転子を変位させることができる。
回転子の揺動部が第1の位置から第2の位置へ揺動したり、第2の位置から第1の位置へ揺動したりするときに、揺動部が揺動方向に向かって下り傾斜となった案内手段に案内されて移動するので、自重の重い揺動部であっても、容易に移動させることができる。
厚み方向に揺動させた場合と比較して、揺動部を半径方向に揺動させながら回転させることで軸線に対する振動や荷重の影響を抑えることができる。
揺動部の円弧状平面部に立設された揺動用カム部の立設面をカム面とすると、揺動用カム部のカム面の半径方向の位置に基づいて、回転子位置決め手段が揺動部を半径方法へ移動させることができる。
揺動部の外周面に設けられた揺動用カム部の頭頂面をカム面として、揺動用カム部のカム面の厚み(高さ)に基づいて、回転子位置決め手段が揺動部を半径方法へ移動させることができる。
本発明の実施の形態1に係る原動機を図面に基づいて説明する。なお、本明細書においては、原動機の回転中心となる回転軸が突出している側を前、反対側を後ろ、回転子においては、前側を向いた側を一側、後方を向く側を他側として説明する。
図1および図2に示す原動機10は、電源装置Pにより回転制御用の4台の電動機Mを駆動して回転して、回転軸に設けられたプーリーRを回転させるものである。
原動機10は、筺体部20と、固定子30と、回転子40と、回転子位置決め手段50と、軸支部材70とを備えている。
揺動部400は、半径方向の外側に位置する外周部410と、半径方向の内側に位置する内周部420とから形成されている。
図5に示すように、外周部410には、略扇状に形成された基材411の一側と他側とに、第1のカム部として機能する厚みを調整するための厚み部材412,413が配置されることで、外周部410の円弧状平面部に揺動用カム部が形成される。また、同様にして、図6に示すように、内周部420には、略扇状に形成された基材421の一面側と他面側とに、第2のカム部として機能する厚みを調整するための厚み部材422,423が配置されることで、内周部420の円弧状平面部に揺動用カム部が形成される。基材411は、非磁性体により形成されている。本実施の形態1では、基材はアルミ材により形成されている。
回転子位置決め手段50は、所定間隔で配置された一対の回転体により形成されている。具体的には、回転子位置決め手段50は、図5および図6に示すように、外周部410を間に通過させる一対の回転体から形成された第1の回転体対510と、第1の回転体対510と回転軸60を挟んで反対側に配置され、内周部420を間に通過させる一対の回転体から形成された第2の回転体対520とを備えている。
ローラー511,512およびローラー521,522は、回転軸が回転可能に筺体部20への取付部材により支持されている。ローラー511,512の外周面同士の間隔と、ローラー521,522の外周面同士の間隔とは、外周部410と内周部420の厚みに合わせられている。
ローラー511,512の外周の長さは外周部410の円弧状平面部の円弧長さ(ローラーが回転する走行路の長さ)に合わせて形成され、ローラー521,522の外周の長さは内周部420の円弧状平面部の円弧長さに合わせて形成されている。つまり、外周部410が第1の回転体対510を通過すると、ローラー511,512が一周すると共に、内周部420が第2の回転体対520を通過すると、ローラー521,522が一周する。従って、外周部410を間に通過させるローラー511,512は、内周部420を間に通過させるローラー521,522より直径が大きい。
ガイド支持部材72には、軸線に沿って溝が形成され、この溝に、内周部420の内周面に突設された略L字状の腕部材424の先端のベアリングが嵌装されることで、軸支部材70に回転子40の揺動部400を連結させながら、それぞれの揺動部400を、第1の位置と第2の位置との間を揺動可能としている。
また、図4に示す軸支部材70と連結するための腕部材424や、ローラー511,512の回転軸、電動機Mなどは、省略している。
電動機Mを回転させると、図5に示すように、第1の回転体対510(ローラー511,512)および、図6に示すように、第2の回転体対520(ローラー521,522)が回転することで、図4に示す回転子40が回転し始める。
第1の固定磁石310のN磁石302とS磁石301とは、第1の位置に配置されているため、揺動部400のS磁石414は、第1の固定磁石310のN磁石302とS磁石301と対向する。
図9および図10(C)に示す状態、つまり、揺動部400が第1の位置に位置した状態で、第2の回転体対520へ進行する。
図6(A)、図11、および図14(A)に示すように、第2の回転体対520のローラー521は、内周部420の厚み部材422に位置することで高位置にあり、ローラー522は、内周部420の基材421に位置することで低位置にある。従って、ローラー521により押し下げられた状態となるため、第2の回転体対520を通過している揺動部400は、第1の位置を維持する。第2の回転体対520の位置では、固定子30の第2の固定磁石320が第2の位置に配置されているため、第2の固定磁石320からの磁力は、第2の回転体対520を通過している揺動部400に作用しない。
