JP2021053969A - 印刷物 - Google Patents

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Atsuo Suzuki
淳生 鈴木
本田 昌洋
Masahiro Honda
昌洋 本田
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Abstract

【課題】改竄の懸念、及びパターン解読の可能性が抑制された、セキュリティー性の高い印刷物を提供すること。【解決手段】基材210上に、文字列が印刷されている印刷物であって、文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、文字列構成文字のうちの少なくとも一部は、色付き文字線によって表記された色付き文字であり、色付き文字線の色は、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、参照位置は、文字列における当該色付き文字の位置以外の位置を含む、印刷物。印刷物は、色付き文字線のうちの少なくとも1つが、蛍光色を呈しており、蛍光色を呈する色付き文字線のうちの少なくとも1つが、可視光線下で視認可能な色を呈する下地文字線221と、下地文字線221上の、蛍光色を呈する蛍光色文字線222と、から構成されている蛍光色隠蔽文字線220である、印刷物200であってもよい。【選択図】図3

Description

本発明は、印刷物及びその製造方法に関する。詳しくは、改竄及び偽造が困難であり、真贋判定が容易な、有価証券等に適用可能な印刷物に関する。
口座番号、取引金額等のセキュリティー性の高い可変情報を含む文字列を有する有価証券類では、例えば、印字文字の切り貼り等による改竄等に対する防止策が施されていることを要する。
改竄等防止策として、例えば、地紋を有する基材上に、地紋と異なる色の文字列を印字する方法が知られている。例えば、特許文献1には、複数の印字枠内に可変情報データが印字されている1面が多面付けで配列される基材の全面に、可視光下で視認不可能な特殊インキによって、不等間隔の斜線が印刷された偽造防止策が施された印刷物が、記載されている。
また、文字列を、パターン付き文字線によって表記する方法が知られている。例えば、特許文献2には、可変情報の各桁の数値に応じて予め設定された基本彩文図形を組み合わせて、印刷物1枚ごとに個別の彩文を設定し、この個別に設定された彩文パターンの文字線で可変情報データを印字することが記載されている。
特開2004−148712号公報 特開2017−136845号公報
上述の先行技術文献に記載された改竄等防止策を採用した場合でも、例えば、切り貼り等による改竄、パターン設定の解読等の懸念が、完全には払拭されていない。
本発明は、上記の先行技術における懸念を払拭しようとするものであり、例えば切り貼り等による改竄の懸念、及びパターン解読の可能性が抑制された、セキュリティー性の高い印刷物を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
《態様1》基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部は、色付き文字線によって表記された色付き文字であり、
上記色付き文字線の色は、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
上記参照位置は、上記文字列における当該色付き文字の位置以外の位置を含む、
印刷物。
《態様2》上記色付き文字線のうちの少なくとも1つが、模様を有する、態様1に記載の印刷物。
《態様3》上記色付き文字線のうちの少なくとも1つが、蛍光色を呈する、態様1又は2に記載の印刷物。
《態様4》上記蛍光色を呈する色付き文字線のうちの少なくとも1つが、
可視光線下で視認可能な色を呈する下地文字線と、
上記下地文字線上の、蛍光色を呈する蛍光色文字線と、
から構成されている蛍光色隠蔽文字線である、
態様3に記載の印刷物。
《態様5》上記下地文字線の、CIE1976色空間におけるLが45以下である、態様4に記載の印刷物。
《態様6》上記色付き文字線が蛍光色を呈さない、態様1又は2に記載の印刷物。
《態様7》上記色付き文字が数字を含む、態様1〜6のいずれか一項に記載の印刷物。
《態様8》上記色付き文字がアルファベットを含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の印刷物。
《態様9》上記印刷物が有価証券である、態様1〜8のいずれか一項に記載の印刷物。
本発明によると、例えば切り貼り等による改竄の懸念、及びパターン解読の可能性が抑制された、セキュリティー性の高い印刷物が得られる。
