JP6000759B2 - スケール、エンコーダ、レンズ装置、および、撮像システム - Google Patents

スケール、エンコーダ、レンズ装置、および、撮像システム Download PDF

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Description

本発明は、エンコーダ、および、エンコーダに用いられるスケールに関する。
特許文献1には、測定方向(移動方向)と直交するラテラル方向のずれを検出するためのずれ量検出センサを設けて、スケールと検出器のずれを表示できるようにしたエンコーダが開示されている。このような構成により、検出器とスケールを所定の位置関係に合わせて固定することが可能となり、良好な信号特性が得られる。
特開2011−237231号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエンコーダでは、ずれ量検出センサ、および、ずれ量検出センサから得られた出力信号をマイコン(信号処理回路)に接続するための周辺回路などが必要となる。このため、エンコーダの大型化およびコストアップの要因となる。また、測定方向(移動方向)と垂直な方向(ラテラル方向)の検出を行うスケール領域と、測定方向の検出を行うスケール領域とが互いに離れて配置されている。このため、ヨーイングなどの姿勢変動により、両者にずれが生じて位置検出精度が劣化する。
そこで本発明は、小型かつ低コストで、移動方向と垂直な方向におけるスケールと検出手段との間の相対位置を高精度に検出可能なスケールおよびエンコーダを提供する。また、このようなエンコーダを用いたレンズ装置および撮像システムを提供する。
本発明の一側面としてのスケールは、エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有するスケールであって、移動方向に第1の変調周期を有する第1のパターンと、前記移動方向に前記第1の変調周期と異なる第2の変調周期を有する第2のパターンとを有し、前記第1のパターンは、前記移動方向に垂直な方向に配置された複数の第1のパターン列を含み、前記第2のパターンは、前記移動方向に垂直な方向に配置された複数の第2のパターン列を含み、前記複数の第1のパターン列と前記複数の第2のパターン列とは、前記移動方向に垂直な方向に交互に配置され、前記複数の第1のパターン列のうち一つと前記複数の第2のパターン列のうち一つの間の前記移動方向における相対的な位置と、前記複数の第1のパターン列のうち他の一つと前記複数の第2のパターン列のうち他の一つの間の前記移動方向における相対的な位置とは、互いに異なる
本発明の他の側面としてのエンコーダは、エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有するスケールと、前記スケールに対して相対移動可能に構成され、前記エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向に配列された検出手段と、前記検出手段の出力信号を処理して位置情報を取得する信号処理手段とを有し、前記スケールは、前記移動方向に第1の変調周期を有する第1のパターン、および、前記移動方向に前記第1の変調周期と異なる第2の変調周期を有する第2のパターンを有し、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの相対的な位相は、前記移動方向と垂直な方向に応じて変化しており、前記信号処理手段は、前記第1のパターンから第1の位相を取得する第1の位相取得手段、および、前記第2のパターンから第2の位相を取得する第2の位相取得手段を有し、該第1の位相および該第2の位相に基づいて前記位置情報を取得する。
本発明の他の側面としてのレンズ装置は、光軸方向に変位可能なレンズと、前記レンズの変位を検出するように構成された前記エンコーダとを有する。
本発明の他の側面としての撮像システムは、前記レンズ装置と、前記レンズを介して光学像の光電変換を行う撮像素子を有する撮像装置とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、小型かつ低コストで、移動方向と垂直な方向におけるスケールと検出器との間の相対位置を高精度に検出可能なスケールおよびエンコーダを提供することができる。また、このようなエンコーダを用いたレンズ装置および撮像システムを提供することができる。
実施例1、2、4におけるエンコーダの概略構成図である。 実施例1におけるトラックの部分平面図である。 実施例1〜4におけるパターンの拡大平面図である。 実施例1〜4におけるパターンの拡大平面図である。 実施例1における受光素子アレイの受光面の平面図である。 実施例1における受光素子アレイの受光面の平面図である。 実施例1における別形態のトラックの部分平面図である。 実施例1における別形態のトラックの部分平面図である。 実施例2、4におけるトラックの部分平面図である。 実施例2〜4におけるパターンの拡大平面図である。 実施例2、3における受光素子アレイの受光面の平面図である。 実施例2、3における受光素子アレイの受光面の平面図である。 実施例2、3における受光素子アレイの受光面の平面図である。 実施例2における検出信号とスケール位置との関係を示す図である。 実施例3におけるエンコーダの概略構成図である。 実施例3におけるトラックの部分平面図である。 実施例3におけるトラックの部分平面図である。 実施例3における検出信号とスケール位置との関係を示す図である。 実施例4における受光素子アレイの受光面の平面図である。 実施例5における撮像システムの断面模式図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1におけるエンコーダの構成について説明する。本実施例のエンコーダは、可動部(被測定物)の位置(変位)を検出するために用いられる。図1は、本実施例におけるエンコーダ100Aの概略構成図である。エンコーダ100Aは、固定部(不図示)に取り付けられるセンサユニット10A(検出手段)、可動部(不図示)に取り付けられるスケール20、信号処理回路30(信号処理手段)、および、記憶装置40を備えて構成される。なお、本実施例はこれに限定されるものではなく、センサユニット10Aとスケール20とが相対的に移動可能に構成されていれば、逆に、センサユニット10Aを可動部に取り付け、スケール20を固定部に取り付けてもよい。
センサユニット10Aは、LEDなどの光源12Aと、受光素子アレイ16Aを有する受光IC14Aとが同一パッケージ内に実装されて構成された受発光一体型のセンサユニットである。受光素子アレイ16Aは、スケール20のパターンからのエネルギー分布を検出する複数の検出素子(複数の受光素子)が、スケール20(または可動部)の移動方向(測長方向)であるX方向に配列された検出素子アレイとして機能する。本実施例において、エネルギー分布は光分布であるが、これに限定されるものではない。本実施例は、エネルギー分布として磁気分布または電気分布などを用いる場合にも適用可能である。従って、エネルギー分布の変調は、例えば光分布(光量分布、時間或いは空間的な光量分布)を反射率分布を持つスケール等に照射することにより変調することを意味している。磁気分布や電気分布においても同様である。このようにセンサユニット10Aは、スケール20に対して相対移動可能に構成され、エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向(X方向)に配列されている。
スケール20は、トラック21Aを有する。トラック21Aには、ガラス基板上にクロム反射膜で形成された複数のパターンを有するパターン列が形成されている。トラック21Aに形成された複数のパターンは、エネルギー分布(光分布、磁気分布、電気分布など)を空間変調するように構成されている。このようにスケール20は、エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有する。
