JP6032924B2 - エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、エンコーダに関する。
特許文献1は、スケール格子からの透過光を固定部のインデックス格子を通して受光する光学式エンコーダにおいて、スケール格子の開口幅を2/3ピッチにすることによって変調信号波形の高調波歪(第3高調波成分)を除去する方法を提案している。
特開平9−196705号公報
しかしながら、特許文献1は、スケール格子からインデックス格子に至る伝搬において回折の影響が大きくなる条件下では高調波低減の効果が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、安定して高調波歪を抑え、位置を高精度に検出することが可能なエンコーダを提供することを例示的な目的とする。
本発明のエンコーダは、光源と、受光素子と、前記光源からの光を反射または透過することによって前記受光素子に導くパターンを含む複数の単位ブロックパターンを含み、前記光源および前記受光素子に対して相対移動可能に設けられたスケールと、を備えるエンコーダであって、前記複数の単位ブロックパターンは、測位方向に沿って、ピッチPの周期で配置されており、前記単位ブロックパターンの前記パターンは、前記測位方向に垂直な対称線に関して対称な形状であり、各単位ブロックパターンは前記測位方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域を含み、各分割領域において前記パターンの面積を前記分割領域の面積で割った値である前記パターンの面積比は、隣接する2つの分割領域の間で異なり、各分割領域において、前記パターンは、前記測位方向に延びる2つの平行な直線と前記測位方向に垂直な方向に延びる2つの平行な直線によって規定される矩形形状を有し、前記複数の分割領域のうち、少なくとも2つの分割領域によってそれぞれ形成される前記受光素子上の干渉像に含まれる特定次数の高調波成分の位相が反転していることを特徴とする。
本発明によれば、安定して高調波歪を抑え、位置を高精度に検出することが可能なエンコーダを提供することができる。
エンコーダのブロック図である。(実施例1、2、3) トラックの部分拡大平面図である。(実施例1) 受光素子アレイの受光面の平面図である。(実施例1) 数式7、8、9を説明するための図である。(実施例1) 図2に示す構成において光学ギャップと3倍波成分の振幅との関係を示すグラフである。(実施例1) 図2(b)に示すD1のスリットとD2のスリットをX方向に分散させ、交互に並べた場合の回折積分計算の結果を示すグラフである。 トラックの部分拡大平面図である。(実施例2) 数式22〜26を説明するための図である。(実施例2) 図7に示す構成において光学ギャップと3倍波成分の振幅との関係を示すグラフである。(実施例2) 図7(b)の変形例の拡大平面図である。(実施例2) 図10に示す構成において基本波振幅と3倍波成分、5倍波成分、7倍波成分の絶対値振幅の比較を示すグラフである。(実施例2) トラックの部分拡大平面図である。(実施例3) 図12の部分拡大平面図である。(実施例3) 図12の部分拡大平面図である。(実施例3) 図12の部分拡大平面図である。(実施例3) 数式36〜39を説明するための図である。(実施例3) 図13Bに示す構成において光学ギャップと高調波成分の振幅との関係を示すグラフである。(実施例3) 数式48〜56を説明するための図である。(実施例3) 図13Cに示す構成において光学ギャップと高調波成分の振幅との関係を示すグラフである。(実施例3) 基本波振幅と高調波の絶対値振幅の比較を示すグラフである。 図13Aの領域を検出するときの受光素子アレイの受光面の配置を示す平面図である。 図13Bの領域を検出するときの受光素子アレイの受光面の配置を示す平面図である。 図13Cの領域を検出するときの受光素子アレイの受光面の配置を示す平面図である。 位相信号とスケール位置との関係を示す図である。 エンコーダのブロック図である。(実施例4) 図21に示す構成において光学ギャップと高調波成分の振幅との関係を示すグラフである。(実施例4) トラックの部分拡大平面図である。(実施例5) 図23の部分拡大平面図である。(実施例5) 図23の部分拡大平面図である。(実施例5) 図23の部分拡大平面図である。(実施例5) 図23の部分拡大平面図である。(実施例6) エンコーダのブロック図である。(実施例7) センサユニットのブロック図である。(実施例7) トラックの部分拡大平面図である。(実施例7) トラックの部分拡大平面図である。(実施例7)
図1は、本実施形態のエンコーダのブロック図である。本実施形態のエンコーダは、インクリメンタルエンコーダとして機能してもよいし、アブソリュートエンコーダとして機能してもよい。
本実施形態のエンコーダはここでは光学式エンコーダとする。エンコーダは、固定部に取り付けられるセンサユニット10、不図示の可動部に取り付けられるスケール20、信号処理回路(信号処理手段)30を有する。なお、固定部と可動部の関係は逆でもよく、センサユニット10とスケール20が相対的に移動可能な構成であれば足りる。
センサユニット10は、光源12と受光素子アレイ16を有する受光IC14が同一パッケージ内に実装された受発光一体型のセンサユニットである。
光源12は、電狭窄型のLED(波長λ=850mm)、半導体レーザ等を使用することができる。受光素子アレイ16は、スケール20のパターンからの光の分布を検出する複数の検出素子が、スケール20(または可動部の)移動方向(測位方向)であるX方向に並べられた検出素子アレイとして機能する。ここで、「測位方向」とは、光源及び検出素子(受光素子)に対してスケールが移動する方向、つまり光源及び検出素子に対してスケールの位置を検出可能な方向であるが、移動するのはスケールでは無く、光源及び検出素子であっても構わない。また、測位方向における位置情報は、スケール(又はスケールに対して固定された部材)の、光源或いは検出素子(又はそれらのいずれかに固定された部材)に対する位置情報でも、この位置に付随する情報でも構わない。
スケール20は、ガラス基板上にクロム反射膜のパターンを複数有するパターン列がトラック21にパターニングされている。パターンは光の分布を空間変調するためのパターンである。特に、ここでのパターン(或いはスケール上でパターンが形成された領域)は、光源からの光を検出素子に導く特性(反射又は透過)を有する部分のことである。このスケール上でのパターンが形成されている部分(パターン部)とパターンが形成されていない部分とは、互いに光学特性が異なり、それは、反射と非反射(透過又は吸収)の組合せか、透過と非透過(反射又は吸収)の組合せであることが望ましい。
各トラック21は、X方向に垂直なY方向に周期的に配列され、所定のピッチ(変調周期)を有する領域を有する。ここでいう「ピッチ(変調周期)」とは、トラック内に形成されたパターンのX方向における空間的な周期のことである。ピッチ(変調周期)は、空間周波数の逆数(又はそれに比例した値)である。
なお、本実施形態では、受光素子アレイ16はスケール20のパターンの反射光を受光しているが、スケール20のパターンの透過光を受光する場合にも本実施形態は適用可能である。即ち、受光素子アレイ16は、スケール20のパターンからの光を受光できれば足りる。
信号処理回路30は、センサユニット10の受光素子アレイ16の出力信号を処理して位置情報に変換する。信号処理回路30は、センサユニット10で得られた信号の内挿処理や、位置信号の出力なども行う。
信号処理回路30は、不図示のノイズフィルタ、増幅回路、A/D変換回路の他に、様々な手段を有してもよい。信号処理回路30に含まれる手段は、エンコーダがインクリメンタルエンコーダとして機能するか、アブソリュートエンコーダとして機能するかに応じて変わる。
動作において、センサユニット10内の光源12から出射した発散光束はスケール20のトラック21に照射され、トラック21で反射した光束はセンサユニット10の受光素子アレイ16に受光される。受光素子アレイ16は、トラック21の反射率分布が2倍拡大された像として受光する。受光素子アレイ16によって受光された光束は電気信号に変換され、信号処理回路30に送られる。信号処理回路30は、受光素子アレイ16からの出力を位置情報に変換し、スケール20の位置の情報を高精度に取得および出力する。
図2(a)は、図1に示すトラック21に適用可能な実施例1のトラック21Aの部分拡大平面図である。トラック21Aは、点線で示す単位ブロックパターンKAを、スケール20の移動方向(測位方向、X方向)と測位方向に垂直な方向(Y方向)にそれぞれ周期的に並べたパターンとなっている。図2(a)において、黒色部は光を反射する反射部(開口部)であり、白色部は光(光源から出射する波長の光)を透過または吸収する非反射部22である。つまり、本実施例における開口部は反射部(パターン)のことであり、開口比(開口率)とは全体の領域に対する開口部、つまり反射部、が占める割合(面積比)である。本実施例では上記のように反射部を開口部としているが、本発明はこの構成に限られるものではなく、透過部を開口部とし、光源とセンサユニットの受光素子アレイとを、スケールを挟んで反対側に配置しても構わない。すなわち、開口部とは、スケールの中の光源からの光をセンサユニットの受光素子アレイに導く役割を果たす部分を意味する。
図2(b)は、単位ブロックパターンKAの拡大平面図である。単位ブロックパターンKAは、X方向の幅Pが64μm、Y方向の幅Wが100μmであり、反射膜から構成されて光を反射するパターンである反射部(開口部)24Aと非反射部(非開口部)22から構成されている。
単位ブロックパターンKA内のY方向の位置によって、反射部24AのX方向(測位方向)の幅が異なる。X方向に延びて単位ブロックパターンKAを半分にするY方向の対称線(第2の中心線)Ycに関して、下側の反射部24AのX方向の幅はD1=P・2/3(開口比2/3)であり、上側の反射部24AのX方向の幅はD2=P・1/3(開口比1/3)である。つまり、この単位ブロックパターンは、測位方向(X方向)と垂直な方向(Y方向)に沿って、開口率(開口比)が互いに異なる2つの領域(分割領域)を含んでいる。この2つの領域の各々においては、パターンは、X方向に延びる線とY方向に延びる線によって規定される矩形形状を有する。パターンの範囲がY方向に延びる線によって規定される場合、Y方向に対して斜めに延びる線によって規定されているパターンよりも高調波歪を抑え易く、また、製造も容易となるので高調波歪の抑制効果も安定する。
このため、開口率が1/3、2/3でそれぞれ実質的に一定である。尚、「実質的に一定」とは、各々の領域(分割領域)の測位方向と垂直なY方向における幅のうち80%(好ましくは90%)以上の幅において、測位方向における開口率(開口比)がある位置での開口率に対して90%以上110%以下であることを意味する。このように、開口率が実質的に一定となっている各領域(各々の分割領域)は、測位方向(X方向)に延びる2つの平行な直線と、測位方向に垂直な方向(Y方向)に延びる2つの平行な直線とで規定される矩形形状となる。これは、分割領域が2つより多くなっても同様である。
