JP6032213B2 - 車速制御装置及び車速制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は車速制御装置及び車速制御方法に関し、特に、予め定められた走行パターンで車両を走行させるように制御する車速制御装置及び車速制御方法に関する。
例えば、車両の燃費を計測する際に、例えばシャシーダイナモメータ上に車両を配置し、各時刻における目標車速が予め規定された走行パターンで、車両を走行させることが行われる。ここで、車両を運転者(人)が運転する場合、運転者によって車両操作にばらつきが発生するおそれがある。そのため、燃費を正確に計測することが困難になるおそれがある。この問題を解決するための技術として、車両を目標車速に自動的に追従させるように制御するドライバモデル(車速制御装置)に関する技術がある。
この技術に関連して、特許文献1には、フィードフォワード回路を設けた車両速度制御装置が開示されている。特許文献1にかかる車両速度制御装置は、基準車速指令を基に、制御系の遅れ要素を見込んだ先読み車速指令を車速制御コントローラに出力してアクセルの開度指令を生成し、この開度指令でシャシーダイナモメータのローラ上に載置された車両速度を制御する。特許文献1にかかる車両速度制御装置は、基準速度指令と先読み車速指令との整合性のないときに先読み車速指令の出力を無効とする無効指令部を備えている。無効指令部による無効フラグオン時には、基準速度指令を目標の車速指令として車速制御コントローラに出力する。無効指令部による無効フラグオフ時には、滑らか処理の施された先読み車速指令を目標の車速指令として車速制御コントローラに出力する。
特開2011−085460号公報
車両を実際に運転するのは人であるため、燃費の計測等の車両試験においては、人が車両を運転した場合の結果にできる限り近づけることが求められる。一方、上述したドライバモデルを用いて車両を制御した場合、ドライバモデルによってなされるアクセル操作が、人が車両を運転した場合のアクセル操作と異なるため、ドライバモデルによる燃費の計測の結果が、人が車両を運転した場合の結果と乖離してしまうおそれがある。つまり、ドライバモデルは、実車速の目標車速への追従性を重視するため、運転者がなし得ないアクセル操作を行っている。一方、運転者が車両を運転する場合、例えば車両の加速度(減速度も含む)及び車速等の走行状態に応じて、運転者は、目標車速の先読み時間を、適宜、変更している。したがって、ドライバモデル(車速制御装置)においても、運転者が行う操作に近い操作を実現させることが望まれる。
一方、特許文献1においては、単に、先読み制御を無効にするか有効にするかを変更しているのみであって、車両の走行状態に応じて先読み時間が変更されるわけではない、したがって、特許文献1においては、運転者が行う操作に近い操作を実現させることは困難である。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、運転者が行う操作に近い操作を実現させることが可能な車速制御装置及び車速制御方法を提供することにある。
本発明にかかる車速制御装置は、各時刻における目標車速を規定する走行パターンで車両を走行させるように制御する車速制御装置であって、前記走行パターンに応じて車速を制御する車速制御手段と、前記走行パターンにおける走行状態に応じて前記目標車速の先読み時間が変化するように、当該先読み時間を決定する決定手段とを有し、前記車速制御手段は、前記決定手段によって決定された先読み時間で前記目標車速を先読みして、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御する。
また、本発明にかかる車速制御方法は、各時刻における目標車速を規定する走行パターンで車両を走行させるように制御する車速制御方法であって、前記走行パターンにおける走行状態に応じて前記目標車速の先読み時間が変化するように、当該先読み時間を決定する決定工程と、前記決定工程において決定された先読み時間で前記目標車速を先読みして、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御する制御工程とを有する。
運転者が車両を運転する場合、車両の走行状態に応じて、運転者は、目標車速の先読み時間を適宜変更して、ペダル操作を行っている。本発明は、上記構成により、予め定められた走行パターンにおける走行状態に応じて最適な先読み時間で目標車速を先読みし、その先読みされた目標車速を用いて、車速を制御する。したがって、本発明は、運転者が行う操作に近い操作を実現させることが可能となる。
また、好ましくは、車速制御装置は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行する前に、前記走行パターンを読み込む読込手段をさらに有し、前記決定手段は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行する前に、前記読み込んだ走行パターンにおける走行状態に応じて、前記先読み時間を決定するように構成され、前記車速制御手段は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行するときに、各時刻において前記決定手段によって決定された前記先読み時間で前記目標車速を先読みして、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御するように構成されている。
決定手段は、車両が実際に走行する前に、走行パターンデータからどのタイミングでどのような先読み時間を設定するかを予め決定するように構成されている。このような構成によって、車速制御を行いながら先読み時間を決定する必要がなくなるので、車速制御の処理が遅れることを抑制することが可能となる。
