JP2003112487A - 多数の微小記号文字から成る微小記号文字群が印刷された証券印刷物 - Google Patents

多数の微小記号文字から成る微小記号文字群が印刷された証券印刷物

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JP2003112487A
JP2003112487A JP2001308475A JP2001308475A JP2003112487A JP 2003112487 A JP2003112487 A JP 2003112487A JP 2001308475 A JP2001308475 A JP 2001308475A JP 2001308475 A JP2001308475 A JP 2001308475A JP 2003112487 A JP2003112487 A JP 2003112487A
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Minoru Fujita
實 藤田
Riichiro Kusaki
里一郎 草木
Masato Kiuchi
正人 木内
Hiroyuki Oshima
浩行 大島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 版自体を作成して模造することに対する
複製防止或いは偽造防止に優れた証券印刷物を提供する
こと。 【解決手段】 証券に関する必要情報1,5とともに、
多数の微小記号および/または微小文字にて構成される
微小記号文字3から成る微小記号文字群3’が印刷され
た証券印刷物であって、上記微小記号文字群3’を構成
する同一の微小記号または微小文字の書体として、少な
くとも2以上の異なる種類の書体3A〜3Dを含むよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行券、株券、債
権類、旅券、各種証明書等の重要書類(以下、「証券印
刷物」という。)に関し、特には、偽造や改ざん等をし
難くするために微小文字を利用した証券印刷物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータのハードウエアの急
速な進歩とともに該コンピュータ上にて動作する画像処
理プログラムの進歩等によるコンピュータ画像処理技術
の急速な進歩と普及に伴い、証券印刷物の分野において
も、これらコンピュータ画像処理技術を用いた偽造や改
ざん等が実施され、その偽造や改ざん手法も高度化、多
様化しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらコンピュータ画
像処理技術を用いた偽造や改ざん手法としては、従来に
おいては、コピー機等による模造や複製が実施されるこ
とが主になされてきているが、これらコピー機等による
模造や複製を防止する技術が普及してきており、これら
コピー機等による模造や複製が安易に実施できなくなっ
てきているとともに、前記したようにコンピュータ画像
処理技術が向上したことから、近年では、目視等により
版自体を作成して模造することがなされるようになって
きていることから、これら版自体を作成して模造するこ
とに対する複製防止或いは偽造防止に優れた証券印刷物
が切望されていた。
【0004】よって、本発明は上記した問題点に着目し
てなされたもので、版自体を作成して模造することに対
する複製防止或いは偽造防止に優れた証券印刷物を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した問題を解決する
ために、本発明の多数の微小記号文字から成る微小記号
文字群が印刷された証券印刷物は、証券に関する必要情
報とともに、多数の微小記号および/または微小文字に
て構成される微小記号文字から成る微小記号文字群が印
刷された証券印刷物であって、上記微小記号文字群を構
成する同一の微小記号または微小文字の書体として、少
なくとも2以上の異なる種類の書体を含むことを特徴と
している。この特徴によれば、上記微小記号文字群を構
成する同一の微小記号または微小文字の書体として、少
なくとも2以上の異なる種類の書体が使用されること
で、これら書体を各微小記号文字毎に合致させて版を作
成する必要が生じることから、これら版の作成を著しく
困難なものにでき、よって版自体を作成して模造するこ
とに対する複製防止或いは偽造防止に優れた証券印刷物
を得ることができる。
【0006】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記2以上の異
なる種類の書体は、一般的に使用されている公知の書体
と、一般的に使用されていない独自の書体とを含むこと
が好ましい。このようにすれば、独自の書体を用いるこ
とで、より一層、版自体の作成を困難なものにできる。
