JP2016014612A - エンコーダ - Google Patents

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卓 塚本
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Abstract

【課題】大型化を招かずに広い範囲の絶対位置信号を高精度かつ高速に検出することが可能なエンコーダを提供する。
【解決手段】スケール102のパターンは、|(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|を満たすように移動方向であるX方向に垂直なY方向に周期的に配列され、X方向に第1の変調周期P1と第2の変調周期P2を有する。信号処理手段103は、P1及びP2の高周波成分を除去する低域通過手段110と、低域通過手段110のカットオフ周波数を変更する切り替え手段111と、P1の位相であるΦ1を取得する第1の位相取得手段112と、P2の位相であるΦ2を取得する第2の位相取得手段113と、整数m、nに対し、A/B=n/mの関係を満たす2つの係数A、Bを用いてSv=A・Φ1−B・Φ2を満たすSvを前記スケールの位置を表す位置信号として取得する位置情報取得手段114と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンコーダに関するものである。
特許文献1は、アブソリュートエンコーダの検出精度をインクリメンタルエンコーダのように上げるため、スケールの各トラックにインクリメンタルパターンを、そのパターンの形状又はピッチが測長方向に変調周期で周期的に変化するように形成している。これにより、インクリメンタルパターンは相対位置の情報のみではなく変調周期の繰り返しによる絶対位置の変調情報を持つことになる。この結果、高精度な相対位置の情報と精度がそれほど高くない絶対位置情報を利用してスケールの絶対位置を高精度に検出することができる。
特許文献1は、スケールからの光を受光する受光素子アレイとして、インクリメンタル信号検出用フォトダイオードアレイ(以下、INC用アレイ)と変調信号検出用フォトダイオードアレイ(以下、変調用アレイ)を設けている。INC用アレイの測長方向の長さは変調周期の整数倍の長さに設定され、INC用アレイからの出力に基づいて相対位置を表す相対位置信号が生成される。変調用アレイからの出力に基づいて変調パターン位置信号が生成され、これを絶対位置信号として使用することができる。
特開2009−198318号公報
しかしながら、特許文献1は、異なる周期の信号を各トラックに設けられたインクリメンタルパターンから得ているのでパターンを検出可能な範囲がINC用アレイの測長方向の長さによって制限されてしまう。よって、パターンの広い範囲を小さなINC用アレイで検出することができない。
本発明は、大型化を招かずに広範囲で絶対位置信号を高精度かつ高速に取得可能なエンコーダを提供することを例示的な目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るエンコーダの構成は、エネルギー分布を空間変調するパターンを有するパターン列が形成されているスケールと、前記スケールに相対的に移動するように配置され、前記パターン列からの前記エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向に並べられた検出素子アレイと、前記検出素子アレイの出力信号を処理して位置信号に変換する信号処理手段と、を有し、前記パターン列は移動方向に第1の変調周期と前記第1の変調周期と異なる第2の変調周期を有し、前記信号処理手段は、前記検出素子アレイの出力の低域成分を通過させる低域通過手段と、前記低域通過手段の帯域を切り替える切り替え手段と、前記検出素子アレイの出力信号から前記第1の変調周期の第1の位相を取得する第1の位相取得手段と、前記検出素子アレイの出力信号から前記第2の変調周期の第2の位相を取得する第2の位相取得手段と、前記第1の位相取得手段と前記第2の位相取得手段を切り替える信号分離手段と、前記第1の位相取得手段が取得した前記第1の位相と、前記第2の位相取得手段が取得した前記第2の位相と、|(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|の条件を満たす整数m、nに対し、A/B=n/mの関係を満たす二つの係数A、Bを用いて次式を満たすSvを前記スケールの位置を表す位置信号として取得する位置情報取得手段と、を有することを特徴とする。
Sv=A・Φ1−B・Φ2
但し、Φ1は前記第1の位相、Φ2は前記第2の位相、P1は前記第1の変調周期、P2は前記第2の変調周期である。
本発明によれば、大型化を招かずに広範囲で絶対位置信号を高精度かつ高速に取得可能なエンコーダを提供することができる。
