JP6035945B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
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Description
また、補正量調整手段は、制動中の車輪の減速度が、路面から車輪に作用する垂直方向の荷重が0となった状態を表す予め定めた車輪浮き減速度となった場合には、車輪浮き減速度を車輪の減速度をABS制御補正量として演算する。制動中の車輪が段差を通過し、制動中の車輪が路面から離れて、路面から車輪に作用する荷重が0となった場合には、補正量調整手段は、車輪の減速度をABS制御補正量として演算する。このため、車輪加速度が、補正後の車輪加速度閾値に達することが無いので、制動中の車輪の段差通過に起因するABS制御の実行が確実に防止される。
以下、本発明に係るアンチスキッド制御装置の一実施形態を、図1を参照して説明する。アンチスキッド制御装置Aは、ABS(アンチロックブレーキシステム)機能を有するものである。アンチスキッド制御装置Aは、マスタシリンダ10、リザーバタンク12、負圧式ブースタ13を有している。
次に、上記のように構成したアンチスキッド制御装置Aの作動を、図2に示すフローチャート、図3に示すグラフ、図4に示すマッピングデータを用いて説明する。まず、図3に示すグラフについて説明する。制動中の車両が段差を通過すると路面から段差を通過した車輪に作用する荷重が小さくなり、その車輪と路面との摩擦力が低下して、制動力が付与されている特定の車輪のうち段差を通過した車輪がスリップする。すると、車輪加速度DVWが低下するとともに(図3の(1))、車輪速度VWが低下する(図3の(2))。そして、再び、路面から段差を通過した車輪に作用する荷重が通常状態に戻ると、路面との摩擦力によりその車輪が加速されるとともに(図3の(3))、車輪速度VWが上昇する(図3の(4))。なお、図3に示す車輪加速度DVWが車輪加速度閾値DVsを下回り、且つ、車輪速度VWが車輪速度閾値Vsを下回ると、ABS制御が開始される。
制動中の車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの運動方程式は、下式(1)で表される。
I・dω/dt=μ・W・r−Br…(1)
I:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrのイナーシャ
dω/dt:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの角加速度
μ:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrと路面との摩擦係数
W:路面から車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrに作用する垂直方向の荷重
Br:ブレーキトルク
r:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの半径
DVW=dω/dt・r…(2)
DVW:車輪加速度
dω/dt:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの角加速度
r:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの半径
DVW=(μ・W・r−Br)・r/I…(3)
μ:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrと路面との摩擦係数
W:路面から車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrに作用する垂直方向の荷重
Br:ブレーキトルク
r:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの半径
I:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrのイナーシャ
DVW1=−Br・r/I…(4)
DVW1:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrが路面から離れた状態の車輪加速度(車輪浮き減速度)
Br:ブレーキトルク
r:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの半径
I:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrのイナーシャ
DVW2=(μ1・W・r−Br)・r/I…(5)
DVW2:低μ路で制動中の車輪加速度(低μ路制動中減速度)
μ1:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrと低μ路との摩擦係数
W:路面から車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrに作用する垂直方向の荷重
Br:ブレーキトルク
r:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの半径
I:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrのイナーシャ
なお、μ1は、路面と車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrとのあり得る最低の摩擦係数である。本実施形態では、μ1は0.1と設定されている。
DVs’=DVs+K_Gain・(−Br)・r/I…(6)
DVs’:補正後車輪加速度閾値
DVs:補正前車輪加速度閾値
K_Gain:ゲイン
Br:ブレーキトルク
r:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrの半径
I:車輪Wfl、Wrr、Wrl、Wfrのイナーシャ
なお、K_Gain・(−Br)・r/Iが、「ABS制御補正量」である。
S23が終了すると、プログラムは、S31に進む。
