JP6037326B2 - 新規ポリシロキサン化合物並びにそれを利用した薄膜および微細構造体の製造方法 - Google Patents

新規ポリシロキサン化合物並びにそれを利用した薄膜および微細構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定の構造を有したポリシロキサン化合物ならびに、該ポリシロキサン化合物に熱を加えることにより自己組織化を誘起して超微細パターンを形成した薄膜を形成する方法に関し、特に、周期的な配列構造を有するパターンを得る方法であって、側鎖部位とアリールシロキサン部位からなる化合物の自己組織的な配列を利用した超微細パターンを形成する方法と、それから微細構造体を製造する方法に関する。
近年、電子デバイス、センサー等の小型化・高性能化に伴い、数ナノメートルから数百ナノメートルのサイズの微細な規則配列パターンを基板上に形成する必要性が高まっている。このような微細な規則配列パターン(微細構造)を高精度でかつ低コストに製造できるプロセスとして、自己組織化現象を応用したプロセスが注目を集めている。特に、高分子ブロック共重合体のミクロ相分離を利用したプロセスは、簡便な塗布プロセスで数十ナノメートルから数百ナノメートルの種々の形状を有する微細構造を形成できる点で優れたプロセスである(特許文献1,2)。例えば、高分子ブロック共重合体における異種の高分子セグメント同士が互いに混じり合わない(非相溶な)場合に、これらの高分子セグメント同士は、ミクロ相分離することにより連続相中に球状や柱状、層状のミクロドメインが規則的に配列した構造を形成する。
しかし、高分子ブロック共重合体を用いた場合には10nm以下の微細なパターンを形成するのは困難であった。
特許文献3には主鎖末端に反応性を有する基を含有するポリシロキサンが開示されている。しかしながら、反応性の基として特定の基を選択することで自己組織化を起こさせ、それにより超微細パターンを形成できることは開示されていない。
特開2012−66536号公報 特開2008−43873号公報 特開2008−150478号公報
本発明は、特定の温度以上で加熱することにより自己組織化(相分離)を起こし、それにより、10nm程度またはそれ以下の微細なパターンを形成することのできる材料を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、式(1)で表されるポリシロキサン化合物を特定温度以上で加熱すると、側鎖部位とアリールシロキサン部位とで自己組織化を起こし、微細なラメラ構造を形成することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1] 式(1)で示されるポリシロキサン化合物。
式(1)において、R1はそれぞれ独立して、一つ以上の水素が他の置換基に置き換えら
れてもよいアリール、または一つ以上の水素が他の置換基に置き換えられてもよいアリールアルキルであり;アリールおよびアリールアルキルのベンゼン環において、一つ以上の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく;この炭素数1〜10のアルキルにおいて、一つ以上の水素はフッ素で置き換えられてもよく隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−またはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアル
キルのアルキレンにおいて、炭素原子の数は1〜10であり、一つ以上の水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−またはフェニレンで置
き換えられてもよく;nは1以上10以下の整数である。
2は炭素数1〜10のアルキルまたは一つ以上の水素が他の置換基に置き換えられて
もよいアリールであり、
Yは式(2)で示される置換基、炭素数11〜30のアルキルまたは数平均分子量が3000以下のポリオキシアルキレンである。
式(2)において
3は炭素数1〜20のアルキレンであり、一つ以上の−CH2−は−O−、−C(=O)−またはフェニレンで置き換えられてもよく;
4は炭素数1〜30のアルキルであり、隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
mは1以上5以下の整数である。
[2]式(1−1)で示されるポリシロキサン化合物。
式(1−1)において、Y1は炭素数11から20のアルキルまたは数平均分子量が50
0〜3000のポリオキシアルキレンであり、nは1以上10以下の整数である。
[3]式(1−2)で示されるポリシロキサン化合物。
式(1−2)においてnは1以上10以下の整数である。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載のポリシロキサン化合物とそれを溶解させる溶媒を含んでなる組成物を、被加工体上に塗布することによって、該被加工体上に前記組成物層を形成し、ポリシロキサン化合物の自己組織化が発現する特定の温度で熱処理し超微細パターンを形成する工程を含む、ポリシロキサン化合物を含む薄膜の製造方法。
[5] 超微細パターンが、被加工体の面に形成された並列なラメラ構造であることを特徴とする[4]に記載の薄膜の製造方法。
