JP5183387B2 - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、制御対象を空間的に分割した複数のゾーンをそれぞれ制御する複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御装置および制御方法に関するものである。
大規模あるいは中規模の空間を対象とした空調システムや、複数の加熱エリアを持つ加熱処理装置では、空間や加熱エリアを複数のゾーンに分割し、個々のゾーンにシングルループの制御系を形成して、温度制御や湿度制御を行う。このような温度制御や湿度制御においては、制御対象の状態量として制御量PVと、その状態量に対する目標数値として設定値SPと、制御量PVを設定値SPに制御するための制御指令として操作量MVとが、コントローラにより処理される。このとき、操作量MVと制御量PVとの関係は、その制御系において採用されるアクチュエータや制御対象の特性に依存して非線形な関係になる。そのようないわゆる非線形な制御系であっても、線形な制御手法(例えばPID)が広く利用されている。
空間や加熱エリアを複数のゾーンに分割し、個々のゾーンにシングルループの制御系を形成する場合、各制御系の制御量PVは必ずしも同一の速度で変化するものではない。各制御系の制御量変化に速度差がある場合、最も変化の遅い最遅制御系以外の制御系の応答が最遅制御系の応答よりも速く進むため、最遅制御系以外の制御系のコントローラは最遅制御系の応答が完了するまで整定状態を維持しつつ待機しなければならない。したがって、これらのコントローラでは、応答完了後の整定状態を維持しつつ待機する整定待機時間が発生し、この整定待機時間の分だけエネルギー消費量が大きくなるという問題があった。
そこで、特許文献1に開示された制御方法では、制御量変化が最も遅い第1制御ループのステップ応答の進捗度を算出し、第1制御ループ以外の他の制御ループの制御量が第1制御ループの制御量に同期して自動的に変化するように、他の制御ループの設定値をステップ応答の進捗度に基づいて補正してコントローラに与えるようにしている。これにより、特許文献1に開示された制御方法では、他の制御ループのコントローラの整定待機時間を削減し、省エネルギーを実現している。
特開2002−049406号公報
操作量MVと制御量PVとの関係が非線形な関係であって、この非線形性の程度が大きくなると、いわゆる強非線形系になる。強非線形系では、操作量MVが大きくなると、制御量PVを変化させる影響力が小さくなる。すなわち、制御量PVに対する操作量MVの影響力が飽和する状態となる。この状態を操作量MVと制御量PVとの関係で図示すると、例えば図20(A)、図20(B)に示すような関係になる。図20(A)は暖房・加熱制御の場合、図20(B)は冷房・冷却制御の場合である。図20(A)、図20(B)によれば、操作量MVが大きくなるほど、操作量MVの変化ΔMVに対する制御量PVの変化ΔPVが小さくなっていることが分かる。
強非線形系においては、操作量MVが大きいほど、制御量PVの変化ΔPVに対する効果が小さくなるので、結果的にエネルギー効率が落ちるという問題点があった。つまり、操作量MVが大きいことはエネルギー消費量の点では不利なわけであるが、制御量PVを設定値SPに近づけるためには必要なエネルギーであり、エネルギー消費量を抑えることはできない。操作量MVを小さくすれば、エネルギー消費量を抑えることができるが、この場合には制御量PVを所望の設定値SPに近づけることが難しくなる。
特許文献1に開示された制御方法では、制御の過渡状態のエネルギー消費量を改善することができるが、制御の整定状態は改善の対象にはなっておらず、整定状態のエネルギー消費量を抑制することはできない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、マルチループの制御系において制御量を設定値に近づける特性を完全に犠牲にしてしまうことは避けつつ、過渡状態、整定状態に関係なくエネルギー消費量を抑制することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、制御対象を空間的に分割した複数のゾーンをそれぞれ制御する複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御装置において、各制御ループの制御量PVとこれに対応する各制御ループの設定値SPとの偏差に基づいて操作量を制御ループ毎に算出する複数の制御演算手段と、算出された複数の前記操作量のうち、特定の第1の操作量と他の第2の操作量との操作量差を算出する操作量差算出手段と、前記操作量差の絶対値が規定値Δを超える場合に前記操作量差の絶対値が小さくなるように、制御対象に出力する前記第1の操作量と第2の操作量のうち少なくとも一方を変更する操作量変更手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量差算出手段は、前記第1の操作量と第2の操作量の各々にダンピング処理を行うダンピング処理手段と、前記ダンピング処理後の第1の操作量からダンピング処理後の第2の操作量を減算して前記操作量差を算出する減算手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、一方のゾーンについてのみ設けられ、前記操作量差算出手段は、前記一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、前記操作量変更手段は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に設けられ、各操作量差算出手段は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、各操作量変更手段は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第2の操作量を、前記第1の操作量に規定値Δを加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に設けられ、各操作量差算出手段は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、各操作量変更手段は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第1の操作量と第2の操作量との平均値からΔ/2を減算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値からΔ/2を減算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つ以上に分割する場合に、ゾーン毎に設けられ、各操作量差算出手段は、制御対象のゾーンの操作量を前記第1の操作量、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の平均値を前記第2の操作量として、前記操作量差をゾーン毎に算出し、各操作量変更手段は、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記第2の操作量は、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の加重平均値である。