また、好ましくは、車速制御装置は、前記走行パターンと、前記決定手段によって決定された前記先読み時間とを同期させる同期手段をさらに有し、前記車速制御手段は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行するときに、各時刻における前記目標車速と、前記走行パターンと同期した前記先読み時間とを受け付けるように構成されている。
同期手段は、走行パターンデータと、決定された先読み時間とを同期させるように構成されている。これにより、走行パターンと同期して先読み時間を設定することが可能となる。したがって、より確実に、走行パターンに沿って最適な先読み時間を設定することが可能となる。
また、好ましくは、前記決定手段は、前記走行パターンにおける車速及び加速度の少なくとも一方に応じて、前記先読み時間を決定するように構成されている。
運転者が車両を運転する場合、車両の加速度状態(加速状態であるか、定速状態であるか又は減速状態であるか、及び、それらの度合い)、及び速度状態(車速の度合い)に応じて、運転者は、目標車速の先読み時間を適宜変更して、ペダル操作(アクセル操作及びブレーキ操作)を行っている。上記のように構成されていることによって、どのような走行状態(加速度状態及び速度状態)であっても、最適な先読み時間を用いて車速を制御することが可能となる。
また、好ましくは、前記決定手段は、前記走行パターンにおける車速及び加速度の少なくとも一方と、前記先読み時間とを対応付けたテーブルを予め有しており、前記テーブルを用いて、先読み時間を決定するように構成されている。
このような構成とすることにより、走行パターンのある時刻における目標車速及び加速度が得られると、テーブルを参照することにより、直ちに先読み時間を決定することが可能となる。これによって、処理時間を短縮することが可能となる。
本発明によれば、運転者が行う操作に近い操作を実現させることが可能な車速制御装置及び車速制御方法を提供できる。
実施の形態1にかかる車両試験システムを示す図である。 実施の形態1にかかる走行パターンの例を示す図である。 実施の形態1にかかる車速制御部の構成を示す図である。 実施の形態1にかかる車両試験システムによってなされる試験フローを示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる先読み時間テーブルの例を示す図である。 実施の形態1にかかる、走行パターンと先読み時間との同期を説明するための図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる車両試験システム1を示す図である。車両試験システム1は、シャシーダイナモメータ10と、排ガス分析器20と、車速制御装置100とを有する。シャシーダイナモメータ10はローラ12を有しており、そのローラ12の上に、車両2の車輪が乗せられる。車両2は、車速制御装置100による制御によって、シャシーダイナモメータ10上で走行する。なお、シャシーダイナモメータ10は、実際の路面を模擬するために、例えば走行抵抗を設定できるように構成されていてもよい。
排ガス分析器20は、シャシーダイナモメータ10上で走行した車両2の排気ガスを吸入してその排気ガスを分析する。そして、排ガス分析器20は、排気ガスの分析結果から、車両2の燃費(燃料消費率)を計測する。具体的には、例えば、排ガス分析器20は、吸入した排気ガスに含まれるカーボン量を計測し、カーボンバランス法を用いて、燃費を計測する。
車速制御装置100は、各時刻における目標車速を規定する、予め定められた走行パターンに追従するように、車両2の走行速度(車速)を制御する。具体的には、車速制御装置100は、車両2が実際に走行している際の車速を示す信号(実車速信号)を受信する。車速制御装置100は、その実車速信号を用いて、車速を制御するための制御信号を、車両2に送信する。車両2は、その制御信号を受信して、その制御信号に従って車両2の駆動機構(エンジン又はモータ等)及び制動機構(ブレーキ等)を制御する。これによって、車速制御装置100は、車速が走行パターンに追従するように、車両を制御する。
さらに具体的には、例えば、車速制御装置100は、走行パターンに示された車速を目標車速とし、その目標車速と、受信した実車速信号が示す実車速とに応じて、車速が目標車速に追従するために必要な制御信号を生成する。制御信号は、例えば、車両2のアクセル開度を示すアクセル開度信号と、車両2のブレーキストロークを示すブレーキストローク信号とを含む。制御信号は、例えば、車両2のECU(Engine Control Unit)に入力される。車両2のECUは、アクセル開度信号が示すアクセル開度に対応するように、駆動機構を制御する。また、車両2のECUは、ブレーキストローク信号が示すブレーキストロークに対応するように、制動機構を制御する。これにより、車両2は、車速制御装置100からの制御信号によって、シャシーダイナモメータ10上で、車速を制御されつつ自動運転を行う。
なお、本実施の形態においては、実車速が車両2から受信されるとしたが、シャシーダイナモメータ10の回転数が受信されることによって、実車速を算出するようにしてもよい。また、本実施の形態においては、制御信号が車両2のECUに入力されるとしたが、これに限られない。車両2を運転するドライバロボットを車両2に乗せ、そのドライバロボットに制御信号を入力するようにしてもよい。このとき、ドライバロボットは、制御信号が示すアクセル開度となるようにアクセルペダルを操作し、制御信号が示すブレーキストロークとなるようにブレーキペダルを操作する。
