JP6038494B2 - 転舵装置の異常判断装置 - Google Patents
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Description
前記転舵装置4は、上下方向に延び軸心回りに回転不能に車体3側に設けられた転舵中心軸10と、車輪1,2を支持して前記転舵中心軸10に回転自在に支持されたハブキャリア20と、このハブキャリア20と一体に回転可能に設置された転舵アクチュエータ30とを有し、この転舵アクチュエータ30が転舵用のモータ32、およびこのモータ32の回転を、前記転舵中心軸10に固定されたウォームホイール13に伝達しその反力により前記転舵中心軸10に対して前記ハブキャリア20を回転させる伝達機構33を有し、
前記転舵装置4の前記モータ32から得られる情報と、前記車両を走行させる走行駆動源6から得られる情報とから、前記転舵装置4の異常の状況を判断する異常状況判断手段55を設けたことを特徴とする。
前記走行駆動源3は、電動のモータまたはエンジンである。
走行中に転舵装置4に異常が生じた場合、車両の走行状態に異常が生じるが、直線路の走行中では異常が生じない場合があり、また曲線路等で車両の走行状態に異常が生じていても、その異常の原因が転舵装置4の異常であることが、運転者にとってわからない場合がある。異常状況判断手段55の判断結果が表示装置64に表示されていると、運転者がこの表示を見て、走行の異常の原因が転舵装置4の異常であることが明確に、かつ早期に分かり、また走行の異常が生じる前に未然に転舵装置4が異常していることが分かる。これにより、車両を止める等の安全処置が図れる。修理を行う場合の異常箇所の特定も容易となる。
前記の「定められた制御」は、例えば、前記走行駆動源6の出力を低下させる制御や、左右の駆動輪に転舵を補うように駆動力の差を生じさせる制御である。転舵装置4の異常が発生した場合に、車両の適宜の制御を行うことで、走行の安全性を高め、また転舵を可能として、路上の安全な場所への自走による移動が可能となる。
前記異常状況判断手段55による前記異常の状況の判断については、前記走行駆動源6の少なくとも回転数に応じて記憶しておいた前記モータ32の電流、回転数、回転方向のいずれかの値と、検出した電流、回転数、回転方向のいずれかの値とをそれぞれ比較してその差が、設定された許容範囲内であるか否かで正常か異常かの判断を行い、この判断を行うにつき、前記走行駆動源6から得られる少なくとも回転数の情報により、前記走行駆動源の少なくとも回転数に応じて記憶しておいた前記モータ32の電流、回転数、回転方向の前記いずれかの値を選択する。
請求項2の構成では、異常状況判断手段55は、前記転舵装置の前記モータから得られる電流、回転数、回転方向の情報と、前記車両を走行させる走行駆動源から得られる走行駆動方向および回転数の情報とから、前記転舵装置の異常の状況を判断し、
この異常状況判断手段55による前記異常の状況の判断については、前記走行駆動源6の走行駆動方向および回転数に応じて記憶しておいた前記モータ32の電流、回転数、回転方向の各値と、検出した電流、回転数、回転方向の各値とをそれぞれ比較して各々の差が、設定された許容範囲内であるか否かで正常か異常かの判断を行い、この判断を行うにつき、前記走行駆動源6から得られる走行駆動方向および回転数の情報により、判断の基準となる、前記走行駆動源6の走行駆動方向および回転数に応じて記憶しておいた前記モータの電流、回転数、回転方向の前記各値を選択する。
能として、路上の安全な場所への自走による移動が可能となる。
この構成の転舵装置4の場合、ウォーム31aが成形された従動軸31と転舵用のモータ32とが上下に並ぶため、転舵装置4がコンパクトな構成となる。このようなコンパクトな構成の転舵装置4の異常判断が、この発明の異常判断装置によると適切に行える。
なお、転舵中心軸10の構造や車体側への支持態様は、実施形態に限定されず、横軸部11を省略して縦軸部12のみからなるものとし、これを図6のようにユニバーサルジョイントJ等を介して上側サスペンションアームS1に結合してもよい。
転舵アクチュエータ30は、ケーシング40ではなく例えばフレーム体により支持されてもよい。
また、前記ギア31a,31bは必ずしも設けられていなくても良く、例えば図7に示すように、ウォーム31aが設けられた中間軸31Aをモータ32の出力軸に直結しても良い。
この異常の状況の判断のために用いる前記転舵用のモータ32から得られる情報は、このモータ32の電流、回転数、および回転方向のいずれか一つ、または任意の複数の組み合わせ、または全てである。例えば、電流と回転数、回転数と回転方向、回転方向と電流の各組み合わせであっても良い。
前記異常の状況の判断のために用いる前記走行駆動用のモータ6から得られる情報は、例えば、モータ6の回転数、走行駆動方向,のいずれか一つ、または全てである。例えば、回転数と走行駆動方向、走行駆動方向と電流の各組み合わせであっても良い。
走行駆動用のモータ6の回転数および走行駆動方向は、このモータ6に付設させたエンコーダやレゾルバ等の回転検出器73で検出する。走行駆動用のモータ32の電流は、このモータ32への電流印加回路に設けられた電流計74で検出する。
