JP4788450B2 - 温度制御方法、温度制御装置およびループコントローラ - Google Patents

温度制御方法、温度制御装置およびループコントローラ Download PDF

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Description

本発明は、温度制御方法、温度制御装置およびプログラマブルコントローラに実装されるループコントローラに関する。
従来、例えば、被加熱物を、熱板上に載置して均一に加熱処理するような温度制御においては、温度制御装置は、熱板に配設された温度センサからの検出温度に基づいて、熱板の温度が設定温度になるように操作量を出力し、SSR等を介して熱板に配設されたヒータの通電を制御することにより行なわれる。
前記熱板に、複数のヒータおよび複数の温度センサを配設して複数の制御点、すなわち、複数チャンネルの温度制御を行なう場合に、各チャンネル毎に個別に温度制御を行なうと、熱板の各制御点が熱的に連続しているために、各チャンネル間の熱的な干渉が生じ、高い精度で均一な温度に制御するのが困難であり、特に、過渡時や外乱時には、一層困難となる。
そこで、本件出願人は、各チャンネル毎に個別に温度制御するのではなく、複数の制御点に対応する複数の検出温度を、例えば、複数の検出温度の平均温度と、各検出温度間の温度差(傾斜温度)とに変換し、平均温度と傾斜温度とを制御量として温度制御する手法(以下「傾斜温度制御」ともいう)を提案した(例えば、特許文献1参照)。
図7は、この傾斜温度制御の基本的な構成の一例を示す図であり、2チャンネルの例を示している。
熱板等の制御対象30の2つの制御点の検出温度を、モード変換器31によって、両検出温度の平均値である平均温度および両検出温度の温度差である傾斜温度に変換し、平均温度と目標平均温度との偏差または傾斜温度と目標傾斜温度との偏差を各PID制御部32,32にそれぞれ入力し、各PID制御部32,32は、平均温度の偏差または傾斜温度の偏差をなくすように操作量を演算出力し、前置補償器33では、傾斜温度の操作量の変化に対して傾斜温度だけが反応し、平均温度への反応は小さくなるように、また逆に、平均温度の操作量の変化に対して傾斜温度への反応が小さくなるように操作量を配分して制御出力とし、この制御出力によって熱板等の制御対象30を加熱するヒータの通電を制御する。
従来では、制御対象の2点の各点を個別に制御するために、一方の点の制御が他方の点の制御に影響を与えて高精度の制御が困難であったのに対して、この傾斜温度制御では、2点の平均温度と2点の温度差である傾斜温度とを制御量として制御することにより、高精度な制御を可能とするものである。
ところで、プログラマブルコントローラは、産業用システムの制御などに広く使用されており、このプログラマブルコントローラは、制御プログラムに基づいて演算実行するCPUユニット、センサやスイッチなどの入力機器を接続してそれらのオンオフ信号を入力信号として取り込む入力ユニット、アクチュエータやリレーなどの出力機器を接続してそれらに対して出力信号を送り出す出力ユニット、上位端末装置などと接続してそれと情報をやりとりする通信ユニット、各ユニットに電源を供給する電源ユニット、など複数のユニットを組み合わせることにより構成されている。
このCPUユニット内に、インテリジェントな高機能ボードである特殊機能モジュールを着脱可能に実装したタイプのもの、あるいは、このような高機能ボードと同様の機能をPLCを構成する別途のユニットとして実現した高機能ユニットもあり(例えば、特許文献2参照)、本明細書では、それらを総称してループコントローラと称する。
特許第3278807号公報 特開2006−48184号公報
かかるループコントローラによる温度制御では、プログラマブルコントローラにおいて実行されるプログラムのプログラミングに用いることができるファンクションブロックによって、温度制御機能を実現している。
かかるファンクションブロックでは、1つのファンクションブロックで温度制御できるチャンネル数、すなわち、制御対象の制御点数は制限があり、その制御点数を越える多点の温度制御の場合には、複数のファンクションブロックを用いて対応することになる。
傾斜温度制御でない従来の温度制御では、上述のように、各チャンネル毎、すなわち、各制御点毎に、個別に制御するので、高精度な制御は実現できないものの、ファンクションブロックを追加して多点の温度制御に容易に対応することができる。
しかしながら、傾斜温度制御は、上述のように、各制御点毎に個別に制御するのではなく、複数の制御点について、例えば、その平均温度と傾斜温度とを制御量として制御するものであるから、従来の温度制御と同様に、傾斜温度機能を有するファンクションブロックを追加して多点の温度制御に対応しようとすると次のような課題がある。
例えば、1つのファンクションブロックによって、図8(a)に示すように、制御対象としての熱板7aの4点7a−1〜7a−4の傾斜温度制御が可能である場合を考える。
熱板7aで加熱処理される被加熱物、例えば、半導体ウェハの大きなサイズに対応するために、熱板7aのサイズを大きくしたときに、図8(b)に示すように、熱板7の制御点数が4点7−1〜7−4のままでは、温度制御の精度が悪くなる。