【0007】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記独自書体が
1種類のみであることが好ましい。このようにすれば、
多数の独自書体を用いずに、公知の書体中に独自書体を
1種類のみとすることで、独自書体が使用されているこ
とに気付かれ難くなり、これら独自書体を確認すること
で、複製や偽造を判別し易いものにできる。
【0008】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記微小記号文
字群が、所定数の微小記号および/または微小文字にて
構成される所定長の繰返し単位にて構成されていること
が好ましい。このようにすれば、繰返し単位中の同様で
あるが書体の異なる記号や文字が隣接するようになり、
これら書体の特定を煩雑なものにでき、より一層、版自
体の作成を困難なものにできる。
【0009】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記微小記号文
群を構成する多数の微小記号文字は、その書体がランダ
ムに選定されていることが好ましい。このようにすれ
ば、書体の配列が無造作となるため、該書体の特定作業
をより困難なものにできることから、より一層、版自体
の作成を困難なものにできる。
【0010】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記微小記号文
字群中には、同一の書体を選定することにより特定の情
報が画成するように、書体を配置して成ることが好まし
い。このようにすれば、前記微小記号文字群中に特定の
情報を秘匿することができるようになる。
【0011】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記特定の情報
を画成する書体が、前記独自書体であることが好まし
い。このようにすれば、公知ではない独自書体により特
定の情報を画成するようにすることで、これら公知では
ない独自書体の選定確率を低くでき、前記特定の情報の
秘匿性を向上できる。
【0012】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記特定の情報
が、該証券に印刷されている前記証券に関する必要情報
に合致した情報であることが好ましい。このようにすれ
ば、前記特定の情報と証券に関する必要情報とを比較す
ることで、該証券の真偽を簡便に確認することができ
る。
【0013】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記特定の情報
を画成する書体が、他の書体の印刷用インキとは異なる
機能性インキにて印刷されていることが好ましい。この
ようにすれば、機能性インキによる機能を用いること
で、特定の情報を迅速かつ正確に認識することができ
る。
【0014】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記機能性イン
キは、特定の波長領域の光を照射すると発光するインキ
であることが好ましい。このようにすれば、特定の波長
領域の光を照射するのみで、特定の情報を認識すること
ができる。
【0015】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記特定の波長
領域の光が紫外線であることが好ましい。このようにす
れば、通常の使用において、紫外線が照射される機会は
非常に希であるため、通常使用において前記特定の情報
が秘匿されていることを偽造者等に知覚されることを極
力防止することができる。
【0016】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記微小記号文
字は、目視による可読が難しいか或いは不可である大き
さであることが好ましい。このようにすれば、微小記号
文字が印刷されていることを、偽造者等に認知されるこ
とを極力防止することができ、偽造防止効果を向上でき
る。
【0017】本発明の多数の微小記号文字から成る微小
記号文字群が印刷された証券印刷物は、前記微小記号文
字群を構成する多数の微小記号文字は、連続的且つ曲線
的に配置することで彩紋模様を構成するように印刷され
て成ることが好ましい。このようにすれば、単純に微小
記号文字が配列されているのに比較して、その版の作成
をより困難なものにでき、偽造防止効果を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る証券印刷物の実施形
態を、実施例に基づいて図面を参照して以下に説明す
る。尚、以下の実施例においては、証券印刷物の一例と
して商品券とした例を示すが、本発明はその他の証券印
刷物に適用可能であることは言うまでもない。
【0019】(実施例1)図1は、本発明の証券印刷物
の実施例1である商品券を示す図である。本実施例1の