第1の実施例におけるエンコーダのブロック図である。 第1の実施例におけるトラックの部分拡大平面図である。 図2の部分拡大平面図である。 図2の部分拡大平面図である。 受光素子アレイの受光面のへ面図である。 カットオフ周波数と信号の立ち上がりの関係を示した図である。 位置検出のフローチャート図である。 検出信号とスケールの位置関係を示した図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態の光学式エンコーダのブロック図である。エンコーダは、固定部に取り付けられるセンサユニット101、不図示の可動部に取り付けられるスケール102、信号処理回路(信号処理手段)103、記憶装置104を有する。なお、固定部と可動部の関係は逆でもよく、センサユニット101とスケール102が相対的に移動可能な構成であれば良い。
センサユニット101はLEDからなる光源105と、受光素子アレイ106を有する受光IC107が同一パッケージ内に実装された受発光一体型のセンサユニットである。
受光素子アレイ106は、スケール102のパターンからのエネルギー分布を検出する複数の検出素子が、スケール102もしくは、可動部の移動(測長)方向である、X方向に並べられた検出素子アレイとして機能する。本実施形態におけるエネルギーは光であるが、後述するように、磁気、電気などその種類は光に限定されるものではない。
スケール102は、ガラス基板上にクロム反射膜のパターンを複数有するパターン列がトラック108にパターニングされている。パターンはエネルギー分布を空間変調させるためのパターンである。各トラック108は、X方向に垂直なY方向に周期的に配列され、X方向にそれぞれ異なるピッチ(変調周期)を有する複数の領域を有する。例えば、2種類の領域が設けられている場合には、X方向の第1のピッチ(第1の変調周期)を有する第1の領域とX方向に第2のピッチ(第2の変調周期)を有する第2の領域が設けられる。
なお、第1の変調周期の領域と第2の変調周期の領域は必ずしも分かれている必要はなく、両者は重なっていても良い。また、本実施形態では、受光素子アレイ106はスケール102のパターンの反射光を受光しているが、スケール102のパターンの透過光を受光する場合でも本実施形態は適用可能である。即ち、受光素子アレイ106は、スケール102のパターンからの光を受光できれば良い。
信号処理回路103は、センサユニット101の受光素子アレイ106の出力信号を処理して位置情報に変換する。信号処理回路103は、センサユニット101で得られたエンコーダ信号の内挿処理や、記憶装置104への信号の書き込み、及び読み出しも行う。信号処理回路103は、不図示の増幅回路、A/D変換回路の他の、信号分離手段109、低域通過手段110、切り替え手段111、第1の位相取得手段112、第2の位相取得手段113、位相情報取得手段114を有する。
信号分離手段109は、受光素子アレイ106の出力をトラック108の各領域に対応する信号に分離する機能を有する。信号分離手段109は受光IC107にスイッチ回路が設けられている、スイッチ回路による接続を切り替える信号を送信する。低域通過手段110は、センサユニット101の受光素子アレイ106の出力信号のノイズを除去するフィルタである。切り替え手段111は低域通過手段110のカットオフ周波数の帯域を切り替える。
第1の位相取得手段112は、第1の領域に対応した受光素子アレイ106の出力信号に対して、逆正接演算を行うことによって、第1の領域のエネルギー分布の位相(第1の位相)を取得する。第1の位相取得手段112は、後述する相対位置信号取得手段として機能しても良い。第2の位相取得手段113は、第2の領域に対応した受光素子アレイ106の出力信号に対して、逆正接演算を行うことによって、第2の領域のエネルギー分布(第2の位相)を取得する。
なお、トラック108に第3のピッチを有するパターン列を有する領域などが設けられている場合、それぞれに合わせて第3の位相取得手段が設けられていても良いことは言うまでもない。
位置情報取得手段114は、スケール102の位置情報を取得する。位置情報取得手段114は、スケール102の相対位置を表す相対位置信号を取得する相対位置信号取得手段とスケール102の絶対位置を表す絶対位置信号を取得する絶対位置信号取得手段を有しても良い。
動作において、センサユニット101内の光源105から出射した発散光束はスケール102のトラック108に照射され、トラック108で反射した光束はセンサユニット101の受光素子アレイ106に受光される。受光素子アレイ106は、トラック108の反射率分布が2倍に拡大された像として受光する。受光素子アレイ106によって受光された光束は電気信号に変換され、エンコーダ信号として信号処理回路103に送られる。信号処理回路103は、受光素子アレイ106からの出力を位置信号に変換し、スケール102の位置情報を高精度に取得及び出力する。
(実施例1)
