JP2020185677A - 印刷物及びその製造方法 - Google Patents

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淳生 鈴木
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Abstract

【課題】例えば切り貼り等による改竄の懸念、及びパターン解読の可能性が抑制された、セキュリティー性の高い印刷物を提供すること。【解決手段】基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、前記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、前記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、前記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、前記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、前記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、前記パターン付き文字それぞれの前記パターン付き文字線のパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、前記参照位置は、前記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含む、印刷物。【選択図】図2

Description

本発明は、印刷物及びその製造方法に関する。詳しくは、改竄及び偽造が困難であり、真贋判定が容易な、有価証券等に適用可能な印刷物、及びその製造方法に関する。
口座番号、取引金額等のセキュリティー性の高い可変情報を含む文字列を有する有価証券類では、例えば、印字文字の切り貼り等による改竄等に対する防止策が施されていることを要する。
改竄等防止策として、例えば、地紋を有する基材上に、地紋と異なる色の文字列を印字する方法が知られている。例えば、特許文献1には、複数の印字枠内に可変情報データが印字されている1面が多面付けで配列される基材の全面に、可視光下で視認不可能な特殊インキによって、不等間隔の斜線が印刷された偽造防止策が施された印刷物が、記載されている。
また、文字列を、パターン付き文字線によって表記する方法が知られている。例えば、特許文献2には、可変情報の各桁の数値に応じて予め設定された基本彩文図形を組み合わせて、印刷物1枚ごとに個別の彩文を設定し、この個別に設定された彩文パターンの文字線で可変情報データを印字することが記載されている。
特開2004−148712号公報 特開2017−136845号公報
上述の先行技術文献に記載された改竄等防止策を採用した場合でも、例えば、切り貼り等による改竄、パターン設定の解読等の懸念が、完全には払拭されていない。
本発明は、上記の先行技術における懸念を払拭しようとするものであり、例えば切り貼り等による改竄の懸念、及びパターン解読の可能性が抑制された、セキュリティー性の高い印刷物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
《態様1》基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、上記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、
上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、
上記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、
上記パターン付き文字それぞれの上記パターン付き文字線のパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
上記参照位置は、上記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含む、
印刷物。
《態様2》上記参照位置が1個である、態様1に記載の印刷物。
《態様3》上記参照位置が2個である、態様1に記載の印刷物。
《態様4》上記文字列構成文字が数字を含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の印刷物。
《態様5》上記文字列構成文字がアルファベットを含む、態様1〜4のいずれか一項に記載の印刷物。
《態様6》上記文字列構成文字が印刷インクによって表記されており、上記印刷インクが磁気インクである、態様1〜5のいずれか一項に記載の印刷物。
《態様7》上記印刷物が有価証券である、態様1〜6のいずれか一項に記載の印刷物。
《態様8》基材上に、文字列が印刷されている印刷物の製造方法であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記製造方法は、
(1)上記文字列に含まれる2個以上の文字列構成文字を決定すること、