第2の固定磁石320のN磁石302とS磁石301とは、第2の位置に配置されているため、揺動部400のS磁石414は、第2の固定磁石320のN磁石302とS磁石301と対向する。
そして、揺動部400が第2の位置に位置した状態で、第1の回転体対510の方向へ回転して進行する。
そして、回転子40のS磁石414を、固定子30のS磁石301に対向させて反発させると共に、固定子30のN磁石302に対向させて吸引させるので、回転子40を加速させることができる。従って、特許文献1に記載のエアー駆動モータのエアーシリンダにより回転子の位置の切り替えを行う方法より、スムーズに回転子の位置の変位を行うことができる。従って、回転子40を高速に回転させることができるので、高出力を得ることができる。
本実施の形態1に係る原動機10では、回転子40にS磁石414だけが装着されており、回転方向の後部で同極による反発と、回転方向の前部で異極による吸引となる位置にS磁石414が跨ったときに、回転子の位置を移動させている。従って、回転子40にブレーキを掛けることなく、回転子40を回転させることができる。
また、特許文献1のモータでは、回転子と共にエアーシリンダが回転するため、エアーシリンダの重量が大きな負荷となるが、本実施の形態1に係る原動機10では、回転子40にエアーシリンダが設けられていないため重量の軽減を図ることができる。
例えば、図15に示す原動機10xでは、固定子としてN磁石およびS磁石からなる環状部材300が10列配列され、回転子として外周面にS磁石が10列配列されている。このように固定子と回転子との永久磁石を多層化することで、高トルクを出力することができる。
また、回転子40の回転力が低下しても問題がなければ、固定子30に、回転子40のS磁石414と吸引するN磁石302を設けていれば、第1の位置および/または第2の位置に配置した固定子30のS磁石301は省略することができる。
更に、回転子40の揺動部400は、回転子40を3分割したものとしているが、4分割以上としてもよい。また、回転子の分割数に応じて固定子の分割数も増加させてもよい。その場合には、回転子位置決め手段も増加度合いに応じて増加させるのが望ましい。
本発明の実施の形態2に係る原動機を図面に基づいて説明する。
原動機10の出力を高めるためには、回転子と固定子とをより多く並べるのが望ましい。例えば、上述した図15に示す原動機10xでは、固定子としてN磁石およびS磁石からなる環状部材300が10列配列され、回転子として外周面にS磁石が10列配列されている。しかし、出力を高めるために、回転子と固定子とを数多く並べると、揺動部は重くなり、回転位置決め手段のローラーが揺動部を押圧して揺動部を移動させにくくなる。
本実施の形態2に係る原動機は、回転子の移動をスムーズに行うことを特徴としている。なお、図17から図25においては、図1から図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
筒体21yの傾斜面に形成された内壁には、固定子30yであるS磁石とN磁石とを一組とした環状部材300が設けられている。
筒体21yの内部には、回転子40yが配置されている。回転子40yは、筐体部20yの軸線に配置された回転軸60により回転自在に支持されている。回転子40yは、回転中心となる回転軸60が水平になるように配置されている。
図18に示すように、支持板61,61の間には、回転子40yの揺動部400yを貫通するスライド棒62が、案内手段として設けられ、回転子40yのそれぞれの揺動部400yを支持している。スライド棒62は、水平に配置された回転中心となる回転軸60に対して回転子40yの揺動部400yの揺動方向に向かって下り傾斜して揺動部400yをスライドさせるものである。
本実施の形態2では、1つの揺動部400yに2本ずつのスライド棒62が設けられているが、揺動部400yの重量に応じてスライド棒62は1本でも、3本以上としてもよい。
回転子40yが回転軸60を中心に回転したときには、下側に位置したスライド棒62は、回転子40yの直径の小さい一側S1から直径の大きい他側S2に向かって下り傾斜となる。また、上側に位置したスライド棒62は、直径の小さい一側S1から直径の大きい他側S2に向かって上り傾斜となる。
この厚み部材412,413および厚み部材422,423の配置位置は、図5および図6に示す実施の形態1に係る原動機10と同じである。
なお、図19から図21に示す第1の回転体対510(ローラー511,512)と第2の回転体対520(ローラー521,522)のそれぞれの回転により回転子40yが回転移動して、厚み部材412,413に対する第1の回転体対510の位置と、厚み部材422,423に対する第2の回転体対520の位置が変わる。この説明を、回転子(揺動部)の厚みが異なるが、図5および図6に基づいて説明する。