車速制御装置100は、データ読込部110と、先読み時間決定部120と、目標車速指令部130と、車速制御部140とから構成される。本実施の形態にかかる車速制御装置100は、走行パターンを先読みして、フィードフォワード制御を用いて車両2の速度(車速)を制御する。さらに具体的には、本実施の形態にかかる車速制御装置100は、走行パターンにおける走行状態(例えば加速度の状態及び車速の状態)に応じて目標車速の先読み時間が変化するように先読み時間を決定し、その決定された先読み時間で目標車速を先読みし、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御する。詳しくは後述する。
なお、本実施の形態においては、目標車速指令部130及び車速制御部140は、車両2を走行させて試験が実施されている間に動作する。一方、データ読込部110及び先読み時間決定部120は、車両2を走行させて試験を行う前に動作してもよい。
なお、車速制御装置100は、複数の回路素子から構成される回路で構成されてもよい。一方、車速制御装置100及び車速制御装置100の構成部分は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)等のコンピュータで構成されてもよい。この場合、車速制御装置100の処理は、コンピュータである車速制御装置100が備えるCPU(Central Processing Unit)の制御によって、プログラムを実行させることによって実現してもよい。より具体的には、車速制御装置100に含まれる記録媒体に格納されたプログラムをメモリにロードし、CPUの制御によってプログラムを実行して実現してもよい。
データ読込部110は、作業者の操作等によって、車速制御に必要なデータを読み込む読込手段としての機能を有する。具体的には、データ読込部110は、車両諸元を示す車両データを読み込む。車両諸元とは、例えば、車両2の重量、車輪径、デフ及びトランスミッション等のギア比等である。また、データ読込部110は、走行パターンを示すデータ(走行パターンデータ)を読み込む。走行パターンデータは、例えば、時刻と、その時刻における目標速度との関係を示す。
図2は、走行パターンの例を示す図である。図2に示すように、走行パターンは、時刻と目標車速との関係を示す。例えば、時刻t1では、目標車速はV1であり、時刻t2では、目標車速はV2(>V1)であり、時刻t3では、目標車速はV3(<V2)である。また、例えば、時刻t4では、目標車速はV4であり、時刻t5では、目標車速はV5(>V4)であり、時刻t6では、目標車速はV6(>V5)である。以下同様に、時刻t7〜t14では、それぞれ、目標車速はV7〜V14である。
ここで、例えば、時刻t1,t4及びt5においては、車速が増加している。言い換えれば、時刻t1,t4及びt5においては、走行パターンは加速状態であり、加速度は正である。また、時刻t2及びt6においては、車速は変化していない。言い換えれば、時刻t2及びt6においては、走行パターンは定速状態であり、加速度は略0である。また、時刻t3においては、車速は減少している。言い換えれば、時刻t3においては、走行パターンは減速状態であり、加速度は負である。さらに、時刻t4及び時刻t5における加速度は、時刻t1における加速度よりも大きい。つまり、図2に例示する走行パターンにおいては、車速及び加速度が、各時刻において変化するようになっている。ここで、時刻t1〜時刻14における加速度を、それぞれ、A1〜A14とする。
先読み時間決定部120は、データ読込部110によって読み取られた走行パターンデータから、各時刻において先読み時間が異なるように、先読み時間Tfを決定する決定手段としての機能を有する。具体的には、先読み時間決定部120は、走行パターンにおいて、ある時刻における走行状態を判定する。さらに具体的には、先読み時間決定部120は、ある時刻における加速度を算出する。そして、先読み時間決定部120は、算出された加速度と、車速とから、その時刻における先読み時間Tfを決定する。そして、先読み時間決定部120は、その時刻において設定すべき先読み時間Tfを示す設定信号を生成する。なお、先読み時間決定部120の処理の詳細については後述する。
目標車速指令部130は、車両2を走行させて試験を行う際に、各時刻において走行パターンに示された目標車速を示す目標車速信号を含む目標車速指令を、車速制御部140に対して出力する。その際、目標車速指令部130は、先読み時間決定部120によって生成された設定信号が目標車速信号と対応付けられている目標車速指令を、車速制御部140に対して出力してもよい。詳しくは後述する。
車速制御部140は、例えばドライバモデルである。車速制御部140は、以下に示す構成により、車両2を走行させて試験を行う際に、走行パターンに応じて車速を制御する車速制御手段としての機能を有する。具体的には、車速制御部140は、目標車速指令部130から目標車速指令を受信する。また、車速制御部140は、車両2から、実車速信号を受信する。そして、車速制御部140は、目標車速指令と実車速信号とから、制御信号を生成して、車両2に対して送信する。
図3は、車速制御部140の構成を示す図である。図3に示すように、車速制御部140は、フィードフォワード制御を含む。図6に示すように、車速制御部140は、目標車速受付部202と、先読み制御部204と、FF(フィードフォワード)制御部206と、減算部208と、FB(フィードバック)制御部210と、加算部212と、回転数変換部214と、アクセル制御部216と、ブレーキ制御部218とを有する。ここで、車速制御部140の各構成部分において用いられる運動方程式等の関数は、データ読込部110によって読み込まれた車両2の車両諸元(重量、車輪径、ギア比等)から定義される。
目標車速受付部202は、目標車速指令部130から、目標車速指令を受け付ける。先読み制御部204は、先読み時間決定部120によって設定された先読み時間Tf後の目標車速(目標車速信号)を読み込む。つまり、車速制御部140が、現在、走行パターンにおいて時刻tについての走行を制御している場合、先読み制御部204は、時刻(t+Tf)における目標車速を読み込む。先読み制御部204の詳細な処理については後述する。ここで、先読み時間決定部120において決定され得る最大の先読み時間をTf_maxとすると、目標車速受付部202は、時刻tから時刻(t+T_fmax)までに対応する目標車速信号を受け付けて格納するように構成してもよい。このとき、目標車速受付部202は、例えばバッファ又はキューのように、複数のデータを一時的に格納し得る構成であってもよい。
