以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、基板貼り合わせ装置の全体構成図である。基板貼り合わせ装置10は、2枚の基板90、90を貼り合わせて、貼り合わせ基板95を製造する。尚、基板貼り合わせ装置10が、一度に3枚以上の基板90を貼り合わせて、貼り合わせ基板95を製造してもよい。
図1に示すように、基板貼り合わせ装置10は、大気環境部14と、真空環境部16と、制御部18とを備える。
大気環境部14は、環境チャンバ12と、複数の基板カセット20と、基板ホルダラック22と、ロボットアーム24と、プリアライナ26と、アライナ28と、ロボットアーム30とを有する。環境チャンバ12は、大気環境部14を囲むように形成されている。
基板カセット20は、基板貼り合わせ装置10において貼り合わされる基板90を収容する。また、基板カセット20は、基板貼り合わせ装置10において貼り合わされた貼り合わせ基板95を収容する。基板カセット20は、環境チャンバ12の外面に脱着可能に装着されている。これにより、複数の基板90を基板貼り合わせ装置10に一括して装填できる。また、複数組の貼り合わせ基板95を一括して回収できる。基板貼り合わせ装置10によって貼り合わされる基板90は、単体のシリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、ガラス基板等の他、それらに素子、回路、端子等が形成されていてもよい。また、装填された基板90が、既に複数のウエハが積層された貼り合わせ基板95であってもよい。
基板ホルダラック22は、一対の基板90が重ね合わされた重ね合わせ基板92及び貼り合わせ基板95を上下方向から保持する複数対の基板ホルダ94を収容する。基板ホルダ94は、各組の重ね合わせ基板92及び貼り合わせ基板95の2枚の基板90を静電吸着により保持する。
ロボットアーム24は、環境チャンバ12の内部であって、基板カセット20の近傍に配置されている。ロボットアーム24は、基板カセット20に装填されている基板90をプリアライナ26に搬送する。ロボットアーム24は、プリアライナ26の基板90を、後述するアライナ28の移動ステージ38に載置された基板ホルダ94へと搬送する。ロボットアーム24は、貼り合わされた後、移動ステージ38まで搬送された貼り合わせ基板95を基板カセット20の何れかに搬送する。
プリアライナ26は、環境チャンバ12の内部であって、ロボットアーム24の近傍に配置されている。プリアライナ26は、アライナ28に基板90を装填する場合に、高精度であるがゆえに、狭いアライナ28の調整範囲にそれぞれの基板90が装填されるように、個々の基板90の位置を仮合わせする。これにより、アライナ28における基板90の位置決めが、迅速且つ正確にできる。
アライナ28は、ロボットアーム24とロボットアーム30との間に配置されている。アライナ28は、枠体34と、固定ステージ36と、移動ステージ38と、一対のシャッタ40及びシャッタ42とを有する。
枠体34は、固定ステージ36及び移動ステージ38を囲むように形成されている。枠体34の基板カセット20側の面と、真空環境部16側の面には、基板90、重ね合わせ基板92及び貼り合わせ基板95を搬入及び搬出可能に、開口が形成されている。
固定ステージ36は、枠体34の内側であって、基板カセット20の近傍に固定されている。固定ステージ36の下面は、基板90を保持した状態で、ロボットアーム30により移動ステージ38から搬送される基板ホルダ94を真空吸着する。
移動ステージ38は、枠体34の内側であって、真空環境部16側に配置されている。移動ステージ38の上面は、基板90及び基板ホルダ94を真空吸着する。移動ステージ38は、枠体34の内部を水平方向及び鉛直方向に移動する。これにより、移動ステージ38が移動することによって、固定ステージ36に保持された基板90及び基板ホルダ94と、移動ステージ38に保持された基板90及び基板ホルダ94とが位置合わせされ、重ね合わされた状態で仮接合される。基板90と基板90は、接着剤によって仮接合してもよく、プラズマによって仮接合してもよい。
シャッタ40は、枠体34の基板カセット20側の開口を開閉する。シャッタ42は、枠体34の真空環境部16側の開口を開閉する。枠体34及びシャッタ40、42に囲まれた領域は、空気調整機等に連通されて、温度管理される。これにより、基板90と基板90との位置合わせの精度が向上する。
ロボットアーム30は、環境チャンバ12の内部であって、真空環境部16とアライナ28との間に配置されている。ロボットアーム30は、基板ホルダラック22に収容されている基板ホルダ94を移動ステージ38へと搬送する。移動ステージ38に載置された基板ホルダ94は、ロボットアーム24によってプリアライナ26から搬送された基板90を静電吸着により保持する。ロボットアーム30は、移動ステージ38上に載置され、基板90を保持する基板ホルダ94を、裏返して固定ステージ36へと搬送する。固定ステージ36の下面は、ロボットアーム30によって搬送された基板ホルダ94を基板90とともに真空吸着する。ロボットアーム30は、移動ステージ38によって位置合わせされた一対の基板90を含む重ね合わせ基板92及び基板ホルダ94を真空吸着して、真空環境部16へと搬送する。ロボットアーム30は、貼り合わせ基板95を真空環境部16から移動ステージ38へと搬送する。