図6(C)に示すように、更に、回転子40yの回転が進行して、ローラー521が基材421上である低位置に位置し、ローラー522が厚み部材423上である高位置に位置することで、上部に位置した揺動部400yが、図23に示すように、スライド棒62に沿って下り傾斜を滑るようにスライドして、第1の位置から第2の位置へ移動させられる。
図24に示すように、揺動部400yが第1の位置から第2の位置へ移動することで、揺動部400yは、S磁石414が、図24では図示していない第2の固定磁石320のN磁石302により吸引され、S磁石301による反発されて、回転が加速される。
図5(C)に示すように、更に、回転子40yの回転が進行して、ローラー511が基材411上である低位置に位置し、ローラー522が厚み部材423上である高位置に位置することで、図25に示すように、揺動部400yが下部に位置することで傾斜方向が変わったスライド棒62に沿って、揺動部400yが下り傾斜を滑るように第2の位置から第1の位置へ移動する。
揺動部400yが第2の位置から第1の位置へ移動することで、揺動部400yは、S磁石414が、図24では図示していない第2の固定磁石320のN磁石302により吸引され、S磁石301による反発されて、回転が加速される。
従って、揺動部400yと固定子30yとの間が大きく開いて磁力の強度が低下してしまうことを防止することができる。
本発明の実施の形態3に係る原動機を図面に基づいて説明する。
本実施の形態3に係る原動機は、回転子の揺動部が半径方向に変位することを特徴としている。なお、図26から図29においては、図1から図25と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
溝32の溝壁には、円弧状に円柱状の永久磁石が埋設されている。固定子30zの円弧状に埋設された永久磁石は、図28(A)および同図(B)に示すように、第1の磁極であるS極を、図28では図示しない溝32内に向けた永久磁石301z(以下、S磁石と称す。)と、第2の磁極であるN極を溝32内に向けた永久磁石302z(以下、N磁石と称す。)とから構成されている。
S磁石301zと、N磁石302zとを一組として、溝32の両側の溝壁に、上半分の略半円状の第1の固定磁石310zが第1の位置に配置され、下半分の略半円状とした第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されている。
揺動部400zの外周部には、第1の磁極であるS極を、固定子30zの溝32の溝壁(回転子40zの厚み方向)に向けた円柱状の永久磁石414z(以下、S磁石と称す。)が、円弧状に埋設されて配置されている。本実施の形態3では、S磁石414zが一面側と他面側とにそれぞれ設けられている。
カム壁部材431は、固定子30zの第1の固定磁石310zが設けられた揺動部400zの一面側に形成されている。カム壁部材431は、内周側に位置した第1の円弧壁部431aと、第1の円弧壁部431aから徐々に外周側へ傾斜する傾斜部431bと、第1の円弧壁部431aより外周側に位置する第2の円弧壁部431cとにより形成されていることで、第1のカム部として機能する。
カム壁部材432は、固定子30zの第2の固定磁石320zが設けられた揺動部400zの他面側に形成されている。カム壁部材432は、外周側に位置した第1の円弧壁部432aと、第1の円弧壁部432aから徐々に内周側へ傾斜する傾斜部432bと、第1の円弧壁部432aより内周側に位置する第2の円弧壁部432cとにより形成されていることで、第2のカム部として機能する。
図28に示すように、保護ローラー80は、揺動部400zが落下方向に揺動するときに揺動部400zの衝撃を緩和するものである。
まず、図示しない電動機を回転駆動させることで、図29および図30に示す第1の回転体対510(ローラー511,512)および、第2の回転体対520(ローラー521,522)が回転することで、回転子40zが回転し始める。
図29(A)に示すように、第1の回転体対510を通過するカム壁部材431の第1の円弧壁部431aは、揺動部400zの内周側に位置しているため、揺動部400zは、第1の回転体対510によって、軸支持部材70zの部材本体71より離間した位置にある。
従って、第1の円弧壁部431aが第1の回転体対510を通過している揺動部400zは、第2の位置である。第2の位置では、固定子30zの第1の固定磁石310zが、揺動部400zのS磁石414zより内周側に位置する第1の位置であるため、第1の固定磁石310zからの磁力は、第1の回転体対510を通過している揺動部400zのS磁石414zに作用しない。
第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zとは、第1の位置であるため、揺動部400zのS磁石414zは、第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
このとき、第2の円弧壁部431cが保護ローラー80に当接するので、揺動部400zが変位して第2の円弧壁部431cがローラー512へ当接する際の衝撃を緩和することができる。