そこで、図8(c)に示すように、熱板7を、例えば、4つのゾーン7〜7に分けて、制御点数を16点として傾斜温度制御することが考えられる。この場合には、制御点数が4点のファンクションブロックを4つに増やして16点の傾斜温度制御に対応することになるが、各ゾーン7〜7毎に傾斜温度制御したのでは、各ゾーン7〜7間の熱的な干渉によって、熱板7の全体を高精度に温度制御するのが困難であるという課題がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みて為されたものであって、制御点数が増えた場合にも、高精度な傾斜温度制御が可能な温度制御方法、温度制御装置およびループコントローラを提供することを目的とする。
(1)本発明の温度制御方法は、複数の入力温度を、複数の入力温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度に変換し、変換した傾斜温度と代表温度とを制御量として制御出力をそれぞれ与える複数の温度制御手段を階層化して制御対象の温度を制御する方法であって、前記各温度制御手段は、複数の入力温度を、前記傾斜温度および前記代表温度に変換し、設定される目標温度または上層の温度制御手段からの前記制御出力を、目標傾斜温度および目標代表温度に変換し、前記それぞれ変換された前記傾斜温度と前記目標傾斜温度との偏差または前記それぞれ変換された前記代表温度と前記目標代表温度との偏差に基づいて操作信号を出力し、前記操作信号を前記制御出力として配分し、前記階層化した複数の温度制御手段の下層の温度制御手段の前記代表温度を、上層の温度制御手段の前記入力温度とする一方、上層の温度制御手段からの制御出力を、下層の温度制御手段の目標温度とし、前記制御対象からの検出温度を、最下層の温度制御手段の前記入力温度とするとともに、該最下層の温度制御手段からの制御出力によって前記制御対象の温度を制御するものである。
傾斜温度とは、温度勾配、すなわち、温度差をいい、例えば、二つの入力温度の温度差などをいう。
代表温度とは、温度状態を代表的に示す温度をいい、例えば、平均温度あるいは制御対象の或る位置(例えば、中央位置)における温度などをいう。
各温度制御手段は、傾斜温度と代表温度とを制御量として制御出力をそれぞれ与えるものであり、傾斜温度制御をそれぞれ行なうものである。
傾斜温度制御を行なう各温度制御手段の制御点数は、少なくとも2点以上、すなわち、制御チャンネル数は、2チャンネル以上であればよい。
各温度制御手段を、階層化せずに、傾斜温度制御してもよい。
階層化とは、複数の温度制御手段を用いた構成において、或る温度制御手段Aの目標温度が、他の温度制御手段Bによって規定され、前記他の温度制御手段Bの目標温度が、更に他の温度制御手段Cによって規定されるといったように、制御の目標である目標温度が、上位、すなわち、上層の温度制御手段によって順次規定される構成をいう。
また、この階層化では、前記更に他の温度制御手段Cは、その下層である前記他の温度制御手段Bからの代表温度に基づいて、該他の温度制御手段Bに対する目標温度を規定し、他の温度制御手段Bは、その下層である或る温度制御手段Aからの代表温度に基づいて、該或る温度制御手段Aに対する目標温度を規定するといったように、上層の温度制御手段は、その下層の温度制御手段からの代表温度に基づいて、該下層の温度制御手段に対する目標温度を規定するものである。
上層、下層とは、相対的表現であって、例えば、前記他の温度制御手段Bは、前記或る温度制御手段Aに対しては上層であるが、前記更に他の温度制御手段Cに対しては下層となる。
本発明の温度制御方法によると、制御点数を増やして、単一の温度制御手段では制御できない多点の制御を行なう場合には、傾斜温度制御を行なう温度制御手段を単に増設して各温度制御手段毎に個別に傾斜温度制御を行なうのではなく、下層の温度制御手段の目標温度を、該下層の温度制御手段からの代表温度に基づいて、上層の温度制御手段によって制御するという階層構造とするので、制御対象を直接的に制御する最下層の複数の温度制御手段の全体として傾斜温度制御することができ、複数の各温度制御手段毎に個別に傾斜温度制御する構成に比べて、高精度の傾斜温度制御が可能となる。
(2)本発明の温度制御方法の一つの実施形態では、前記傾斜温度が、前記複数の入力温度の温度差であり、前記代表温度が、前記複数の入力温度の平均温度である。
この実施形態によると、上層の温度制御手段は、下層の複数の温度制御手段からの平均温度を入力温度として傾斜温度制御を行なって前記下層の複数の温度制御手段の目標温度を制御するので、例えば、制御対象の温度を均一に制御する場合には、最下層の複数の各温度制御手段が、前記制御対象の対応する各ゾーンを均一な温度にそれぞれ傾斜温度制御しながら、その上層の温度制御手段によって、各ゾーンの平均温度が均一になるように最下層の各温度制御手段を制御できることになり、これによって、ゾーン間の熱的な干渉による影響を低減して高精度に温度を均一化することができる。