(2)上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部を、パターン付き文字線によって表記することを決定すること、及び
(3)上記基材上に、上記文字列を印刷すること、
を含み、
上記工程(1)において、上記文字列構成文字は空白としてもよく、ただし、上記文字列構成文字のすべてを空白とすることはなく、
上記工程(2)において、上記パターン付き文字線のパターンを、上記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の参照位置を含む、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定することを含む、
製造方法。
《態様9》基材上に、文字列が印刷されている印刷物の真贋判定方法であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、上記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、
上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、
上記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、
上記パターン付き文字線のパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
上記参照位置は、上記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含み、
上記真贋判定方法は、上記パターン付き文字のうちのそれぞれが、上記参照位置の文字列構成文字によって決定されたパターンを有する、所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを含む、
真贋判定方法。
《態様10》上記パターン付き文字のそれぞれが、上記所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを、光学的に行う、態様9に記載の真贋判定方法。
《態様11》上記パターン付き文字のそれぞれが、上記所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを、磁気的に行う、態様9又は10に記載の真贋判定方法。
本発明によると、例えば切り貼り等による改竄の懸念、及びパターン解読の可能性が抑制された、セキュリティー性の高い印刷物、及びその製造方法が得られる。
図1(a)は、本明細書における「文字線」を定義するための説明図である。図1(b)及び図1(c)は、それぞれ、パターン付き文字線で印刷された文字列構成文字の例である。 図2(a)は、本発明の印刷物を製造するために好ましく用いられるパターンテーブルの一例である。図2(b)は、図2(a)のパターンテーブルを用いて、文字列「123」を有する印刷物を正規に製造した場合の一例である。図2(c)は、図2(b)の印刷物を切り貼りして、文字列「123」を「312」に改竄した場合の一例である。図2(d)は、図2(a)のパターンテーブルを用いて、文字列「312」を有する印刷物を正規に製造した場合の一例である。 図3は、種々のパターン付き文字線によって表記されたアラビア数字の「0」であって、磁気インクを用いて印刷された数字「0」を、市販の磁気インク文字読取装置で読み込んだときに得られた、磁気パターンを示すグラフである。パターン付き文字線のパターンは、(a)がパターンなし(実線)、(b)が縦ストライプ状、(c)が横ストライプ状、及び(d)が斜めストライプ状である。 図4は、種々のパターン付き文字線によって表記されたアラビア数字の「1」であって、磁気インクを用いて印刷された数字「1」を、市販の磁気インク文字読取装置で読み込んだときに得られた、磁気パターンを示すグラフである。パターン付き文字線のパターンは、(a)がパターンなし(実線)、(b)が縦ストライプ状、(c)が横ストライプ状、及び(d)が斜めストライプ状である。 図5は、種々のパターン付き文字線によって表記されたアラビア数字の「3」であって、磁気インクを用いて印刷された数字「3」を、市販の磁気インク文字読取装置で読み込んだときに得られた、磁気パターンを示すグラフである。パターン付き文字線のパターンは、(a)がパターンなし(実線)、(b)が縦ストライプ状、(c)が横ストライプ状、及び(d)が斜めストライプ状である。
《印刷物》
本発明の印刷物は、
基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、
前記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
前記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、前記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、
前記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、