真空環境部16は、基板貼り合わせ装置10の貼り合わせ工程において、高温且つ真空状態に設定される。真空環境部16は、ロードロック室48と、一対のアクセスドア50及びゲートバルブ52と、ロボットアーム54と、3個の収容室55と、3個の加熱加圧装置56と、ロボットアーム58と、冷却室60とを備える。尚、加熱加圧装置56の個数は、3個に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
ロードロック室48は、大気環境部14と真空環境部16とを連結する。ロードロック室48は、真空状態及び大気圧に設定できる。ロードロック室48の大気環境部14側及び真空環境部16側には、一対の基板ホルダ94に保持された一対の基板90を含む重ね合わせ基板92及び貼り合わせ基板95を搬送可能に開口が形成されている。
アクセスドア50は、ロードロック室48の大気環境部14側の開口を開閉する。アクセスドア50は、図示しないポートを介してロードロック室48に空気が導入、即ち大気開放されて、圧力ゲージによって大気圧とロードロック室48の気圧が等しくなったと確認された後に開けられる。これにより、ロードロック室48が大気環境部14と連通される。この状態で、ロボットアーム30は、ロードロック室48とアライナ28との間で、重ね合わせ基板92及び貼り合わせ基板95を搬送する。
ゲートバルブ52は、ロードロック室48の真空環境部16側の開口を開閉する。ゲートバルブ52が、ポートを介してロードロック室48から空気が排気、即ち真空引きされて、ロボットチャンバ53と略同じ気圧の真空状態になると、開けられる。これにより、ロードロック室48は、真空環境部16と連通される。尚、貼り合わせ工程において、アクセスドア50及びゲートバルブ52の両方が開状態になることはない。
ロボットアーム54は、ロボットチャンバ53の内部に収容されている。ロボットアーム54は、ロボットアーム30によりロードロック室48に搬入された重ね合わせ基板92を何れかの加熱加圧装置56へと搬入するとともに、ゲートバルブ52が閉められる。
収容室55は、中空状に形成されている。収容室55は、ゲートバルブ57を介してロボットチャンバ53と連結されている。ゲートバルブ57は、メンテナンス時に大気圧に戻した収容室55を封止する。収容室55は、加熱加圧装置56の主要部を収容して包囲する。収容室55は、重ね合わせ基板92及び貼り合わせ基板95を搬入及び搬出するために、ゲートバルブ57を開閉する。収容室55は、重ね合わせ基板92が搬入された後、加熱による発生ガスがロボットチャンバ53に漏れることを抑制するためにゲートバルブ57を閉めて密閉される。重ね合わせ基板92の加熱状態では、収容室55が真空状態に設定されて、加熱による熱が断熱される。
3個の加熱加圧装置56は、ロボットアーム54を中心として放射状に配置されている。これにより、3個の加熱加圧装置56は、ロボットアーム54を各加熱加圧装置56に届かせることができる。加熱加圧装置56は、重ね合わせ基板92を加熱及び加圧可能な構成となっている。加熱加圧装置56は、ロードロック室48から搬入された重ね合わせ基板92を貼り合わせることができる。
ロボットアーム58は、ロボットチャンバ53の中心の回動可能に配置されている。これにより、ロボットアーム58は、貼り合わせ基板95を加熱加圧装置56から冷却室60へと搬できる。また、ロボットアーム58は、貼り合わせ基板95を冷却室60からロードロック室48へと搬送できる。
冷却室60は、冷却機能を有する。これにより、冷却室60は、ロボットアーム58によって結合された高温の貼り合わせ基板95を冷却できる。尚、冷却室60は、真空状態に設定可能に構成されている。冷却室60は、ゲートバルブ57を介してロボットチャンバ53と連結されている。
制御部18は、基板貼り合わせ装置10の全体の動作を制御する。制御部18は、基板貼り合わせ装置10の電源投入、各種設定等をする場合に、ユーザが外部から操作する操作部を有する。更に、制御部18は、外部とオンライン接続されている。これにより、制御部18は、半導体工場のホストコンピュータのレシピを取得できるとともに、工程進捗を管理できる。
図2から図7は、基板貼り合わせ装置10による貼り合わせ基板95の貼り合せ工程を説明する図である。貼り合わせ工程では、まず、ロボットアーム24が、基板カセット20の何れかから基板90をプリアライナ26へと搬送する。次に、位置決め段階では、図2に示すように、ロボットアーム30が、基板ホルダラック22から基板ホルダ94を移動ステージ38へと搬送する。移動ステージ38は、基板ホルダ94を真空吸着する。ロボットアーム24は、プリアライナ26によって位置が調整された基板90を、移動ステージ38に載置された基板ホルダ94の上方へと搬送する。
次に、図3に示すように、ロボットアーム24は、基板ホルダ94上に基板90を載置する。基板ホルダ94は、載置された基板90を静電吸着する。ロボットアーム30は、基板90を保持する基板ホルダ94を移動ステージ38から固定ステージ36へと裏返して搬送する。図4に示すように、固定ステージ36は、基板90とともに基板ホルダ94をロボットアーム30から受け取った後、基板ホルダ94を真空吸着により保持する。