[6] [4]または[5]に記載の薄膜の製造方法によってポリシロキサン化合物を含む薄膜を前記基板上に形成する工程と、該薄膜に含まれるポリシロキサン化合物の側鎖部位またはアリールシロキサン部位のうちの一方を除去する工程を含む、微細構造体の製造方法。[7] [6]に記載の微細構造体の製造方法によって得られる微細構造体。
本発明によれば、簡便に10nm程度またはそれ以下の微細パターンを形成することができ、さらに、リソグラフィーにより微細構造体を作成することができる。
式(1)の化合物の模式図(A)、式(1)の化合物が自己組織化したことによって微細パターンが形成された薄膜の模式図、エッチングにより形成された微細構造体の模式図(C)、(D)。 化合物(C)のX線小角散乱法による構造解析の結果を示す図。右は2次元SAXSパターン(写真)。 化合物(D)のX線小角散乱法による構造解析の結果を示す図。右は2次元SAXSパターン(写真)。 化合物(E)のX線小角散乱法による構造解析の結果を示す図。 化合物(C)を塗布して形成された薄膜の透過型電子顕微鏡による観察結果を示す図(写真)。 化合物(D)を塗布して形成された薄膜の透過型電子顕微鏡による観察結果を示す図(写真)。 化合物(E)を塗布して形成された薄膜の透過型電子顕微鏡による観察結果を示す図(写真)。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で提供されるポリシロキサン化合物は式(1)で表される。
式(1)において、R1はそれぞれ独立して、一つ以上の水素が他の置換基に置き換え
られてもよいアリール、または一つ以上の水素が他の置換基に置き換えられてもよいアリールアルキルであり;アリールおよびアリールアルキルのベンゼン環において、一つ以上の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)のアルキルで置き換えられてもよく;この炭素数1〜10のアルキルにおいて、一つ以上の水素はフッ素で置き換えられてもよく隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−またはフェニレンで置き換
えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、炭素原子の数は1〜10(好ましくは炭素数1〜5)であり、一つ以上の水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−またはフェニレンで置き換えられてもよく;nは1
以上10以下(好ましくは1以上5以下)の整数である。
ハロゲンの好ましい例は、フッ素、塩素および臭素である。
1が一つ以上の水素が他の置換基に置き換えられてもよいアリールであるとき、その
好ましい例は、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、アルキルフェニル、アルキルオキシフェニル、一つ以上の−CH2−がフェニレンで置き換えられたアルキルを置換基とし
て有するフェニルである。これらの基において、ベンゼン環の一つ以上の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。なお、本発明においては、特に断らずに単にフェニルと称するときは、非置換のフェニルを意味する。
アルキルフェニルの例は、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘプチルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフェニル、4−デシルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、4−(1−メチルエチル)フェニル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニルなどである。
アルキルオキシフェニルの例は、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘプチルオキシフェニル、4−デシルオキシフェニル、4−オクタデシルオキシフェニル、4−(1−メチルエトキシ)フェニル、4−(2−メチルプロポキシ)フェニル、4−(1,1−ジメチルエトキシ)フェニルなどである。
ハロゲン化フェニルの具体例は、ペンタフルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニルなどである。
ベンゼン環の水素の一部がハロゲンで置き換えられ、さらに他の水素がアルキルまたはアルキルオキシで置き換えられたフェニルの例は、3−クロロ−4−メチルフェニル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニル、2,3,6−トリクロロ−4−メチルフェニル、3−ブロモ−4−メチルフェニル、2,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、3,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ブロモ−4−メトキシフェニル、3,5−ジブロモ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−プロポキシフェニルなどである。