(3)本発明の温度制御装置は、複数の入力温度を、複数の入力温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度に変換し、変換した傾斜温度と代表温度とを制御量として制御出力をそれぞれ与える複数の温度制御手段を階層化して制御対象の温度を制御する装置であって、前記各温度制御手段は、複数の入力温度を、前記傾斜温度および前記代表温度に変換する入力温度変換部と、設定される目標温度または上層の温度制御手段からの前記制御出力を、目標傾斜温度および目標代表温度に変換する目標温度変換部と、前記両変換部でそれぞれ変換された前記傾斜温度と前記目標傾斜温度との偏差または前記両変換部でそれぞれ変換された前記代表温度と前記目標代表温度との偏差に基づいて操作信号を出力する制御部と、前記制御部からの操作信号を前記制御出力として配分する配分部とを含み、前記階層化した複数の温度制御手段の下層の温度制御手段の前記入力温度変換部からの前記代表温度を、上層の温度制御手段の前記入力温度変換部の前記入力温度とする一方、上層の温度制御手段の前記配分部からの制御出力を、下層の温度制御手段の前記目標温度変換部の入力とし、前記制御対象からの検出温度を、最下層の温度制御手段の前記入力温度変換部の前記入力温度とするとともに、該最下層の温度制御手段の前記配分部からの制御出力によって前記制御対象の温度を制御するものである。
温度制御手段を、温度調節器で構成し、複数の温度調節器を階層的に接続して本発明の温度制御装置としてもよい。
本発明の温度制御装置によると、制御点数を増やして、単一の温度制御手段では制御できない多点の制御を行なう場合には、傾斜温度制御を行なう温度制御手段を単に増設して各温度制御手段毎に個別に傾斜温度制御を行なうのではなく、下層の温度制御手段の目標温度を、該下層の温度制御手段からの代表温度に基づいて、上層の温度制御手段によって制御するという階層構造とするので、制御対象を直接的に制御する最下層の複数の温度制御手段の全体として傾斜温度制御することができ、複数の各温度制御手段毎に個別に傾斜温度制御する構成に比べて、高精度の傾斜温度制御が可能となる。
また、各温度制御手段は、複数の入力温度を、傾斜温度および代表温度に変換し、傾斜温度と目標傾斜温度との偏差または代表温度と目標代表温度との偏差に基づく操作信号を制御出力として配分するという傾斜温度制御を行ない、これら複数の温度制御手段を階層化して傾斜温度制御を行なうので、制御点数が増えても高精度の傾斜温度制御が可能となる。
(5)本発明の温度制御装置の他の実施形態では、前記傾斜温度が、前記複数の入力温度の温度差であり、前記代表温度が、前記複数の入力温度の平均温度である。
この実施形態によると、上層の温度制御手段は、下層の複数の温度制御手段からの平均温度を入力温度として傾斜温度制御を行なって前記下層の複数の温度制御手段の目標温度を制御するので、例えば、制御対象の温度を均一に制御する場合には、最下層の複数の各温度制御手段が、前記制御対象の対応する各ゾーンを均一な温度にそれぞれ傾斜温度制御しながら、その上層の温度制御手段によって、各ゾーンの平均温度が均一になるように最下層の各温度制御手段を制御できることになり、これによって、ゾーン間の熱的な干渉による影響を低減して高精度に温度を均一化することができる。
(7)本発明のループコントローラは、プログラマブルコントローラにおいて実行されるプログラムのプログラミングに用いることができるファンクションブロックを備えるループコントローラであって、複数の温度制御ブロックを、前記ファンクションブロックによってそれぞれ構成して階層化できるものであり、前記温度制御ブロックを構成する前記ファンクションブロックは、複数の入力温度を、複数の入力温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度に変換する入力温度変換ブロックと、設定される目標温度または前記階層化された上層の温度制御ブロックからの制御出力を、目標傾斜温度および目標代表温度に変換する目標温度変換ブロックと、前記両変換ブロックでそれぞれ変換された前記傾斜温度と前記目標傾斜温度との偏差または前記両変換ブロックでそれぞれ変換された前記代表温度と前記目標代表温度との偏差に基づいて操作信号を出力する制御ブロックと、前記制御ブロックからの操作信号を制御出力として配分する配分ブロックとを含み、前記階層化した複数の温度制御ブロックの上層の温度制御ブロックの前記入力温度変換ブロックには、複数の下層の温度制御ブロックの各入力温度変換ブロックでそれぞれ変換された複数の前記代表温度を、前記複数の入力温度として入力する一方、該上層の温度制御ブロックの前記配分ブロックで配分した複数の制御出力を、前記下層の複数の温度制御ブロックの前記目標温度変換ブロックに入力し、最下層の温度制御ブロックの前記入力温度変換ブロックには、制御対象からの検出温度を前記入力温度として入力する一方、該最下層の温度制御ブロックの前記配分ブロックで配分した制御出力によって前記制御対象の温度を制御するものである。
本発明のループコントローラによると、制御点数を増やして多点の制御に対応する場合には、ファンクションブロックを用いたプログラミングによって、傾斜温度制御を行なう複数の温度制御ブロックを階層化することにより、高精度の傾斜温度制御が可能となる。また、温度制御ブロックを、複数種類のファンクションブロックに分けて構成しているので、内部メモリを有効に活用することができる。
(8)本発明のループコントローラの一つの実施形態では、前記傾斜温度が、前記複数の入力温度の温度差であり、前記代表温度が、前記複数の入力温度の平均温度である。
この実施形態によると、例えば、制御対象の温度を均一に制御する場合には、最下層の複数の各温度制御手段が、前記制御対象の対応する各ゾーンを均一な温度にそれぞれ傾斜温度制御しながら、その上層の温度制御手段によって、各ゾーンの平均温度が均一になるように最下層の各温度制御手段を制御できることになり、これによって、ゾーン間の熱的な干渉による影響を低減して高精度に温度を均一化することができる。
