JP3790867B2 - 透過x線のもとで識別できる情報を付与した情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、切手、印紙、証紙、株券、債券、商品券、入場券、登録証、会員証、権利証、出入国証、パスポートを含む情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの紙幣等の貴重印刷物では、偽造を防止するため、例えば用紙関係ではすき入れ、セキュリティスレッド又は紫外線下で発光する蛍光繊維、印刷関係では、マイクロ文字、斜めに傾けると像が現れる特殊潜像模様、紫外線下で発光する蛍光印刷又は精巧な彩紋や細密な万線、肖像等が各種貴重印刷物に施され、偽造に対する有効性を保持していた。しかし、最近では、カラー複写機による複写物や、パソコンを使用したプリンタ出力物による偽造が多発することから、貴重印刷物の偽造を一層困難にし、尚かつ誰もが簡単に真偽判別可能な要素を加えるため、上記の偽造防止技術と併せて、光学的変化をともなうOVDや金属箔を貼付させている(例えば、イギリス20ポンド券、ドイツ100マルク券等がある。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このOVD、金属箔による金属層は、カラー複写やプリンタ出力による偽造に対して有効であるが、その金属層を付与した部分については、OVDの画像変化や金属箔の色や輝きの認識を妨げないようにするため、金属層が付与された同じ領域においては、他の偽造防止技術を付与することが困難であった。しかし、紙幣等の貴重印刷物では、限られた狭い面積において、偽造防止効果を高めるため、一つの領域に、一つだけではない、複数の偽造防止技術が施されることにより高いセキュリティを持つ。さらに、それらが互いに関連することが、一層の有効性を高める。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では金属層下の同じ領域に、通常の視認状態(可視光)では金属層で隠蔽され認識不可能な情報を付与する。金属層は通常の視認状態(例えば可視光)で、画像又は色情報等を読み取り、金属層下の情報は透過X線のもとで読み取る。これにより、所定の同一領域において複数の偽造防止効果を施すことが可能となる。又、金属層の情報と金属層下の情報とで相関関係の有無を確認して、簡単かつ確実な真偽判別を可能とし、これによってきわめて偽造困難な情報記録媒体を実現する。
【0005】
本発明は上記課題を解決するために、基材と、上記基材上の所定の領域に、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキで印刷された所定の情報と、上記所定の情報の存在を隠蔽するために上記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層とを備え、上記基材のX線透過率が上記所定の情報のX線透過率であるα%よりも高く、上記金属層のX線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いことによって、透過X線のもとで、上記所定の情報が認識可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0006】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、基材と、上記基材上の所定の領域に、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキで印刷された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために上記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記金属層に記録された第2の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第1の情報のX線透過率であるα%よりも高く、上記金属層のX線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いことによって、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、上記第1の情報が認識不可能となり、上記第2の情報が認識可能であり、透過X線のもとで、上記第1の情報が認識可能となり、上記第2の情報が認識不可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0007】
透過X線像として認識可能な上記所定の情報又は上記第1の情報は、機械読み取り可能なコード情報とし、バーコードや2次元コードとしてもよい。
【0008】
上記X線透過率がα%のインキは、磁性インキとし、バーコードを構成するそれぞれのバーがそれぞれに所定の磁束密度を示すように印刷されている構成としてもよい。
【0009】