式(1)中のR1が一つ以上の水素が他の置換基に置き換えられてもよいアリールアル
キルであるとき、その好ましい例はフェニルアルキルである。
フェニルアルキルの具体例は、フェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、3−フェニルブチル、1−メチル−3−フェニルプロピル、2−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルプロピル、1−フェニルヘキシルなどである。
フェニルの一つ以上の水素がフッ素で置き換えられたフェニルアルキルの具体例は、4−フルオロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルメチル、2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)エチル、3−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)プロピル、2−(2−フルオロフェニル)プロピル、2−(4−フルオロフェニル)プロピルなどである。
フェニルの一つ以上の水素が塩素で置き換えられたフェニルアルキルの具体例は、4−クロロフェニルメチル、2−クロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、2,3,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,5−トリクロロフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニルメチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)エチル、2−(2,4,5−クロロフェニル)エチル、2−(2,3,6−クロロフェニル)エチル、3−(3−クロロフェニル)プロピル、3−(4−クロロフェニル)プロピル、3−(2,4,5−トリクロロフェニル)プロピル、3−(2,3,6−トリクロロフェニル)プロピル、4−(2−クロロフェニル)ブチル、4−(3−クロロフェニル)ブチル、4−(4−クロロフェニル)ブチル、4−(2,3,6−トリクロロフェニル)ブチル、4−(2,4,5−トリクロロフェニル)ブチル、1−(3−クロロフェニル)エチル、1−(4−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)プロピル、2−(2−クロロフェニル)プロピル、1−(4−クロロフェニル)ブチルなどである。
フェニルの一つ以上の水素が臭素で置き換えられたフェニルアルキルの具体例は、2−ブロモフェニルメチル、4−ブロモフェニルメチル、2,4−ジブロモフェニルメチル、2,4,6−トリブロモフェニルメチル、2,3,4,5−テトラブロモフェニルメチル
、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニルメチル、2−(4−ブロモフェニル)エチル、3−(4−ブロモフェニル)プロピル、3−(3−ブロモフェニル)プロピル、4−(4−ブロモフェニル)ブチル、1−(4−ブロモフェニル)エチル、2−(2−ブロモフェニル)プロピル、2−(4−ブロモフェニル)プロピルなどである。
フェニルの一つ以上の水素が炭素数1〜10のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルの具体例は、2−メチルフェニルメチル、3−メチルフェニルメチル、4−メチルフェニルメチル、4−ドデシルフェニルメチル、3,5−ジメチルフェニルメチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、2−(3−メチルフェニル)エチル、2−(2,5−ジメチルフェニル)エチル、2−(4−エチルフェニル)エチル、2−(3−エチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(2−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)プロピル、2−(2−メチルフェニル)プロピル、2−(4−エチルフェニル)プロピル、2−(2−エチルフェニル)プロピル、2−(2,3−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)ブチル、4−(1−メチルエチル)フェニルメチル、2−(4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル)エチル、2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)プロピル、2−(3−(1−メチルエチル)フェニル)プロピルなどである。
フェニルの一つ以上の水素が炭素数1〜10のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の水素がフッ素で置き換えられた場合の具体例は、3−トリフルオロメチルフェニルメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチルなどである。