また、本発明の制御方法は、各制御ループの制御量PVとこれに対応する各制御ループの設定値SPとの偏差に基づいて操作量を制御ループ毎に算出する制御演算手順と、算出された複数の前記操作量のうち、特定の第1の操作量と他の第2の操作量との操作量差を算出する操作量差算出手順と、前記操作量差の絶対値が規定値Δを超える場合に前記操作量差の絶対値が小さくなるように、制御対象に出力する前記第1の操作量と第2の操作量のうち少なくとも一方を変更する操作量変更手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記操作量差算出手順は、前記第1の操作量と第2の操作量の各々にダンピング処理を行うダンピング処理手順と、前記ダンピング処理後の第1の操作量からダンピング処理後の第2の操作量を減算して前記操作量差を算出する減算手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、一方のゾーンについてのみ実行され、前記操作量差算出手順は、前記一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、前記操作量変更手順は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に実行され、各操作量差算出手順は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、各操作量変更手順は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第2の操作量を、前記第1の操作量に規定値Δを加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に実行され、各操作量差算出手順は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、各操作量変更手順は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第1の操作量と第2の操作量との平均値からΔ/2を減算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値からΔ/2を減算した値に変更することを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例において、前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つ以上に分割する場合に、ゾーン毎に実行され、各操作量差算出手順は、制御対象のゾーンの操作量を前記第1の操作量、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の平均値を前記第2の操作量として、前記操作量差をゾーン毎に算出し、各操作量変更手順は、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とするものである。
本発明によれば、複数の制御演算手段と操作量差算出手段と操作量変更手段とを設け、操作量差の絶対値が規定値を超える場合に操作量差の絶対値が小さくなるように、制御対象に出力する第1の操作量と第2の操作量のうち少なくとも一方を変更することにより、マルチループの制御系において制御量を設定値に近づける特性を完全に犠牲にしてしまうことは避けつつ、過渡状態、整定状態に関係なくエネルギー消費量を抑制することができる。本発明は、特にゾーン間に制御量の干渉があるような制御対象に有効である。
また、本発明では、操作量差算出手段にダンピング処理手段を設けることにより、操作量の高周波のふらつきを削減することができる。
[発明の原理]
大規模あるいは中規模の空間を対象とした空調システムや、複数の加熱エリアを持つ加熱処理装置では、空間や加熱エリアを複数のゾーンに分割し、個々のゾーンにシングルループの制御系を形成して、温度制御や湿度制御を行う。このような構成は、全体として見れば、マルチループの制御系を形成していることになる。通常、マルチループの制御系では、ゾーン間に温度干渉のような状態量干渉が発生することに特徴がある。この状態量干渉を利用し、操作量差を小さくする操作を与えることで、制御量PVを設定値SPに近付ける特性を完全に犠牲にしてしまうことは避けながらも、エネルギー的な不利を緩和することが可能になることに、発明者は着眼した。
図1は本発明の原理を説明するためのフローチャートである。ここでは、対象となる空間を2つのゾーンZ1,Z2に分割して冷房・冷却制御を行う場合について説明する。
ゾーンZ1の操作量MV1とゾーンZ2の操作量MV2(MV1>MV2)に対して、操作量差δMV(=MV1−MV2)を小さくするために、大きい方の操作量MV1を小さくする(ステップS1)。
ゾーンZ1の操作量MV1が下がったことにより、ゾーンZ1の制御量(温度)PV1は上昇する(ステップS2)。
ゾーンZ1とZ2との間には温度干渉があるので、ゾーンZ2にも影響が発生し、ゾーン2の制御量(温度)PV2は上昇する(ステップS3)。
ゾーン2の制御量PV2が上昇したことにより、制御量PV2をゾーンZ2の設定値SP2に維持するために、ゾーンZ2の操作量MV2は上昇する方向に算出される(ステップS4)。このゾーンZ2の操作量MV2の増加により、操作量MV1が小さく補正されたゾーンZ1の制御量PV1の変化は緩和される。