次に、同様の動作によって、ロボットアーム30が移動ステージ38に基板ホルダ94を搬送した後、ロボットアーム24が移動ステージ38上の基板ホルダ94に基板90を搬送する。これにより、図5に示すように、移動ステージ38は、基板90を上側にして、基板90及び基板ホルダ94を保持するとともに、固定ステージ36は、基板90を下側にして、基板90及び基板ホルダ94を保持する。シャッタ40、42が閉状態となった後、移動ステージ38は、基板90及び基板ホルダ94を保持しつつ、基板90及び基板ホルダ94を保持する固定ステージ36の下方へと移動する。尚、移動ステージ38は、基板90及び基板90に設けられた複数のマークの位置を観察して、複数のマークが統計的に合う位置へと移動させる。これにより、移動ステージ38の基板90と、固定ステージ36の基板90とが互いに位置決めされる。
次に、図6に示すように、移動ステージ38が、上方へと移動して、移動ステージ38の基板90の上面と固定ステージ36の基板90の下面とが合わされる。固定ステージ36が基板ホルダ94の真空吸着を解除した後、移動ステージ38が重ね合わせ基板92を保持する基板ホルダ94を真空吸着した状態で、ロボットアーム30の方向へと移動する。
次に、搬送段階において、互いに位置決めされた基板90、90を含む重ね合わせ基板92が、搬送される。詳細には、アクセスドア50が開状態となり、ロードロック室48と大気環境部14とが連通される。尚、ゲートバルブ52は閉状態であり、ロボットチャンバ53、収容室55、冷却室60の真空状態は維持されている。この状態で、ロボットアーム30が、移動ステージ38上の重ね合わせ基板92をロードロック室48へと搬送する。この後、アクセスドア50を閉状態にして、ロードロック室48を真空引きした後、ゲートバルブ52を開状態にして、ロードロック室48が大気環境部14から遮断されるとともに、真空環境部16と連通される。この状態で、ロボットアーム54が、重ね合わせ基板92をロードロック室48から加熱加圧装置56へと搬入するとともに、ゲートバルブ52が閉められる。
次に、貼り合わせ段階において、加熱加圧装置56は、重ね合わせ基板92を結合温度まで加熱した後、結合温度を維持しつつ、重ね合わせ基板92を上下方向から加圧する。これにより、重ね合わせ基板92の基板90、90が、貼り合わされて貼り合わせ基板95となる。この後、ロボットアーム58が、貼り合わせ基板95を冷却室60へと搬入する。冷却室60は貼り合わせ基板95を冷却する。
次に、ロードロック室48の内部を真空引きした後、ゲートバルブ52を開ける。ロボットアーム58は冷却された貼り合わせ基板95を基板ホルダ94とともに、冷却室60からロードロック室48へと搬送する。
次に、ロードロック室48を大気開放した後、アクセスドア50を開ける。この状態で、ロボットアーム30が、貼り合わせ基板95をロードロック室48から移動ステージ38へと搬送する。図7に示すように、移動ステージ38上にて、ロボットアーム30により、貼り合わせ基板95が基板ホルダ94から分離される。この後、ロボットアーム24が、貼り合わせ基板95を基板カセット20の何れかに搬出する。これにより、基板貼り合わせ装置10による貼り合わせ工程が終了して、貼り合わせ基板95が完成する。この後、個片化段階において、図7に示す点線に沿って、貼り合わせ基板95が個片化されて積層半導体装置96が完成する。
図8は、一方の基板ホルダ94である上基板ホルダ100の底面図である。図9は、上基板ホルダ100の下方から見た斜視図である。図8及び図9に示すように、上基板ホルダ100は、上ホルダ本体102と、上周縁部104と、一対の上静電パッド106と、3個の被吸着部108と、一対のずれ検出部110とを有する。
上ホルダ本体102は、基板90よりも一回り大きい略円板状に形成されている。上ホルダ本体102の下面は、平面状に形成されている。上ホルダ本体102の下面は、上周縁部104よりも下側に突出している。上ホルダ本体102の中央部の下面は、基板90を保持する保持面として機能する。
上周縁部104は、リング状に形成されている。上周縁部104は、周方向において、複数に分割され、途中部に間隔が形成されている。上周縁部104の内周は、上ホルダ本体102の外周と略同形状に形成されている。上周縁部104の内周は、上ホルダ本体102の外周に一体的に形成されている。
上静電パッド106は、半円形状に形成されている。上静電パッド106は、上ホルダ本体102の内部に埋め込まれている。一方の上静電パッド106は、上ホルダ本体102の中心を挟み、他方の上静電パッド106と線対称となるように配置されている。上静電パッド106は、図示しない給電端子から電力が供給される。これにより、上静電パッド106は、磁力を発生させて、基板90を静電吸着する。
3個の被吸着部108は、上ホルダ本体102の外周側であって、上周縁部104が途切れている個所に配置されている。3個の被吸着部108は、周方向において、略120°間隔で配置されている。各被吸着部108は、上連結部材114と、上弾性部材116と、一対の被吸着部材118とを有する。
