JP6031749B2 - 光重合性インクジェットインク、該光重合性インクジェットインクの製造方法、及びインクカートリッジ。 - Google Patents
光重合性インクジェットインク、該光重合性インクジェットインクの製造方法、及びインクカートリッジ。 Download PDFInfo
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Description
そのような条件下では、初期状態(せん断応力を加えない状態)で、静止(流動性がない)状態のインクは、一般的なインクジェット吐出ヘッドで吐出すること自体困難である。
しかし、近年では環境保護の観点からVOC(揮発性有機溶剤)を大気に放出しないことが望まれており、また、速乾性や塗膜の強靭さなど、既存のインクジェットインクにないような特性を持つ光重合性インクジェットインクが、主に産業用途を中心に広く検討が進められている。
上記課題は、本発明の、下記(1)〜(8)によって解決される。
(1)「少なくとも、カーボンブラック、高分子分散剤、及び光重合性モノマーを含む光重合性インクジェットインクであって、前記高分子分散剤はカーボンブラックに飽和吸着する以上の量が含有され、実質的に揮発性有機溶剤を含まないものであることを特徴とする光重合性インクジェットインク」、
(2)「降伏値が0.2Pa以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の光重合性インクジェットインク」、
(3)「前記高分子分散剤がアミノ基を有する高分子材料であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の光重合性インクジェットインク」、
(4)「前記光重合性モノマーが(メタ)アクリレート化合物、もしくは(メタ)アクリルアミド化合物、もしくはビニルエーテル化合物、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の光重合性インクジェットインク」、
(5)「さらに光重合開始剤を含み、該光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の光重合性インクジェットインク」、
(6)「カーボンブラック、高分子分散剤、光重合性モノマーからなり、該高分子分散剤がカーボンブラックに飽和吸着する以上の量が含有された、カーボンブラックが高濃度のカーボン分散液を調整し、該高濃度カーボン分散液に、少なくとも、前記光重合性モノマーを含む希釈液を加えて希釈し、前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の光重合性インクジェット黒インクを製造することを特徴とする光重合性インクジェットインクの製造方法」、
(7)「カーボンブラック、高分子分散剤、光重合性モノマーからなり、該高分子分散剤がカーボンブラックに飽和吸着する量が含有された、カーボンブラックが高濃度のカーボン分散液を調整し、前記光重合性モノマー及び前記高分子分散剤を含む希釈液を加えて希釈し、前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の光重合性インクジェット黒インクを製造することを特徴とする光重合性インクジェットインクの製造方法」、
(8)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の光重合性インクジェットインクを収容したインクカートリッジ」。
本発明は、少なくとも、カーボンブラック、高分子分散剤、及び光重合性モノマーを含む光重合性インクジェットインクであって、前記高分子分散剤はカーボンブラックに飽和吸着する以上の量が含有され、実質的に揮発性有機溶剤を含まないものである。
高分子分散剤として、カーボンブラックに飽和吸着する以上の量を含有することにより、吸着した分散剤が脱離しにくくなるため、カーボンブラックの分散性すなわち粒子間の反発力を向上させ、カーボンブラック粒子同士が凝集しようとする相互作用が弱まり、微小なせん断応力で流動を開始させることができる。
ここで、実質的に揮発性有機溶剤を含まないとは、光重合性インクジェットインクの材料として揮発性有機溶剤を用いないことを意味し、高分子分散安定剤や光重合性モノマー等、他の材料由来の揮発性有機溶剤をも含まないことを意味するものではない。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックなどの、従来公知カーボンブラックを使用できる。
高分子分散安定剤としては、従来公知の高分子安定剤を使用できるが、極性官能基を有するものであることが好ましい。極性官能基を有することでカーボンブラックに吸着しやすくなり、分散性が向上し、容易に流動を開始するインクを作成できる。
高分子分散安定剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が挙げられ、中でもアミノ基などの極性官能基を持つポリエステル系の高分子安定剤は、カーボンブラックに対する吸着力が高く、後述するような光重合性モノマー中での分散性が良好で、かつ、粘度低下能が大きいことから好ましく使用できる。
このような高分子安定剤としては、日本ルーブリゾール社性ソルスパース、楠本化成社製ディスパロン、味の素ファインテック社製アジスパーなどの市販品が使用できる。