図30(A)に示す状態、つまり、揺動部400zが第1の位置に位置した状態で、第2の回転体対520へ進行して、第2の回転体対520にカム壁部材432の第1の円弧壁部432cが入る。このとき、固定子30zの第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されているため、第2の固定磁石320zからの磁力は、第2の回転体対520を通過している揺動部400zのS磁石414zには作用しない。
第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zとは、第2の位置に配置されているため、揺動部400zのS磁石414zは、第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
このとき、第2の円弧壁部432cが保護ローラー80に当接するので、揺動部400zが変位して第2の円弧壁部432cがローラー522へ当接する際の衝撃を緩和することができる。
そして、回転子40zのS磁石414zを、固定子30zのS磁石301zに対向させて反発させると共に、固定子30zのN磁石302zに対向させて吸引させるので、回転子40zを加速させることができる。
また、図5や図6に示す揺動部400を厚み方向に揺動させた場合と比較して、揺動部400zを半径方向に揺動させながら回転させることで、回転軸60に対する振動や荷重の影響を抑えることができる。
また、回転子40zの一方の面をS磁石とし、他方の面をN磁石として、1個の永久磁石を並べるようにしてもよい。この場合、N磁石側となった、固定子では、第1の固定磁石と第2の固定磁石のN磁石とS磁石を反対となるように設ける。
また、固定子30zは、その穴31の周壁に、回転子40zを回転させるための溝31が形成されているが、回転子40zが回転できればよいので、2枚の板状の固定子の間に回転子40zを配置してもよい。
本発明の実施の形態4に係る原動機を図面に基づいて説明する。
本実施の形態4に係る原動機は、回転子の揺動部が半径方向に変位し、揺動用カム部が揺動部の外周面に設けられていることを特徴としている。なお、図31から図35においては、図1から図30と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
S磁石301zと、N磁石302zとを一組として、上半分の略半円状の第1の固定磁石310zが第1の位置に配置され、下半分の略半円状とした第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されている。
揺動部400pの外周部には、第1の磁極であるS極を、固定子30p(回転子40pの厚み方向)に向けた円柱状の永久磁石414z(以下、S磁石と称す。)が、円弧状に埋設されて配置されている。本実施の形態4では、実施の形態3と同様に、永久磁石414zが一面側と他面側とにそれぞれ設けられている。
また、同様にして、揺動部400pの外周面に、第2のカム部として機能する厚み(回転軸60からの半径)を調整するための厚み部材425が配置されることで、揺動用カム部が形成される。厚み部材415と厚み部材425とは、揺動部400pの外周面の厚みの半分ずつの幅で、外周面に沿って並べられている。
厚み部材415の中間位置と厚み部材425の中間位置には傾斜面415p,425pが形成されている。
まず、図示しない電動機を回転駆動させることで、図35に示すローラー511pおよびローラー521pが回転することで、回転子40pが回転し始める。
図33(A)に示すように、揺動部400pは、厚み部材415の厚みが薄い前端部がローラー511pを通過しているため、軸支持部材70pの部材本体71pから離間した位置にある。
従って、厚み部材415の前端部がローラー511pを通過している揺動部400pは、第2の位置である。第2の位置では、固定子30pの第1の固定磁石310zが、揺動部400pのS磁石414zより内周側に位置する第1の位置であるため、第1の固定磁石310zからの磁力は、ローラー511pを通過している揺動部400pのS磁石414zに作用しない。
ローラー511pは変位しないため、ローラー511pが厚み部材415を押し下げることで、揺動部400pが押し下げられ、ガイド支持部材72を内部に収納しながら部材本体71pに接近して、徐々に揺動部400pのS磁石414zが第2の位置から第1の位置へ移動させられる。
第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zとは、第1の位置であるため、揺動部400pのS磁石414zは、第1の固定磁石310zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
回転子40pの上部で、第2の位置から第1の位置に変位する揺動部400pは、落下方向に移動するため、重量が重くても、容易に変位させることができる。
図35(A)に示す状態、つまり、揺動部400pが第1の位置に位置した状態で、ローラー521pへ進行して、ローラー521pが厚み部材425の厚みが厚い前端部に乗り上げている。このとき、固定子30zの第2の固定磁石320zが第2の位置に配置されているため、第2の固定磁石320zからの磁力は、ローラー521pを通過している揺動部400zのS磁石414には作用しない。