また、反射部24Aは凸形状を有し、Y方向に延びて単位ブロックパターンKAを半分にする単位ブロックパターンKAのX方向の対称線(第1の中心線)Xcに関して対称に形成されている。ここでの対称とは完全に対称である必要は無く、対称線(対称の中心となる直線)によって反射部(パターン)を折り曲げた際、対称線の左右のパターン形状が90%以上(好ましくは95%以上)一致していれば良い。つまり、対称線の左側にある反射部の90%以上が、対称線の右側にある反射部と一致していれば、それは対称とみなす。
図3は、実施例1の受光素子アレイ16の受光面(検出面)の配置を示す平面図である。受光素子アレイ16は、受光素子17がX軸方向に32μmピッチで32個並んでおり、一つの受光素子17はX方向の幅X_pdが32μmであり、Y方向の幅Y_pdは800μmである。受光素子アレイ16の全幅X_totalは1024μmである。
スケール上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール上の検出範囲はY方向に400μm、X方向に512μmの範囲となる。よって、スケール上の検出範囲には、単位ブロックパターンKAがY方向に4周期分含まれる。
以下、第3高調波の成分を除去する単位ブロックパターンKAの設計方法について、図4を参照して説明する。まず、次式に示す複数の矩形関数の合計R(x)を考える。
R(x)=A×rect((x−P・N)/B+P/(2・B)×(・・・((±1/2a)±1/2b)±1/2c)・・・)))−C …(1)
但し、矩形関数rect(x)は次式で与えられるように|x|≦1/2のときに1で|x|≦1/2ではないときに0である。xは中心線Xcからの距離、A、B、Cは任意の係数、a、b、c、…は自然数、Nは整数である。
ここで、a、b、c・・・は低減したい高調波成分の次数に対応する。本実施例は3倍波を低減するためにa=3と設定し、b以降は設定しない(0に設定する)。また、Bは矩形形状のX方向の幅を表し、本実施例ではB=P/2とする。よって、R(x)は、周期Pを有する2つの矩形関数R1(x)、R2(x)で次式のように表わすことができる。
R1(x)=A・rect(2・x/P−2N+1/6)−C …(3)
R2(x)=A・rect(2・x/P−2N−1/6)−C …(4)
ここで、それぞれ1周期分のみの範囲(−P/2<X<P/2)を考えると次式のようになる。
R1(x)=A・rect(2・x/P+1/6)−C …(5)
R2(x)=A・rect(2・x/P−1/6)−C …(6)
さらに、矩形関数R1(x)、R2(x)の和Y(x)は次式のようになる。
Y(x)=R1(x)+R2(x) …(7)
単位ブロックパターンKAは、反射部24AのY方向の幅の積算が関数Y(x)に等しい。本実施例では、関数Y(x)の最小値が0となるようにC=0とし、関数Y(x)の最大値が単位ブロックパターンKAのY方向の幅になるようにA=W/2としている。これにより、信号に寄与しない開口比1もしくは0の領域を無くし、信号効率を大きくとることができる。この結果、本実施例では、数式5、6は次式に示す2つの矩形関数R1(x)、R2(x)となる。なお、開口比は、各分割領域において前記パターンの面積を前記分割領域の面積で割った値であるパターンの面積比であり、百分率で表すことも可能である。パターンの面積比は隣接する二つの分割領域の間で異なる。
R1(x)=W/2・rect(2・x/P+1/6) …(8)
R2(x)=W/2・rect(2・x/P−1/6) …(9)
R1(x)、R2(x)は図4(a)に示す2つの長方形に対応し、Y(x)は図4(b)に示す関数に対応する。単位ブロックパターンKAの反射領域は、図4(b)に示す関数の相似形であり、図2(b)に示す単位ブロックパターンKAが設計される。
スケール上の検出範囲には、単位ブロックパターンKAがY方向に4周期分含まれる。よって、スケール上の検出領域内に含まれる反射領域をY方向に積算した幅は、任意のX方向の位置xにおいて、4A・rect(2・x/P−2N+(・・・((±1/2a)±1/2b)±1/2c)・・・)))で表される複数の矩形関数の合計に等しくなる。
次に、受光素子アレイ16の受光面上の光強度分布の計算方法について説明する。計算にはスカラーの回折理論を用いる。点光源から距離z1離れたスケール面までの光の伝搬は、スケール面上での光電界分布をU1(x1)として次式のように表すことができる。
U1(x1)=A/r1・exp(i・2π/λ・r1) …(10)
r1=sqrt(z1+x1) …(11)
更に、スケール面上の開口g(x)を通過し、距離z2だけ離れた受光面での光電界分布U2(x2)は次式のように書くことができる。
U2(x2)=∫U1(x1)/(i・λ・r2)・g(x1)・exp(i・2π/λ・r2)dx1 …(12)
r2=sqrt(z2+(x2−x1)) …(13)
開口関数g(x)は、スケール上の開口部を1とし遮光部を0とする関数である。以上の結果、受光面上の光強度分布I(x2)は次式で表される。
I(x2)=|U2(x2)| …(14)
光源とスケール間の距離と、スケールと受光素子アレイ間の距離が等しい場合には、Z1=Z2=Zとなる。以降このZを光学ギャップと呼ぶ。受光面上の総光量は光学ギャップZの増加とともに減少するが、以降に示す高調波成分の光学ギャップ変化に対する特性は、各光学ギャップの総光量で正規化して示す。
図5(a)は、受光面上での光強度分布に含まれる3倍波成分の振幅を示すグラフである。横軸は光学ギャップで光源12および受光素子アレイ16とスケール20との間の光学的な距離である。単位ブロックパターンKAの周期Pと、光源12の波長λを用いP/λにより正規化された値となっている。縦軸の振幅の正負は互いに位相が180°反転していることを示している。
スケールパターンはY方向の格子開口比がD1=P・2/3とD2=P/3の領域に分けられるため、それぞれの開口比に応じた開口関数での回折積分計算を行っている。一点鎖線はD2、破線はD1に対応している。
それぞれの開口比による回折像は、光学ギャップが0から離れると3倍波成分が発生していることが分かる。これは、格子開口比をP・2/3あるいはP/3で一様とした場合、光学ギャップが大きい領域で3倍波成分を十分に低減することはできないことを示している。
ここで、a、b、c…の自然数の最大値をmとする。すると、m次の高調波のギャップ方向の変動周期は谷からピークまでが(P/m)/λで与えられるため、光学ギャップをZ<(P/m)/λとしなければ、高調波の影響を十分抑えることができない。
2種の開口比による回折像は光学ギャップによらず振幅が等しく位相が逆であるため、2種の開口比の格子からの反射光が等しい重みづけで受光素子アレイ16に入射すると受光素子17のY方向の幅で電気的に積算され、3倍波が低減された出力が得られる。
図5(a)の実線は、受光素子17の積算効果により合計された結果を示している。ここで、単位ブロックパターンKAのY方向の幅Wは、2種の格子開口比の成分が等しい重みづけとなるようにスケール上の検出領域のY方向の幅の整数分の1としている。
光源12とスケール20との距離とスケール20と受光素子アレイ16との距離が等しくZ1=Z2となる場合は、像倍率が2倍の拡大系となるため、受光素子アレイ16のY方向の幅の半分の整数分の1とすればよい。なお、光源12のY方向の幅の半分の整数分の1としても同様の効果が得られる。
図5(b)は、実線で示す基本波振幅と白い菱形の入った線で示す第3高調波の絶対値振幅の比較を示すグラフである。信号に寄与する基本波成分に対し、位置検出誤差要因となる3倍波成分が光学ギャップによらず十分に抑制されていることが分かる。
図6は、D1のスリットとD2のスリットをX方向に分散させ、交互に並べた場合の実線で示す基本波振幅と白い菱形の入った線で示す3倍波成分の絶対値振幅の比較を示すグラフである。この場合、ギャップが離れると3倍波成分が残留してしまうことが分かる。また、X方向の光量分布や像倍率誤差によって、2・P周期で検出位相が変動してしまい、位置信号のリニアリティが低下するという問題もある。
別の方法として、Y方向に領域を分け、パターン中心をシフトさせて高調波成分をキャンセルする方法もあるが、スケールの斜行によって、検出位相が変動しやすくなる。例えば、Y方向に光量分布を持つ場合や像倍率に誤差がある場合、斜行によって検出領域に含まれる各シフトパターンの光量比が変動し、検出位相が変動してしまう。
一方、本実施例は、Y方向にパターンの領域を分け異なる開口比を持たせ、各領域の反射部24Aの中心を移動方向で等しくするようにしたので、光量分布による位相変動が生じにくくかつ広いギャップ範囲での高調波低減が可能となっている。
各受光素子17からの出力は、後段の4つの不図示の初段増幅器に接続されている。4つの初段増幅器は、出力端子A+、B+、A−、B−(それぞれA+相、B+相、A−相、B−相を表す)に対応する受光素子17がそれぞれ接続され、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)を出力する。
4相正弦波状信号の相対位相はそれぞれの検出ピッチに対し、S(A+)を基準とすると、S(B+)は約+90度S(A−)は約+180度S(B−)は約+270度の関係にある。
本実施例のエンコーダは、スケール20の相対位置を検出するインクリメンタルエンコーダとして機能し、信号処理回路30は位相取得手段を含む。
位相取得手段は、受光素子アレイ16の出力信号(デジタル信号)に対して逆正接演算を行うことによってパターン領域の光の分布の位相を取得する。
信号処理回路30は、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)について次式の演算を行って直流分が除去された2相正弦波状信号S(A)、S(B)を生成する。
S(A)=S(A+)−S(A−) …(15)
S(B)=S(B+)−S(B−) …(16)
信号処理回路30の位相取得手段はパターン領域の光の分布の位相(位相信号)Φ1を次式の演算によって取得する。ATAN2[Y,X]は、象限を判別して0〜2π位相に変換する逆正接演算関数である。
Φ1=ATAN2[S(A),S(B)] …(17)
信号処理回路30は、位相取得手段の出力を相対位置信号として取得する。相対位置信号の変化を計数することによってスケール20が測定開始位置から所定周期として何周期目に位置するかの情報を取得することができる。「相対位置」とは、位置の変化量のことであり、単位時間当たり、或いはサンプリング周期当たり(位置信号を得る周期)の位置の変化方向、変化量のことである。もしくは、この相対位置は、ある基準時点(電源投入時、或いはある基準タイミング)の位置に対しての位置の変化方向、変化量としても構わない。
なお、光源12からの光束をマスクに照射し、その透過光をスケールに照射してもよい。マスクの形状はピンホール、単スリット、回折格子等を用いることができ、受光素子上の基本波コントラストが得られる範囲で、2次光源の形状を決定すればよい。