このとき、温度干渉があるので、ゾーンZ1,Z2の制御量(温度)PV1,PV2が上昇したとしても、ゾーンZ1,Z2の実質温度(室温)RT1,RT2は元の設定値SP1,SP2から大きく逸脱することはない。そして、エネルギー効率の悪い大きい側の操作量であった操作量MV1が小さめ方向にdMV1だけ制御され、エネルギー効率の良い小さい側の操作量であった操作量MV2は大きめ方向にdMV2(dMV1>dMV2)だけ制御されることになる。全体として考えると、エネルギー効率の良い小さい側への変化分の方が多いので、エネルギー消費量を抑制することができる。
以上の動作を実現するために、操作量差δMVを算出し、操作量差δMVの絶対値が規定値以下になるように操作量を変更して制御対象(実際の出力先は空調機のバルブや加熱処理装置のヒータなどのアクチュエータ)に出力すればよいことに、発明者は想到した。この方法では、特に操作量の大きい側を重視することが好適である。
なお、操作量差δMVを小さくするために、小さい方の操作量を大きくしてもよい。この場合は、ゾーン干渉により大きい方の操作量が小さめ方向に制御される。つまり、エネルギー効率の低いゾーンは、結果的にエネルギー効率の良い方向(操作量MVの小さい側)に修正される。これにより、全体として考えると、エネルギー効率が改善されるので、エネルギー消費量を抑制することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図である。
1は空調制御の対象となる空間、Z1,Z2は空間1を分割した2つのゾーン、2−1,2−2はゾーンZ1,Z2毎に温度制御を行うコントローラ、3はコントローラ2−1からゾーンZ1に出力される操作量MV1をMV1’に変更する連携動作演算部、4−1,4−2はゾーンZ1,Z2の制御量PV1,PV2を計測するセンサ、5−1,5−2はゾーンZ1,Z2に冷温風を供給する空調機、6−1,6−2はゾーンZ1,Z2の冷温風出口である。
空調機5−1,5−2は、例えば冷温水を供給する熱源と、熱源から供給される冷温水の流量を調節するバルブ(アクチュエータ)と、バルブを通して送られてきた冷温水により空気を冷却または加熱するコイルと、冷却または加熱された空気を送り出す送風機等から構成される。
本実施の形態は、中規模の空間1を2つのゾーンZ1,Z2に分けて温度制御を行なうものである。この場合、通常のシングルループの制御系を2ループ構成する。
図3に本実施の形態の空調システムで用いる制御装置の構成を示す。制御装置は、シングルループの制御系を構成するための構成要素であるコントローラ2−1,2−2と、連携動作演算部3とからなる。
コントローラ2−1は、例えばゾーンZ1の居住者によって設定された設定値SP1を入力する設定値SP入力部20−1と、センサ4−1によって計測されたゾーンZ1の制御量PV1を入力する制御量PV入力部21−1と、設定値SP1と制御量PV1に基づいて操作量MV1を算出する制御演算手段となるPID演算部22−1と、操作量MV1を連携動作演算部3に出力すると共に、変更された操作量MV1’をゾーンZ1の空調機5−1に出力する操作量MV出力部23−1とを備える。
同様に、コントローラ2−2は、ゾーンZ2の居住者によって設定された設定値SP2を入力する設定値SP入力部20−2と、センサ4−2によって計測されたゾーンZ2の制御量PV2を入力する制御量PV入力部21−2と、設定値SP2と制御量PV2に基づいて操作量MV2を算出する制御演算手段となるPID演算部22−2と、操作量MV2をゾーンZ2の空調機5−2と連携動作演算部3に出力する操作量MV出力部23−2とを備える。
連携動作演算部3は、制御対象のゾーン以外の他のゾーンの操作量を受ける比較操作量入力部30−1と、操作量差δMVを算出する操作量差算出部31−1と、操作量差δMVに基づいて操作量MV1を変更する操作量変更部32−1とを備える。
本実施の形態では、操作量MV2をマスター操作量とし、操作量MV1を変更の対象となるスレーブ操作量としており、スレーブ操作量MV1に関してのみ、比較操作量入力部30−1と操作量差算出部31−1と操作量変更部32−1とが設けられる。
図4に、本実施の形態における制御系のブロック線図を示す。P1はゾーンZ1の制御対象、P2はゾーンZ2の制御対象であり、PID演算部22−1,22−2と操作量MV出力部23−1,23−2と共にフィードバック制御系が個々のゾーンZ1,Z2毎に形成される。すなわち、制御対象P1とPID演算部22−1と操作量MV出力部23−1とからなるフィードバック制御系がゾーンZ1に形成され、制御対象P2とPID演算部22−2と操作量MV出力部23−2とからなるフィードバック制御系がゾーンZ2に形成される。
SP1はゾーンZ1の設定値、PV1はゾーンZ1の制御量であり、本実施の形態ではどちらも温度である。同様に、SP2はゾーンZ2の設定値、PV2はゾーンZ2の制御量であり、本実施の形態ではどちらも温度である。MV1はPID演算部22−1が算出する、ゾーン1の操作量であり、MV2はPID演算部22−2が算出する、ゾーン2の操作量である。操作量MV1がスレーブ操作量,操作量MV2がマスター操作量として予め規定されており、スレーブ操作量MV1が変更の対象になる。
操作量差算出部31−1と操作量変更部32−1とは、操作量差δMVを算出し、操作量差δMVに応じてスレーブ操作量MV1を変更し、変更後のスレーブ操作量MV1’を操作量MV出力部23−1に帰還させる連携制御系を構成している。
操作量MV出力部23−2は、PID演算部22−2によって算出された操作量MV2を制御対象P2と連携動作演算部3に出力する。一方、操作量MV出力部23−1は、PID演算部22−1によって算出された操作量MV1を連携動作演算部3に出力し、連携動作演算部3によって変更された操作量MV1’を制御対象P1に出力する。
図5に、本実施の形態における好適な制御系のブロック線図を示す。図5は、図4に示した制御系のより好適かつ詳細な構成を示している。
ダンピング処理部310,311は、操作量MV1,MV2の高周波のふらつきを削減するための構成要素である。ダンピング処理部310,311は、例えば1次遅れの時間遅れ特性のローパスフィルタで実現すればよい。ゾーンZ1のダンピング処理の時定数をT1、ゾーンZ2のダンピング処理の時定数をT2、ラプラス演算子をsとすると、ダンピング処理部310の伝達関数は1/(1+T1s)、ダンピング処理部311の伝達関数は1/(1+T2s)となる。