FF制御部206は、フィードフォワード制御を行う。具体的には、FF制御部206は、先読み制御部204によって先読みされた目標車速を受け付け、その先読みされた目標車速に対応する、車両2のエンジン出力トルク(ペラ軸トルク)を算出する。FF制御部206は、例えば逆モデルなどの車両を模擬した運動方程式を用いてエンジン出力トルクを算出する。
減算部208は、目標車速から実車速を減算する。つまり、減算部208は、目標車速と実車速との偏差を算出する。FB制御部210は、フィードバック制御を行う。具体的には、FB制御部210は、減算部208によって算出された目標車速と実車速との偏差から、エンジン出力トルクを算出する。FB制御部210は、例えばLQI(Linear Quadratic Integral)制御を行うように構成されている。つまり、FB制御部210は、状態フィードバックによって、目標車速と実車速との偏差が小さくなるような制御を行う。言い換えると、FB制御部210は、目標車速と実車速との偏差が小さくなるような、エンジン出力トルクを算出する。具体的には、FB制御部210は、目標車速と実車速との偏差を積分し、その積分値と状態フィードバックとから、エンジン出力トルクを算出する。
加算部212は、FF制御部206によって算出されたエンジン出力トルクと、FB制御部210によって算出されたエンジン出力トルクとを加算する。回転数変換部214は、実車速からエンジン回転数を算出する。アクセル制御部216は、走行状態が加速状態であるときに、エンジン回転数と、加算部212によって加算されたエンジン出力トルクとから、アクセル開度を算出し、アクセル開度信号を生成する。アクセル制御部216は、車両2の、アクセル用の逆マップを有している。この逆マップは、エンジン回転数とエンジン出力トルクとアクセル開度との関係を示すマップである。アクセル制御部216は、この逆マップを用いて、アクセル開度を算出する。なお、この逆マップは、車両2ごとに設定されている。
ブレーキ制御部218は、走行状態が減速状態であるときに、エンジン回転数と、加算部212によって加算されたエンジン出力トルクとから、ブレーキストロークを算出し、ブレーキストローク信号を生成する。ブレーキ制御部218は、車両2の、ブレーキ用の逆マップを有している。この逆マップは、エンジン回転数とエンジン出力トルクとブレーキストロークとの関係を示すマップである。ブレーキ制御部218は、この逆マップを用いて、ブレーキストロークを算出する。
次に、車両試験システム1によってなされる試験フローについて説明する。
図4は、車両試験システム1によってなされる試験フローを示すフローチャートである。まず、作業者等によって、試験対象の車両2が、シャシーダイナモメータ10上にセットされる(S102)。次に、車速制御装置100は、車両2の車両データを読み込む(S104)。具体的には、データ読込部110は、作業者の操作等によって、車速制御に必要な車両諸元を示す車両データを読み込む。さらに、車速制御装置100は、走行パターンデータを読み込む(S106)。具体的には、データ読込部110は、作業者の操作等によって、時刻と、その時刻における目標速度との関係を示す走行パターンデータを読み込む。
次に、車速制御装置100は、走行パターンデータから、各時刻において設定すべき先読み時間を決定する(S108)。具体的には、先読み時間決定部120は、走行パターンにおいて、ある時刻における加速度を算出し、算出された加速度と、車速とから、その時刻における先読み時間Tfを決定する。さらに具体的には、まず、先読み時間決定部120は、走行パターンの時刻tにおける加速度を算出する。次に、先読み時間決定部120は、算出された加速度の度合いと、車速の度合いとから、その時刻における先読み時間Tfを決定する。例えば、先読み時間決定部120は、予め準備された図5に示す先読み時間テーブルを用いて、時刻tにおける先読み時間Tfを決定する。
図5は、先読み時間テーブルを例示する図である。図5に例示する先読み時間テーブルにおいては、速度の度合いが低速、中速及び高速に分類され、加速度の度合いが加速、定速及び減速に分類されている。さらに、加速の度合いが高加速、中加速及び低加速に分類され、減速の度合いが低減速、中減速及び高減速に分類されている。図5に例示する先読み時間テーブルは、加速度の度合いそれぞれと、速度の度合いそれぞれとに対応する先読み時間Tfを設定している。例えば、加速度が「高加速」であって車速が「低速」である場合、先読み時間決定部120は、先読み時間Tfを「Tah_s」と決定する。同様に、例えば、加速度が「低減速」であって車速が「高速」である場合、先読み時間決定部120は、先読み時間Tfを「Tdl_f」と決定する。
なお、先読み時間テーブルの各区分における先読み時間Tfの設定方法については、様々な方法がある。一例として、例えば、事前に、運転者が、ある走行パターン(図2に例示したものでなくてもよい)で車速を追従させるように、車両2を運転する。また、運転中に計測された時刻及び車速と、その走行パターンにおける時刻及び車速とを比較して、走行パターンに対して計測値がどれだけ遅れたかを示す遅れ量が算出される。そして、その遅れ量に応じて、先読み時間Tfが設定される。例えば、その走行パターンにおいて車速が「低速」であって加速度が「高加速」であった場合の遅れ量がTdelayであった場合、先読み時間Tf(Tah_s)は、Tdelayと設定されてもよい。