本発明によると、制御点数を増やして、単一の温度制御手段では制御できない多点の制御を行なう場合には、傾斜温度制御を行なう温度制御手段を単に増設して各温度制御手段毎に個別に傾斜温度制御を行なうのではなく、下層の温度制御手段の目標温度を、該下層の温度制御手段からの代表温度に基づいて、上層の温度制御手段によって制御するという階層構造とするので、制御対象を直接的に制御する最下層の複数の温度制御手段の全体として傾斜温度制御することができ、複数の各温度制御手段毎に個別に傾斜温度制御する構成に比べて、高精度の傾斜温度制御が可能となる。
以下、図面によって、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明に係るループコントローラが実装されるプログラマブルコントローラ(PLC)による温度制御の概略構成を示す図である。
プログラマブルコントローラ1は、複数のユニットを連結して構成されている。すなわち、電源ユニット2と、CPUユニット3と、ループコントローラ4と、アナログ入力ユニット5と、アナログ出力ユニット6とを備えている。もちろん、プログラマブルコントローラの構成は、図示するものに限ることなく、必要に応じて所望のユニットを追加接続可能である。
CPUユニット3は、RS232Cなどのシリアルインタフェースを備え、そのシリアルインタフェースにツール(図示せず)を接続すると、そのツールを介してCPUユニット3のユーザメモリ,I/Oメモリ等のデータメモリにユーザプログラムや各種のパラメータを書き換えすることができる。本発明との関係でいうと、ループコントローラ4で使用する後述のファンクションブロックの指定や、そのファンクションブロック(プログラム)を実行するのに必要なパラメータ等をCPUユニット3のデータモリに格納し、インナーバスを介してループコントローラ4がデータメモリに格納されたデータを取得し、所定の機能(プログラム)を実行する。
この図1において、プログラマブルコントローラ1は、制御対象としての熱板7の温度を、傾斜温度制御するものであり、熱板7の複数、この例では、8つの制御点7−1〜7−8に対応する複数の温度センサ(図示せず)からの検出温度が、アナログ入力ユニット5およびCPUユニット3を介してループコントローラ4に取り込まれる。ループコントローラ4は、後述の傾斜温度制御のためのファンクションブロックによって、熱板7の温度を目標温度にするための制御出力を演算し、CPUユニット3およびアナログ出力ユニット6を介して図示しないSSR等を制御して熱板7を加熱する図示しない複数のヒータの通電を制御するものである。
図2は、ループコントローラ4の内部構成を示している。このループコントローラ4は、外部インタフェースとしては、RS232Cポート8を有している。このRS232Cポート8は、温度調節器などと直接シリアル通信するためのポートであり、入出力可能となっている。また、外部に対する報知機能として、LED9も備えている。このLED9は、CPUユニット3とのバスが確立していることや、ファンクションブロックやシミュレーション機能が動作中であることや、RS232Cポート経由で、データ通信していることなどを示すものである。また、CPUユニット3との間でデータの送受をするためのインナーバスインタフェース10も備えている。このインナーバスインタフェース10を介してCPUユニット3のデータメモリとの間でデータ更新を行う。
具体的なデータ交換は、CPUユニットメモリアクセス機能11や外部メッセージ通信処理部12が実行し、上記のバスインタフェース10を介して所定のデータを送受する。すなわち、外部メッセージ通信処理部12は、専用ツールからのパラメータ設定や、パラメータ読出を行うための、メッセージコマンドをCPUユニット経由で受信し、それに対するレスポンスデータを送信する機能を有する。つまり、パラメータ設定のメッセージコマンドは、受信機能で受信し、受信したパラメータをパラメータ設定処理部13に渡す。すると、パラメータ設定処理部13は、外部メッセージ通信処理部(受信機能)12から取得したパラメータを記憶素子(SRAM)14に格納する。また、外部メッセージ通信処理部12が受信したメッセージがパラメータ読出の場合、受信機能からパラメータ設定処理部13を介して記憶素子14に格納された指定されたパラメータを読み出し、外部メッセージ通信処理部12の返信機能がレスポンスとしてその読み出したパラメータを返信する。また、記憶素子14はSRAMで揮発性メモリであるため、そこに記憶されたパラメータは、FROMバックアップ機能15により読み出し、不揮発性記録素子(FROM)16に記憶する。
CPUユニットメモリアクセス機能11は、CPUユニット間バス経由で、1ワード単位で、データ送受信できる手段である。これによりCPUユニット上のデータメモリ(I/Oメモリ)とのデータ交換を行う。すなわち、たとえばアナログ入力ユニット5を介して取得した入力データがCPUユニット3のデータメモリ(I/Oメモリ)に格納されるため、それをCPUユニットメモリアクセス機能11の入力インタフェースを介して取得し、ファンクションブロック17に与える。また、ファンクションブロック17により実行して得られた演算結果を指定値(指令値・設定値)は、CPUユニットメモリアクセス機能11の出力インタフェースからバスインタフェース10を介してCPUユニット3のデータメモリに書き込まれる。