フェニルの一つ以上の水素が炭素数1〜10のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキル中の−CH2−が−O−で置き換えられた場合の具体例は、
4−メトキシフェニルメチル、3−メトキシフェニルメチル、4−エトキシフェニルメチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、3−(4−メトキシフェニル)プロピル、3−(2−メトキシフェニル)プロピル、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル、11−(4−メトキシフェニル)ウンデシル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、(3−メトキシメチルフェニル)エチル、3−(2−ノナデカフルオロデセニルオキシフェニル)プロピルなどである。
ベンゼン環の少なくとも2つの水素が異なる基で置き換えられたフェニルアルキルの具体例は、3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフェニル)プロピル、3−クロロ−2−メチルフェニルメチル、4−クロロ−2−メチルフェニルメチル、5−クロロ−2−メチルフェニルメチル、6−クロロ−2−メチルフェニルメチル、2−クロロ−4−メチルフェニルメチル、3−クロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニルメ
チル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロ−5−メチルフェニルメチル、2,3,4,5−テトラクロロ−6−メチルフェニルメチル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,6−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4,6−トリクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、3−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、4−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、5−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、6−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、3−ブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチルフェニルメチル、11−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ウンデシルなどである。
2は炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)のアルキルまたは一つ以上の水素が
他の置換基に置き換えられてもよいアリールであり、アルキルは直鎖でも分岐鎖でも環状でもよい。一つ以上の水素が他の置換基に置き換えられてもよいアリールにおいては、ベンゼン環の一つ以上の水素がハロゲンまたは炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)のアルキルで置き換えられてもよく;この炭素数1〜10のアルキルにおいて、一つ以上の水素はフッ素で置き換えられてもよく隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−または
フェニレンで置き換えられてもよい。具体例としては、上述したような基が挙げられる。
2の好ましい例としては、メチル、エチル、フェニルが挙げられる。
Yは炭素数11〜30(好ましくは炭素数11〜20)のアルキル、数平均分子量が3000以下のポリオキシアルキレンまたは式(2)で示される置換基である。
炭素数11〜30のアルキルにおいて、一つ以上の水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない一つ以上の−CH2−は−O−またはフェニレンで置き換えられてもよい
。また、アルキルは直鎖でも分岐鎖でも環状でもよい。
炭素数11〜30の非置換アルキルの具体例は、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、トリアコンチルなどである。
炭素数11〜30のフッ素化アルキルの例は、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−ドデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−テトラデシルなどである。