上記所定の情報又は上記第1の情報が、上記金属層及び上記基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色又は透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて記録された所定の情報と、上記所定の情報の存在を隠蔽するために上記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層とを備え、透過X線のもとで、上記所定の情報が認識可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0011】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて記録された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために上記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記金属層に記録された第2の情報とを備え、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、上記第1の情報が認識不可能となり、上記第2の情報が認識可能であり、透過X線のもとで、上記第1の情報が認識可能となり、上記第2の情報が認識不可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0012】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて記録された所定の情報と、上記所定の情報の存在を隠蔽するために上記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層とを備え、透過X線のもとで、上記所定の情報が認識可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0013】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて記録された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために上記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記金属層に記録された第2の情報とを備え、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、上記第1の情報が認識不可能となり、上記第2の情報が認識可能であり、透過X線のもとで、上記第1の情報が認識可能となり、上記第2の情報が認識不可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0014】
透過X線像として認識可能な上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記所定の情報又は上記第1の情報が機械読み取り可能なコード情報とし、バーコードや2次元コードとしてもよい。
【0015】
上記基材と上記印刷インキによる上記所定の情報又は上記第1の情報の間に、上記所定の情報又は上記第1の情報の存在を隠蔽するためにX線透過率が上記基材、上記印刷インキ及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
【0016】
上記基材の両面のうち上記金属層を設けた表面と反対側表面に上記印刷インキによる上記所定の情報又は上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材、上記印刷インキ及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
また、上記基材の両面のうち上記金属層を設けた表面と反対側表面に上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記所定の情報又は上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
【0017】
上記金属層と上記印刷インキによる上記所定の情報又は上記第1の情報の間に上記所定の情報又は上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材、上記印刷インキ及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
また、上記金属層と上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記所定の情報又は上記第1の情報の間に上記所定の情報又は上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
【0018】
上記金属層に記録された上記第2の情報は、OVDによる画像情報、金属箔の輝きの色、金属箔上に無色蛍光インキで印刷された情報としてもよい。
【0019】
上記印刷インキ、上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記所定の情報又は上記第1の情報を被覆する上記金属層の材料は、例えば非磁性金属のアルミニウムで構成してもよい。
【0020】
透過X線のもとで上記印刷インキ、上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記所定の情報又は上記第1の情報が濃淡の階調を持って認識可能となる構成としてもよい。
【0021】
本発明で使用される透過X線は軟X線を利用してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係る情報記録媒体の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は、本発明に係る情報記録媒体の実施例1を説明する図である。この情報記録媒体1は、紙で製造された基材2を有し、この基材2上の所定の領域Rに、所定の情報3が記録されている。この所定の情報3は、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキにより印刷された情報であり、その具体的な態様は、インキにより印刷されたコード、文字、マーク、数字等いろいろな態様(例えば、図1の例では文字A)である。ここで、所定の情報3は、濃淡の階調を持って印刷してもよい。
【0024】
