JP6031636B1 - アミノ酸またはアシルカルニチンの検出方法 - Google Patents

アミノ酸またはアシルカルニチンの検出方法 Download PDF

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Abstract

血液などの生体試料から抽出されたアミノ酸またはアシルカルニチンの検出において、質量分析計への汚染の蓄積を防止し、且つスループットを低下させない検出方法の提供を課題とする。試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する方法であって、試料が質量分析計に導入される前に、弱陽イオン交換基を担持したカラムで処理される工程を含む、前記方法を提供する。

Description

本発明は、アミノ酸またはアシルカルニチンの検出方法に関する。より詳しくは、アミノ酸またはアシルカルニチンを、より高感度に検出する方法に関する。
医療の分野においては代謝異常の評価を行うために、血液や尿などの生体試料中のアミノ酸およびアシルカルニチンを分析することは極めて有用である。例えば、新生児を対象とした先天性代謝異常スクリーニング(以下、単に新生児マススクリーニングということがある)においてアミノ酸およびアシルカルニチンは分析項目とされている。特に、質量分析計を直列に2つ並べて用いるスクリーニング法である、新生児マススクリーニングタンデムマス法(以下、単にタンデムマス・スクリーニング法ということがある)の普及が進められている。
特許文献1には、質量分析計を用いて血漿中のアミノ酸及びアシルカルニチンを測定し、これらのプロファイルを得ることで、アミノ酸代謝障害(フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、カエデシロップ尿症、I型チロシン血症、シトルリン血症)、脂肪酸酸化障害(MCAD、VLCAD、SCAD、MAD、LCHAD、CPTII)に加え、一部の有機酸血症(プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、イソ吉草酸血症、1型グルタル酸血症、3−メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症、βケトチオラーゼ欠損症など)の診断に利用できると記載されている。
非特許文献1には、タンデムマス・スクリーニング法で発見しうる先天性代謝異常症として、アミノ酸代謝異常(フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症、シトリン欠損症(シトルリン血症2型)、高チロシン血症1型、高アルギニン血症)、有機酸代謝異常(メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、βケトチオラーゼ欠損症)、及び脂肪酸代謝異常(MCAD欠損症、VLCAD欠損症、三頭酵素欠損症、CPT−1欠損症、CPT−2欠損症、CACT欠損症、全身性カルニチン欠乏症、グルタル酸血症2型、SCAD欠損症)の25種の疾患が挙げられており、1回の検査でスクリーニング可能であることが記載されている。
非特許文献2には、乾燥ろ紙血から、アミノ酸またはアシルカルニチンを抽出し、前記抽出液をFIA(Flow Injection Analysis:フローインジェクション分析)により質量分析計に導入し、検出する方法が記載されている。一般に、FIAとは分析カラムによる測定対象物質の分離を含まない分析方法を指す。
特表2007−503878号公報
「新しい新生児マススクリーニング タンデムマスQ&A2012」厚生労働科学研究(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)山口清次、2012年 「Screening blood spots for inborn errors of metabolism by electrospray tandem mass spectrometry with a microplate batch process and a computer algorithm for automated flagging of abnormal profiles」M. S. Rashed、et al.,Clinical Chemistry,43(7),p.1129-1141,1997
タンデムマス・スクリーニング法における検出方法は、非特許文献2に記載の方法で行われることが一般的である。しかしながら、乾燥ろ紙血からアミノ酸またはアシルカルニチンを抽出した測定試料(以降、単に試料と記載することもある。)には、タンパク質、リン脂質、塩類などの生体由来の夾雑物質が多量に含まれることが多く、これら夾雑物質が質量分析計に導入されることにより、質量分析計のイオン化部が汚染され、検出対象であるアミノ酸またはアシルカルニチンの検出感度が低下するという課題があった。
また、測定を何度も繰り返すことにより、前記夾雑物質が質量分析計の質量分離部にまで及ぶと装置の故障の原因となり、故障を回避するためには質量分析計の真空を解除しての大掛かりなメンテナンスが必要となることから、時間とコストが問題となっていた。
前記タンデムマス・スクリーニング法において、代謝異常を判定するためには検出対象物質(アミノ酸またはアシルカルニチン)の分離は不要とされている。前記夾雑物の影響を回避するために分離カラムによる分離工程を加えることも技術的に可能であるが、FIAに比べ分析時間が数倍から数十倍程度長くなり、スループットが低下するという課題が生じていた。