図1は、本明細書における「文字線」を定義するための説明図である。 図2(a)は、本発明の印刷物を製造するために好ましく用いられる色テーブルの一例である。図2(b)は、図2(a)の色テーブルを用いて、文字列「123」を有する印刷物を正規に製造した場合の一例である。図2(c)は、図2(b)の印刷物を切り貼りして、文字列「123」を「312」に改竄した場合の一例である。図2(d)は、図2(a)の色テーブルを用いて、文字列「312」を有する印刷物を正規に製造した場合の一例である。 図3は、本発明の印刷物の構成を説明するための、概略断面図である。 図4(a)は、実施例1で得られた印刷物を、可視光線照射下で撮影した写真である。図4(b)は、実施例1で得られた印刷物を、紫外線照射下で撮影した写真である。 図5(a)は、比較例1で得られた印刷物を、可視光線照射下で撮影した写真である。図5(b)は、比較例1で得られた印刷物を、紫外線照射下で撮影した写真である。
《印刷物》
本発明の印刷物は、
基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部は、色付き文字線によって表記された色付き文字であり、
上記色付き文字線の色は、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
上記参照位置は、上記文字列における当該色付き文字の位置以外の位置を含む、
印刷物である。
〈基材〉
本発明の印刷物における基材としては、印刷物に通常使用されている基材を適宜に選択して使用してよい。基材を構成する材料は、例えば、紙、合成紙、合成樹脂フィルム、不織布等であってよい。基材は、典型的には紙から構成されていてよく、紙は、例えば、上質紙、コート紙、マットコート紙、クラフト紙、カラーペーパー、和紙等の他、紙幣用紙であってもよい。
〈文字列〉
本発明の印刷物における文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
文字列構成文字は空白であってもよいが、文字列構成文字のすべてが空白であることはない。
本発明の印刷物における文字列は、視認者に、具体的又は抽象的な意味内容を伝達するためのものではなく、当該印刷物を同種の他の印刷物と区別するために当該印刷物に付与された識別標識の機能を有していてよい。本発明が想定する文字列は、典型的には例えば、口座番号、取引金額、製品のシリアルナンバー、勝馬投票券の馬番号及び枠番号等である。
したがって、文字列構成文字は、過度に多くの種類の文字から選択される必要はなく、例えば、数字、アルファベット、平仮名、片仮名、通貨記号(例えば、「¥」、「$」等)等、及び空白から選択されてよい。更に、漢字も、文字列構成文字の選択肢に加えてよい。数字は、アラビア数字、ローマ数字、漢数字等から選択されてよい。アルファベットは、大文字及び小文字から選択されてよい。文字列構成文字の選択肢に加えられる漢字の種類は、例えば、100種類以下、80種類以下、50種類以下、30種類以下、20種類以下、又は10種類以下であってよい。
本発明の印刷物における文字列は、例えば、数字を含んでいてよく、アルファベットを含んでいてよく、数字及びアルファベットの双方を含んでいてよい。
(色付き文字)
本発明の印刷物では、文字列を構成する文字列構成文字のうちの少なくとも一部は色付き文字である。この色付き文字は、色付き文字線によって表記されている。本明細書における「色」とは、無彩色を含む概念である。
文字線とは、基材上に文字を印刷するときに、地の色との色調差によって視認者に文字を認識させるために、インキを付着させて表記した部分をいう。
基材上に、アラビア数字の「1」を明朝体で印刷した例を、図1に示した。図1の「1」という文字(100)における文字線(10)は、ステム(1)と、上部修飾セリフ(serif)(2)と、下部修飾セリフ(3)とによって構成されており、このような構成要素を有する文字線(10)によって、文字(100)が表記されている。視認者は、例えば基材の地の色と、文字線(10)の色との色調差により、「1」という文字(100)を視認することができる。
本発明では、色付き文字線が有する色は、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定される。すなわち、文字列を構成する文字列構成文字のそれぞれについて、当該文字列構成文字に対して、特定の位置関係を参照位置として定めておき、この参照位置に存在する文字列構成文字の種類によって、当該文字列構成文字を構成する色付き文字線の色を決定するのである。参照位置については後述する。
本発明の印刷物では、文字列を構成する文字列構成文字のうちの少なくとも一部が色付き文字であれば足りるが、文字列を構成する文字列構成文字の全部が、色付き文字であってもよい。