トラック21Aには、X方向(移動方向)に垂直なY方向において、X方向に互いに異なるピッチ(変調周期)を有する複数の領域が設けられている。例えば複数の領域として2種類の領域が設けられている場合、トラック21Aには、X方向に第1のピッチ(第1の変調周期)の第1のパターンを有する第1の領域とX方向に第2のピッチ(第2の変調周期)の第2のパターンを有する第2の領域とが設けられる。第1の変調周期と第2の変調周期は互いに異なっている。また、後述のように、第1のパターンと第2のパターンとの相対的な位相は、移動方向と垂直な方向(Y方向)に応じて変化している。
なお本実施例において、受光素子アレイ16Aはスケール20のパターンの反射光を受光するように構成されているが、本実施例はこれに限定されるものではない。本実施例は、スケール20のパターンの透過光を受光するように構成されている場合にも適用可能である。すなわち、受光素子アレイ16Aがスケール20のパターンからの光を受光可能に構成されていれば、その光はパターンからの反射光または透過光のいずれでもよい。
信号処理回路30は、センサユニット10Aの受光素子アレイ16Aの出力信号を処理して位置情報に変換する。すなわち信号処理回路30は、センサユニット10Aの出力信号を処理して位置情報を取得する。また信号処理回路30は、センサユニット10Aで得られたエンコーダ信号の内挿処理や、記憶装置40への信号の書き込み、および、読み出しを行う。信号処理回路30は、信号分離手段31、第1の位相取得手段32、第2の位相取得手段33、位置情報取得手段34、および、Y方向位置情報取得手段35を有する。また信号処理回路30は、ノイズフィルタ、増幅回路、および、A/D変換回路(不図示)を有する。
信号分離手段31は、受光素子アレイ16Aからの出力信号をトラック21Aの各領域(第1の領域、第2の領域)に対応する信号に分離する機能を有する。信号分離手段31は、本実施例のように、受光IC14Aが空間分解能切り替え機能およびその機能を実現するためのスイッチ回路を有する場合、スイッチ回路に対して空間分解能(接続)を切り替えるための信号を送信する。一方、受光IC14Aが空間分解能切り替え機能およびその機能を実現するためのスイッチ回路を有しない場合、高速フーリエ変換(FFT)を行うことによって、受光素子アレイ16Aからの出力信号を分離することができる。このように信号分離手段31は、第1のパターン(第1の領域)に対応する第1の信号および第2のパターン(第2の領域)に対応する第2の信号を分離する。また信号分離手段31は、受光素子アレイ16Aに、パターンピッチごと(領域ごとに)に別々の受光面を有する受光素子を設けることにより実現してもよい。
第1の位相取得手段32は、受光素子アレイ16Aの出力信号(第1の領域における第1のパターンからの出力信号)に対して逆正接演算を行うことにより、第1の領域におけるエネルギー分布の位相信号Φ1(第1の位相)を取得する。第1の位相取得手段32は、後述の相対位置信号取得手段として機能してもよい。第2の位相取得手段33は、受光素子アレイ16Aの出力信号(第2の領域における第2のパターンからの出力信号)に対して逆正接演算を行うことにより、第2の領域におけるエネルギー分布の位相信号Φ2(第2の位相)を取得する。なお、トラック21Aに第1のピッチおよび第2のピッチと異なる第3のピッチ(第3の変調周期)を有する領域(第3の領域)が設けられている場合、それに応じて信号処理回路30には第3の位相取得手段36が設けられる。
位置情報取得手段34は、第1の位相および第2の位相(および第3の位相)に基づいてスケール20の位置情報を取得する。位置情報取得手段34は、スケール20の相対位置を表す相対位置信号を取得する相対位置信号取得手段とスケール20の絶対位置を表す絶対位置信号を取得する絶対位置信号取得手段とを備えてもよい。
スケール20の位置情報を検出する際、センサユニット10Aに設けられた光源12Aから出射した発散光束は、スケール20のトラック21Aに照射される。そして、トラック21Aで反射した光束は、センサユニット10Aの受光素子アレイ16Aによって受光される。受光素子アレイ16Aは、トラック21Aの反射率分布が2倍拡大された像として受光する。受光素子アレイ16Aで受光された光束は、電気信号に変換され、エンコーダ信号として信号処理回路30に送られる。信号処理回路30は、受光素子アレイ16Aからの出力信号を位置情報に変換し、スケール20の位置情報を高精度に取得して出力する。
次に、図2を参照して、本実施例におけるトラック21Aの構成について説明する。図2は、トラック21Aの部分平面図である。トラック21Aは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域23、領域24)が交互に(順番に)配列されている。領域24(第2の領域)において、Y方向のN番目の領域24−Nの周期に対し、N+1番目の領域24−(N+1)の周期は、−10μmだけX方向にシフトした配置になっている。このように、領域24は領域24−1、24−2、24−3、24−4、24−5、…を備えて構成される。領域23は上述の第1の領域に相当し、領域24は上述の第2の領域に相当する。図2において、白色部は、光を透過または吸収する非反射部25である。また黒色部は、後述のように、光を反射する反射部26、27、28である。
続いて、図3を参照して、領域23(第1の領域)の構成について説明する。図3は、領域23のX方向の1周期分を示す拡大平面図である。領域23は、X方向のピッチP1(第1の変調周期(本実施例では128μm))ごとに図3に示されるパターンを有するパターン列からなる。各パターンは、反射膜からなり光を反射する反射部26と非反射部25とから構成されている。ピッチP1は、上述した第1の変調周期として機能する。本実施例において、領域23のY方向の幅W1は75μmである。
反射部26のX方向の幅は、領域23のY方向の位置に応じて異なる。Y方向の中心からの距離がW1/8以下の範囲においては、反射部26のX方向の幅はP1×23/30である。Y方向の中心からの距離がW1/8からW1/4までの範囲では、反射部26のX方向の幅はP1×17/30である。Y方向の中心からの距離がW1/4からW1×3/8までの範囲では、反射部26のX方向の幅はP1×13/30である。Y方向の中心からの距離がW1×3/8からW1/2までの範囲では、反射部26のX方向の幅はP1×7/30である。
続いて、図4を参照して、領域24(第2の領域)の構成について説明する。図4は、領域24のX方向の1周期分を示す拡大平面図である。領域24は、X方向のピッチP2(第2の変調周期(本実施例では256μm))ごとに図4に示されるパターンを有するパターン列からなる。各パターンは、反射膜からなり光を反射する反射部27、28と非反射部25とから構成されている。ピッチP2は、上述した第2の変調周期として機能する。本実施例において、領域24のY方向の幅W2は75μmである。
反射部27、28のX方向の幅は、領域24のY方向の位置に応じて異なる。Y方向の中心からの距離がW2/6以下の範囲においては、反射部27のX方向の幅はP2×70/96である。また、この領域には、周期両端からそれぞれP2×3/96の幅で反射部28が形成されている。Y方向中心からの距離がW2/6からW2×1/3までの範囲では、反射部27のX方向の幅はP2×54/96である。Y方向の中心からの距離がW2×1/3からW2×1/2までの範囲では、反射部27のX方向の幅はP2×22/96である。
このように、第1のパターン(第1の領域)および第2のパターン(第2の領域)は、それぞれ、光を反射する反射部および光を反射しない非反射部を備えて構成されている。そして、移動方向(X方向)における反射部の幅は、移動方向に垂直な方向(Y方向)において異なっている。
続いて、図5および図6を参照して、本実施例における受光素子アレイ16Aの構成について説明する。図5および図6は、受光素子アレイ16Aの受光面の平面図である。受光素子アレイ16Aは、64個の受光素子17AがX方向に32μmピッチで配列されている。一つの受光素子17AのX方向の幅X_pdは32μmであり、Y方向の幅Y_pdは900μmである。また、受光素子アレイ16Aの全幅X_totalは2048μmである。スケール20上のパターンは、2倍の拡大投影となるため、スケール20上の検出範囲は、Y方向に450μm、X方向に1024μmの範囲となる。領域24、25のY方向の幅W1、W2はいずれも75μmであるため、スケール20上の検出範囲には、位置検出方向に128μmのピッチを有する領域23と、256μmのピッチを有する領域24がY方向にそれぞれ3ライン分ずつ含まれる。