図2は、図1に示すトラック108に適用可能な実施例1の108Aの部分平面拡大図である。トラック108Aは、スケール102の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域201、領域202)が交互に並べられており、図2の全幅を含む範囲(受光素子アレイ106の受光面で走査され得る領域)が1トラックである。領域201は上述した第1の領域に相当し、領域202は第2の領域に相当する。図2において、白色部は光を透過または吸収する非反射部203である。
図3は、領域201のX方向の1周期分の拡大平面図である。領域201は、X方向のピッチ(第1のピッチ)P1(=100μm)毎に図3のパターンが配列されたパターン列からなり、各パターンは反射膜から構成されていて光を反射する反射部301と非反射部203から構成されている。
ピッチP1は上述した第1の変調周期として機能する。領域201のY方向の幅はW1=50μmである。領域201のY方向の位置によって、反射部301のX方向の幅が異なる。Y方向の中心からの距離がW1・1/8以下の領域においては、反射部301のX方向の幅はP1・23/30である。Y方向の中心からの距離がW1・1/8からW1・1/4までの範囲では、反射部301のX方向の幅はP1・17/30である。Y方向の中心からの距離がW1・1/4からW1・3/8までの範囲では、反射部301のX方向の幅はP1・12/30である。Y方向の中心からの距離がW1・3/8からW1・1/2までの範囲では、反射部301のX方向の幅はP1・7/0である。
図4は、領域202のX方向の1周期分の拡大平面図である。領域202は、X方向のピッチ(第2のピッチ)P2(=202μm)毎に図4のパターンが配置されたパターン列からなり、各パターンは反射膜から構成されていて光を反射する反射部401、402と非反射部203から構成されている。
ピッチP2は上述した第2の変調周期として機能する。領域202のY方向の幅はW2=50μmである。領域202のY方向の位置によって、反射部401、402のX方向の幅が異なる。Y方向の中心からの距離がW2・1/6以下の領域においては、反射部401のX方向の幅はP2・70/96である。この領域は、周期両端からそれぞれP2・3/96の幅で反射部402が形成される。Y方向の中心からの距離がW2・1/6からW2・1/3までの範囲では、反射部401のX方向の幅はP2・54/96である。Y方向の中心からの距離がW2・1/3からW2・1/2までの範囲では、反射部401のX方向の幅はP2・22/96である。
図5は、図1の受光素子アレイ106に適用可能な実施例1の受光素子アレイ501の受光面の平面図である。受光素子アレイ501においては、受光素子502がX方向に50μmピッチで24個並んでおり、1つの受光素子501はX方向の幅X_pdが50μmであり、Y方向の幅Y_pdは800μmである。受光素子アレイ501の全幅X_totalは1200μmである。スケール上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール上の検出範囲はY方向400μm、X方向600μmの範囲となる。よって、スケール上の検出範囲には、位置検出方向に100μmのピッチを有する領域201と202μmのピッチを有する領域202がY方向にそれぞれ4ラインずつ含まれる。
各受光素子502からの出力は、スイッチ回路503を介して切り替えられ、選択後に後段の4つの不図示の初段増幅器に接続されている。4つの初代増幅器は、出力端子A+、B+、A−、B−(それぞれA+相、B+相、A−相、B−相を表す)に対応する受光素子502がそれぞれ接続され、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)を出力する。
スイッチ回路503は信号処理回路103の信号分離手段109からの出力によって、受光素子502と出力端子との接続を切り替えることができる。その結果、複数の受光素子502において電気的に加算される間隔が切り替わる。信号分離手段109からの出力がハイレベルの場合は、図5(a)に示すように、電気的に接続されている受光素子502の中心間隔は200μmとなっており、領域201(P1=100μm)を検出することができる。信号分離手段109からの出力がローレベルの場合は、図5(b)に示すように、電気的に接続されている受光素子502の中心間隔は400μmとなっており、領域202(P2=202μm)を検出することができる。
4相正弦波信号の相対位相はそれぞれの検出ピッチに対し、S(A+)を基準として、S(B+)は約+90度、S(A−)は約+180度、S(B+)は約+270度の関係にある。信号処理回路103は、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)について次式の演算を行って直流成分が除去された2相正弦波信号S(A)、S(B)を生成する。
[数1]
S(A)=S(A+)−S(A−)
[数2]
S(B)=S(B+)−S(B−)
ここで、領域202から得られる信号の補正について説明する。受光素子502の検出ピッチ(200μm)とスケール上のパターン周期(202μm)が僅かにずれているため、2相正弦波信号S(A)、S(B)間の位相差が90度からずれてしまう。そのため、2相正弦波信号S(A)、S(B)の相対位相差補正処理を行うことが望ましい。
以下に位相差補正の方法について説明を行う。まず、相対位相差誤差eを含む2相正弦波信号S(A)、S(B)は、位相をθとすると、次式で表すことができる。
[数3]
S(A)=cos(θ+e/2)
[数4]
S(B)=sin(θ−e/2)
数式3、4より、2相正弦波信号S(A)、S(B)の和と差を取ると次に示すように誤差成分eを分離することができる。
[数5]
S(A)+S(B)=2・cos(θ−π/4)sin(e/2−π/4)
[数6]
−S(A)+S(B)=2・sin(θ−π/4)cos(e/2−π/4)
相対位相差誤差eは設計値よりe=(1−200/202)・πで表すことができる。数式5、6の振幅成分である、2・sin(e(x)/2−π/4)、2・cos(e(x)/2−π/4)について、それぞれ逆数を乗じることにより、以下の用に位相差誤差を補正した2相正弦波信号S(A)´、S(B)´を算出する。
但し、Φ=θ―π/4である。
[数7]
S(A)´=(S(A)+S(B))/(2・sin(e/2−π/4))=cosφ
[数8]
S(B)´=(−S(A)+S(B))/(2・cos(e/2−π/4))=sinφ
相対位相差誤差eを初期化動作によって求めても良い。
例えば、所定のX方向範囲のS(A)+S(B)の(最大値−最小値)/2から振幅成分2・cos(e(x)/2−π/4)を取得する。そして、それぞれの値を記憶装置104に記憶しても良い。この場合、光源105と受光素子アレイ501の実装による高さ方向(Z軸方向)のずれや、スケール102とセンサユニット101の相対傾きによる像倍率の誤差の影響を含めて補正することが可能である。
以上のようにして得られたS(A)´をS(A)、S(B)´をS(B)とする。スイッチ回路503への入力がハイレベルの時、S(A)、S(B)より、信号処理回路103の第1の位相取得手段112は領域201のエネルギー分布の位相(位相信号)Φ1を次式の演算によって取得する。ATAN2[Y、X]は、象限を判別して0〜2π位相に変換する逆正接演算関数である。
[数9]
Φ1=ATAN2[S(A),S(B)]
同様に、スイッチ回路503への入力がローレベルの時のS(A)、S(B)より、信号処理回路103の第2の位相取得手段113は領域202のエネルギー分布の位相(位相信号)Φ2を次式の演算によって取得する。
[数10]
Φ2=ATAN2[S(A),S(B)]
次に、切り替え手段111について、図6を用いて説明する。図6は低域通過手段110のカットオフ周波数を5KHzに設定した場合と、50KHzに設定した場合の信号の立ち上がり時間を示したグラフである。信号処理回路103はスイッチ回路503の切り替え前後で、不図示のA/Dコンバータで信号を取得する。
しかし、低域通過手段110によってノイズ除去を行うため、時間をおかずに信号を取得すると、切り替わり後の信号が立ち上っていない可能性がある。波形601は低域通過手段110を5KHzに設定した場合に、スイッチ回路503で信号の切り替えが行われてからの出力波形の変化を示している。波形602は低域通過手段110を50KHzに設定した場合に、スイッチ回路503で信号の切り替えが行われてからの出力波形の変化を示している。低域通過手段110を5KHzに設定した場合、波形601の出力が95%になるまでおおよそ100μsecかかっており、信号が立ち上るのを待っていると、演算に時間がかかってしまう。
低域通過手段110を50KHzに設定した場合、波形602の出力が95%になるまでおおよそ10μsecと時間は早くなるが、その分ノイズが増えてしまい、演算の精度が低下してしまう。信号の切り替えを行うタイミングはノイズが増えても精度への影響は少ない。そのため、信号を切り替えるタイミングで、切り替え手段111は低域通過手段110のカットオフ周波数を5KHzから50KHzに変更し、信号が立ち上った後、低域通過手段110のカットオフ周波数を50KHzから5KHzに変更することで、演算時間の短縮と、精度を両立させることができる。
本実施例の位置信号取得手段114は、第1の位相取得手段112の出力を相対位置信号として取得する。相対位置信号の変化を計数することによって、スケール102が測定開始位置から所定周期として何周期目に位置するかの情報を取得することができる。また、本実施例の位置信号取得手段114の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップ701) 低域通過手段110のカットオフ周波数が5KHzになるよう、切り替え手段111を操作する。
(ステップ702) 信号分離手段109をHighに設定し、検出ピッチを100μmに設定する。
(ステップ703)A/Dコンバータにより、検出ピッチ100μmの出力信号、S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)を取得する。
(ステップ704) 低域通過手段110のカットオフ周波数が50KHzになるよう、切り替え手段111を操作する。
(ステップ705) 信号分離手段109をLowに設定し、検出ピッチを200μmに設定する。
(ステップ706) 低域通過手段110のカットオフ周波数を50KHzに設定後、10μsec経過したかどうか判断する。経過していれば、ステップ707へ進む。
(ステップ707) 低域通過手段110のカットオフ周波数が5KHzになるよう、切り替え手段111を操作する。
(ステップ708) A/Dコンバータにより、検出ピッチ200μmの出力信号、S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)を取得する。
(ステップ709) A/Dコンバータにより求めた、検出ピッチ100μmと200μmの各出力信号から絶対位置を求める。
次に、信号処理回路103で行う、絶対位置演算の詳細を説明する。信号処理回路103は、絶対位置信号として機能するバーニア信号Svを、検出ピッチ100μmの出力信号から求めたΦ1と、検出ピッチ200μmの出力信号から求めたΦ2を用いて、下記の演算によって取得する。
[数11]
Sv=Φ1−2・Φ2
このとき、信号処理回路103は、Sv<0の時はSv=Sv+2π、Sv>2πの時はSv=Sv−2πの演算を繰り返し行うことにより、0〜2πの出力範囲に変換する。位相信号Φ1とΦ2のX方向の位置xとの関係は以下の通り表すことができる。
[数12]
Φ1=2π・x/P1
[数13]
Φ2=2π・x/P2
バーニア信号Svの周期Tvは、Φ1−2・Φ2が0から±2πに変化するX方向の位置変化量であるため、次式で表すことができる。
[数14]
Φ1−2・Φ2=2π・Tv/P1−2・2π・Tv/P2=±2π
[数15]
Tv=|P1・P2/(2・P1−P2)|
このようにして得られたバーニア信号Svとスケールの位置との関係は図8(a)のようになる。本実施例では、数式15より、バーニア信号Svの周期Tvは10.1mmとなり、これが検出可能な範囲となる。受光素子アレイ長におけるスケール上の検出範囲は、X方向に600μmの範囲なので、検出可能な範囲は、受光素子アレイ長の検出範囲より長くなる。
従って、バーニア信号Svを絶対位置信号として使用することによって、より広い範囲でスケールの移動方向の絶対位置を検出することができる。また、バーニア信号Svに変換する前の位相出力Φ1とスケール位置との関係は図8(b)のようになる。位相出力Φ1をスケール102の相対位置を表す相対位置信号(インクリメンタル信号)として使用する。
本実施例の効果を差に詳しく説明するため、より一般化した原理を以下に示す。まず位相出力Φ1、Φ2に係数を掛けずに差分演算を行い、バーニア信号Svを生成する場合は、位相出力Φ1、Φ2は次式で表すことができる。
[数16]
Sv=Φ1−Φ2
バーニア信号Svの周期Tvは、バーニア信号Svが0からプ明日−2πに変化するX方向の位置の変化量であるため、次式が成立する。
[数17]
Sv=Φ1−Φ2=2π・Tv/P1−2π・Tv/P2=±2π
よって、次式でバーニア信号Svによる検出可能範囲を表すことができる。
[数18]
Tv=|P1・P2/(P1−P2)|
次に、位相出力Φ1、Φ2を分離して取得できる条件について説明する。スケール上での検出幅Wpdによる空間周波数分解能Δfは、1/Wpdとなるため、スケール上の2つの周期成分P1とP2を分離する条件は以下のように表すことができる。
[数19]
Δf=1/Wpd<|(1/P1−1/P2)|
よって、次式が成立する。
[数20]
Wpd>|P1・P2/(P1−P2)|
数式18、20から、次式が成立する。
[数21]
Wpd>|P1・P2/(P1−P2)|=Tv
つまり、位相出力Φ1、Φ2に係数を掛けずに差分演算を行った場合のバーニア信号で検出できる範囲は、スケール上の検出幅Wpdを越えることができない。これに対し、位相の差分演算を行う際に位相出力Φ1、Φ2に対し、別々の係数を掛けることでバーニア信号の検出可能範囲をWpd以上に伸ばすことが可能となる。これを以下に説明する。この場合、バーニア信号Svは次式で表すことができる。
[数22]
Sv=n・Φ1−m・Φ2
位相出力Φ1、Φ2は周期関数の位相成分であるため、2πから0となる出力の繰り返しが発生する。バーニア信号SvをSv´=Sv±2πl(lは整数)となる関係で表されるSv´(0≦Sv´<2π)によって出力範囲を変更した場合、これらの折り返し点での連続性を保つためには、n、mをいずれも整数に設定する必要がある。n・Φ1、m・Φ2の折り返し点はそれぞれ2π・n、2π・mとなるので、n、mが整数であれば、それらを差分した結果の折り返し点の前後の差は2πの整数倍となり、連続性が保たれる。