(色の決定手順の例)
色付き文字線の色を決定する手順について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2の例では、文字列構成文字はアラビア数字及び空白から成るものとする。参照位置は、文字列構成文字のそれぞれについて、当該文字列構成文字の左隣とし、参照位置は1個とする。
図2(a)は、参照位置に存在する文字列構成文字の種類に応じて、色付き文字線の色を定めた、色テーブルの一例である。例えば、ある特定の文字列構成文字の参照位置(図2の例では左隣)の文字列構成文字が「8」であれば、図2(a)の色テーブルにより、橙色が指定される。したがって、当該特定の文字列構成文字は、橙色の色付き文字線で表記されることになる。
図2(b)は、図2(a)の色テーブルにしたがって、文字列「123」を印刷した例である。文字列「123」の一番左側の文字列構成文字「1」は、参照位置である左隣に文字は存在しないが、この場合には、左隣に「空白」が存在すると解釈してよい。参照位置に文字列構成文字が存在しない場合の取り扱いはこれに限られず、任意の方式で定めてよい。例えば参照位置に文字列構成文字が存在しないときは、右隣を参照位置としてもよいし、色テーブルに、参照位置に文字列構成文字が存在しない場合の色を含めてもよい。
文字列「123」のうちの「1」については、参照位置である左隣が「空白」であるとして図2(a)の色テーブルを参照すると、黒色が記載されている。したがって、文字列構成文字「1」は、黒色の色付き文字線で表記される。図2(a)の色テーブルによると、同様に、「2」については、左隣が「1」であるから、紅色の色付き文字線が指定され、「3」については、左隣が「2」であるから、青色の色付き文字線が指定される。
図2(b)の文字列「123」は、文字列構成文字のそれぞれが、以上の手順によって決定された色付き文字線によって表記されており、黒色の色付き文字線で表記された「1」と、紅色の色付き文字線で表記された「2」と、青色の色付き文字線で表記された「3」とから構成されている。
ここで、図2(b)の文字列「123」を切り貼りによって文字列「312」に改竄した例を、図2(c)に示す。図2(c)の文字列は、目視で見ると「312」であると視認できるが、正規の文字列の作製者は、図2(c)の文字列「312」が改竄品であることを容易に知ることができる。
すなわち、図2(a)の色テーブルによると、文字列「312」のうちの「3」の参照位置である左隣は「空白」であるから、黒色の色付き文字線で表記されるべきである。「1」については、左隣が「3」であるから、藍色の色付き文字線で表記されるべきである。「2」については、左隣が「1」であるから、図2(b)の場合と同じ紅色の色付き文字線で表記される。したがって、図2(a)の色テーブルによると、文字列「312」は、図2(d)のように表記されるべきである。
本来は図2(d)のように表記されるべき文字列「312」が、図2(c)のように表記されていれば、文字列構成文字のうちの「3」及び「1」を表記する文字線の色が異なることから、改竄品であると知ることができる。
図2(a)の色テーブルでは、参照位置の文字列構成文字が0〜9まで、及び空白の11種類すべてについて相違する色を充てているが、複数の文字列構成文字に同じ色を充ててもよい。ただし、すべての文字に同じ色を充てることは禁止される。
(参照位置)
色付き文字線の色を決定するための参照位置は、1個又は2個以上であり、ただし、当該色付き文字の位置以外の位置を含む。これは、参照位置が1個であって、かつ、当該色付き文字自体の位置を参照位置とすると、当該文字の種類が決まればこれを構成する色付き文字線の色が一義的に定まることになり、例えば切り貼りによる改竄があったときに、改竄品であることの認知が困難となるからである。
参照位置が2個以上であるときに、そのうちの1つの参照位置を、当該色付き文字自体の位置とすることは許容される。色の決定に、当該色付き文字の位置以外の位置の文字を参照していれば、当該文字列構成文字の種類のみによって色付き文字線の色が一義的に定まることはないからである。
例えば、参照位置が2個であるとき、当該色付き文字の左隣の位置と、右隣の位置とを参照位置とすることができる。或いは、当該色付き文字の1つ左隣の位置と、2つ左隣の位置とを参照位置としてもよい。
文字列構成文字が、アラビア数字及び空白から成る11種とし、参照位置が2個である場合、色付き文字線の色は、最大で11×11=121種とすることができる。しかしながら、これらのうちの複数の組合せに同じ色を充ててもよい。ただし、すべての組合せに同じ色を充てることは禁止される。