前記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、
前記パターン付き文字線の前記パターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
前記参照位置は、前記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含む、
印刷物である。
〈基材〉
本発明の印刷物における基材としては、印刷物に通常使用されている基材を適宜に選択して使用してよい。基材を構成する材料は、例えば、紙、合成紙、合成樹脂フィルム、不織布等であってよい。基材は、典型的には紙から構成されていてよく、紙は、例えば、上質紙、コート紙、マットコート紙、クラフト紙、カラーペーパー、和紙等の他、紙幣用紙であってもよい。
〈文字列〉
本発明の印刷物における文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
文字列構成文字は空白であってもよいが、文字列構成文字のすべてが空白であることはない。
本発明の印刷物における文字列は、視認者に、具体的又は抽象的な意味内容を有するものではなく、当該印刷物を同種の他の印刷物と区別するために当該印刷物に付与された識別標識の機能を有していてよい。本発明が想定する文字列は、典型的には例えば、口座番号、取引金額、製品のシリアルナンバー、勝馬投票券の馬番号及び枠番号等である。
したがって、文字列構成文字は、過度に多くの種類の文字から選択される必要はなく、例えば、数字、アルファベット、平仮名、片仮名、通貨記号(例えば、「¥」、「$」等)等、及び空白から選択されてよい。更に、漢字も、文字列構成文字の選択肢に加えてよい。数字は、アラビア数字、ローマ数字、漢数字等から選択されてよい。アルファベットは、大文字及び小文字から選択されてよい。文字列構成文字の選択肢に加えられる漢字の種類は、例えば、100種類以下、80種類以下、50種類以下、30種類以下、20種類以下、又は10種類以下であってよい。
本発明の印刷物における文字列は、例えば、数字を含んでいてよく、アルファベットを含んでいてよく、数字及びアルファベットの双方を含んでいてよい。
(パターン付き文字)
本発明の印刷物では、文字列を構成する文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字である。このパターン付き文字は、パターン付き文字線によって表記されている。
文字線とは、基材上に文字を印刷するときに、地の色との色調差によって視認者に文字を認識させるために、インクを付着させて表記した部分をいう。
基材上に、アラビア数字の「1」を明朝体で印刷した例を、図1(a)に示した。図1(a)の「1」という文字(100)における文字線(10)は、ステム(1)と、上部修飾セリフ(serif)(2)と、下部修飾セリフ(3)とによって構成されており、このような構成要素を有する文字線(10)によって、文字(100)が表記されている。視認者は、例えば基材の地の色と、文字線(10)の色との色調差により、「1」という文字(100)を視認することができる。
アラビア数字の「1」をパターン付き文字として印刷した例を、図1(b)及び図1(c)に示した。図1(b)における文字線は、斜めストライプ状のパターンが付与されたパターン付き文字線(20)であり、このパターン付き文字線(20)によって、「1」というパターン付き文字(200)が表記されている。図1(c)は、図1(b)のパターン付き文字(200)に輪郭線が付与されたパターン付き文字(300)であり、この場合も、斜めストライプ状のパターンが付与されたパターン付き文字線によって表記されたパターン付き文字であると評価してよい。
パターン付き文字線のパターンは、斜めストライプ状に限られず、パターン付き文字線によって表記された文字列構成文字が、意図された文字として視認可能である限り、任意のパターンであってよい。例えば、斜めストライプ状の他、縦ストライプ状、横ストライプ状、ドット状、格子状、斜め格子状、波線状、市松模様状、鱗文状、ヘリンボーン状、動物柄状、グレースケール等、又はこれらの組合せ等であってよい。また、例えば、ストライプの間隔、ストライプの線の太さ、斜めストライプの角度、ドットの大きさ、ドットの密度、格子間隔、グレースケールの濃淡等が異なるパターンは、同種のパターンとして設定してもよいし、異種のパターンとして設定してもよい。
本発明では、パターン付き文字線が有するパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定される。すなわち、文字列を構成する文字列構成文字のそれぞれについて、当該文字列構成文字に対して、特定の位置関係を参照位置として定めておき、この参照位置に存在する文字列構成文字の種類によって、当該文字列構成文字を構成するパターン付き文字線のパターンを決定するのである。参照位置については後述する。
本発明の印刷物では、文字列を構成する文字列構成文字のうちの少なくとも一部がパターン付き文字であれば足りるが、文字列を構成する文字列構成文字の全部が、パターン付き文字であってもよい。
(パターンの決定手順の例)