すなわち、血液などの生体試料から抽出されたアミノ酸またはアシルカルニチンの検出において、質量分析計への汚染の蓄積を防止し、且つスループットを低下させない検出方法は見出されていない。
以上より、本発明は質量分析計の汚染を防止し、且つハイスループットな検出方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、生体試料から抽出された測定試料が質量分析計に導入される前に、弱陽イオン交換基が担持されたカラムに前記測定試料を通過させることにより、質量分析計の汚染が低減されることを見出した。
本発明者らは、検出対象のアミノ酸またはアシルカルニチンが前記カラムに必要以上に保持されることがないことから、FIAと同等の分析時間でアミノ酸またはアシルカルニチンが分析できることを見出した。
本発明者らは、前記アミノ酸またはアシルカルニチンの検出感度が、前記カラムがない場合と比較して同程度または高感度化されることを見出した。
さらに本発明者らは、弱陽イオン交換基を担持したカラムが、後述するアミノ酸複数種、またはアシルカルニチン複数種を同時にカラムに導入した場合でも、これら導入した検出対象物質がカラムを通過し質量分析計で検出することが可能であり、前記カラムがない場合と比較して同程度または高感度に検出されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下の内容に関する。
<1>試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する検出方法であって、弱陽イオン交換基を担持したカラムを通過させて処理した試料を、質量分析計に導入する工程を含む、前記検出方法。
<2>試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する検出方法であって、試料を弱陽イオン交換基を担持したカラムを通過させて処理する工程と、前記工程により処理された試料を質量分析計に導入する工程を含む、前記検出方法。
<3>試料が、血液から溶媒により抽出されたものである<1>または<2>に記載の検出方法。
<4>血液が、乾燥ろ紙血である、<3>に記載の検出方法。
<5>質量分析計がタンデム質量分析計である、<1>〜<4>のいずれかに記載の検出方法。
<6>弱陽イオン交換基がカルボキシ基である<1>〜<5>のいずれかに記載の検出方法。
<7>カラムの長さが5mm〜50mmである<1>〜<6>のいずれかに記載の検出方法。
<8>試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する方法における試料の前処理方法であって、以下の工程を含む前記前処理方法。
(1)試料を、弱陽イオン交換基を担持したカラムに通過させて処理する工程
<9>試料が、血液から溶媒により抽出されたものである<8>に記載の前処理方法。
<10>血液が、乾燥ろ紙血である、<9>に記載の前処理方法。
<11>(1)の工程の前に、乾燥ろ紙血からアミノ酸またはアシルカルニチンを溶媒により抽出することにより試料を得る工程、を含む<10>に記載の前処理方法。
<12>質量分析計がタンデム質量分析計である、<8>〜<11>のいずれかに記載の前処理方法。
<13>弱陽イオン交換基がカルボキシ基である<8>〜<12>のいずれかに記載の前処理方法。
<14>カラムの長さが5mm〜50mmである<8>〜<13>のいずれかに記載の前処理方法。
<15>試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンの検出装置であって、
試料をインジェクションするインジェクターと、
弱陽イオン交換基を担持したカラムと、
質量分析計と、を含み、
弱陽イオン交換基を担持したカラムはインジェクターと質量分析計との間に配置され、
かつ、当該カラムを通過した試料が質量分析計へと導入されるように構成される、
前記検出装置。
<16>質量分析計がタンデム質量分析計である、<15>に記載の検出装置。
<17>弱陽イオン交換基がカルボキシ基である<15>または<16>に記載の検出装置。
<18>カラムの長さが5mm〜50mmである<15>〜<17>のいずれかに記載の検出装置。
<19>アミノ酸またはアシルカルニチンの質量分析計による検出キットであって、アミノ酸またはアシルカルニチンの安定同位体と、
弱陽イオン交換基を担持したカラムとを含む、前記検出キット。
<20>質量分析計がタンデム質量分析計である、<19>に記載の検出キット。
<21>弱陽イオン交換基がカルボキシ基である<19>または<20>に記載の検出キット。
<22>カラムの長さが5mm〜50mmである<19>〜<21>のいずれかに記載の検出キット。
<23>試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する場合の検出感度増加方法であって、
試料が質量分析計に導入される前に、弱陽イオン交換基を担持したカラムで処理される工程を含む、前記検出感度増加方法。
<24>アミノ酸またはアシルカルニチンの安定同位体、
及び弱陽イオン交換基を担持したカラムの、
アミノ酸またはアシルカルニチンの質量分析計による検出のための使用。
本発明によれば、質量分析計の汚染が低減され、ハイスループットで、高感度化されたアミノ酸またはアシルカルニチンの検出方法が提供される。本発明のアミノ酸またはアシルカルニチンの検出方法は、先天性代謝異常スクリーニング等の臨床検査に有用である。