減算部312は、ダンピング処理後の操作量MV1とMV2との差である操作量差δMVを次式のように算出する。
δMV=MV1−MV2 ・・・(1)
操作量変更部32−1は、操作量差δMVが規定値(−Δ)以下か規定値Δ以上の場合に、操作量差δMVの絶対値が小さくなるように操作量を変更するための構成要素である。操作量変更部32−1は、具体的には以下の処理を実行する。
If δMV≦−Δ Then MV1’=MV2−Δ ・・・(2)
If δMV≧Δ Then MV1’=MV2+Δ ・・・(3)
すなわち、操作量変更部32−1は、操作量MV1がMV2より大きく、操作量差δMVが規定値Δ以上の場合、変更後のスレーブ操作量MV1’をMV2+Δとする。これにより、例えば規定値Δが40%である場合、操作量MV1が95%、操作量MV2が25%であれば、変更後のスレーブ操作量MV1’は65%となる。また、操作量変更部32−1は、操作量MV2がMV1より大きく、操作量差δMVが規定値(−Δ)以下の場合、変更後のスレーブ操作量MV1’をMV2−Δとする。このような操作量MV1の変更により、操作量差δMVの絶対値は規定値Δ以下に制限される。なお、操作量変更部32−1は、操作量差δMVが規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV1をそのまま操作量MV1’として出力する。
以下、本実施の形態の制御装置の動作を説明する。図6は制御装置の動作を示すフローチャートである。
設定値SP1は、例えばゾーンZ1の居住者によって設定され、コントローラ2−1の設定値SP入力部20−1を介してPID演算部22−1に入力される(ステップS100)。設定値SP2は、例えばゾーンZ2の居住者によって設定され、コントローラ2−2の設定値SP入力部20−2を介してPID演算部22−2に入力される(ステップS101)。
制御量PV1は、センサ4−1によって計測され、コントローラ2−1の制御量PV入力部21−1を介してPID演算部22−1に入力される(ステップS102)。制御量PV2は、センサ4−2によって計測され、コントローラ2−2の制御量PV入力部21−2を介してPID演算部22−2に入力される(ステップS103)。
PID演算部22−1は、設定値SP1と制御量PV1に基づいて、次式のようなPID制御演算を行って操作量MV1を算出し(ステップS104)、PID演算部22−2は、設定値SP2と制御量PV2に基づいて操作量MV2を算出する(ステップS105)。
MV1=Kg1{1+(1/Ti1s)+Td1s}(SP1−PV1)
・・・(4)
MV2=Kg2{1+(1/Ti2s)+Td2s}(SP2−PV2)
・・・(5)
式(4)、式(5)において、Kg1,Kg2は比例ゲイン、Ti1,Ti2は積分時間、Td1,Td2は微分時間である。
操作量MV出力部23−1,23−2は、PID演算部22−1,22−2から出力された操作量MV1,MV2を連携動作演算部3に出力する。なお、冷房・冷却時には、PID演算部22−1,22−2は、算出した操作量MV1,MV2をそれぞれ反転させた上で出力する。すなわち、0%の操作量MVを100%とし、100%の操作量MVを0%とするといったように反転させて出力する。
連携動作演算部3の操作量差算出部31−1は、コントローラ2−1から出力された操作量MV1を受け取ると共に、コントローラ2−2から出力された操作量MV2を比較操作量入力部30−1を介して受け取る。
操作量差算出部31−1内のダンピング処理部310,311は、それぞれ操作量MV1,MV2をダンピング処理する(ステップS106)。続いて、操作量差算出部31−1内の減算部312は、ダンピング処理後の操作量MV1とMV2とから操作量差δMVを式(1)のように算出する(ステップS107)。
次に、操作量変更部32−1は、スレーブ操作量MV1をMV1’に変更する操作量変更を行う(ステップS108)。図7は操作量変更部32−1による操作量変更処理を示すフローチャートである。操作量変更部32−1は、操作量差δMVが規定値(−Δ)以下の場合(ステップS200においてYES)、式(2)のようにスレーブ操作量MV1’をMV2−Δとする(ステップS201)。また、操作量変更部32−1は、操作量差δMVが規定値Δ以上の場合(ステップS202においてYES)、式(3)のようにスレーブ操作量MV1’をMV2+Δとする(ステップS203)。なお、操作量変更部32−1は、操作量差δMVが規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV1をそのまま操作量MV1’として出力する(ステップS204)。
操作量MV出力部23−1は、操作量変更部32−1から出力された操作量MV1’を空調機5−1のアクチュエータに出力し(ステップS109)、操作量MV出力部23−2は、PID演算部22−2から出力された操作量MV2を空調機5−2のアクチュエータに出力する(ステップS110)。
以上のようなステップS100〜S110の処理が例えば空調システムのオペレータによって制御の終了が指示されるまで(ステップS111においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
図8は、従来の空調システムと本実施の形態の空調システムの冷房・冷却時の数値例を示す図である。図8(A)に示すように、例えばゾーンZ1の設定値SP1とゾーンZ2の設定値SP2がともに25.0℃であるとき、ゾーンZ1の制御量PV1とゾーンZ2の制御量PV2はともに25.0℃に制御される。このとき、ゾーン間に温度干渉があったとしても、ゾーンZ1の実質温度(室温)RT1とゾーンZ2の実質温度(室温)RT2はともに25.0℃になる。
ゾーンZ1の操作量MV1が95.0%でゾーンZ2の操作量MV2が25.0%であったとすると、従来の空調システムでは、操作量差δMVが70.0%(95.0−25.0%)のまま維持されることになる。このように、ゾーンZ1の操作量MV1が95.0%という極めて高い値になっていることが、エネルギー消費量が大きくなる要因になる。
一方、図8(A)に示した状況に対して本実施の形態を適用すると、操作量差δMV=70.0%(95.0−25.0%)に対して、例えば規定値Δが40%の操作量変更処理が実行され、操作量MV1’が65.0%(25.0+40.0%)になる(図8(B))。操作量MV1’が65.0%になることは冷房効果が下がる側に補正されたことを意味する。