ファンクションブロック実行管理部18は、実装された所定のファンクションブロック17を実行するものである。ファンクションブロック17としては、傾斜温度制御のための後述の各種ブロック、オンオフ制御ブロック,警報ブロック,四則演算ブロックなどがある。専用ツールにより自由にプログラミングできる。さらに、ファンクションブロック実行管理部18にて実際に各ファンクションブロックを実行する際には、記憶素子(SRAM)14上にあるパラメータを用いて、各種処理を行う。
なお、ファンクションブロック実行管理部18に管理された各ファンクションブロック(プログラム部品)17は、ファンクションブロックプログラム管理部からのコール命令を受けて実行される。このコール命令は、内部クロックにより予め設定されたスキャン周期に来たならば、そのファンクションブロック管理部が発行する。
この実施形態のループコントローラ4は、傾斜温度制御機能を有しており、この傾斜温度制御機能を実現するために、複数種類のファンクションブロックを備えている。
図3は、傾斜温度を行なうための温度制御ブロックを、4種類のファンクションブロックで構成した例を示すものであり、この実施形態では、温度制御ブロックの制御点数は、最大8点となっており、この図3では、上述の図7と同様の2チャンネル、すなわち、制御点数が2点の傾斜温度制御の場合の接続例を示している。
温度制御手段としての温度制御ブロックは、8つの入力温度PV1〜PV8を、代表温度としての1つの平均温度GPV1および7つの傾斜温度GPV2〜GPV8に変換する入力温度変換部としての入力温度モード変換ブロック20と、設定あるいは入力される各制御点の目標温度SP1〜SP8を、1つの目標平均温度GSP1および7つの目標傾斜温度GSP1〜GSP8に変換する目標温度変換部としての目標温度モード変換ブロック21と、入力温度PVと目標温度RSPとの偏差に基づいて、操作信号MVを演算するPID制御ブロック22と、複数のPID制御ブロック22からの操作信号GMV1〜GMV8を、各PID制御ブロックによる制御が、他のPID制御ブロックによる制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分して制御出力MV1〜MV8を与える配分部としての前置補償ブロック23とを備えている。
入力温度モード変換ブロック20は、8つの入力温度を、その平均値である平均温度と、例えば、隣の入力温度との温度差(PV1−PV2,PV2−PV3,PV3−PV4,…PV7−PV8)である7つの傾斜温度に変換する。この図3では、制御点数が2点であるので、2つの入力温度PV1,PV2を、その平均温度GPV1に変換するとともに、その温度差PV1−PV2である傾斜温度GPV2に変換する。
目標温度モード変換ブロック21は、入力温度モード変換ブロック20と同様の機能を有しており、8つの制御点の設定温度(目標温度)SP1〜SP8を、その平均値である平均目標温度GSP1と、例えば、隣の設定温度との温度差(SP1−SP2,SP2−SP3,SP3−SP4,…SP7−SP8)である7つの目標傾斜温度GSP2〜GSP8に変換する。この図3では、制御点数が2点であるので、2つの設定温度SP1,SP2を、その平均温度である平均目標温度GSP1に変換するとともに、その温度差SP1−SP2である目標傾斜温度GSP2に変換する。
PID制御ブロック22は、入力温度PVと目標温度RSPとの偏差をなくすようにPID演算を行なって操作信号(操作量)MVを出力するものである。図3では、2つのPID制御ブロック22,22の一方のPID制御ブロック22は、平均温度GPV1が入力されて平均温度の偏差をなくすように操作信号を出力し、他方のPID制御ブロック22は、傾斜温度GPV2が入力されて傾斜温度の偏差をなくすように操作信号を出力する。
前置補償ブロック23は、PID制御ブロック22からの操作量を分解するものであり、傾斜温度制御の公知文献(特許第3278807号、特開2002−157001)等と同様の構成であり、前置補償ブロック23の配分比の行列である前置補償行列をGc、上述の目標温度モード変換ブロック20による入力温度を傾斜温度および平均温度に変換する行列をモード変換行列Gm、制御対象の伝達関数行列をGpとすると、前置補償行列Gcは、以下のように逆行列として求めることもできる。
Gc=(Gm・Gp)-1
この図3では、制御点数が2点であるので、前置補償ブロック23は、傾斜温度の操作量の変化に対して傾斜温度だけが反応し、平均温度への反応は小さくなるように、また逆に、平均温度の操作量の変化に対しては傾斜温度への反応が小さくなるように操作量を配分する。
このように複数種類のファンクションブロック20〜23を組み合わせて傾斜温度制御することが可能となる。
この実施形態では、各ファンクションブロックの制御点数は、上述のように最大8点となっており、したがって、制御点数が8点を越える場合には、プログラミングによって、各ファンクションブロック20〜23による温度制御ブロックを増やすことになる。
しかしながら、単に温度制御ブロックを増やして傾斜温度制御を行なったのでは、上述の図8に基づいて説明したように、各ファンクションブロックに対応するゾーン間の熱的な干渉によって高精度な温度制御が困難である。
そこで、この実施形態では、制御点数が増えた場合にも高精度に均一な温度制御が行なえるように次のようにしている。