上記の説明から、当業者は、参照位置が3個以上のときについても同様に理解することができる。
本発明における参照位置は、典型的には、1個又は2個であってよい。
参照位置は、すべての文字列構成文字について同じ基準で決定する必要はなく、文字列中の位置に応じて異なる基準で参照位置を決定してもよい。例えば、文字列の1番左の文字列構成文字は、当該文字列構成文字の右隣を採用して1個の参照位置とし、文字列の左から2番目の文字列構成文字については、当該文字列構成文字の左隣及び右隣を採用して2個の参照位置としてもよい。
(色付き文字線の態様)
文字列構成文字を表記する色付き文字線のうちの少なくとも1つは、模様を有していてもよい。模様は、例えば、斜めストライプ、縦ストライプ、横ストライプ、ドット、格子、斜め格子、波線、市松模様、鱗文、ヘリンボーン、動物柄等、又はこれらの組合せ等であってよい。模様を有する色付き文字線の模様の種類は、色付き文字線の色と同様に、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されてよい。模様を有する色付き文字線の模様と色とを、別々の参照文字によって、それぞれ決定することも、本発明の好ましい態様に含まれる。
文字列構成文字を表記する色付き文字線は、蛍光色を呈さなくてもよい。
文字列構成文字を表記する色付き文字線のうちの少なくとも1つは、蛍光色を呈していてもよい。蛍光色を呈する色付き文字線の蛍光色の種類は、上記と同様に、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されてよい。
文字列構成文字を表記する色付き文字線のうちの少なくとも1つは、蛍光色を呈する模様を有していてもよい。蛍光色を呈する模様を有する色付き文字線の模様の種類は、上記と同様に、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されてよい。蛍光色を呈する模様を有する色付き文字線の模様と蛍光色の種類とを、別々の参照文字によって、それぞれ決定することも、本発明の好ましい態様に含まれる。
本発明の印刷物では、特に、
色付き文字線のうちの少なくとも1つが、蛍光色を呈する色付き文字線であり、かつ、
この蛍光色を呈する色付き文字線のうちの少なくとも1つが、
可視光線下で視認可能な色を呈する下地文字線と、
下地文字線上の、蛍光色を呈する蛍光色文字線と、
から構成されている蛍光色隠蔽文字線であってよい。
図3に、蛍光色隠蔽文字線を有する印刷物の構成を説明するための、概略断面図を示した。
図3の印刷物(200)は、基材(210)上に、下地文字線(221)と、蛍光色文字線(222)とが、この順に印刷された蛍光色隠蔽文字線(220)を有する。下地文字線(221)は、可視光線下で視認可能な色を呈する。蛍光色文字線(222)は、蛍光色を呈する。
このような蛍光色隠蔽文字線(220)を可視光線下で観察すると、上層の蛍光色文字線(222)の色は、下層の下地文字線(221)の色によって視認が困難となり、主として下地文字線(221)の色が視認される。一方、蛍光色隠蔽文字線(220)を紫外線照射下で観察すると、上層の蛍光色文字線(222)の蛍光発色が顕著となり、下地文字線(221)の色は視認困難となる。
したがって、可視光線下において、蛍光色隠蔽文字線における下地文字線は、蛍光色文字線が可視光線下で視認困難となる色を呈することが好適である。具体的には、下地文字線の色は、蛍光色文字線の色よりも暗い色であることが好ましい。下地文字線の好ましい色の程度は、蛍光色文字線の色との関係によって相対的に定まる。しかしながら、下地文字線の色のCIE1976色空間におけるLが45以下である場合、蛍光色文字線が呈することが可能な大部分の色を、可視光線下で視認困難とすることができる。下地文字線の色のCIE1976色空間におけるLは、40以下、35以下、30以下、25以下、又は20以下であってもよい。
この実施形態の印刷物は、可視光線照射下では、色付き文字線が蛍光色を呈する蛍光色文字線を含んでいることが判別困難でありながら、紫外線照射下では、文字列構成文字が所定の蛍光色で印刷されているかどうかを、容易に判別できる利点を有する。
(インク)
本発明の印刷物では、文字列構成文字は、印刷インクによって表記されている。なお、本明細書における「インク」とは、液体状のインクの他に、粉体状のトナーも含む概念である。
本発明の印刷物における文字列は、例えば、口座番号、取引金額、シリアルナンバー
等の、当該印刷物のみに付与された識別標識の機能を含む。したがって、文字列構成文字を印刷するための印刷インクは、枚葉紙を1枚1枚印刷する枚葉印刷方式に適用可能であり、かつ、目視で視認可能なインクであってよい。
