JP6034957B2 - 冷却構造体 - Google Patents
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Description
その結果、互いに対向するように配置される第1ヒートシンク及び第2ヒートシンクと冷却風との熱交換が高効率で行われ、第1電力変換装置及び第2電力変換装置の冷却効率を向上させることができる。
また、筒状体である冷却風ダクトと、高さ方向に延在する支持部と、の間にできる幅方向の隙間において、締結部を第2電力変換装置と適切にボルト締結(結合)できる。なお、前記したボルト締結とは、互いに対応するボルト及びナットを用いた締結を意味している。
まず、本実施形態に係る冷却構造体Aに先立って、PDU10及びDC−DCコンバータ20について、図1〜図4を参照しつつ説明する。なお、PDU10及びDC−DCコンバータ20は、バッテリ(図示せず)の充放電や走行モータ(図示せず)の力行/回生駆動を制御するPCU(Power Control Unit)に含まれ、例えば、車両のリヤシート(図示せず)の下に搭載される。
図1に示すPDU10(第1電力変換装置)は、バッテリ及び走行モータと電気的に接続され、バッテリからの直流電力を所定の交流電力に変換するインバータとして機能する。
PDU10(図4参照)は、スイッチング素子や抵抗等の電子回路(発熱体:図示せず)を有する本体部11と、この本体部11と熱交換可能に配設されたヒートシンク12(第1ヒートシンク)と、本体部11を収容する収容部13と、を有している。
ヒートシンク12は、互いに平行に配置される複数の放熱フィンを有し、本体部11と熱交換可能に配設されている。放熱フィンは側面視で矩形状を呈する金属板(例えば、アルミニウム)であり、左右方向で隣り合う他の放熱フィンと所定間隔を空けて互いに平行に配置されている。
一方、収容部13の底壁131の下面には、下方に向けて突出する4つのボルトb4が溶着されている。これらのボルトb4は、PDU10を冷却風ダクト30及びフレーム部材40と締結するために予め溶着されている。
図4に示すDC−DCコンバータ20(第2電力変換装置)は、ECU(Electric Control Unit:図示せず)からの制御指令に応じて電圧を昇降圧する装置であり、バッテリ(図示せず)や各種電装部品(図示せず)と電気的に接続される。DC−DCコンバータ20は、スイッチング素子や抵抗等の電子回路(発熱体:図示せず)を有する本体部21と、この本体部21と熱交換可能に配設されたヒートシンク22(第2ヒートシンク:図4参照)と、を有している。
ヒートシンク22は、互いに平行に配置される複数の放熱フィンを有し、本体部21と熱交換可能に配設されている。放熱フィンは側面視で矩形状を呈する金属板(例えば、アルミニウム)であり、左右方向で隣り合う他の放熱フィンと所定間隔を空けて互いに平行に配置されている。
冷却構造体Aは、PDU10及びDC−DCコンバータ20を冷却風との熱交換によって冷却する機能を有している。冷却構造体Aは、冷却風を通流させるための冷却風ダクト30と、PDU10とDC−DCコンバータ20とを結合するフレーム部材40と、を備えている。
図4に示すように、冷却風ダクト30は、冷却風を通流させるためのダクト本体31と、冷却風ダクト30をPDU10及びDC−DCコンバータ20に密着させるためのシール部材32p,32qと、一対のフランジ33a,33bと、を有している。
ダクト本体31は、樹脂製の筒状体であり、その内部に冷却風を通流させる流路を有している。ダクト本体31には、PDU10のヒートシンク12が挿入される第1孔K1と、このヒートシンク12と対向するようにDC−DCコンバータ20のヒートシンク22が挿入される第2孔K2と、が形成されている。
図2に示すように、導入部35は開口35tが下方に臨むように形成され、導出部36は開口36tが前方に臨むように形成されている。それぞれの開口35t,36tには、他の機器又は配管と結合された状態で冷却風の漏れを防止するためのシール部材32r、32sが設置されている。
シール部材32pは、内縁及び外縁が平面視で略矩形である環状の弾性部材(例えば、樹脂製)である。シール部材32pは、第1孔K1の矩形状の縁を囲むようにダクト本体31の上面に接着されている。PDU10を冷却風ダクト30に組み付けて上下方向で押圧すると、シール部材32p(第1孔K1の周囲)が圧縮されて収容部13の下面に密着する。
