JP6030490B2 - 核酸分析装置及びその温度制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、核酸分析装置の温度を制御する技術に関する。
背景技術に関する文献には、例えば特表2010−502228号公報(特許文献1)がある。この公報の要約部分には、「本発明は、いくつかの反応槽を備えたマイクロタイタープレートを受容するための反応槽受容素子での化学的または生物学的反応を実行するためのデバイスに関し、反応槽受容素子は、それぞれの反応槽を受容するための規則的パターンに配設された幾つかの陥凹部、反応槽受容素子を加熱するための加熱デバイス、および反応槽を冷却するための冷却デバイスを有する。本発明は、反応槽受容素子がいくつかのセグメントに分割されるという事実によって特徴付けられる。個々のセグメントは、互いから熱的に分断され、各セグメントには、他とは独立して作動されてもよい加熱デバイスが割り当てられている。反応槽受容素子のセグメント化を用いて、ゾーンを異なる温度に設定し保持することが可能である。反応槽受容素子は標準的なマイクロタイタープレートを受容するのに適しているため、本発明によるデバイスは、既存の工程順序に統合されてもよい。」と記載されている。
また、背景技術に関する他の文献には、例えば特開2007−280142号公報(特許文献2)がある。この公報の要約部分には、「[課題]制御点数が増えた場合にも、高精度な傾斜温度制御を可能とする。[解決手段]傾斜温度制御を行なう温度制御ブロック24H,24L−1,24L−2を階層化し、下層の温度制御ブロック24L−1,24L−2の入力温度モード変換ブロックからの平均温度GPV1を、上層の温度制御ブロック24Hの入力温度モード変換ブロック20Hの入力温度とする一方、上層の温度制御ブロック24Hの前置補償ブロック23Hからの制御出力を、下層の温度制御ブロック24L−1,24L−2の目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2の目標温度とし、これによって、下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2毎に、個別に傾斜温度制御するのではなく、両温度制御ブロック24L−1,24L−2全体として傾斜温度制御するようにしている。」と記載されている。
特表2010−502228号公報 特開2007−280142号公報
前記特許文献1には、生物学的または化学的試料を処理するための温度制御装置において加熱冷却処理に特化した装置が記載されており、例えば断熱された空間内で温度制御する方法が記載されている。しかし、特許文献1に記載の技術では、加熱冷却体の周囲を十分に断熱できない環境下では、加熱冷却体の温度均一性を十分に担保できないという課題がある。また、特許文献1に記載の技術では、加熱冷却体の放熱量を制御するための加熱素子が必要となり、装置の小型化に適さないという課題がある。特に特許文献1に記載の技術は、制御対象を高速に温度変化させた場合や加熱冷却素子の個体差などにより生じる温度不均一性に対応できない場合がある。
特許文献2には、複数の熱源間の偏差をなくすことを目的とする技術が開示されている。しかし、特許文献2に記載の技術は、「PCR(Polymerase chain reaction)の温度制御」には適用することが難しい。PCRでの制御対象である試料のサイズは、特許文献2が想定する制御対象に比して小さいため、制御対象の温度が容易に変化するためである。すなわち、PCRの温度制御では、特許文献2に記載された技術に比べ、より精度の高い温度制御が必要となる。また、PCRでは、周期的に温度を変化させる必要がある。しかも、反応温度付近での意図しない化学反応によりPCR時間が想定外となることを防ぐ必要もある。このため、PCRには、短時間で温度遷移が可能な制御が求められる。
また、特許文献2では、代表温度として複数のデバイスの平均値を用いている。このため、ある加熱冷却素子の出力量が最大出力(100%)近くであり、かつ、その加熱冷却素子の温度が前記平均値未満であった場合に、補正後にその加熱冷却素子に対して要求される出力量が最大出力(100%)を超えてしまうことがあり、補正が機能しないという課題がある。さらに、特許文献2は、狭い領域内に複数の熱源を配置する場合、相互の熱源間の影響がより顕在化する可能性がある。
そこで、本発明は、狭い領域内に配置された複数の反応槽で均一かつ高速なPCRを実現可能な技術を提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「複数の加熱冷却素子と、前記複数の加熱冷却素子のそれぞれと対をなす複数の温度測定素子と、前記複数の加熱冷却素子の出力量を制御する制御部とを有し、前記制御部が、前記複数の加熱冷却素子の1つを基準素子に決定する処理と、前記複数の加熱冷却素子のそれぞれと対をなす温度測定素子が検知する温度値を入力として、目標温度値との差分に応じて前記複数の加熱冷却素子の出力量を制御する処理と、前記基準素子と対をなす温度測定素子が検知する温度値の時間変化量に応じて前記基準素子以外の一つ又は複数の加熱冷却素子の出力量を加減する処理とを実行する」核酸分析装置を含む。