実施例2で得られた、カラムなし(従来法)とCBAカラム使用時とのアミノ酸の検出感度を比較したグラフ 実施例2で得られた、カラムなし(従来法)とCBAカラム使用時とのアシルカルニチンの検出感度を比較したグラフ 実施例3で得られた、カラムなし(従来法)とCBAカラム使用時とのアミノ酸の検出感度を比較したグラフ 実施例3で得られた、カラムなし(従来法)とCBAカラム使用時とのアシルカルニチンの検出感度を比較したグラフ 実施例4で得られた、CBAカラム、ジルコスフィア、PRSカラム、およびSCXカラム使用時のアミノ酸の検出感度を比較したグラフ 実施例4で得られた、CBAカラム、ジルコスフィア、PRSカラム、およびSCXカラム使用時のアシルカルニチンの検出感度を比較したグラフ
本明細書においてアミノ酸とは、アミノ酸代謝異常スクリーニングでの分析項目とされているアミノ酸をいい、表1に記載の1以上をいう。
Figure 0006031636
本発明は、安定同位体標識されたアミノ酸についても当該検出方法を適用できる。例えば、安定同位体で標識された各種アミノ酸(以下、アミノ酸安定同位体ともいう。)としてH4−Alanine、H4,13C−Arginine、H2−Citrulline、H3−Leucine、H3−Methionine、H2−Ornithine、13C6−Phenylalanine、13C6−Tyrosine、H8−Valine、15N,2−13C−Glycine、H3−Aspartic
acid、及びH3−Glutamic acidなどが例示できる。同位体標識の例として重水素標識、炭素標識、窒素標識を挙げたが、放射性同位体による標識や、酸素など他の元素による標識、置換する原子数、置換する位置など、例示した標識に限らない。
アシルカルニチンは、その脂肪酸部分の炭素鎖長、不飽和結合の有無と数、炭素鎖に結合する水素原子の酸素原子又はヒドロキシ基への置換などにより、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、ステアロイルカルニチン、オレイルカルニチン、リノレイルカルニチン、マロニルカルニチン、3−ヒドロキシカルニチンなどに細分化されるが、本明細書中においては、それらを総称してアシルカルニチンと記述する。なお、脂肪酸が結合していない遊離カルニチンについても、アシルカルニチンに含めるものとする。
すなわち、本発明においてアシルカルニチンとは、式1で表される化合物群をいう。
式1:(CH+CHCH(OR)CHCOO-
(式1中、Rは水素原子、もしくは炭素数2〜30の飽和又は不飽和の脂肪酸残基を表し、該脂肪酸残基に結合する水素原子は、酸素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。)
炭素数2〜30の飽和又は不飽和の脂肪酸残基としては、表2に記載のものが挙げられる。先天性代謝異常スクリーニングなど臨床での評価項目に使用される主なアシルカルニチンを表3に示す。
Figure 0006031636
Figure 0006031636
本発明によれば、同位体標識されたアシルカルニチンについても当該検出方法を適用できる。例えば、安定同位体で標識されたアシルカルニチン(以下、アシルカルニチン安定同位体ともいう。)としてH9−カルニチン、H3−アセチルカルニチン、H3−プロピオニルカルニチン、H3−ブチリルカルニチン、H9−イソ吉草酸カルニチン、H3−オクタノイルカルニチン、H9−ミリストイルカルニチン、及びH3−パルミトイルカルニチンなどが例示できる。同位体標識の例として重水素標識を挙げたが、
放射性同位体による標識や、炭素、窒素、酸素など他の元素による標識、置換する原子数、置換する位置など、例示した標識に限らない。
本明細書において、生体試料としては、血液、血清、血漿、唾液、尿等の体液、糞便や吐物、またはこれらの溶解液、懸濁液、乾燥品などが挙げられる。前記生体試料が採取される生物はヒトに限定されず、ヒト以外の哺乳動物、例えば、サル、類人猿、イヌ、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、モルモット、さらには鳥類、魚類等が挙げられる。
本明細書において、「乾燥ろ紙血(乾燥血液ろ紙、Dried Blood Spots、DBS)」とは、動物やヒトの血液をろ紙に含浸した後、乾燥させたものを意味する。作成方法として、全血約20μLを専用のろ紙に含浸した後、室温で2時間以上乾燥させる方法が例示できる。乾燥ろ紙血作成用のろ紙は、FTA DMPKカード(GE Healthcare社)など、市販されているものが好適に用いられる。乾燥ろ紙血から試料を採取するには、ろ紙の血液含浸部分をパンチャーなどで打ち抜き、打ち抜いたろ紙片を抽出溶液に浸漬し、乾燥血液ろ紙から血液中の成分を抽出することで採取できる。
本明細書において、測定試料(以降、単に試料と記載することもある。)とは、生体試料からアミノ酸及び/またはアシルカルニチンを抽出したものを意味する。本発明で生体試料からアミノ酸を抽出する溶媒は、生化学で汎用されるものであれば特に制限されない。構造の異なる複数種のアミノ酸を効率よく抽出する点や,取り扱いや入手のし易さから、精製水、生化学で汎用される緩衝液、またはメタノール、エタノールなどの極性の高い有機溶媒が好ましい。アミノ酸は基本構造にカルボキシ基およびアミノ基を有するためである。
本発明で生体試料からアシルカルニチンを抽出する溶媒は、生化学で汎用されるものであれば特に制限されない。炭素数の異なるアシルカルニチンの混合物を効率よく溶解する点や,取り扱いや入手のし易さから、炭素数1〜5の有機溶媒が好ましく、炭素数1〜5のアルコール及びアセトニトリルがより好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノールがさらに好ましい。アシルカルニチンは加水分解することから、溶媒には水を含まないことが好ましい。これらの有機溶媒に、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸などの有機酸を含有してもよい。