パターン付き文字線のパターンを決定する手順について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2の例では、文字列構成文字はアラビア数字及び空白から成るものとする。参照位置は、文字列構成文字のそれぞれについて、当該文字列構成文字の左隣とし、参照位置は1個とする。
図2(a)は、参照位置に存在する文字列構成文字の種類に応じて、パターン付き文字線のパターンを定めた、パターンテーブルの一例である。例えば、ある特定の文字列構成文字の参照位置(図2の例では左隣)の文字列構成文字が「8」であれば、図2(a)のパターンテーブルにより、斜め格子状のパターンが指定される。したがって、当該特定の文字列構成文字は、斜め格子状のパターンを有するパターン付き文字線で表記されることになる。
図2(b)は、図2(a)のパターンテーブルにしたがって、文字列「123」を印刷した例である。文字列「123」の一番左側の文字列構成文字「1」は、参照位置である左隣に文字は存在しないが、この場合には、左隣に「空白」が存在すると解釈してよい。参照位置に文字列構成文字が存在しない場合の取り扱いはこれに限られず、任意の方式で定めてよい。例えば参照位置に文字列構成文字が存在しないときは、右隣を参照位置としてもよいし、パターンテーブルに、参照位置に文字列構成文字が存在しない場合のパターンを含めてもよい。
文字列「123」のうちの「1」については、参照位置である左隣が「空白」であるとして図2(a)のパターンテーブルを参照すると、全面塗潰しのパターンが記載されている。したがって、文字列構成文字「1」は、全面塗潰しのパターンを有するパターン付き文字線(すなわち実線)で表記される。図2(a)のパターンテーブルによると、同様に、「2」については、左隣が「1」であるから、横ストライプ状のパターン付き文字線が指定され、「3」については、左隣が「2」であるから、斜めストライプ状のパターン付き文字線が指定される。
図2(b)の文字列「123」は、文字列構成文字のそれぞれが、以上の手順によって決定されたパターン付き文字線によって表記されており、実線で表記された「1」と、横ストライプ状のパターン付き文字線で表記された「2」と、斜めストライプ状のパターン付き文字線で表記された「3」とから構成されている。
ここで、図2(b)の文字列「123」を切り貼りによって文字列「312」に改竄した例を、図2(c)に示す。図2(c)の文字列は、目視で見ると「312」であると視認できるが、正規の文字列の作製者は、図2(c)の文字列「312」が改竄品であることを容易に知ることができる。
すなわち、図2(a)のパターンテーブルによると、文字列「312」のうちの「3」の参照位置である左隣は「空白」であるから、実線で表記されるべきである。「1」については、左隣が「3」であるから、縦ストライプ状のパターン付き文字線で表記されるべきである。「2」については、左隣が「1」であるから、図2(b)の場合と同じ横ストライプ状のパターン付き文字線で表記される。したがって、図2(a)のパターンテーブルによると、文字列「312」は、図2(d)のように表記されるべきである。
本来は図2(d)のように表記されるべき文字列「312」が、図2(c)のように表記されていれば、文字列構成文字のうちの「3」及び「1」を表記する文字線のパターンが異なることから、改竄品であると知ることができる。
図2(a)のパターンテーブルでは、参照位置の文字列構成文字が0〜9まで、及び空白の11種類すべてについて相違するパターンを充てているが、複数の文字列構成文字に同じパターンを充ててもよい。ただし、すべての文字に同じパターンを充てることは禁止される。
(参照位置)
パターン付き文字線のパターンを決定するための参照位置は、1個又は2個以上であり、ただし、当該パターン付き文字の位置以外の位置を含む。これは、参照位置が1個であって、かつ、当該パターン付き文字自体の位置を参照位置とすると、当該文字の種類が決まればこれを構成するパターン付き文字線のパターンが一義的に定まることになり、例えば切り貼りによる改竄があったときに、改竄品であることの認知が困難となるからである。
参照位置が2個以上であるときに、そのうちの1つの参照位置を、当該パターン付き文字自体の位置とすることは許容される。パターンの決定に、当該パターン付き文字の位置以外の位置の文字を参照していれば、当該文字列構成文字の種類のみによってパターン付き文字線のパターンが一義的に定まることはないからである。
例えば、参照位置が2個であるとき、当該パターン付き文字の左隣の位置と、右隣の位置とを参照位置とすることができる。或いは、当該パターン付き文字の1つ左隣の位置と、2つ左隣の位置とを参照位置としてもよい。
文字列構成文字が、アラビア数字及び空白から成る11種とし、参照位置が2個である場合、パターン付き文字線のパターンは、最大で11×11=121種とすることができる。しかしながら、これらのうちの複数の組合せに同じパターンを充ててもよい。ただし、すべての組合せに同じパターンを充てることは禁止される。
上記の説明から、当業者は、参照位置が3個以上のときについても同様に理解することができる。
本発明における参照位置は、典型的には、1個又は2個であってよい。