商品券A1は、図1に示すように、その表面に証券に関
する必要情報を目視可能に表示する基本文字1、5や、
デザイン文字2、微小文字3、OCR文字4、MICR
文字6、無色蛍光文字7などの文字が印刷されている。
また、デザイン文字2、微小文字3、基本文字5は、多
数の文字が集合して成る文字群で構成される。微小文字
3から成る文字群3’は、所定数の文字列である「日
本」という繰返し単位の文字列が規則的に配置されて成
り、65列×8行、計520の微小文字3を含んでい
る。このように、所定数の文字列である「日本」という
繰返し単位の文字列を規則的に配置して文字群3’を形
成することは、これらの繰返し単位を構成する「日」、
「本」という文字が、後述するように異なる書体にて隣
接して配置されるようになることから、これら書体の特
定を煩雑なものにでき、より一層、偽造或いは複製用の
版作成を困難なものにできることから好ましいが、本発
明はこれに限定されるものではなく、前述のような所定
文字長の繰返し単位の文字列を用いずとも良い。
【0020】また、これら微小文字3の文字の大きさと
しては、肉眼では文字として可読しにくい程度の大きさ
でも、または、文字を極めて小さくして可読できない大
きさにしても良い。具体的には、可読できない大きさと
しては0.4mm以下の文字であればほぼ不可読とな
り、1mm以上であればほぼ全ての人が可読可能となる
ことから、該1mm未満で前記0.4mmよりも大きな
文字が肉眼では文字として可読しにくい程度の大きさと
言える。
【0021】このように、微小文字の大きさを肉眼では
文字として可読しにくい程度の大きさ、或いは可読でき
ない大きさとすることは、微小記号文字が印刷されてい
ることを、偽造者等に認知されることを極力防止するこ
とができ、偽造防止効果を向上できることから好ましい
が、本発明はこれに限定されるものではなく、これら微
小文字の大きさは、適宜に選択すれば良い。
【0022】また、本実施例では、これら微小文字群
3’を、図1に示すように、縦横方向に前記「日本」の
文字を配列させた形状としてしているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、これら微小文字を連続的か
つ曲線的に配置することにより、より複雑な彩紋模様と
して認識できるような構成にしても良い。
【0023】この微小文字群3’の領域1bを矢印に示
すように拡大して観察すると、実際の微小文字の書体、
実施例1では「日」及び「本」の書体は、第1の書体3
A、第2の書体3B、第3の書体3C、第4の書体3
D、第5の書体3Eの5種類の異なる書体が選択され、
配置されている。このうち、書体3A〜3Dは一般的に
使用されている公知の書体、具体的には、明朝体、ゴシ
ック体、行書体、楷書体等であり、一方、書体3Eは一
般的に使用されない独自の書体である。
【0024】このように本実施例は5種類の書体で説明
しているが、書体数の制約はなく、少なくとも2以上の
異なる書体が含まれていれば良い。
【0025】また、本実施例では、前記のように1つの
独自書体を用いているが、これら独自書体を用いること
は、これら独自書体を用いることで、偽造や複製におけ
る版作成をより一層困難なものにでき、高い偽造防止効
果を得られるようになることから好ましいが、本発明は
これに限定されるものではなく、少なくとも2つの異な
る書体から構成すれば、独自書体を用いなくても良い。
【0026】また、本実施例では、図1に示すように、
前記5種類の書体の書体の内、独自書体を1つとしてお
り、このようにすることは、偽造者がこれら独自書体を
使用していることに気付に難くでき、よって、これら独
自書体の有無等を確認することで、証券の真贋を判別し
易くできることから好ましいが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、複数の独自書体を使用するようにし
ても良い。
【0027】次いで、これら本実施例において用いた5
書体の配置に関しては、これら書体3A〜3Eをランダ
ムに配置しており、このようにランダムに書体を配置す
ることは、該書体の特定作業をより困難なものにできる
ことから、より一層、複製や偽造に際しての版自体の作
成を困難なものにでき、高い偽造防止効果を得ることが
できることから好ましいが、本発明はこれに限定される
ものではなく、これら書体の配置にある種の規則性を持
たせるようにしても良い。
【0028】これら実施例1の証券印刷物によると、従
来から微小文字の持つ偽造防止効果を、より一層に強化
できる。なぜならば、偽造者は文字の並びには着目して
も、その文字列の書体変化に気づかず、同一の書体で偽
造した場合、微小文字群3’の所定書体の文字、特には
特殊書体を確認すれば、容易に真偽判別が可能となるか
らである。
【0029】尚、仮にこの書体変化に気づいても、本実