シール部材32qは、内縁及び外縁が平面視で略矩形である環状の弾性部材(例えば、樹脂製)である。シール部材32qは、第2孔K2の矩形状の縁を囲むようにダクト本体31の下面に接着されている。DC−DCコンバータ20を、フレーム部材40を介し冷却風ダクト30に組み付けて上下方向で押圧すると、シール部材32q(第2孔K2の周囲)が圧縮されてフレーム部材40に密着する。
図4に示すフレーム部材40は、PDU10及びDC−DCコンバータ20に結合される板状部材であり、例えば、一枚の板金を折曲加工・穿設加工等することで形成される。これによって、PDU10、冷却風ダクト30、フレーム部材40、及びDC−DCコンバータ20の結合強度を充分に確保できる。
フレーム部材40は、PDU10とDC−DCコンバータ20とを高さ方向において離間した状態で保持する一対の保持部42a,42bと、これらの保持部42a,42bを連結する一対の連結部41と、を有している。
支持部421aは、冷却風の通流方向(前後方向)に沿って延び、PDU10とDC−DCコンバータ20とを離間させるように高さ方向に延在している。
フランジ422aは、冷却風ダクト30のフランジ33aと共にPDU10に結合される部分であり、支持部421aの上端から右側(幅方向外側)に延びている。フランジ422aには、収容部13の下面から突出するボルトb4を挿通するための挿通孔h4が2つ形成されている。
締結部423aは、自身にDC−DCコンバータ20及び冷却風ダクト30が組み付けられた状態で、幅方向において冷却風ダクト30の側壁34(図3参照)と支持部421aとの間でDC−DCコンバータ20にボルト締結される。なお、前記した「ボルト締結」とは、互いに対応するボルトb2及びナットm2を用いた締結を意味している。
したがって、一枚の板金を折曲加工・穿設加工等することでフレーム部材40を形成することができ、フレーム部材40を製造する際の手間を省くと共に冷却構造体Aの部品点数を最小限に抑えることができる。
次に、図3〜図6を参照しつつ、冷却構造体Aの組付手順について説明する。
図4に示すように、本体部11のフランジ11a,11bに形成された4つの孔h1に、収容部13の底壁131から上方に向けて突出するボルトb1を挿通させ、ナットm1で締結する。なお、ボルトb1は収容部13の底壁131に予め溶着されているため、ボルト(図示せず)を別体として用意しナットm1で締結する場合と比較して、締結作業を簡単化できる。
このようにしてPDU10の本体部11と収容部13とを締結すると、収容部13の孔H1を介してヒートシンク12が露出した状態になる。
なお、ボルトb2とナットm2との締結については、後記するボルトb4とナットm4との締結と併せて、一括して行うことが好ましい。
また、図4、図5(b)に示すように、収容部13に溶着されたボルトb4を、左側のフランジ33bの挿通孔h3、及びフランジ422bの挿通孔h4に挿通し、下方からナットm4で締結する。
さらに、図4に示すように、締結部423a,423bに溶着されたボルトb2をDC−DCコンバータ20のフランジ21aの挿通孔h2に挿通し、下方からナットm2で締結する。
図2の矢印で示すように、開口35tを介して送り込まれた冷却風は、筒状の導入部35内を通流し、冷却風ダクト30の側壁34(図3参照)、PDU10、及びDC−DCコンバータ20によって形成される流路に流入する。当該流路を通流する際、冷却風はヒートシンク12,22から吸熱する。換言すると、PDU10はヒートシンク12を介して冷却風に放熱することで冷却され、DC−DCコンバータ20はヒートシンク22を介して冷却風に放熱することで冷却される。
本実施形態に係る冷却構造体Aによれば、第1孔K1を囲むように設置されるシール部材32pがPDU10に密着し、第2孔K2を囲むように設置されるシール部材32qがフレーム部材40に密着する。したがって、PDU10と冷却風ダクト30との間、又は、冷却風ダクト30とフレーム部材40との間に隙間が生じることがなく、冷却風が外部に漏れることを確実に防止できる。その結果、PDU10及びDC−DCコンバータ20を高効率で冷却でき、そのぶん冷却風を送る冷却ファン(図示せず)を小型化できる。