以上、本実施例によれば、広範囲の光学ギャップに対して正弦波に近い検出波形が取得でき、高精度な位置検出が可能となる。
図7(a)は、図1に示すトラック21に適用可能な実施例2のトラック21Bの部分拡大平面図である。トラック21Bは、点線で示す単位ブロックパターンKBを、スケール20のX方向とY方向にそれぞれ周期的に並べたパターンとなっている。
図7(b)は、単位ブロックパターンKBの拡大平面図である。単位ブロックパターンKBは、X方向の幅Pが64μm、Y方向の幅Wが100μmであり、反射部24Bと非反射部22から構成されている。
単位ブロックパターンKB内のY方向の位置によって、反射部24BのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<W×1/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<P×23/60の範囲に反射部24Bが形成されている。
同様に、中心線Ycからの距離YがW×1/8≦Y<W×2/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<P×17/60の範囲に反射部24Bが形成されている。中心線Ycからの距離YがW×2/8≦Y<W×3/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<P×13/60の範囲に反射部24Bが形成されている。
中心線Ycからの距離YがW×3/8≦Y<W×4/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<P×7/60の範囲に反射部24Bが形成されている。反射部24Bはほぼ菱形形状を有して単位ブロックパターンKBの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
以下、第3高調波と第5高調波の成分を除去する単位ブロックパターンKBの設計方法について、図8を参照して説明する。
まず、数式1において、a=3、b=5とし、c以降は無しとし(0とし)、係数BはB=P/2とすると、実施例1と同様に、次式に示す4つの矩形関数R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)が得られる。
R1(x)=A×rect(2・x/P+1/6+1/10)−C …(18)
R2(x)=A×rect(2・x/P+1/6−1/10)−C …(19)
R3(x)=A×rect(2・x/P−1/6+1/10)−C …(20)
R4(x)=A×rect(2・x/P−1/6−1/10)−C …(21)
4つの矩形関数R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)の和Y(x)は次式で表される。
Y(x)=R1(x)+R2(x)+R3(x)+R4(x) …(22)
単位ブロックパターンKBは、Y方向への反射部24Bの幅の積算が関数Y(x)に等しい。本実施例では、関数Y(x)の最小値が0となるようにC=0とし、関数Y(x)の最大値が単位ブロックパターンKBのY方向の幅になるようにA=W/4としている。これにより、数式18〜21は次式のようになる。
R1(x)=W/4×rect(2・x/P+1/6+1/10) …(23)
R2(x)=W/4×rect(2・x/P+1/6−1/10) …(24)
R3(x)=W/4×rect(2・x/P−1/6+1/10) …(25)
R4(x)=W/4×rect(2・x/P−1/6−1/10) …(26)
R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)は図8(a)に示す4つの長方形に対応し、Y(x)は図8(b)に示す関数に対応する。単位ブロックパターンKBの反射領域を図8(b)の関数と相似形のピラミッド型としてもよいが、図7(b)に示すようにY方向に対称形状としたり、4つの開口比の順番を入れ替えたりしても効果は同様である。以上のようにして、図7(b)に示す単位ブロックパターンKBが設計される。
図9(a)は、受光面上での光強度分布に含まれる3倍波成分の振幅を示すグラフであり、図9(b)は、受光面上での光強度分布に含まれる5倍波成分の振幅を示すグラフである。横軸は光学ギャップで光源12および受光素子アレイ16とスケール20との間の光学的な距離である。単位ブロックパターンKBの周期Pと、光源12の波長λを用いP/λにより正規化された値となっている。
スケールパターンをY方向に分離すると、格子開口比D1=7P/30、D2=13P/30、D3=17P/30、D4=23P/30の4領域に分けられるため、それぞれの開口比で回折積分計算を行っている。二点鎖線はD1、破線はD2、点線はD3、一点鎖線はD4に対応している。
それぞれの開口比による回折像は、ギャップ変化によって高調波成分の振幅変動および位相反転が起こるが、4領域を合計された結果(実線)はギャップによらず高調波成分が低減されている。
図9(c)は、実線で示す基本波振幅と白い菱形の入った線で示す第3高調波、×の入った点線で示す第5高調波の絶対値振幅の比較を示すグラフである。信号に寄与する基本波成分に対し、位置検出誤差要因となる3倍波成分と5倍波成分が光学ギャップによらず十分に抑制されていることが分かる。
数式1におけるBの係数はP/2の時が最も広いギャップ範囲で3倍波成分、5倍波成分を低減することができるが、3倍波成分と5倍波成分以外の高調波成分が残留している場合は、B係数をP/2とすることが必ずしも最適とはならない。Bの係数をP/2からずらすことによって、3倍波成分、5倍波成分以外の特定の高調波振幅を設計中心ギャップ付近で低減させることも可能である。つまり、各高調波振幅の位相検出誤差への影響を考慮した上で、Bの係数をP/2からわずかにずらすことで使用するギャップ範囲での高調波を最小限にすることができる。
例えば、図10は、数式1におけるBの係数を、29/60×Pとした場合の単位ブロックパターンKBの例である。3倍波成分、5倍波成分の振幅を低減するとともに、7倍波成分の振幅を使用するギャップ範囲(ここでは0.25〜0.3mm)で低減する設計例となっている。光源の発光領域の測位方向の大きさは2P以下である。m=5、P=64μm、λ=0.85μmなので、(P/m)/λ=0.19mm程度となる。また、Zは0.25〜0.3mmなので、Z>(P/m)/λとなる。
このとき、数式18〜21は次式で置き換えられる。
R1(x)=A×rect((60×x/(29×P)+60/58×(1/6+1/10)−C …(27)
R2(x)=A×rect((60×x/(29×P)+60/58×(1/6−1/10)−C …(28)
R3(x)=A×rect((60×x/(29×P)+60/58×(−1/6+1/10)−C …(29)
R4(x)=A×rect((60×x/(29×P)+60/58×(−1/6−1/10)−C …(30)
よって、スケールパターンは、格子開口比がD1´=13P/60、D2´=25P/60、D3´=33P/60、D4´=45P/60となる4領域をY方向に分散させて配置させた形状となる。
図11は、実線で示す基本波振幅と白い菱形の入った線で示す第3高調波、×の入った点線で示す第5高調波、黒い菱形の入った破線で示す第7高調波の絶対値振幅の比較を示すグラフである。3倍波、5倍波振幅が低減されており、さらに7倍波振幅が使用するギャップ範囲(ここでは0.25〜0.3mm)で低減されていることが分かる。このように、複数の次数の高調波成分に対しても同時に低減することが可能である。
図12は、図1に示すトラック21に適用可能な実施例3のトラック21Cの部分拡大平面図である。トラック21Cは、Y方向に、3種類の領域(領域23、25、28)が交互に並べられており、図12の全幅を含む範囲(受光素子アレイ16の受光面で走査され得る領域)が1トラックである。図12において、白色部は光を透過または吸収する非反射部22である。
図13Aは、領域(第1の領域)23のX方向の1周期分の単位ブロックパターン(第1の単位ブロックパターン)KCを示す平面図である。図13Bは、領域(第2の領域)25のX方向の1周期分の単位ブロックパターンKDを示す平面図である。図13Cは、領域(第3の領域)28のX方向の1周期分の単位ブロックパターンKEを示す平面図である。
領域23は、X方向のピッチP1(=127.204969μm)ごとに図13Aの単位ブロックパターンKCが配置されたパターン列からなる。領域23のY方向の幅はW1=50μmである。ピッチP1は領域23の変調周期(第1の変調周期)に対応する。
図13Aに示すように、領域23は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部(第1のパターン)24CのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<(W1)×1/4の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P1)×1/3の範囲に反射部24Cが形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W1)×1/4≦Y<(W1)×1/2の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P1)×1/6の範囲に反射部24Cが形成されている。反射部24Cは十字形状を有して単位ブロックパターンKCの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
領域25は、X方向のピッチP2(=256μm)ごとに図13Bの単位ブロックパターン(第2の単位ブロックパターン)KDが配置されたパターン列からなる。領域25のY方向の幅はW2=50μmである。ピッチP2は領域25の変調周期(第2の変調周期)に対応する。
図13Bに示すように、領域25は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部(第2のパターン)26のX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<(W2)×1/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×11/24の範囲に反射部26が形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W2)×1/8≦Y<(W2)×2/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×7/24の範囲に反射部26が形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W2)×2/8≦Y<(W2)×3/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×5/24の範囲に反射部26が形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W2)×3/8≦Y<(W2)×4/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×1/24の範囲に反射部26が形成されている。反射部26はほぼ菱形形状を有して単位ブロックパターンKDの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