すなわち、図4は、この実施形態の傾斜温制御の考え方を説明するための図であり、同図において、7は制御対象としての熱板、24−1〜24−3は傾斜温度制御を行なう温度制御ブロックであり、この図4では、簡略化のために、制御点数が最大4点の温度制御ブロック24−1〜24−3の例を示しており、熱板7の8つの制御点7−1〜7−8を同一の温度に均一に制御する場合を示している。
同図(a)に示すように、熱板の8点の制御点を、2つの温度制御ブロック24−1,24−2によって左右の各ゾーン7A,7Bの4点7−1〜7−4,7−5〜7−8ずつ傾斜温度制御する場合を考える。各温度制御ブロック24−1,24−2は、それぞれ4点7−1〜7−4,7−5〜7−8の温度が均一な温度となるように傾斜温度制御する。この状態では、上述のように、各温度制御ブロック24−1,24−2でそれぞれ温度制御する左右のゾーン7A,7B間の熱的な干渉によって高精度に均一化するのが困難である。
そこで、この実施形態では、更に、同図(b)に示すように、各温度制御ブロック24−1,24−2によってそれぞれ傾斜温度制御されている各ゾーン7A,7Bの平均温度が、均一になるように、温度制御ブロック24−3を追加し、この温度制御ブロック24−3によって、各ゾーン7A,7Bの平均温度を、傾斜温度制御するものである。
つまり、2つの温度制御ブロック24−1,24−2によって、各ゾーン7A,7Bの4つ制御点7−1〜7−4,7−5〜7−8の温度が均一になるようにそれぞれ傾斜温度制御する一方、各ゾーン7A,7Bの平均温度を、新たな2つの制御点の温度とみなして追加した温度制御ブロック24−3で傾斜温度制御するものであり、温度制御ブロック24−3の制御出力(操作量)を、各温度制御ブロック24−1,24−2の目標温度とするものであり、2つの温度制御ブロック24−1,24−2の上層に、それらの平均温度に基づいて、目標温度を与える温度制御ブロック24−3を設けて階層化した構成となっている。
図5は、この階層化した構成例を示すブロック図であり、入力温度モード変換ブロック、目標温度モード変換ブロック、PID制御ブロックおよび前置補償ブロックの4種類のファンクションブロックを組み合わせて構成されている。上述の図3に対応するファンクションブロックには、対応する参照符号を付す。なお、この図5では、簡略化のために各ファンクションブロックの最大の制御点数を4点としている。また、上の層のブロックの参照符号には、添え字Hを、下の層のブロックの参照符号には、添え字Lを付している。
この図5において、上層の温度制御ブロック24Hが、上述の図4の温度制御ブロック24−3に対応し、下層の温度制御ブロック24L−1,24L−2が、図4の温度制御ブロック24−1,24−2にそれぞれ対応する。
制御点数が4点の下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2は、入力温度モード変換ブロック20L−1,20L−2、目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2および前置補償ブロック23L−1,23L−2をそれぞれ1つずつ備えるとともに、PID制御ブロック22L−1−1〜22L−1−4,22L−2−1〜22L−2−4をそれぞれ4つずつ備えている。
下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2の各入力温度モード変換ブロック20L−1,20L−2の4つの入力PV1〜PV4には、例えば、図4に示す熱板7の各制御点7−1〜7−4,7−5〜7−8の温度を検出する温度センサからの検出温度が入力され、それぞれ平均温度および3つの傾斜温度に変換されて4つの出力GPV1〜GPV4からそれぞれ出力され、各PID制御ブロック22L−1−1〜22L−1−4,22L−2−1〜22L−2−4にそれぞれ与えられる。
下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2の各目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2の4つの入力SP1〜SP4には、上層の温度制御ブロック24Hの前置補償ブロック23Hからの制御出力MV1,MV2がそれぞれ目標温度として入力され、目標平均温度GSP1および3つの目標傾斜温度GSP2〜GSP4に変換され、各PID制御ブロック22L−1−1〜22L−1−4,22L−2−1〜22L−2−4にそれぞれ与えられる。
下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2の各PID制御ブロック22L−1−1,22L−2−1は、平均温度の偏差がなくなるように操作量MVを演算して前置補償ブロック23L−1,23L−2にそれぞれ出力し、各PID制御ブロック22L−1−2〜22L−1−4,22L−2−2〜22L−2−4は、傾斜温度の偏差がなくなるように操作量MVを演算して前置補償ブロック23L−1,23L−2にそれぞれ出力する。
下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2の各前置補償ブロック23L−1,23L−2は、操作量を配分してヒータの通電を制御するSSR等に制御出力として与える。
一方、上層の温度制御ブロック24Hは、入力温度モード変換ブロック20H、目標温度変換ブロック21Hおよび前置補償ブロック23Hを1つずつ備えるとともに、PID制御ブロック22H−1,22H−2を2つ備えている。