本発明において、生体試料からアミノ酸とアシルカルニチンを同時に抽出する場合の溶媒は、メタノール、エタノールなどの極性の高い有機溶媒が好ましい。
本発明において、弱陽イオン交換カラムとは弱陽イオン交換基(弱酸性陽イオン交換基ともいう。)を固定相(担体)として担持した充填剤を充填したカラムを意味する。弱陽イオン交換基としては、カルボキシ基(−COOH)、ホスフィン酸(−PH(=O)OH)、ホスホン酸(−P(=O)(OH))が例示でき、カルボキシ基が好適に用いられる。
弱陽イオン交換基を担持させる母体としては公知のものが使用でき、シリカゲル(Si)、ポリマー(アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、スチレンジビニルベンゼンなど。これらの混合物も含む)などが例示できる。これら母体は、弱陽イオン交換基を担持した充填剤が使用される環境、例えばpHなどによって適した母体を適宜選択すればよい。
弱陽イオン交換基は、母体に直接担持されてもよいし、炭素鎖などを介して母体に担持されてもよい。弱陽イオン交換基にカルボキシ基、母体にシリカゲルを選択する場合を例にすると、メチルカルボキシ基とシリカゲルを結合した充填剤、エチルカルボキシ基とシリカゲルを結合した充填剤、プロピルカルボキシ基とシリカゲルを結合した充填剤などが例示できる。なお、本明細書において充填剤とは、母体に固定相を担持させたものを意味する。以降、カルボキシ基をCBAと省略する場合がある。また、カルボキシ基が担持された充填剤をCBAカラムということもある。
弱陽イオン交換基を担持した充填剤をカラムボディへ充填し、弱陽イオン交換カラムを作成する方法は公知の方法が適用できる。
カラム内径としては、1.0mm〜10mmが好ましい。カラム内径が1.0mmより細いと移動相の流速を0.05mL/minよりも遅くしないとカラムにかかる圧力が高くなりすぎる恐れがある。一方、カラム内径が10mmよりも大きいと、カラム内における測定対象物質の拡散が大きくなり、検出感度が低下する恐れがある。カラム内径の下限としては、1.0mm以上、1.2mm以上、1.4mm以上、がより好ましい。カラム内径の上限としては、10.0mm以下、8.0mm以下、6.0mm以下、5.0mm以下、4.6mm以下、4.0mm以下、3.0mm以下、2.0mm、1.8mm以下がより好ましい。カラム内径の範囲としては上記上限と下限の組み合わせが挙げられ、そのうちでも1.0〜3.0mm、1.0〜2.0mm、1.2〜1.8mm、1.4〜1.8mm、1.5〜1.8がより好ましく、1.5mmがもっとも好ましい。
前記カラムのカラム長としては5mm〜50mmが好ましい。カラム長が5mmより短いと、カラムによる夾雑物の除去が充分に行われない恐れがある。一方、カラム長が50mmより長いと、カラム内における測定対象物質の拡散が大きくなり、検出感度が低下する恐れがあり、また、測定対象物質が必要以上にカラムに保持されて、分析時間が長くなる恐れがある。
カラム長の下限としては、5mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上が好ましい。カラム長の上限としては、50mm以下、40mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、18mm以下、15mm以下、12mm以下が好ましい。カラム長の範囲としては上記上限と下限の組み合わせが挙げられ、そのうちでも5〜30mm、7〜20mm、8〜18mm、9〜15mm、9〜12mmが挙げられ、10mmがもっとも好ましい。
本発明に係るカラムは、FIA(Flow Injection Analysis:フローインジェクション分析)においてインジェクターと質量分析計との間に設置されるのが好ましい。
質量分析計としては、自動的に試料を導入できるようなものが望ましい。この場合、検出器である質量分析計には、移動相とともにサンプルを導入する必要があることから送液ポンプ及びオートインジェクターを備えた液体クロマトグラフ装置を質量分析計の前に接続して使用する装置構成が挙げられる。液体クロマトグラフ装置と質量分析計を接続した装置としては、それぞれの装置を配管で接続することもできるが、あらかじめ接続された装置構成であるLC/MS/MSを本発明の検出装置として使用することもできる。このような装置構成において、本発明のカラムは、液体クロマトグラフの下流であって、質量分析計の上流の接続することになる。
また、本発明のカラムの後方に分析カラムをさらに備える形態も採り得る。
本発明に係るカラムを、インジェクターと質量分析計との間に設置する方法としては、例えば、液体クロマトグラフにおいて、インジェクターと検出器の間で分析カラムを取り付ける方法が挙げられ、具体的には、カラムが装填可能なカラムホルダーに本発明のカラムを装填し、インジェクターと質量分析計を接続する流路に接続する方法が挙げられる。流路に接続するための公知の方法としては、プレカラムフィルターやガードカラムを流路に設置する方法、すなわちカラムホルダーにカードリッジカラムを装着する、いわゆるカートリッジ式ガードカラムの設置方法が例示できる。また、別の例として、一般的な分析カラムを流路へ接続する方法、すなわちエンドフィッティングを具備したカラムをフィッティングやフェラルにより流路へ接続する方法も採り得る。
本発明に係るカラムは、上述のとおり、いわゆる従来のプレカラムフィルターまたはガードカラムと類似した配置を採り得る。