各受光素子17Aからの出力信号はスイッチ回路18に入力される。スイッチ回路18は、後段の4つの初段増幅器(不図示)に接続されている。スイッチ回路18は、全ての受光素子17Aの出力信号から所定の出力信号のみを選択的に出力するように切り替える。スイッチ回路18により選択された信号は、4つの初段増幅器に出力される。4つの初段増幅器には、出力端子A+、B+、A−、B−(それぞれ、A+相、B+相、A−相、B−相を示す)に対応する受光素子17Aがそれぞれ接続される。このような構成により、4つの初段増幅器には、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)が出力される。
また、スイッチ回路18は、信号処理回路30の信号分離手段31からの入力によって、受光素子17Aと出力端子との接続を切り替え可能に構成されている。このため、複数の受光素子17Aにおいて電気的に加算される間隔が切り替えられる。信号処理回路30からの入力がハイレベルの場合、図5に示されるように、スケールパターンが128μm(反射像周期256μm)の検出ピッチとなり、領域23からの周期信号のみを分離することができる。一方、信号処理回路30からの入力がローレベルの場合、図6に示されるように、スケールパターン256μm(反射像周期512μm)の検出ピッチとなり、領域24からの周期信号のみを分離することができる。
4相正弦波状信号の相対位相は、それぞれの検出ピッチに対し、S(A+)を基準とすると、S(B+)は約+90度、S(A−)は約+180度、S(B−)は約+270度の関係にある。信号処理回路30は、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)に対して以下の式(1)、(2)で表される演算を行うことにより、直流分が除去された2相正弦波状信号S(A)、S(B)を生成する。
S(A)=S(A+)−S(A−) … (1)
S(B)=S(B+)−S(B−) … (2)
ここで、スイッチ回路18への入力がローレベルの場合、S(A)は、スケールピッチ128μmの像に対してS(A+)とS(A−)が同位相成分となる。このため、式(1)の差動演算の結果、S(A+)とS(A−)は相殺される。S(B)についても同様である。
信号処理回路30の第1の位相取得手段32は、スイッチ回路18への入力がハイレベルのときのS(A)、S(B)に基づいて、領域23のエネルギー分布の位相信号Φ1(第1の位相)を以下の式(3)で表される演算によって取得する。ATAN2[Y,X]は、象限を判別して0〜2πの位相に変換する逆正接演算関数である。
Φ1=ATAN2[S(A),S(B)] … (3)
同様に、信号処理回路30の第2の位相取得手段33は、スイッチ回路18への入力がローレベルのときのS(A)、S(B)に基づいて、領域24のエネルギー分布の位相信号Φ2(第2の位相)を以下の式(4)で表される演算によって取得する。
Φ2=ATAN2[S(A),S(B)] … (4)
信号処理回路30の位置情報取得手段34は、第1の位相取得手段32の出力を相対位置信号として取得する。位置情報取得手段34は、相対位置信号の変化を計数することにより、スケール20が測定開始位置から所定周期として何周期目に位置するかの情報を取得することができる。なお、位置情報取得手段34は、受光IC14Aに空間分解能の切り替え機能およびスイッチ回路が設けられる場合、1つの位置情報取得手段のみで対応可能である。
次に、位置検出方向(図中X方向)と垂直な方向(図中Y方向)における、センサユニット10Aとスケール20との間の相対位置ずれを検出する方法について説明する。
信号処理回路30のY方向位置情報取得手段35は、以下の式(5)で表される演算に基づいて、信号Sy(位置信号)を取得する。
Sy=A・Φ1−B・Φ2 … (5)
ここで、A、Bは前記第1の変調周期をP1、前記第2の変調周期をP2としたときにA/B=P1/P2の関係を満たす任意の係数である。
また、Φ1およびΦ2は、第4象限から第1象限の間で値が2π飛ぶので、X方向の位置によらず値の連続性を保つために、以下のような処理を行うのが好ましい。
まず、A×k、B×kが共に整数となる係数kをSyにかけ、Syを置き換える。或いは、AおよびBを整数で設定すればよい。以下の実施例では、A、Bに対応する係数を整数で設定している。さらに、信号処理回路30により、Sy<−πの場合にはSy=Sy+2π、Sy>+πの場合にはSy=Sy−2πの演算を繰り返し行い、信号Syを−π〜+πの出力範囲に変換する。
続いて、信号Syが、センサユニット10Aとスケール20との間のY方向相対位置ずれに対応していることについて説明する。領域23のエネルギー分布の位相信号Φ1(第1の位相)は、Y方向の位置yによらず、X方向の位置xに対して以下の式(6)で表されるように近似することができる。
Φ1≒2π×(x/P1)+C1 … (6)
ここで、C1は所定の定数である。
一方、領域24のY方向における1周期の幅は150μmであり、1周期あたり10μmだけ位置がシフトしている。このため、領域24のエネルギー分布の位相信号Φ2(第2の位相)は、位置x、位置yに対して以下の式(7)で表されるように近似することができる。
Φ2≒2π×(x/P2)+2π×(y/P2)×(10/150)+C2 … (7)
ここで、C2は所定の定数である。
このとき、P1/P2=1/2の関係が成立するため、式(5)はSy=1・Φ1−2・Φ2と表される。そして式(5)の演算結果は、以下の式(8)のように表すことができる。
Sy≒y×(−4π/(15×P2))+(C1−2×C2) … (8)
このように信号Syは、X方向の位置によらず、Y方向の位置に対して線形(または略線形)に変化する。
取得した信号Syの値をモニタすることにより、センサ(センサユニット10A)の走査ラインのずれ量および方向を容易に検出することができる。また、信号Syの値に応じてLEDランプを点灯させるなどすれば、より簡易に位置合わせを行うことが可能である。例えば、スケール20上の読み取り位置がY方向の幅の中央(略中央)にてSy=0となるように、スケールパターンを設計する。Sy<0の場合には赤で点灯、Sy>0の場合には青で点灯、Sy≒0の場合には白で点灯、のようにすることで、ずれの方向が一目瞭然となり、作業者はセンサユニット10Aとスケール20との間の相対位置決めを容易に行うことができる。また、スイッチ回路18への入力の切り替え前後で、時間差なく(小さい時間差で)信号を取得することにより、同一位置(略同一位置)での位相信号Φ1、Φ2を得ることができる。
本実施例では、図5および図6に示されるように、受光素子アレイ16Aに含まれる複数の受光素子17Aの少なくとも一部は、位相信号Φ1を取得する受光素子、および、位相信号Φ2を取得する受光素子として、共用される。このため、従来のように両方の位相信号を取得する受光素子を別々に設ける場合と比較して、受光素子アレイが小型になる。
スケール20が高速移動中である場合、同期性は低下する。この場合には、複数回の取り込みを行って位相の平均を取るようにして同期性を確保することが好ましい。まず、検出ピッチ128μmでS(A+)、S(A−)、S(B+)、S(B−)を取得し、スイッチ回路18への入力をハイレベルからローレベルへ切り替える。続いて、検出ピッチ256μmでS(A+)、S(A−)、S(B+)、S(B−)を取得し、スイッチ回路18への入力をローレベルからハイレベルへ切り替え、再度検出ピッチ128μmでS(A+)、S(A−)、S(B+)、S(B−)を取得する。それぞれの取得タイミングのインターバルは、略一定とする。これらに基づいて演算した1回目の位相信号Φ1と2回目の位相信号Φ1の平均を取ることによって、位相信号Φ1と位相信号Φ2の同期性を向上させることができる。
なお、本実施例のトラック21Aは、スケール移動方向(X方向)に互いに異なるピッチ(変調周期)を有する2つの領域が、スケール移動方向に垂直な方向(Y方向)に周期的に配列されているが、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、トラック21Aに代えて、図7に示されるようなトラック21Dを用いることもできる。図7は、本実施例における別形態のトラック21Dの部分平面図である。