但し、Svの係数は整数m、nに限定されるものではない。即ち、数式22はA/B=n/mを満たす係数A、Bを使用して次式として表されれば良い。
[数23]
Sv=A・Φ1−B・Φ2
バーニア信号Svを、Sv´=Sv±c・l(lは整数)となる関係で表されるSv´(0≦Sv´<c)によって出力範囲を変換した場合に、2π・n/c、2π・m/cがいずれも整数になる用にc、n、mの値を設定すれば良い。バーニア信号Svの周期Tvは、n、mが整数の場合には、以下のように表すことができる。
[数24]
Tv=|P1・P2/(m・P1−n・P2)|
数式20、24より、検出幅Wpdよりも、バーニア信号Svの周期Tvが広くなる条件は次式で表される。
[数25]
|P1・P2/(m・P1−n・P2)|>|P1・P2/(P1−P2)|
よって、次式を満たせば、検出幅Wpdよりも大きな検出範囲をもつ周期Tvを得ることができる。
[数26]
|(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|
以上より、n、m、P1、P2を適切に設定することで、検出幅Wpdよりも広い検出可能範囲を得ることができる。なお、n、mはなるべく小さな整数とすることが望ましい。なぜならば、Φ1、Φ2に含まれる位相検出誤差がそれぞれn倍、m倍されてバーニア信号Svに影響するためである。よって、最も望ましいのは、n、mを1と2の組み合わせとすることである。また、本実施例では、光学式エンコーダの例となっているが、磁気式エンコーダ、静電容量式エンコーダ等でも同様の効果が得られる。
以上のように、センサを大型化せず、広い範囲の絶対位置信号を高精度かつ高速に検出することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
エンコーダは位置(変位)を検出する用途に適用することが出来る。
106 受光素子アレイ(検出素子アレイ)、102 スケール、
103 信号処理回路(信号処理手段)、109 信号分離手段、
110 低域通過手段、111 切り替え手段、112 第1の位相取得手段、
113 第2の位相取得手段、114 位置情報取得手段、201 第1の領域、
202 第2の領域

Claims (3)

  1. エネルギー分布を空間変調するパターンを有するパターン列が形成されているスケールと、
    前記スケールに相対的に移動するように配置され、前記パターン列からの前記エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向に並べられた検出素子アレイと、
    前記検出素子アレイの出力信号を処理して位置信号に変換する信号処理手段と、を有し、前記パターン列は移動方向に第1の変調周期と前記第1の変調周期と異なる第2の変調周期を有し、
    前記信号処理手段は、
    前記検出素子アレイの出力の低域成分を通過させる低域通過手段と、
    前記低域通過手段の帯域を切り替える切り替え手段と、
    前記検出素子アレイの出力信号から前記第1の変調周期の第1の位相を取得する第1の位相取得手段と、
    前記検出素子アレイの出力信号から前記第2の変調周期の第2の位相を取得する第2の位相取得手段と、
    前記第1の位相取得手段と前記第2の位相取得手段を切り替える信号分離手段と、
    前記第1の位相取得手段が取得した前記第1の位相と、前記第2の位相取得手段が取得した前記第2の位相と、
    |(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|
    の条件を満たす整数m、nに対し、
    A/B=n/m
    の関係を満たす二つの係数A、Bを用いて次式を満たすSvを前記スケールの位置を表す位置信号として取得する位置情報取得手段と、
    を有することを特徴とするエンコーダ。
    Sv=A・Φ1−B・Φ2
    但し、Φ1は前記第1の位相、Φ2は前記第2の位相、P1は前記第1の変調周期、P2は前記第2の変調周期である。
  2. 前記低域通過手段は第1の周波数帯域と、第1の周波数帯域よりも高い周波数を通過させる第2の周波数帯域を有することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
  3. 前記切り替え手段は、前記信号分離手段により前記第1の信号取得手段と、前記第2の信号取得手段とを切り替えている間、前記低域通過手段の帯域を前記第2の周波数帯域に設定することを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020091104A (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 キヤノンプレシジョン株式会社 アブソリュートロータリエンコーダ

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