JP6033139B2 - 杭とフーチングとの接合構造 - Google Patents

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本発明は、杭とフーチングとの接合構造に係り、大きな曲げモーメントが加わった際に杭体およびフーチングが損傷することを防止する技術に関する。
従来、杭を用いた基礎として、基礎梁に基礎梁よりも大きな断面を有するフーチングを設け、杭頭をフーチングに埋め込むとともに杭頭の外周面に溶接した補強筋(アンカー筋)をフーチングに定着させることによって接合するRC接合構造が知られている。このRC接合構造によれば、杭頭の埋め込み部、すなわち杭頭の側面に接する部分でせん断力および曲げモーメントの一部を負担できるため、杭頭に溶接する補強筋の本数を少なくすることができる。
近年では、杭頭の周囲に配置される杭よりも大径の外鋼管と外鋼管の下端に杭頭との間隙を閉塞するように設けたダイアフラムとからなる拡径部材を杭頭の外周面に接合し、外鋼管と杭頭との間隙に充填材を充填するとともに外鋼管の外周面に補強筋を接合して補強筋が基礎構造体の内部に埋設されるようにした接合構造(特許文献1参照)なども提案されている。
特開2006−104886号公報
しかしながら、特許文献1の接合構造では、外鋼管による拡径部によって基礎構造体の底位置を深くすることなく曲げモーメントに対する耐力を大きくすることができるが、鋼材使用量が増えるため、コストの上昇は避けられない。
一方、従来のRC接合構造では、外鋼管を用いる特許文献1に比べれば鋼材使用量が少なく済む。ただし、設計応力が大きくなると、杭頭に接合する補強筋の必要本数が増大し、補強筋は平面視で杭頭に沿う円形に配置されるため、基礎梁の主筋が補強筋に干渉し易くなり、設計上および施工上ともに配筋が困難になる。そのため、設計応力が大きな杭へ従来のRC接合構造をそのまま適用することはできない。ここで、杭頭の埋め込み部における応力負担を大きくすることが考えられるが、この場合、杭頭をフーチング内により深く埋め込ませる(杭頭をより深く包み込むようにフーチングを構築する)必要があるため、基礎構造体の底位置が低くなる。そのため、掘削土量が増大するとともに、山留めなどの仮設工事が必要となり、施工コストの上昇を招いてしまう。
また、杭頭の埋め込み部をフーチングの一部(下部)として設計するため、大きな曲げモーメントが加わった際の損傷部位が明確でない。そのうえ、曲げ降伏ヒンジの位置がフーチングの下端となるように設計するため、杭体そのものが損傷を受けることになる。そのため、損傷後には杭体が軸力を支える機能を失いかねず、主体構造の健全性を担保できない。ここで、杭体を損傷させないように設計することも考えられるが、そのような設計とした場合にも、フーチングや基礎梁が損傷を受けることになるため、主体構造の健全性は担保できない。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、RC造のフーチングを用いることでコストの上昇を抑制しつつ、大きな曲げモーメントが加わった際に杭体およびフーチングの損傷を防止できる杭とフーチングとの接合構造を提供することをその主な目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一側面によれば、杭(1)とフーチング(3)との接合構造であって、前記フーチングは、鉛直方向に延在するように側面(3s)に沿って配置された複数の鉛直筋(11)と、水平面上の互いに直交する2方向に延在するように下面(3l)に沿って配置された複数の水平筋(12)とを少なくとも有するRC造であり、前記杭は、上端面(1u)が前記フーチングの前記下面(3l)以下の高さになるように配置され、前記杭の頭部(1a)には、前記フーチングに接合するRC造の杭頭補強部(7)が一体形成され、前記杭頭補強部における前記杭の上端面と前記フーチングの下面との間の部分に対応する断面の曲げ耐力が前記フーチングの曲げ耐力および前記杭の曲げ耐力よりも低く設定された構成とする。
この構成によれば、曲げ降伏ヒンジの位置が、杭頭補強部における杭の上端面とフーチングの下面との間の部分になるため、大きな曲げモーメントが加わった場合にも杭体およびフーチングが損傷を受けることを防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記杭頭補強部(7)が平面視で前記フーチング(3)よりも小さな形状とされた構成とすることができる。