この所定の情報3の存在を隠蔽するために、所定の情報3が記録された所定の領域Rが、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の、例えばアルミニウム等の材料の金属層4で被覆されている。所定の情報3は、そのインキのX線透過率が金属層4及び基材2(基材は通常の紙で、X線透過率は、印刷インキによる所定の情報<基材<金属層で構成)より低いために、情報記録媒体1にX線(例えば軟X線)を透過させると、所定の情報3は、X線透過像となって現れ、認識可能となる。
この実施例1は、金属層が付与された同一領域において、金属層下に施された印刷インキによる所定の情報3を読み取ることで真偽判別を行うことができる。
【0025】
上記のとおり、所定の情報3は、X線透過率がα%のインキにより印刷され、その具体的な構成はコード、文字、マーク、数字等いろいろな態様があるが、所定の情報3を機械読み取り可能なコード情報とする構成を説明する。図2は、所定の情報がバーコードを用いて記録されている構成を示している。このバーコード5のバーは、X線透過率がα%のインキで印刷されている。従って、情報記録媒体1にX線を透過させると、バーコードがX線透過像となって現れ、これを目視又は光学的に読み取って、真正のバーコードと比較、照合することで真偽判別が可能となる。
【0026】
図3は、所定の情報を付与するバーコード6のバーが、X線透過率がα%であるとともに、所定の磁束密度のインキで印刷されている構成を示している。図3(a)は、バーコード6を構成する複数(この図では4本)のバー7が全て同じ磁束密度のインキで印刷された構成を示している。又、図3(b)は、バーコード6を構成する複数(4本)のバー8ごとに、それぞれ異なる磁束密度のインキで印刷された構成を示している。
【0027】
このような情報記録媒体の構成であると、バーコード6を構成する4本のバー7、8の夫々の有無に加えて、バー7、8ごとにそれぞれ同じ又は異なる所定の磁束密度の情報も付与し、磁気バーコードセンサでスキャンしチェックすることができるので、確実な真偽判別が可能であり、偽造防止効果がきわめて大きい。
【0028】
図4は、所定の情報を付与するバーコード9のバー10が、X線透過率がα%であるとともに、バーコード9を構成する複数(この図では4本)のバー10が、磁界をかけた時の磁束密度は同じであるであるが、磁界をゼロにした時に残留磁束密度の状態がそれぞれ異なる特徴をもつ磁性インキで印刷された例を示す。
図4(a)は、バーコード9に磁界をかけた場合(磁化状態)の、バー10の磁束密度を示す図である。図4(b)は、図4(a)の磁化状態から磁界をゼロにした場合の、バーごとに残留磁束密度の状態を示す図である。
【0029】
これによると、図4(a)に示す磁化状態による磁束密度を読み取る他に、磁化状態から磁界をゼロにした残留磁束密度状態も読み取ることができるため、よって、このようなバーコード9が予め印刷され、磁化状態、残留磁束密度の状態の両方で磁気読み取りできる情報記録媒体の真偽判別に際しては、X線透過によりバーコード9を読み取るとともに、磁気バーコードセンサにより、磁化状態又は残留磁束密度の状態をバーコード9についてスキャンすることで、バー10ごとのそれぞれの磁気状態が所定の状態にあるか否かをチェックし、よりきめ細かな真偽判別が可能となる。
【0030】
図5は、機械読み取り可能なコード情報が、マトリックス状の2次元コード11として、X線透過率がα%のインキで記録されている構成を示している。真偽判別に際しては、情報記録媒体1にX線を透過させて2次元コード11を読み取り、その読み取り情報と所定の真正情報とを比較、照合してして真偽判別が行われる。
【0031】
マトリックス状の2次元コード11が、磁気インキで印刷された場合は、磁気センサによりコードや、コードを構成する要素12の磁束密度等を読み取り、その読み取り情報と所定の真正情報とを比較、照合して真偽判別を行うこともできる。2次元コードによると、より多量の情報を付与することが可能となり、確実な真偽判別が可能であり、偽造防止効果がきわめて大きい。
【0032】
次に、所定の情報を印刷するX線透過率がα%のインキについて説明する。この具体例としては、図1に示す所定の情報3が上記基材2の色調と異なる色調の有色インキであって、金属層(例えば、アルミニウム)及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色インキを用いて印刷されている構成がある。又、上記所定の情報3は、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0033】
このように、所定の情報3を金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色又は透明インキを用いて印刷されている構成とすると、透過X線のもとで所定の情報3が基材2及び金属層4よりもX線透過率が低いために、所定の情報3のX線透過像が認識可能となり、真偽判別が可能となる。特に透明インキを用いて印刷されている場合には、金属層4がはがれても所定の情報3が認識不可能であり、透過X線のもとで初めて、所定の情報3が読み取り可能となり真偽判別できるので偽造防止効果が高い。
【0034】
(実施例2)
図6は、本発明に係る情報記録媒体の実施例2を示す図である。この実施例2の情報記録媒体13では、基材2と基材2に記録された第1の情報3’については、実施例1の所定の情報3と全く同様である。この実施例2の情報記録媒体13では、金属層4に第2の情報14が記録されている。但し、第1の情報=第2の情報、又は第1の情報≠第2の情報(例えば、図6は第1の情報が文字Aであり、第2の情報が文字Bで、A≠Bの場合であるが、第1の情報と第2の情報を共にAとする場合もある。)とする。
【0035】