領域28は、X方向のピッチP3(=553.513514μm)ごとに図13Cの単位ブロックパターン(第3の単位ブロックパターン)KEが配置されたパターン列からなる。領域28のY方向の幅はW3=50μmである。ピッチP3は領域28の変調周期(第3の変調周期)に対応する。
図13Cに示すように、領域28は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部(第3のパターン)29のX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<(W3)/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×49/120の範囲、および(P3)×59/120<X<(P3)×60/120の範囲に反射部29が形成されている。
中心線Ycからの距離Yが(W3)/12≦Y<(W3)×2/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×41/120の範囲に反射部29が形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W3)×2/12≦Y<(W3)×3/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×31/120の範囲に反射部29が形成されている。
中心線Ycからの距離Yが(W3)×3/12≦Y<(W3)×4/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×29/120の範囲に反射部29が形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W3)×4/12≦Y<(W3)×5/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×19/120の範囲に反射部29が形成されている。
中心線Ycからの距離Yが(W3)×5/12≦Y<(W3)×6/12の領域は中心線Xcからの距離Xが(P3)×1/120<X<(P3)×11/120の範囲に反射部29が形成されている。反射部29はほぼ菱形形状を有して単位ブロックパターンKEの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
以下、単位ブロックパターンKC、KD、KEの設計方法について説明する。
領域23の単位ブロックパターンKCは3倍波成分を除去する設計であり、実施例1の設計方法を適用する。
領域25の単位ブロックパターンKDは2倍波と3倍波の成分を除去する設計である。まず、数式1において、a=2、b=3とし、c以降は無しとし(0とし)、係数BはB=P/2とすると、実施例1と同様に、以下に示す4つの矩形関数R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)が得られる。
R1(x)=A×rect(2・x/P+1/4+1/6)−C …(31)
R2(x)=A×rect(2・x/P+1/4−1/6)−C …(32)
R3(x)=A×rect(2・x/P−1/4+1/6)−C …(33)
R4(x)=A×rect(2・x/P−1/4−1/6)−C …(34)
4つの矩形関数R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)の和Y(x)は次式で表される。
Y(x)=R1(x)+R2(x)+R3(x)+R4(x) …(35)
領域25の単位ブロックパターンKDは、Y方向への反射部26の幅の積算が関数Y(x)に等しい。本実施例では、関数Y(x)の最小値が0となるようにC=0とし、関数Y(x)の最大値が単位ブロックパターンKDのY方向の幅になるようにA=W/4としている。
これにより、数式31〜34は次式のようになる。
R1(x)=W/4×rect(2・x/P+1/4+1/6) …(36)
R2(x)=W/4×rect(2・x/P+1/4−1/6) …(37)
R3(x)=W/4×rect(2・x/P−1/4+1/6) …(38)
R4(x)=W/4×rect(2・x/P−1/4−1/6) …(39)
R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)は図14(a)に示す2つの長方形に対応し、Y(x)は図14(b)に示す関数に対応する。単位ブロックパターンKDの反射領域を図14(b)の関数と相似形のピラミッド型としてもよいが、図13Bに示すようにY方向に対称形状としたり、4つの開口比の順番を入れ替えたりしても効果は同様である。以上のようにして、図13Bに示す単位ブロックパターンKDを設計する。
図15(a)は、受光面上での光強度分布に含まれる2倍波成分の振幅を示すグラフであり、図15(b)は、受光面上での光強度分布に含まれる3倍波成分の振幅を示すグラフである。横軸は光学ギャップで光源12および受光素子アレイ16とスケール20との間の光学的な距離である。単位ブロックパターンKDの周期P2=Pと、光源12の波長λを用いP/λにより正規化された値となっている。
スケールパターンをY方向に分離すると、格子開口比D1=P/12、D2=5P/12、D3=7P/12、D4=11P/12の4領域に分けられるため、それぞれの開口比で回折積分計算を行っている。二点鎖線はD1、破線はD2、点線はD3、一点鎖線はD4に対応している。
図15(a)に示すように、光学ギャップZがZ<0.07×(P/λ)の領域までは2倍波が低減されている。本実施例では、P=P2=256μm、λ=850nmなので、光学ギャップZがZ<5.4mm程度までは2倍波を低減した状態で使用できる。2倍波を低減することにより、領域23のパターンの反射像位相に対する領域25のパターンの反射像による干渉を抑制することができる。
図15(b)に示すように、それぞれの開口比による回折像は、ギャップ変化によって高調波成分の振幅変動および位相反転が起こるが、4領域を合計された結果(実線)はギャップによらず3倍波成分が低減されている。
図15(c)は、実線で示す基本波振幅、+の入った破線で示す第2高調波、白い菱形の入った線で示す第3高調波の絶対値振幅の比較を示すグラフである。信号に寄与する基本波成分に対し、位置検出誤差要因となる3倍波成分が光学ギャップによらず十分に抑制されていることが分かる。
領域28の単位ブロックパターンKEは、2倍波成分、3倍波成分、5倍波成分を除去する設計である。まず、数式1において、a=2、b=3、c=5とし、d以降は無しとし(0とし)、係数BはB=P/2とする。実施例1と同様に、以下に示す8つの矩形関数R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)、R5(x)、R6(x)、R7(x)、R8(x)が得られる。
R1(x)=A×rect(2・x/P+1/4+1/6+1/10)−C …(40)
R2(x)=A×rect(2・x/P+1/4+1/6−1/10)−C …(41)
R3(x)=A×rect(2・x/P+1/4−1/6+1/10)−C …(42)
R4(x)=A×rect(2・x/P+1/4−1/6−1/10)−C …(43)
R5(x)=A×rect(2・x/P−1/4+1/6+1/10)−C …(44)
R6(x)=A×rect(2・x/P−1/4+1/6−1/10)−C …(45)
R7(x)=A×rect(2・x/P−1/4−1/6+1/10)−C …(46)
R8(x)=A×rect(2・x/P−1/4−1/6−1/10)−C …(47)
8つの矩形関数R1(x)、R2(x)、R3(x)、R4(x)、R5(x)、R6(x)、R7(x)、R8(x)の和Y(x)は次式で表される。
Y(x)=R1(x)+R2(x)+R3(x)+R4(x)+R5(x)+R6(x)+R7(x)+R8(x) …(48)
領域28の単位ブロックパターンKEは、Y方向への反射部29の幅の積算が関数Y(x)に等しい。本実施例では、関数Y(x)の最小値が0となるようにC=A/8とし、関数Y(x)の最大値が単位ブロックパターンのY幅になるようにA=W/6としている。これにより、Y(x)は、下記に示す8つの矩形関数の合計に、8C(=W/6)のDC分を除いた関数となる。
R1´(x)=W/6×rect(2・x/P+1/4+1/6+1/10) …(49)
R2´(x)=W/6×rect(2・x/P+1/4+1/6−1/10) …(50)
R3´(x)=W/6×rect(2・x/P+1/4−1/6+1/10) …(51)
R4´(x)=W/6×rect(2・x/P+1/4−1/6−1/10) …(52)
R5´(x)=W/6×rect(2・x/P−1/4+1/6+1/10) …(53)
R6´(x)=W/6×rect(2・x/P−1/4+1/6−1/10) …(54)
R7´(x)=W/6×rect(2・x/P−1/4−1/6+1/10) …(55)
R8´(x)=W/6×rect(2・x/P−1/4−1/6−1/10) …(56)
R1´(x)、R2´(x)、R3´(x)、R4´(x)、R5´(x)、R6´(x)、R7´(x)、R8´(x)は図16(a)の8つの長方形に対応し、Y(x)は図16(b)に示す関数に対応する。
このとき、R1(x)とR8(x)の2つの矩形関数は、単位ブロックパターンKEのX方向の幅P3をそれぞれ(P3)/120ずつはみだしてしまう。単位ブロックパターンKEはX方向に隣接して並べられるので、隣接ブロックからのはみ出し分として両端部から(P3)/120幅ずつの矩形関数を加え、合計することで図16(b)に示す関数となる。
この関数をY方向に分離すると、7種の開口パターンとなる。数式48で表わされる矩形関数の和Y(x)は、この関数からW/6のDC分を除いた関数であるので最小値が0となる。単位ブロックパターンKEは、13(c)に示すように、6種の開口パターンからなる設計となる。
図17(a)は、受光面上での光強度分布に含まれる2倍波成分の振幅、図17(b)は、受光面上での光強度分布に含まれる3倍波成分の振幅、図17(c)は、受光面上での光強度分布に含まれる5倍波成分の振幅、をそれぞれ示すグラフである。横軸は光学ギャップで光源12および受光素子アレイ16とスケール20との間の光学的な距離である。単位ブロックパターンKEの周期P=P3と、光源12の波長λを用いP/λにより正規化された値となっている。
スケールパターンをY方向に分離すると、図16(b)の関数で示す6種の開口パターンの領域に分けられるため、それぞれの開口比で回折積分計算を行っている。点線は一段目、短破線は二段目、長破線は三段目、二点鎖線は四段目、一点鎖線(長破線)は五段目、一点鎖線(短破線)は六段目にそれぞれ対応している。