本発明によれば、狭い領域内に配置された複数の反応槽において均一かつ高速なPCRを実現することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明に係るシステムの構成例を示すブロック図の一例である。 図2は、本発明に係る温調部の構造の一例を示す図である。 図3は、本発明に係る温調部の構造の一例を示す図2の断面図(A-A’断面)である。 図4は、本発明に係る温調部の構造の一例を示す図2の断面図(B-B’断面)である。 図5は、本発明に係る前処理を説明するフローチャートの例である。 図6は、本発明に係る初期処理を説明するフローチャートの例である。 図7は、本発明に係る温度制御処理の概略を示すフローチャートの例である。 図8は、非基準加熱冷却素子の補正値算出処理を説明するフローチャートの例である。 図9は、本発明に係る温度制御処理の概略を示すフローチャートの一例である。 図10は、本発明に係る温度制御処理の概略を示すフローチャートの一例である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の態様は、後述する形態例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
[実施例1]
<システム>
図1は、本実施例に係る核酸分析システムの概略構成を示すブロック図である。以下では、図1に示すシステムによりPCRの温度制御を実現する場合について説明する。
図1に示す核酸分析システムは、温度測定素子1、計測部2、出力制御部3、加熱冷却素子4、放熱ファン5、制御部6により構成される。温度測定素子1は、試料又はその周辺温度の測定に使用される。計測部2は、3個の温度測定素子1で測定した温度のアナログデータをA/D(analog to digital)変換し、デジタルデータとして出力する。出力制御部3は、制御部6から与えられるデジタルデータをD/A(digital to analog)変換し、アナログデータとして3個の加熱冷却素子4に出力する。加熱冷却素子4は、出力制御部3から与えられる電気信号(アナログデータ)に応じて発熱又は吸熱する。放熱ファン5は、放熱部から熱を効率よく放熱するために用いられる。制御部6は、計測部2から与えられた情報に基づいて出力制御部3に与える出力量を算出する演算処理を実行する。制御部6は、放熱ファン5の出力制御も行う。制御部6は、内部に揮発性メモリと不揮発性メモリを有し、それらを用いて情報の書き込み及び取り出しを実行する。
本実施例の場合、温度測定素子1と加熱冷却素子4のそれぞれを3個ずつ配置し、1個の温度測定素子1と1個の加熱冷却素子4を1対として扱う。当該対に対応して、計測部2は3個分の温度測定素子1の情報を保持し、出力制御部3は3個分の加熱冷却素子4の情報を保持する。
本実施例の場合、制御部6は、シーケンス制御部10、変数設定部11、出力量計算部12で構成される。シーケンス制御部10は、例えばPCRの各処理段階(熱変性、プライマー付加、伸長)において維持する設定温度の情報、反応促進のために前記設定温度を一定時間維持するための温度維持時間情報を保持し、計測部2からの入力に基づいて、各処理段階の完了を判定し、段階に応じた設定温度の再設定を行う。また、シーケンス制御部10は、例えば処理段階により放熱ファン5の出力の必要・不要を判断し制御する。
変数設定部11は、出力制御部3への出力量を算出する際に用いるパラメータを設定する。パラメータには、PID演算のパラメータ、設定温度などが含まれる。
出力量計算部12は、計測部2からの入力に基づいて、変数設定部11で設定した変数を用いて出力制御部3への出力量を周期的に算出する。すなわち、出力量計算部12は、3個の温度測定素子1の入力に基づいて、3個の加熱冷却素子4それぞれに独立した出力を設定することができる。
<温調部の構成>
図2に、本実施例で使用する温調部の構成を示す。温調部100は、例えばアルミニウムや銀などの熱伝導性の良い金属から構成される、単一素材を成形した部材である。温調部100の1つの面には、PCRを行う反応槽101として使用される1つ又は複数の凹みが配置される。本実施例の場合、1つの温調部100に対して8個の反応槽101が配置される。
図3に、図2に示す温調部100のA-A’断面を示す。温調部100の上面側には、反応槽101の蓋として使用される断熱部201が配置される。本実施例では、温調部100の下面側に加熱冷却素子4が配置される。加熱冷却素子4の下面側には、加熱冷却素子4に蓄積した熱の放熱を促進させる放熱部202が配置される。放熱部202の下面には、放熱ファン5が配置される。
図3に示すように、温度測定素子1は、反応槽101の直下(温調部100の内部)に配置する。仮に、温度測定素子1を反応槽101の内部に配置する場合に、例えば試料と温度測定素子1との間で意図しない化学反応などが生じると、PCRに影響する可能性があるためである。温度測定素子1には、例えば測温抵抗体を使用する。測温抵抗体とは、金属や半導体などの電気抵抗値が、温度により変化する性質を利用した素子である。なお、加熱冷却素子4には、例えばペルチェ素子を使用する。ペルチェ素子とは、2種類の金属の接合部に電流を流すことにより一方の金属から他方の金属へ熱が移動する現象(ペルチェ効果)を利用した半導体素子であり、入力する電流値やパルス幅により制御することができる。また、電流の向きを変えることにより、加熱と冷却の関係を逆転することができる。
図4に、図2に示す温調部100のB-B’断面を示す。図4に示すように、反応槽101は、温調部100の上面に一列に整列して配置される。温度測定素子1は、反応槽101の下方位置に3個が一列に並ぶように配置される。温度測定素子1の下部には、各温度測定素子1に対して1つの加熱冷却素子4が対応するように、3個の加熱冷却素子4が一列に配置される。