参照位置は、すべての文字列構成文字について同じ基準で決定する必要はなく、文字列中の位置に応じて異なる基準で参照位置を決定してもよい。例えば、文字列の1番左の文字列構成文字は、当該文字列構成文字の右隣を採用して1個の参照位置とし、文字列の左から2番目の文字列構成文字については、当該文字列構成文字の左隣及び右隣を採用して2個の参照位置としてもよい。
(インク)
本発明の印刷物では、文字列構成文字は、印刷インクによって表記されている。なお、本明細書における「インク」とは、液体状のインクの他に、粉体状のトナーも含む概念である。
本発明の印刷物における文字列は、例えば、口座番号、取引金額、シリアルナンバー
等の、当該印刷物のみに付与された識別標識の機能を含む。したがって、文字列構成文字を印刷するための印刷インクは、枚葉紙を1枚1枚印刷する方式に適用可能であり、かつ、目視で視認可能なインクであってよい。このインクとしては、通常の枚葉インクを用いることができる他、枚葉紙への印刷が可能である限り、セキュリティーインクであってもよい。
枚葉インクは、例えば、油性インク、大豆油インク、ベジタブルオイルインク、UVインク、LED−UVインク、インクジェットインク等であってよい。セキュリティーインクは、例えば磁気インク、磁気トナー、カーボン含有インク、蛍光インク等であってよい。
本発明の印刷物は、文字列を構成する文字列構成文字のうちの少なくとも一部が、それぞれ、特定の参照位置の文字列構成文字の種類によって決定された特定のパターン付き文字線で表記されたパターン付き文字である。したがって、このパターン付き文字が、所定のパターン付き文字線で表記されているかどうかを検査することにより、真正品であるか、例えば切り貼り等による改竄品であるかを、知ることができる。
印刷物の文字列が枚葉インクによって印刷されたものである場合、パターン付き文字線の検査は光学的に行われてよい。光学的な検査とは、本発明の印刷物の文字列が印刷された領域に光を照射したときの、透過パターン、又は反射パターンを読み取り、基材の地の部分の透過率又は反射率と、文字列構成文字の文字線の部分の透過率又は反射率と、のコントラストによって、文字種及び文字線のパターンを識別することをいう。
印刷物の文字列が磁気インクによって印刷されたものである場合、パターン付き文字線の検査は、光学的に行うことができる他、磁気的に行ってもよい。磁気的な検査は、例えば、磁気インク文字読取装置によって行うことができる。後述の実施例で検証されたように、磁気インクによって印刷された文字列中の文字列構成文字を、磁気インク文字読取装置を用いて読み込むと、文字列構成文字の種類、及び文字列構成文字を表記する文字線のパターンによって、磁気出力パターンが異なることになる。したがって、文字列中の文字列構成文字について得られた磁気出力パターンが、予め定められたパターンと一致するか否かを調べることにより、当該印刷物の真贋判定を行うことができる。
印刷物の文字列がカーボン含有インクによって印刷されたものである場合、パターン付き文字線の検査は、可視光を用いて光学的に行うことができる他、赤外線光源を有する画像読取装置によっても行うことができる。カーボン含有インクによって印刷された文字列中の文字列構成文字を、赤外線光源を有する画像読取装置を用いて読み込むと、文字列構成文字の種類、及び文字列構成文字を表記する文字線のパターンによって、赤外線画像パターンが異なることになる。したがって、文字列中の文字列構成文字について得られた赤外線画像パターンが、予め定められたパターンと一致するか否かを調べることにより、当該印刷物の真贋判定を行うことができる。
印刷物の文字列が蛍光インクによって印刷されたものである場合、パターン付き文字線の検査は、光学的に行うことができる他、紫外線光源を有する画像読取装置によっても行うことができる。蛍光インクによって印刷された文字列中の文字列構成文字を、紫外線光源を有する画像読取装置を用いて読み込むと、文字列構成文字の種類、及び文字列構成文字を表記する文字線のパターンによって、蛍光画像パターンが異なることになる。したがって、文字列中の文字列構成文字について得られた蛍光画像パターンが、予め定められたパターンと一致するか否かを調べることにより、当該印刷物の真贋判定を行うことができる。
《印刷物の適用》
本発明の印刷物は、上記のとおり、例えば切り貼りによる改竄が困難であり、真正品であるか、改竄品であるかの判定を容易に行うことができる。本発明の印刷物は、更に、パターン付き文字を表記するパターン付き文字線のパターンが、参照位置と、当該参照位置にある文字列構成文字の種類との2段階で決定されるため、パターン解読の可能性が抑制されている。したがって、本発明の印刷物は、有価証券、公営競技の投票券等に好適に適用可能である。有価証券は、例えば、株券発行会社の株券、商品券、貨物引換証、倉荷証券、為替手形、小切手等であってよい。公営競技の投票券は、例えば、勝馬投票券、勝舟投票券、勝車投票券、勝者投票券等であってよい。
《印刷物の製造方法》
本発明の別の観点では、
基材上に、文字列が印刷されている印刷物の製造方法であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記製造方法は、
(1)上記文字列に含まれる2個以上の文字列構成文字を決定すること、