操作量MV1’が65.0%に下降したことにより、ゾーンZ1の制御量PV1は結果的に26.0℃に上昇する(図8(C))。ゾーン間の干渉によりゾーンZ2の制御量PV2も上昇しようとするので、制御量PV2を設定値SP2=25.0℃に維持するために、ゾーンZ2のPID演算部22−2は操作量MV2を上昇させる。このとき、操作量MVと制御量PVとの間には図20(B)に示したような非線形な関係があり、またゾーンZ2の操作量MV2に比べてゾーンZ1の操作量MV1’の方が大きいので、制御量PV1を1度上げるための操作量MV1’の変化分と、制御量PV2を1度下げるための操作量MV2の変化分とを比べると、操作量MV2の変化分の方が小さい。例えば操作量MV2は45.0%になるというように、エネルギー効率の悪い側の操作量MV1’が小さめ方向にdMV1=30.0%だけ制御され、エネルギー効率の良い側の操作量MV2は大きめ方向にdMV2=20.0%(dMV1>dMV2)だけ制御される。
ゾーンZ1とZ2との間には温度干渉があるので、ゾーンZ1の実質温度(室温)RT1は例えば25.7℃になり、ゾーンZ2の実質温度(室温)RT2は例えば25.3℃になる。最終的には、エネルギー消費量の抑制効果が得られる適度な平衡点に収束する。
このように、本実施の形態では、ゾーン干渉と、操作量MVと制御量PVとの非線形性を利用することで、制御量PVを設定値SPに近づける特性を完全に犠牲にしてしまうことは避けながらも、エネルギー消費量を抑制することが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図であり、図10は図9の空調システムで用いる制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、中規模の空間1を2つのゾーンZ1,Z2に分けて温度制御を行なうものである。
制御装置は、コントローラ2a−1,2a−2と、連携動作演算部3aとからなる。
コントローラ2a−1,2a−2は、設定値SP入力部20−1,20−2と、制御量PV入力部21−1,21−2と、PID演算部22−1,22−2と、操作量MV出力部23a−1,23a−2とを、それぞれゾーンZ1,Z2毎に備える。
連携動作演算部3aは、比較操作量入力部30a−1,30a−2と、操作量差算出部31a−1,31a−2と、操作量変更部32a−1,32a−2とを、それぞれゾーンZ1,Z2毎に備える。
図11に、本実施の形態における制御系のブロック線図を示す。第1の実施の形態と同様に、制御対象P1とPID演算部22−1と操作量MV出力部23a−1とからなるフィードバック制御系がゾーンZ1に形成され、制御対象P2とPID演算部22−2と操作量MV出力部23a−2とからなるフィードバック制御系がゾーンZ2に形成される。
本実施の形態では、マスター、スレーブの規定はなく、操作量MV1,MV2のうち大きい方を変更する。
操作量差算出部31a−1,31a−2と操作量変更部32a−1,32a−2とは、操作量差δMVを算出し、操作量差δMVに応じて操作量MV1,MV2のうち大きい方を変更し、変更後の操作量MV1’,MV2’を操作量MV出力部23a−1,23a−2に帰還させる連携制御系を構成している。
操作量MV出力部23a−1は、PID演算部22−1によって算出された操作量MV1を連携動作演算部3aに出力し、連携動作演算部3aによって変更された操作量MV1’を制御対象P1に出力する。操作量MV出力部23a−2は、PID演算部22−2によって算出された操作量MV2を連携動作演算部3aに出力し、連携動作演算部3aによって変更された操作量MV2’を制御対象P2に出力する。
図12に、本実施の形態における好適な制御系のブロック線図を示す。図12は、図11に示した制御系のより好適かつ詳細な構成を示している。
操作量差算出部31a−1,31a−2内のダンピング処理部310,311と減算部312の動作は、第1の実施の形態と同様である。
操作量変更部32a−1は、式(6)に示すように操作量MV1がMV2より大きく、操作量差δMVが規定値Δ以上の場合、変更後の操作量MV1’をMV2+Δとする。なお、操作量変更部32a−1は、操作量差δMVが規定値Δより小さい場合は、操作量MV1をそのまま操作量MV1’として出力する。
If δMV≧Δ Then MV1’=MV2+Δ ・・・(6)
一方、操作量変更部32a−2は、式(7)に示すように操作量MV2がMV1より大きく、操作量差δMVが規定値(−Δ)以下の場合、変更後の操作量MV2’をMV1+Δとする。なお、操作量変更部32a−1は、操作量差δMVが規定値(−Δ)より大きい場合は、操作量MV2をそのまま操作量MV2’として出力する。
If δMV≦−Δ Then MV2’=MV1+Δ ・・・(7)
以上のような操作量MV1,MV2の変更により、操作量差δMVの絶対値は規定値Δ以下に制限される。
以下、本実施の形態の制御装置の動作を説明する。図13は制御装置の動作を示すフローチャートである。
図13のステップS300〜S305の処理は、第1の実施の形態のステップS100〜S105と同じである。
操作量差算出部31a−1内のダンピング処理部310,311は、それぞれ操作量MV1,MV2をダンピング処理し(ステップS306)、同様に操作量差算出部31a−2内のダンピング処理部310,311は、それぞれ操作量MV1,MV2をダンピング処理する(ステップS307)。
操作量差算出部31a−1内の減算部312は、ダンピング処理後の操作量MV1とMV2とから操作量差δMVを式(1)のように算出し(ステップS308)、同様に、操作量差算出部31a−2内の減算部312は、ダンピング処理後の操作量MV1とMV2とから操作量差δMVを算出する(ステップS309)。
次に、操作量変更部32a−1は、操作量差δMVが規定値Δ以上の場合は、式(6)に示すように変更後の操作量MV1’をMV2+Δとし、操作量差δMVが規定値Δより小さい場合は、操作量MV1をそのまま操作量MV1’として出力する(ステップS310)。
一方、操作量変更部32a−2は、操作量差δMVが規定値(−Δ)以下の場合は、式(7)に示すように変更後の操作量MV2’をMV1+Δとし、操作量差δMVが規定値(−Δ)より大きい場合は、操作量MV2をそのまま操作量MV2’として出力する(ステップS311)。