この温度制御ブロック24Hの入力温度モード変換ブロック20Hの2つの入力PV1,PV2には、下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2の各入力温度モード変換ブロックの出力GPV1である平均温度がそれぞれ入力され、入力温度モード変換ブロック20Hで、平均温度と傾斜温度とに変換されて各PID制御ブロック22H−1,22H−2にそれぞれ与えられる。
上層の温度制御ブロック24Hの目標温度モード変換ブロック21Hの2つの入力SP1,SP2には、ユーザによる設定温度が与えられ、目標平均温度GSP1および目標傾斜温度GSP2に変換され、各PID制御ブロック22H−1,22H−2にそれぞれ与えられる。
温度制御ブロック24Hの一方のPID制御ブロック22H−1は、平均温度の偏差がなくなるように操作量MVを演算して前置補償ブロック23Hに出力し、他方のPID制御ブロック22H−2は、傾斜温度の偏差がなくなるように操作量MVを演算して前置補償ブロック23Hにそれぞれ出力する。
温度制御ブロック24Hの前置補償ブロック23Hは、操作量を配分して目標温度として下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2の各目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2にそれぞれ与える。
目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2は、設定温度が、0%〜100%の値で入力されるものであるので、前置補償ブロック23Hから出力される0%〜100%の操作量を、そのまま目標温度として入力することができる。
かかる構成においては、下層の各温度制御ブロック24L−1,24L−2によって、対応する4点の制御点7−1〜7−4,7−5〜7−8の温度が目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2の目標温度になるように傾斜温度制御されるとともに、上層の温度制御ブロック24Hによって、4点7−1〜7−4,7−5〜7−8についての平均温度が、目標温度モード変換ブロック21Hの目標温度になるように傾斜温度制御されることになる。
したがって、例えば、上述の図4(a)に示すように、階層化することなく、各温度制御ブロック24−1,24−2毎に、ゾーン単位で傾斜温度制御する場合に比べて、ゾーン7A,7B間の熱的な干渉を低減することができ、熱板全体を均一な温度に制御することが可能となる。
なお、各温度制御ブロック24−1,24−2が制御する制御点は、図4のように、左右に配置する必要はなく、任意に配置してもよい。
この実施の形態では、上下2階層の階層構造としたけれども、同様にして3階層以上の階層構造としてもよい。
図6は、3階層の階層構造の例を示したものであり、この図6では、第1階層のブロックの参照符号には、添え字Lを、第2階層のブロックの参照符号には、添え字Mを、第3階層のブロックの参照符号には、添え字Hをそれぞれ付している。
第3階層(最上層)の温度制御ブロック24Hの入力温度モード変換ブロック20Hには、その下層である第2階層の2つの温度制御ブロック24M−1,24M−2の入力温度モード変換ブロック20M−1,20M−2からの平均温度GPV1−M,GPV1−Mが入力され、温度制御ブロック24Hの前置補償ブロック23Hの制御出力が、温度制御ブロック24M−1,24M−2の目標温度モード変換ブロック21M−1,21M−2に目標温度として与えられる。
第2階層の2つの温度制御ブロック24M−1,24M−2の入力温度モード変換ブロック20M−1,20M−2には、その下層である第3階層(最下層)のそれぞれ4つの温度制御ブロック24L−1〜24L−4,24L−1〜24L−4の各入力温度モード変換ブロック20L−1,20L−2からの平均温度GPV1−Lが入力され、各温度制御ブロック24M−1,24M−2の前置補償ブロック23M−1,23M−2の制御出力が、それぞれ4つの温度制御ブロック24L−1〜24L−4,24L−1〜24L−4の各目標温度モード変換ブロック21L−1,21L−2に目標温度として与えられる。
第3階層の8つの温度制御ブロック24L−1〜24L−4,24L−1〜24L−4の各入力温度モード変換ブロック20L−1,20L−2には、制御対象の温度を検出する温度センサからの検出温度が入力され、各温度制御ブロック24L−1〜24L−4,24L−1〜24L−4の各前置補償ブロック23L−1,23L−2は、操作量を配分してヒータの通電を制御するSSR等に制御出力として与える。
以上のようにして、ファンクションブロックを用いたプログラミングによって、3階層以上の階層構造とすることができ、容易に多チャンネル化に対応できるとともに、高精度の傾斜温度が可能となる。
上述の実施形態では、ループコントローラに適用して説明したけれども、本発明は、ループコントローラに限らず、例えば、傾斜温度制御を行なう温度調節器の複数を階層化して温度制御装置を構成してもよい。
本発明は、温度制御に有用である。
図1は、本発明に係るループコントローラを備えるプログラマブルコントローラによる温度制御の概略構成を示す図である。 図2は、図1のループコントローラの内部構成を示す図である。 図3は、傾斜温度を行なう温度制御ブロックの構成例を示す図である。 図4は、傾斜温制御の階層化を説明するための図である。 図5は、2層に階層化した構成例を示すブロック図である。 図6は、3層に階層化した構成例を示す図である。 図7は、傾斜温度制御の構成例を示す図である。 図8は、従来の課題を説明するための図である。