施例の微小文字3は5種類の書体から構成され、また、
65列×8行の配置でありことから文字数は520文字
となる。このため、偽造者は1文字毎に文字を解析しな
がら、正確に複製を行うことが要求されるようになり、
これらの書体の解析に多大な労力を必要とすることか
ら、これら複製を非常に困難なものにできる。
【0030】更に、微小文字数を増やすこと、微小文字
の字高を250μm以下に極めて小さくすること、一般
的に使用されていない書体数の増加などを行うこと、異
なる書体の配置は規則性がないランダム配置とすること
等により、偽造者は、一文字づつ確実にオリジナルの微
小文字を確認する必要があるので、偽造抵抗力(偽造を
しにくくする力のことで、偽造防止効果とも言う。)は
より向上する。
【0031】(実施例2)図2は、本発明の証券印刷物
の実施例2である商品券を説明する図である。図2に示
すように、実施例2の商品券A2は、ほぼ実施例1の商
品券A1と同じである。よって、実施例2の商品券A2
について、実施例1の商品券A1と同じ構成は説明を省
略し、その特徴とする微小文字群の構成のみ説明する。
商品券A2では実施例1同様に、5種類の書体が含まれ
ているが、一般的に使用されていない独自の書体3E
は、矢印で示す拡大図で示すように、商品券A2が秘匿
しようとする特定の情報(本実施例では「1000」)
を画成するように配置されている。一方、一般的に使用
されている書体3A〜3Dは、書体3Eが配列された以
外の位置にランダムに配置されている。
【0032】このように、本実施例2では、前記独自書
体を特定の情報である「1000」を画成するように配
置しており、このようにすることは、公知ではない独自
書体により特定の情報を画成するようにすることで、こ
れら公知ではない独自書体の選定確率を低くでき、前記
特定の情報の秘匿性を向上できることからこのましい
が、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特
定の情報を画成する書体をその他の公知の書体としても
良い。
【0033】従って、商品券A2では、書体3A〜3D
書体の文字を仮に削除(削除した状態を、拡大図の下に
示すように黒く塗りつぶすものとして示す。)すると、
書体3Eから成る「1000」という秘匿された情報3
Fが取り出せる。具体的な真偽判別は、書体3Eの文字
のみを視認して秘匿された情報3Fを読み取って確認す
るか、又は書体3Eの文字のみを機械的にパターン認識
して取り出し全体的に読み取ると、秘匿された情報3F
が読みとれる。
【0034】この情報3Fは、本実施例では、証券に関
する必要情報である商品券A2の基本文字1にて印刷さ
れた額面に相当する「1000」と対応しているため、
真偽判別の有効な手段となり得ることから好ましいが、
本発明はこれに限定されるものではなく、これら隠され
た情報3Fは、証券に関する必要情報以外の情報、例え
ば発行会社のロゴ等の記号としても良く、これら隠され
た情報3Fは適宜に選択すれば良い。また、これら隠さ
れた情報3Fは、文字や数字等に限定されるものではな
く、図形や絵でも良い。
【0035】(実施例3)図3は、本発明の証券印刷物
の実施例3である商品券を説明する図である。図3に示
すように、実施例3の商品券A3は、ほぼ実施例2の商
品券A2と同じである。よって、実施例3の商品券A3
について、実施例2の商品券A2と同じ構成は説明を省
略し、その特徴とする微小文字群の構成のみ説明する。
商品券A3では実施例1並びに実施例2同様に、5種類
の書体が含まれているが、一般的に使用されていない独
自書体3Eは、矢印で示す拡大図で示すように、商品券
A3が秘匿しようとする特定の情報(本実施例3では実
施例2と同様に「1000」)を画成するように配置さ
れているとともに、該独自書体3Eは機能性インキであ
る紫外線の照射により発光(蛍光)する紫外線発光イン
キ(蛍光インキ)にて印刷されている。
【0036】一方、その他の一般的に使用されている書
体3A〜3Dは、書体3Eが配列された以外の位置にラ
ンダムに配置されているとともに、通常のインキにて印
刷されていることにより、該証券に紫外線を照射するこ
とで、前記紫外線発光インキにて印刷されている独自書
体3Eの部分が発光し、書体3Eから成る「1000」
という秘匿された情報3Gが視認できるようになる。
【0037】このように前記秘匿された情報3Gに対応
するように配列された書体3Eを機能性インキである紫
外線照射により発光(蛍光)する紫外線発光インキ(蛍
光インキ)にて印刷することは、秘匿されている特定の
情報を発光により迅速かつ正確に認識することができる
ことから好ましいが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、これら機能性インキとしては、蛍光インキ、燐
光インキ、畜光インキ、フォトクロミックインキ、サー