上連結部材114は、平面視において、略正方形状に形成されている。上連結部材114の内端部は、上ホルダ本体102の外周部に連結されている。上弾性部材116は、弾性変形可能な材料によって構成されている。上弾性部材116は、周方向に長い長方形状に形成されている。上弾性部材116の中央部は、上連結部材114に連結されている。被吸着部材118は、磁石に吸着される材料、例えば、強磁性体材料を含む。一対の被吸着部材118は、上弾性部材116の両端の下面に配置されている。
一対のずれ検出部110は、上基板ホルダ100に対する他方の基板ホルダ94の相対位置の位置ずれを検出する。ずれ検出部110は、上周縁部104の下面に設けられている。これにより、ずれ検出部110は、上基板ホルダ100及び後述する下基板ホルダにより基板90、90が保持されている状態において、上基板ホルダ100の内側に配置される。従って、ずれ検出部110は、ロボットアーム30、54、58等と接触することがない。一対のずれ検出部110は、周方向において、異なる位置に配置されている。
図10は、他方の基板ホルダ94である下基板ホルダ200の上面図である。図11は、下基板ホルダ200の上方から見た斜視図である。図10及び図11に示すように、下基板ホルダ200は、下ホルダ本体202と、下周縁部204と、一対の下静電パッド206と、3個の吸着部208と、一対の被検出部210とを有する。
下ホルダ本体202は、基板90よりも一回り大きい略円板状に形成されている。下ホルダ本体202の上面は、平面状に形成されている。下ホルダ本体202の上面は、下周縁部204よりも上側に突出している。下ホルダ本体202の中央部の上面は、基板90を保持する保持面として機能する。
下周縁部204は、リング状に形成されている。下周縁部204は、周方向において、複数に分割され、途中部に間隔が形成されている。下周縁部204の内周は、下ホルダ本体202の外周と略同形状に形成されている。下周縁部204の内周は、下ホルダ本体202の外周に固定されている。
下静電パッド206は、半円形状に形成されている。下静電パッド206は、下ホルダ本体202の内部に埋め込まれている。一方の下静電パッド206は、下ホルダ本体202の中心を挟み、他方の下静電パッド206と線対称となるように配置されている。下静電パッド206は、図示しない給電端子から電力が供給される。これにより、下静電パッド206は、磁力を発生させて、基板90を静電吸着する。
3個の吸着部208は、下ホルダ本体202の外周側であって、下周縁部204が途切れている個所に配置されている。3個の吸着部208は、周方向において、略120°間隔で配置されている。各吸着部208は、下連結部材214と、一対の吸着部材216とを有する。下連結部材214は、平面視において、下ホルダ本体202の周方向に長い略長方形状に形成されている。下連結部材214の内周部は、下ホルダ本体202の外周部に連結されている。一対の吸着部材216は、下連結部材214の両端に設けられている。一対の吸着部材216は、永久磁石を有する。吸着部材216が、磁力によって被吸着部材118を吸着することにより、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200が一対の基板90、90を保持する。この基板保持状態では、上弾性部材116は弾性変形して、一対の基板90、90に上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200から作用する押圧力を適切に調整する。
一対の被検出部210、210は、それぞれ、ずれ検出部110、110の何れかによってその位置が検出される。これにより、ずれ検出部110は、上基板ホルダ100に対する下基板ホルダ200の位置ずれを検出する。被検出部210は、下周縁部204の上面に設けられている。これにより、被検出部210は、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200により基板90、90が保持されている状態において、下基板ホルダ200の内側に配置される。従って、被検出部210は、ロボットアーム30、54、58等と接触することがない。一対の被検出部210は、周方向において、異なる位置に配置されている。被検出部210は、下基板ホルダ200及び上基板ホルダ100が基板90、90を保持している状態において、ずれ検出部110と対向する位置に配置されている。
図12は、位置合わせ後のずれ検出部110及び被検出部210の概略側面図である。図13は、被検出部210の平面図である。図13は、被検出部210の上下面のうち、ずれ検出部110と対向する面の図である。図14は、ずれ検出部110の平面図である。図14は、ずれ検出部110の上下面のうち、被検出部210と対向する面の図である。
図12及び図13に示すように、被検出部210は、ガラス板222及びスケール224を有するガラススケールを適用できる。スケール224は、ガラス板222の上面に設けられた縦横に延びる複数の線を有する。複数の線は、光を透過しない、または、光を透過し難い材料からなる。複数の線は、一定のピッチP1で縦横に設けられている。
図12及び図14に示すように、ずれ検出部110は、プローブ部122と、接続部124と、バッテリ部126と、検出制御部128とを有する光学的エンコーダを適用できる。ずれ検出部110は、上基板ホルダ100に対して全部または一部を着脱可能に設けてもよい。例えば、バッテリ部126のみを上基板ホルダ100に対して着脱可能に設けてもよい。