ポリオキシアルキレンは数平均分子量が3000以下であるが、数平均分子量500以上が好ましく、500〜2500が好ましい。置換基Yとしてのポリオキシアルキレンは、ポリオキシアルキレン部分の数平均分子量が上記範囲であればよく、末端にオキシアルキレン以外の基が付いていてもよい。ポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレンやポリオキシプロピレンが例示される。
式(2)においては、
3は炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキレンであり;一つ以上の−C
2−は−O−、−C(=O)−またはフェニレンで置き換えられてもよい(ただし、連
続した−CH2−が−O−に置き換えられることはない)。R3は好ましくは−R3'−O−C(=O)−である(ここで、R3'は炭素数1〜18のアルキレンである)。
4は炭素数1〜30(好ましくは10〜30)のアルキルであり、隣接しない一つ
以上の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、アルキルは直鎖でも分岐鎖でも環状
でもよい。アルキルの−CH2−が−O−で置き換えられたR4としては、炭素数1〜29のアルキルオキシ基が例示される。
mは1以上5以下の整数である。
式(1)の化合物として特に好ましくは下記(1−2)の化合物が挙げられる。
式(1−2)においてnは1または2である。Phはフェニルであり、Meはメチルである。
本発明の式(1)の化合物は、例えば、下記の式(a)の化合物にヒドロシリル化反応によって置換基Yを導入することによって得ることができる。式(a)の化合物は特開2008−150478に記載の方法によって入手することができる。
反応温度は室温でもよいが、反応を促進させるためには加熱してもよい。また反応熱による副反応を制御するためには、必要に応じて冷却してもよい。ヒドロシリル化反応に用いるヒドロシリル化触媒としては、一般に市販されている白金、ロジウム、パラジウムなどの遷移金属を含む化合物を用いることができる。好ましいヒドロシリル化触媒の例は、カールステッド(Karstedt)触媒、スパイヤー(Spier)触媒、ヘキサクロロプラチニッ
ク酸などであり、これらは当該技術分野において一般的によく知られた化合物である。
添加するヒドロシリル化触媒の量は、含有する遷移金属がSiH基に対して10-9〜1モル%となる範囲で使用すればよい。好ましい添加量は10-7〜10-3モル%である。
使用する溶媒は原料化合物を溶解する溶媒であって、反応を阻害しないものであれば特に制限されない。
本発明の薄膜の製造方法は、式(1)のポリシロキサン化合物とそれを溶解させる溶媒を含んでなる組成物を、被加工体上に塗布することによって、該被加工体上に前記組成物
層を形成し、ポリシロキサン化合物の自己組織化が発現する特定の温度で熱処理し超微細パターンを形成する工程を含む。
溶媒としては、式(1)のポリシロキサン化合物を溶解するものであればよく特に限定されないが、例えば、へキサンやヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエ−テル類、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。これら有機溶媒は単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。より好ましい有機溶媒は芳香族炭化水素類、エーテル類であり、さらに好ましくはトルエンまたはTHFである。
組成物中の式(1)のポリシロキサン化合物の濃度は好ましくは0.1〜10重量%である。
上記組成物の被加工体上への塗布は、例えば、スピンコート、ディップ、スプレー、インクジェットなどの方法で行うことができる。被加工体としては、特に限定されないが、プラスチック基板、硝子基板、シリコン基板などが一般的である。必要に応じ、表面処理または各種膜を形成後、上記のような適切な方法に従って、薄膜を形成すればよい。
図1の(A)に示されるように、式(1)のポリシロキサン化合物は側鎖部位(置換基Y)とそれ以外のシロキサン部位(アリールシロキサン部位)からなる。
被加工体に塗布した状態では式(1)のポリシロキサン化合物はランダムに配向しているが、自己組織化が発現する特定の温度に加熱すると図1の(B)のように、側鎖部位同士が向き合い、被加工体上で、並列なラメラ構造の超微細パターンが形成される。シロキサン部位同士の間隔は10nm以下に制御することも可能である。
ポリシロキサン化合物の自己組織化が発現する特定の温度とは、ポリシロキサン化合物が相分離を起こす温度である。
これは式(1)のR1、R2、n、Yの種類によっても異なるが、例えば、式(1−1)の化合物の場合は160〜270℃であり、式(1−2)の化合物の場合は100〜150℃である。
自己組織化が発現する特定の温度は示差走査熱量測定(DSC)によって調べることができる。例えば、DSCにおいて、ポリシロキサン化合物を昇温しながら加熱し、最も高温側の吸熱ピークよりもさらに50℃またはそれ以上高い温度まで加熱して、一旦、材料を溶融させた後、ゆっくりと降温させる過程で相転移(発熱ピーク)が見られる温度とすることができる。ポリシロキサン化合物をこの温度でしばらく保持する(熱処理)ことで、相分離に基づく自己組織化構造が形成される。