本実施例の構造は、狭い領域内で同時に複数の試料に対してPCRを行うことを想定する。8個の反応槽101が一列に整列しているのは、各反応槽101の両脇(図2のA-A’方向)に微細な流路を設け、それらの流路を通じて8個の反応槽101に対する試料の流入及び流出を可能とするためである。PCRに必要な試薬の混合などの事前準備が整い、PCRの実行が可能な試料が得られると、当該試料を前述の微細な流路から反応槽101に流入し、PCRを実行する。PCRが完了すると、前述の微細な流路を通じ、反応槽101から次の工程を行う領域に試料を流出する。以上の処理を応用することにより、核酸分析装置における前処理工程の試薬調整からPCRまでを自動化することができる。本実施例のように、微細な流路を用いることにより、試薬の使用量を必要最低限にとどめることができる。この結果、PCRに使用する試薬量を減らすことができ、核酸分析装置の稼働に要する費用の低廉化を実現することができる。
<均一なPCRを実現するための工夫>
上記構造の場合にも、3個の加熱冷却素子4のそれぞれに対し、最も近くに配置されている温度測定素子1で測定した温度を単純にフィードバックして加熱冷却素子4の出力量を決定したのでは、8個の反応槽101間に温度差が生じるのを避け得ない。このように温度差があると、8個の反応槽101の間で、PCR効率に差が生じることが考えられる。この課題を解決するためには、加熱冷却素子4の温度差を低減する必要がある。そこで、本実施例では、以下に示す前処理を実行する。
<前処理>
図5に、8個の反応槽101間の温度差を低減する温度制御を実施するための前処理の例をフローチャートで示す。本処理は、核酸分析装置の起動直後からPCR温度制御の実行前までの間に制御部6が実行する。
本実施例では、3個の加熱冷却素子4の中の1つを基準加熱冷却素子として使用する。図5においては、基準加熱冷却素子を基準ペルチェ素子と記載する。
以下の説明では、基準加熱冷却素子は、3個の加熱冷却素子4の中で、温度測定素子1により測定され温度の変化速度が最も遅い素子として定義する。温度変化速度が遅い要因には、各加熱冷却素子4の出力性能の個体間差や配置場所周囲の伝熱条件などの複数の要因がある。
基準加熱冷却素子の具体的な決定方法については2通りある。1つの方法は、核酸分析装置を前回使用した際に取得した基準加熱冷却素子の情報が、事前に制御部6の不揮発性メモリ上に保持されている場合において、同素子が、初期調整処理を必要とする条件(「前回使用時の不良素子系の有無」、「前回使用時からの経過期間」、「初期調整処理を実行せずに連続してPCRを実行した回数」、「前回使用した反応槽の数と位置」、必要に応じて実行される「ユーザーの選択処理」)に該当しないと確認されたとき、前回の基準加熱冷却素子をそのまま次回の基準加熱冷却素子に決定する方法である。ここで、素子系とは、温度測定素子1と加熱冷却素子4が1対であることを指し、不良素子系は、温度測定素子1又は加熱冷却素子4のいずれか又は両方が核酸分析装置において性能が不十分であることと定義する。もう1つの方法は、初期調整処理を実行して基準加熱冷却素子を決定する方法である。初期調整処理の詳細については、図6を用いて後述する。制御部6は、これら2つの方法のうちいずれか1つを必ず実行し、基準加熱冷却素子を決定する。
本実施例の制御部6は、基準加熱冷却素子の決定に使用する情報を2種類に分けて保持する。1つの情報は、装置構成に固有な情報である。この情報には、例えば加熱冷却素子4に要求される加熱/冷却力の下限値、初期調整処理を実行せずに連続してPCRを実行した回数(累積測定回数)の上限値、さらに前回装置を使用してからの経過期間の上限値がある。これらの情報は、素子系の不良判定や初期調整処理実行の必要性の判定で用いられる。また、これらの情報は、その性質から初期調整処理を実行する前に予め設定しておく必要がある。もう1つの情報は、各装置に固有な情報であり、「初期調整情報」として制御部6内の不揮発性メモリ上に保持される。この情報には、例えば各加熱冷却素子4の各温度帯における温度変化速度(温度変化速度表)、前回初期調整処理を実行した日時(前回使用日時)、初期調整処理を実行せずに連続でPCRを実行した回数(累積測定回数)、前回使用した反応槽の数と位置(前回の使用条件)、温調部100の温度を常に均一にするために、3個の加熱冷却素子4の出力量を補正する際に使用する係数(出力値補正係数)、前回の初期調整処理の際に不良と判定された素子系の情報(前回使用時の性能不良素子系情報)がある。
温度変化速度の情報は、初期調整処理にて作成され、後述する加熱冷却素子の制御量算出処理(図7)で参照される。この情報は、装置起動直後からPCRの実行開始前までの間に制御部6内の揮発性メモリ上に読み込んでおき、その後の加熱冷却素子4の出力量算出の際に一定周期で参照する。
また、温度変化速度表には2種類の情報が保持される。1つの情報は、加熱冷却素子4を単体で動作した際の温度変化速度情報であり、もう1つは3個の加熱冷却素子4全てを同時に動作した際の温度変化速度情報である。
初期調整情報に含まれるその他の情報は、制御部6が基準加熱冷却素子を決定する際に、各項目を必要に応じて参照する。以下、各ステップで実行される内容を説明する。以下の説明では、ステップを「S」と略記する。
・S301
301では、制御部6は、その内部の不揮発性メモリ上に初期調整情報が存在するか否かを確認する。制御部6は、初期調整情報が存在する場合にはS302を実行し、初期調整情報が存在しない場合にはS309を実行する。
・S302
S302では、制御部6は、初期調整情報を制御部6の揮発性メモリに読み込み、S303へ進む。
・S303
S303では、制御部6は、初期調整情報内の「前回使用時の性能不良素子系の有無」を取り出し、前回使用時に性能不良素子系がなかった場合にはS304へ進み、性能不良素子系があった場合にはS309へ進む。