図17(a)に示すように、光学ギャップZがZ<0.01×(P/λ)の領域までは2倍波が低減されている。本実施例では、P=P3=553.513514μm、λ=850nmなので、光学ギャップZがZ<3.6mm程度までは2倍波を低減した状態で使用できる。2倍波を低減することにより、領域25のパターンの反射像位相に対する領域28のパターンの反射像による干渉を抑制することができる。
図17(b)、(c)に示すように、それぞれの開口比による回折像は、ギャップ変化によって高調波成分の振幅変動および位相反転が起こるが、4領域を合計された結果(実線)はギャップによらず3倍波、5倍波成分が低減されている。
図18は、実線で示す基本波振幅、+の入った破線で示す第2高調波、白い菱形の入った線で示す第3高調波、×の入った点線で示す第5高調波の絶対値振幅の比較を示すグラフである。信号に寄与する基本波成分に対し、位置検出誤差要因となる3倍波成分、5倍波成分が光学ギャップによらず十分に抑制され、2倍波成分もある程度抑制されていることが分かる。
図19Aは、図13Aの領域23Cを検出するときの受光素子アレイ16の受光面の配置を示す平面図である。図19Bは、図13Bの領域25を検出するときの受光素子アレイ16の受光面の配置を示す平面図である。図19Cは、図13Cの領域28を検出するときの受光素子アレイ16の受光面の配置を示す平面図である。
受光素子アレイ16は、受光素子17がX方向に32μmピッチで64個並んでおり、一つの受光素子17はX方向の幅X_pdが32μm、Y方向の幅Y_pdが900μmである。受光素子アレイ16の全幅X_totalは2048μmである。
スケール上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール上の検出範囲はY方向450μm、X方向1024μmの範囲となるため、領域23、25、28がY方向にそれぞれ3ライン分ずつ含まれる。
各受光素子17からの出力は、スイッチ回路18を介して切り替えられ、選択的に後段の4つの不図示の初段増幅器に接続されている。4つの初段増幅器は、出力端子A+、B+、A−、B−(それぞれA+相、B+相、A−相、B−相を表す)に対応する受光素子17がそれぞれ接続され、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)を出力する。
本実施例では信号処理回路30は信号分離手段を有する。信号分離手段は受光素子アレイ16の出力をトラック21の各領域に対応する信号に分離する機能を有し、スイッチ回路18による接続を切り替える信号を送信する。なお、受光IC14にスイッチ回路18が設けられない場合には高速フーリエ変換(FFT)を行うことによって信号を分離することができる。
スイッチ回路18は信号処理回路30の信号分離手段からの入力によって受光素子17と出力端子との接続を切り替えることができる。この結果、複数の受光素子17において電気的に加算される間隔が切り替わる。
信号処理回路30からの入力がハイレベルの場合は、図19Aに示す受光面配置となり、スケールパターン128μm(反射像周期256μm)の検出ピッチとなり、領域23を検出することができる。
信号処理回路30からの入力がローレベルの場合は、図19Bに示す受光面配置となり、スケールパターン256μm(反射像周期512μm)の検出ピッチとなり、領域25を検出することができる。
信号処理回路30からの入力がミドルレベルの場合は、図19Cに示す受光面配置となり、スケールパターン512μm(反射像周期1024μm)の検出ピッチとなり、領域28を検出することができる。
4相正弦波状信号の相対位相はそれぞれの検出ピッチに対し、S(A+)を基準とすると、S(B+)は約+90度、S(A−)は約+180度、S(B−)は約+270度の関係にある。
信号処理回路30は、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)について数式15、16の演算を行って直流分が除去された2相正弦波状信号S(A)、S(B)を生成する。
本実施例のエンコーダはアブソリュートエンコーダとして機能する。このため、信号処理回路30は、スケール20の絶対位置の情報を取得し、第1の位相取得手段、第2の位相取得手段、第3の位相取得手段を有する。
ここで、「絶対位置」とは、駆動部を持つ装置において、この駆動部の装置に対する位置のことであり、ある基準タイミングでの位置に対する位置の変化量とは異なる。この駆動部の装置に対する位置(絶対位置)が決まれば、この駆動部の装置に対する位置が一義的に決まる。本実施例のエンコーダが取り付けられた装置においては、駆動部と、駆動部と一体的に動かない固定部(固定でなくても良い)との一方にスケールを、他方に検出素子アレイを配置する。これにより、検出素子アレイを持つ固定部(装置本体側)に対する、スケールを持つ駆動部の位置を検出することができる。
第1の位相取得手段は、(領域23に対応する)受光素子アレイ16の出力信号(デジタル信号)に対して数式17に示す逆正接演算を行うことによって領域23からの光の分布の位相(第1の位相)Φ1を取得する。
第2の位相取得手段は、(領域25に対応する)受光素子アレイ16の出力信号(デジタル信号)に対して次式に示す逆正接演算を行うことによって領域25からの光の分布の位相(第2の位相)Φ2を取得する。
Φ2=ATAN2[S(A),S(B)] …(57)
第3の位相取得手段は、(領域28に対応する)受光素子アレイ16の出力信号(デジタル信号)に対して次式に示す逆正接演算を行うことによって領域28からの光の分布の位相(第3の位相)Φ3を取得する。
Φ3=ATAN2[S(A),S(B)] …(58)
移動範囲の片方の端(X=0mm)において、Φ1=Φ2=Φ3=0となるように、スケール20上の3つの周期パターンの初期位相が設定されている。次に、位相信号Φa、Φbを次式の演算によって取得する。
Φa=Φ1−2・Φ2 …(59)
Φb=Φ2−2×Φ3 …(60)
このとき、Φa<0のときはΦa=Φa+2π、Φa>2πのときはΦa=Φa−2πの演算を繰り返し行って0〜2πの出力範囲に変換する。Φbについても同様である。ΦaとΦbのX方向に対する信号周期Ta、Tbはそれぞれ、Ta=20480[μm]、Tb=3413.333[μm]となる。よって、Φaとスケール位置の関係は図20(a)のようになる。また、Φbとスケール位置の関係は図20(b)のようになる。
次に、信号処理回路30の位置情報取得手段による絶対位置の情報を取得するための処理について説明する。まず、信号処理回路30は、絶対位置信号としての上位信号Scを位相信号Φaとして取得し、検出可能な総ストロークはTa=20480[μm]となる。
次に、信号処理回路30は、上位信号ScとΦbとの同期をとり、上位信号CからΦbの周期の何番目にあるかを算出し、Φbをつなぎ合わせてΦbの位置精度を持つ絶対位置信号(次式の中位信号Sm)を取得する。
Sm=(2π・ROUND[((Ta/Tb・Sc−Φb)/
(2π)]+Φb)・Tb/Ta …(61)
ここで、ROUND[x]はxに最も近い整数に変換する関数である。
続いて、信号処理回路30は、中位信号SmとΦ3との同期をとり、中位信号SmからΦ3の周期の何番目にあるかを算出し、Φ3をつなぎ合わせてΦ3の位置精度を持つ絶対位置信号(次式の下位信号Sf)を取得する。
Sf=(2π・ROUND[((Ta/P3・Sm−Φ3)/
(2π)]+Φ3)・P3/Ta …(62)
更に、信号処理回路30は、下位信号SfとΦ1との同期をとり、下位信号SfからΦ1の周期の何番目にあるかを算出し、Φ1をつなぎ合わせてΦ1の位置精度を持つ絶対位置信号ABSを取得する。
ABS=(ROUND[((Ta/P1・Sf−Φ1)/(2π)]+Φ1/(2π))・P1[μm] …(63)
以上、高精度なインクリメントパターン信号を使用して、長ストロークの絶対位置の情報を取得することができる。
図21は、実施例4のエンコーダのブロック図である。本実施例のエンコーダは、図1のエンコーダにおいてセンサユニット10から光源12が除かれたセンサユニット10Aを使用し、また受光素子アレイ16は透過光を受光する。
即ち、光源12は固定部に取り付けられて光源12から出射した発散光束はコリメートレンズ13によって平面波に変換された後、スケール20Aのトラック21Aに照射される。トラック21Aを透過した光束は、センサユニット10A内の受光素子アレイ16に照射され、受光素子アレイ上でトラック21Aの透過率分布が等倍像として受光される。
本実施例におけるスケール20Aは図2に示すパターン列を有するが、非反射部22は遮光部として反射部24Aは透過部として機能する。受光素子アレイ16の配置は図3と同様であるが、本実施例では拡大投影でなく等倍の投影像となるため、受光素子アレイ16のサイズを1/2に縮小したものになっている。
即ち、受光素子アレイ16は、受光素子17がX方向に16μmピッチで32個並んでおり、一つの受光素子17はX方向の幅X_pdが16μm、Y方向の幅Y_pdが400μmである。受光素子アレイ16の全幅X_totalは512μmである。
スケール上のパターンは等倍像となるため、スケール上の検出範囲は受光素子アレイ16の受光面サイズと同様にY方向400μm、X方向512μmの範囲となる。よって、スケール上の検出範囲には、単位ブロックパターンKAがY方向に4周期分含まれる。
受光面上での光強度分布の計算において、平面波の入射であるので、スケール面上での光電界分布U1(x1)として数式10の代わりに次式を使用する。
U1(x1)=A・exp(i・2π/λ・z1) …(64)
図22(a)は、受光面上での光強度分布に含まれる3倍波成分の振幅を示すグラフである。横軸は光学ギャップで受光素子アレイ16とスケール20Aとの間の光学的な距離である。単位ブロックパターンKAの周期Pと、光源12の波長λを用いP/λにより正規化された値となっている。縦軸の振幅の正負は互いに位相が180°反転していることを示している。
スケールパターンは、Y方向の格子開口比が図2(b)のD1、D2の領域に分けられるため、それぞれの開口比に応じた開口関数での回折積分計算を行っている。一点鎖線はD2、破線はD1に対応している。
図22(a)は、受光素子17の積算効果により合計された結果を示すグラフである。実施例1と同様に、2種の開口比による回折像に含まれる3倍波成分は互いに打ち消しあい、合計された結果は光学ギャップによらず低減されていることが分かる。
図22(b)は、基本波振幅と3倍波成分の絶対値振幅の比較を示すグラフである。実施例1と同様に、信号に寄与する基本波成分に対し、位置検出誤差要因となる3倍波成分が光学ギャップによらず十分に抑制されていることが分かる。但し、光学ギャップ(距離Z)に対する変動周期は、球面波をスケールに照射する場合に比べ、1/2になっている。このため、Z>(P/m)/(2・λ)となることが明らかである。
ここで、単位ブロックパターンKAのY方向の幅Wは、2種の格子開口比の成分が等しい重みづけとなるようにスケール上の検出領域のY方向幅の整数分の1とする。本実施例のように、等倍系であれば受光素子アレイ16のY方向の幅の整数分の1とすればよい。