ところで、この第2の情報14は、X線を透過しても読み取ることができない状態で記録されている。例えば、第2の情報14は、所定の視認条件のもとで読みとれるような構成とするものであり、この所定の視認条件としては、例えば紫外線を照射すると発光が生じる無色蛍光インキによる構成としてもよいし、又は可視光下での観察において、角度により画像情報が認識できるOVDの構成や輝いた色を認識できる金属箔の構成としてもよい。
このように、金属層の情報を活用することにより、同一領域に複数の技術を付与することができるだけでなく、情報の相関をもたせることもできる。
【0036】
実施例2の情報記録媒体13は以上のような構成であるから、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、第1の情報3’が認識不可能であり、金属層4に形成された第2の情報14は認識可能である。そして、透過X線のもとで、第1の情報3’が認識可能となり、第2の情報14が認識不可能である。そして、第2の情報14は、第1の情報3’と予め特定の相関関係(例えば、同一である又は同一でなくてもアルファベット順の関係がある、輝いた色と相関を持たせる等)を有するような情報として記録し、真偽判別の際、特定の相関関係の有無を確認して真偽判別可能な構成としてもよい。
【0037】
(実施例3)
図7は、本発明に係る情報記録媒体の実施例3を説明する図である。この情報記録媒体15は、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の紙で製造された基材16を有し、この基材16の一部である所定の領域Rに、第1の情報17がすき入れを用いて記録されている。
【0038】
そして、この第1の情報17の存在を隠蔽するために、第1の情報17が記録された所定の領域Rが、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の、例えばアルミニウム等の材料の金属層18で被覆されている。
【0039】
第1の情報17は、すき入れを利用して記録されており、このすき入れのX線透過率が基材16のすき入れではない地の部分と異なるため、X線透過反応が異なる。このすき入れによる第1の情報17を被覆する金属層18は基材16よりX線透過率が高いために、この実施例3の情報記録媒体15に、例えば軟X線等のX線を透過させると、すき入れを利用して記録された第1の情報17は、X線透過像が認識可能となる。
この実施例3は、金属層が付与された同一領域において、金属層下に施されたすき入れによる第1の情報17を読み取ることで真偽判別を行うことができる。
【0040】
第1の情報17は、基材16にすき入れを用いて記録されているが、その具体的な構成は、図7に示すように文字、マーク、数字でもよいし、機械読み取り可能なコード情報としてもよい。ここで、第1の情報17は、濃淡の階調をもったすき入れ像としてもよい。
【0041】
図8は、第1の情報17がバーコード19を用いて記録されている構成を示している。このバーコード19のバーは、X線透過率がα%の基材16に対してすき入れを用いて記録されているから、情報記録媒体15に軟X線を透過すると、第1の情報17を被覆する金属層18が基材16よりもX線透過率が高いため、バーコード19が識別可能となる。これを目視又は光学的に読み取って、真正のコードと比較、照合することで真偽判別が可能となる。
【0042】
図9は、機械読み取り可能なコード情報が、基材16に対してすき入れによりマトリックス状の2次元コード20として記録されている構成を示している。真偽判別に際しては、2次元コード20の要素21はすき入れで形成されているから、例えば情報記録媒体15に軟X線を透過すると、第1の情報17を被覆する金属層18が基材16よりもX線透過率が高いため識別可能となる。これを目視又は光学的に読み取って、真正のコードと比較、照合することで真偽判別が可能となる。この2次元コード20によると、より多量の情報を付与することが可能となり、確実な真偽判別が可能であり、偽造防止効果がきわめて大きい。
【0043】
(実施例4)
図10は、本発明に係る情報記録媒体の実施例4を示す図である。この実施例4では、基材16と基材16に記録された第1の情報17については、実施例3と全く同様である。この実施例4の情報記録媒体22では、金属層18に第2の情報22’が記録されている。但し、第1の情報=第2の情報、又は第1の情報≠第2の情報(例えば、図10は第1の情報が文字Aであり、第2の情報が文字Bで、A≠Bの場合であるが、第1の情報と第2の情報を共に同じにする場合もある。)
【0044】
ところで、この第2の情報22’は、X線を透過しても読み取ることができない状態で記録されている。例えば、第2の情報22’は、紫外線を照射すると発光が生じる無色蛍光インキによる構成としてもよいし、又は可視光下での観察において、画像情報が認識できるOVDの構成や輝いた色を認識できる金属箔の構成としてもよい。
このように、金属層の情報を活用することにより、同一領域に複数の技術を付与することができるだけでなく、情報の相関をもたせることもできる。
【0045】
実施例4の情報記録媒体22は以上のような構成であるから、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、第1の情報17が認識不可能であり、金属層18に形成された第2の情報22’は認識可能である。透過X線のもとで、第1の情報17が認識可能であり、第2の情報22’が認識不可能である。そして、第2の情報22’は、第1の情報17と予め特定の相関関係(例えば、同一である又は同一でなくてもアルファベット順の関係がある、輝いた色と相関を持たせる等)を有するような情報として記録し、真偽判別の際、特定の相関関係の有無を確認して真偽判別可能な構成としてもよい。