蛍光色を呈さない色付き文字線、及び蛍光色隠蔽文字線における下地文字線は、それぞれ、通常の枚葉インクを用いて印刷されてよい。この枚葉インクは、例えば、油性インク、大豆油インク、ベジタブルオイルインク、UVインク、LED−UVインク、インクジェットインク等であってよい。セキュリティーインクは、例えば磁気インク、磁気トナー、カーボン含有インク等であってよい。
蛍光色を呈する色付き文字線、及び蛍光色隠蔽文字線における蛍光色文字線は、それぞれ、枚葉印刷可能な蛍光インキを用いて印刷されてよい。
《印刷物の真贋判定方法》
本発明の印刷物は、文字列を構成する文字列構成文字のうちの少なくとも一部が、それぞれ、特定の参照位置の文字列構成文字の種類によって決定された特定の色付き文字線で表記された色付き文字である。したがって、この色付き文字が、所定の色付き文字線で表記されているかどうかを検査することにより、真正品であるか、例えば切り貼り等による改竄品であるかを、知ることができる。
印刷物の文字列が、例えば通常の枚葉インクによって印刷されたものである場合、色付き文字線の検査は、可視光線を用いて光学的に行われてよい。可視光線を用いる光学的な検査とは、本発明の印刷物の文字列が印刷された領域に可視光を照射したときの、透過色、又は反射色を読み取り、基材の地の部分の透過率又は反射率と、文字列構成文字の文字線の部分の透過率又は反射率と、のコントラストによって、文字種及び文字線の色を識別することをいう。
印刷物の文字列が蛍光インクによって印刷されたものである場合、色付き文字線の検査は、可視光線を用いて光学的に行うことができる他、紫外線光源を有する画像読取装置によっても行うことができる。蛍光インクによって印刷された文字列構成文字を、紫外線光源を有する画像読取装置を用いて読み込むと、文字列構成文字を表記する色付き文字線の蛍光色を呈する。したがって、文字列中の文字列構成文字について得られた蛍光色が、予め定められた蛍光色と一致するか否かを調べることにより、当該印刷物の真贋判定を行うことができる。
更に、印刷物の文字列が、下地文字線及び蛍光色文字線から成る蛍光色隠蔽文字線によって構成されたものである場合、色付き文字線の検査を、可視光線を用いて光学的に行うことは困難である。しかしながら、蛍光色隠蔽文字線によって構成された文字列構成文字を、紫外線光源を有する画像読取装置を用いて読み込むと、文字列構成文字を表記する色付き文字線の蛍光色を呈する。したがって、文字列中の文字列構成文字について得られた蛍光色が、予め定められた蛍光色と一致するか否かを調べることにより、当該印刷物の真贋判定を行うことができる。
《印刷物の適用》
本発明の印刷物は、上記のとおり、例えば切り貼りによる改竄が困難であり、真正品であるか、改竄品であるかの判定を容易に行うことができる。本発明の印刷物は、また、色付き文字を表記する色付き文字線の色が、参照位置と、当該参照位置にある文字列構成文字の種類との2段階で決定されるため、色の配置パターン解読の可能性が抑制されている。更に、本発明の印刷物が、下地文字線及び蛍光色文字線から成る蛍光色隠蔽文字線を含む場合、文字列構成文字が所定の参照位置によって定められた特定の色を有していることを知ること自体が困難となる。
したがって、本発明の印刷物は、有価証券、公営競技の投票券等に好適に適用可能である。有価証券は、例えば、株券発行会社の株券、商品券、貨物引換証、倉荷証券、為替手形、小切手等であってよい。公営競技の投票券は、例えば、勝馬投票券、勝舟投票券、勝車投票券、勝者投票券等であってよい。
《印刷物の製造方法》
本発明の印刷物は、例えば、
基材上に、文字列が印刷されている印刷物の製造方法であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記製造方法は、
(1)上記文字列に含まれる2個以上の文字列構成文字を決定すること、
(2)上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部を、色付き文字線によって表記することを決定すること、及び
(3)上記基材上に、上記文字列を印刷すること、
を含み、
上記工程(1)において、上記文字列構成文字は空白としてもよく、ただし、上記文字列構成文字のすべてを空白とすることはなく、
上記工程(2)において、上記色付き文字線の色を、上記文字列における当該色付き文字の位置以外の参照位置を含む、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定することを含む、
製造方法によって、製造されてよい。
上記の文字列の印刷は、例えば、インクジェットプリンタ、電子写真方式プリンタ等により行われてよい。
《実施例1》
本実施例では、
基材として上質紙を用い、
蛍光色文字線用インキとして蛍光インキを用い、