また、図5に例示する先読み時間テーブルを用いた、走行パターンの各時刻における速度及び加速度の分類方法については、以下の通りである。速度が予め定められた速度閾値Vth1より小さい場合、先読み時間決定部120は、その速度を「低速」と判別する。速度が予め定められた速度閾値Vth2(>Vth1)より大きい場合、その速度は「高速」と分類される。速度が速度閾値Vth1以上であって速度閾値Vth2以下の場合、その速度は「中速」と分類される。
また、加速の度合いについては、予め定められた正の加速度閾値Ath1a、Ath2a及びAth3aを用いて分類される。ここで、0≦Ath1a<Ath2a<Ath3aである。また、減速の度合いについては、予め定められた負の加速度閾値Ath1d、Ath2d及びAth3dを用いて分類される。ここで、0≧Ath1d>Ath2d>Ath3dである。
加速度が加速度閾値Ath3aよりも大きい場合、その加速度は「高加速」と分類される。加速度が加速度閾値Ath2aよりも大きく加速度閾値Ath3a以下の場合、その加速度は「中加速」と分類される。加速度が加速度閾値Ath1aよりも大きく加速度閾値Ath2a以下の場合、その加速度は「低加速」と分類される。加速度が加速度閾値Ath1a以下であって加速度閾値Ath1d以上の場合、その加速度は「定速」と分類される。加速度が加速度閾値Ath1dよりも小さく加速度閾値Ath2d以上の場合、その加速度は「低減速」と分類される。加速度が加速度閾値Ath2dよりも小さく加速度閾値Ath3d以上の場合、その加速度は「中減速」と分類される。加速度が加速度閾値Ath3dよりも小さい場合、その加速度は「高減速」と分類される。なお、加速度閾値Ath1a及び加速度閾値Ath1dは等しくてもよく、Ath1a=Ath1d=0であってもよい。
例えば、図2に例示した走行パターンにおいて、先読み時間決定部120は、時刻t1における加速度A1を算出する。ここで、Ath2a<A1<Ath3aであるので、先読み時間決定部120は、時刻t1における加速度を「中加速」と判定する。また、時刻t1における速度V1はVth1よりも小さいので、先読み時間決定部120は、時刻t1における速度を「低速」と判定する。したがって、先読み時間決定部120は、時刻t1における先読み時間Tfを「Tam_s」と決定する。
また、例えば、図2に例示した走行パターンにおいて、先読み時間決定部120は、時刻t2における加速度A2を算出する。ここで、Ath1d<A2<Ath1aであるので、先読み時間決定部120は、時刻t1における加速度を「定速」と判定する。また、時刻t2における速度V2はVth1よりも小さいので、先読み時間決定部120は、時刻t2における速度を「低速」と判定する。したがって、先読み時間決定部120は、時刻t2における先読み時間Tfを「Tc_s」と決定する。
同様に、先読み時間決定部120は、時刻t3においては、Ath3d<A3<Ath2dであってV3<Vth1であるので、「中減速」かつ「低速」と判定する。したがって、先読み時間決定部120は、時刻t3における先読み時間Tfを「Tdm_s」と決定する。また、同様に、先読み時間決定部120は、時刻t4においては、Ath3a<A4であってV4<Vth1であるので、「高加速」かつ「低速」と判定する。したがって、先読み時間決定部120は、時刻t4における先読み時間Tfを「Tah_s」と決定する。
同様に、時刻t5においては、Ath3a<A5(=A4)であってVth1<V5<Vth2であるので、先読み時間決定部120は、時刻t5における先読み時間Tfを「Tah_m」(「高加速」かつ「中速」)と決定する。時刻t6においては、Ath1d<A6<Ath1aであってVth1<V6<Vth2であるので、先読み時間決定部120は、時刻t6における先読み時間Tfを「Tc_m」(「定速」かつ「中速」)と決定する。
同様に、例えば、時刻t9においては、Ath3a<A9であってVth1<V9<Vth2であるので、先読み時間決定部120は、時刻t9における先読み時間Tfを「Tah_m」(「高加速」かつ「中速」)と決定する。時刻t10においては、Ath3a<A10(=A9)であってVth2<V10であるので、先読み時間決定部120は、時刻t10における先読み時間Tfを「Tah_f」(「高加速」かつ「高速」)と決定する。
次に、車速制御装置100は、走行パターンデータと、S108の工程で決定された先読み時間とを同期させる(S110)。具体的には、先読み時間決定部120は、図6に例示するように、時刻tにおいて決定された先読み時間Tfと、走行パターンデータにおける時刻tの目標車速とを対応付けることによって、走行パターンと先読み時間Tfとを同期させる。そして、先読み時間決定部120は、走行パターンにおいて、各時刻それぞれにおいて同期された、目標車速と先読み時間Tfとを示すデータ(同期データ)を生成し、目標車速指令部130に対して出力する。つまり、先読み時間決定部120は、同期手段(同期部)としての機能を有する。なお、この同期手段としての機能は、目標車速指令部130が有してもよい。
図6は、走行パターンと先読み時間Tfとの同期を説明するための図である。図6は、図2に例示した走行パターンと先読み時間Tfとを同期させた例を図示している。図6に例示するように、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t1と、先読み時間「Tam_s」を示す設定信号とを同期させる。これにより、時刻t1において、目標車速V1と、先読み時間「Tam_s」を示す設定信号とが同期する。同様に、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t2と、先読み時間「Tc_s」を示す設定信号とを同期させる。