光重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート化合物、もしくは(メタ)アクリルアミド化合物、もしくはビニルエーテル化合物、あるいはこれらの混合物を使用することができるが、硬化後のインクを強靭にできる2官能以上の光重合性モノマーであることが好ましく3官能以上の光重合性モノマーを含むことがより好ましく、低粘度化のために単官能モノマーを含むことがさらに好ましい。また、メタクリレート化合物は安全性が高く、好ましく使用できる。
また、印刷物に未硬化のモノマー成分が残存し、手指等で触れたとしても皮膚感作性を引き起こすことのない安全な印刷物を提供するため、下記式(1)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、下記式(2)で示されるポリプロピレングリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジアクリレート、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、t−ブチルメタクリレート、n-ペンチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、及びヒドロキシエチルアクリルアミドから選択される1種以上を用いることが好ましい。
これらは皮膚感さ性の程度を示す評価方法であるLLNA法において陰性とみなせるもの、あるいはMSDS(化学物質安全性データシート)において、皮膚感さ性陰性又は皮膚感さ性なしと評価されたものであり、文献(例えば、「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55)に示されるように、皮膚感さ性の程度を示すStimulation Index(SI値)が3未満の場合に感さ性について問題なしと判断されたものである。
評価方法であるLLNA法とは、OECDテストガイドライン429として定められる皮膚感さ性試験である。
本発明の光重合性インクジェットインクは、必要に応じて、光ラジカル重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤等の他の添加剤を含んでもよい。
前記分子開裂型光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン−〔4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノンなどがあげられるがこれらに限定するものではない。
本発明のインクは容器に収容してインクカートリッジとして用いることができる。これにより、インク交換などの作業において、インクに直接触れる必要がなく、手指や着衣の汚れなどの心配がなく、またインクへのごみ等の異物混入を防止できる。
容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
図3の構成では、印刷ユニット(3)[各色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の印刷ユニット(3a、3b、3c、3d)からなる]のそれぞれにより、被印刷基材供給ロール1から供給された被印刷基材(2)(図の左から右へ搬送)に吐出された各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の印刷毎に、紫外線光源(硬化用光源)(4a、4b、4c、4d)から光照射(UV光)して硬化し、カラー画像を形成する例を示している。印刷ユニット(3a、3b、3c、3d)は、インク吐出部分においては必要に応じてインクを低粘度化するために加温する機構を設けたものである。印刷後の様々な加工のために、必要に応じてミシン目、マージナルパンチ、ファイル穴、コーナーカットなどの加工を行うために加工ユニット(5)を設けてもよい。
(カーボンブラック分散液1の作製)
光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)にカーボンブラック(三菱化学社製#5B)を加え、カーボンブラックを15重量%含むカーボンブラック分散液1を作製した。
光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)にカーボンブラック(三菱化学社製#5B)及びアミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース32000)を加え、カーボンブラックの含有量が15重量%、高分子分散剤の含有量が1重量%であるカーボンブラック分散液2を作製した。
光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)にカーボンブラック(三菱化学社製#5B)及びアミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース32000)を加え、カーボンブラックの含有量が15重量%、高分子分散剤の含有量が2重量%であるカーボンブラック分散液3を作製した。
光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)にカーボンブラック(三菱化学社製#5B)及びアミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース32000)を加え、カーボンブラックの含有量が15重量%、高分子分散剤の含有量が5重量%であるカーボンブラック分散液4を作製した。
光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)にカーボンブラック(三菱化学社製#5B)及びアミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース32000)を加え、カーボンブラックの含有量が15重量%、高分子分散剤の含有量が10重量%であるカーボンブラック分散液5を作製した。