以上のように、平面波をスケールに入射する場合であっても実施例1と同様の効果が得られる。
図23は、図1に示すトラック21に適用可能な実施例5のトラック21Dの部分拡大平面図である。トラック21Dは、Y方向に、3種類の領域(領域23、25、28)が順に並べられている。図23において、白色部は光を透過または吸収する非反射部22である。
図24Aは、(第1の)領域23のX方向の1周期分の単位ブロックパターンKFを示す平面図である。図24Bは、(第2の)領域25のX方向の1周期分の単位ブロックパターンKGを示す平面図である。図24Cは、(第3の)領域28のX方向の1周期分の単位ブロックパターンKHを示す平面図である。
領域23は、X方向のピッチP1(=127.204969μm)ごとに図24Aの単位ブロックパターンKFが配置されたパターン列からなる。領域23のY方向の幅はW1=50μmである。ピッチP1は領域23の変調周期(第1の変調周期)に対応する。
図24Aに示すように、領域23は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部24FのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<1μmの領域はX方向全域にわたって反射部24Fが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm≦Y<(W1)×1/4の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P1)×1/3の範囲に反射部24Fが形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W1)×1/4≦Y<(W1)×1/2−1μmの領域は中心線Xcからの距離XがX<(P1)×1/6の範囲に反射部24Fが形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W1)×1/2−1μm≦Yの領域はX方向全域にわたって反射部24Fが存在しない。反射部24Fはほぼ菱形形状を有して単位ブロックパターンKFの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
領域25は、X方向のピッチP2(=256μm)ごとに図24Bの単位ブロックパターンKGが配置されたパターン列からなる。領域25のY方向の幅はW2=50μmである。ピッチP2は領域25の変調周期(第2の変調周期)に対応する。
図24Bに示すように、領域25は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部24GのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<1μmの領域はX方向全域にわたって反射部24Gが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm≦Y<1μm+(W2−4μm)×1/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×11/24の範囲に反射部24Gが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W2−4μm)×1/8≦Y<1μm+(W2−4μm)×2/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×7/24の範囲に反射部24Gが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W2−4μm)×2/8≦Y<1μm+(W2−4μm)×3/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×5/24の範囲に反射部24Gが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W2−4μm)×3/8≦Y<1μm+(W2−4μm)×4/8の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P2)×1/24の範囲に反射部24Gが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W2−4μm)×4/8≦の領域はX方向全域にわたって反射部24Gが存在しない。反射部24Gはほぼ菱形形状を有して単位ブロックパターンKGの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
領域28は、X方向のピッチP3(=553.513514μm)ごとに図24Cの単位ブロックパターンKHが配置されたパターン列からなる。領域28のY方向の幅はW3=50μmである。ピッチP3は領域28の変調周期(第3の変調周期)に対応する。
図24Cに示すように、領域28は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部24HのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<1μmの領域はX方向全域にわたって反射部24Hが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm≦Y<1μm+(W3−4μm)/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×49/120の範囲、および(P3)×59/120<X<(P3)×60/120の範囲に反射部24Hが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W3−4μm)/12≦Y<1μm+(W3−4μm)×2/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×41/120の範囲に反射部24Hが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W3−4μm)×2/12≦Y<1μm+(W3−4μm)×3/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×31/120の範囲に反射部24Hが形成されている。
中心線Ycからの距離Yが1μm+(W3−4μm)×3/12≦Y<1μm+(W3−4μm)×4/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×29/120の範囲に反射部24Hが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W3−4μm)×4/12≦Y<1μm+(W3−4μm)×5/12の領域は中心線Xcからの距離XがX<(P3)×19/120の範囲に反射部24Hが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W3−4μm)×5/12≦Y<1μm+(W3−4μm)×6/12の領域は中心線Xcからの距離Xが(P3)×1/120<X<(P3)×11/120の範囲に反射部24Hが形成されている。中心線Ycからの距離Yが1μm+(W3−4μm)×6/12≦Yの領域はX方向全域にわたって反射部24Hが存在しない。反射部24Hはほぼ菱形形状を有して単位ブロックパターンKHの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
以下、単位ブロックパターンKF、KG、KHの設計方法について説明する。
領域23の単位ブロックパターンKFは3倍波成分を除去する設計であり、実施例1の設計方法と同様であるが、数式5、数式6における定数AおよびCの設定が異なる。本実施例では、C=1μm、A=(W−4μm)/2とする。単位ブロックパターンKFは、Y方向への反射部24Fの幅の積算が、本実施例での定数AおよびCの設定での数式7の関数Y(x)に等しい。この条件の下、Y方向に対称、かつ、開口比の順に並べることにより、図24Aに示す単位ブロックパターンKFが設計される。本実施例では、Y方向中心線Ycに近い順に、X方向の開口比(反射領域の割合)が大きい順に配列しているが、逆の順番にしてもよい。開口比0%および100%の領域は高調波発生に寄与しないので、実施例1と同様の高調波低減効果が得られる。
図24Aを図13Aと比較すると、まず、単位ブロックパターンKFは、対称線(第2の中心線)Ycを含んで単位ブロックパターンKFのX方向の幅P1だけX方向に延びる一定幅の矩形形状の領域KFaを中央に含んでいる。また、単位ブロックパターンKFは、X方向に延びる単位ブロックパターンKFのY方向の境界を規定する辺を含んで幅P1だけX方向に延びる一対の一定幅の矩形形状の領域KFbを有する。そして、本実施例は、領域KFaの開口比を100%に設定し、領域KFbの開口比を0%に設定している。なお、本実施例は、領域KFaのY方向における幅Wyaの半分(Wya/2)を領域KFbのY方向における幅Wybと等しくしているが、これに限定されるものではない。
Y方向においてパターンの開口比が極値を取る領域である、中央の領域KFaと端部の領域KFbは反射部24Fのパターンを形成する際にエッチング(特に、ウエットエッチング)工程において設計値に対する実際の線幅がばらつき易い箇所である。即ち、エッチング工程によって開口比が極大値をとる領域は線幅が細くなり易く、開口比が極小値を取る領域は線幅が太くなり易い。このバラツキによって各デューティ成分の比率がずれて高調波歪の低減効果が減少する、隣接パターンとの位相関係によって不要な反射領域ができて波形誤差が増大する、などの問題が発生する。
そこで、本実施例は、領域KFa、KFbの開口比を(開口比のY方向における単調増加または単調減少が維持されるように)変調信号0%または100%に設定した。開口比0%または100%の領域は高調波の発生に寄与しないからである。この結果、変調信号の生成に寄与しない領域KFa、KFbを除いた領域では、エッチングによる線幅ばらつきが仮に発生しても開口比がほぼ一定に維持される。
また、本実施例のように、領域KFa(開口率が最も高い第1の分割領域)の開口比を100%、領域KFb(開口率が最も低い第2の分割領域)の開口比を0%に設定すると、0%から100%に向かうY方向では、開口比は単調増加となる。要するに、単位ブロックパターンの中において、開口率が最も低い分割領域から開口率が最も高い分割領域に向かうに従って、その両者の間に挟まれた分割領域の開口率は単調に増加する。その逆も成り立つ。つまり、単位ブロックパターンの中において、開口率が最も高い分割領域と開口率が最も低い分割領域との間に挟まれた1つ以上(好ましくは複数)の分割領域の開口率は、開口率が最も高い分割領域から開口率が最も低い分割領域に向かうに従って、単調に低下する。
開口比0%の領域と開口比100%の領域の間に配置された領域の開口数を決定するに際し、図24Aでは、中央線Ycから上側と下側のそれぞれにある領域の開口比は、外側から中央線Ycに向かう方向で増加するように設定されているが、これは逆でもよい。