同様に、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t7と、決定された先読み時間「Tdm_m」を示す設定信号とを同期させる。これにより、時刻t7において、目標車速V7と、先読み時間「Tdm_m」を示す設定信号とが同期する。同様に、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t8と、決定された先読み時間「Tam_m」を示す設定信号とを同期させる。
同様に、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t11と、決定された先読み時間「Tc_f」を示す設定信号とを同期させる。同様に、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t12と、決定された先読み時間「Tdh_f」を示す設定信号とを同期させる。同様に、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t13と、決定された先読み時間「Tdh_m」を示す設定信号とを同期させる。同様に、例えば、先読み時間決定部120は、走行パターンにおける時刻t14と、決定された先読み時間「Tdh_s」を示す設定信号とを同期させる。つまり、同期データにおいては、目標車速信号と設定信号とが対応付けられて(同期して)いる。
次に、車速制御装置100は、車両2の走行を制御する(S112)。具体的には、目標車速指令部130は、走行パターンにおける時刻に応じて、対応する目標車速指令を車速制御部140に対して出力する。車速制御部140の先読み制御部204は、目標車速指令に同期されて含まれる設定信号に応じて、先読み時間Tfを設定する。そして、先読み制御部204は、設定された先読み時間Tf後における目標車速を読み込む。そして、上述したように、車速制御部140のFF制御部206は、先読みされた目標車速に応じて、エンジン出力トルクを算出する。また、車速制御部140のFB制御部210は、先読みされた目標車速と実車速との偏差に応じて、エンジン出力トルクを算出する。そして、アクセル制御部216又はブレーキ制御部218は、算出されたエンジン出力トルクから、制御信号を生成し、車両2に対して送信する。これにより、車両2の走行が制御される。
例えば、車速制御部140の先読み制御部204は、試験開始から時刻t1後に、時刻t1に対応する目標車速指令を、目標車速受付部202から受け付ける。このとき、時刻t1に対応する目標車速指令には、先読み時間「Tam_s」を示す設定信号が同期されて含まれている。したがって、先読み制御部204は、先読み時間Tfを「Tam_s」に設定する。先読み制御部204は、先読み時間「Tam_s」後における目標車速を、目標車速受付部202から読み込む。車速制御部140は、先読みされた目標車速を用いて、制御信号(アクセル開度信号)を生成する。
同様に、例えば、車速制御部140の先読み制御部204は、試験開始から時刻t2後に、時刻t2に対応する目標車速指令を、目標車速受付部202から受け付ける。このとき、時刻t2に対応する目標車速指令には、先読み時間「Tc_s」を示す設定信号が同期されて含まれている。したがって、先読み制御部204は、先読み時間「Tc_s」後における目標車速を、目標車速受付部202から読み込む。車速制御部140は、先読みされた目標車速を用いて、制御信号(アクセル開度信号)を生成する。
同様に、例えば、車速制御部140の先読み制御部204は、試験開始から時刻t3後に、時刻t3に対応する目標車速指令を、目標車速受付部202から受け付ける。このとき、時刻t3に対応する目標車速指令には、先読み時間「Tdm_s」を示す設定信号が同期されて含まれている。したがって、先読み制御部204は、先読み時間「Tdm_s」後における目標車速を、目標車速受付部202から読み込む。車速制御部140は、先読みされた目標車速を用いて、制御信号(ブレーキストローク信号)を生成する。
同様に、例えば、車速制御部140の先読み制御部204は、試験開始から時刻t4後に、時刻t4に対応する目標車速指令を、目標車速受付部202から受け付ける。このとき、時刻t4に対応する目標車速指令には、先読み時間「Tah_s」を示す設定信号が同期されて含まれている。したがって、先読み制御部204は、先読み時間「Tah_s」後における目標車速を、目標車速受付部202から読み込む。車速制御部140は、先読みされた目標車速を用いて、制御信号(アクセル開度信号)を生成する。
次に、車両試験システム1は、燃費を算出する(S114)。具体的には、排ガス分析器20は、シャシーダイナモメータ10上で走行した車両2の排気ガスを吸入してその排気ガスを分析して、燃費を算出する。これにより、車両試験が終了する。
上述したように、運転者が車両を運転する場合、例えば車両の加速度及び車速等の走行状態に応じて、運転者は、目標車速の先読み時間を適宜変更して、ペダル操作を行っている。例えば、運転者が車両を運転する場合、低速状態(例えば時速10km)から加速する場合と、高速状態(例えば時速80km)から加速する場合とで、運転者は、目標車速をどれだけ先まで先読みするかを変更して、ペダル操作を行っている。また、例えば、同じ速度から加速する場合でも、急に加速する(高加速の)場合と緩やかに加速する(低加速の)場合とで、運転者は、目標車速をどれだけ先まで先読みするかを変更して、ペダル操作を行っている。
ここで、上述したように、本実施の形態においては、車速制御装置100の車速制御部140は、予め定められた走行パターンにおける走行状態(加速度状態及び速度状態)に応じて最適な先読み時間で目標車速を先読みし、その先読みされた目標車速を用いて、車速を制御する。これによって、車速制御部140は、走行パターンに沿って車両2が走行しているときに、例えば、走行状態が高加速かつ低速であれば、その高加速かつ低速である状態に適した先読み時間(Tah_s)で目標車速を先読みして車速を制御し、走行状態が定速かつ中速であれば、その定速かつ中速である状態に適した先読み時間(Tc_m)で目標車速を先読みして車速を制御し、走行状態が高減速かつ高速であれば、その高減速かつ高速である状態に適した先読み時間(Tdl_f)で目標車速を先読みして車速を制御する。したがって、本実施の形態にかかる車速制御装置100は、車両2の走行において、運転者が行う操作に近い操作を実現させることが可能となる。
