JP6035361B2 - Ace阻害剤の製造方法、及び、そのace阻害剤を含む含有物の製造方法 - Google Patents
Ace阻害剤の製造方法、及び、そのace阻害剤を含む含有物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6035361B2 JP6035361B2 JP2015032504A JP2015032504A JP6035361B2 JP 6035361 B2 JP6035361 B2 JP 6035361B2 JP 2015032504 A JP2015032504 A JP 2015032504A JP 2015032504 A JP2015032504 A JP 2015032504A JP 6035361 B2 JP6035361 B2 JP 6035361B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ace
- pressure
- ace inhibitor
- producing
- pressure treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
ACE阻害剤の製造工程について説明する。本工程では、まず、酒粕及び焼酎粕の少なくも一方に等量から10倍量の水を加え、それをフィルムなどに封入し、適当な加圧装置による加圧処理を行うことで、ACEに対して阻害活性を有する有効成分の抽出と殺菌をする。そして、加圧処理後の懸濁液から遠心分離や濾過といった公知の方法で清澄液を抽出し、酒粕水抽出物(この酒粕水抽出物がACE阻害剤に相当する)とする。また、必要に応じて酒粕水抽出物を公知の方法で濃縮や粉末化することができる。ちなみに、上述の工程では、酒粕及び焼酎粕の少なくも一方に水を加えた混合物に対して加圧処理を行うようにしているが、酒粕と焼酎粕を適宜配合されたものに水を加えた混合物に対して加圧処理を行うようにしてもよい。また、酒粕や焼酎粕には、熟成させた踏み込み粕や、粉末化したものを用いることも可能である。
(実施例1)
酒粕500gに対して純水を1000mL加えてフィルムに入れ、シーラーで密閉した。フィルムを高圧装置SHP100−50A((株)シナダ)に入れ、60℃、100MPa、18時間の加圧処理を行った。加圧処理液をマイクロ冷却遠心機((株)久保田製作所)を用いて5,000g、5分間の遠心分離をして酒粕水抽出物を得た。酒粕水抽出物はさらに凍結乾燥機((株)宝製作所)を用いて凍結乾燥し、酒粕水抽出物粉末を115g得た。この時、酒粕からの収率は23%であった。
酒粕500gに対して純水を700mL加えて、懸濁した。懸濁液を実施例1と同様の条件で、遠心分離、凍結乾燥を行い、酒粕水抽出物粉末を5g得た。この時、酒粕からの収率は1%であった。
酒粕500gに対して純水を700mL加えてフィルムに入れ、シーラーで密閉した。フィルムを高圧装置に入れ、50℃、100MPa、8時間40分の加圧処理を行った。加圧処理液を実施例1と同様の条件で遠心分離、凍結乾燥し、酒粕水抽出物粉末を45g得た。この時、酒粕からの収率は9%であった。
酒粕500gに対して純水を700mL加えてフィルムに入れ、シーラーで密閉した。フィルムを高圧装置に入れ、50℃、100MPa、12時間の加圧処理を行った。加圧処理液を実施例1と同様の条件で遠心分離、凍結乾燥し、酒粕水抽出物粉末を69g得た。この時、酒粕からの収率は14%であった。
ACE阻害活性の測定には、ACE KIT ― WST(DOJINDO)を用いた。実施例1で作製した酒粕水抽出物粉末を5mg/mL、1mg/mL、200μg/mL、40μg/mL、8μg/mL、1.6μg/mL、0.32μg/mLに調製した。各濃度の酒粕水抽出物粉末をキットの各溶液と混和し、450nmの吸収波長の差をポジティブコントロール及びネガティブコントロールと比較した。吸収波長の測定には、MTP―310 Lab吸光マイクロプレートリーダ(コロナ電気(株))を用いた。阻害率は(ポジティブコントロール‐サンプルの吸光度)/(ポジティブコントロール‐ネガティブコントロール)×100で算出した。また、各濃度の阻害率から阻害曲線を作製し、その近似式から算出した阻害率が50%となる酒粕水抽出物濃度を求めた。反応時のサンプルの終濃度は、調整時のサンプル濃度の1/3であるので、阻害曲線から求めた濃度の1/3をIC50とした。
清酒粕を凍結乾燥し、粉末化することで得た清酒粕末を用いた実験により、酒粕水抽出物を作製する際の加圧処理における最適な条件を検討したので、以下、これらの各条件の検討について説明する。
(実施例2)
清酒粕末200gに純水1000mLを加えてフィルムに入れ、シーラーで密閉した。フィルムを高圧装置に入れ、圧力条件を100MPaとし且つ時間条件を4時間として圧力条件と時間条件を一定条件とした上で、温度条件(処理温度)を30〜70℃に変化させて加圧処理を行った。加圧処理液を実施例1と同様の条件で遠心分離、凍結乾燥し、酒粕水抽出物粉末を作製した。各処理温度で得られた酒粕水抽出物粉末はACE KIT ― WSTを用いて、250μg/mLでの阻害率を測定した。
(実施例3)
清酒粕末200gに純水1000mLを加えてフィルムに入れ、シーラーで密閉した。フィルムを高圧装置に入れ、温度条件を60℃とし且つ時間条件を4時間として温度条件と時間条件を一定条件とした上で、圧力条件(処理圧力)を常圧〜100MPaに変化させて加圧処理を行った。加圧処理液を実施例1と同様の条件で遠心分離、凍結乾燥し、酒粕水抽出物粉末を作製した。各処理圧力で得られた酒粕水抽出物粉末はACE KIT ― WSTを用いて、250μg/mLでの阻害率を測定した。
(実施例4)
清酒粕末200gに純水1000mLを加えてフィルムに入れ、シーラーで密閉した。