この場合、中央線Ycから上側では、(Y方向に沿って)中央線Ycから上側に向かう方向に開口比が順に0%、33%、67%、100%となるように各領域が配置される。同様に、中央線Ycから下側では、(Y方向に沿って)中央線Ycから下側に向かう方向に開口比が順に0%、33%、67%、100%となるように各領域が配置される。
中央線Ycに関する開口比の対称性は必ずしも必要ではない。また、後述する実施例6に示すように、中央線Ycから上側と下側で開口比が単調増加、減少となっていなくてもよい。
領域25の単位ブロックパターンKGは2倍波と3倍波の成分を除去する設計であり、実施例3の単位ブロックパターンKDの設計方法と同様であるが、数式31〜数式34における定数AおよびCの設定が異なる。本実施例では、C=0.5μm、A=(W−4μm)/4とする。単位ブロックパターンKGは、Y方向への反射部24Gの幅の積算が、本実施例での定数AおよびCの設定での数式35の関数Y(x)に等しい。この条件の下、Y方向に対称、かつ、開口比の順に並べることにより、図24Bに示す単位ブロックパターンKGが設計される。本実施例では、Y方向中心線Ycに近い順に、X方向の開口比(反射領域の割合)が大きい順に配列しているが、逆の順番にしてもよい。開口比0%および100%の領域は高調波発生に寄与しないので、実施例3の単位ブロックパターンKDと同様の高調波低減効果が得られる。
領域28の単位ブロックパターンKHは、2倍波成分、3倍波成分、5倍波成分を除去する設計であり、実施例3の単位ブロックパターンKEの設計方法と同様であるが、数式40〜数式47における定数AおよびCの設定が異なる。本実施例では、C=A/8−0.25μm、A=(W−4μm)/6とする。単位ブロックパターンKHは、Y方向への反射部24Hの幅の積算が、本実施例での定数AおよびCの設定での数式48の関数Y(x)に等しい。この条件の下、Y方向に対称、かつ、開口比の順に並べることにより、図24Cに示す単位ブロックパターンKHが設計される。本実施例では、Y方向中心線Ycに近い順に、X方向の開口比(反射領域の割合)が大きい順に配列しているが、逆の順番にしてもよい。開口比0%および100%の領域は高調波発生に寄与しないので、実施例3の単位ブロックパターンKEと同様の高調波低減効果が得られる。
以上、本実施例は、単位ブロックパターンKFのY方向における中央部の領域KFaと端部の領域KFbの開口比を0%または100%に設定している。これにより、エッチングによる線幅ばらつきが発生しても領域KFaとKFbのY方向幅が変動するだけで、高調波発生に寄与する領域のY方向の幅をほぼ一定に維持することができ、高精度なエンコーダを提供することができる。また、開口比の配列を中央線Ycによって形成された単位ブロックパターンの半分の領域内でY方向に単調増加または単調減少とすることによって数式1の条件を満足し易くしている。
図25は、実施例5の領域(第1の領域)23のX方向の1周期分の単位ブロックパターンKFの他の例を示す平面図である。それ以外の構成は実施例5と共通である。
領域23は、X方向のピッチP1(=127.204969μm)ごとに図25の単位ブロックパターンKFが配置されたパターン列からなる。領域23のY方向の幅はW1=50μmである。ピッチP1は領域23の変調周期(第1の変調周期)に対応する。
図25に示すように、領域23は単位ブロックパターン内のY方向の位置によって反射部24FのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<1μmの領域はX方向全域にわたって反射部24Fが存在しない。中心線Ycからの距離Yが1μm≦Y<(W1)×1/4−1μmの領域は中心線Xcからの距離XがX<(P1)×1/3の範囲に反射部24Fが形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W1)×1/4−1μm≦Y<(W1)×1/4+1μmの領域はX方向全域にわたって反射部24Fが形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W1)×1/4+1μm≦Y<(W1)×1/2−1μmの領域は中心線Xcからの距離XがX<(P1)×1/6の範囲に反射部24Fが形成されている。中心線Ycからの距離Yが(W1)×1/2−1μm≦Yの領域はX方向全域にわたって反射部24Fが存在しない。
図24Aと同様に、本実施例は、領域KFa、KFbの開口比を(開口比のY方向における単調増加または単調減少が維持されるように)変調信号の生成に寄与しない値(ここでは、共に0%)に設定した。この結果、変調信号の生成に寄与しない領域KFa、KFbを除いた領域では、エッチングによる線幅ばらつきが仮に発生しても開口比がほぼ一定に維持される。
図24Aと異なり、本実施例は、領域KFaの開口比を0%に設定し、開口比100%の領域KFcを設けている。これによって、中心線Ycの上側(単位ブロックパターンKFの半分の領域)では、中心線Ycから外側に向かって、開口比が最小値である0%、67%、開口比が最大値である100%、33%、0%となっている。即ち、図24Aの中心線Ycの上側では、開口比が単調減少となる配列が形成されているが、本実施例では開口比が単調増加となる配列の開口比の最大値から単調減少となる配列が結合されている。このような、開口比が単調増加となる配列領域、開口比が単調減少となる配列領域が複数結合されてもよく、この結果、開口比の単調増加と単調減少は繰り返されてもよい。このような配置も、図24Aと同様に、数式1を満足し易くなる。一般には、開口比が0%と100%の領域を全て除去してY方向に結合したパターンが数式1を満足するように構成されていればパターンの検出精度は維持される。
以上、本実施例は、単位ブロックパターンKFのY方向における中央部の領域KFaと端部の領域KFbの開口比を0%に設定している。これにより、エッチングによる線幅ばらつきが中央部と端部で発生しても領域KFaとKFbのY方向幅が変動するだけで、高調波発生に寄与する領域のY方向の幅をほぼ一定に維持することができ、高精度なエンコーダを提供することができる。また、開口比の配列を中央線Ycによって形成された単位ブロックパターンの半分の領域内でY方向に単調増加・単調減少が結合したものとすることによって数式1の条件を満足し易くしている。
図26は、実施例7のエンコーダのブロック図である。固定部に取り付けられるセンサユニット10B、不図示の可動部に取り付けられるスケール20B、信号処理回路(信号処理手段)30を有する。スケール20Bは、X方向とY方向ともに移動可能である。センサユニット10B内の光源12から出射した発散光束はスケール20Bのトラック21に照射され、トラック21で反射した光束はセンサユニット10Bの2つの受光素子アレイ16A、16Bに受光される。受光素子アレイ16A、16Bは、トラック21の反射率分布が2倍拡大された像として受光する。受光素子アレイ16A、16Bによって受光された光束は電気信号に変換され、信号処理回路30に送られる。受光素子アレイ16AはX方向の移動量、光素子アレイ16BはY方向の移動量をそれぞれ検出する。信号処理回路30は、受光素子アレイ16A、16Bからの出力を位置情報に変換し、スケール20BのX方向およびY方向の位置情報を高精度に取得および出力する。
図27は、センサユニット10BをZ方向から見た図である。本実施例では、センサユニット10B内に、互いにXY平面内にて90度傾けられて配された2つの受光素子アレイ16A、16Bを備える。
図28は、図26に示すトラック21に適用可能なトラック21Eの部分拡大平面図である。トラック21Eは、点線で示す単位ブロックパターンKIを、スケール20Bの移動方向(測位方向、すなわちX方向およびY方向)にそれぞれ周期的に並べたパターンとなっている。図28において、白色部は光を透過または吸収する非反射部22である。
本実施例では、測位方向は互いに直交する2方向であり、測位方向に垂直な方向は互いに直交する2方向の一方を測位する場合の互いに直交する2方向の他方であり、X方向においてもY方向においても数式1が成立する。
図29は、単位ブロックパターンKIの拡大平面図である。単位ブロックパターンKIは、X方向(第1の方向)の幅Px(ピッチPx)が64μm、Y方向(第2の方向)の幅Py(ピッチPy)が64μmであり、反射膜から構成されて光を反射するパターンである反射部24Iと非反射部22から構成されている。
単位ブロックパターンKI内のY方向の位置によって、反射部24IのX方向の幅が異なる。中心線Ycからの距離YがY<Py×1/6の領域は、中心線Xcからの距離XがX<Px×1/3の範囲に反射部24Iが形成されている。同様に、中心線Ycからの距離YがPy×1/6<Y<Py×1/3の領域は中心線Xcからの距離XがX<Px×1/6の範囲に反射部24Iが形成されている。中心線Ycからの距離YがY>Py×1/3の領域はX方向全域にわたって反射部24Iが存在しない。反射部24Iは十字形状を有して単位ブロックパターンKIの中心線Xc、Ycの両方に関して対称に形成されている。
本実施例の2つの受光素子アレイ16A、16Bは、ともに図3に示す実施例1のものと同様であるが、Y方向の幅Ypdが異なる。
本実施例ではYpd=512μmである。スケール上のパターンは2倍の拡大投影となるため、受光素子アレイ16Aのスケール上の検出範囲はY方向に256μm、X方向に512μmの範囲となる。よって、受光素子アレイ16Aのスケール上の検出範囲には、単位ブロックパターンKIがY方向に4周期分含まれる。
受光素子アレイ16Aのスケール上の検出領域に含まれる反射領域をY方向に積算した幅は、位置xにおいて4A・rect(2・x/Px−2N+(・・・((±1/2a)±1/2b)±1/2c)・・・)))で表される複数の矩形関数の合計に等しい。本実施例は、3倍波を低減するために、a=3と設定し、b以降は設定しない(0に設定している)。
受光素子アレイ16Bのスケール上の検出範囲はY方向に512μm、X方向に256μmの範囲となる。よって、受光素子アレイ16Bのスケール上の検出範囲には、単位ブロックパターンKIがX方向に4周期分含まれる。
受光素子アレイ16Bのスケール上の検出領域内に含まれる反射領域をX方向に積算した幅は、位置yにおいて4A・rect(2・y/Py−2N+(・・・((±1/2a)±1/2b)±1/2c)・・・)))で表される複数の矩形関数の合計に等しい。本実施例は、3倍波を低減するために、a=3と設定し、b以降は設定しない(0に設定している)。
なお、本実施例ではPxとPyを等しくしているが、本発明はそれに限るものではなく、PxとPyを異ならせても同様な効果を得ることができる。その場合、受光素子アレイ16Aのスケール上の検出範囲のY方向幅を、単位ブロックパターンKIのY方向幅の整数倍にする。また、受光素子アレイ16Bのスケール上の検出範囲のX方向幅を、単位ブロックパターンKIのX方向幅の整数倍にする。