【0046】
(実施例5)
図11は、本発明に係る情報記録媒体の実施例5を説明する図である。この情報記録媒体23は、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の紙で製造された基材24を有し、この基材24の一部である所定の領域Rに、第1の情報25が微細穿孔(レーザを照射して基材を穿孔する。以下同じ)を用いて記録されている。
【0047】
そして、この第1の情報25の存在を隠蔽するために、第1の情報が記録された所定の領域Rが、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の、例えばアルミニウム等の材料の金属層26で被覆されている。
【0048】
第1の情報25は微細穿孔を利用して記録されており、この微細穿孔部のX線透過率は基材24の微細穿孔のない他の部分と比べ、X線透過率が高くなる。又金属層26が基材24よりもX線透過率が高いため、例えば軟X線を透過させると微細穿孔を利用して記録された第1の情報25は、微細穿孔の有無によりX線透過反応が異なるため、X線透過像が認識可能となる。
この実施例5は、金属層が付与された同一領域において、金属層下に施された微細穿孔による第1の情報25を読み取ることで真偽判別を行うことができる。
【0049】
第1の情報25は、基材24に微細穿孔を用いて記録されるが、その具体的な構成は、文字、マーク、数字でもよいし、機械読み取り可能なコード情報としてもよい。ここで、第1の情報25は、微細穿孔による濃淡の階調を施してもよい。
そして機械読み取り可能なコード情報は、微細穿孔で記録されたバーコード情報としてもよいし、2次元コードで記録されている構成としてもよい。図12は、マトリックス状に記録されている2次元コードの構成を示しており、2次元コード27、要素27’を選択的に多数の微細穿孔で穿孔しデータが記録されている。
【0050】
(実施例6)
図13は、本発明に係る情報記録媒体の実施例6を示す図である。この実施例6の情報記録媒体28では、基材24と基材24の一部に微細穿孔により記録された第1の情報25については、実施例5と全く同様である。この実施例6の情報記録媒体28では、金属層26に第2の情報29が記録されている。但し、第1の情報=第2の情報、又は第1の情報≠第2の情報とする。
【0051】
ところで、この第2の情報29は、X線を透過しても読み取ることができないが、所定の視認条件のもとで認識可能な状態で記録されている。第2の情報29の視認条件としては、例えば、紫外線を照射すると発光を生じる無色蛍光インキによる構成としてもよいし、又可視光下での観察において、角度により画像情報が目視できるOVDの構成や輝いた色を認識できる金属箔の構成としてもよい。
【0052】
実施例6の情報記録媒体28は以上のような構成であるから、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、第1の情報25が認識不可能であり、金属層26に形成された第2の情報29は認識可能であり、透過X線のもとで、第1の情報25が認識可能であり、第2の情報29が認識不可能である。そして、第2の情報29は、第1の情報25と予め特定の相関関係(例えば、同一である又は同一でなくてもアルファベット順の関係がある、輝いた色と相関を持たせる等)を有するような情報として記録し、真偽判別の際、特定の相関関係の有無を確認して真偽判別可能な構成としてもよい。
【0053】
以上、本発明に係る情報記録媒体の実施例1〜6について説明したが、実施例1〜6の情報記録媒体に、偽造防止効果をさらに高めるための隠蔽画線を付設した変形例を、以下説明する。
【0054】
(実施例1、2の変形例)
図14は、実施例1の変形例を示す図である。図14(a)〜(e)に示す変形例は、いずれも実施例1の情報記録媒体1において、その所定の情報3が、基材2又は金属層4を通して目視できないように、所定の情報3を隠蔽するための隠蔽画線を付設した構成を特徴とする。なお、図14(a)〜(e)の金属層4に第2の情報14(図6参照)を追加すれば、実施例2の変形例となるが、その説明は省略する。
【0055】
隠蔽画線としては、地紋が緻密に印刷、又はベタ印刷されて成る第1の隠蔽画線30と、地紋が緻密に印刷、又はベタ印刷されて成る第2の隠蔽画線31とがある。第1の隠蔽画線30及び第2の隠蔽画線31は、X線透過率は、所定の情報3、基材2及び金属層4より高く、透過X線のもとで所定の情報3の識別を阻害するものではない。この時、第1の隠蔽画線30及び第2の隠蔽画線31は、所定の情報3、基材2及び金属層4よりもX線透過率が高いという条件を満足する同一のX線透過率のインキを用いて印刷される構成とし、本発明に係る特許請求の範囲に記載の隠蔽画線についても同様の構成とした。
【0056】
図14(a)は、実施例1の情報記録媒体1において、基材2の金属層4の反対側の面(裏面)から基材2を通して所定の情報3を目視することができないように、基材2の表面の領域R上に第1の隠蔽画線30を印刷し、その上に所定の情報3を印刷して成る構成である。図14(b)は、基材2の表面の所定の領域Rに対応する裏面の所定の領域R上に第1の隠蔽画線30を印刷して成る構成である。
【0057】
図14(c)は、所定の情報3の上から領域R上に第2の隠蔽画線31を印刷して成る構成である。図14(d)は、基材2の裏面の領域R上に第1の隠蔽画線30を印刷するとともに、所定の情報3の上から領域R上に第2の隠蔽画線31を印刷し、所定の情報3を上下両面からより効果的に隠蔽して成る構成である。図14(e)は、基材2の表面の領域R上に第1の隠蔽画線30を印刷するとともに、所定の情報3の上から領域R上に第2の隠蔽画線31を印刷し、所定の情報3を上下両面からサンドイッチ状に効果的に隠蔽して成る構成である。