また、本発明においては、上記のようにして被加工体上に形成された薄膜に含まれるポリシロキサン化合物の側鎖部位またはシロキサン部位のうちの一方を除去することにより、微細構造体を製造することも可能である。ここで、微細構造体とは、被加工体の表面にミクロ相分離構造の規則的な配列のパターンに対応する凹凸面が形成されているものを意味する。
例えば、図1の(C)に示されるように、式(1)のポリシロキサン化合物のうち、エッチング耐性の低い側鎖部位のみを選択的に、エッチング処理などによって除去することができ、それによりシロキサン部位が被加工体上に残存して微細パターンを形成した微細構造体を製造することができる。このようなエッチング処理としては、プラズマ、光、電子線などのエネルギー線や熱などを照射する方法などが例示される。
なお、シロキサン部位を特異的に溶解する溶剤などを用いてシロキサン部位を特異的に除去し、図1の(D)に示されるような逆のパターン(側鎖部位が被加工体上に残存して微細パターンを形成した微細構造体)を形成してもよい。
このような本発明の微細構造体は、磁気記録媒体や光記録媒体等の情報記録媒体、大規模集積回路部品や、レンズ、偏光板、波長フィルター、発光素子、光集積回路等の光学部品などへの適用が可能である。
実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されない。なお、実施例における化学式において、MeはメチルをPhはフェニルを表す。
材料
本発明で用いるSiH末端のダブルデッカー型シルセスキオキサンダイマー[DDSQ2(SiH)4]とトライマー[DDSQ3(SiH)4]は、特開2008−150478の方法に従って合成したものを使用した。それ以外の試薬は市販品をそのまま使用した。
以下に実施例における試験方法を説明する。
(1)核磁気共鳴スペクトル:
装置: 日本電子株式会社製 JNM−AL400(400 MHz)
重クロロホルムを溶媒に使い、7.26ppmのクロロホルムのシグナルを内部標
準とした。
(2)赤外吸収スペクトル:(以下IRと表記することが有る)
装置:日本分光株式会社製 FT/IR−460
(3)分子量の測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、数平均分子量(Mn)
および重量平均分子量(Mw)を測定した。
装置:日本分光株式会社製 (SHODEX)GPC−101
カラム:カラムLF−804を2本接続して使用した。
カラム温度:40℃
移動相:THF
流量:1ml/min
平均分子量:標準ポリスチレンで作製した校正曲線から算出した。
(4)示差走査熱量(DSC)測定:
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、EXTER DSC7020
前処理:測定に用いるサンプルは、室温から150℃まで毎分10℃の割合で昇温
し、150℃に到達してから2時間保持した。その後50℃まで毎分1℃で冷却し
たのち50℃で1.5時間保持した。最後に毎分1℃で室温まで冷却してサンプル
とした。
測定:窒素気流下、10℃/分で昇温した。
(5)偏光顕微鏡(POM)観察:
試料の結晶と液晶のテクスチャー観察
装置:メトラー株式会社製ホットステージ FP82HTとデジタルカメラを具備
したオリンパス株式会社製 BH−2
測定:サンプルをスライドガラスとカバーガラスの間に挟み、昇温は毎時0.1℃
で加熱して、降温は毎時10℃で冷却しながらデジタルカメラで偏向の光学的イメ
ージを撮影した。
(6)X線小角散乱 (SAXS):
装置:ブルカー株式会社製 ナノスター
測定:X線の散乱は電荷結合素子を備えた検出器にて測定した。
(7)透過型電子顕微鏡観察 (TEM):
装置:日立株式会社製 H−7650
加速電圧:80キロボルト
試料の前処理:サンプルをエポキシ樹脂で包摂したのち、ミクロトームで厚さ70
nmの超薄切片を切り出し、四酸化ルテニウムで染色した。
合成例1:数平均分子量1000のポリオキシエチレンを有するシルセスキオキサン誘導体(化合物A)の合成
化合物Aは下記スキーム1に従って二段階で合成した。
スキーム1 化合物Aの合成ルート
(第一段階)ポリエチレングリコールアリルメチルエーテルの合成
フラスコに数平均分子量1000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル1gとテトラヒドロフラン5mlを仕込み、マグネチックスターラーで攪拌した。水素化ナトリウム0.08gを5分間以上掛けて少しずつ加えたのち1時間攪拌した。アリルブロミド0.17mlを加え室温で終夜攪拌した。ロータリーエバポレーターでテトラヒドロフランを除去。残渣に水とジエチルエーテルを加えて1回洗浄を行なったのち、ジクロロメタンで2回洗浄。減圧濃縮して溶媒を留去しポリエチレングリコールアリルメチルエーテルを収率68%で得た。
(第二段階)化合物Aの合成
SiH末端のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体[DDSQ2(SiH)4]0.12gと第一段階で製造したポリエチレングリコールアリルメチルエーテル0.46gをシュレンク管に仕込み、アルゴンガスで3回置換した。脱水トルエン2mlとKarstedt’s触媒10μlを加え溶解した。反応液を100℃で終夜攪拌したのち300mlのヘキサンに投入した。生成した沈殿を回収し水で数回洗浄したのち乾燥して化合物(A)を得た。