ここで、プレカラムフィルターは、例えば焼結ステンレス製フィルター等により移動相中の固形物(例えば析出した塩類、溶解が不十分であった添加化合物など)を除去することにより、分析カラムを保護することが目的である。
また、ガードカラムは、ガードカラムより流路の後方に接続された分析カラムと同種の充填剤を充填することが一般的であり、測定試料中に溶解した夾雑物(タンパク質、リン脂質など)をトラップし、分析カラムを保護することが目的である。
このように、プレカラムフィルターまたはガードカラムは分析カラムの保護が目的であるから、分析カラムを必須とした構成においてその上流に配置されることになる。したがって、プレカラムフィルターまたはガードカラムの配置は、流路の上流より、インジェクター、プレカラムフィルター及び/またはガードカラム、分析カラム、質量分析計の順に配置される。
一方、本発明に係るカラムは、生体由来の夾雑物質が質量分析計に導入されるのを防いでアミノ酸またはアシルカルニチンの検出感度を維持あるいは高めるためのものである。したがって、本発明のカラムの配置は、インジェクター、本発明のカラム、質量分析計の順に配置される。このように、本発明に係るカラムと従来のプレカラムフィルターまたはガードカラムとはその目的が異なるからシステムの構成と配置が異なる。
なお、本発明のカラムはその目的を逸脱しない範囲で、前記従来のプレカラムフィルターやガードカラムと併用して用いることもできる。例えば、流路の上流より、インジェクター、プレカラムフィルター、本発明のカラム、質量分析計などの順に配置することもできる。
本発明の測定に用いる移動相としては、おおよそ有機溶媒と水の混合比率が有機溶媒:HO=80:20(v/v)が好適である。有機溶媒の種類は、一般的にLC/MS分析に用いられるものであれば特に制限されず、メタノール:HO=80:20(v/v)、アセトニトリル:HO=80:20(v/v)、あるいはメタノール:アセトニトリル:HO=40:40:20が(v/v)が例示できる。前記の移動相に、さらにギ酸、酢酸などの有機酸を含んでいてもよく、有機酸の濃度範囲として0.05%〜5%(v/v)が例示できる。
イオン交換基を有する充填剤を使用しているにも関わらず、移動相に塩化ナトリウムや炭酸ナトリウム等、充填剤に保持された物質を溶出するための塩を、溶出に有効な濃度(例えば10mmol/L以上、2000mmol/L以下)で含んでいないことも、本発明の特徴のひとつである。なお、アミノ酸及びアシルカルニチンの一斉分析の際、本発明のカラムにより、一部あるいは全ての測定対象成分が、異なる溶出時間にカラムから溶出されてもよい。
本発明のアミノ酸またはアシルカルニチン検出方法は、新生児の先天性代謝異常の評価項目である複数種類のアミノ酸またはアシルカルニチンについて十分に必要な検出感度が得られることから、前記質量分析計を用いた先天性代謝異常症のスクリーニングに好適に使用することができる。
本発明のアミノ酸またはアシルカルニチン検出方法は、これらの検出感度が増強されるという効果も奏することから、試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する方法における検出感度増強方法でもある。
本発明のアミノ酸またはアシルカルニチン検出方法を実現するためのキットとして、アミノ酸またはアシルカルニチンの安定同位体と、弱陽イオン交換基を担持したカラムとを含む、キットが挙げられる。キットとしては、他に、取扱い説明書や、検出に使用される溶媒、試料調製用の試薬、器具など必要なものを含むことができる。
〔実施例1〕弱陽イオン交換基を担持したカラムによる質量分析計の汚染低減効果の確認
乾燥ろ紙血から抽出したアミノ酸またはアシルカルニチンを含む試料について、カラムを通過させずに質量分析計に導入した場合と、弱陽イオン交換基を担持したカラムを通過させた後に質量分析計に導入した場合とで、質量分析計への汚れの蓄積レベルを比較した。
1.試験方法
<カラムの作成>
弱陽イオン交換基としてカルボキシ基(CBA)を選択し、カルボキシ基を担持したカラム(CBAカラム)を作成した。CBAカラムは、シリカゲルにエチルカルボキシ基を担持した平均粒径45μmの充填剤(ジーエルサイエンス社)を、内径1.5mm×長さ10mmのカラムとなるよう、公知の方法でパッキングし作成した。
<測定試料の調製>
まず、乾燥ろ紙血よりアミノ酸およびアシルカルニチンを抽出した。乾燥ろ紙血として先天性代謝異常症用検査試薬(シーメンス社)の精度管理用ろ紙血を用いた。パンチャーで精度管理用ろ紙血を平底の96ウェルマイクロプレートに打ち抜き、抽出溶媒としてメタノール100μLを添加した。メタノールを添加したマイクロプレートをシールし、室温(20℃〜30℃)で45分間、650rpm〜750rpmの範囲で振とうした。振とうには、マイクロプレート用ミニシェーカーPSU−2T(バイオサン社)を用いた。
得られた抽出液をV底の96ウェルマイクロプレートに移し、測定試料とした。複数枚の96ウェルマイクロプレートを使用し、測定に充分な量の抽出液を得た。
<質量分析計への測定試料導入条件>
(1)カラムなしの場合
前記測定試料を後述する測定条件で質量分析計へ導入し、導入後(50μL、500回導入後)の質量分析計のカーテンプレートに付着する汚れを目視にて確認した。
[システム]液体クロマトグラフ:LC−20Aシリーズ(島津製作所)
質量分析計:API4000TM(AB SCIEX社)
[LC条件]
移動相:移動相A 0.1%(v/v)ギ酸水溶液:0.1%(v/v)ギ酸含有メタノール=8:2
分析時間:1.5分
溶出法:以下のフローグラジエント条件により移動相の流速(Total flow)を直線的に増加させた。