前記転舵装置異常対応制御手段56を設けた場合、前記異常状況判断結果表示手段57は、転舵装置異常対応制御手段56によって特定の制御を行っている旨を知らせる表示内容を含むようにしても良い。
3…車体
4…転舵装置
5…インホイールモータ駆動装置
6…モータ(走行駆動源)
7…車輪用軸受
8…減速機
10…転舵中心軸
13…ウォームホイール
20…ハブキャリア
30…転舵アクチュエータ
31…従動軸
31a…ウォーム
32…モータ
33…伝達機構
40…ケーシング
51…ECU
52…インバータ装置
53…駆動制御手段
54…転舵制御手段
55…異常状況判断手段
56…転舵装置異常対応制御手段
57…異常状況判断結果表示手段
61…操舵入力部
S…サスペンション
Claims (8)
- 操舵入力部と機械的に分離されかつ車輪を個別に転舵させるステアバイワイヤ方式の車両の転舵装置の異常を判断する異常判断装置であって、
前記転舵装置は、上下方向に延び軸心回りに回転不能に車体側に設けられた転舵中心軸と、車輪を支持して前記転舵中心軸に回転自在に支持されたハブキャリアと、このハブキャリアと一体に回転可能に設置された転舵アクチュエータとを有し、この転舵アクチュエータが転舵用のモータ、およびこのモータの回転を、前記転舵中心軸に固定されたウォームホイールに伝達しその反力により前記転舵中心軸に対して前記ハブキャリアを回転させる伝達機構を有し、
前記転舵装置の前記モータから得られる電流、回転数、回転方向のいずれかの情報と、前記車両を走行させる走行駆動源から得られる少なくとも回転数の情報とから、前記転舵装置の異常の状況を判断する異常状況判断手段を備え、
この異常状況判断手段による前記異常の状況の判断については、前記走行駆動源の少なくとも回転数に応じて記憶しておいた前記モータの電流、回転数、回転方向のいずれかの値と、検出した電流、回転数、回転方向のいずれかの値とをそれぞれ比較してその差が、設定された許容範囲内であるか否かで正常か異常かの判断を行い、この判断を行うにつき、前記走行駆動源から得られる少なくとも回転数の情報により、前記走行駆動源の少なくとも回転数に応じて記憶しておいた前記モータの電流、回転数、回転方向の前記いずれかの値を選択する、
転舵装置の異常判断装置。 - 請求項1記載の異常判断装置であって、異常状況判断手段は、前記転舵装置の前記モータから得られる電流、回転数、回転方向の情報と、前記車両を走行させる走行駆動源から得られる走行駆動方向および回転数の情報とから、前記転舵装置の異常の状況を判断し、 この異常状況判断手段による前記異常の状況の判断については、前記走行駆動源の走行駆動方向および回転数に応じて記憶しておいた前記モータの電流、回転数、回転方向の各値と、検出した電流、回転数、回転方向の各値とをそれぞれ比較して各々の差が、設定された許容範囲内であるか否かで正常か異常かの判断を行い、この判断を行うにつき、前記走行駆動源から得られる走行駆動方向および回転数の情報により、判断の基準となる、前記走行駆動源の走行駆動方向および回転数に応じて記憶しておいた前記モータの電流、回転数、回転方向の前記各値を選択する、
転舵装置の異常判断装置。 - 請求項2に記載の異常判断装置であって、前記異常状況判断手段における前記走行駆動源の走行駆動方向および回転数に応じて記憶しておく前記モータの電流、回転数、回転方向の各値は、前記走行駆動源の走行駆動方向および回転数の区分毎に定める転舵装置の異常判断装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の異常判断装置であって、前記異常状況判断手段の判断結果を、前記車両の運転席の前方に設けられた表示装置に表示させる異常状況判断結果表示手段を有する転舵装置の異常判断装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の異常判断装置であって、前記異常状況判断手段の判断結果に応じて、前記車両に対して定められた制御を行う転舵装置異常対応制御手段を有する転舵装置の異常判断装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の異常判断装置であって、前記転舵アクチュエータは、外周に前記ウォームホイールに噛み合うウォームが成形されてほぼ水平方向を向く軸心回りに回転可能に支持された従動軸を有し、この従動軸の下側に並んで前記モータが設置され、前記伝達機構が、前記モータの前記出力軸と前記従動軸の間で回転を伝達するギヤ列と、前記ウォームとでなる転舵装置の異常判断装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の異常判断装置であって、前記走行用駆動源がモータである転舵装置の異常判断装置。
- 請求項7に記載の異常判断装置であって、前記走行用駆動源であるモータは、インホイールモータ駆動装置を構成するモータである転舵装置の異常判断装置。
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