この構成によれば、平面視での杭頭補強部の大きさを小さくできるため、コンクリート量を低減できる他、掘削土量を低減するとともに、山留めなどの仮設備を軽微なものにすることができ、施工コストを低減できる。また、フーチングと杭頭補強部との接合面に段差を形成することにより、フーチングの損傷を確実に防止することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記杭頭補強部(7)は、平面上で互いに直交する2方向に延在する複数のせん断補強筋(14)を少なくとも有し、前記せん断補強筋(14)は、前記杭頭補強部の下半(7L)に配置される前記せん断補強筋の全断面積(Σa)が、前記杭頭補強部の上半(7U)に配置される前記せん断補強筋の全断面積(Σa’)に比べて大きくなるように配置された構成とすることができる。
曲げモーメントが加わった際には、曲げ降伏ヒンジを形成するべく杭頭補強部にはせん断力が作用するため、このせん断力に耐えるためのせん断補強筋が必要になる。そして、フーチングの下面と杭の上端面との間に曲げ降伏ヒンジを形成するためには、せん断補強筋を曲げ降伏ヒンジからより離れた位置に設けると有効であることを本発明者らは見出した。そこで、上記のような構成にすることにより、より少ないせん断補強筋により杭頭補強部を効果的に補強することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記せん断補強筋(14)は、前記杭の軸線を通る縦断面において、前記杭頭補強部の下半の内半(7LI)に配置される前記せん断補強筋の全断面積(Σa)が、前記杭頭補強部の下半の外半(7LO)に配置される前記せん断補強筋の全断面積(Σa)以上となるように配置された構成とすることができる。
本発明者らはまた、曲げモーメントが加わった際の杭頭補強部の下半のせん断耐力を高めるためには、下半に設けられるせん断補強筋を杭により近い位置に設けると有効であることを見出した。そこで、上記のような構成にすることにより、より少ないせん断補強筋により杭頭補強部を効果的に補強することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記杭頭補強部(7)は、平面視で前記複数の鉛直筋の内側に矩形に配置され、鉛直に延在して前記フーチングに定着する複数の軸補強筋(13)を更に有する構成とすることができる。
鉛直に延在する軸補強筋が平面視で円形に配置されると、フーチング内に配置される基礎梁の主筋に干渉しがちであるが、この構成によれば、軸補強筋が平面視で矩形に配置されることにより、基礎梁の主筋に干渉することがない。したがって、軸補強筋を容易に配置できる。
また、本発明の一側面によれば、前記杭の頭部(1a)には、外周縁に沿って配置され、鉛直に延在して前記フーチングに定着する複数の杭頭補強筋(15)が接合された構成とすることができる。
この構成によれば、杭に生じる引き抜き力を杭頭補強筋により杭に伝達することができる。したがって、杭に引き抜き力が生じる建物外周の外柱を支持する基礎への当該接合構造の適用も可能にできる。
このように、本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつ、大きな曲げモーメントが加わった際に杭体およびフーチングが損傷を受けることを防止できる杭とフーチングとの接合構造を提供することができる。
第1実施形態に係る基礎構造体の平面図である。 図1に示す基礎構造体の側面図である。 図1に示す基礎構造体を下方から見た斜視図である。 図1中のIV−IV線に沿って示す配筋図である。 図4中のV−V線に沿って示す配筋図である。 図4中のVI−VI線に沿って示す配筋図である。 図6中のVII−VII線に沿って示す配筋図である。 図6中のVIII−VIII線に沿って示す配筋図である。 図6に示すせん断補強筋の例を示す詳細図である。 変形例に係る基礎構造体の図6に対応する配筋図である。 図10のXI−XI線に沿って示す配筋図である。 図10のXII−XII線に沿って示す配筋図である。 図10に示すせん断補強筋の例を示す詳細図である。 