0.0分(0.1mL/min)→0.1分(0.05mL/min)
→0.65分(0.1mL/min)→0.66分(1.0mL/min)
→1.0分(1.0mL/min)→1.5分(1.0mL/min)
試料注入量:50μL
試料注入回数:各500回
[MS条件]
Ionization mode:ESI
Ion source:Turbo IonSpray
Scan type:MRM
Polarity:Positive
アミノ酸のQ1/Q3は表4に、アシルカルニチンのQ1/Q3は表5に記載した。
Figure 0006031636
Figure 0006031636
(2)カラム有りの場合
前記測定試料を後述する条件で質量分析計へ導入し、質量分析計のカーテンプレートに付着する汚れを目視にて確認した。前記CBAカラムをカラムホルダーに装填し、インジェクターと質量分析計の間の流路に接続し、次いで、後述する測定条件で測定し、アミノ酸およびアシルカルニチンを検出した。システムはカラムなしの場合と同じものを使用し、LC条件、MS条件については、溶出法以外の条件はカラムなしの場合と同様の条件とした。
[LC条件]
溶出法:以下のフローグラジエント条件により移動相の流速(Total flow)を直線的に増加させた。
0.0分(0.15mL/min)→0.1分(0.1mL/min)
→0.65分(0.15mL/min)→0.66分(1.0mL/min)
→1.0分(1.0mL/min)→1.5分(1.0mL/min)
2.試験結果
カラムの有無による質量分析計のカーテンプレートへの汚れの付着状況を比較した。表6に、カーテンプレートへ付着した汚れを目視した結果を示す。なお、カーテンプレートへの汚れの蓄積状況を確認するため、質量分析計の感度上限を振り切るほど過剰に測定試料を質量分析計へ導入しているため、検出感度は評価しなかった。
Figure 0006031636
〔実施例2〕カラムなし(従来法)とCBAカラム使用時とのアミノ酸またはアシルカルニチンの検出感度の比較
1.試験方法
乾燥ろ紙血から抽出したアミノ酸またはアシルカルニチンを含む試料について、カラムを通過させずに質量分析計に導入した場合と、CBAカラムを通過させた後に質量分析計に導入した場合とで、検出感度を比較した。測定条件は、試料注入量を5μL,試料注入回数を1回としたほかは、実施例1に準じた。
それぞれのアミノ酸またはカルニチンにおいて、後述する式2に示すように、カラムなしの場合のピーク面積(Peak Area)またはCBAカラムを使用した場合のピーク面積を、カラムなしの場合のピーク面積で除算し、ピーク面積比(Peak Area Ratio)を得た。
式2:
ピーク面積比=(カラムなしの場合のピーク面積 または カラムを使用した場合のピーク面積)/(カラムなしのピーク面積)
2.試験結果
図1は、アミノ酸検出における前記ピーク面積比を比較したグラフである。図2は、アシルカルニチン検出における前記ピーク面積比を比較したグラフである。算出したピーク面積比を表7に示す。なお、IsoleucineはLeucineの構造異性体であり、本実施例のMS条件においてはQ1/Q3が同じ値である。LeucineとIsoleucineとを区別なく検出することから、Leucine及びIsoleucineの検出結果について、本明細書においては「Leucine/Isoleucine」と表示する。
Figure 0006031636
〔実施例3〕質量分析計を変更しての、カラムなし(従来法)とCBAカラム使用時とのアミノ酸またはアシルカルニチンの検出感度の比較
実施例2で用いた質量分析計API4000(AB SCIEX社)と異なるメーカーの質量分析計でも、実施例2と同様の効果が得られるか、機器間差を検討した。
1.試験方法
CBAカラムは、実施例1と同様のカラムを使用した。
試験条件は、質量分析計とMS条件を除き、実施例2と同様の条件を用いた。質量分析計は、LCMS−8040(島津製作所)を用いた。MS条件について、実施例1及び2で検出したアミノ酸に、さらにSerineを追加した。
2.試験結果
SerineのQ1/Q3を表8に示す。算出したピーク面積比を表9に示す。
Figure 0006031636
Figure 0006031636
〔実施例4〕CBAカラム、ジルコスフィア、PRSカラム、およびSCXカラム使用時のアミノ酸およびアシルカルニチンの検出感度の比較
実施例2と同様の方法により、充填剤の種類を変更して、弱陽イオン交換基以外の交換基を担持したカラムと本発明のカラムとの効果の違いを検討した。試験条件は、実施例1のCBAカラムを使用した測定と同様の条件を用いた。検出するアミノ酸について、実施例3と同様にSerineについても検出した。
1.試験方法
<カラムの作成>
CBAカラムは、実施例1と同様のカラムを使用した。
ジルコスフィアカラムは、平均粒径10μmの酸化ジルコニウム担体を充填剤(ジーエルサイエンス社)とし、内径1.5mm×長さ10mmのカラムとなるよう、公知の方法でパッキングし、作成した。
PRSカラムは、シリカゲルにスルホニルプロピル基を担持した平均粒径45μmの充填剤(ジーエルサイエンス社)を、内径1.5mm×長さ10mmのカラムとなるよう、公知の方法でパッキングし、作成した。
SCXカラムは、シリカゲルにプロピルベンゼンスルホニル基を担持した平均粒径5μmの充填剤(ジーエルサイエンス社)を、内径1.5mm×長さ10mmのカラムとなるよう、公知の方法でパッキングし、作成した。
それぞれのアミノ酸またはカルニチンにおいて、後述する式3に示すように、CBAカラムを使用したピーク面積、ジルコスフィアカラムを使用したピーク面積、PRSカラムを使用したピーク面積、またはSCXカラムを使用したピーク面積を、CBAカラムを使用したピーク面積で除算し、ピーク面積比を得た。