ローラー521pは変位しないため、揺動部400pはローラー521pに支えられながら自重により下がる。揺動部400pが厚み部材425の厚みに応じて押し下げることで、揺動部400p内に収納されたガイド支持部材72を内部から出しながら部材本体71pから離間して、徐々に揺動部400pのS磁石414zが第1の位置から第2の位置へ移動させられる。
第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zとは、第2の位置に配置されているため、揺動部400pのS磁石414zは、第2の固定磁石320zのN磁石302zとS磁石301zと対向する。
回転子40pの下部で、第1の位置から第2の位置に変位する揺動部400pは、落下方向に移動するため、重量が重くても、容易に変位させることができる。
また、高速で回転する揺動部400の遠心力を、揺動部400pの外側で、ローラー511およびローラー521が支持するため、回転子40pを高速でも安定させた状態で回転させることができる。
本発明の実施の形態5に係る原動機を図面に基づいて説明する。なお、図36および図37については、図31から図35と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略するものであり、固定子については、実施の形態4の固定子30pと同じで構成であるため、図示していない。
実施の形態5ではガイド支持部材72の両端がそれぞれの揺動部400pに固定され、ガイド支持部材72が軸支持部材70pの部材本体71pを挿通した状態で行き交うことで、対向する揺動部400pのうち一方の揺動部400pが部材本体71pに接近すると、他方の揺動部400pが離間し、他方の揺動部400pが部材本体71pに接近すると、一方の揺動部400pが離間して、一緒に揺動するものである。
ガイド支持部材72は、両端部が揺動部400pに固定されていると共に、部材本体71p内を、軸線に沿ってスライドするように挿通している。
厚み部材415は全周に渡って形成され、回転方向の前端部が薄く、後端部が厚い。また、厚み部材425は全周に渡って形成され、回転方向の前端部が厚く、後端部が薄い。ローラー511pおよびローラー521pによって挟まれた距離は、回転子40pの回転でも変位しないため、回転子40pの回転位置に無関係に、ローラー511pとローラー521pとの間の距離が一定となるように、厚み部材415,425の厚みが形成されている。
ローラー511pが厚み部材415の厚みが薄い前端部を通過している揺動部400pは、第2の位置にある。第2の位置をある揺動部400pのS磁石414zには、第1の固定磁石310zからの磁力は作用しない。
また、ローラー521pが厚み部材425の厚みが厚い前端部を通過している揺動部400pは、第1の位置にある。第1の位置にある揺動部400pのS磁石414zには、第2の位置にある第2の固定磁石320zからの磁力は作用しない。
ローラー511pは変位しないため、ローラー511pが厚み部材415を押し下げることで、揺動部400pが押し下げられ、部材本体71pに接近し、反対側の揺動部400pが部材本体71pから離間する。部材本体71pから離間する揺動部400pは、ローラー521pに支えられながら自重により下がる。
また、回転子40pの下部で揺動部400pを支持するローラー521が保護ローラーとして機能するため、回転子40pの上部で落下方向へ揺動する揺動部400pの衝撃が回転軸60へ伝われることを防止することができる。
20,20y 筺体部
20z,20p 支持体
21,21y 筒体
22 支持脚部
30,30y,30z,30p 固定子
300 環状部材
301 S極を内周に向けた永久磁石(S磁石)
301z S極を溝内に向けた永久磁石(S磁石)
302 N極を内周に向けた永久磁石(N磁石)
302z N極を溝内に向けた永久磁石(N磁石)
303 隙間
310,310z 第1の固定磁石
320,320z 第2の固定磁石
31 穴
32 溝
40,40y,40z,40p,40q 回転子
400,400a,400y,400z,400p 揺動部
410 外周部
411 基材
412,413 厚み部材
412a,413a 傾斜面
414,414z S極を外周に向けた永久磁石(S磁石)
415 厚み部材
415p 傾斜面
420 内周部
421 基材
422,423 厚み部材
422a,423a 傾斜面
424 腕部材
425 厚み部材
425p 傾斜面
431,432 カム壁部材
431a 第1の円弧壁部
431b 傾斜部
431c 第2の円弧壁部
432a 第1の円弧壁部
432b 傾斜部
432c 第2の円弧壁部
441 連結部材
50,50z,50p 回転子位置決め手段
510,510z 第1の回転体対
511,512 ローラー
520 第2の回転体対
521,522 ローラー
531,532 ローラー
510p 第1の回転体