操作量MV出力部23a−1は、操作量変更部32a−1から出力された操作量MV1’を空調機5−1のアクチュエータに出力し(ステップS312)、操作量MV出力部23a−2は、操作量変更部32a−2から出力された操作量MV2’を空調機5−2のアクチュエータに出力する(ステップS313)。
以上のようなステップS300〜S313の処理が例えば空調システムのオペレータによって制御の終了が指示されるまで(ステップS314においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
こうして、本実施の形態のようにマスター、スレーブを規定しない場合においても、操作量MV1,MV2のうち大きい方の値が小さくなるように変更することにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
第2の実施の形態では、操作量MV1,MV2のうち大きい方を変更したが、操作量MV1,MV2の両方を変更してもよい。この場合、操作量変更部32a−1は、式(8)に示すように操作量差δMVが規定値Δ以上の場合、変更後の操作量MV1’を(MV1+MV2)/2+Δ/2とし、操作量変更部32a−2は、変更後の操作量MV2’を(MV1+MV2)/2−Δ/2とすればよい。
If δMV≧Δ Then MV1’=(MV1+MV2)/2+Δ/2
MV2’=(MV1+MV2)/2−Δ/2
・・・(8)
また、操作量変更部32a−1は、式(9)に示すように操作量差δMVが規定値(−Δ)以下の場合、変更後の操作量MV1’を(MV1+MV2)/2−Δ/2とし、操作量変更部32a−2は、変更後の操作量MV2’を(MV1+MV2)/2+Δ/2とすればよい。
If δMV≦−Δ Then MV1’=(MV1+MV2)/2−Δ/2
MV2’=(MV1+MV2)/2+Δ/2
・・・(9)
また、操作量変更部32a−1,32a−2は、操作量差δMVが規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV1,MV2をそれぞれ操作量MV1’,MV2’としてそのまま出力すればよい。以上のような操作量MV1,MV2の変更により、操作量差δMVの絶対値は規定値Δ以下に制限される。
その他の構成は第2の実施の形態と同じである。
本実施の形態は、マスター、スレーブを規定せずに、平均操作量(MV1+MV2)/2を中心に、操作量差を規定値に制限するように規定するものである。こうして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図14は本発明の第4の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図である。
1bは空調制御の対象となる空間、Z1〜Z6は空間1bを分割した6つのゾーン、2a−1〜2a−6はゾーンZ1〜Z6毎に温度制御を行うコントローラ、3bは連携動作演算部、4−1〜4−6はゾーンZ1〜Z6の制御量PV1〜PV6を計測するセンサ、5−1〜5−6はゾーンZ1〜Z6に冷温風を供給する空調機、6−1〜6−6はゾーンZ1〜Z6の冷温風出口である。
本実施の形態は、大規模の空間1bを6つのゾーンZ1〜Z6に分けて温度制御を行なうものである。この場合、通常のシングルループの制御系を6ループ構成する。
図15に本実施の形態の空調システムで用いる制御装置の構成を示す。制御装置は、コントローラ2a−1〜2a−6と、連携動作演算部3bとからなる。
コントローラ2a−1〜2a−6は、設定値SP入力部20−1〜20−6と、制御量PV入力部21−1〜21−6と、PID演算部22−1〜22−6と、操作量MV出力部23a−1〜23a−6とを、それぞれゾーンZ1〜Z6毎に備える。
連携動作演算部3bは、比較操作量入力部30b−1〜30b−6と、操作量差算出部31b−1〜31b−6と、操作量変更部32b−1〜32b−6とを、それぞれゾーンZ1〜Z6毎に備える。
図16に、本実施の形態における制御系のブロック線図を示す。第2の実施の形態と同様に、制御対象P1とPID演算部22−1と操作量MV出力部23a−1とからなるフィードバック制御系がゾーンZ1に形成される。その他のゾーンZ2〜Z6についても同様である。なお、図16では、ゾーンZ1の制御系のみを示し、他のゾーンZ2〜Z6の制御系については記載を省略している。
MVa1はゾーンZ1と隣接するゾーンの平均操作量である。図17に示すZ10を制御対象のゾーンとしたとき、隣接するゾーンとはゾーンZ12,Z14,Z15,Z17のことを言う。例えば図14におけるゾーンZ1の隣接ゾーンは、ゾーンZ2,Z4であり、ゾーンZ2の隣接ゾーンは、ゾーンZ1,Z3,Z5である。なお、隣接するゾーンの平均操作量MVa1は、単純な平均値に限るものではなく、隣接するゾーンの操作量の加重平均値としてもよい。この場合は、ゾーン間干渉の影響を考慮して、各操作量に乗算する加重を調整すればよい。
本実施の形態では、マスター、スレーブの規定はなく、ゾーン毎に制御対象のゾーンの操作量を変更する。
操作量差算出部31b−1と操作量変更部32b−1とは、操作量差δMV1を算出し、操作量差δMV1に応じて制御対象のゾーンZ1の操作量MV1を変更し、変更後の操作量MV1’を操作量MV出力部23a−1に帰還させる連携制御系を構成している。
図18に、本実施の形態における好適な制御系のブロック線図を示す。図18は、図16に示した制御系のより好適かつ詳細な構成を示している。
操作量差算出部31b−1内のダンピング処理部310の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
操作量差算出部31b−1内の平均操作量算出部313は、制御対象のゾーンZ1と隣接するゾーンの平均操作量MVa1を算出する。上記のようにゾーンZ1の隣接ゾーンがゾーンZ2,Z4であるとすれば、平均操作量MVa1は以下のようになる。
MVa1=(MV2+MV4)/2 ・・・(10)
上記のとおり、平均操作量MVa1は、隣接するゾーンの操作量の加重平均値でもよく、この場合、平均操作量MVa1は以下のようになる。
MVa1=(W2×MV2+W4×MV4)/(W2+W4) ・・・(11)
加重W2,W4は、それぞれゾーンZ2,Z4とゾーンZ1との間の制御量の干渉を考慮して調整すればよい。