図7に示されるように、トラック21Dには、第1の変調周期(128μm)の第1のパターンを有する領域23D(第1の領域)が形成されている。またトラック21Dには、第2の変調周期(256μm)の第2のパターンを有する領域24D−1、領域24D−2(複数の第2の領域)が形成されている。そして、領域23D(第1の領域)は、移動方向に垂直な方向(Y方向)において、領域24D−1、領域24D−2(複数の第2の領域)のそれぞれに隣接して挟まれている。領域24D−1は、領域24D−2に対して、−43μmだけX方向にシフトしている。図7において、白色部は光を透過または吸収する非反射部25である。
領域23D、領域24D−1、領域24D−2のY方向の幅は、それぞれ225μmである。このため、領域23DのY方向の中心と、受光素子アレイ16Aによるスケール20上の検出範囲が一致している場合、領域23Dが検出範囲であるY幅の1/2、領域24D−1と領域24D−2がそれぞれ検出範囲であるY幅の1/4ずつ含まれる。領域23DのY方向の中心と、受光素子アレイ16Aによるスケール20上の検出範囲がずれた場合、領域24D−1と領域24D−2の比率が変動する。このため、式(5)と同様の演算により、Y方向の位置を検出することが可能である。更に、領域24D−1および領域24D−2のX方向のずれ量は、第2の変調周期の1/6(略1/6)である。このため、Y方向の検出範囲がスケール20の中央にある場合、式(1)、(2)を用いて検出された波形(検出波形)から、第3高調波歪の成分が除去される。
また本実施例は、リニア型エンコーダに限定されるものではなく、ロータリー型エンコーダにも適用可能である。ロータリー型エンコーダを採用した場合、例えば図8に示されるように、スケールパターンを放射状に配置し、移動方向の周期を角度に置き換える。図8は、本実施例における別形態のトラック21Eの部分平面図である。図8において、第1の変調周期Pθ1(0.18°)を有する領域23E(第1の領域)は、第2の変調周期Pθ2(0.36°)を有する領域24E−1および領域24E−2(ともに第2の領域)で隣接して挟むように配置される。
また本実施例では、エンコーダ100Aとして光学式エンコーダが用いられているが、これに限定されるものではない。例えば、磁気式エンコーダや静電容量式エンコーダなどを用いても同様の効果を得ることができる。エネルギー分布として磁気分布を利用する磁気式エンコーダの場合、スケール20に磁性体を用い、磁性の極性分布を本実施例のスケール20の反射膜と同様の形状で形成する。そして、このスケールに近接してアレイ状に並べた磁界検出素子を配して検出する。また、エネルギー分布として電気分布を利用する静電容量式エンコーダの場合、本実施例のスケール反射膜と同様の形状に導電性の電極パターンを形成し、別のアレイ状の電極パターンを近接対向させて検出するようにすればよい。
本実施例によれば、小型かつ低コストで、スケールと検出器の相対位置を、走査方向(移動方向)だけでなく走査方向と垂直な方向に対しても高精度に検出可能なエンコーダおよびスケールを提供することができる。
次に、本発明の実施例2におけるエンコーダについて説明する。本実施例のエンコーダには、実施例1のトラック21Aに代えて、トラック21Bが用いられる。また、実施例1の受光IC14Aに代えて、図11、図12、図13に示される受光素子アレイ16Eを備えた受光IC14Eが用いられる。他の構成は実施例1と同様であるため、これらの説明は省略する。
図9を参照して、本実施例のトラック21Bの構成について説明する。図9は、トラック21Bの部分平面図である。トラック21Bには、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)において、3種類の領域(領域23、領域24、領域29)が順番に周期的に配列されている。また領域29において、Y方向におけるN番目の領域29−Nの周期に対するN+1番目の領域29−(N+1)の周期は、−10μmだけX方向にシフトした配置になっている。
領域23(第1の領域)は、図3に示されるように構成されており、X方向のピッチP1(第1の変調周期(本実施例では128μm))ごとに図3のパターンが配置されたパターン列を有する。本実施例において、領域23のY方向の幅W1は50μmである。反射部26のX方向の幅が領域23のY方向の位置に応じて異なる点は、実施例1と同様である。
領域24(第3の領域)は、図4に示されるように構成されており、X方向のピッチP2(第3の変調周期(本実施例では257.560976μm)ごとに図4のパターンが配置されたパターン列を有する。本実施例において、領域24のY方向の幅W2は50μmである。反射部27、28のX方向の幅が領域24のY方向の位置に応じて異なる点は、実施例1と同様である。
続いて、図10を参照して、領域29(第2の領域)の構成について説明する。図10は、領域29のX方向の1周期分を示す拡大平面図である。領域29は、X方向のピッチP3(第2の変調周期(本実施例では512μm)ごとに図10のパターンが配置されたパターン列を有する。領域29における各パターンは、反射膜からなり光を反射する反射部39と、非反射部25とから構成されている。本実施例において、領域29のY方向の幅W3は50μmである。
反射部39のX方向の幅は、領域29のY方向の位置に応じて異なる。Y方向の中心からの距離がW3/8以下の領域においては、反射部39のX方向の幅はP3×185/240である。Y方向の中心からの距離がW3/8からW3/4までの範囲では、反射部39のX方向の幅はP3×141/240である。Y方向の中心からの距離がW3/4からW3×3/8までの範囲では、反射部39のX方向の幅はP3×105/240である。Y方向の中心からの距離がW3×3/8からW3/2までの範囲では、反射部39のX方向の幅はP3×61/240である。
このようにトラック21Bには、移動方向(X方向)に第1の変調周期および第2の変調周期と異なる第3の変調周期を有する第3のパターンが形成されている。第3のパターンと第2のパターンとの相対的な位相は、移動方向と垂直な方向(Y方向)に応じて変化している。
続いて図11乃至図13を参照して、本実施例における受光素子アレイ16Eの構成について説明する。図5および図6は、受光IC14Eにおける受光素子アレイ16Eの受光面の平面図である。受光素子アレイ16Eは、64個の受光素子17EがX方向に32μmピッチで配列されている。一つの受光素子17EのX方向の幅X_pdは32μmであり、Y方向の幅Y_pdは900μmである。また、受光素子アレイ16Eの全幅X_totalは2048μmである。
スケール20上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール20上の検出範囲は、Y方向において450μm、X方向において1024μmの範囲となる。このため、スケール20上の検出範囲には、位置検出方向に128μmのピッチを有する領域23、257.560976μmのピッチを有する領域24、および、512μmのピッチを有する領域29が、Y方向にそれぞれ3ライン分ずつ含まれる。
各受光素子17Eからの出力信号はスイッチ回路18に入力される。スイッチ回路18は、後段の4つの初段増幅器(不図示)に接続されている。スイッチ回路18は、全ての受光素子17Eの出力信号から所定の出力信号のみを選択的に出力するように切り替える。スイッチ回路18により選択された信号は、4つの初段増幅器に出力される。4つの初段増幅器には、出力端子A+、B+、A−、B−(それぞれ、A+相、B+相、A−相、B−相を示す)に対応する受光素子17Eがそれぞれ接続される。このような構成により、4つの初段増幅器には、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)が出力される。