フィルムを高圧装置に入れ、温度条件を60℃とし且つ圧力条件を100MPaとして温度条件と圧力条件を一定条件とした上で、時間条件(処理時間)を0.5〜16時間に変化させて加圧処理を行った。加圧処理液を実施例1と同様の条件で遠心分離、凍結乾燥し、酒粕水抽出物粉末を作製した。各圧力で得られた酒粕水抽出物粉末はACE KIT ― WSTを用いて、250μg/mLでの阻害率を測定した。
比較例1に用いた清酒粕末の250μg/mLにおけるACE阻害率をACE KIT ― WSTを用いて求めた。このときの阻害率は42%であった。
生菌数検査には、比較例3で作製した酒粕水抽出物粉末を用いた。一般細菌数検査については、滅菌水で希釈した粉末溶液1mLを3MペトリフィルムACプレート(住友スリーエム(株))に塗布し、プレートを35℃にセットしたインキュベーターで48時間培養後、コロニー数を計測することにより行った。大腸菌数検査については、滅菌水で希釈した粉末溶液1mLを3MペトリフィルムRCCプレート(住友スリーエム(株))に塗布し、プレートを35℃にセットしたインキュベーターで24時間培養後、コロニー数を計測することにより行った。カビ・酵母数検査については、滅菌水で希釈した粉末溶液1mLを3MペトリフィルムYMプレート(住友スリーエム(株))に塗布し、プレートを25℃にセットしたインキュベーターで5日間培養後、コロニー数を計測することにより行った。
Claims (6)
- 酒粕及び焼酎粕の少なくとも一方に水を加えた混合物を、10〜500MPaの圧力条件及び30〜70℃の温度条件にて酵素を作用させずに加圧処理を行うことで得られるACEに対して阻害活性を有するACE阻害剤の製造方法。
- 前記加圧処理における温度条件を、50〜70℃としている請求項1に記載のACE阻害剤の製造方法。
- 前記加圧処理に要する時間条件を、1〜48時間としている請求項1又は2に記載のACE阻害剤の製造方法。
- 前記加圧処理に要する時間条件を、2〜16時間としている請求項3に記載のACE阻害剤の製造方法。
- 前記加圧処理における圧力条件を、25Mpa以上としている請求項1〜4の何れか1項に記載のACE阻害剤の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のACE阻害剤の製造方法にて製造されるACE阻害剤を含む含有物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015032504A JP6035361B2 (ja) | 2014-05-27 | 2015-02-23 | Ace阻害剤の製造方法、及び、そのace阻害剤を含む含有物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014108652 | 2014-05-27 | ||
JP2014108652 | 2014-05-27 | ||
JP2015032504A JP6035361B2 (ja) | 2014-05-27 | 2015-02-23 | Ace阻害剤の製造方法、及び、そのace阻害剤を含む含有物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016006028A JP2016006028A (ja) | 2016-01-14 |
JP6035361B2 true JP6035361B2 (ja) | 2016-11-30 |
Family
ID=55224734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015032504A Expired - Fee Related JP6035361B2 (ja) | 2014-05-27 | 2015-02-23 | Ace阻害剤の製造方法、及び、そのace阻害剤を含む含有物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6035361B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03123470A (ja) * | 1989-10-05 | 1991-05-27 | Taiyo Fishery Co Ltd | オキアミ中のアンジオテンシン変換酵素阻害活性の増強法 |
JP2002247955A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-03 | Takashi Okazaki | アンギオテンシン変換酵素阻害活性の高い分解物及びその製造方法並びに機能性食品 |
JP4459540B2 (ja) * | 2003-03-03 | 2010-04-28 | 月桂冠株式会社 | 機能性健康飲食品 |
US8323512B2 (en) * | 2004-02-13 | 2012-12-04 | Osaka Prefecture University Public Corporation | Method of and apparatus for producing sub-critical water decomposition products |
JP4880276B2 (ja) * | 2005-10-06 | 2012-02-22 | 白鶴酒造株式会社 | エストロゲン依存性細胞増殖促進剤、及び表皮角化細胞増殖促進剤 |
JP2008247888A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-10-16 | Gekkeikan Sake Co Ltd | 米麹を用いた降圧組成物 |
JP5015668B2 (ja) * | 2007-06-14 | 2012-08-29 | 月桂冠株式会社 | アンギオテンシン変換酵素阻害ペプチド混合物及びその製造方法 |
-
2015