また、先読み時間決定部120は、予め準備された先読み時間テーブルを用いて先読み時間Tfを決定するように構成されている。このような構成とすることにより、走行パターンのある時刻における目標車速及び加速度が得られると、その先読み時間テーブルを参照することにより、直ちに先読み時間Tfを決定することが可能となる。これによって、車速制御装置100の処理時間を短縮することが可能となる。
また、先読み時間決定部120が、車両2の走行中に、走行状態(加速度状態及び速度状態)を判定して先読み時間Tfを決定するようにすると、その決定処理に要する時間及び資源(CPU、メモリ等)の使用のために、車速制御の処理が遅れるおそれがある。一方、本実施の形態においては、図4に示すように、先読み時間決定部120は、車両2が実際に走行する前に、走行パターンデータからどのタイミングでどのような先読み時間Tfを設定するかを予め決定するように構成されている。このような構成によって、車速制御の処理が遅れることを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態においては、車速制御装置100は、走行パターンデータと、決定された先読み時間Tfとを同期させるように構成されている。これにより、走行パターンと同期して先読み時間Tfを設定することが可能となる。したがって、より確実に、走行パターンに沿って最適な先読み時間Tfを設定することが可能となる。また、上記のように構成されていることによって、目標車速信号を車速制御部140に入力させる際に、併せて、先読み時間Tfを示す設定信号も入力させることが可能となる。これにより、設定信号を車速制御部140に入力させる構成を別個に設けることが不要となる。したがって、車速制御装置100の構成が簡素化され、効率的な制御を行うことが可能となる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、図4に示すフローチャートの各工程の順序は、適宜、入れ替えてもよい。例えば、S102〜S108の工程の順序は、互いに入れ替え可能である。また、図4に示すフローチャートの全ての工程が実行される必要はない。例えば、S114の工程は、実行されなくてもよい。
また、上述した実施の形態においては、車両試験システム1は燃費の計測を行うとしたが、これに限られない。車両試験システム1によってなされる試験は、実機である車両2を予め定められた走行パターンにしたがって走行させる試験であれば任意の試験であってもよく、例えば耐久試験であってもよい。また、上述した実施の形態においては、車両2はシャシーダイナモメータ10上で走行するとしたが、これに限られない。車速制御装置100を車両2に搭載可能に構成することによって、車両2は、実際の道路を走行することも可能である。
また、上述した実施の形態においては、FB制御部210は、例えばLQI制御を行うように構成されているとしたが、このような構成に限られない。また、上述した実施の形態においては、FB制御部210は、先読みされた目標車速を用いてフィードバック制御を行うように構成されているとしたが、このような構成に限られない。例えば、FB制御部210は、制御対象の時刻を時刻tとすると、先読みされた目標車速(時刻(t+Tf)における目標車速)ではなく、時刻tにおける目標車速を受け付けてもよい。また、FB制御部210は、その目標車速と実車速とから、例えばPID制御を行ってもよい。
また、上述した実施の形態においては、先読み時間決定部120は、図4に示すように、車両2が実際に走行する前に、走行パターンデータからどのタイミングでどの先読み時間Tfを設定するようにするかを予め決定するとしたが、これに限られない。つまり、先読み時間決定部120は、車両2の走行中に上記決定処理を並行して行うように構成されてもよい。しかしながら、上述したように、走行中に上記決定処理を行うことにより、制御の遅れが発生するおそれがある。したがって、本実施の形態のように先読み時間決定部120を構成することによって、走行前に上記決定処理を行うことによって、制御の遅れを抑制することが可能である。
また、上述した実施の形態においては、車速制御装置100は、走行パターンデータと、決定された先読み時間Tfとを同期させるように構成されているが、このような構成に限られない。つまり、目標車速信号と、決定された先読み時間Tfを示す設定信号とを別個に車速制御部140に入力させるようにしてもよい。しかしながら、本実施の形態のように、走行パターンデータと、決定された先読み時間Tfとを同期させるように構成されることによって、上述した利点を得ることが可能となる。
また、上述した実施の形態においては、車速制御装置100の先読み時間決定部120は、走行パターンデータと、決定された先読み時間とを、各時刻それぞれにおいて同期させるとしたが、このような構成に限られない。先読み時間決定部120は、先読み時間が変更されるタイミングを、走行パターンデータと同期させるようにしてもよい。つまり、先読み時間決定部120は、走行パターンにおいて、例えば、加速度が高加速であって速度が低速から中速に変化するというように、走行状態が変化するタイミングを判定し、そのタイミングでTah_sからTah_mに先読み時間を変更させることを示す切替信号を生成してもよい。そして、先読み時間決定部120が、その切替信号を、走行パターンデータにおける先読み時間が変更されるタイミングで同期させるようにしてもよい。このとき、先読み制御部204は、切替信号を受け付けた場合に、設定している先読み時間を変更する。ここで、「先読み時間を変更する」ということは、今まで決定されていた先読み時間(例えばTah_s)から別の先読み時間(例えばTah_m)を決定することである。つまり、「先読み時間を決定する」という概念は、「先読み時間を変更する」概念をも包含する。