また、スイッチ回路18は、信号処理回路30の信号分離手段31からの入力によって、受光素子17Eと出力端子との接続を切り替え可能に構成されている。このため、複数の受光素子17Eにおいて電気的に加算される間隔が切り替えられる。信号処理回路30からの入力がハイレベルの場合、図11に示されるように、スケールパターンが128μm(反射像周期256μm)の検出ピッチとなり、領域23からの周期信号のみを分離することができる。一方、信号処理回路30からの入力がローレベルの場合、図12に示されるように、スケールパターン256μm(反射像周期512μm)の検出ピッチとなり、領域24からの周期信号のみを分離することができる。また、信号処理回路30からの入力がミドルレベルの場合、図13に示されるように、スケールパターン512μm(反射像周期1024μm)の検出ピッチとなり、領域29からの周期信号のみを分離することができる。
4相正弦波状信号の相対位相は、それぞれの検出ピッチに対し、S(A+)を基準とすると、S(B+)は約+90度、S(A−)は約+180度、S(B−)は約+270度の関係にある。信号処理回路30は、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)に対して上記の式(1)、(2)で表される演算を行うことにより、直流分が除去された2相正弦波状信号S(A)、S(B)を生成する。
信号処理回路30からの入力がハイレベルの場合、図11に示されるように、個々の周期に対応する各相の受光素子アレイ面積は、受光面の中央部が2個ずつになっているのに対し、周辺部は1個ずつとなっている。このように本実施例では、センサユニット10Eに、第1のパターン(第1の変調周期)を検出する複数の検出素子の出力信号に対して、複数の検出素子の位置に応じた重み付けを行う重み付け手段が設けられている。重み付け手段は、第1の位相取得手段32の空間周波数応答のピッチP3(第2の変調周期)に対応する空間周波数を含む所定の範囲において、重み付け行って得られる値が重み付けを行わずに得られる値以下となるように設定する。
信号処理回路30からの入力がローレベルの場合、図12に示されるように、個々の周期に対応する各相の受光素子アレイ面積は、受光面の中央部が4個ずつになっているのに対し、周辺部は2個ずつとなっている。また、中央部の4個は連続する受光素子ではなく、両端の2個を隣の検出相と入れ替えている。これにより、連続する4個を積算する場合と比較し、実効的な積算幅が増加して領域23からの周期成分の影響を低減させることができる。
信号処理回路30からの入力がミドルレベルの場合、図13に示されるように、個々の周期に対応する各相の受光素子アレイ面積は、受光面の中央部が8個ずつになっているのに対し、周辺部は2個ずつとなっている。S(A)に関し、P1=128μmおよびP2=257.560976μmの像に対してS(A+)とS(A−)が同位相成分(略同位相成分)となる。このため、上記差動演算の結果、領域23および領域24の周期成分がキャンセルされ減衰される。S(B)についても同様である。
次に、位置検出を行う処理の流れについて説明する。信号処理回路30の第1の位相取得手段32は、スイッチ回路18への入力がハイレベルのときのS(A)、S(B)に基づいて、領域23のエネルギー分布の位相(位相信号Φ1)を以下の式(9)で表される演算によって取得する。ATAN2[Y,X]は、象限を判別して0〜2πの位相に変換する逆正接演算関数である。
Φ1=ATAN2[S(A),S(B)] … (9)
同様に、信号処理回路30の第3の位相取得手段36は、スイッチ回路18への入力がローレベルのときのS(A)、S(B)に基づいて、領域24のエネルギー分布の位相(位相信号Φ2)を以下の式(10)で表される演算によって取得する。
Φ2=ATAN2[S(A),S(B)] … (10)
更に、信号処理回路30の第2の位相取得手段33は、スイッチ回路18への入力がミドルレベルの時のS(A)、S(B)に基づいて、領域29のエネルギー分布の位相(位相信号Φ3)を以下の式(11)で表される演算によって取得する。
Φ3=ATAN2[S(A),S(B)] … (11)
また、スイッチ回路18への入力の切り替え前後で、時間差なく(小さい時間差で)信号を取得することにより、同一位置(略同一位置)での位相信号Φ1、Φ2、Φ3を得ることができる。
次に、位置検出方向(図中X方向)と垂直な方向(図中Y方向)において、センサユニット10Eとスケール20との間の相対位置ずれを検出する方法について説明する。
まず、信号処理回路30のY方向位置情報取得手段35は、信号Sy(位置信号)を、以下の式(12)で表される演算によって取得する。
Sy=Φ1−4・Φ3 … (12)
信号処理回路30は、Sy<−πの場合にはSy=Sy+2π、Sy>+πの場合にはSy=Sy−2πの演算を繰り返し行い、−π〜+πの出力範囲に変換する。このようにして取得した信号Syの値をモニタすることで、センサ(センサユニット10E)の走査ラインのずれ量および方向を容易に検出することができる。
また、本実施例の位置情報取得手段34は、第1の位相取得手段32と第3の位相取得手段36との出力信号に基づいて後述のバーニア信号を生成することにより、スケール20の絶対位置情報を取得する。信号処理回路30の位置情報取得手段34は、絶対位置信号として機能するバーニア信号Svを、以下の式(13)で表される演算によって取得する。
Sv=Φ1−2・Φ2 … (13)
信号処理回路30は、Sv<0の場合にはSv=Sv+2π、Sv>2πの場合にはSv=Sv−2πの演算を繰り返し行い、0〜2πの出力範囲に変換する。ピッチP1、P2の位相信号Φ1、Φ2とX方向の位置xとの関係は、それぞれ、以下の式(14)、(15)のように表すことができる。
Φ1≒2π×(x/P1)+C1 … (14)
Φ2≒2π×(x/P2)+C2 … (15)
なお本実施例において、バーニア信号Svは、式(13)に示される位相信号Φ1、Φ2の係数に限定されるものではない。ピッチP1、P2(第1の変調周期、第2の変調周期)について、|(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|の条件を満たす整数m、nに対し、A/B=n/mの関係を満たす2つの係数A、Bを用いて、Sv=A・Φ1−B・Φ2のように一般化できる。
以下の式(16)に示されるように、Φ1−2・Φ2の値は0から±2πに変化するX方向の位置変化量である。ここで、Tvはバーニア信号の周期(総ストローク)である。
Φ1−2・Φ2=2π・Tv/P1−2・2π・Tv/P2=±2π … (16)
このため、バーニア信号Svの周期Tvは、以下の式(17)のように表すことができる。
Tv=|P1・P2/(2・P1−P2)| … (17)
図14は、本実施例における検出信号とスケール位置との関係を示す図であり、図14(a)はバーニア信号Svとスケール位置との関係、図14(b)は位相信号Φ1とスケール位置との関係をそれぞれ示している。本実施例では、式(17)より、バーニア信号Svの周期Tvは21.12mmとなり、これが検出可能範囲となる。本実施例では、位相信号Φ1をスケール20の相対位置を表す相対位置信号(インクリメンタル信号)として用い、また、スケール20の絶対位置を表す絶対位置信号としてバーニア信号Svを用いる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、センサユニットを大型化することなく絶対位置信号を取得可能なエンコーダおよびスケールを提供することができる。
次に、本発明の実施例3におけるエンコーダについて説明する。図15は、本実施例におけるエンコーダ100Bの概略構成図である。エンコーダ100Bは、固定部(不図示)に取り付けられるセンサユニット10B、可動部(不図示)に取り付けられるスケール20、信号処理回路30(信号処理手段)、および、記憶装置40を備えて構成される。なお、本実施例はこれに限定されるものではなく、センサユニット10Bとスケール20とが相対的に移動可能に構成されていれば、逆に、センサユニット10Bを可動部に取り付け、スケール20を固定部に取り付けてもよい。
センサユニット10Bは、一つのLEDからなる光源12B、受光素子アレイ16Bを有する受光IC14B、および、受光素子アレイ16Cを有する受光IC14Cが同一パッケージ内に実装されて構成された受発光一体型のセンサユニットである。受光素子アレイ16B、16Cは、スケール20のパターンからのエネルギー分布を検出する複数の検出素子(複数の受光素子)が、スケール20(または可動部)の移動方向(測長方向)であるX方向に配列された検出素子アレイとして機能する。本実施例の信号処理回路30は、センサユニット10Bの受光素子アレイ16B、16Cからの出力信号を位置情報(絶対位置情報)に変換することを除いて、実施例1と同様である。受光IC14Bおよび受光IC14Cのそれぞれの構成は、実施例2における受光IC14Eと同様である。