つまり、本実施形態によれば、冷却風の流路を形成する役割を冷却風ダクト30に担わせ、結合強度を確保する役割をフレーム部材40に担わせることによって、充分な結合強度を確保しつつ冷却効率を向上させることができる。
以上、本発明に係る冷却構造体Aについて前記実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記実施形態では、一枚の板金を折曲加工、穿設加工等することでフレーム部材40を形成する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、フレーム部材40のうち一対の連結部41を省略し、フレーム部材を2つの部品(つまり、保持部42a,42b)に分けてもよい。この場合でも、それぞれのフレーム部材を用いてPDU10、冷却風ダクト30、及びDC−DCコンバータ20を締結することで結合強度を確保できる。
また、前記実施形態では、PDU10が収容部13を有し、この収容部13にボルトb1,b4が予め溶着されている場合について説明したが、これに限らない。すなわち、収容部13を省略し、フランジ11a,11bが左右方向に延びる長さを前記実施形態よりも長くし、このフランジ11a,11bにボルトb1,b4を溶着してもよい。
また、前記実施形態では、冷却構造体Aの組付方向においてボルトb2,b4が重ならず、下方から視てボルトb2,b4が露出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、冷却構造体の組付作業を一括して行った後、上方及び下方の両側からボルトを締結する構成としてもよい。
また、前記実施形態では、冷却構造体Aをハイブリッド車に搭載する場合について説明したが、これに限らない。例えば、冷却構造体Aを電気自動車や燃料電池車等、他の種類の自動車に搭載してもよい。また、冷却構造体Aを二輪車、船舶、航空機等の移動体に搭載してもよいし、定置式のシステムに搭載してもよい。
10 PDU(第1電力変換装置)
11 本体部
12 ヒートシンク(第1ヒートシンク)
13 収容部
20 DC−DCコンバータ(第2電力変換装置)
21 本体部
22 ヒートシンク(第2ヒートシンク)
30 冷却風ダクト
31 ダクト本体
32p,32q シール部材
40 フレーム部材
41 連結部
42a,42b 保持部
421a,421b 支持部
422a,422b フランジ
423a,423b 締結部
K1 第1孔
K2 第2孔
H4 挿入孔
Claims (4)
- 第1ヒートシンクを有する第1電力変換装置と、第2ヒートシンクを有する第2電力変換装置と、を冷却風との熱交換によって冷却する冷却構造体であって、
前記第1ヒートシンクが挿入される第1孔と、前記第1ヒートシンクと対向するように前記第2ヒートシンクが挿入される第2孔と、が形成された樹脂製の筒状体である冷却風ダクトと、
前記第1電力変換装置と前記第2電力変換装置とを鉛直方向において離間した状態で保持する一対の保持部を有すると共に、前記第1電力変換装置及び前記第2電力変換装置に結合されるフレーム部材と、を備える
ことを特徴とする冷却構造体。 - 一対の前記保持部はそれぞれ、
前記第1電力変換装置と前記第2電力変換装置とを離間させるように、高さ方向に延在する支持部と、
前記支持部の一端から幅方向内側に延びると共に、幅方向において前記支持部と前記冷却風ダクトとの間で前記第2電力変換装置にボルト締結される締結部と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却構造体。 - 前記フレーム部材は、
前記第2ヒートシンクが挿入される挿入孔を形成するように、それぞれの前記締結部と一体形成される連結部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の冷却構造体。 - 前記第1電力変換装置と前記フレーム部材とを締結するボルトの挿通位置と、前記第2電力変換装置と前記フレーム部材とを締結するボルトの挿通位置と、が前記第1電力変換装置及び前記第2電力変換装置の組付方向において重ならない
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却構造体。
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