式3:
ピーク面積比=(各種カラムを使用して得られたピーク面積)/(CBAカラムを使用して得られたピーク面積)
2.試験結果
図5は、アミノ酸検出における前記ピーク面積比を比較したグラフである。図6は、アシルカルニチン検出における前記ピーク面積比を比較したグラフである。算出したピーク面積比を表10に示す。
Figure 0006031636
[各試験結果の考察]
実施例1、2、3、及び4を通じての試験結果と考察を以下に示す。
1.実施例1の、カラムの有無による質量分析計の汚れの比較結果(表6)の考察
カラムなしで測定試料を質量分析計に導入した場合に、質量分析計のカーテンプレートに褐色の汚れが明瞭に付着した。
一方で、測定試料をCBAカラムを通過させた後、質量分析計に導入した場合には、質量分析計のカーテンプレートには汚れがわずかに付着したのみであった。本結果より、測定試料をCBAカラムに通過させることにより、質量分析計へ導入される汚れは有意に低下することが確認された。血液由来試料に含まれる夾雑物が前記カラムにより除去されているものと推測される。
2.(1)実施例2のアミノ酸検出(表7及び図1)結果の考察
CBAカラムを使用してのアミノ酸の検出について、Glycinがピーク面積比0.96、Alanineが1.17と、カラムなしと同程度の検出感度を示した。それ以外のアミノ酸の検出感度は、ピーク面積比が1.24〜2.42と、カラムなしに比較し、約1.2倍〜2.4倍高い検出感度を示した。
(2)実施例2のアシルカルニチン検出(表7及び図2)結果の考察
CBAカラムを使用したアシルカルニチンの検出において、Carnitine、Acetylcarnitine、Propionylcarnitine、Butyrylcarnitine、及びIsovalerylcarnitineについては、ピーク面積比が1.38〜2.01と、カラムなしに比較し約1.4倍〜2.0倍高い検出感度を示した。
次いで、3-Hydroxyisovaleryl-carnitine、Glutarylcarnitine、Octanoylcarnitine、Dodecanoylcarnitine、及びMyristoylcarnitineは、 ピーク面積比が0.86〜1.07と、カラムなしと同程度の検出感度を示した。
一方、Palmitoylcarnitine、及びOctadecanoylcarnitineは、ピーク面積比がそれぞれ0.77、0.76と、カラムなしと比較してやや検出感度の低下を示したが、代謝異常の評価に充分な検出感度であった。
(3)以上より、弱陽イオン交換基を担持したカラムを用いることで、質量分析計への汚れの導入を低減するとともに、タンデムマス・スクリーニングによる先天性代謝異常症の検査項目であるアミノ酸およびアシルカルニチンのうち、少なくとも表4及び表5に記載されているアミノ酸およびアシルカルニチンを、代謝異常の評価に必要な検出感度が得られる濃度で前記カラムから溶出されることを確認した。
3.(1)実施例3のアミノ酸検出(表9及び図3)結果の考察
CBAカラムを使用してのアミノ酸の検出について、Alanine、Citrulline、Leucine/Isoleucine、Methionine、Phenylalanine、Tyrosine、Valine、及びAspartic acidについて、ピーク面積比が1.22〜2.69と、カラムなしに比較し約1.2倍〜2.7倍高い検出感度を示した。
次いで、Arginine、Glycin、Glutamic acid、及びSerineの検出感度は、 ピーク面積比が0.94〜1.09と、カラムなしと同程度の検出感度を示した。
一方、Ornithineは、ピーク面積比が0.74と、カラムなしと比較してやや検出感度の低下を示したが、代謝異常の評価に充分な検出感度であった。API4000とLCMS−8040とで、多少のピーク面積比の違いはあるものの、いずれの装置を用いた場合でも、CBAカラムを用いて充分な検出感度を得られることが示された。
(2)実施例3のアシルカルニチン検出(表9及び図4)結果の考察
CBAカラムを使用してのアシルカルニチンの検出について、すべてのアシルカルニチンについて、ピーク面積比が2.11〜10.25と、カラムなしに比較し約2.1倍〜10.3倍高い検出感度を示した。API4000とLCMS−8040とで、多少のピーク面積比の違いはあるものの、いずれの装置を用いた場合でも、CBAカラムを用いて充分な検出感度を得られることが示された。特に、LCMS−8040で検出感度の向上が顕著であった。
4.(1)実施例4のアミノ酸検出(表10及び図5)結果の考察
まず、ジルコスフィアカラムに測定試料を通過させて得られた検出結果について、Alanine、Citrulline、Glycine、及びGlutamic acidを検出することができず、Arginine及びAspartic acidは検出されたものの、ピーク面積比がそれぞれ0.10、0.18と、CBAカラムと比較し大幅に感度が低下した。その他のアミノ酸について、ピーク面積比は0.72〜1.77であった。
次いで、PRSカラムに測定試料を通過させて得られた検出結果について、Arginine、及びCitrullineが検出されず、Ornithine、及びTyrosineは、CBAカラムと比較し低い検出感度しか得られず、ピーク面積比はそれぞれ0.08、0.35であった。その他のアミノ酸について、ピーク面積比は0.61〜8.43であった。