スケール20の位置情報を検出する際、センサユニット10Bに設けられた光源12Bから出射した発散光束の一部は、スケール20のトラック21Bに照射される。そして、トラック21Bで反射した光束は、センサユニット10Bの受光素子アレイ16Bによって受光される。また、光源12Bから出射した発散光束の他の一部は、スケール20のトラック21Cに照射される。そして、トラック21Cで反射した光束は、センサユニット10Bの受光素子アレイ16Cによって受光される。受光素子アレイ16B、16Cは、トラック21B、21Cそれぞれの反射率分布が2倍拡大された像として受光する。受光素子アレイ16B、16Cで受光された光束はそれぞれ、電気信号に変換され、エンコーダ信号として信号処理回路30に送られる。信号処理回路30は、受光素子アレイ16B、16Cからの出力信号を位置情報に変換し、スケール20の位置情報を高精度に取得して出力する。
次に、図16を参照して、本実施例におけるトラック21Bの構成について説明する。図16は、トラック21Bの部分平面図である。トラック21Bは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域23B、領域29B)が交互に(順番に)配列されている。領域29Bにおいて、Y方向のN番目の領域29B−Nの周期に対し、N+1番目の領域29B−(N+1)の周期は、−10μmだけX方向にシフトした配置になっている。
領域23Bは、図3に示される領域23と同様の構成を有し、X方向のピッチP1a(第2の変調周期(本実施例では128μm)ごとに図3のパターンが配置されたパターン列を有する。本実施例において、領域23BのY方向の幅W1は75μmである。領域23BのY方向の位置に応じて反射部26のX方向の幅が異なる点は、実施例2と同様である。領域29Bは図10に示される領域29と同様の構成を有し、X方向のピッチP3a(第1の変調周期(本実施例では512μm)ごとに図10のパターンが配置されたパターン列を有する。本実施例において、領域29BのY方向の幅W1は75μmである。領域29BのY方向の位置によって反射部26のX方向の幅が異なる点は、実施例2と同様である。
次に、図17を参照して、本実施例におけるトラック21Cの構成について説明する。図17は、トラック21Cの部分平面図である。トラック21Cは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域23C、領域29C)が交互に(順番に)配列されている。領域29Cにおいて、Y方向のN番目の領域29C−Nの周期に対し、N+1番目の領域29C−(N+1)の周期は、−10.1μmだけX方向にシフトした配置になっている。
領域23Cは、図3に示される領域23と同様の構成を有し、X方向のピッチP1b(第4の変調周期(本実施例では130.612245μm)ごとに図3のパターンが配置されたパターン列(第4のパターン)を有する。本実施例において、領域23CのY方向の幅W1は75μmである。領域23CのY方向の位置に応じて反射部26のX方向の幅が異なる点は、実施例2と同様である。領域29Cは図10に示される領域29と同様の構成を有し、X方向のピッチP3b(第3の変調周期(本実施例では517.171717μm)ごとに図10のパターンが配置されたパターン列(第3のパターン)を有する。本実施例において、領域29CのY方向の幅W1は75μmである。領域29CのY方向の位置によって反射部26のX方向の幅が異なる点は、実施例2と同様である。
信号処理回路30の第2の位相取得手段33は、スイッチ回路18への入力がハイレベルの場合、受光素子アレイ16Bから得られるS(A)、S(B)に基づいて、トラック21Bの領域23Bのエネルギー分布の位相信号Φ1a(第2の位相)を取得する。位相信号Φ1aは、以下の式(18)で表される演算によって取得される。ATAN2[Y,X]は、象限を判別して0〜2πの位相に変換する逆正接演算関数である。
Φ1a=ATAN2[S(A),S(B)] … (18)
同様に、信号処理回路30の第1の位相取得手段32は、スイッチ回路18への入力がローレベルの場合に受光素子アレイ16Bから得られるS(A)、S(B)に基づいて、領域29Bのエネルギー分布の位相信号Φ3a(第1の位相)を取得する。位相信号Φ3aは、以下の式(19)で表される演算によって取得される。
Φ3a=ATAN2[S(A),S(B)] … (19)
また、信号処理回路30の第4の位相取得手段37は、スイッチ回路18への入力がハイレベルの場合に受光素子アレイ16Cから得られるS(A)、S(B)に基づいて、領域23Cのエネルギー分布の位相信号Φ1b(第4の位相)を取得する。位相信号Φ1bは、以下の式(20)で表される演算によって取得される。
Φ1b=ATAN2[S(A),S(B)] … (20)
同様に、信号処理回路30の第3の位相取得手段36は、スイッチ回路18への入力がローレベルの場合に受光素子アレイ16Cから得られるS(A)、S(B)に基づいて、領域29Cのエネルギー分布の位相信号Φ3b(第3の位相)を取得する。位相信号Φ3bは、以下の式(21)で表される演算によって取得される。
Φ3b=ATAN2[S(A),S(B)] … (21)
また、スイッチ回路18への入力の切り替え前後で、時間差なく(小さい時間差で)信号を取得することにより、同一位置(略同一位置)での位相信号Φ1a、Φ3a、Φ1b、Φ3bを得ることができる。
次に、位置検出方向(図中X方向)と垂直な方向(図中Y方向)における、センサユニット10Bとスケール20との間の相対位置ずれを検出する方法について説明する。信号処理回路30のY方向位置情報取得手段35は、以下の式(22)で表される演算により、信号Sy(位置信号)を取得する。
Sy=Φ1a−4・Φ3a … (22)
信号処理回路30は、Sy<−πの場合にはSy=Sy+2π、Sy>+πの場合にはSy=Sy−2πの演算を繰り返し行い、−π〜+πの出力範囲に変換する。このようにして取得した信号Syの値をモニタすることにより、センサ(センサユニット10B)の走査ラインのずれ量および方向を容易に検出することができる。
また、本実施例の位置情報取得手段34は、後述のバーニア信号を生成することにより、スケール20の絶対位置情報を取得する。以下、絶対位置検出を行う処理の流れについて説明する。位相信号Φa、Φbを、それぞれ以下の式(23)、(24)で表される演算によって取得する。
Φa=Φ3a−Φ3b … (23)
Φb=Φ1a−Φ1b … (24)
信号処理回路30は、Φa<0の場合にはΦa=Φa+2π、Φa>2πの場合にはΦa=Φa−2πの演算を繰り返し行い、0〜2πの出力範囲に変換する。Φbについても同様である。
位相信号Φ3a、Φ3bは、位置x、位置yに対して、それぞれ以下の式(25)、(26)で表されるように近似することができる。
Φ3a≒2π×(x/P3a)+2π×(y/P3a)×(10/150)+C3a … (25)
Φ3b≒2π×(x/P3b)+2π×(y/P3b)×(10.1/150)+C3b … (26)
ここで、C3a、C3bは所定の定数である。式(25)、(26)より、式(24)の結果は以下の式(27)のように表される。
Φb≒2π×(x/P3a−x/P3b)+(C3a−C3b) … (27)
すなわち、位相信号Φ3aはY方向の位置に応じてシフトするが、位相信号Φ3bも同量(略同量)だけシフトするため、その差分である位相信号Φaは、Y方向の位置によって変動しない(実質的に変動しない)。
位相信号Φa、ΦbのX方向に対する信号周期Ta、Tbは、それぞれ、Ta=51200[μm]、Tb=6400[μm]となる。
図18は、本実施例における検出信号とスケール位置との関係を示す図であり、図18(a)は位相信号Φaとスケール位置との関係、図18(b)は位相信号Φbとスケール位置との関係をそれぞれ示している。
次に、絶対位置情報を取得するための処理について説明する。信号処理回路30は、上位信号である位相信号Φaと位相信号Φbとの同期をとり、位相信号Φaに基づいて位相信号Φbの周期の何番目にあるかを算出する。そして信号処理回路30は、位相信号Φbをつなぎ合わせて、以下の式(28)で表されるように、位相信号Φbの位置精度を有する絶対位置信号ABSを取得する。