第1実施形態に係る接合構造の作用説明図である。 第2実施形態に係る基礎構造体の平面図である。 図15に示す基礎構造体の側面図である。 図15中のXVII−XVII線に沿って示す配筋図である。 図17中のXVIII−XVIII線に沿って示す配筋図である。 変形例に係る杭頭補強筋の配筋図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る杭1とフーチング3との接合構造の実施形態について説明する。なお、図4〜図6、図7、図8、図10〜図12、図17、図18では、図面が煩雑になるのを避けるために、適宜ハッチングを省略して示している。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図14を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。なお、方向を示す場合には図中に示した東西南北および上下の方向を基準とする。
<構成>
図1〜図3に示すように、本発明に係る接合構造は、地盤G中に構築(埋設)された杭1に対し、図示しない建物などの上部構造体を支持するための基礎構造体2を接合したものである。杭1として、ここでは、円形断面の鋼管の中空部に高強度コンクリートを遠心締め固めによって筒状に形成したSC杭(鋼管付き既製コンクリート杭)を用いることとして説明するが、既製コンクリート杭、鋼管杭など、他の種類の杭1を用いることもできる。
基礎構造体2は、直方体形状を呈する鉄筋コンクリート造のフーチング3と、フーチング3よりも小さな断面に形成され、東西方向および南北方向に直交配置されて隣接配置されたフーチング3同士を連結する基礎梁4とを有している。ここではフーチング3は、平面視で正方形とされている。フーチング3の上面3uには、上部構造体の下端部をなす柱5(図2)が接合される。また、基礎梁4の上部には、最下階スラブ6(図2)が一体に構築される。ここでは、最下階スラブ6の下面が地面GSとなるものとする。
杭1は、その上端面1uがフーチング3の下面3l以下の高さとなるように地盤G中に鉛直に構築されており、杭1とフーチング3とを接合するために、本発明では、杭1の頭部(以下、杭頭1aと称する。)を包み込むように杭1に一体形成された鉄筋コンクリート造の杭頭補強部7がフーチング3に接合するように設けられている。なお、杭1の上端面1uは、フーチング3の下面3l以下の高さとなればよいが、杭1の施工精度を考慮して、例えばフーチング3の下面3lよりも50mm低い位置や、100mm低い位置などに設定するとよい。
杭頭補強部7は、平面視でフーチング3よりも小さく形成されており、ここでは平面視正方形とされている。
杭頭補強部7およびフーチング3は、杭1の構築後、図2の二点鎖線で示すように地盤Gを掘削した後に、図示しない捨てコンクリート上にまず杭頭補強部7の鉄筋組立およびコンクリート打設を行い、杭頭補強部7の上面7uまで埋め戻した後に、基礎梁4と併せてフーチング3の鉄筋組立およびコンクリート打設を行って構築される。
なお、杭頭補強部7をプレキャスト化してもよい。この場合、予め工場などでプレキャストコンクリート製の杭頭補強部7を製作しておき、地盤Gに構築された杭1の杭頭1aに一体に取り付ける。具体的には、杭頭補強部7に杭頭1aよりも若干大きな径の貫通孔を形成しておき、この貫通孔に杭頭1aが挿入されるように杭頭補強部7を設置し、杭頭1aと杭頭補強部7との隙間に無収縮モルタルやグラウトなどの充填材を充填して杭頭補強部7を杭頭1aに一体化させる。
フーチング3のコンクリートの打設は、一般に基礎梁4および最下階スラブ6のコンクリート打設と同時に行われるが、基礎梁4の下面の高さまでフーチング3下部のコンクリートを打設した後に、フーチング3上部と基礎梁4などのコンクリートを打設してもよい。このとき、基礎梁4の梁主筋は、図示は省略するが杭1の上方を東西南北に横断するように配置される。
図4〜図6に示すように、フーチング3内には、鉛直方向に延在するように側面3sに沿って平面視で矩形に配置された複数の鉛直筋11と、水平面上の互いに直交する2方向(南北方向および東西方向)に延在するように上面3uおよび下面3lに沿って配置された複数の水平筋12とが配置されている。なお、図5やこれに対応する第2実施形態の図18では、破線で示す水平筋12について杭頭補強部7に重なる部分を省略して図示しているが、全ての水平筋12はフーチング3の1つの側面3s近傍から対向する側面3s近傍まで連続して延在している。