光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)にカーボンブラック(三菱化学社製#5B)及びカルボキシル基含有ポリエステル系高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース3000)を加え、カーボンブラックの含有量が15重量%、高分子分散剤の含有量が5重量%であるカーボンブラック分散液6を作製した。
カーボンブラックの高分子分散剤吸着量と、高分子分散剤の配合比との関係を図4に示す。
このことから、高分子分散剤の配合比が2%未満では吸着が未飽和であり、高分子分散剤の配合比が2%以上では吸着が飽和し、高分子分散剤の配合比が2%であると高分子分散剤を過不足なく吸着し、高分子分散剤の配合比が2%を超える5%、10%では、飽和吸着に対して、過剰配合であることが分かる。なお、図には示していないが、カーボンブラック分散液6については吸着量が観測されなかった。
(1)前記の分散液を遠心分離し、得られた固形分をアセトンによって洗浄して、高分子分散剤が吸着したカーボンブラックだけを取り出した。
(2)上記にて採取したカーボンブラックを450℃にて焼成し、焼成前後での重量減少分を吸着量とした。なお、あらかじめカーボンブラックそのものが同焼成条件においての重量減少はごくわずかでほぼ状態変化しないことを確認しているが、ごくわずかに観測されたカーボンブラック自体重量減少を考慮のうえ補正して吸着量を算出した。
(3)カーボンブラック単位重量あたりの高分子分散剤吸着量を、使用したカーボンブラックの比表面積(29m2/g:カタログ値)にて換算し、カーボンブラック表面積あたりの吸着量として図4に示した。
カーボンブラック分散液2に光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)を加え、平均10ミクロン径のメンブレンフィルターでろ過し、カーボンブラックの含有量が7重量%のブラックインク1を作製した。
カーボンブラック分散液3に光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)を加え、平均10ミクロン径のメンブレンフィルターでろ過し、カーボンブラックの含有量が7重量%のブラックインク2を作製した。
カーボンブラック分散液6に光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)を加え、カーボンブラックの含有量が7重量%のブラックインク3を作製した。
カーボンブラック分散液4に光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)を加え、平均10ミクロン径のメンブレンフィルターでろ過し、カーボンブラックの含有量が7重量%のブラックインク4を作製した。
カーボンブラック分散液3に光重合性モノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート:サートマー社製SR350)及び、高分子分散剤(日本ルーブリゾール社製ソルスパース)を加え、平均10ミクロン径のメンブレンフィルターでろ過し、カーボンンブラックの含有量が7重量%で高分子分散剤の含有量が前記実施例1と同様のブラックインク5を作製した。
光重合開始剤(BASF社製Irgacure907)をインク全量に対して12重量%となるように配合する他は比較例1と同様にしてインク6を作製した。
光重合開始剤(BASF社製Irgacure907)をインク全量に対して12重量%となるように配合する他は比較例2と同様にしてインク7を作製した。
光重合開始剤(BASF社製Irgacure907)をインク全量に対して12重量%となるように配合する他は比較例3と同様にしてインク8を作製した。
光重合開始剤(BASF社製Irgacure907)をインク全量に対して12重量%となるように配合する他は実施例1と同様にしてインク9を作製した。
光重合開始剤(BASF社製Irgacure907)をインク全量に対して12重量%となるように配合する他は実施例2と同様にしてインク10を作製した。
ブラックインク1〜10の降伏値とインクジェット吐出性の評価結果を以下の表1に示す。
降伏値は、せん断速度を変えて測定した粘度値をもとに下記式(1)で示すCasson‘s Plotから算出した。
√τ = √η∞ × √D + √τ0 (1)
(但し、τは剪断応力(Pa)、Dは剪断速度(1/sec)、√η∞及び√τ0は定数)
√τを縦軸に、√Dを横軸にグラフ化したCasson‘s Plotは、顔料分散系において良好な直線性が得られることから広くレオロジー特性の解析に用いられている。
ここで、√τ0は前記グラフにおいて、縦軸の切片に相当し、これの2乗、すなわちτ0が降伏値となる。
上記データのCasson‘s Plotについてはここでは示していないが、良好な直線性が確認できており、前記式の適用が妥当であることが確認できている。
リコープリンティングシステムズ社製のインクジェット吐出ヘッドGEN4によって、ブラックインクを60℃に加温して吐出評価を実施した。
○:吐出できた
×:吐出できなかった
※1:容器を傾斜しても自重で流動しないほど流動性に乏しく、使用した粘度計の測定上限を超えるため粘度を計測できず、降伏値を求められなかった。
※2:インク流路を経て吐出ヘッドまでインクを供給することが困難で、吐出評価ができなかった。