・S304
S304では、制御部6は、初期調整情報内の「前回使用日時」を取り出し、現在日時と比較して、前回使用時からの経過時間を算出する。算出した経過時間が初期調整情報内の「規定の経過時間(前回使用時からの経過期間)」を越えていない場合はS305へ進み、「規定経過時間」以上の場合はS309へ進む
・S305
S305では、制御部6は、初期調整情報内の「累積測定回数」を取り出し、累積測定回数が規定数以下の場合はS306へ進み、規定数を越えている場合にはS309へ進む。
・S306
S306では、制御部6は、初期調整情報内の「前回の使用条件」を取り出し、前回使用した反応槽の数と位置が今回と同じ場合にはS307へ進み、使用条件が異なる場合にはS309へ進む。この処理は、例えば8個の反応槽101のうち全てではなく一部のみを使用する際に、使用する加熱冷却素子4を選択することにより、加熱冷却素子4の使用頻度を最低限に抑えることができる。これにより、加熱冷却素子4の寿命を延ばす効果に加え、装置内における余分な発熱を低減する効果も得られる。
・S307
S307では、制御部6は、初期調整処理の実施が必要か否かをユーザーに問い合わせる。初期調整処理が不要の場合にはS308へ進み、初期調整処理が必要な場合にはS309へ進む。
・S308
S308では、制御部6は、初期調整処理を実行しないので、初期調整情報内の「累積測定回数」を1増加し、S310へ進む。
・S309
S309では、制御部6は、初期調整情報内の「累積測定回数」を0にリセットし、S311へ進む。
・S310
S310では、制御部6は、現在の累積測定回数を初期調整情報に書き込み、S312へ進む。
・S311
S311では、制御部6は、初期調整処理を行い、S312へ進む。初期調整処理の詳細は図6に記載する。
・S312
S312では、制御部6は、今回のPCR実行時に使用する基準加熱冷却素子を3個の加熱冷却素子4の中から1個選択する。
前述の処理の実行により、現在の環境下において、最も温度変化速度が遅い加熱冷却素子4を規定することができる。この基準加熱冷却素子の挙動を監視しつつ他の2個の加熱冷却素子4の出力量を調整することにより、3個の加熱冷却素子4間の温度差を低減することができ、ひいては各反応槽101におけるPCRの均一化を達成することができる。
図6には、図5に示した基準加熱冷却素子を決定する処理中に実行される初期調整処理S311の具体例を示す。本処理も、制御部6が実行する。
・S401
S401では、制御部6は、加熱冷却素子4から1つの素子を選択して最大出力での加熱と冷却を各1回ずつ実行し、各温度範囲内での温度変化速度を測定し、記録する。この処理を順番に3個の加熱冷却素子4でそれぞれ実行し、S402へ進む。測定した温度変化速度は、温度変化速度表として、初期調整情報内に保存する。本実施例では、温度変化速度表(単一)とは、ある一定温度範囲内における加熱冷却素子4の温度変化速度を記録した表と定義する。
・S402
S402では、制御部6は、S401で作成した温度変化速度表の結果を参照し、不良素子系の有無を確認する。制御部6は、不良素子系「無し」と判断した場合はS403へ、不良素子系「有り」と判断した場合S404へ進む。制御部6は、例えば3個の加熱冷却素子4の全てにおいて、いずれの温度範囲でも温度変化速度が制御部6内の不揮発性メモリ上に保持されている「温度変化速度最低値」以上の場合はS403へ進み、加熱冷却素子4のうち1個でも「温度変化速度最低値」未満のものがある場合はS404へ進む。
・S403
S403では、制御部6は、3個の加熱冷却素子4の全てを同時に最大出力の50%で加熱する制御と冷却する制御を各1回ずつ行い、各温度範囲内での温度変化速度を測定し、上記温度変化速度表に追記してS405へ進む。測定した温度変化速度は、温度変化速度表として、初期調整情報に保存する。
・S404
S404では、制御部6は、温度変化速度が初期調整情報内の「温度変化速度最低値」未満の値となった素子系を性能不良と判定し、ユーザーに対して該当素子系の交換を推奨する通知を行う。また、その後の処理に移行しないように、初期調整情報に該当素子系の情報を「前回使用時の性能不良素子系情報」として記載した上で、処理を終了する。
・S405
S405では、制御部6は、S401とS403で作成した温度変化速度表に基づいて、最も温度変化速度が遅い加熱冷却素子4を選択し、基準加熱冷却素子に設定する。
・S406
S406では、制御部6は、初期調整情報に次の項目を出力する。記載項目は、「前回使用日時」、「累積測定回数」、「前回の使用条件」、「温度変化速度表」、「出力値補正係数」、「前回使用時の性能不良素子系情報」である。
本処理により、現在の装置条件下において、システムの特性として温度変化速度が最も遅い加熱冷却素子4を検出し、基準加熱冷却素子として選定することが可能となる。
この基準加熱冷却素子の挙動に他の2個の加熱冷却素子4の挙動を合わせることにより、全ての加熱冷却素子4に対して、ハードウェアの性能を越えた出力要求をすることなく、3個の加熱冷却素子4の挙動を揃えることが可能となる。
また同時に、本装置においてPCRを実行するにあたり、性能が不足している加熱冷却素子4をPCR実行前に検出することが可能となる。これにより、PCRに失敗してしまうことにより試料を無駄にすることや、期待と異なる温度や時間などの条件下でPCRを実行するなど不測の事態を防ぐことに貢献する。
<温度制御処理>
図7に、図5の処理で決定した基準加熱冷却素子を用いて、3個の加熱冷却素子4の挙動を揃える制御処理の一例を示す。本処理も、制御部6が実行する。
・S501