ダンピング処理部314は、平均操作量MVa1の高周波のふらつきを削減するための構成要素である。ダンピング処理部314は、例えば1次遅れの時間遅れ特性のローパスフィルタで実現すればよい。平均操作量MVa1のダンピング処理の時定数をTaとすると、ダンピング処理部314の伝達関数は1/(1+Tas)となる。
減算部312aは、ダンピング処理後の操作量MV1と平均操作量MVa1との差である操作量差δMV1を次式のように算出する。
δMV1=MV1−MVa1 ・・・(12)
操作量変更部32b−1は、式(13)に示すように操作量差δMV1が規定値(−Δ)以下の場合、変更後の操作量MV1’をMVa1−Δとし、式(14)に示すように操作量差δMV1が規定値Δ以上の場合、変更後の操作量MV1’をMVa1+Δとする。
If δMV1≦−Δ Then MV1’=MVa1−Δ ・・・(13)
If δMV1≧Δ Then MV1’=MVa1+Δ ・・・(14)
これにより、例えば規定値Δが40%である場合、操作量MV1が95%、平均操作量MVa1が25%であれば、変更後の操作量MV1’は65%となる。なお、操作量変更部32b−1は、操作量差δMV1が規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV1をそのまま操作量MV1’として出力する。
ここまでゾーンZ1の処理について説明したが、他のゾーンについても同様の処理を行えばよい。
以下、本実施の形態の制御装置の動作を説明する。図19は制御装置の動作を示すフローチャートである。なお、図19では、記載を容易にするために、ゾーンZ1〜Z3の処理についてのみ記載している。
設定値SP1は、例えばゾーンZ1の居住者によって設定され、コントローラ2a−1の設定値SP入力部20−1を介してPID演算部22−1に入力される(ステップS400)。設定値SP2は、例えばゾーンZ2の居住者によって設定され、コントローラ2a−2の設定値SP入力部20−2を介してPID演算部22−2に入力される(ステップS401)。設定値SP3は、例えばゾーンZ3の居住者によって設定され、コントローラ2a−3の設定値SP入力部20−3を介してPID演算部22−3に入力される(ステップS402)。
制御量PV1は、センサ4−1によって計測され、コントローラ2a−1の制御量PV入力部21−1を介してPID演算部22−1に入力される(ステップS403)。制御量PV2は、センサ4−2によって計測され、コントローラ2a−2の制御量PV入力部21−2を介してPID演算部22−2に入力される(ステップS404)。制御量PV3は、センサ4−3によって計測され、コントローラ2a−3の制御量PV入力部21−3を介してPID演算部22−3に入力される(ステップS405)。
PID演算部22−1は、式(4)のようなPID制御演算を行って操作量MV1を算出する(ステップS406)。PID演算部22−2は、式(5)のようなPID制御演算を行って操作量MV2を算出する(ステップS407)。PID演算部22−3は、次式のようなPID制御演算を行って操作量MV3を算出する(ステップS408)。
MV3=Kg3{1+(1/Ti3s)+Td3s}(SP3−PV3)
・・・(15)
式(15)において、Kg3は比例ゲイン、Ti3は積分時間、Td3は微分時間である。そして、操作量MV出力部23a−1,23a−2,23a−3は、PID演算部22−1,22−2,22−3から出力された操作量MV1,MV2,MV3を連携動作演算部3bに出力する。なお、冷房・冷却時には、PID演算部22−1,22−2,22−3は、算出した操作量MV1,MV2,MV3をそれぞれ反転させた上で出力する。
連携動作演算部3bの操作量差算出部31b−1は、コントローラ2a−1から出力された操作量MV1を受け取ると共に、他のコントローラ2a−2〜2a−6から出力された操作量MV2〜MV6を比較操作量入力部30b−1を介して受け取る。操作量差算出部31b−2は、コントローラ2a−2から出力された操作量MV2を受け取ると共に、他のコントローラ2a−1,2a−3〜2a−6から出力された操作量MV1,MV3〜MV6を比較操作量入力部30b−2を介して受け取る。操作量差算出部31b−3は、コントローラ2a−3から出力された操作量MV3を受け取ると共に、他のコントローラ2a−1,2a−2,2a−4〜2a−6から出力された操作量MV1,MV2,MV4〜MV6を比較操作量入力部30b−3を介して受け取る。
操作量差算出部31b−1,31b−2,31b−3内のダンピング処理部310は、それぞれ操作量MV1,MV2,MV3をダンピング処理する(ステップS409,S410,S411)。操作量差算出部31b−1内の平均操作量算出部313は、制御対象のゾーンZ1と隣接するゾーンの平均操作量MVa1を式(10)または式(11)に示したように算出する(ステップS412)。
図14におけるゾーンZ2の隣接ゾーンは、ゾーンZ1,Z3,Z5である。操作量差算出部31b−2内の平均操作量算出部313は、制御対象のゾーンZ2と隣接するゾーンの平均操作量MVa2を次式のように算出する(ステップS413)。
MVa2=(MV1+MV3+MV5)/3 ・・・(16)
平均操作量MVa2を隣接ゾーンの操作量の加重平均値とする場合は、平均操作量MVa2は以下のようになる。
MVa2=(W1×MV1+W3×MV3+W5×MV5)/(W1+W3+W5)
・・・(17)
加重W1,W3,W5は、それぞれゾーンZ1,Z3,Z5とゾーンZ2との間の制御量の干渉を考慮して調整すればよい。
図14におけるゾーンZ3の隣接ゾーンは、ゾーンZ2,Z6である。操作量差算出部31b−3内の平均操作量算出部313は、制御対象のゾーンZ3と隣接するゾーンの平均操作量MVa3を次式のように算出する(ステップS414)。
MVa3=(MV2+MV6)/2 ・・・(18)
平均操作量MVa3を隣接ゾーンの操作量の加重平均値とする場合は、平均操作量MVa3は以下のようになる。
MVa3=(W2×MV2+W6×MV6)/(W2+W6)
・・・(19)
加重W2,W6は、それぞれゾーンZ2,Z6とゾーンZ3との間の制御量の干渉を考慮して調整すればよい。
操作量差算出部31b−1内のダンピング処理部314は、平均操作量MVa1をダンピング処理する(ステップS415)。操作量差算出部31b−2内のダンピング処理部314は、平均操作量MVa2をダンピング処理する(ステップS416)。操作量差算出部31b−3内のダンピング処理部314は、平均操作量MVa3をダンピング処理する(ステップS417)。