ABS=(2π・ROUND[((Ta/Tb・Φa−Φb)/(2π)]+Φb)・Tb/(2π)[μm] … (28)
ここで、ROUND[x]はxに最も近い整数に変換する関数である。このような合成処理を行うことで、より高精度な絶対位置を検出することが可能である。
本実施例において、信号処理回路30は、第3のパターンから第3の位相を取得する第3の位相取得手段36、および、第4のパターンから第4の位相を取得する第4の位相取得手段37を有する。そして位置情報取得手段34は、第1の位相、第2の位相、第3の位相、および、第4の位相に基づいて移動方向における絶対位置情報を取得する。本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、長ストロークの絶対位置信号を取得可能なエンコーダおよびスケールを提供することができる。
次に、本発明の実施例4におけるエンコーダについて説明する。本実施例は、受光素子アレイ16Eを有する受光IC14Eに代えて、受光素子アレイ16Fを有する受光IC14Fを用いている点で、実施例2と相違する。他の構成は実施例2と同様である。
図19を参照して、本実施例における受光素子アレイ16Fの構成について説明する。図19は、受光素子アレイ16Fの受光面の平面図である。受光素子アレイ16Fは、クロックタイミングに同期して、各受光素子の受光量に応じた出力(複数の検出素子のれぞれの出力信号)を順に取得可能なリニアセンサアレイである。受光素子アレイ16Fには、128個の受光素子17FがX方向に16μmピッチで配列されている。また、Y方向の幅Y_pdは900μm、X方向の全幅X_totalは2048μmである。スケール20上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール20上の検出範囲は、Y方向に450μm、X方向に1024μmの範囲となる。このため、スケール20上の検出範囲には、領域23、領域24、および、領域29がY方向にそれぞれ3ライン分ずつ含まれる。
受光素子アレイ16Fの出力部19から出力されるリニアイメージ信号Vより領域23、24、29の各周期信号成分を分離する方法として、実施例2と同様に各周期に対応した4相正弦波に変換してもよい。この場合、受光素子アレイ16Fにおいて、隣接する2個の受光素子の出力を合計し、実施例2における受光素子の出力に置き換えて同様の演算処理を行うことが可能である。このとき、信号処理回路30は、各受光素子の位置に応じて、適切な重み付けを行う。このように本実施例では、信号処理回路30に重み付け手段が設けられている。
本実施例において、領域23(128μm周期)に対応する位相信号をΦ1、領域24(257.560976μm周期)に対応する位相信号をΦ2、領域29(512μm周期)に対応する位相信号をΦ3とする。また、移動範囲の片方の端(X=0mm)において、Φ1=Φ2=Φ3=0となるように、スケール20上の3つの周期パターンの初期位相が設定されている。
受光素子アレイ16Fによって検出されたリニアイメージ信号から領域23、24、29の各周期信号成分を分離する方法として、フーリエ変換を用いてもよい。以下、フーリエ変換を行う場合の信号処理回路30の処理について説明する。
まず、128個の受光素子17Fの出力の平均を直流成分として各受光素子出力から減算を行う。更に、受光素子アレイ16Fを、中央から64個(中央部)と、両端から各32個ずつの計64個(周辺部)の2つの領域に分離する。中央部と周辺部の出力にはそれぞれ異なる係数を掛け、重み付けを行った後に128個のデータをフーリエ変換する。フーリエ変換によって得られた位相と対応する空間周波数に基づいて、位相信号Φ1、Φ2、Φ3を算出する。
ここで、フーリエ変換の周波数分解能は、受光面上の空間周波数としてΔf=1/1024(μm−1)となるため、完全には領域24のパターン反射像と一致しない。位相信号Φ1はΔf・8=1/256(μm−1)の成分、位相信号Φ2はΔf・4=1/512(μm−1)の成分、位相信号Φ3はΔf・2=1/1024(μm−1)の成分として、以降の演算に用いられる。なお本実施例では、信号処理回路30での演算処理によって領域ごとの重み付けを行っているが、各受光素子の出力が領域に応じて異なる電気的ゲインを持つようにしてもよい。以上のようにして得られた位相信号Φ1、Φ2、Φ3に基づいて測位方向およびその垂直方向の位置検出を行うまでの演算方法は実施例2と同様であるため、これらの説明は省略する。
本実施例によれば、リニアセンサアレイを用いて各検出素子の出力を取り出し可能であるため、信号の取り出しが一度で済み、各信号位相間での時間的な同期性が向上する。
次に、図20を参照して、本発明の実施例5について説明する。図20は、本実施例における撮像システム200の断面模式図である。撮像システム200は、上記各実施例におけるエンコーダをレンズ装置に搭載した撮像システムである。撮像システム200は、撮像装置200aと、撮像装置200aに着脱可能なレンズ装置200b(エンコーダを備えたレンズ鏡筒)とで構成されている。ただし本実施例は、撮像装置とレンズ装置とが一体化して構成された撮像システムにも適用可能である。
図20において、53はセンサユニット、54はCPUである。センサユニット53およびCPU54(およびスケール20)によりエンコーダが構成される。ここで、センサユニット53は、例えば実施例1におけるセンサユニット10Aの機能を有し、CPU54は信号処理回路30の機能を有する。また、51はレンズユニット、52は駆動レンズ、55は撮像素子、50は円筒体であり、主にこれらにより撮像システムが構成される。レンズユニット51を構成する駆動レンズ52(レンズ)は、例えばオートフォーカス用のレンズであり、光軸方向であるY方向に変位可能である。駆動レンズ52は、ズーム調整レンズなど、駆動されるレンズであればその他のレンズでもよい。本実施例における円筒体50は、駆動レンズ52を駆動するアクチュエータ(不図示)と連結されている。撮像素子55は、撮像装置200aに設けられており、レンズユニット51(レンズ)を介して光学像(被写体像)の光電変換を行う。
本実施例のレンズ装置200bは、光軸方向(Y方向)に変位可能な駆動レンズ52と、駆動レンズ52の変位を検出するように構成されたエンコーダ100とを有する。スケール20は、円筒体50に取り付けられている。このような構成において、エンコーダ100は円筒体50の光軸方向の周りにおける回転量(変位)を取得することで、駆動レンズ52の光軸方向の変位を検出する。
スケール20は、第1のパターンおよび第2のパターン(および第3のパターン)として、ドーナツ状の円盤面上に形成された放射状パターンを形成して構成されたロータリー型スケールであってもよい。この場合、このような構成において、スケール20は円筒体50に取り付けられている。または、スケール20は、第1のパターンおよび第2のパターン(および第3のパターン)として、フィルム状基材上に格子パターンを形成して構成されたリニア型スケールであってもよい。この場合、スケール20は、円筒体50の回転方向に沿って円筒面に貼り付けられる。
アクチュエータまたは手動により、円筒体50を、光軸を中心として回転させると、スケール20はセンサユニット53に対して相対的に変位する。スケール20の変位に伴い、駆動レンズ52は、光軸方向であるY方向(矢印方向)に駆動される。そして、エンコーダのセンサユニット53から得られる駆動レンズ52の変位に応じた信号は、CPU54に出力される。CPU54は、駆動レンズ52を所望の位置へ移動するための駆動信号を生成する。駆動レンズ52は、その駆動信号に基づいて駆動される。
上記各実施例によれば、小型かつ低コストで、移動方向と垂直な方向におけるスケールと検出器との間の相対位置を高精度に検出可能なスケールおよびエンコーダを提供することができる。また、このようなエンコーダを用いたレンズ装置および撮像システムを提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
10A、10B センサユニット
20 スケール
30 信号処理回路
100 エンコーダ

Claims (18)