以上、本実施例では2次元の検出が行えるエンコーダであって、X方向の検出、Y方向の検出、ともに実施例1と同様な3倍波の減衰効果が得られる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、本発明のエンコーダを有する位置検出装置に適用可能である。この位置検出装置は、移動部と、この移動部の位置を検出するように構成された、上述のエンコーダを有する点を特徴とする。ここで、移動部にはスケールを設け、位置検出装置内の固定部には光源と検出素子(受光素子)を設けることにより、固定部に対する移動部の位置を正確に検出することが可能となる。また、本発明はレンズ装置や撮像装置を含む光学機器などにも適用可能である。光学機器は、ズーミング時に移動する変倍レンズ群や合焦(調整)時に移動する合焦レンズ群や光量調整時に駆動される絞りの移動光学ユニットを含む光学系と、移動光学ユニットの位置を検出する本発明のエンコーダと、を含む。本発明を適用した光学機器においては、変倍群或いは合焦レンズ群にスケールを設け、変倍時や合焦時に移動しない固定部に光源と検出素子(受光素子)を設けることにより、変倍レンズ群の位置や合焦レンズ群の位置を検出することができる。
また、本発明は光学式エンコーダとして記載しているが、磁気式エンコーダにも適用可能である。すなわち、本発明のスケールにおいて、反射部と非反射部(透過部、吸収部)のそれぞれをS極或いはN極とし、光源及び検出素子(受光素子)を磁力センサーに置き換えれば、磁気式エンコーダにも適用可能である。
エンコーダは位置(変位)を検出する用途に適用することができる。
12…光源、16…受光素子アレイ、17…受光素子、20、20A…スケール、24A〜C、26、29…反射部(パターン)、KA〜KE…単位ブロックパターン

Claims (17)

  1. 光源と、受光素子と、前記光源からの光を反射または透過することによって前記受光素子に導くパターンを含む複数の単位ブロックパターンを含み、前記光源および前記受光素子に対して相対移動可能に設けられたスケールと、を備えるエンコーダであって、
    前記複数の単位ブロックパターンは、測位方向に沿って、ピッチPの周期で配置されており、
    前記単位ブロックパターンの前記パターンは、前記測位方向に垂直な対称線に関して対称な形状であり、
    各単位ブロックパターンは前記測位方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域を含み、
    各分割領域において前記パターンの面積を前記分割領域の面積で割った値である前記パターンの面積比は、隣接する2つの分割領域の間で異なり、
    各分割領域において、前記パターンは、前記測位方向に延びる2つの平行な直線と前記測位方向に垂直な方向に延びる2つの平行な直線によって規定される矩形形状を有し、前記複数の分割領域のうち、少なくとも2つの分割領域によってそれぞれ形成される前記受光素子上の干渉像に含まれる特定次数の高調波成分の位相が反転している
    ことを特徴とするエンコーダ。
  2. 各単位ブロックパターンの前記パターンの前記測位方向に垂直な方向の幅の積算が、
    R(x)=A・rect((x−P・N)/B+P/(2・B)×(…((±1/2a)±1/2b)±1/2c)…)))−C
    で表される複数の矩形関数の合計に等しくなるような形状を有することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
    但し、R(x)は前記複数の矩形関数の合計、rect(x)は矩形関数で|x|≦1/2のときに1で|x|≦1/2ではないときに0であり、xは前記対称線からの前記測位方向における距離、A、B、Cは任意の係数、a、b、c、…は自然数、Nは整数である。
  3. Bは前記ピッチPの半分であることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ。
  4. 前記複数の矩形関数の合計の最小値が0で、最大値が前記単位ブロックパターンの前記測位方向に垂直な方向の幅であることを特徴とする請求項2又は3に記載のエンコーダ。
  5. 各単位ブロックパターンの前記パターンは、前記測位方向に延びる対称線に関して対称な形状を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のエンコーダ。
  6. 前記受光素子は、前記スケールに相対的に移動するように配置され、前記スケールからの光の分布を検出する複数の検出素子が移動方向に並べられた検出素子アレイを有し、
    前記光源の発光領域の前記測位方向の大きさが2P以下であり、
    前記光源からの発散光が前記スケールに照射され、
    mをa、b、c、…の自然数の最大値とするとZは次式を満たすことを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
    Z>(P/m)/λ
    但し、λは前記光の波長、Zは前記スケールと前記検出素子の検出面との距離である。
  7. 前記受光素子は、前記スケールに相対的に移動するように配置され、前記スケールからの光の分布を検出する複数の検出素子が移動方向に並べられた検出素子アレイを有し、
    前記エンコーダは前記光源からの光束を平面波に変換するコリメートレンズを更に有し、
    該コリメートレンズを通過した前記光源からの光が前記スケールに照射され、
    mをa、b、c、…の自然数の最大値とするとZは次式を満たすことを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
    Z>(P/m)/(2・λ)
    但し、λは前記光の波長、Zは前記スケールと前記検出素子の検出面との距離である。
  8. 前記スケールは、前記単位ブロックパターンとは異なる複数の第2の単位ブロックパターンを更に有し、
    前記複数の第2の単位ブロックパターンは、前記測位方向に沿って、前記ピッチPとは異なるピッチで配置されており、
    前記複数の第2の単位ブロックパターンの各々は、前記光源からの光を反射または透過することによって前記受光素子に導く第2のパターンを含んでおり、
    前記第2のパターンは、前記測位方向に垂直な対称線に関して対称な形状であり、
    各第2の単位ブロックパターンは前記測位方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域を含み、
    前記第2の単位ブロックパターンの各分割領域において前記第2のパターンの面積を前記第2の単位ブロックパターンの前記分割領域の面積で割った値である前記第2のパターンの面積比は、前記第2の単位ブロックパターンの隣接する2つの分割領域の間で異なり、
    前記第2の単位ブロックパターンの各分割領域において、前記第2のパターンは、前記測位方向に延びる2つの平行な直線と前記測位方向に垂直な方向に延びる2つの平行な直線によって規定される矩形形状を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
  9. 前記複数の分割領域にうちの1つの分割領域において、前記パターンの前記測位方向の幅と前記単位ブロックパターンの前記測位方向の幅とが一致している
    ことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
  10. 前記複数の分割領域にうちの1つの分割領域には前記パターンがない
    ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
  11. 前記複数の分割領域は、前記パターンの面積比が最も高い第1の分割領域と、前記パターンの面積比が最も低い第2の分割領域と、前記第1の分割領域と前記第2の分割領域との間に挟まれた1つ以上の分割領域とを含んでおり、
    前記1つ以上の分割領域における前記パターンの面積比は、前記第1の分割領域から前記第2の分割領域に向かって単調に減少している、ことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
  12. 前記第1の分割領域の前記パターンの前記測位方向の幅と前記第1の分割領域の前記測位方向の幅が一致し、前記第2の分割領域には前記パターンがないことを特徴とする請求項11に記載のエンコーダ。
  13. 前記測位方向は互いに直交する2方向であり、前記測位方向に垂直な方向は前記互いに直交する2方向の一方を測位する場合の前記互いに直交する2方向の他方であることを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のエンコーダ。
  14. 移動部と、前記移動部の位置を検出する、請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載のエンコーダと、を備えることを特徴とする位置検出装置。
  15. 移動光学ユニットを含む光学系と、該移動光学ユニットの位置を検出する、請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載のエンコーダと、を備えることを特徴とする光学機器。
  16. 光源からの光を反射または透過することによって受光素子に導くパターンを含む複数の単位ブロックパターンを含み、前記光源および前記受光素子に対して相対移動可能に設けられたスケールであって、
    前記複数の単位ブロックパターンは、測位方向に沿って、ピッチPの周期で配置されており、
    前記単位ブロックパターンの前記パターンは、前記測位方向に垂直な対称線に関して対称な形状であり、
    各単位ブロックパターンは前記測位方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域を含み、
    各分割領域の前記パターンの面積を前記分割領域の面積で割った値である前記パターンの面積比は、隣接する二つの分割領域の間で異なり、
    各分割領域において、前記パターンは、前記測位方向に延びる2つの平行な直線と前記測位方向に垂直な方向に延びる2つの平行な直線によって規定される矩形形状を有し、前記複数の分割領域のうち、少なくとも2つの分割領域によってそれぞれ形成される前記受光素子上の干渉像に含まれる特定次数の高調波成分の位相が反転している
    ことを特徴とするスケール。
  17. 前記パターンの前記測位方向に垂直な方向の幅の積算が、
    R(x)=A・rect((x−P・N)/B+P/(2・B)×(…((±1/2a)±1/2b)±1/2c)…)))−C
    で表される複数の矩形関数の合計に等しくなるような形状を有することを特徴とする請求項16に記載のスケール。
    但し、R(x)は前記複数の矩形関数の合計、rect(x)は矩形関数で|x|≦1/2のときに1で|x|≦1/2ではないときに0であり、xは前記対称線からの前記測位方向における距離、A、B、Cは任意の係数、a、b、c、…は自然数、Nは整数である。
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