SCXカラムに測定試料を通過させて得られた検出結果について、Alanine、Methionine、Aspartic acid、及びGlutamic acidについて、 ピーク面積比が0.01〜0.03と、CBAカラムと比較し非常に低い感度で検出された。その他のアミノ酸については、検出されなかった。
(2)実施例4のアシルカルニチン検出(表10及び図6)結果の考察
まず、ジルコスフィアカラムに測定試料を通過させて得られた検出結果について、Carnitineを検出することができず、Glutarylcarnitineは検出されたものの、ピーク面積比が0.46と、CBAカラムと比較し感度が低下した。その他のアシルカルニチンについて、ピーク面積比は0.74〜1.70であった。
次いで、PRSカラムに測定試料を通過させて得られた検出結果について、すべてのアシルカルニチン検出項目について、検出されなかった。
SCXカラムに測定試料を通過させて得られた検出結果について、Glutarylcarnitineが ピーク面積比で0.12と、CBAカラムと比較し低い感度で検出されたのみで、他のアミノ酸検出項目については検出されなかった。
5.まとめ
試料を質量分析計に導入する前に、本発明の弱イオン交換基を担持したカラムを通過させて前処理を行うことにより、質量分析計のカーテンプレートの汚れを防止することが可能であることから、分析計内への汚れの導入を抑えることができ、繰り返し使用しても高い感度が維持される。
またさらに、本発明の弱陽イオン交換基を担持したカラムは本実施例のアミノ酸およびアシルカルニチンを網羅的に検出できており、アミノ酸およびアシルカルニチンの一斉分析に適用できることが確認された(実施例2,3)。
一方、弱イオン交換基以外の交換基を担持したジルコスフィアカラム、PRSカラム、SCXカラムにおいては、検出可能な濃度にカラムから溶出されないアミノ酸またはカルニチンが1種類以上あることから、アミノ酸及びアシルカルニチンの一斉分析への適用が困難であることが確認された(実施例4)。
本発明にかかるアミノ酸またはアシルカルニチンの検出方法は、質量分析計を用いたアミノ酸またはアシルカルニチン測定において、高感度かつハイスループットな分析などに好適に用いることができる。

Claims (20)

  1. 試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する検出方法であって、カルボキシ基を担持したカラムを通過させて処理した試料を、質量分析計に導入する工程を含む、前記検出方法。
  2. 試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する検出方法であって、試料をカルボキシ基を担持したカラムを通過させて処理する工程と、前記工程により処理された試料を質量分析計に導入する工程を含む、前記検出方法。
  3. 試料が、血液から溶媒により抽出されたものである請求項1または2に記載の検出方法。
  4. 血液が、乾燥ろ紙血である、請求項3に記載の検出方法。
  5. 質量分析計がタンデム質量分析計である、請求項1〜4のいずれかに記載の検出方法。
  6. カラムの長さが5mm〜50mmである請求項1〜のいずれかに記載の検出方法。
  7. 試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する方法における試料の前処理方法であって、以下の工程を含む前記前処理方法。
    (1)試料を、カルボキシ基を担持したカラムに通過させて処理する工程
  8. 試料が、血液から溶媒により抽出されたものである請求項に記載の前処理方法。
  9. 血液が、乾燥ろ紙血である、請求項に記載の前処理方法。
  10. (1)の工程の前に、乾燥ろ紙血からアミノ酸またはアシルカルニチンを溶媒により抽出することにより試料を得る工程、を含む請求項に記載の前処理方法。
  11. 質量分析計がタンデム質量分析計である、請求項10のいずれかに記載の前処理方法。
  12. カラムの長さが5mm〜50mmである請求項11のいずれかに前処理記載の方法。
  13. 試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンの検出装置であって、
    試料をインジェクションするインジェクターと、
    カルボキシ基を担持したカラムと、
    質量分析計と、を含み、
    カルボキシ基を担持したカラムはインジェクターと質量分析計との間に配置され、
    かつ、当該カラムを通過した試料が質量分析計へと導入されるように構成される、
    前記検出装置。
  14. 質量分析計がタンデム質量分析計である、請求項13に記載の検出装置。
  15. カラムの長さが5mm〜50mmである請求項13または14に記載の検出装置。
  16. アミノ酸またはアシルカルニチンの質量分析計による検出キットであって、アミノ酸またはアシルカルニチンの安定同位体と、
    カルボキシ基を担持したカラムとを含む、前記検出キット。
  17. 質量分析計がタンデム質量分析計である、請求項16に記載の検出キット。
  18. カラムの長さが5mm〜50mmである請求項16または17に記載の検出キット。
  19. 試料中のアミノ酸またはアシルカルニチンを質量分析計により検出する場合の検出感度増加方法であって、
    試料が質量分析計に導入される前に、カルボキシ基を担持したカラムで処理される工程を含む、前記検出感度増加方法。
  20. アミノ酸またはアシルカルニチンの安定同位体、
    及びカルボキシ基を担持したカラムの、
    アミノ酸またはアシルカルニチンの質量分析計による検出のための使用。

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