一方、杭頭補強部7内には、平面視でフーチング3の鉛直筋11よりも内側の位置に側面7sに沿って矩形に配置され、鉛直に延在してフーチング3に定着する複数の軸補強筋13(13,13)と、水平面上の互いに直交する2方向(南北方向および東西方向)に延在する複数のせん断補強筋14(14,14)とが配置されている。
せん断補強筋14は、杭頭補強部7の各側面7sに沿って軸補強筋13を取り囲む環状(正方形)に形成され、上下方向に複数段に配置された外側せん断補強筋14と、外側せん断補強筋14および軸補強筋13よりも内側の位置に杭頭1aを取り囲むように、且つ杭頭補強部7の1つの側面7s近傍から対向する側面7s近傍まで連続して延在するように配置された複数の内側せん断補強筋14とを含んでいる。
軸補強筋13は、ここでは1つの側面7sにつき4隅を含めて5本ずつの合計16本配置されている。平面視で杭頭補強部7の四隅および杭1と東西方向および南北方向に重なる位置(各側面7sの中央)に配置された軸補強筋13は、図7に示すように、下端に180度のフックが形成された鉄筋により構成される。一方、それ以外の位置に配置された軸補強筋13は、図8に示すように、上側が開くコ字状形状を呈し、杭頭補強部7の下面7lに沿うように設けられた内側せん断補強筋14を兼ねる鉄筋により構成される。
ここで、杭頭補強部7のコンクリート強度や、杭1の径、軸補強筋13の径や位置、本数などは、次のように設定されている。すなわち、杭頭補強部7における杭1の上端面1uとフーチング3の下面3lとの間の部分(図7に破線で示す部分。以下、この部分を基礎連結部7aと称し、それ以外の部分を杭頭補強本体部7bと称する。)の曲げ耐力とその周囲の杭頭補強本体部7bの曲げ耐力との合算値が、フーチング3の曲げ耐力よりも低く且つ杭1の曲げ耐力よりも低くなるように設定されている。これにより、地震時の上部構造体の横荷重がフーチング3を介して杭1に伝達することなどによって発生する曲げモーメントが次第に大きくなった場合、杭1における杭頭補強部7の下端部分が曲げ降伏ヒンジとなって杭1自体が損傷する前に、基礎連結部7aおよびその周囲の杭頭補強本体部7bが破損することになる。
杭頭補強部7の側面7sに沿って環状に形成される外側せん断補強筋14は、図9(A)に示すように、2辺を構成し、両端にフックを備えた2本の鉄筋14aを組み合わせて矩形に形成してもよく、図9(B)に示すように、対向する2辺の中間位置で重なり合うコ字状の2本の鉄筋14bを例えばフレアグルーブ溶接により接続して矩形に形成してもよい。この外側せん断補強筋14は、本実施形態では図7および図8に示すように、杭頭補強部7の下半7Lに2段および上半7Uに2段の合計4段に配置されている。
ここでは、上半7Uに配置された2段の外側せん断補強筋14は同一径とされ、杭頭補強部7の下半7Lに配置された2段の外側せん断補強筋14および内側せん断補強筋14は、上半7Uに配置された2段の外側せん断補強筋14よりも大きな同一径とされている。
<変形例>
図8に示した内側せん断補強筋14は、或いは図10に示すように構成してもよい。すなわち、杭1の近傍を通過するように配置された対抗する2本の内側せん断補強筋14の両端部を、側面7sに沿う外側せん断補強筋14と平面視で重なる連結鉄筋14cにより連結して環状(矩形)となるように構成してもよい。なお、この場合、連結鉄筋14cは、外側せん断補強筋14とは異なり、杭頭補強部7の両端まで延びていないため、杭頭補強部7の設計においてはせん断補強筋14として扱わないものとする。
このように内側せん断補強筋14を構成すると、組立が容易で且つ無駄な鉄筋量を抑制し得る態様で、複数のせん断補強筋14を上下方向の所望の位置に配置することができる。本変形例では、図11および図12に示すように、内側せん断補強筋14を杭頭補強部7の下半7Lに上下2段に配置する形態としている。
また、このように内側せん断補強筋14を上下複数段に配置する場合には、図13(A)に示すように、1本の内側せん断補強筋14と1本の連結鉄筋14cを含む鉄筋14dの両端にフックを形成し、この鉄筋14dを2本組み合わせて環状に形成してもよく、図13(B)に示すように、環状にはせずに、4本の内側せん断補強筋14のそれぞれについて、両端にフックを形成するようにしてもよい。
<作用・効果>
次に、本実施形態に係る基礎構造体2の作用・効果について説明すると、まず、上記したように、杭頭接合部の抵抗要素として、杭頭補強部7(杭頭補強本体部7bおよび基礎連結部7a)が設けられ、基礎連結部7aおよびその周囲の杭頭補強本体部7bの曲げ耐力がフーチング3の曲げ耐力および杭1の曲げ耐力よりも低くなるように軸補強筋13が設けられていることにより、大きな曲げモーメントが加わった際には基礎連結部7aおよびその周囲の杭頭補強本体部7bが破損し、フーチング3以浅の構造体や杭1を損傷させないようになっている。
ここで、大きな曲げモーメントが加わったときに、杭頭補強部7における杭頭1a周りを損傷させずに基礎連結部7aを破損させるためには、杭頭補強部7のせん断耐力を確保する必要があり、互いに直交する2方向に沿って水平に配置されるせん断補強筋14には、その位置によって有効性が異なることを本発明者らは見出した。
具体的には、杭頭補強部7をその高さHの半分H/2の位置で上下に割り、上半7Uと下半7Lとしたときに、下半7Lに配置されるせん断補強筋14の方が、上半7Uに配置されるせん断補強筋14に比べて、曲げモーメント作用時の杭頭補強部7の補強により有効であることを見出した。
そこで本実施形態では、図14に示すように、杭頭補強部7をその高さHの半分H/2の位置で上下に分け、上半7Uと下半7Lとしたときに、下半7Lに配置されるせん断補強筋14の全断面積が上半7Uに配置されるせん断補強筋14の全断面積よりも大きくなるように、せん断補強筋14を配置する。例えば、杭頭補強部7の下半7Lに配置される各せん断補強筋14の断面積をaとし、上半7Uに配置される各せん断補強筋14の断面積をa’とすると、Σa>Σa’の関係となる。
ここで、下半7Lに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σaを上半7Uに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σa’に比べて大きくするには、上半7Uと同じ本数で下半7Lに配置される各せん断補強筋14の径を大きくしてもよく、同じ径のせん断補強筋14の配置本数を上半7Uよりも下半7Lで多くなるようにしてもよい。あるいは、上記例のように、上半7Uに配置されるものよりも大径のせん断補強筋14を上半7Uの本数よりも多く下半7Lに配置してもよい。
また、本発明者らは、曲げモーメントが加わった際の杭頭補強部7の下半7Lのせん断耐力を高めるためには、下半7Lに設けられるせん断補強筋14を杭1により近い位置に設けると有効であることを見出した。
そこで本実施形態では、図14に示すように、杭1の軸線を通る縦断面において、杭頭補強部7の下半7Lを、杭1に近い側の半分と杭1から離間する側の半分とに分け、すなわち、杭頭補強部7の幅寸法をD、杭1の径をDpとしたときに、杭1の外周面から(D−Dp)/4の位置で内外に分け、内半7LIと外半7LOとしたときに、下半7Lの内半7LIに配置されるせん断補強筋14の全断面積が、下半7Lの外半7LOに配置されるせん断補強筋14の全断面積以上なるように、せん断補強筋14を配置する。例えば、杭頭補強部7の下半7Lの外半7LOに配置される各せん断補強筋14の断面積をaとし、内半7LIに配置される各せん断補強筋14の断面積をaとすると、Σa≧Σaの関係となる。なお、Σa=Σa+Σaである。
ここで、内半7LIに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σaを外半7LOに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σa以上にするためには、上記例のように、外半7LOと同じ本数で内半7LIに配置される各せん断補強筋14の径を外半7LOのせん断補強筋14の径と同一以上にしてもよく、同じ径のせん断補強筋14を、外半7LOのせん断補強筋14の本数以上に内半7LIに配置してもよい。あるいは、外半7LOに配置されるものよりも大径のせん断補強筋14を外半7LOの本数よりも多く内半7LIに配置してもよい。