S501では、制御部6は、3個の温度測定素子1を用い、それぞれと対をなす3個の加熱冷却素子4の温度をそれぞれモニタリングし、S502へ進む。温度モニタリング、加熱冷却素子4の出力量算出及び加熱冷却素子4への出力(S501〜S513)の処理は一定時間周期で実行する。
・S502
S502では、制御部6は、S501で測定した3箇所の温度と変数設定部11で設定された設定温度から、出力量計算部12がPID演算により出力量Iを3つ算出し、S503へ進む。ここで求めた出力量Iは、温度測定素子1の各配置箇所における、現在の温度と設定温度のみを考慮した値である。ただし、このままの出力を加熱冷却素子4に出力すると、各加熱冷却素子4周囲の伝熱条件の違いから、反応槽101には温度差が生じることが考えられる。そこで、以下に述べる補正処理が必要となる。
・S503
S503では、制御部6は、温度変化速度表と3つの出力量Iに基づいて、非基準加熱冷却素子の補正値を算出し、S504へ進む。非基準加熱冷却素子の補正値算出処理の具体例は、図8を用いて後述する非基準加熱冷却素子の補正値算出処理に示す。
・S504
S504では、制御部6は、S502で算出した非基準加熱冷却素子の出力量IとS503で算出した非基準加熱冷却素子の補正値に基づいて、非基準加熱冷却素子の出力量を算出し、S505へ進む。
・S505
S505では、制御部6は、S504で算出した2個の非基準加熱冷却素子の出力量が、両方とも最大出力(100%)以下であればS512へ進み、どちらか一方でも最大出力(100%)を超えていればS506へ進む。本制御方式では、温度変化速度の最も小さい加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子としている。しかし、温度変化速度が酷似した2個の加熱冷却素子4を使用した場合には、非基準加熱冷却素子の出力量が最大出力(100%)以上必要となる可能性もある。それに対応するために、基準加熱冷却素子の補正手法の例を以下に述べる。
・S506
S506では、制御部6は、2個の非基準加熱冷却素子の出力量のうち、値が大きい方の出力量を選択し、その情報を保持してS507へ進む。
・S507
S507では、制御部6は、2個の非基準加熱冷却素子の出力量のうち、値が大きい方の非基準加熱冷却素子の出力量を最大出力(100%)に設定し、S508へ進む。
・S508
S508では、制御部6は、S507で出力量を最大出力(100%)に設定した加熱冷却素子4に合わせて、基準加熱冷却素子の出力量の補正値を算出し、S509へ進む。
・S509
S509では、制御部6は、S502で算出した基準加熱冷却素子の出力量IとS508で算出した基準加熱冷却素子の補正値から基準加熱冷却素子の出力量を算出し、S510へ進む。
・S510
S510では、制御部6は、S509で算出した基準加熱冷却素子の出力量及び基準加熱冷却素子の測定温度に基づいて、出力量が未定の非基準加熱冷却素子の出力量の補正値を算出し、S511へ進む。
・S511
S511では、制御部6は、S510で算出した出力量が未定の非基準加熱冷却素子の補正値とS502で算出した出力量から非基準加熱冷却素子の出力量を算出し、S512へ進む。
・S512
S512では、制御部6は、これまでに算出した3個の加熱冷却素子4の出力量を加熱冷却素子4へ出力し、S513へ進む。
・S513
S513では、制御部6は、PCRが終了していればS514へ進み、まだ終了していない場合には、S501から再度処理を繰り返す。
・S514
S514では、制御部6は、初期調整情報に「基準加熱冷却素子の出力量の補正回数」を出力する。
本処理により、ハードウェアの性能上、温度変化速度が最も遅い基準加熱冷却素子はシステム全体として最も効率の良い性能を発揮しつつ、他の2個の加熱冷却素子4は出力量を調整することが可能となる。これにより、高速性を維持しつつ、各加熱冷却素子4間及び各反応槽101間の温度差を低減することが可能となり、8個全ての反応槽101についてPCRに適した温度制御を実現することができる。
図8に、図7に示した非基準加熱冷却素子のS503の具体的な処理例を示す。本処理も制御部6が実行する。
・S601
S601では、制御部6は、温度測定素子1により測定した温度に基づいて温度変化速度表を参照し、全ての加熱冷却素子4について、出力量50%時の加熱冷却素子4の温度変化速度を読み出し、S602へ進む。
・S602
S602では、制御部6は、S601で読み出した温度変化速度に基づいて、基準加熱冷却素子と非基準加熱冷却素子の現在の温度差を無くすために要する補正値(補正値I)を算出し、S603へ進む。
・S603
S603では、制御部6は、基準加熱冷却素子の温度変化速度に基づいて次回スキャン時に基準加熱冷却素子が到達する温度の予測値を算出し、S604へ進む。
・S604
S604では、制御部6は、S502で算出した非基準加熱冷却素子の出力量I、S602で算出した出力量の補正値I及び温度変化速度表に基づいて次回スキャン時に非基準加熱冷却素子が到達する温度の予測値を算出し、S605へ進む。
・S605
S605では、制御部6は、S603で算出した基準加熱冷却素子の次回スキャン時の温度予測値とS604で算出した非基準加熱冷却素子の次回スキャン時の温度予測値の差分を算出し、当該差分に基づいて次回スキャン時の非基準加熱冷却素子と基準加熱冷却素子の到達温度の差を無くすために要する出力量の補正値(補正値II)を算出し、S606へ進む。
・S606
S606では、制御部6は、S602で算出した補正値IとS605で算出した補正値IIから次回スキャン時に8個の反応槽101の温度を均一にするために要する非基準加熱冷却素子の補正値を算出する。