モクロミックインキ、エレエクトロルミネッセントイン
キ、赤外線透過・吸収インキ、メタメリックインキ、カ
ラーシフトインキ、パールインキ、金属光沢インキ、磁
性インキ、導電インキ、絶縁インキ、バイオコードイン
キ、放射線インキ、撥水撥油インキ、発泡インキ、香料
インキ、インク消し反応インキ等を用いるようにしても
良い。
【0038】また、本実施例3では、発光の光源として
紫外線を用いており、このようにすることは、通常の使
用において、紫外線が照射される機会は非常に希である
ため、通常使用において前記特定の情報が秘匿されてい
ることを偽造者等に知覚されることを極力防止すること
ができることから好ましいが、本発明はこれに限定され
るものではなく、可視光の照射にて燐光や蛍光を発する
蛍光インキ、燐光インキ、畜光インキを使用するように
しても良く、これら使用する光等は適宜に選択すれば良
い。
【0039】以上、本発明のように微小文字に複数の書
体、特には公知ではない特殊書体を使用することで、非
常に高い偽造防止効果を有する証券印刷物を得ることが
できる。
【0040】尚、本発明ではこれら微小文字の書体によ
る真偽判別が可能であることから、従来のバーコードや
2次元バーコードのように、デザイン上の違和感を与え
ず、かつ、単に情報付与のみでの領域を確保することな
く、全く新しい発想で情報及び偽造防止効果の付与が可
能となる。また、微小文字を彩紋として活用すると、デ
ザイン上も制約を受けず、一方では、情報が付与されて
いることも、気づかれないという効果もある。
【0041】以上、本発明を図面により説明してきた
が、本発明はこれら各実施例に限られるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があ
っても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0042】尚、前記実施例では、微小文字を例に説明
しているが、本発明は、文字のみに限定されるものでは
なく、これら文字に代えて、記号等を用いても同様の効
果を得ることが可能なことは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。 (a)請求項1の発明によれば、上記微小記号文字群を
構成する同一の微小記号または微小文字の書体として、
少なくとも2以上の異なる種類の書体が使用されること
で、これら書体を各微小記号文字毎に合致させて版を作
成する必要が生じることから、これら版の作成を著しく
困難なものにでき、よって版自体を作成して模造するこ
とに対する複製防止或いは偽造防止に優れた証券印刷物
を得ることができる。
【0044】(b)請求項2の発明によれば、独自の書
体を用いることで、より一層、版自体の作成を困難なも
のにできる。
【0045】(c)請求項3の発明によれば、多数の独
自書体を用いずに、公知の書体中に独自書体を1種類の
みとすることで、独自書体が使用されていることに気付
かれ難くなり、これら独自書体を確認することで、複製
や偽造を判別し易いものにできる。
【0046】(d)請求項4の発明によれば、繰返し単
位中の同様であるが書体の異なる記号や文字が隣接する
ようになり、これら書体の特定を煩雑なものにでき、よ
り一層、版自体の作成を困難なものにできる。
【0047】(e)請求項5の発明によれば、書体の配
列が無造作となるため、該書体の特定作業をより困難な
ものにできることから、より一層、版自体の作成を困難
なものにできる。
【0048】(f)請求項6の発明によれば、前記微小
記号文字群中に特定の情報を秘匿することができるよう
になる。
【0049】(g)請求項7の発明によれば、公知では
ない独自書体により特定の情報を画成するようにするこ
とで、これら公知ではない独自書体の選定確率を低くで
き、前記特定の情報の秘匿性を向上できる。
【0050】(h)請求項8の発明によれば、前記特定
の情報と証券に関する必要情報とを比較することで、該
証券の真偽を簡便に確認することができる。
【0051】(i)請求項9の発明によれば、機能性イ
ンキによる機能を用いることで、特定の情報を迅速かつ
正確に認識することができる。
【0052】(j)請求項10の発明によれば、特定の
波長領域の光を照射するのみで、特定の情報を認識する
ことができる。
【0053】(k)請求項11の発明によれば、通常の
使用において、紫外線が照射される機会は非常に希であ
るため、通常使用において前記特定の情報が秘匿されて
いることを偽造者等に知覚されることを極力防止するこ
とができる。
【0054】(l)請求項12の発明によれば、微小記
号文字が印刷されていることを、偽造者等に認知される
ことを極力防止することができ、偽造防止効果を向上で
きる。
【0055】(m)請求項13の発明によれば、単純に
微小記号文字が配列されているのに比較して、その版の