プローブ部122は、複数の撮像画素130を有する。撮像画素130は、一定のピッチP2で縦横に配置されている。撮像画素130のピッチP2は、スケール224の線のピッチP1よりも小さい。プローブ部122は、搬送段階において、撮像画素130によってスケール224を複数回撮像する。プローブ部122は、撮像画素130が撮像した画像情報を撮像毎に検出制御部128へと出力する。なお、プローブ部122は、搬送段階に加えてまたはこれに代えて、位置決め段階および貼り合わせ段階において撮像画素130によってスケール224を複数回撮像してもよい。
接続部124は、プローブ部122と検出制御部128とを電気的に接続する。これにより、検出制御部128とプローブ部122は、電力の供給及び情報の入出力が検出制御部128を介して可能となる。
バッテリ部126は、電力を蓄電するとともに、蓄電した電力を検出制御部128へと供給する。検出制御部128は、プローブ部122から入力された画像情報に基づいて、上基板ホルダ100と下基板ホルダ200との位置ずれを介して、基板90、90間の水平方向内の2方向(例えば、X方向及びY方向)、及び、上下方向の周りの回転方向(例えば、θ方向)の位置ずれを検出する。
図15は、ずれ検出部110及び特定制御部300の制御系を説明するブロック図である。ずれ検出部110の検出制御部128は、タイマ134と、画像取得部136と、判定部138と、検出記憶部140とを備える。
タイマ134は、時刻である検出時間情報TDを画像取得部136へと出力する。
画像取得部136は、プローブ部122が撮像して出力したスケール224の画像情報を取得する。画像取得部136は、複数の異なる時間の画像情報を取得する。画像取得部136は、画像情報を取得すると、タイマ134から検出時間情報TDを取得する。ここでいう検出時間情報TDは、画像を撮像した時刻に対応する。画像取得部136は、複数の画像情報と検出時間情報TDとを関連付けて、判定部138へと出力する。
判定部138は、判定領域が開始したか否かを判定する。判定領域の開始時点の一例は、アライナ28における上基板ホルダ100と下基板ホルダ200との位置合わせが完了したときである。判定部138は、取得した画像情報に基づいて、位置合わせが完了したか否かを判定する。例えば、判定部138は、画像情報の画像の所定の領域にスケール224が撮像されている場合、位置合わせが完了したと判定する。
判定部138は、位置合わせが完了したと判定すると、画像情報及び検出時間情報TDを検出記憶部140に記憶させる。判定部138は、検出記憶部140に記憶された画像情報と、次に画像取得部136から入力された画像情報に基づいて、一対の基板90、90の位置ずれを検出する。具体的には、判定部138は、新たに入力された画像情報が、その前に入力された画像情報から閾値以上変化していれば、位置ずれが発生したと判定する。
判定部138は、位置ずれの判定結果である検出フラグFと、その判定した画像情報に対応する検出時間情報TPとを関連付けた検出情報ログ142を検出記憶部140に記憶させる。検出時間情報TPは、位置ずれが発生した場所と特定する検出情報の一例である。また、判定部138は、位置ずれの判定後、検出記憶部140に記憶されている画像情報を消去するとともに、次の位置ずれの判定用に、新たに入力された画像情報を検出時間情報TDとともに検出記憶部140に記憶させる。
判定部138は、判定領域が終了したか否かを判定する。判定領域の終了時点の一例は、位置ずれの発生を判定する領域である。例えば、判定領域の終了時点の別の例は、アライナ28において貼り合わせ基板95から上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200が取り外されるまでである。この場合、判定部138は、取得した画像情報の画像の所定の領域にスケール224が撮像されなくなった場合、位置合わせが完了したと判定する。判定領域の終了時点は、加熱加圧装置56における貼り合わせ基板95の貼り合わせが完了するまでである。この場合、ゲートバルブ57のセンサを設けて、貼り合わせ基板95の搬出を検出して、その検出した旨を受けることにより、判定部138は、判定領域の終了を判定する。尚、判定領域の終了時点は、位置合わせ完了から位置ずれが検出されるまでであってもよい。
検出記憶部140は、検出情報ログ142、検出処理プログラム等を記憶する。検出処理プログラムは、位置ずれを検出するプログラムである。
特定制御部300は、ずれ検出部110から検出情報ログ142を取得して、基板90の位置ずれが発生した場所を特定する。ここで、「ずれが発生した場所」とは、図1に示される基板貼り合わせ装置10のXY平面の二次元的な位置に限られず、他に例えば、移動ステージ38等の一の装置または部材におけるZ方向の位置であってもよい。さらに特定制御部300は、ずれが発生した場所を特定した上でさらに当該場所の動作中での位置ずれが生じた時刻を特定してもよい。特定制御部300は、パーソナルコンピュータ等を適用することができる。尚、制御部18が、特定制御部300を兼ねてもよい。特定制御部300は、検出情報取得部302と、特定部304とを備える。