- 2015-02-23 JP JP2015032504A patent/JP6035361B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016006028A (ja) | 2016-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mirzaei et al. | Bioactive peptides from yeast: A comparative review on production methods, bioactivity, structure-function relationship, and stability | |
Singh et al. | Growth and bioactive peptides production potential of Lactobacillus plantarum strain C2 in soy milk: A LC-MS/MS based revelation for peptides biofunctionality | |
JP5887630B2 (ja) | ジペプチジルペプチダーゼ−iv阻害剤の製造方法 | |
Pan et al. | Optimization of sour milk fermentation for the production of ACE-inhibitory peptides and purification of a novel peptide from whey protein hydrolysate | |
JP5763203B2 (ja) | トウモロコシ降圧活性ペプチドを調製するための工業的方法 | |
Nandan et al. | Therapeutic and biotechnological applications of substrate specific microbial aminopeptidases | |
CN112813126B (zh) | 一种火麻仁粕蛋白多肽液的生产方法和一种具有降尿酸作用的多肽液及其应用 | |
Feng et al. | A novel antidiabetic food produced via solid-state fermentation of Tartary buckwheat by L. plantarum TK9 and L. paracasei TK1501 | |
JP5940872B2 (ja) | 抗糖尿病組成物及び飲食品 | |
Khakhariya et al. | A comparative study of fermented buffalo and camel milk with anti-inflammatory, ACE-inhibitory and anti-diabetic properties and release of bio active peptides with molecular interactions: In vitro, in silico and molecular study | |
Shi et al. | Effects of fermentation conditions on the potential anti‐hypertensive peptides released from yogurt fermented by Lactobacillus helveticus and Flavourzyme® | |
CN102286591A (zh) | 一种酵母来源活性多肽的制备方法 | |
CN114680337A (zh) | 瑞士乳杆菌在制备降血压发酵产品中的应用 | |
JP6035361B2 (ja) | Ace阻害剤の製造方法、及び、そのace阻害剤を含む含有物の製造方法 | |
JP6301522B1 (ja) | 血圧上昇抑制組成物およびその製造方法 | |
US20240008518A1 (en) | Food composition for enhancing immune function including fermented noni polysaccharide extract and method of preparing the same | |
CN106473023A (zh) | 一种具有降压抗凝血功能的海参卵发酵产物的制备方法 | |
CN108402415A (zh) | 鲍鱼加工副产品中分离制备的肽抗氧化、抗高血压作用及应用 | |
JP2000106826A (ja) | クロレラペプチド含有組成物 | |
JP5940871B2 (ja) | 大豆米糠発酵組成物及びその製造方法、並びに、抗高血圧組成物及び飲食品 | |
JPH03123469A (ja) | オキアミ中のアンジオテンシン変換酵素阻害活性の増強法 | |
KR101743750B1 (ko) | 홍해삼 복합발효 추출물을 포함하는 주름개선활성 증진용 조성물의 제조방법 및 이에 의해 제조한 조성물 | |
Yousefi et al. | Production of bioactive peptides in milk using two native strains of Levilactobacillus brevis | |
JP2005008541A (ja) | コラゲナーゼ阻害剤およびこれを含有する食品 | |
JP6691889B2 (ja) | 焼酎蒸溜残液由来の新規テトラペプチド化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151027 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160727 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161019 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161031 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6035361 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |