JP2005291794A - 光学式エンコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の周期を有する格子を低コストで実現でき、エンコーダ全体の小型化、薄型化が図られ、高精度の絶対位置検出を実施できる光学式エンコーダを提供する。
【解決手段】光学式エンコーダは、光源5と、光源5からの光を周期的な光量分布に変換するスケール板7と、スケール板7からの光を周期的に空間変調するスケール板8と、スケール板8からの光を通過させる開口を有するスケール板9と、スケール板9からの光を受光する受光素子11などで構成され、スケール板7またはスケール板8に、周期Pの光学パターンおよび周期Pより長い周期Tの光学パターンとが重畳した像を発生する格子が設けられ、スケール板9の開口形状は、スケール板7,8が相対移動する際、受光素子11の出力信号から周期Pの光学パターンによる信号成分が除去されるように設定される。
【選択図】 図1
【解決手段】光学式エンコーダは、光源5と、光源5からの光を周期的な光量分布に変換するスケール板7と、スケール板7からの光を周期的に空間変調するスケール板8と、スケール板8からの光を通過させる開口を有するスケール板9と、スケール板9からの光を受光する受光素子11などで構成され、スケール板7またはスケール板8に、周期Pの光学パターンおよび周期Pより長い周期Tの光学パターンとが重畳した像を発生する格子が設けられ、スケール板9の開口形状は、スケール板7,8が相対移動する際、受光素子11の出力信号から周期Pの光学パターンによる信号成分が除去されるように設定される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、格子スケール間の相対移動量を光学的に検出できる光学式エンコーダに関する。
光学式エンコーダの一種として、3枚の格子スケール板を用いた光学式エンコーダが知られている(非特許文献1)。この光学式エンコーダは、3枚のスケール板が光進行方向に沿って順次配置され、各スケール板の主面が互いに平行で、スケール板上に設けられた格子の配列方向が一致するように設定されている。また、1枚目のスケール板の前段には、空間的に可干渉性の低い光源が設けられる。3枚目のスケール板の後段には、光量を電気信号に変換する受光素子が設けられる。
その動作に関して、光源が1枚目のスケール板を照射すると、空間的に可干渉性が低く、ある周期で並んだマルチスリット状の光量分布を有する2次光源が生成される。2枚目のスケール板は、ある光学的伝達関数(OTF)を持った空間周波数フィルタとして働き、2次光源の光量分布のうち特定の空間周波数成分のみが抽出されて、3枚目のスケール板上に結像される。3枚目のスケール板に設けられた格子の光透過部を透過した光は、受光素子によって電気信号に変換される。1枚目のスケール板または2枚目のスケール板が格子配列方向に沿って相対移動すると、この相対位置に相関のある出力信号が得られる。
例えば、1枚目のスケール板によって生成された2次光源の光量がある周期Pを持った正弦波状に分布しており、2枚目のスケール板に設けられた格子の光学的伝達関数が周期Pに対応した空間周波数を含む場合、3枚目のスケール位板上には周期Pの正弦波状の光量分布を持つ像が結像される。
このとき2枚目のスケール板の光学的伝達関数は、2枚目のスケール板の格子の周期、格子の開口形状、格子自体の形状(位相格子の場合)、2枚目のスケール板と1枚目および3枚目のスケール板の各間隔に依存する。一般には、3枚目のスケール板上に結像される光量分布のコントラストが良くなるような条件を選択して、光学式エンコーダを設計する。
特許文献1に記載されている光学式エンコーダは、3枚のスケール板とも矩形開口を有し、1枚目のスケール板と2枚目のスケール板の間隔と、2枚目のスケール板と3枚目のスケール板の間隔とは互いに等しく、2枚目のスケール板の格子周期をPとして、1枚目および3枚目のスケール板の格子周期は、2倍に相当する2Pに設定している。
その動作に関して、1枚目のスケール板または2枚目のスケール板が格子配列方向に沿って相対移動すると、受光素子から、ある一定の振幅で一定の振幅中心値を持つ周期信号が出力される。この周期信号をカウントすることによって、スケール板の相対位置に対応した数値が得られ、インクリメンタル検出型のエンコーダとして動作する。
これに対して、絶対位置検出を行うアブソリュート検出型の光学式エンコーダが知れられている。スケール板は異なる周期の格子(目盛)を備えており、例えば、測定範囲内で1周期の光量変化を発生させる目盛からの透過光量あるいは反射光量による受光素子の出力信号により絶対位置の粗検出を行い、一方、複数周期の光量変化を発生させる目盛からの透過光量あるいは反射光量による受光素子の出力信号と組み合わせることで、精度の良い絶対位置検出が行える。
特許文献1に記載された光学式エンコーダにおいて、異なる周期の信号をさらに得るには、周期Pと異なる周期Qを持った格子を2枚目のスケール板上に、周期2Qを持った格子を1枚目のスケール板上にそれぞれ追加する必要がある。しかしながら、3枚目のスケール板上での光量分布において、1枚目のスケール板と同じ周期を有する基本周波数成分のコントラスト、即ち、検出信号のAC/DC比が最大になるスケール板の間隔条件は、周期P,2Pの場合と周期Q,2Qの場合とで相違する。
例えば、格子配列方向の格子の開口幅と格子周期の比が1:2(デューティ比:50%)の場合、光の波長をλ、周期をP、スケール板の間隔Gとおいて、下記の式(1)を満たすとき、信号コントラストが最大となる。なお、nは0以上の整数である。
一例として、P=50μm、λ=500nm、n=1のとき、間隔G=10mmで信号コントラストが最大となるが、絶対位置検出用の格子周期Q=400μm、λ=500nm、n=1のときは、間隔G=640mmで信号コントラストが最大になる。つまり、同じnの値で同じスケール板間隔のとき、両格子による信号コントラストを同時に最大にすることはできない。
周期P=50μmの格子においてn=64とすれば、周期Q=400μmの格子と両立できるものの、間隔Gが周期Qの格子に依存して、周期Qが大きくなればスケール板の間隔Gを広げなければならず、エンコーダ全体が大型化してしまう。また、スケール板間隔を広げると、光源から受光素子までの距離も長くなるため、受光量が減少してしまう。
別の特許文献2には、短周期の格子を構成する目盛りの深さあるいは光学濃度を格子配列方向に変化させて、短周期目盛りおよび長周期目盛りを単一トラック上に設けた絶対位置検出型エンコーダが記載されている。しかしながら、短周期目盛りの深さあるいは光学濃度を格子配列方向に変化させたスケール板は、製造コストが高くなる。
本発明の目的は、複数の周期を有する格子を低コストで実現でき、エンコーダ全体の小型化、薄型化が図られ、高精度の絶対位置検出を実施できる光学式エンコーダを提供することである。
本発明に係る光学式エンコーダは、光源と、
光源からの光を周期的な光量分布に変換するための第1スケール板と、
第1スケール板からの光を周期的に空間変調するための第2スケール板と、
第2スケール板からの光を通過させる開口を有する第3スケール板と、
第3スケール板からの光を受光するための受光素子とを備え、
第1スケール板または第2スケール板に、周期Pの光学パターンおよび周期Pより長い周期Tの光学パターンが重畳した像を発生するための格子が設けられ、
第3スケール板の開口形状は、第1スケール板または第2スケール板が相対移動する際、受光素子が出力する信号から周期Pの光学パターンによる信号成分が除去されるように設定されていることを特徴とする。
光源からの光を周期的な光量分布に変換するための第1スケール板と、
第1スケール板からの光を周期的に空間変調するための第2スケール板と、
第2スケール板からの光を通過させる開口を有する第3スケール板と、
第3スケール板からの光を受光するための受光素子とを備え、
第1スケール板または第2スケール板に、周期Pの光学パターンおよび周期Pより長い周期Tの光学パターンが重畳した像を発生するための格子が設けられ、
第3スケール板の開口形状は、第1スケール板または第2スケール板が相対移動する際、受光素子が出力する信号から周期Pの光学パターンによる信号成分が除去されるように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1または第2のスケール板に設けられた格子が短周期Pおよび長周期Tの光学パターンを発生した場合、第3スケール板の開口形状を適切に設定することによって、受光素子からの出力信号から短周期Pに対応した周波数成分を除去しつつ、長周期Tに関する信号コントラストが最大になるようにスケール板の間隔を設定できる。そのためエンコーダ全体の小型化、薄型化が図られる。また、光源から受光素子までの距離を短縮できるため、受光素子での受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。
実施の形態1.
図1は、本発明の第1実施形態を示す構成図である。光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源5と、第1のスケール板7と、第2のスケール板8と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成される。
図1は、本発明の第1実施形態を示す構成図である。光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源5と、第1のスケール板7と、第2のスケール板8と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成される。
光源5は、LEDなどで構成され、中心波長λで、空間的に干渉性の低い光(インコヒーレント光)6を放射する。
スケール板7には、透過部と遮光部とが交互に配置された振幅格子が設けられ、光源からの光を周期的な光量分布に変換している。スケール板8にも、透過部と遮光部とが交互に配置された振幅格子が設けられ、スケール板7からの光を周期的に空間変調している。スケール板9には、所定の寸法を有する開口が設けられ、スケール板8からの光のうち特定の光量分布だけを抽出している。
受光素子11は、フォトダイオード等で形成され、スケール板9の開口を通過した光を電気信号に変換する。受光素子11の後段には、電流−電圧変換回路、コンパレータ回路やカウンタ回路などが設けられ、スケール板7,8が相対的に移動する際、その信号強度の変化を測定することによって、スケール板7,8の相対移動量を検出することができる。
図2は、スケール板8の格子パターンの一例を示す平面図である。スケール移動方向をx軸とし、スケール移動方向に垂直な方向をy軸として、この格子の開口1のx方向に沿った幅はW、格子の配列周期はPである。開口1のy方向の幅は、2つの曲線f(x)、g(x)により定義される包絡線2と包絡線3で挟まれる間隔と等しくなる。なお理解容易のため、図2では開口1を斜線部で示し、開口1以外は光が透過しない遮光部である。
図2に示すように、曲線f(x)、g(x)は周期Tで正弦波状に変化し、例えば、下記の式(2)(3)で表すことができる。曲線f(x)、g(x)は、座標(0,y1)の起点4を基準に描かれ、x軸に関して対称である。但し、a−b≧0である。
図1に戻って、光源5から出た光6は、第1のスケール板7、第2のスケール板8を通過し、さらに第3のスケール板9の各遮光部10以外の透過部を通過した後、受光素子11によって受光される。全てのスケール板7〜9は、矩形開口による格子が配列されており、第2のスケール板8の透過部のy方向の幅は、上述のように曲線f(x)、g(x)に従って変化しているのに対して、第1および第3のスケール板7、9の透過部のy方向の幅は一定値であり、スケール板8のy方向の最大幅より大きいことが望ましい。
本実施形態では、スケール板7とスケール板8との間隔およびスケール板8とスケール板9との間隔は共にzに設定し、スケール板7およびスケール板8に設けられた格子の周期は共にPに設定している。また、スケール板9における透過部のx方向の幅はn×Pに設定しており、図1ではn=1の場合を示している。間隔zの値は、スケール板9上の像のうち周期Pの像、即ち、第1のスケール板7上に設けられた格子の基本周期Pの像のコントラストが最も良くなるように、下記の式(4)で得られる値に設定する。なお、nは0以上の整数であり、λは光源5の中心波長である。
スケール板9上には、スケール板8の格子パターンによって、長周期Tの光学パターンと短周期Pの光学パターンとが重畳した像が結像される。スケール板8がx方向に移動すると、スケール板9上のある点では、図3(a)に示すように、長周期Tおよび短周期Pの重畳パターンに対応した光量変化が現れる。縦軸は光量変化を示し、横軸はスケール板8の相対位置を示す。
この光量分布変化をスケール板9を介して受光素子11で受光すると、その出力信号は、図3(b)に示すように変化する。縦軸は光量変化を示し、横軸はスケール板8の相対位置を示す。スケール板9の透過部のx方向の幅は周期Pまたはその整数倍であるため、周期Pに関する光学パターンは、一周期分またはその整数倍の範囲に渡る積分によってキャンセルされる。その結果、出力信号は、周期Pに対応した周波数成分が除去され、長周期Tに対応した正弦波状の信号が支配的となる。
このようにスケール板9の透過部の寸法を適切に設計することによって、従来のスケール板間隔条件に拘束されることなく、長周期Tに関する信号コントラスト、即ちAC/DC比が大きくなるようにスケール板の間隔を設定することができる。そのためエンコーダ全体の小型化、薄型化が図られる。また、光源5から受光素子11までの距離を短縮できるため、受光素子11での受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。
なお本実施形態では、間隔zを式(4)で計算した値に設定した例を示したが、それ以外の値に設定しても構わない。
また本実施形態では、スケール板7とスケール板8との間隔が、スケール板8とスケール板9との間隔と等しい例を示したが、所定の信号コントラストが得られれば、両者の間隔は相違しても構わない。
また本実施形態では、スケール板7の格子周期とスケール板8の格子周期とが等しい例を示したが、両者の格子周期は相違しても構わない。
なお、スケール板の間隔や格子周期などの設定条件によっては、格子周期Pを有するスケール板8が、スケール板9上に周期P’(≠P)の像を結像させることがある。この場合、スケール板9における透過部のx方向の幅は、格子周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましく、これにより受光素子11からの出力信号から周期P’の周波数成分を除去することができる。さらに、スケール板8における長周期Tの格子パターンも、スケール板9上に長周期T’(≠T)のパターン像に結像されることから、スケール板9における透過部のx方向の幅は、長周期T’またはこの整数倍と一致しないように設定することが望ましい。
また本実施形態では、第3のスケール板9において単一の透過部を設けた例を示したが、複数の透過部を設けてもよく、これにより受光素子11の受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。この場合、各透過部の幅は、スケール板9上に結像された像の短周期成分の周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましく、各透過部の間隔は任意に設定できる。一方、各透過部の幅を、スケール板9上に結像された像の短周期成分の周期P’のほぼ半分に設定した場合には、各透過部の中心間隔を(3P/2+n×P’)に設定し、各透過部の幅の合計を周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましい。なお、複数の透過部を設けた場合、スケール板9上に結像された像の長周期成分の半周期T’/2の範囲内に全ての透過部を配置することが望ましい。
また本実施形態では、第1のスケール板7にy方向の幅が一定の格子を設けて、第2のスケール板8にy方向の幅が曲線f(x)、g(x)で変化する格子を設けた例を示したが、逆に、第1のスケール板7にy方向の幅が曲線f(x)、g(x)で変化する格子を設けて、第2のスケール板8にy方向の幅が一定の格子を設けても同様な効果が得られる。この場合、第1のスケール板を他の部材に対して相対的に移動させる。
また本実施形態では、曲線f(x)、g(x)が周期Tの正弦波関数である例を示したが、周期Tの三角波関数やその他の周期関数であっても同様な効果が得られる。また、曲線f(x)、g(x)がx軸に関して対称である例を示したが、周期Tの周期関数であればx軸に関して非対称であっても構わない。
また本実施形態では、スケール板7,8が相対的に直線移動するリニアエンコーダの例を示したが、本発明はスケール板7,8が相対的に角変位するロータリーエンコーダにも適用可能である。この場合、格子を円環状に配置するとともに、曲線f(x)、g(x)の代わりに、下記の式(5)、(6)のように回転角度θに依存する半径方向の関数f(θ)、g(θ)を用いて格子の各包絡線を定義できる。なお、r1はスケール板上に設けられた格子パターンの中心半径、nは1以上の整数であり、a−b≧0である。
また本実施形態では、第2のスケール板8が透過型である例を示したが、スケール板8は反射型でも構わない。この場合、スケール板8に関して同じ側にスケール板7,9を配置するため、スケール板7,9は共通のスケール板で実現することができる。この場合、短周期Pの光学パターンと長周期Tの光学パターンとを発生するための格子は、スケール板8に設けることが望ましい。
また本実施形態では、スケール板9の後方に受光素子11を配置した例を示したが、スケール板9の透過部形状に一致した受光部を有する受光素子または受光素子アレイを配置することで、スケール板9と受光素子の各機能を兼用することができる。
また本実施形態では、第2のスケール板8において、長周期Tの格子パターンを1周期分だけ設けた例を示したが、2周期分またはこれ以上の周期を持つ格子パターンを設けても構わない。
実施の形態2.
本実施形態は、第1実施形態と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源5と、第1のスケール板7と、第2のスケール板8と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成されるが、スケール板9において複数の透過部を設けている点が相違する。
本実施形態は、第1実施形態と同様な構成を有し、光学式エンコーダは、光進行方向に沿って、光源5と、第1のスケール板7と、第2のスケール板8と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成されるが、スケール板9において複数の透過部を設けている点が相違する。
スケール板9での各透過部は、短周期Pとほぼ等しい幅を有し、透過部の中心間隔は(3P/2+n×P)に設定している。ここで、nは0以上の整数である。こうした構成により、受光素子11の出力信号における短周期Pの重畳成分を低減しつつ、受光素子11の受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。
実施の形態3.
図4は、本発明の第3実施形態に係る第2のスケール板の格子パターンの一例を示す平面図である。第2のスケール板12には、2列の格子配列13,14が設けられる。
図4は、本発明の第3実施形態に係る第2のスケール板の格子パターンの一例を示す平面図である。第2のスケール板12には、2列の格子配列13,14が設けられる。
スケール移動方向をx軸とし、スケール移動方向に垂直な方向をy軸として、第1の格子配列13は、図2と同様に、格子の開口1のx方向に沿った幅がW、格子の配列周期がPであり、開口1のy方向の幅は、2つの曲線f(x)、g(x)により定義される包絡線2と包絡線3で規定される。なお、理解容易のため、図4では開口1を斜線部で示し、開口1以外は光が透過しない遮光部である。
第2の格子配列14は、格子の開口1のx方向に沿った幅がW、格子の配列周期がPであり、開口1のy方向の幅はx方向の位置によらず一定である。
光学式エンコーダは、図1と同様に、光進行方向に沿って、光源5と、第1のスケール板7と、第2のスケール板12と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成される。
スケール板7には、スケール板12における2列の格子配列13,14に対応して、第1および第2の格子配列(不図示)が設けられる。スケール板7の各格子配列は、格子配列14と同じパターン形状を有し、格子の開口のx方向の幅がW、格子の配列周期がPであり、開口のy方向の幅はx方向の位置によらず一定である
スケール板9にも、スケール板12における2列の格子配列13,14に対応して、実施の形態1、2と同様に短周期Pとほぼ等しい幅を有し、短周期Pによる信号成分を除去する第1および第2の格子配列(不図示)が設けられる。
受光素子11として、各スケール板の第1格子配列群を通過した光を受光する第1の受光素子と、各スケール板の第2格子配列群を通過した光を受光する第2の受光素子とが、スケール板9の後方に配置される。
スケール板12の格子配列13は、開口1のy方向の幅が周期Tで変化しているため、スケール板7,9での第1格子配列は、格子配列13のy方向の幅の最大値より大きいことが望ましい。
また、スケール板7において、第1格子配列および第2格子配列を一体化して、開口のy方向の幅が2列の格子配列13,14を包含するような単一の格子配列を設けても構わない。
動作に関して、スケール板12がx方向に移動すると、第1の受光素子は、図3(b)に示すように、格子配列13に対応した長周期Tの正弦波状信号を出力し、一方、第2の受光素子は格子配列14に対応した短周期Pの正弦波状信号を出力する。
本実施形態では、スケール板7とスケール板12との間隔およびスケール板12とスケール板9との間隔は共にzに設定し、間隔zの値は、スケール板9上の像のうち周期Pの像、即ち、第1のスケール板7上に設けられた格子の基本周期Pの像のコントラストが最も良くなるように、下記の式(5)で得られる値に設定する。なお、nは0以上の整数であり、λは光源5の中心波長である。
このようにスケール板9の開口部の寸法を適切に設計することによって、従来のスケール板間隔条件に拘束されることなく、長周期Tに関する信号コントラストが大きく、および短周期Pに関する信号コントラストが最大になるようにスケール板の間隔を設定することができる。そのためエンコーダ全体の小型化、薄型化が図られる。また、光源から受光素子までの距離を短縮できるため、受光素子での受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。
なお本実施形態では、第2のスケール板12において2列の格子配列13,14を設けた例を示したが、格子配列13の長周期Tと異なる長周期を持った第3の格子配列を追加しても構わない。
また本実施形態では、第2のスケール板12における格子配列13,14の短周期Pが一致している例を示したが、格子配列13の短周期と格子配列14の短周期が相違していても構わない。
また本実施形態では、スケール板7とスケール板12との間隔が、スケール板12とスケール板9との間隔と等しい例を示したが、所定の信号コントラストが得られれば、両者の間隔は相違しても構わない。
また本実施形態では、スケール板7の格子周期とスケール板12における格子短周期とが等しい例を示したが、両者の格子周期は相違しても構わない。
なお、スケール板の間隔や格子周期などの設定条件によっては、格子周期Pを有する格子配列13が、スケール板9上に周期P’(≠P)の像を結像させることがある。この場合、スケール板9における透過部のx方向の幅は、格子周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましく、これにより各受光素子からの出力信号から周期P’の周波数成分を除去することができる。さらに、スケール板12における長周期Tの格子パターンも、スケール板9上に長周期T’(≠T)のパターン像を結像させることから、スケール板9における透過部のx方向の幅は、長周期T’またはこの整数倍と一致しないように設定することが望ましい。
また本実施形態では、第3のスケール板9において複数の透過部を有する格子配列を設けているため、各受光素子での受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。この場合、各透過部の幅は、スケール板9上に結像された像の短周期成分の周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましく、各透過部の間隔は任意に設定できる。一方、各透過部の幅を、スケール板9上に結像された像の短周期成分の周期P’のほぼ半分に設定した場合には、各透過部の中心間隔を(3P/2+n×P’)に設定し、各透過部の幅の合計を周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましい。なお、複数の透過部を設けた場合、スケール板9上に結像された像の長周期成分の半周期T’/2の範囲内に全ての透過部を配置することが望ましい。
また本実施形態では、第1のスケール板7にy方向の幅が一定の格子配列を設けて、第2のスケール板12にy方向の幅が曲線f(x)、g(x)で変化する格子配列13を設けた例を示したが、逆に、第1のスケール板7にy方向の幅が曲線f(x)、g(x)で変化する格子配列13を設けて、第2のスケール板8にy方向の幅が一定の格子配列を設けても同様な効果が得られる。この場合、第1のスケール板を他の部材に対して相対的に移動させる。
また本実施形態では、曲線f(x)、g(x)が周期Tの正弦波関数である例を示したが、周期Tの三角波関数やその他の周期関数であっても同様な効果が得られる。また、曲線f(x)、g(x)がx軸に関して対称である例を示したが、周期Tの周期関数であればx軸に関して非対称であっても構わない。
また本実施形態では、スケール板7,12が相対的に直線移動するリニアエンコーダの例を示したが、本発明はスケール板7,12が相対的に角変位するロータリーエンコーダにも適用可能である。この場合、格子を円環状に配置するとともに、曲線f(x)、g(x)の代わりに、上記の式(5)、(6)のように、回転角度θに依存する半径方向の関数f(θ)、g(θ)を用いて格子の各包絡線を定義できる。
また本実施形態では、第2のスケール板12が透過型である例を示したが、スケール板12は反射型でも構わない。この場合、スケール板12に関して同じ側にスケール板7,9を配置するため、スケール板7,9は共通のスケール板で実現することができる。この場合、短周期Pの光学パターンと長周期Tの光学パターンとを発生するための格子配列13は、スケール板12に設けることが望ましい。
また本実施形態では、スケール板9の後方に2つの受光素子を配置した例を示したが、スケール板9の透過部形状に一致した受光部を有する受光素子または受光素子アレイをそれぞれ配置することで、スケール板9と受光素子の各機能を兼用することができる。
また本実施形態では、第2のスケール板12において、長周期Tの格子パターンを1周期分だけ設けた例を示したが、2周期分またはこれ以上の周期を持つ格子パターンを設けても構わない。
本実施形態では、格子配列13,14の格子配列周期は共にPであったが、格子配列13,14による像のコントラストが十分な測定精度を実現する場合、同一である必要はない。例えば、格子配列13の配列周期がP、格子配列14の配列周期がP2とする。格子配列14による像のコントラストが最大となった場合でも、格子配列13による短周期が重畳した像のうち、短周期像のコントラストは最大とはならない。しかし、上述と同様に、受光素子の開口の設定により短周期像を除去することができ、長周期像のみを得ることができる。
実施の形態4.
図5は、本発明の第4実施形態に係る第2のスケール板の格子パターンの一例を示す平面図である。スケール移動方向をx軸とし、スケール移動方向に垂直な方向をy軸として、この格子配列は、格子の開口15のx方向に沿った幅がWnであり、Wnはx方向の位置に依存して変化している。また、格子の配列周期がPであり、開口15のy方向の幅はx方向の位置によらず一定である。なお、理解容易のため、図5では開口15を斜線部で示し、開口15以外は光が透過しない遮光部である。
図5は、本発明の第4実施形態に係る第2のスケール板の格子パターンの一例を示す平面図である。スケール移動方向をx軸とし、スケール移動方向に垂直な方向をy軸として、この格子配列は、格子の開口15のx方向に沿った幅がWnであり、Wnはx方向の位置に依存して変化している。また、格子の配列周期がPであり、開口15のy方向の幅はx方向の位置によらず一定である。なお、理解容易のため、図5では開口15を斜線部で示し、開口15以外は光が透過しない遮光部である。
開口15のx方向の幅Wnは、例えば下記の式(7)のように、周期Tの正弦波関数を含む周期関数で表現できる。但し、起点16での開口15がn=0に相当し、起点16から1周期Tのx位置での開口15がn=Nに相当する。なお、α−β≧0、α+β≦P、N×P=Tである。
光学式エンコーダは、図1と同様に、光進行方向に沿って、光源5と、第1のスケール板7と、図5に示す第2のスケール板と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成される。
第1のスケール板7には、格子の配列周期Pの振幅格子が設けられ、その格子開口のx方向の幅Wおよびy方向の幅はx方向の位置によらず一定である。第3のスケール板9には、所定の寸法を有する開口が設けられる。
本実施形態では、スケール板7と第2のスケール板との間隔および第2のスケール板とスケール板9との間隔は共にzに設定している。また、スケール板9における透過部のx方向の幅は周期Pまたはその整数倍に設定している。間隔zの値は、スケール板9上の像のうち周期Pの像、即ち、第1のスケール板7上に設けられた格子の基本周期Pの像のコントラストが最も良くなるように、下記の式(4)で得られる値に設定する。なお、nは0以上の整数であり、λは光源5の中心波長である。
スケール板9上には、図5に示す第2のスケール板の格子パターンによって、長周期Tの光学パターンと短周期Pの光学パターンとが重畳した像が結像される。スケール板9の透過部のx方向の幅は周期Pまたはその整数倍であるため、周期Pに関する光学パターンは、一周期分またはその整数倍の範囲に渡る積分によってキャンセルされる。その結果、出力信号は、周期Pに対応した周波数成分が除去され、長周期Tに対応した正弦波状の信号が支配的となる。
このようにスケール板9の透過部の寸法を適切に設計することによって、従来のスケール板間隔条件に拘束されることなく、長周期Tに関する信号コントラスト、即ちAC/DC比が大きくなるようにスケール板の間隔を設定することができる。そのためエンコーダ全体の小型化、薄型化が図られる。また、光源5から受光素子11までの距離を短縮できるため、受光素子11での受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。
なお本実施形態では、間隔zを式(4)で計算した値に設定した例を示したが、それ以外の値に設定しても構わない。
また本実施形態では、スケール板7と第2のスケール板との間隔が、第2のスケール板とスケール板9との間隔と等しい例を示したが、所定の信号コントラストが得られれば、両者の間隔は相違しても構わない。
また本実施形態では、スケール板7の格子周期と第2のスケール板の格子周期とが等しい例を示したが、両者の格子周期は相違しても構わない。
なお、スケール板の間隔や格子周期などの設定条件によっては、格子周期Pを有する第2のスケール板が、スケール板9上に周期P’(≠P)の像を結像させることがある。この場合、スケール板9における透過部のx方向の幅は、格子周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましく、これにより受光素子11からの出力信号から周期P’の周波数成分を除去することができる。さらに、第2のスケール板における長周期Tの格子パターンも、スケール板9上に長周期T’(≠T)のパターン像を結像させることから、スケール板9における透過部のx方向の幅は、長周期T’またはこの整数倍と一致しないように設定することが望ましい。
また本実施形態では、第3のスケール板9において単一の透過部を設けた例を示したが、複数の透過部を設けてもよく、これにより受光素子11の受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。この場合、各透過部の幅は、スケール板9上に結像された像の短周期成分の周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましく、各透過部の間隔は任意に設定できる。一方、各透過部の幅を、スケール板9上に結像された像の短周期成分の周期P’のほぼ半分に設定した場合には、各透過部の中心間隔を(3P/2+n×P’)に設定し、各透過部の幅の合計を周期P’のほぼ整数倍に設定することが望ましい。なお、複数の透過部を設けた場合、スケール板9上に結像された像の長周期成分の半周期T’/2の範囲内に全ての透過部を配置することが望ましい。
また本実施形態では、第1のスケール板7にx方向の開口幅が一定の格子を設けて、第2のスケール板にx方向の開口幅Wnが周期Tの周期関数で変化する格子を設けた例を示したが、逆に、第1のスケール板7にx方向の開口幅Wnが周期Tの周期関数で変化する格子を設けて、第2のスケール板にx方向の開口幅が一定の格子を設けても同様な効果が得られる。この場合、第1のスケール板を他の部材に対して相対的に移動させる。
また本実施形態では、x方向の開口幅Wnが周期Tの正弦波関数で変化する例を示したが、周期Tの三角波関数やその他の周期関数であっても同様な効果が得られる。
また本実施形態では、第1および第2のスケール板が相対的に直線移動するリニアエンコーダの例を示したが、本発明は第1および第2のスケール板が相対的に角変位するロータリーエンコーダにも適用可能である。この場合、格子を円環状に配置するとともに、回転角をθとして、下記の式(8)のように、θ方向の開口幅Wn(θ)が周期的に変化する。なお、nは0以上の整数であり、c、dは角度幅、P2は格子の角度短周期、Cは角度長周期である。なお、c−d≧0、c+d≦P2、N×P2=Cである。
また本実施形態では、第2のスケール板が透過型である例を示したが、第2のスケール板は反射型でも構わない。この場合、第2のスケール板に関して同じ側にスケール板7,9を配置するため、スケール板7,9は共通のスケール板で実現することができる。この場合、短周期Pの光学パターンと長周期Tの光学パターンとを発生するための格子は、第2のスケール板に設けることが望ましい。
また本実施形態では、スケール板9の後方に受光素子11を配置した例を示したが、スケール板9の透過部形状に一致した受光部を有する受光素子または受光素子アレイを配置することで、スケール板9と受光素子の各機能を兼用することができる。
また本実施形態では、第2のスケール板に短周期Pおよび長周期Tを有する単一の格子配列を設けた例を示したが、図4と同様に、1枚のスケール板において短周期Pおよび長周期Tを有する第1の格子配列と、短周期Pを有する第2の格子配列を併設しても構わない。このとき、短周期および長周期を有する第1の格子配列による像のコントラストと短周期のみを有する格子配列による像のコントラストが十分な測定精度を実現する場合、短周期の値を同一にする必要はない。
また本実施形態では、第2のスケール板において、長周期Tの格子パターンを1周期分だけ設けた例を示したが、2周期分またはこれ以上の周期を持つ格子パターンを設けても構わない。
実施の形態5.
図6は、本発明の第5実施形態を示し、図6(a)はy方向から見た正面図、図6(b)はx方向から見た側面図である。図6において、スケール移動方向をx軸、光軸方向をz軸、x軸およびz軸に垂直な方向をy軸に設定している。
図6は、本発明の第5実施形態を示し、図6(a)はy方向から見た正面図、図6(b)はx方向から見た側面図である。図6において、スケール移動方向をx軸、光軸方向をz軸、x軸およびz軸に垂直な方向をy軸に設定している。
光学式エンコーダは、図1と同様に、光進行方向に沿って、光源17と、シリンドリカルレンズ18と、第1のスケール板7と、第2のスケール板8と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成される。
光源17は、LEDなどで構成され、x方向に長いライン状の発光面を有し、中心波長λで、x方向に空間的に干渉性の低い光(インコヒーレント光)6を放射する。
シリンドリカルレンズ18は、y方向だけの集光パワーを有し、光源17からの発散光を空間的に干渉性が高く平行化された光19に変換する。
スケール板8には、図4と同様に、2列の格子配列が設けられる。スケール板7,9にも、スケール板8における2列の格子配列に対応して、2列の格子配列がそれぞれ設けられる。
受光素子11として、各スケール板の第1格子配列群を通過した光を受光する第1の受光素子と、各スケール板の第2格子配列群を通過した光を受光する第2の受光素子とが、スケール板9の後方に配置される。各受光素子のy方向に沿った幅Wpは、各格子配列のy方向に沿った幅Wt以上であることが望ましい。
本実施形態では、各スケール板の格子配列領域がスケール移動方向と垂直なy方向に拡大している場合、シリンドリカルレンズ18によるy方向に平行な光線を各スケール板に入射させることによって、受光素子間のクロストークを防止することができ、信号のS/N比を改善できる。
なお本実施形態では、各スケール板に複数の格子配列を設けた例を示したが、各スケール板に単一の格子配列を設けた場合にもシリンドリカルレンズによる平行光入射が適用可能である。
また本実施形態では、一方向集光素子としてシリンドリカルレンズを用いた例を示したが、プリズムやその他のアナモルフィック光学系を使用しても構わない。
実施の形態6.
図7は、本発明の第6実施形態を示し、図7(a)はy方向から見た正面図、図7(b)はx方向から見た側面図である。図7において、スケール移動方向をx軸、光軸方向をz軸、x軸およびz軸に垂直な方向をy軸に設定している。
図7は、本発明の第6実施形態を示し、図7(a)はy方向から見た正面図、図7(b)はx方向から見た側面図である。図7において、スケール移動方向をx軸、光軸方向をz軸、x軸およびz軸に垂直な方向をy軸に設定している。
光学式エンコーダは、図6と同様に、光進行方向に沿って、光源21と、レンズ22と、ディヒューザ(diffuser)24と、第1のスケール板7と、第2のスケール板8と、第3のスケール板9と、受光素子11などで構成される。
光源21は、LEDなどで構成され、中心波長はλである。
レンズ22は、光源21からの発散光を平行化された光23に変換する。
ディヒューザ24は、ホログラムやCGH(Computer-Generated Hologram)などで製作された光拡散素子であり、ほぼx方向のみに光を散乱させる機能を有する。ディヒューザ24に入射した光23は、ほぼx方向のみに散乱し、y方向には散乱せず、x方向に空間的干渉性の低い光25に変換される。
スケール板8には、図4と同様に、2列の格子配列が設けられる。スケール板7,9にも、スケール板8における2列の格子配列に対応して、実施の形態3と同様に2列の格子配列がそれぞれ設けられる。
受光素子11として、各スケール板の第1格子配列群を通過した光を受光する第1の受光素子と、各スケール板の第2格子配列群を通過した光を受光する第2の受光素子とが、スケール板9の後方に配置される。各受光素子のy方向に沿った幅Wpは、各格子配列のy方向に沿った幅Wt以上であることが望ましい。
本実施形態では、各スケール板の格子配列領域がスケール移動方向と垂直なy方向に拡大している場合、レンズ22とディヒューザ24によるy方向に平行な光線を各スケール板に入射させることによって、受光素子間のクロストークを防止することができ、信号のS/N比を改善できる。
なお本実施形態では、各スケール板に複数の格子配列を設けた例を示したが、各スケール板に単一の格子配列を設けた場合にもレンズによる平行光入射が適用可能である。
以上の各実施形態において、第1のスケール板および第2のスケール板において透過部と遮光部とが交互に配置された振幅格子を設けた例を示したが、第1のスケール板および第2のスケール板のいずれか一方または両方に光の位相を変化させる位相格子を設けてもよく、これによって受光素子での受光量が増加して、信号のS/N比を改善できる。
1,15 開口、 2,3 包絡線、 4,16 起点、 5,17,21 光源、 6,19 光、 7,8,9,12 スケール板、 10 遮光部、 11 受光素子、 13,14 格子配列、 18 シリンドリカルレンズ、 22 レンズ、 24 ディヒューザ。
Claims (6)
- 光源と、
光源からの光を周期的な光量分布に変換するための第1スケール板と、
第1スケール板からの光を周期的に空間変調するための第2スケール板と、
第2スケール板からの光を通過させる開口を有する第3スケール板と、
第3スケール板からの光を受光するための受光素子とを備え、
第1スケール板または第2スケール板に、周期Pの光学パターンおよび周期Pより長い周期Tの光学パターンが重畳した像を発生するための格子が設けられ、
第3スケール板の開口形状は、第1スケール板または第2スケール板が相対移動する際、受光素子が出力する信号から周期Pの光学パターンによる信号成分が除去されるように設定されていることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記格子は、スケール移動方向に沿った格子ピッチが周期Pであり、スケール移動方向に垂直な方向に沿った格子幅が周期Tの包絡線で定義されることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
- 前記格子は、スケール移動方向に沿った格子ピッチが周期Pであり、スケール移動方向に沿った格子幅が周期Tを持つ関数で定義されることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
- 第1スケール板または第2スケール板に、前記格子と共に、周期Pの光学パターンのみを発生するための第2の格子がさらに設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
- 第1スケール板または第2スケール板に、前記格子と共に、周期P2(≠P)の光学パターンのみを発生するための第2の格子がさらに設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
- 光源からの光を、スケール移動方向において空間的に干渉性が低く、スケール移動方向に垂直な方向において空間的に干渉性が高く平行化された光に変換するための光学系を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学式エンコーダ。
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JP2004104242A JP2005291794A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 光学式エンコーダ |
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JP2022026795A (ja) * | 2020-07-31 | 2022-02-10 | 大銀微系統股▲分▼有限公司 | 光学式エンコーダのインデックス格子 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004104242A patent/JP2005291794A/ja active Pending
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