下地文字線用インキとして黒色インキを用い、
基材上に、下地文字線(L=24.3)、及び蛍光色文字線をこの順に印刷して、蛍光色隠蔽文字線によって表記された文字列が印刷された印刷物を得た。
この文字列を構成する文字としては、アラビア数字の「7」及び「1」を選択し、文字のサイズ(ポイント数)は14ポイントとした。ここで、蛍光色層を印刷する蛍光インキの色については、「7」は橙蛍光色とし、「1」は緑蛍光色とした。これらの蛍光インキは、可視光線下及び紫外線下の双方において、それぞれ、橙色及び緑色として視認可能である。
上記のような文字の印刷は、下地層及び蛍光色層とも、インキジェットプリンタによって行った。
得られた印刷物を、可視光線(蛍光灯)照射下、及び波長254nmの輝線を含む紫外線光の照射下で観察した。結果を、図4に示す。図4(a)は、可視光線照射下で撮影した印刷物の写真であり、図4(b)は、紫外線光照射下で撮影した印刷物の写真である。
《比較例1》
本比較例では、黒色インキを用い、インキジェットプリンタによって、アラビア数字の「7」及び「1」を印刷した。文字のサイズは14ポイントとした。
得られた印刷物を、可視光線(蛍光灯)照射下、及び波長254nmの輝線を含む紫外線光の照射下で観察した。結果を、図5に示す。図5(a)は、可視光線照射下で撮影した印刷物の写真であり、図5(b)は、紫外線光照射下で撮影した印刷物の写真である。
《結果》
比較例1についての図5を参照すると、黒色インキによる通常の印刷では、可視光照射下の場合(図5(a))と、紫外線照射下の場合(図5(b))とで、ほぼ同じ色調の数字が観察された。
これに対して、実施例1についての図4では、可視光線照射下の場合(図4(a))には、蛍光色文字線の呈色は下地文字線によって隠蔽され、下地文字線の黒色の数字が観察されたのに対して、紫外線照射下の場合(図4(b))では、蛍光色文字線の蛍光色が観察された。しかも、この場合、各数字の印刷に使用した蛍光インキの発色が維持され、「7」は橙蛍光色を呈し、「1」は緑蛍光色を呈していた。
以上のことにより、本発明の印刷物は、可視光線照射下では、蛍光インキによって印刷された蛍光色文字線を有していることが判別困難でありながら、紫外線照射下では、文字列の各文字が所定の蛍光色で印刷されているかどうかを、容易に判別できることが検証された。
1 ステム
2 上部修飾セリフ
3 下部修飾セリフ
10 文字線
20 パターン付き文字線
100 文字
200 印刷物
220 蛍光色隠蔽文字線
221 下地文字線
222 蛍光色文字線

Claims (9)

  1. 基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、
    前記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
    前記文字列構成文字のうちの少なくとも一部は、色付き文字線によって表記された色付き文字であり、
    前記色付き文字線の色は、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
    前記参照位置は、前記文字列における当該色付き文字の位置以外の位置を含む、
    印刷物。
  2. 前記色付き文字線のうちの少なくとも1つが、模様を有する、請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記色付き文字線のうちの少なくとも1つが、蛍光色を呈する、請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 前記蛍光色を呈する色付き文字線のうちの少なくとも1つが、
    可視光線下で視認可能な色を呈する下地文字線と、
    前記下地文字線上の、蛍光色を呈する蛍光色文字線と、
    から構成されている蛍光色隠蔽文字線である、
    請求項3に記載の印刷物。
  5. 前記下地文字線の、CIE1976色空間におけるLが45以下である、請求項4に記載の印刷物。
  6. 前記色付き文字線が蛍光色を呈さない、請求項1又は2に記載の印刷物。
  7. 前記色付き文字が数字を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の印刷物。
  8. 前記色付き文字がアルファベットを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷物。
  9. 前記印刷物が有価証券である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷物。
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