検出情報取得部302は、検出制御部128の検出記憶部140から検出情報ログ142を取得する。検出情報取得部302は、取得した検出情報ログ142を特定部304へと出力する。
特定部304は、検出情報取得部302から入力された検出情報ログ142によって、位置ずれが発生した場所を特定する。例えば、特定部304は、最初の検出時間情報TDと、検出情報ログ142の検出フラグFが「1」の検出時間情報TDとの時間差を算出する。この時間差は、位置合わせ完了から位置ずれが発生するまでの経過時間となる。特定部304は、後述する特定情報テーブル308、及び、経過時間から上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200がいずれの場所で位置ずれを発生したかを特定する。特定部304は、特定した位置ずれの発生場所を出力する。特定部304の出力の方法としては、表示装置に出力してもよく、音声によって出力してもよく、記憶媒体に出力してもよい。また、場所を出力することに変えて、そのときの処理プロセスを出力してもよい。
特定記憶部306は、基板貼り合わせ装置10の内部の場所Anと経過時間情報TPとを関連付けた特定情報テーブル308を記憶する。特定記憶部306は、位置ずれが発生した場所を特定する特定処理プログラムを記憶する。
図16は、検出情報ログ142の一例である。図16に示すように、検出情報ログ142は、検出フラグFに検出時間情報TDが関連付けられたテーブルである。検出フラグFは、位置ずれの検出の有無の結果を示す情報である。検出フラグFが「0」の場合、位置ずれが発生していない旨を示す。一方、検出フラグFが「1」の場合、位置ずれが発生した旨を示す。検出時間情報TDは、対象となった画像情報が撮像された時間の情報である。尚、検出時間情報TDは、位置合わせが完了してからの経過時間としてもよい。
図17は、特定情報テーブル308の一例である。図17に示すように、特定情報テーブル308は、基板貼り合わせ装置10の場所An(n=1、2・・)と、経過時間情報TPとを関連付けている。経過時間情報TPは、例えば、アライナ28による位置合わせ完了からの経過時間の情報である。これにより、特定部304は、検出時間情報TDに対応する経過時間情報TPを抽出することにより、場所Anを特定する。場所Anは、基板90、90の位置ずれが発生する可能性のある複数の場所が割り当てられる。位置ずれの発生する可能性のある場所Anは、例えば、ロードロック室48、ロボットアーム30、54、58による搬送領域、加熱加圧装置56等と関連付けられている。更に、ロボットアーム30、54、58による搬送領域においては、それぞれの領域を分割した微小領域に場所Anを関連付けることが好ましい。分割した微小領域とは、加速領域、等速領域、減速領域、受け渡し領域等である。
図18は、ずれ検出部110による位置ずれの検出処理を説明するフローチャートである。検出制御部128は、検出処理プログラムを読み込むことにより、検出処理を実行する。
図18に示すように、画像取得部136は、プローブ部122から画像情報を取得する(S10)。画像取得部136は、タイマ134から検出時間情報TDを取得する(S12)。画像取得部136は、画像情報を検出時間情報TDと関連付けて判定部138へと出力する(S14)。
判定部138は、画像取得部136から入力された画像情報によって、位置決め段階における基板90、90の位置合わせが完了したか否かを判定する(S16)。判定部138が位置合わせを完了していないと判定すると(S16:No)、ステップS10以降を繰り返す。一方、判定部138は、位置合わせが完了したと判定すると(S16:Yes)、取得した画像情報及び検出時間情報TPを検出記憶部140に記憶させる(S18)。
次に、判定部138は、検出フラグFと検出時間情報TDとを関連付けた検出情報ログ142を検出記憶部140に記憶させる(S20)。尚、最初の検出フラグFは、「0」に設定される。次に、ステップS10からS14と同様の処理が実行される(S22からS26)。
次に、検出段階において、判定部138は、一対の基板90、90の位置ずれを検出する。例えば、判定部138は、検出記憶部140に記憶されている画像情報と、新たに入力された画像情報とを比較して、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200の位置ずれを介して、基板90、90の位置ずれが発生したか否かを判定する(S28)。判定部138は、位置ずれが発生していないと判定すると(S28:No)、検出フラグFを「0」に設定した後(S30)、ステップS34の処理を実行する。
一方、判定部138は、位置ずれが発生していると判定すると(S28:Yes)、フラグFを「1」に設定した後(S32)、検出情報ログ142の一部として検出フラグFを検出時間情報TDに関連付けて検出記憶部140に記憶させる(S34)。
判定部138は、検出記憶部140に記憶されている画像情報及び検出時間情報TDを消去するとともに(S36)、新たに入力された画像情報及び検出時間情報TPを検出記憶部140に記憶させる(S38)。
次に、判定部138は、判定領域が終了したか否かを判定する(S40)。判定部138は、判定領域が終了していないと判定すると(S40:No)、ステップS22以降を繰り返す。判定部138は、判定領域が終了したと判定すると(S40:Yes)、位置ずれの検出処理が終了する。