上述した説明から明らかなように、ECU40(開始閾値補正手段)が、図2のS23において、車輪加速度閾値DVsをABS制御の開始が困難となる方向に「ABS制御補正量」であるK_Gain・(−Br)・r/I分だけ補正する。そして、ECU40(補正量調整手段)は、図2のS22において、車輪加速度DVWを図4に示すマッピングデータに参照させることにより、車輪Wfl〜Wfrの減速度(マイナスの車輪加速度DVW)が大きくなるに従って、上述した「ABS制御補正量」の元となるゲインK_Gainを大きく演算する。これにより、車輪Wfl〜Wfrの減速度が大きくなる程、「ABS制御補正量」が大きくなり、ABS制御が開始され難くなる。このため、制動中の車輪Wfl〜Wfrが段差を通過し、路面から車輪Wfl〜Wfrに作用する荷重が小さくなり、制動力が付与されている車輪Wfl〜Wfrがスリップして、車輪Wfl〜Wfrの減速度が大きくなった場合に(図3の(1))、車輪加速度閾値DVsが、車輪加速度DVWの低下に追従してABS制御の開始が困難となる方向に補正されるので(図3の(5)示)、段差通過に起因するABS制御の実行が抑制される。
なお、上述した実施形態においては、「ブレーキトルク」の演算に、マスタ圧を採用したが、ブレーキペダル11のストローク量を採用するようにしてもよい。この場合、ブレーキペダル11のストロークを検出するストロークセンサを設け、その検出信号をECU40に送信するようにすればよい。そして、検出信号に基づいてストローク量を演算するようにすればよい。また、上述した辞し形態においては、ゲインを算出するマップには、一次関数を用いたが、二次関数その他の関数を用いても差し支え無い。
40…ECU(開始閾値設定手段、ABS制御開始判断手段、開始閾値補正手段、補正量調整手段)
41、42、43、44…車輪速度センサ(車輪速検出手段)、45…前後加速度センサ(車両加速度検出手段)、A…アンチスキッド制御装置、B…液圧制御装置(液圧調整手段)、Wfl、Wfr、Wrl、Wrr…車輪、La、Lb…第1および第2配管系、P…圧力センサ(ブレーキトルク検出手段)、WC1、WC2、WC3、WC4…ホイールシリンダ
Claims (5)
- 車輪の速度を検出する車輪速検出手段と、前記車輪を制動するブレーキ装置のホイールシリンダ圧を調整する液圧調整手段と、車両の制動時に車輪速検出手段で検出された車輪速に基づいて前記液圧調整手段を制御して前記ホイールシリンダ圧の減圧および増圧をこの順番で繰り返し実行してABS制御を実行するABS制御実行手段とを備えたアンチスキッド制御装置であって、
前記車両の加速度を検出する車両加速度検出手段と、
前記車両加速度検出手段が検出した前記車両の加速度に基づいて、車輪加速度閾値を設定する開始閾値設定手段と、
前記車輪速検出手段が検出した車輪速に基づいて前記車輪の加速度を演算し、当該車輪の加速度と前記車輪加速度閾値に基づいて、前記ABS制御実行手段に前記ABS制御を開始させるか否かを判断するABS制御開始判断手段と、
前記開始閾値設定手段が設定する前記車輪加速度閾値を、前記ABS制御の開始が困難となる方向にABS制御補正量分だけ補正する開始閾値補正手段と、
前記演算された前記車輪の加速度の負の絶対値である車輪減速度が大きくなるに従って、前記開始閾値補正手段が補正する前記ABS制御補正量を大きくする補正量調整手段と、を有し、
前記補正量調整手段は、制動中の前記車輪の減速度が、路面から前記車輪に作用する垂直方向の荷重が0となった状態を表す予め定めた車輪浮き減速度となった場合には、前記車輪浮き減速度を前記ABS制御補正量として演算するアンチスキッド制御装置。 - 請求項1において、
前記補正量調整手段は、制動中の前記車輪の減速度が、予め定めた低μ路制動中減速度以下の場合には、前記ABS制御補正量を0とするアンチスキッド制御装置。 - 車輪の速度を検出する車輪速検出手段と、前記車輪を制動するブレーキ装置のホイールシリンダ圧を調整する液圧調整手段と、車両の制動時に車輪速検出手段で検出された車輪速に基づいて前記液圧調整手段を制御して前記ホイールシリンダ圧の減圧および増圧をこの順番で繰り返し実行してABS制御を実行するABS制御実行手段とを備えたアンチスキッド制御装置であって、
前記車両の加速度を検出する車両加速度検出手段と、
前記車両加速度検出手段が検出した前記車両の加速度に基づいて、車輪加速度閾値を設定する開始閾値設定手段と、
前記車輪速検出手段が検出した車輪速に基づいて前記車輪の加速度を演算し、当該車輪の加速度と前記車輪加速度閾値に基づいて、前記ABS制御実行手段に前記ABS制御を開始させるか否かを判断するABS制御開始判断手段と、
前記開始閾値設定手段が設定する前記車輪加速度閾値を、前記ABS制御の開始が困難となる方向にABS制御補正量分だけ補正する開始閾値補正手段と、
前記演算された前記車輪の加速度の負の絶対値である車輪減速度が大きくなるに従って、前記開始閾値補正手段が補正する前記ABS制御補正量を大きくする補正量調整手段と、を有し、
前記補正量調整手段は、制動中の前記車輪の減速度が、予め定めた低μ路制動中減速度以下の場合には、前記ABS制御補正量を0とするアンチスキッド制御装置。 - 請求項2において、
前記補正量調整手段は、制動中の前記車輪の減速度が、前記車輪浮き減速度より小さく、且つ、前記低μ路制動中減速度より大きい場合には、前記ABS制御補正量を前記車輪浮き減速度と0との間の値とするアンチスキッド制御装置。 - 車輪の速度を検出する車輪速検出手段と、前記車輪を制動するブレーキ装置のホイールシリンダ圧を調整する液圧調整手段と、車両の制動時に車輪速検出手段で検出された車輪速に基づいて前記液圧調整手段を制御して前記ホイールシリンダ圧の減圧および増圧をこの順番で繰り返し実行してABS制御を実行するABS制御実行手段とを備えたアンチスキッド制御装置であって、
前記車両の加速度を検出する車両加速度検出手段と、
前記車両加速度検出手段が検出した前記車両の加速度に基づいて、車輪加速度閾値を設定する開始閾値設定手段と、
前記車輪速検出手段が検出した車輪速に基づいて前記車輪の加速度を演算し、当該車輪の加速度と前記車輪加速度閾値に基づいて、前記ABS制御実行手段に前記ABS制御を開始させるか否かを判断するABS制御開始判断手段と、
前記開始閾値設定手段が設定する前記車輪加速度閾値を、前記ABS制御の開始が困難となる方向にABS制御補正量分だけ補正する開始閾値補正手段と、
前記演算された前記車輪の加速度の負の絶対値である車輪減速度が大きくなるに従って、前記開始閾値補正手段が補正する前記ABS制御補正量を大きくする補正量調整手段と、
前記車両の速度を検出する車両速度検出手段と、を有し、
前記開始閾値設定手段は、前記車両速度検出手段が検出した前記車両の速度に基づいて、前記車輪の速度の閾値である車輪速度閾値を設定し、
前記ABS制御開始判断手段は、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記車輪速度閾値を下回り、且つ、前記車輪の加速度が前記車輪加速度閾値を下回った場合に、前記ABS制御を開始させるアンチスキッド制御装置。
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