511p ローラー
520p 第2の回転体
521p ローラー
60 回転軸
61 支持板
62 スライド棒
70,70z,70p 軸支部材
71,71p 部材本体
72 ガイド支持部材
80 保護ローラー
P 電源装置
M 電動機
R プーリー
S1 一側
S2 他側
Claims (14)
- 第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、
前記第2の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、
前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第2の磁極に対向させて吸引させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えた原動機。 - 前記揺動用カム部は、
第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第2の磁極に、前記回転子の第1の磁極を吸引させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、
一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えた請求項1記載の原動機。 - 前記回転子の第1の磁極を前記固定子の第2の磁極に吸引させるときに、前記回転子の第1の磁極に反発する第1の磁極が、前記固定子に設けられている請求項1または2記載の原動機。
- 第1の磁極が円弧状に配置され、第1の位置または第2の位置に変位させるための揺動用カム部が形成された回転子と、
前記第1の磁極が回転方向に沿って配置された固定子と、
前記揺動用カム部のカム面の位置に応じて、前記回転子の回転により第1の位置と第2の位置との間で揺動させ、前記回転子の第1の磁極を、前記固定子の第1の磁極に対向させて反発させて、前記回転子を加速させる回転子位置決め手段とを備えた原動機。 - 前記揺動用カム部は、
第1の位置または第2の位置のいずれか一方の位置に配置された前記固定子の第1の磁極に、前記回転子の第1の磁極を反発させるために、他方の位置から一方の位置へ前記回転子を変位させる第1のカム部と、
一方の位置から他方の位置へ、前記回転子を変位させる第2のカム部とを備えた請求項4記載の原動機。 - 前記回転子の第1の磁極を前記固定子の第1の磁極に反発させるときに、前記回転子の第1の磁極に吸引する第2の磁極が、前記固定子に設けられている請求項4または5記載の原動機。
- 前記回転子位置決め手段は、所定間隔で配置された一対の回転体により形成されており、
前記第1のカム部を間に通過させて、前記回転子を第2の位置から第1の位置へ変位させる第1の回転体対と、
前記第2のカム部を間に通過させて、前記回転子を第1の位置から第2の位置へ変位させる第2の回転体対とを備えた請求項2または4記載の原動機。 - 前記第1の回転体対と前記第2の回転体対とのうち、少なくとも1つの回転体に、前記回転子の回転制御用の電動機が設けられている請求項7記載の原動機。
- 前記回転子は、厚み方向に揺動しながら回転する複数の揺動部により形成され、
前記揺動部は、軸線方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で、前記揺動用カム部の高さ位置に応じて揺動するものであり、
前記固定子は、前記回転子の半径方向の外側に、第2の磁極が配置されている請求項1から8のいずれかの項に記載の原動機。 - 前記回転子は、回転中心となる回転軸が水平に配置され、
前記揺動部は、前記回転軸に対して前記揺動部の揺動方向に向かって下り傾斜となる案内手段によりスライドする請求項9記載の原動機。 - 前記回転子は、円錐台状に形成され、
前記固定子は、前記回転子を囲う傾斜面に形成された内壁に配置され、
前記揺動部は、前記回転子の回転軸を中心として周方向を分割して形成され、
前記案内手段は、前記揺動部を前記傾斜面に沿ってスライドさせる請求項10記載の原動機。 - 前記回転子は、半径方向に揺動しながら回転する複数の揺動部により形成され、
前記揺動部は、第1の磁極または第2の磁極のいずれか一方が厚み方向に向けて円弧状に配置され、半径方向に並ぶ第1の位置と第2の位置との間で、前記揺動用カム部の半径方向の位置に応じて揺動するものであり、
前記固定子は、前記回転子の厚み方向の外側に、第2の磁極が配置されている請求項1から8のいずれかの項に記載の原動機。 - 前記揺動用カム部は、前記揺動部の円弧状平面部に立設され、
前記回転子位置決め手段は、前記揺動用カム部の立設面となるカム面の位置に応じて、前記揺動部の位置を決定するものである請求項12記載の原動機。 - 前記揺動用カム部は、前記揺動部の外周面に設けられ、
前記回転子位置決め手段は、前記揺動用カム部の頭頂面となるカム面の位置に応じて、前記揺動部の位置を決定するものである請求項12記載の原動機。
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