なお、S508とS510のように基準加熱冷却素子の補正が必要な場合には、S507で出力量を最大出力(100%)に設定した非基準加熱冷却素子(a)(図7参照)を基準として、基準加熱冷却素子および非基準加熱冷却素子(b)(図7参照)の出力量を補正する。
本処理により、制御部6は、8個の反応槽101の温度を常に均一に保つ制御に必要となる加熱冷却素子4の出力量の補正値を算出することができる。
<効果>
以上説明したように、本実施例の温度制御を適用することにより、コンパクトな領域内に複数の熱源を配置した構造下においても、温度測定素子1と加熱冷却素子4を組み合わせた系として最も温度変化速度が遅い加熱冷却素子4を基準とし、その他の加熱冷却素子4が出力量を調整することで、各加熱冷却素子4ひいては各反応槽の温度変化挙動を揃えることが可能となる。これにより、高速かつ高精度な制御が要求されるPCRに適した温度制御を実行できる。
なお、本実施例では、S403における温度変化速度表を作成する際の加熱冷却素子4の出力量を最大出力の50%としたが、これに限定されず、必要に応じて任意に加熱冷却素子4の出力量を選択しても同様の効果が得られる。また、それに伴い、図8に示した非基準加熱冷却素子の補正値算出処理を行う際に、温度変化速度表から読み出す温度変化速度は、温度変化速度表作成時の出力量に対する応答として計算する。
[実施例2]
実施例1では、加熱冷却素子4の出力が常に加熱冷却素子4のほぼ上限値(最大出力)となる場合に、温度を均一に制御する方法について説明をしたが、本実施例では、以下の場合を想定した制御方法を説明する。例えば温度遷移が3段階のPCRにおけるアニーリング処理から伸長処理への温度遷移、PCR実行時に始めに行う酵素活性化および初期変性処理から熱変性処理への温度遷移、さらに、伸長反応処理から最終伸長反応処理などのように、温度変化幅が狭い場合で、加熱冷却素子4に要求される出力が素子の上限値に対して十分に余裕がある場合を考える。
<温度制御処理>
各加熱冷却素子4の出力に十分な余裕がある場合、温度変化速度が最も速い加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子として、他の加熱冷却素子4の出力量を補正することで、より高速なPCRが可能となる。
特にPCRにおいては、幾つかの温度幅を周期的に変化させる制御が特徴である。そのため、変化させる温度幅が大きく、加熱冷却素子4に要求される出力が上限値に近い場合には、実施例1に示したように、最も温度変化速度が遅い加熱冷却素子4に他の加熱冷却素子4の挙動を合わせる。一方で、変化させる温度幅が小さく、加熱冷却素子4に要求される出力に余裕がある場合には、最も温度変化速度が速い加熱冷却素子4に他の加熱冷却素子4の挙動を合わせることで、全ての反応槽101で均一、かつ高速なPCRを実行できる。
図9に、基準加熱冷却素子を切り替えながら、8個の反応槽101間の温度差を低減する温度制御の処理例を示す。本処理は、制御部6が実行する。また、本処理は、図7の処理に基準加熱冷却素子を切り替える処理を追加したものである。従って、図9には図7との対応部分に同一符号を付して示している。以下では、図7に対する追加箇所についてのみ記述する。
・S701
S701は、S502とS503の間に実行される。S701では、制御部6は、現在の目標温度と1つ前の目標温度との差が15℃以上であればS702へ進み、15℃未満であればS703へ進む。
・S702
S702では、制御部6は、温度変化速度表に基づいて、温度変化速度が最も遅い加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子に設定し、S503へ進む。ここでは、温度変化幅が大きく、加熱冷却素子4に要求される出力量が上限値に近い場合の処理を示しており、実施例1と同様に、温度変化速度が最も遅い加熱冷却素子4を基準として設定している。
・S703
S703では、制御部6は、温度変化速度表に基づいて、温度変化速度が最も速い加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子に設定し、S503へ進む。こちらは、温度変化幅が小さく、加熱冷却素子4に要求される出力量が上限値までまだ余裕がある場合の処理を示している。
なお、S701における制御の切替えのための温度閾値(15℃)は一例であり、用いる加熱冷却素子の仕様や、複数配置する際の位置関係に応じて、出力量が上限に達しない温度変化範囲で任意に設定することで良い。また、PCRの周期(一般的には20〜30サイクル)に応じて可変としても良い。
別の例では、基準加熱冷却素子を切り替える条件として、温度変化幅ではなく、PID演算による各加熱冷却素子4の出力量を用いることもできる。
図10には、基準加熱冷却素子を切り替えながら、8個の反応槽101間の温度差を低減する温度制御の処理例を示すフローチャートを示す。本処理は、制御部6が実行する。また、本処理は、図7の処理に基準加熱冷却素子を切り替える処理を追加したものである。よって、図10には、図7との対応部分に同一符号を付して示している。以下、図7に対する追加箇所についてのみ記述する。
・S801
S801も、S502とS503の間に実行される。S801では、制御部6は、加熱冷却素子4の内、出力量が最大出力の80%以上となっている素子が1つでもあればS802へ進み、全ての加熱冷却素子4の出力量が80%未満であればS803へ進む。
・S802