(2)上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部を、パターン付き文字線によって表記することを決定すること、及び
(3)上記基材上に、上記文字列を印刷すること、
を含み、
上記工程(1)において、上記文字列構成文字は空白としてもよく、ただし、上記文字列構成文字のすべてを空白とすることはなく、
上記工程(2)において、上記パターン付き文字線のパターンを、上記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の参照位置を含む、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定することを含む、
製造方法が提供される。
上記の文字列の印刷は、例えば、インクジェットプリンタ、電子写真方式プリンタ等により行われてよい。
《印刷物の真贋判定方法》
本発明の更に別の観点によると、
基材上に、文字列が印刷されている印刷物の真贋判定方法であって、
上記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
上記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、上記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、
上記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、
上記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、
上記パターン付き文字線のパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
上記参照位置は、上記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含み、
上記真贋判定方法は、上記パターン付き文字のそれぞれが、上記参照位置の文字列構成文字によって決定されたパターンを有する、所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを含む、
真贋判定方法が提供される。
上記の、パターン付き文字のそれぞれが、所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かの検出は、光学的若しくは磁気的に行ってよく、又はこれらの双方で行ってよい。パターン付き文字のそれぞれが、所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かの検出を、磁気的に行うことを含む場合、当該パターン付き文字は、磁気インクによって印刷されたものであってよい。
本実施例では、パターン付き文字線によって磁気インクを用いて表記されたアラビア数字が、磁気インク文字読取装置によって識別可能かどうかを調べた。
文字列構成文字として、アラビア数字の「0」、「1」、及び「3」を選択し、それぞれ、縦ストライプ状、横ストライプ状、及び斜めストライプ状のパターンを有するパターン付き文字線によって表記されるように、磁気インクを用いて印刷した。印刷時のフォントは「明朝体」を採用し、文字のサイズ(ポイント数)は14ポイントとした。
文字列構成文字の印刷は、インクジェットプリンタを用いて行った。
印刷された各文字を、英国デ・ラ・ルー公開有限会社製の磁気インク文字読取装置(型式名「MICREX」)を用いて読み、得られた磁気波形パターンを比較した。文字の読み込みに先立って、「E13B」のフォントにより磁気インクで印刷された「ON US」という文字列を上記磁気インク文字読取装置で読み込んで、磁気出力100%の値を校正した。
印刷された各パターン付き文字線による文字、及び磁気インク文字読取装置の磁気出力を、図3〜5に示した。図3が「0」、図4が「1」、及び図5が「3」に関し、各図の(a)が全面塗潰しのパターン(文字線が実線)であり、(b)が縦ストライプ状、(c)が横ストライプ状、及び(d)が斜めストライプ状のパターン付き文字線によった場合である。
磁気出力パターングラフの横軸は、各文字の横方向の位置を示す相対値である。グラフの縦軸は、磁気出力の相対値である。横軸及び縦軸とも数字の値自体に意味はなく、グラフに現れた磁気パターンの形状に注目すべきである。
図3〜図5それぞれの(a)〜(d)図を比較すると、同じ文字(数字)であっても、印刷文字線のパターンが異なると、磁気出力パターン形状が相違することが分かる。また、図3〜図5において、(a)図同士、(b)図同士、(c)図同士、及び(d)図同士をそれぞれ比較すると、文字を表記する文字線のパターンが同じ又は類似する場合であっても、文字種(数字)が異なると、磁気出力パターン形状が相違することが分かる。
これらのことから、本発明の方法を適用して、磁気インクで印刷された文字列を有する印刷物は、市販の磁気インク文字読取装置で得られたパターンによって、文字種及び文字線のパターンを識別可能であることが分かった。したがって、本発明の印刷物を磁気インク文字読取装置で読み込んで、得られた文字線のパターンを、例えば予め設定されたパターンテーブルと比較して、文字列中の特定の文字が所定パターンの文字線で表記されているか否かを調べることにより、当該印刷物の真贋判定を容易かつ確実に行うことが可能である。