また、上述した実施の形態においては、図5に例示したように、車速の分類は、低速、中速及び高速の3区分としたが、これに限られない。例えば、低速及び高速の2区分に分類するようにしてもよいし、3区分よりも多くの区分に分類してもよい。また、上述した実施の形態においては、図5に例示したように、加速度の分類は、高加速、中加速、低加速、定速、低減速、中減速及び高減速の7区分としたが、これに限られない。例えば、7区分よりも多くの区分に分類してもよいし、例えば加速、定速及び減速の3区分に分類するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、走行パターンにおける加速度状態及び速度状態の両方から先読み時間を決定するようにしたが、このような構成に限られない。走行パターンにおける加速度状態及び速度状態のいずれか一方のみから先読み時間を決定するようにしてもよい。つまり、「走行状態」とは、加速度状態及び速度状態の少なくとも一方を意味する。
また、上述した実施の形態においては、図5に例示したような先読み時間テーブルを用いて先読み時間を決定するとしたが、このような構成に限られない。例えば、目標車速及び加速度から、予め定められた演算式を用いて、先読み時間を決定するようにしてもよい。ここで、この演算式は、例えば、以下のようにして取得するようにしてもよい。例えば、事前に、運転者が、ある走行パターン(図2に例示したものでなくてもよい)で車速を追従させるように車両2を運転する。また、運転中に計測された時刻及び車速と、その走行パターンにおける時刻及び車速とを比較して、走行パターンに対して計測値がどれだけ遅れたかを示す遅れ量が算出される。そして、その遅れ量と、目標車速及び加速度との関係を近似する関数を求め、その関数を元にして、演算式を取得するようにしてもよい。ただし、先読み時間テーブルを用いることによって、演算式を用いた演算を行う必要がないので、上述したように、車速制御装置100の処理時間を短縮することが可能となる。
1 車両試験システム
2 車両
100 車速制御装置
110 データ読込部
120 先読み時間決定部
130 目標車速指令部
140 車速制御部
202 目標車速受付部
204 先読み制御部
206 FF(フィードフォワード)制御部
208 減算部
210 FB(フィードバック)制御部
212 加算部
214 回転数変換部
216 アクセル制御部
218 ブレーキ制御部

Claims (6)

  1. 各時刻における目標車速を規定する走行パターンで車両を走行させるように制御する車速制御装置であって、
    前記走行パターンに応じて車速を制御する車速制御手段と、
    前記走行パターンにおける走行状態に応じて前記目標車速の先読み時間が変化するように、当該先読み時間を決定する決定手段と
    を有し、
    前記車速制御手段は、前記決定手段によって決定された先読み時間で前記目標車速を先読みして、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御する
    車速制御装置。
  2. 前記走行パターンに応じて前記車両が走行する前に、前記走行パターンを読み込む読込手段
    をさらに有し、
    前記決定手段は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行する前に、前記読み込んだ走行パターンにおける走行状態に応じて、前記先読み時間を決定するように構成され、
    前記車速制御手段は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行するときに、各時刻において前記決定手段によって決定された前記先読み時間で前記目標車速を先読みして、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御するように構成されている
    請求項1に記載の車速制御装置。
  3. 前記走行パターンと、前記決定手段によって決定された前記先読み時間とを同期させる同期手段
    をさらに有し、
    前記車速制御手段は、前記走行パターンに応じて前記車両が走行するときに、各時刻における前記目標車速と、前記走行パターンと同期した前記先読み時間とを受け付けるように構成されている
    請求項2に記載の車速制御装置。
  4. 前記決定手段は、前記走行パターンにおける車速及び加速度の少なくとも一方に応じて、前記先読み時間を決定するように構成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の車速制御装置。
  5. 前記決定手段は、前記走行パターンにおける車速及び加速度の少なくとも一方と、前記先読み時間とを対応付けたテーブルを予め有しており、前記テーブルを用いて、先読み時間を決定するように構成されている
    請求項4に記載の車速制御装置。
  6. 各時刻における目標車速を規定する走行パターンで車両を走行させるように制御する車速制御方法であって、
    前記走行パターンにおける走行状態に応じて前記目標車速の先読み時間が変化するように、当該先読み時間を決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された先読み時間で前記目標車速を先読みして、当該先読みされた目標車速に応じて、車速を制御する制御工程と
    を有する車速制御方法。
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