S802では、制御部6は、温度変化速度表に基づいて、温度変化速度が最も遅い加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子に設定し、S503へ進む。ここでは、温度測定素子1で測定した現在の温度と目標温度との差分が大きく、加熱冷却素子4に要求される出力量が上限値に近い場合の処理を示しており、実施例1と同様に、温度変化速度が最も遅い加熱冷却素子4を基準として設定している。
・S803
S803では、制御部6は、温度変化速度表に基づいて、温度変化速度が最も速い加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子に設定し、S503へ進む。こちらは、温度測定素子1で測定した現在の温度と目標温度との差分が小さく、加熱冷却素子4に要求される出力量が上限値までまだ余裕がある場合の処理を示している。
なお、S801における制御の切替えのための出力量の閾値は一例であり、任意の設定で同様の効果が得られる。またPCRの周期に応じて可変としても良い。
<効果>
以上説明したように、本実施例の温度制御を適用することで、加熱冷却素子4の数や配置などのハードウェア構成や、各加熱冷却素子4の性能の範囲内で高速性を優先するなど、必要に応じて複数の加熱冷却素子4の中から、加熱冷却素子4を基準加熱冷却素子として適宜選択、変更することが可能となる。
また、各々の加熱冷却素子4に要求される出力量が、素子としての上限値に対して余裕がある場合には、最も温度変化速度が速い加熱冷却素子に他の加熱冷却素子が出力量を上げて合わせることが可能となるため、反応槽101の温度分布の均一性を維持したまま、高速にPCRを実行できる。
また、基準加熱冷却素子は加熱冷却素子4の温度変化の実測値に限定されない。例えば、予め作成した任意の温度変化の時系列データを疑似的に基準加熱冷却素子の温度変化とすることも可能である。ただし、この場合には、基準加熱冷却素子を補正することは不可能であるため、この温度変化曲線作成は、素子の出力量上限に関する性能により制約を受ける。
<他の実施例>
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。
例えば前述の実施例においては、加熱冷却素子4と温度測定素子1の数を3個として説明したが、これらの数には限定されず、例えばより多くの素子を用いる場合にも同様に実施可能であり、同様の効果を得ることができる。また、図1においては計測部2を1つ配置し、出力制御部3を1つ配置する例を示しているが、それぞれが複数であっても良い。例えば計測部2を温度測定素子1と同数配置し、各温度測定素子1から得られるアナログデータのA/D変換を各計測部2で分割して行うことでも実施例1と同様に温度測定が可能である。
また、本実施例では、基準加熱冷却素子を温度変化速度が最も遅い加熱冷却素子4と最も速い加熱冷却素子4を切り替えて使用したが、基準加熱冷却素子の選択方法はこれに限定されず、必要に応じて任意に選ぶことが可能である。
前述の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために一部の実施例について詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成や処理を備える必要は無い。また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成を追加、削除又は置換することも可能である。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより実現しても良い。すなわち、ソフトウェアとして実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
1:温度測定素子
2:計測部
3:出力制御部
4:加熱冷却素子
5:放熱ファン
6:制御部
10:シーケンス制御部
11:変数設定部
12:出力量計算部
100:温調部
101:反応槽
201:断熱部
202:放熱部

Claims (14)

  1. 複数の加熱冷却素子と、
    前記複数の加熱冷却素子のそれぞれと対をなす複数の温度測定素子と、
    前記複数の加熱冷却素子の出力量を制御する制御部と
    を有し、
    前記制御部が、前記複数の温度測定素子により検知された各温度値の変化速度に基づいて、前記複数の加熱冷却素子の1つを基準素子に決定する処理と、前記複数の加熱冷却素子のそれぞれと対をなす温度測定素子が検知する温度値を入力として、目標温度値との差分に応じて前記複数の加熱冷却素子の出力量を制御する処理と、前記基準素子と対をなす温度測定素子が検知する温度値の時間変化量に応じて前記基準素子以外の一つ又は複数の加熱冷却素子の出力量を加減する処理と
    を実行する核酸分析装置。
  2. 請求項1に記載の核酸分析装置において、
    前記制御部は、
    前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較し、最も低い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする核酸分析装置。
  3. 請求項2に記載の核酸分析装置において、
    前記制御部は、
    前記最も低い温度変化率がある一定数値を下回った場合には、前記基準素子として選択しない
    ことを特徴とする核酸分析装置。
  4. 請求項1に記載の核酸分析装置において、
    前記制御部は、
    前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較し、最も高い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする核酸分析装置。
  5. 請求項1に記載の核酸分析装置において、
    前記制御部は、
    現在の目標温度と1つ前の目標温度との差が一定数値より大きい場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も低い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択し、
    現在の目標温度と1つ前の目標温度との差が前記一定数値より大きくない場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も高い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする核酸分析装置。
  6. 請求項1に記載の核酸分析装置において、
    前記制御部は、
    前記複数の加熱冷却素子の出力量の1つでも一定数値より大きい場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も低い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択し、
    前記複数の加熱冷却素子の出力量の全てが前記一定数値より小さい場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も高い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする核酸分析装置。
  7. 請求項1に記載の核酸分析装置において、
    前記制御部は、
    前記基準素子以外の一つ又は複数の加熱冷却素子の出力量を決定した際に、出力可能量を超えた場合には、前記基準素子の出力量を加減する
    ことを特徴とする核酸分析装置。
  8. 複数の加熱冷却素子と、前記複数の加熱冷却素子のそれぞれと対をなす複数の温度測定素子と、前記複数の加熱冷却素子の出力量を制御する制御部とを有する核酸分析装置の温度を制御する方法において、
    前記制御部が、前記複数の温度測定素子により検知された各温度値の変化速度に基づいて、前記複数の加熱冷却素子の1つを基準素子に決定する処理と、
    前記制御部が、前記複数の加熱冷却素子のそれぞれと対をなす温度測定素子が検知する温度値を入力として、目標温度値との差分に応じて前記複数の加熱冷却素子の出力量を制御する処理と、
    前記制御部が、前記基準素子と対をなす温度測定素子が検知する温度値の時間変化量に応じて前記基準素子以外の一つ又は複数の加熱冷却素子の出力量を加減する処理と
    を有することを特徴とする核酸分析装置の温度制御方法。
  9. 請求項8に記載の温度制御方法において、
    前記制御部は、
    前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較し、最も低い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする温度制御方法。
  10. 請求項9に記載の温度制御方法において、
    前記制御部は、
    前記最も低い温度変化率がある一定数値を下回った場合には、前記基準素子として選択しない
    ことを特徴とする温度制御方法。
  11. 請求項8に記載の温度制御方法において、
    前記制御部は、
    前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較し、最も高い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする温度制御方法。
  12. 請求項8に記載の温度制御方法において、
    前記制御部は、
    現在の目標温度と1つ前の目標温度との差が一定数値より大きい場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も低い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択し、
    現在の目標温度と1つ前の目標温度との差が前記一定数値より大きくない場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も高い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする温度制御方法。
  13. 請求項8に記載の温度制御方法において、
    前記制御部は、
    前記複数の加熱冷却素子の出力量の1つでも一定数値より大きい場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も低い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択し、
    前記複数の加熱冷却素子の出力量の全てが前記一定数値より小さい場合には、前記複数の加熱冷却素子を同時に同一出力で制御して前記加熱冷却素子とそれぞれ対をなす複数の温度測定素子の検知した温度値を比較したときに、最も高い温度変化率を示した加熱冷却素子を前記基準素子として選択する
    ことを特徴とする温度制御方法。
  14. 請求項8に記載の温度制御方法において、
    前記制御部は、
    前記基準素子以外の一つ又は複数の加熱冷却素子の出力量を決定した際に、出力可能量を超えた場合には、前記基準素子の出力量を加減する
    ことを特徴とする温度制御方法。
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