本発明者らが行った実験データによれば、曲げモーメント作用時のせん断補強筋14による杭頭補強部7の補強有効率をKとし、内半7LIに配置されるせん断補強筋14の補強有効率K=1.0とすると、外半7LOに配置されるせん断補強筋14の補強有効率K=0.6程度であった。
このように、杭頭補強部7の下半7Lに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σaが、杭頭補強部7の上半7Uに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σa’に比べて大きくなるように、せん断補強筋14が配置されることにより、より少ないせん断補強筋14により杭頭補強部7を効果的に補強することができる。
また、杭1の軸線を通る縦断面において、杭頭補強部7の下半7Lの内半7LIに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σaが、外半7LOに配置されるせん断補強筋14の全断面積Σa以上となるように、せん断補強筋14が配置されることにより、さらに少ないせん断補強筋14により杭頭補強部7を効果的に補強することができる。
本実施形態では、杭頭補強部7が平面視でフーチング3よりも小さな矩形を呈している。これにより、杭頭補強部7のコンクリート量を低減できる他、掘削土量を低減するとともに、山留めなどの仮設備を軽微なものにすることができ、施工コストが低減される。また、フーチング3と杭頭補強部7との接合面に段差が形成されることにより、フーチング3の損傷が確実に防止される。
また本実施形態では、フーチング3に定着する軸補強筋13が平面視で複数の鉛直筋11の内側に矩形に配置されている。軸補強筋13が平面視で円形に配置されると、フーチング3内に配置される基礎梁4の主筋に干渉しがちであるが、本実施形態のように平面視で矩形に配置されることにより、基礎梁4の主筋に干渉することがなくなり、軸補強筋13を容易に配置することが可能になる。
≪第2実施形態≫
次に、図15〜図19を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と対応する部材や部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図15および図16に示すように、本実施形態では、建物外周の外柱を支持する基礎に本発明の接合構造が用いられている。すなわち、フーチング3には、2つの側面3sまたは3つの側面3sのみに基礎梁4が接合している。
図17および図18に示すように、杭1には、上端面1uよりも上方へ突出して鉛直に延在し、フーチング3に定着する複数の杭頭補強筋15が接合されている。杭頭補強筋15は、杭1の外周縁に沿って一定間隔に配置され、杭1の外周面に接合されている。
建物外周の外柱を支持する基礎には、地震時に杭1に引き抜き力が生じ得るが、このようにフーチング3に定着する杭頭補強筋15が杭1に接合されることにより、杭1に生じる引き抜き力を杭頭補強筋15により杭1に伝達することができる。
<変形例>
図17および図18に示した杭頭補強筋15は、或いは図19に示すように構成してもよい。すなわち、パイルスタッド(登録商標)などの植込ボルトにより杭頭補強筋15を構成し、杭頭補強筋15を杭1の上端面1uに杭1の外周縁に沿って一定間隔に接合してもよい。このような構成としても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各部材の具体的形状や配置などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、フーチング3に基礎梁4が接合するように構成しているが、フーチング3に基礎梁4が接合しない形態としてもよい。また、上記実施形態では、杭頭補強部7がフーチング3に定着する軸補強筋13を有しているが、軸補強筋13がフーチング3に定着しない形態、すなわち軸補強筋13の上端が杭頭補強部7の上面7uよりも低い高さとされた形態や、杭頭補強部7が軸補強筋13を含まない形態とすることも可能である。また、上記実施形態では、杭頭補強部7が平面視でフーチング3よりも小さな矩形とされているが、杭頭補強部7を矩形以外の形状にしたり、フーチング3と同一の大きさにしたりすることも可能である。