合成例2:数平均分子量2000のポリエチレンオキサイドを有するシルセスキオキサン誘導体(化合物B)の合成
化合物Bは、数平均分子量1000のポリエチレングリコールモノメチルエーテルに代えて、数平均分子量2000のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを使用した以
外、合成例1と同様二段階の反応で合成し収率54%で化合物Bを得た。
合成例3:トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾエートを有するシルセスキオキサン誘導体(化合物C)の合成
アリル3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾエート(D−4)は、没食子酸を原料に既知の有機合成の手法により4ステップで合成した。そして化合物CはDDSQ2(SiH)4にヒドロシリル化反応で(D−4)を付加することによって合成した。合成ルートをスキーム2に示す。
スキーム2 化合物Cの合成ルート
(第1ステップ)メチル−3,4,5−トリス(オクタデシロキシ)ベソエート (D−
1)の合成
アルゴン雰囲気下、反応容器に無水ジメチルホルムアミド75mlと炭酸カリウム18.65gを仕込み攪拌して分散した。没食子酸メチル2.76gと1−ブロモオクタデカン18.00gを加えたのち90℃で48時間反応した。反応液を冷水500gに投入したのちクロロホルム200gで抽出。有機層は3回水洗したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。クロロホルムを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(D−1)を収率80%で得た。
(第二ステップ)3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾイックアシッド(D−2)の合成
第一段階で合成した(D−1)11.3gとテトラヒドロフラン480mlを仕込み攪拌した。水酸化ナトリウム4.8gを水72mlで溶解し、(D−1)のテトラヒドロフラン溶液に添加し還流温度で48時間反応を行なった。室温まで冷却したのち濃硫酸48mlを添加して50℃で48時間反応を行なった。分液漏斗を用いて有機層と水層に分離し有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過したのち減圧濃縮して(D−2)を収率9
2%で得た。
(第三ステップ)3,4,5−トリス(オクタデシロキシ)ベンゾイッククロライド (
D−3)の合成
反応容器にトルエン150ml、塩化チオニル40mlそして第二段階で合成した(D−2)9.3gを仕込み、80℃で24時間反応を行なった。トルエンと未反応の塩化チオニルを減圧濃縮で除去したのち残渣はヘキサンで再結晶し(D−3)を収率86%で得た。
(第四ステップ)アリル 3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾエート (D−4)の合成
フラスコにテトラヒドロフラン130mlと第三段階で合成した(D−3)7.6gを仕込んだ。攪拌しながら室温でアリルアルコール4.6g、トリエチルアミン1.6g添加したのち50℃で終夜反応した。減圧濃縮したのち残渣をヘキサンで再結晶し(D−4)を収率84%で得た。
トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾエートを有するシルセスキオキサンダイマー(化合物C)の合成
DDSQ2(SiH)4 0.12g、合成例3で合成した(D−4)0.37g、ト
ルエン 1ml、Karstedt’s触媒10μlを用いた以外は合成例1の第2段階
と同様にヒドロシリル化反応を行い、化合物(C)を収率45%で得た。
トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾエートを有するシルセスキオキサントライマー(化合物D)の合成
化合物Dは、特開2008−150478の方法に従って合成したダブルデッカー型シルセスキオキサントライマー[DDSQ3(SiH)4]と、合成例3で得た D−4を
ヒドロシリル化反応により付加することによって合成した(スキーム3)。
スキーム3 化合物Dの合成ルート
具体的には、ダブルデッカー型シルセスキオキサントライマー[DDSQ3(SiH)4] 0.12g、合成例3で合成した D−4 0.36g、トルエン 0.8ml、Karstedt’s触媒10μlを用いた以外は合成例1の第2段階と同様にヒドロシリル化反応を行い、化合物(D)を収率48%で得た。
実施例1
物性評価用サンプルの合成
合成例1〜4で得られた化合物(A)〜(D)それぞれ 0.1gをクロロホルム1m
lに溶解し、孔径0.45μmのフィルターで濾過した。濾液は空気中2日間かけてゆっくりクロロホルムを蒸発させたのち真空乾燥機で1日乾燥した。そして液体窒素に浸して凍結させたのち砕き、DSC、POM、SAXSそしてTEMのサンプルとした。
実施例2
相転移温度の測定
前処理を行なった化合物(A)〜(D)はDSCで相転移温度を測定した。結果を表1に示す。