  1. エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有するスケールであって、
    移動方向に第1の変調周期を有する第1のパターンと、
    前記移動方向に前記第1の変調周期と異なる第2の変調周期を有する第2のパターンと、を有し、
    前記第1のパターンは、前記移動方向に垂直な方向に配置された複数の第1のパターン列を含み、
    前記第2のパターンは、前記移動方向に垂直な方向に配置された複数の第2のパターン列を含み、
    前記複数の第1のパターン列と前記複数の第2のパターン列とは、前記移動方向に垂直な方向に交互に配置され、
    前記複数の第1のパターン列のうち一つと前記複数の第2のパターン列のうち一つの間の前記移動方向における相対的な位置と、前記複数の第1のパターン列のうち他の一つと前記複数の第2のパターン列のうち他の一つの間の前記移動方向における相対的な位置とは、互いに異なることを特徴とするスケール。
  2. 前記第1のパターンおよび前記第2のパターンは、それぞれ、光を反射する反射部および該光を反射しない非反射部を備えて構成され、
    前記移動方向における前記反射部の幅は、該移動方向に垂直な方向において異なっていることを特徴とする請求項に記載のスケール。
  3. 前記第1のパターンは第1の領域に形成されており、
    前記第2のパターンは複数の第2の領域に形成されており、
    前記第1の領域は、前記移動方向に垂直な方向において、前記複数の第2の領域のそれぞれに隣接して挟まれていることを特徴とする請求項1に記載のスケール。
  4. 前記スケールは、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンとして、ドーナツ状の円盤面上に放射状パターンを形成して構成されたロータリー型スケールであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスケール。
  5. 前記スケールは、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンとして、フィルム状基材上に格子パターンを形成して構成されたリニア型スケールであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスケール。
  6. 前記移動方向に前記第1の変調周期および前記第2の変調周期と異なる第3の変調周期を有する第3のパターンを更に有し、
    前記第3のパターンと前記第2のパターンとの相対的な位相は、前記移動方向と垂直な方向に応じて変化していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスケール。
  7. エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有するスケールと、
    前記スケールに対して相対移動可能に構成され、前記エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向に配列された検出手段と、
    前記検出手段の出力信号を処理して位置情報を取得する信号処理手段と、を有し、
    前記スケールは、前記移動方向に第1の変調周期を有する第1のパターン、および、前記移動方向に前記第1の変調周期と異なる第2の変調周期を有する第2のパターンを有し、
    前記第1のパターンと前記第2のパターンとの相対的な位相は、前記移動方向と垂直な方向に応じて変化しており、
    前記信号処理手段は、前記第1のパターンから第1の位相を取得する第1の位相取得手段、および、前記第2のパターンから第2の位相を取得する第2の位相取得手段を有し、該第1の位相および該第2の位相に基づいて前記移動方向と垂直な方向の位置信号を取得する、ことを特徴とするエンコーダ。
  8. 前記信号処理手段は、前記位置信号を以下の式に基づいて算出することを特徴とする請求項に記載のエンコーダ。
    Sy=A・Φ1−B・Φ2
    ただし、Syは前記位置信号、Φ1は前記第1の位相、Φ2は前記第2の位相、A、Bは前記第1の変調周期をP1、前記第2の変調周期をP2としたときにA/B=P1/P2の関係を満たす任意の係数である。
  9. 前記第1のパターンを有する第1の領域と前記第2のパターンを有する第2の領域は、前記移動方向に垂直な方向に、交互に設けられていることを特徴とする請求項またはに記載のエンコーダ。
  10. 前記第1のパターンおよび前記第2のパターンは、それぞれ、光を反射する反射部および該光を反射しない非反射部を備えて構成され、
    前記移動方向における前記反射部の幅は、該移動方向に垂直な方向において異なっていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  11. 前記第1のパターンは第1の領域に形成されており、
    前記第2のパターンは複数の第2の領域に形成されており、
    前記第1の領域は、前記移動方向に垂直な方向において、前記複数の第2の領域のそれぞれに隣接して挟まれていることを特徴とする請求項またはに記載のエンコーダ。
  12. 前記信号処理手段は、前記第1のパターンに対応する第1の信号および前記第2のパターンに対応する第2の信号を分離する信号分離手段を有することを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  13. 前記第1のパターンを検出する前記複数の検出素子の出力信号に対して、該複数の検出素子の位置に応じた重みを使用して重み付けを行う重み付け手段を更に有し、
    前記重み付け手段による前記重み、前記第2の変調周期に対応する空間周波数を含む所定の範囲において、前記重み付けを行って得られる前記第1の位相取得手段の空間周波数応答の値が該重み付けを行わずに得られた値以下となるように設定することを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  14. 前記スケールは、前記移動方向に前記第1の変調周期および前記第2の変調周期と異なる第3の変調周期を有する第3のパターンを有し、
    前記第3のパターンと第2のパターンとの相対的な位相は、前記移動方向と垂直な方向に応じて変化しており、
    前記信号処理手段は、前記第3のパターンから第3の位相を取得する第3の位相取得手段を有し、前記第1の位相および該第3の位相に基づいて絶対位置情報を取得することを特徴とする請求項乃至13のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  15. 前記スケールは、前記移動方向に第3の変調周期を有する第3のパターン、および、前記移動方向に前記第3の変調周期と異なる第4の変調周期を有する第4のパターンを更に有し、
    前記第3のパターンと前記第4のパターンとの相対的な位相は、前記移動方向と垂直な方向に応じて変化しており、
    前記信号処理手段は、前記第3のパターンから第3の位相を取得する第3の位相取得手段、および、前記第4のパターンから第4の位相を取得する第4の位相取得手段を有し、前記第1の位相、前記第2の位相、前記第3の位相、および、前記第4の位相に基づいて前記移動方向における絶対位置情報を取得することを特徴とする請求項乃至13のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  16. 前記検出手段は、クロックタイミングに同期して、前記複数の検出素子のそれぞれの出力信号を順に取得可能なリニアセンサアレイを有することを特徴とする請求項乃至15のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  17. 光軸方向に変位可能なレンズと、
    前記レンズの変位を検出するように構成された、請求項乃至16のいずれか1項に記載のエンコーダと、を有することを特徴とするレンズ装置。
  18. 請求項17に記載のレンズ装置と、
    前記レンズを介して光学像の光電変換を行う撮像素子を有する撮像装置と、を有することを特徴とする撮像システム。
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