図19は、特定制御部300による位置ずれが発生した場所を特定する特定処理を説明するフローチャートである。上基板ホルダ100が基板貼り合わせ装置10から取り出されて、上基板ホルダ100のずれ検出部110と特定制御部300とが情報を入出力可能に接続された状態で、特定制御部300が特定処理プログラムを読み込むことにより、特定処理が実行される。尚、特定処理は特定段階の一例である。
図19に示すように、検出情報取得部302は、検出記憶部140に記憶されている検出情報ログ142を取得して、特定部304へと出力する(S50)。特定部304は、入力された検出情報ログ142から検出フラグF=1があるか否かを判定する(S52)。特定部304は、検出フラグF=1がないと判定すると(S52:No)、特定処理を終了する。特定部304は、検出フラグF=1があると判定すると(S52:Yes)、検出フラグF=1に関連付けられている検出時間情報TDを抽出する(S54)。
次に、特定部304は、特定記憶部306に記憶されている特定情報テーブル308から抽出された検出時間情報TDに対応する経過時間情報TPを検索する(S56)。尚、検出時間情報TDと同じ時間の経過時間情報TPがあれば、検出時間情報TDに対応する経過時間情報TPは当該経過時間情報TPとなる。一方、検出時間情報TDと同じ時間の経過時間情報TPがない場合、検出時間情報TDに対応する経過時間情報TPは、検出時間情報TDの時間よりも早い時間の経過時間情報TPのうちで、最も遅い時間の経過時間情報TPとなる。
特定部304は、検索した経過時間情報TPに関連付けられた場所Anを特定情報テーブル308から抽出して、いずれの場所で基板90、90の位置ずれが発生したかを特定する(S58)。特定部304は、位置ずれが生じた場所Anを表示装置等に出力する(S60)。これにより、特定処理が終了する。
上述したように、基板貼り合わせ方法では、位置ずれが発生した時間を記憶することにより、位置ずれが発生した場所を特定できる。これにより、位置ずれが発生した場所を調整することにより、位置ずれが繰り返し発生することを抑制できる。例えば、位置ずれが発生した場所の搬送速度等を低速に調整することによって、位置ずれの発生を抑制できる。
図20は、ずれ検出部110の他の例を説明するブロック図である。図20に示すように、検出制御部128に通信部144を設けてもよい。通信部144は、無線通信により、特定制御部300と情報を送受信する。通信部144が送信する情報の一例は、位置ずれの検出の有無に対応する検出信号の一例である検出フラグFである。通信部144は、基板90、90の搬送中に、位置ずれの発生の判定毎に、リアルタイムで検出フラグFを送信する。この場合、検出記憶部140に検出情報ログ142を記憶させなくてもよい。
特定制御部300では、検出情報取得部302が、無線通信によって、通信部144から検出フラグFを受信する。特定部304は、検出フラグFが「1」である旨を受信すると、位置ずれの発生時刻と略等しい検出フラグFを受信した受信時刻と、特定情報テーブル308の経過時間情報TPから検出フラグFが「1」となった場所An、即ち、位置ずれが発生した場所を特定する。尚、通信部144が、検出フラグFとともに、位置ずれが発生した発生時間情報を送信してもよい。この場合、特定部304は、発生時間情報と経過時間情報TPから位置ずれが発生した場所を特定する。
このように、検出制御部128に通信部144を設けることによって、本実施形態では、位置ずれが発生したときに、リアルタイムで位置ずれの場所を検出して、早急に対応することができる。これにより、位置ずれが発生した基板90、90を加熱加圧装置56によって貼り合せることなく、取り出して再度利用することができる。
図21は、ずれ検出部110及び被検出部210を追加した上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200の縦断面図である。
図21に示すように、上基板ホルダ100の上ホルダ本体152は、中央に開口部154が形成されたリング状に形成されている。上設置板156が、開口部154に設けられている。同様に、下基板ホルダ200の下ホルダ本体232は、下設置板236が設けられる開口部234が形成されたリング状に形成されている。上設置板156及び下設置板236は、光を透過可能な材料からなる。上設置板156及び下設置板236の外側には、ずれ検出部110、110が設けられている。被検出部210、210が、各基板90、90の外側の面のうち、ずれ検出部110に対向する位置に設けられている。
この実施形態では、上設置板156及び下設置板236に設けられたずれ検出部110、110が、基板90、90の外側の面に設けられた被検出部210、210を撮像して、位置ずれを検出する。これにより、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200を介さずに、基板90、90の位置ずれを直接検出することができる。尚、上周縁部104及び下周縁部204に設けられたずれ検出部110及び被検出部210によって、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200の位置ずれを合わせて検出してもよい。