符号の説明
4 ループコントローラ
7 熱板
20 入力温度モード変換ブロック
21 目標温度モード変換ブロック
22 PID制御ブロック
23 前置補償ブロック
24 温度制御ブロック

Claims (6)

  1. 複数の入力温度を、複数の入力温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度に変換し、変換した傾斜温度と代表温度とを制御量として制御出力をそれぞれ与える複数の温度制御手段を階層化して制御対象の温度を制御する方法であって、
    前記各温度制御手段は、複数の入力温度を、前記傾斜温度および前記代表温度に変換し、設定される目標温度または上層の温度制御手段からの前記制御出力を、目標傾斜温度および目標代表温度に変換し、前記それぞれ変換された前記傾斜温度と前記目標傾斜温度との偏差または前記それぞれ変換された前記代表温度と前記目標代表温度との偏差に基づいて操作信号を出力し、前記操作信号を前記制御出力として配分し、
    前記階層化した複数の温度制御手段の下層の温度制御手段の前記代表温度を、上層の温度制御手段の前記入力温度とする一方、上層の温度制御手段からの制御出力を、下層の温度制御手段の目標温度とし、前記制御対象からの検出温度を、最下層の温度制御手段の前記入力温度とするとともに、該最下層の温度制御手段からの制御出力によって前記制御対象の温度を制御することを特徴とする温度制御方法。
  2. 前記傾斜温度が、前記複数の入力温度の温度差であり、前記代表温度が、前記複数の入力温度の平均温度である請求項1に記載の温度制御方法。
  3. 複数の入力温度を、複数の入力温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度に変換し、変換した傾斜温度と代表温度とを制御量として制御出力をそれぞれ与える複数の温度制御手段を階層化して制御対象の温度を制御する装置であって、
    前記各温度制御手段は、複数の入力温度を、前記傾斜温度および前記代表温度に変換する入力温度変換部と、設定される目標温度または上層の温度制御手段からの前記制御出力を、目標傾斜温度および目標代表温度に変換する目標温度変換部と、前記両変換部でそれぞれ変換された前記傾斜温度と前記目標傾斜温度との偏差または前記両変換部でそれぞれ変換された前記代表温度と前記目標代表温度との偏差に基づいて操作信号を出力する制御部と、前記制御部からの操作信号を前記制御出力として配分する配分部とを含み、
    前記階層化した複数の温度制御手段の下層の温度制御手段の前記入力温度変換部からの前記代表温度を、上層の温度制御手段の前記入力温度変換部の前記入力温度とする一方、上層の温度制御手段の前記配分部からの制御出力を、下層の温度制御手段の前記目標温度変換部の入力とし、前記制御対象からの検出温度を、最下層の温度制御手段の前記入力温度変換部の前記入力温度とするとともに、該最下層の温度制御手段の前記配分部からの制御出力によって前記制御対象の温度を制御することを特徴とする温度制御装置。
  4. 前記傾斜温度が、前記複数の入力温度の温度差であり、前記代表温度が、前記複数の入力温度の平均温度である請求項に記載の温度制御装置。
  5. プログラマブルコントローラにおいて実行されるプログラムのプログラミングに用いることができるファンクションブロックを備えるループコントローラであって、
    複数の温度制御ブロックを、前記ファンクションブロックによってそれぞれ構成して階層化できるものであり、
    前記温度制御ブロックを構成する前記ファンクションブロックは、複数の入力温度を、複数の入力温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度に変換する入力温度変換ブロックと、設定される目標温度または前記階層化された上層の温度制御ブロックからの制御出力を、目標傾斜温度および目標代表温度に変換する目標温度変換ブロックと、前記両変換ブロックでそれぞれ変換された前記傾斜温度と前記目標傾斜温度との偏差または前記両変換ブロックでそれぞれ変換された前記代表温度と前記目標代表温度との偏差に基づいて操作信号を出力する制御ブロックと、前記制御ブロックからの操作信号を制御出力として配分する配分ブロックとを含み、
    前記階層化した複数の温度制御ブロックの上層の温度制御ブロックの前記入力温度変換ブロックには、複数の下層の温度制御ブロックの各入力温度変換ブロックでそれぞれ変換された複数の前記代表温度を、前記複数の入力温度として入力する一方、該上層の温度制御ブロックの前記配分ブロックで配分した複数の制御出力を、前記下層の複数の温度制御ブロックの前記目標温度変換ブロックに入力し、最下層の温度制御ブロックの前記入力温度変換ブロックには、制御対象からの検出温度を前記入力温度として入力する一方、該最下層の温度制御ブロックの前記配分ブロックで配分した制御出力によって前記制御対象の温度を制御することを特徴とするループコントローラ。
  6. 前記傾斜温度が、前記複数の入力温度の温度差であり、前記代表温度が、前記複数の入力温度の平均温度である請求項に記載のループコントローラ。
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