比較例1、4は、カーボンブラックに対して高分子分散剤が飽和吸着していないカーボンブラック分散液を用いているため、十分な分散性が得られていないものと考えられ、それを希釈してインク化すると、結果的に降伏値が非常に大きくなり、インクジェット吐出できなかった。
比較例2、5は、カーボンブラックに対して高分子分散剤が飽和吸着しているカーボンブラック分散液を用いているが、インク化に伴う希釈によって、インクとしての高分子分散剤配合比が顔料分散に十分でなくなってしまったものと考えられ、軽微であるが降伏値が大きくなり、インクジェット吐出できなかった。
比較例3、6は種類の異なる極性基を有する高分子分散剤を用いたカーボンブラック分散液を用いているが、粘度測定できない程度にまで流動性に乏しく、相当に大きな降伏値を有していると考えられ、吐出評価を実施することすら困難だった。
実施例1、3は、高分子分散剤をカーボンブラックへの飽和吸着量を超えて過剰に加えた高濃度カーボンブラック分散液を用いたものであるが、カーボンブラックの分散性は損なわれず、結果的に降伏値を0.2Pa以下に抑制することができ、インクジェット吐出できていることから、インク化に伴う希釈の際、予め高分子分散剤を溶解させた希釈液を用いなくても、インク中のカーボンブラックに対して高分子分散剤が飽和吸着していればよいことが分かる。
実施例2、4は、カーボンブラックに高分子分散剤が過不足なく飽和吸着したカーボンブラック分散液を用いたものであり、予め高分子分散剤を溶解させた希釈液を用い、インク中のカーボンブラックに飽和吸着する高分子分散剤を加えることによりインク化に伴う希釈によってもカーボンブラックの分散性は損なわれず、結果的に降伏値を0.2Pa以下に抑制することができ、インクジェット吐出できた。
2 被印刷基材
3a 各色の印刷ユニット
3b 各色の印刷ユニット
3c 各色の印刷ユニット
3d 各色の印刷ユニット
4a 紫外線光源
4b 紫外線光源
4c 紫外線光源
4d 紫外線光源
5 加工ユニット
6 印刷物巻き取りロール
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
Claims (8)
- 少なくとも、カーボンブラック、アミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤、及び光重合性モノマーを含む光重合性インクジェットインクであって、
前記光重合性モノマーが、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物及びビニルエーテル化合物から選択される少なくとも1種であり、
前記アミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤Aは前記カーボンブラックBに、質量比(A:B)が2:15〜5:15となるように含有され、
降伏値が0.2Pa以下であり、
実質的に揮発性有機溶剤を含まないものであることを特徴とする光重合性インクジェットインク。 - 前記光重合性モノマーが、下記式(1)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、下記式(2)で示されるポリプロピレングリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジアクリレート、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、及びヒドロキシエチルアクリルアミドから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の光重合性インクジェットインク。
- 前記光重合性モノマーが、トリメチロールプロパントリメタクリレートであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の光重合性インクジェットインク。
- 前記光重合性モノマーの皮膚感さ性が陰性である請求項1乃至3のいずれかに記載の光重合性インクジェットインク。
- 前記カーボンブラックの含有量が、2重量%以上10重量%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の光重合性インクジェットインク。
- さらに光重合開始剤を含み、該光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光重合性インクジェットインク。
- カーボンブラック、アミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤、(メタ)アクリレート化合物、並びに(メタ)アクリルアミド化合物及びビニルエーテル化合物から選択される少なくとも1種である光重合性モノマーからなり、前記アミノ基含有ポリエステル系高分子分散剤Aは前記カーボンブラックBに、質量比(A:B)が2:15〜5:15となるように含有された、前記カーボンブラックが高濃度のカーボン分散液を調製し、該高濃度カーボン分散液に、少なくとも、前記光重合性モノマーを含む希釈液を加えて希釈し、請求項1乃至6のいずれかに記載の光重合性インクジェット黒インクを製造することを特徴とする光重合性インクジェットインクの製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の光重合性インクジェットインクを収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
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