JP6036039B2 - 印刷物 - Google Patents
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近年は、プリンタやスキャナといった電子機器の普及に伴い、有価証券の無許可複製が横行しているが、これはたとえ公の場で使用しない場合であっても違法行為と見なされ、悪質な場合は刑事処罰の対象となる。
従来から、種々の偽造防止又は牽制技術が提案されている。そのなかで、例えば、パール印刷、ホログラム、透かしなどの技術は、材料入手の難しさや製造技術の難しさを伴い、目視でその存在が確認可能で、真偽の判別がし易いために、長年有価証券類の偽造防止技術として採用されてきた。
また、通常の目視状態では判別できないが、装置を使用することによってその存在を確認することができる真偽判別技術として、ブラックライトを使用する蛍光インキによる隠し印刷などが実用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、通常の目視状態で偽造防止技術の存在が判別できない技術の場合、特殊な装置などを用いたり、大掛かりな装置によって真偽を判別する方法があるが、特殊な装置を配備しなければならずコストがかかるという問題と、真贋判別に時間がかかり、その場で判別ができないという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、目視状態、或いは拡大機能を有する簡単な判別装置によって真偽を判別することができる印刷物を提供することを目的とする。
図1に示す印刷物(以下、商品券という)1の表面には、商品券を特定するための商品券の固有情報(以下、券種情報ともいう)2や、隠し情報3、その他、百貨店名などが3色以上の色で印刷されている。
商品券の中央部には、商品券が一万円券であることを表示する数字による券種情報2が「¥10、000」と印刷されている。券種情報2は、漢字で表示している場合もある。
商品券には、商品券の券種情報2の他に、前述のように発行元である「ABC百貨店」名が印刷されている。
図示していないが、商品券全体に地紋や背景図柄が印刷されている場合もある。また、図示していないが「BB00000」など、この商品券の固有情報である商品券番号が印刷されている。
隠し情報3は、本実施形態の場合は、商品券の券種情報2を改竄した場合に発見できるように、前述の「10,000」を変換情報として印刷表示している。
隠し情報3は、券種情報2を文字や記号、図柄などの繰り返し表示、または、その組合せで表示し、「10,000」という情報を変換して表示する。
隠し情報3を構成する「ABCABC・・」の単位文字、例えば「A」は、印刷の三原色である「黄」、「赤」、「藍(青ともいうが、以下の説明では藍という)」の他に、「黒」、「メタリックカラー」などの光学的に検知可能な単色で印刷される。
「メタリックカラー」には、アルミ二ウムの粉末をインキに混ぜ合わせたものや、金属箔を熱転写させたものなどが該当する。
図1の商品券1の左下には、隠し情報3として「ABC百貨店」のロゴである「ABC」が繰り返し表示されたパターン情報が印刷されている。
図2aに示すように、隠し情報3は「ABCABCABCABCABCABCABCABC」が横一段で表示され、図2bに示すように、最初の「ABCABC」はスタートコード、次の「ABC」は数字の「1」、次の「ABCABCABCABC」は数字の「0000」、最後の「ABC」はエンドコードとしてそれぞれ「赤」、「藍」、「黒」などの光学的に検知可能な「単色」によって色分けして印刷されている。
減色混合による色再現の場合は、網点の掛け合わせによって再現するために、光学装置で色を判定し難いという問題があり、このような目的で使用されるインキはある波長域で鋭いピークで吸収、または、反射されるものが好ましい。
本実施形態の場合のように印刷色の検知には、フィルターを通過させて反射濃度が最も高くなる部分を検知部分と判定(検知)するために、印刷色には「単色」が使用されることが好ましい。
このように、色の順番の約束事が知らされていない通常の人は、これを読取ることができず、単なるデザインとして認識してしまう。
このために、隠し情報3は可能な限り小さい文字で表現された方が好ましいのであるが、目視でも、真贋の判別が可能なように、目視可能な最小の大きさで表示するのが好ましい。
もちろん、目視困難あるいは複写機で再現されない30〜300μmの大きさのマイクロ文字(単位文字、単位記号、単位図柄も含む)でもよい。
なお、上記マイクロ文字の大きさを300μm以下とすることによって、目視では識別困難であるが、その存在を識別することは可能である。
図3に示す隠し情報の例は、図2で説明した文字の例ではなく、図柄の一例で表現した例である。
図でわかるように、「星」のマークが繰り返し横直線状に表示されていて、「星」の内側が、「黒」、「赤」、「藍」で塗りつぶされて、隠し情報が表示されている。
図2で説明したABCによる表現と同様、文字A、B、Cが「星」に置き換えられただけのものである。
このように、隠し情報は、文字、記号、図柄のいずれか又はその組合せで表現することができ、有価証券のデザインにマッチし、隠し情報と認識され難い場所、図柄として設定することができる。
以上のように、券種情報が、例えば、「¥10,000」であったものを「¥50,000」に改竄した場合に、隠し情報を調べることでその有価証券の真贋を判別することが可能となる。
光学鑑定装置に商品券を左端からフィードさせ、隠し情報を一文字(一図柄)ずつ読取って行く。
光学鑑定装置の鑑定部分には、投光部と受光部を設け、受光部には「青フィルター」を取り付けておく。
隠し情報の「黒」部分は、最も反射濃度が低い部分として「黒」と判別し、「赤」部分は次に反射濃度が低い部分として「赤」と判定し、「藍」部分は、最も反射濃度が高い部分として「藍」と判定する。光学鑑定装置は、隠し情報の一文字(記号、図柄)のピッチに合わせて反射濃度の高低を検知する構造になっており、隠し情報がどのように色分けされていたかを検知して、図2、図3で説明した内容に従って有価証券の真贋を鑑定する。
メタリックカラーは、転写と印刷で反射濃度が変わってくるために、目視で判断して判定結果に付加する。
すなわち、シルバーの印刷面、金属箔転写面は一般的に反射濃度が高く、印刷がされていないと判定される場合があるからである。
以上光学鑑定装置についてその一例を説明したが、上記の方法に拘るものではない。
商品券1の基材には上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、晒しクラフト紙その他、プラスチックフィルムを含む基材が選択的に使用される。
また、隠し情報3に使用する印刷インキとしては、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷で使用される市販のインキを使用する。
また、その他の図柄印刷や、文言印刷用のインキとしては、市販のスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷用インキを使用する。
2 券種情報
3 隠し情報
Claims (4)
- 偽造を防止するための隠し情報を有する印刷物において、
前記隠し情報は、文字、記号、図柄のいずれかの要素を複数組合せて一単位としたパターン情報を線状に繰り返して表示した情報であって、
前記要素のそれぞれが光学的に検知可能な3色以上の色のうちの一色をなし、かつ、前記パターン情報がデザインの一部として見えるように前記要素のそれぞれが所定の順番に色分けされていることを特徴とする印刷物。 - 請求項1に記載された印刷物において、
前記3色以上の色は、黄、赤、藍、黒、メタリックカラーのいずれかであることを特徴とする印刷物。 - 請求項1または2に記載された印刷物において、
前記要素は、30〜300μmの大きさであることを特徴とする印刷物。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載された印刷物において、
前記隠し情報は、当該印刷物を特定する固有情報を変換した情報であることを特徴とする印刷物。
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