この結果から、ポリエチレングリコールを側鎖に有する化合物(A)および(B)は一点の転移温度(融点)を示し結晶であることを確認した。化合物(C)および(D)は融点より高温側に二つの相転移温度を示し、POMで観察したところ液晶に特有の模様が確認され液晶状態を有することを確認した。
実施例3
X線小角散乱法を用いた構造解析
図2および図3に、化合物(C)と(D)のX線小角散乱法で構造解析を行なった結果を示した。その結果、何れのサンプルも2次元SAXSパターンは同心円状に、また1次元プロファイルからピークの回折次数(n)をブラッグの式 2dsinθ=nλから求
めた結果、何れもn=1,2,3に一致することから、これら化合物は規則正しいラメラ
構造を有していることが確認された。さらに極大ピークから、その周期間隔を求めると、化合物(C)は11.39nmと13.92nm、化合物(D)は14.41nmであった。
実施例4
透過型電子顕微鏡による観察
被加工体上に塗布した後に150℃で加熱された化合物(C)と(D)のモルフォルジーを観察するために透過型電子顕微鏡で観察を行なった。測定に先立ち、各サンプルの主骨格であるシルセスキオキサンは、フェニルを有しているため前処理として四酸化ルテニウムで染色しコントラストを高めた。各TEM像を図5と6に示す。これら図より何れのサンプルは高次に組織化されており、SAXSの結果と良い一致を示した。さらに詳細に解析すると10nm以下の周期構造が存在していることも確認できた。
比較例
ポリスチレンを有するシルセスキオキサンダイマー[化合物(E)]の合成
(第一段階)片末端にアルケニルを有するポリスチレンの合成
シュレンク管にスチレンモノマー3.6g、テトラヒドロフラン40mlを仕込みアルゴンガスで置換した。−78℃に冷却したのち1.4モル/リットルのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液1.2mlを添加し重合を開始した。30分後 4−ブロモ
−1−ブテン1.3mlを加え末端を封鎖したのち、メタノールとテトラヒドロフランの混合溶媒に反応液を投入して再沈殿を行った。生成した固体を回収し再度メタノールとテトラヒドロフランの混合溶媒から再沈殿を行い未反応の4−ブロモ−1−ブテンを除去した。得られた個体を乾燥したところ片末端にアルケニルを有するポリスチレンを収率90%で得た。
得られた固体をGPC測定したところ単峰性のGPC曲線が得られ、分子量を計算したところ、数平均分子量(Mn)が3000、重量平均分子量(Mw)が3400であった。
(第二段階)化合物(E)の合成
ダブルデッカー型シルセスキオキサンダイマー[DDSQ2(SiH)4] 0.11
g、上記第一段階で合成した片末端にアルケニルを有するポリスチレン0.86g、トルエン 2ml、Karstedt’s触媒8μlを用いた以外は合成例1の第2段階と同
様にヒドロシリル化反応を行い、分子量が3000のポリスチレン鎖が結合したダブルデッカー型シルセスキオキサンダイマー[化合物(E)]を収率90%で得た。この化合物の分子量はMnが15000、Mwが15900であった。
(物性評価)
実施例1、3、4と同様にして評価用サンプルを調製した。DSCでガラス転移温度を測定したところ85℃にピークを確認した。SAXSを測定したところ、図4の1次元プロファイルに示すとおり、ピークは確認されなかった。またTEMで観察したところ自己組織化による層構造は確認されなかった(図7)。
以上の結果から、ポリスチレンを側鎖に有するシルセスキオキサン化合物は自己組織化せず相溶してしまい、明確微細構造パターンを形成できなかった。
本発明による自己組織化能をポリシロキサン化合物は、微細構造体を形成するためのレジスト材料として有効であり、それから得られる構造体は、例えば、高密度記録媒体や高集積化電子部品、太陽電池用基板などの製造に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 式(1−1)で示されるポリシロキサン化合物。
    式(1−1)において、Y1は炭素数11から20のアルキルまたは数平均分子量が50
    0〜3000のポリオキシアルキレンであり、nは1以上10以下の整数である。
  2. 式(1−2)で示されるポリシロキサン化合物。
    式(1−2)においてnは1以上10以下の整数である。
  3. 請求項1または2に記載のポリシロキサン化合物とそれを溶解させる溶媒を含んでなる組成物を、被加工体上に塗布することによって、該被加工体上に前記組成物層を形成し、ポリシロキサン化合物の自己組織化が発現する特定の温度で熱処理し微細パターンを形成する工程を含む、ポリシロキサン化合物を含む薄膜の製造方法。
  4. 超微細パターンが、被加工体の面に形成された並列なラメラ構造であることを特徴とする請求項に記載の薄膜の製造方法。
  5. 請求項またはに記載の薄膜の製造方法によってポリシロキサン化合物を含む薄膜を前記基板上に形成する工程と、該薄膜に含まれるポリシロキサン化合物の側鎖部位またはアリールシロキサン部位のうちの一方を除去する工程を含む、微細構造体の製造方法。
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