また、上記実施形態では、杭1の上端面1uがフーチング3の下面3lよりも低く設定されているため、基礎連結部7aがこれらの差分の高さを有する3次元構成となっているが、杭1の上端面1uがフーチング3の下面3lと同じ高さ位置になってもよく、この場合には、基礎連結部7aは2次元構成(杭1とフーチング3との接合面)となる。さらに、上記実施形態では、杭頭補強部7とフーチング3とが、軸補強筋13によって互いに接合するだけでなく、コンクリートの打ち継ぎ面を介しても互いに接合しているが、軸力に耐え得る圧縮強度を有するアラミドシートやカーボンシートなどを、例えば剥離剤を塗布して杭頭補強部7の上面7uに設置し、杭頭補強部7のコンクリートとフーチング3のコンクリートとの付着を部分的または全体的に抑制することにより、杭1の上端面1uとフーチング3の下面3lとの間の部分の曲げ耐力を積極的に低くしてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、形状など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した本発明に係る杭1とフーチング3との接合構造の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択してもよい。
1 杭
1a 杭頭
1u 上端面
2 基礎構造体
3 フーチング
3l 下面
3s 側面
7 杭頭補強部
7U 上半
7L 下半
7LI 内半
7LO 外半
7a 基礎連結部
11 鉛直筋
12 水平筋
13 軸補強筋
14 せん断補強筋
14 外側せん断補強筋
14 内側せん断補強筋
15 杭頭補強筋
Σa 下半に配置されるせん断補強筋の全断面積
Σa’ 上半に配置されるせん断補強筋の全断面積
Σa1 外半に配置されるせん断補強筋の全断面積
Σa2 内半に配置されるせん断補強筋の全断面積

Claims (6)

  1. 杭とフーチングとの接合構造であって、
    前記フーチングは、鉛直方向に延在するように側面に沿って配置された複数の鉛直筋と、水平面上の互いに直交する2方向に延在するように下面に沿って配置された複数の水平筋とを少なくとも有するRC造であり、
    前記杭は、上端面が前記フーチングの前記下面以下の高さになるように配置され、
    前記杭の頭部には、前記フーチングに接合するRC造の杭頭補強部が一体形成され、
    前記杭頭補強部における前記杭の上端面と前記フーチングの下面との間の部分に対応する断面の曲げ耐力が前記フーチングの曲げ耐力および前記杭の曲げ耐力よりも低く設定されていることを特徴とする杭とフーチングとの接合構造。
  2. 前記杭頭補強部が平面視で前記フーチングよりも小さな形状とされたことを特徴とする、請求項1に記載の杭とフーチングとの接合構造。
  3. 前記杭頭補強部は、水平面上で互いに直交する2方向に延在するように配置された複数のせん断補強筋を少なくとも有し、
    前記せん断補強筋は、前記杭頭補強部の下半に配置される前記せん断補強筋の全断面積が、前記杭頭補強部の上半に配置される前記せん断補強筋の全断面積に比べて大きくなるように配置されたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の杭とフーチングとの接合構造。
  4. 前記せん断補強筋は、前記杭の軸線を通る縦断面において、前記杭頭補強部の下半の内半に配置される前記せん断補強筋の全断面積が、前記杭頭補強部の下半の外半に配置される前記せん断補強筋の全断面積以上となるように配置されたことを特徴とする、請求項3に記載の杭とフーチングとの接合構造。
  5. 前記杭頭補強部は、平面視で前記複数の鉛直筋の内側に矩形に配置され、鉛直に延在して前記フーチングに定着する複数の軸補強筋を更に有することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の杭とフーチングとの接合構造。
  6. 前記杭の頭部には、外周縁に沿って配置され、鉛直に延在して前記フーチングに定着する複数の杭頭補強筋が接合されたことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の杭とフーチングとの接合構造。
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