作成をより困難なものにでき、偽造防止効果を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における商品券を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施例2における商品券を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例3における商品券を示す図であ
る。
【符号の説明】
1、5 基本文字 2 デザイン文字 3 微小文字 3’ 微小文字群 4 OCR文字 6 MICR文字 7 無色蛍光文字
フロントページの続き (72)発明者 大島 浩行 東京都港区虎ノ門二丁目2番4号 財務省 印刷局内 Fターム(参考) 2C005 HA02 HB02 HB04 HB09 HB10 JA09 JA12 JA17 JB11 JB12 JB13 JB14 JB17 JB22 JB27 LB16 2H113 AA01 AA03 AA06 BB02 BB22 BC09 CA32 CA35 CA39 CA40 CA42 FA43

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 証券に関する必要情報とともに、多数の
    微小記号および/または微小文字にて構成される微小記
    号文字から成る微小記号文字群が印刷された証券印刷物
    であって、上記微小記号文字群を構成する同一の微小記
    号または微小文字の書体として、少なくとも2以上の異
    なる種類の書体を含むことを特徴とする多数の微小記号
    文字から成る微小記号文字群が印刷された証券印刷物。
  2. 【請求項2】 前記2以上の異なる種類の書体は、一般
    的に使用されている公知の書体と、一般的に使用されて
    いない独自の書体とを含む請求項1に記載の多数の微小
    記号文字から成る微小記号文字群が印刷された証券印刷
    物。
  3. 【請求項3】 前記独自書体が1種類のみである請求項
    2に記載の多数の微小記号文字から成る微小記号文字群
    が印刷された証券印刷物。
  4. 【請求項4】 前記微小記号文字群が、所定数の微小記
    号および/または微小文字にて構成される所定長の繰返
    し単位にて構成されている請求項1〜3のいずれかに記
    載の多数の微小記号文字から成る微小記号文字群が印刷
    された証券印刷物。
  5. 【請求項5】 前記微小記号文群を構成する多数の微小
    記号文字は、その書体がランダムに選定されている請求
    項1〜4のいずれかに記載の多数の微小記号文字から成
    る微小記号文字群が印刷された証券印刷物。
  6. 【請求項6】 前記微小記号文字群中には、同一の書体
    を選定することにより特定の情報が画成するように、書
    体を配置して成る請求項1〜5のいずれかに記載の多数
    の微小記号文字から成る微小記号文字群が印刷された証
    券印刷物。
  7. 【請求項7】 前記特定の情報を画成する書体が、前記
    独自書体である請求項6に記載の多数の微小記号文字か
    ら成る微小記号文字群が印刷された証券印刷物。
  8. 【請求項8】 前記特定の情報が、該証券に印刷されて
    いる前記証券に関する必要情報に合致した情報である請
    求項6または7に記載の多数の微小記号文字から成る微
    小記号文字群が印刷された証券印刷物。
  9. 【請求項9】 前記特定の情報を画成する書体が、他の
    書体の印刷用インキとは異なる機能性インキにて印刷さ
    れている請求項6〜8のいずれかに記載の多数の微小記
    号文字から成る微小記号文字群が印刷された証券印刷
    物。
  10. 【請求項10】 前記機能性インキは、特定の波長領域
    の光を照射すると発光するインキである請求項9に記載
    の多数の微小記号文字から成る微小記号文字群が印刷さ
    れた証券印刷物。
  11. 【請求項11】 前記特定の波長領域の光が紫外線であ
    る請求項10に記載の微小記号文字から成る微小記号文
    字群が印刷された証券印刷物。
  12. 【請求項12】 前記微小記号文字は、目視による可読
    が難しいか或いは不可である大きさである請求項1〜1
    1のいずれかに記載の多数の微小記号文字から成る微小
    記号文字群が印刷された証券印刷物。
  13. 【請求項13】 前記微小記号文字群を構成する多数の
    微小記号文字は、連続的且つ曲線的に配置することで彩
    紋模様を構成するように印刷されて成る請求項1〜12
    のいずれかに記載の多数の微小記号文字から成る微小記
    号文字群が印刷された証券印刷物。
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