JP6032903B2 - 焼成用セッター - Google Patents
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Description
そこで、これらの問題を解決するため、焼成用セッターの上に被焼成体と反応しにくいセラミックス粉体などを敷粉として敷いて焼成する方法が行われているが、被焼成体表面に粉体が付着するため、被焼成体表面から除去する手間がかかる上に、被焼成体表面を傷付けてしまうという問題がある。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 表面に凹凸部を有し、(a)凸部の高さが15〜100μmであり、(b)凸部間のピッチが250〜1000μmであり、(c)凸部の形状が、曲率半径200〜1000μmの曲面であり、(d)凹部の厚さが0.5〜10mmであることを特徴とする焼成用セッター。
(a)凸部の高さが15〜100μmである点
本発明では、凸部の高さを15〜100μm、好ましくは20〜70μmとする。凸部の高さが15μm未満であると、被焼成体と焼成用セッターの凹部の間隔が狭くなり、焼成用セッターとの接触状態が凹凸を施していない状態に近くなり、被焼成体と焼成用セッターとの反応が起こり易くなるため好ましくない。
また、本発明の焼成用セッターは、後述するように成形時に凹凸形状に成形するので、凸部の高さが100μmを超えると、成形体の凸部の欠けや焼成時における僅かな焼成用セッターの変形により、凸部高さの均一性を確保できず、結果的に、被焼成体と焼成用セッターの凸部との接触が不均一となり、被焼成体の変形の発生原因となるため好ましくない。また、ハンドリングによる凸部の欠けや割れも起こり易くなるので好ましくない。
本発明では、凸部間のピッチを250〜1000μm、好ましくは300〜900μmとする。凸部間のピッチが250μm未満であると、被焼成体との接触面積が大きくなり、反応又は接着が起こり易くなるため好ましくない。一方、凸部間のピッチが1000μmを超えると、単位面積当たりの凸部数が少なくなるため、小型の被焼成体を載せた時に不安定となり変形の原因となるので好ましくない。
本発明では、凸部の形状を、曲率半径200〜1000μm、好ましくは300〜800μmの曲面とする。凸部の形状が曲面でないと、被焼成体を焼成した場合に、収縮等により被焼成体がスムーズに動くことができず、変形や割れの原因となるため好ましくない。また、曲面の曲率半径が200μm未満であると、被焼成体との接触面積が小さくなるため、被焼成体を重ねて焼成する場合に自重が大きくなり、被焼成体の表面に凸部が食い込んだり、キズの発生を招くので好ましくない。一方、曲率半径が1000μmを超えると、被焼成体との接触面積が大きくなり、反応又は接着を起こす原因となるため好ましくない。
本発明では、凹部の厚さを0.5〜10mm、好ましくは1〜5mmとする。凹部の厚さが0.5mm未満であると、凹部の厚みが薄くなり、セッター自身の強度が低下して、使用による変形(塑性変形)、ハンドリング性の低下及び割れ等が起こり易くなるので好ましくない。一方、凹部の厚さが10mmを超えると、変形等による抵抗性は高くなるが、熱伝導の不均一性が大きくなり、耐熱衝撃抵抗性の低下を来たすので好ましくない。なお、本発明でいう凹部の厚さとは、片面のみに凹凸部を有する場合は凹部とその裏面との厚さを指し、両面に凹凸部を有する場合は両面の凹部間の厚さを指す(図1参照)。
本発明の焼成用セッターの凹凸面は、片面と両面のどちらでもよい。
図1に、片面のみに凹凸部を有する場合(片面凹凸)、及び両面に凹凸部を有する場合(両面凹凸)の各測定箇所を示す。
なお、本発明の焼成用セッターの材料としては、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、スピネル、コーディライト等を用いることができる。
成形に用いる粉体は、スタート原料粒度等に応じて平均粒子径が0.3〜1μmとなるように粉砕、分散処理を行い、得られたスラリーにバインダー(例えば、PVA、アクリル樹脂等)を所定量添加し、スプレードライヤーで乾燥して作製する。得られたスプレードライヤー粉体の粒度は30〜80μmが好ましい。この範囲を外れると成形性が低下し、きっちりとした凹凸部にならないため好ましくない。
得られたスプレードライヤー粉体を用いて金型によりプレス成形する。プレス面には、焼成後に目的とする凹凸部となるように樹脂製の網シートを金型面に貼り付けたり、金型表面を加工する必要がある。金型表面を加工する場合はコストがかかる欠点を有する。
上記金型を用いて500〜1000kgf/cm2の圧力でプレス成形して成形体を得る。成形体を各材料に応じた焼成温度で焼成すれば本発明の焼成用セッターが得られる。
スプレードライヤー粉体粒度が60μmのイットリアを8mol%含有するジルコニア粉体を用い、各形状及びサイズの凹凸部となるように樹脂製の網シートを金型表面に貼り付けた金型を用いて、700kgf/cm2の成形圧でプレス成形し、1600℃で焼成して、表1に示す各サイズの凹凸部を有する焼成用セッターを作製した。
実施例6の焼成用セッターについて、その断面の走査電子顕微鏡写真を図2に、レーザー顕微鏡で観察し測定した3次元画像を図3にそれぞれ示す。
作製した焼成用セッターの上に市販のPZT粉体から作製したペレット(φ10mm×3mm)を3枚重ねて載せ、1300℃で3時間焼成し、冷却した後、焼成したペレットと焼成用セッターとの反応及び接着状態を下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
○:反応及び接着無し
×:反応及び接着有り
<被焼成体の変形や傷>
○:変形や傷無し
×:変形や傷有り
<焼成用セッターの割れや変形>
○:割れや変形無し
×:割れや変形有り
一方、本発明の要件を満たさない焼成用セッターは、被焼成体との反応及び接着が発生したり、被焼成体に変形や傷が生じたり、焼成用セッターの割れや変形が生じた。
Claims (1)
- 表面に凹凸部を有し、(a)凸部の高さが15〜100μmであり、(b)凸部間のピッチが250〜1000μmであり、(c)凸部の形状が、曲率半径200〜1000μmの曲面であり、(d)凹部の厚さが0.5〜10mmであることを特徴とする焼成用セッター。
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- 2012-02-29 JP JP2012042785A patent/JP6032903B2/ja active Active
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