また、基板貼り合わせ装置10の基板90、90の搬送経路上に複数の撮像装置を設けてもよい。基板90、90の搬送中に実行される撮像段階において、複数の撮像装置は、搬送中の基板90、90、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200を撮像する。例えば、撮像装置は、基板90、90等を撮像した画像の画像情報とともに、撮像時間情報TTを合わせて記憶する。これにより、特定部304は検出情報ログ142の検出時間情報TDと、撮像画像及び撮像時間情報TTとに基づいて、位置ずれが発生した場所Anを特定できる。他の例として、撮像装置は、基板90等を撮像しつつ、画像情報を特定制御部300の検出情報取得部302に送信する。これにより、特定部304は、検出情報取得部302が取得した検出フラグF及び画像情報に基づいて、位置ずれが発生した場所Anを特定できる。
位置ずれの検出方法は、適宜変更してよい。例えば、基板90、90の位置ずれの検出方法として、光学的変化により検出する方法、及び、電気的変化により検出する方法をあげることができる。以下、具体的に位置ずれの検出方法を説明する。
(光学的方法)
レーザ光によって基板90、90の位置ずれを検出してもよい。上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200に保持された基板90、90にレーザ光を照射して、基板90、90によって反射されたレーザ光の変化によって基板90、90の位置ずれを検出してもよい。尚、上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200にレーザ光を照射して位置ずれを検出してもよい。
一方の基板90にCCD撮像装置を設けるとともに、他方の基板90にCCD撮像装置によって撮像可能な位置に検出マークを設けてもよい。これにより、CCD撮像装置が検出マークを撮像して、検出マークがずれたときが、基板90、90の位置ずれが発生したと判定できる。また、上基板ホルダ100にCCD撮像装置を設けるとともに、下基板ホルダ200に光源を設けて、光源の位置の変化によって、位置ずれを検出してもよい。
(電気的方法)
上基板ホルダ100及び下基板ホルダ200に内蔵した差動コイルに交流電源を供給して、差動コイルによって発生する磁場の変化によって、基板90、90の位置ずれを検出してもよい。
上基板ホルダ100と下基板ホルダ200とによってコンデンサを構成して、そのコンデンサの静電容量の変化によって、基板90、90の位置ずれを検出してもよい。
一方の基板90に形成されたバンプと、他方の基板90に形成されたバンプとを、位置合わせした状態で電気的に接続して、そのバンプ間の電気抵抗の変化によって、基板90、90の位置ずれを検出してもよい。尚、バンプの電気抵抗の変化は、バンプ間の接触面積の変化によって生じさせてもよく、複数対のバンプの接触個数によって生じさせてもよい。
磁気方式のエンコーダを用いてもよい。例えば、一方の基板90の複数個所に磁性体材料を埋設するとともに、他方の基板90に磁気センサを設ける。これにより、磁気センサが検出する磁場の変化により、基板90、90の位置ずれを検出してもよい。
なお電気的または磁気的な特性により位置ずれを検出する場合に、基板の面に沿った方向すなわちXY方向の変化と面に垂直な方向すなわちZ方向の変化が区別し難い場合がある。そこで、他の手段でZ方向の変化を計測しておき、上記検出値を当該Z方向に変化で補正をかけることが好ましい。すなわち、(真値)=(検出値)×f(Z)、ここでf(Z)はZ方向の変化に対する補正係数、によって真値を算出することが好ましい。
上基板ホルダ100の上弾性部材116に歪ゲージを設けてもよい。歪みゲージが上弾性部材116の歪みを検出して、その歪みに対応する電気信号を出力することにより、基板90、90の位置ずれを検出してもよい。更に、3個の上弾性部材116のそれぞれに歪みゲージを配置して、位置ずれの方向、回転角度等を検出可能に構成してもよい。
吸着部208と被吸着部108の一方にパターンを設けて、他方にパターンを検知する検知部を設けてもよい。
位置ずれの発生した場所を特定するために記憶させる情報は適宜変更してよい。検出情報ログの代わりに、位置ずれが発生した時間のみを記憶するようにしてもよい。即ち、検出フラグFが「1」になった検出時間情報のみを記憶してもよい。また、無線通信により検出フラグFを送受信する場合においては、検出フラグFが「1」になった場合のみ、検出フラグFを送受信するように構成してもよい。
なお上記実施形態においては、アライナ28と加熱加圧装置56とが別個に設けられているが、アライナ28または加熱加圧装置56の一方のみが設けられ、当該一方において複数の基板の位置合わせと貼り合わせとの両方を実行してもよい。アライナ28または加熱加圧装置56の当該一方内での位置合わせ段階および貼り合わせ段階中での位置ずれを検出してその位置ずれの場所を特定してもよいし、さらに同段階中での位置ずれが生じた時刻を特定してもよい。また上記実施形態においては基板の搬送に上基板ホルダ100および下基板ホルダ200を用いているが、これの一方または両方を用いずに基板90を直接搬送してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。