1 ステム
2 上部修飾セリフ
3 下部修飾セリフ
10 文字線
20 パターン付き文字線
100 文字
200、300 パターン付き文字

Claims (11)

  1. 基材上に、文字列が印刷されている印刷物であって、
    前記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
    前記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、前記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、
    前記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、
    前記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、
    前記パターン付き文字それぞれの前記パターン付き文字線のパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
    前記参照位置は、前記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含む、
    印刷物。
  2. 前記参照位置が1個である、請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記参照位置が2個である、請求項1に記載の印刷物。
  4. 前記文字列構成文字が数字を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷物。
  5. 前記文字列構成文字がアルファベットを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷物。
  6. 前記文字列構成文字が印刷インクによって表記されており、前記印刷インクが磁気インクである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の印刷物。
  7. 前記印刷物が有価証券である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の印刷物。
  8. 基材上に、文字列が印刷されている印刷物の製造方法であって、
    前記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
    前記製造方法は、
    (1)前記文字列に含まれる2個以上の文字列構成文字を決定すること、
    (2)前記文字列構成文字のうちの少なくとも一部を、パターン付き文字線によって表記することを決定すること、及び
    (3)前記基材上に、前記文字列を印刷すること、
    を含み、
    前記工程(1)において、前記文字列構成文字は空白としてもよく、ただし、前記文字列構成文字のすべてを空白とすることはなく、
    前記工程(2)において、前記パターン付き文字線のパターンを、前記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の参照位置を含む、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定することを含む、
    製造方法。
  9. 基材上に、文字列が印刷されている印刷物の真贋判定方法であって、
    前記文字列は、隣接する2個以上の文字列構成文字から成り、
    前記文字列構成文字は空白であってもよく、ただし、前記文字列構成文字のすべてが空白であることはなく、
    前記文字列構成文字のうちの少なくとも一部はパターン付き文字であり、
    前記パターン付き文字のそれぞれは、パターン付き文字線によって表記されており、
    前記パターン付き文字それぞれの前記パターン付き文字線のパターンは、1個又は2個以上の参照位置の文字列構成文字によって決定されており、
    前記参照位置は、前記文字列における当該パターン付き文字の位置以外の位置を含み、
    前記真贋判定方法は、前記パターン付き文字のうちのそれぞれが、前記参照位置の文字列構成文字によって決定されたパターンを有する、所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを含む、
    真贋判定方法。
  10. 前記パターン付き文字のそれぞれが、前記所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを、光学的に行う、請求項9に記載の真贋判定方法。
  11. 前記パターン付き文字のそれぞれが、前記所定のパターン付き文字線によって表記されているか否かを検出することを、磁気的に行う、請求項9又は10に記載の真贋判定方法。
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