【0058】
(実施例3〜6の変形)
図15は、実施例3〜6の変形例を示す図である。図15(a)〜(c)に示す変形例は、いずれも実施例3〜6と同じ情報記録媒体に、その第1の情報、即ち、すき入れ(実施例3、4)又は微細穿孔(実施例5、6)が基材や金属層を通して目視できないように、隠蔽するための隠蔽画線を付設した構成を特徴とする。隠蔽画線は、図14に利用した隠蔽画線と全く同様の第1の隠蔽画線30及び第2の隠蔽画線31を利用する。なお、図15(a)〜(c)中では第2の情報(実施例4では22’、実施例6では29)については、省略する。
【0059】
図15(a)は、基材(第3、4の実施例の場合は16、第5、6の実施例の場合は24。以下、同じ)の裏面の領域R上に、第1の隠蔽画線30を印刷して成る構成であり、図15(b)は、基材16、24の表面の領域R上に第1の情報(第3、4の実施例の場合は17、第5、6の実施例の場合は25。)の上から、第2の隠蔽画線31を印刷して成る構成である。図15(c)は、基材16、24の裏面の領域R上に第1の隠蔽画線30を印刷するとともに、基材の表面において第1の情報17、25の上から領域R上に第2の隠蔽画線31を印刷し、第1の情報17、25を上下両面からより効果的に隠蔽することができる構成を示している。
【0060】
以上、本発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明したが、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
例えば、基材としてプラスチック、合成樹脂等を用いてもよい。この場合は、基材の厚さを変化させてX線透過率に差を設けて情報を付与することができる。又、紙の場合と同様に、印刷インキによる印刷又はレーザ穿孔による微細穿孔によって情報を施してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明に関わる情報記録媒体は、同一領域に複数の情報を付与することができ、限られた狭い面積である紙幣等の貴重印刷物において、偽造防止効果を高めることができる。さらに両情報に相関関係を施すことにより、一層、偽造防止効果が高まる。又、金属層下の第1の情報は、透過X線のもとでのみ情報を確認することができるため、透過X線装置が空港、各研究機関等の特殊な場所のみにあることから、その情報は一般には確認困難である。
これらによりきわめて偽造困難な情報記録媒体を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録媒体の実施例1を説明する図である。
【図2】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図3】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図4】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図5】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図6】本発明に係る情報記録媒体の実施例2を説明する図である。
【図7】本発明に係る情報記録媒体の実施例3を説明する図である。
【図8】本発明に係る情報記録媒体の実施例3の要部を説明する図である。
【図9】本発明に係る情報記録媒体の実施例3の要部を説明する図である。
【図10】本発明に係る情報記録媒体の実施例4を説明する図である。
【図11】本発明に係る情報記録媒体の実施例5を説明する図である。
【図12】本発明に係る情報記録媒体の実施例5の要部を説明する図である。
【図13】本発明に係る情報記録媒体の実施例6を説明する図である。
【図14】本発明に係る情報記録媒体の実施例1、2の変形例を説明する図である。
【図15】本発明に係る情報記録媒体の実施例3〜6の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
1、13、15、22、23、28 情報記録媒体
2、16、24 基材
3 所定の情報
3’、17、25 第1の情報
4、18、26 金属層
5、6、9、19 バーコード
11、20、27 2次元コード
7、8、10、12、21、27’ 所定のコード
14、22’、29 第2の情報
30 第1の隠蔽画線
31 第2の隠蔽画線
Claims (3)
- X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、前記基材の所定の領域に、前記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて付与した第1の情報と、前記第1の情報の存在を隠蔽するために前記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層とを備えたことを特徴とする情報記録媒体。
- X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、前記基材の所定の領域に、前記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて付与した第1の情報と、前記第1の情報の存在を隠蔽するために前記所定の領域を被覆する、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層とを備えたことを特徴とする情報記録媒体。
- 前記第1の情報が機械読み取り可能なコード情報であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の情報記録媒体。
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