操作量差算出部31b−1内の減算部312aは、ダンピング処理後の操作量MV1と平均操作量MVa1とから操作量差δMV1を式(12)に示したように算出する(ステップS418)。
操作量差算出部31b−2内の減算部312aは、ダンピング処理後の操作量MV2と平均操作量MVa2との差である操作量差δMV2を次式のように算出する(ステップS419)。
δMV2=MV2−MVa2 ・・・(20)
操作量差算出部31b−3内の減算部312aは、ダンピング処理後の操作量MV3と平均操作量MVa3との差である操作量差δMV3を次式のように算出する(ステップS420)。
δMV3=MV3−MVa3 ・・・(21)
操作量変更部32b−1は、操作量差δMV1が規定値(−Δ)以下の場合は、式(13)に示すように変更後の操作量MV1’をMVa1−Δとし、操作量差δMV1が規定値Δ以上の場合は、式(14)に示すように変更後の操作量MV1’をMVa1+Δとし、操作量差δMV1が規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV1をそのまま操作量MV1’として出力する(ステップS421)。
操作量変更部32b−2は、操作量差δMV2が規定値(−Δ)以下の場合は、式(22)に示すように変更後の操作量MV2’をMVa2−Δとし、操作量差δMV2が規定値Δ以上の場合は、式(23)に示すように変更後の操作量MV2’をMVa2+Δとし、操作量差δMV2が規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV2をそのまま操作量MV2’として出力する(ステップS422)。
If δMV2≦−Δ Then MV2’=MVa2−Δ ・・・(22)
If δMV2≧Δ Then MV2’=MVa2+Δ ・・・(23)
操作量変更部32b−3は、操作量差δMV3が規定値(−Δ)以下の場合は、式(24)に示すように変更後の操作量MV3’をMVa3−Δとし、操作量差δMV3が規定値Δ以上の場合は、式(25)に示すように変更後の操作量MV3’をMVa3+Δとし、操作量差δMV3が規定値(−Δ)より大きく、かつ規定値Δより小さい場合は、操作量MV3をそのまま操作量MV3’として出力する(ステップS423)。
If δMV3≦−Δ Then MV3’=MVa3−Δ ・・・(24)
If δMV3≧Δ Then MV3’=MVa3+Δ ・・・(25)
操作量MV出力部23a−1は、操作量変更部32b−1から出力された操作量MV1’を空調機5−1のアクチュエータに出力し(ステップS424)、操作量MV出力部23a−2は、操作量変更部32b−2から出力された操作量MV2’を空調機5−2のアクチュエータに出力し(ステップS425)、操作量MV出力部23a−3は、操作量変更部32b−3から出力された操作量MV3’を空調機5−3のアクチュエータに出力する(ステップS426)。
以上のようなステップS400〜S426の処理が例えば空調システムのオペレータによって制御の終了が指示されるまで(ステップS427においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。図19では、ゾーンZ1,Z2,Z3の処理について説明したが、他のゾーンについても同様の処理を行えばよい。
こうして、空間や加熱エリアを2つ以上のゾーンに分ける場合においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第4の実施の形態において、コントローラの制御アルゴリズムとしては、最も汎用的に利用されているPIDが実用上好適であるが、IMC(Internal Model Control)やSAC(Simple Adaptive Control)などであってもよい。
また、以上の説明では、強非線形系を対象とする場合に省エネルギーという観点から優れた効果が得られるものとしているが、電気ヒータを用いて複数のゾーンを加熱する場合にも、操作量差を小さくすることで最大の操作量が出力される制御ループの操作量が小さく制御されて電気ヒータの寿命を延ばす効果が得られる。すなわち、本発明の構成の有効性は、強非線形系を対象とする場合に限られない。
第1〜第4の実施の形態で説明したコントローラ2−1,2−2,2a−1〜2a−6および連携動作演算部3,3a,3bは、CPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、マルチループ系の制御装置に適用することができる。
本発明の原理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る空調システムで用いる制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における制御系のブロック線図である。 本発明の第1の実施の形態における好適な制御系のブロック線図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における操作量変更処理を示すフローチャートである。 従来の空調システムと本発明の第1の実施の形態に係る空調システムの冷房・冷却時の数値例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空調システムで用いる制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における制御系のブロック線図である。 本発明の第2の実施の形態における好適な制御系のブロック線図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る空調システムで用いる制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態における制御系のブロック線図である。 本発明の第4の実施の形態における空間の隣接ゾーンを説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態における好適な制御系のブロック線図である。 本発明の第4の実施の形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。 強非線形系における操作量と制御量との関係を示す図である。
符号の説明
1,1b…空間、2−1,2−2,2a−1〜2a−6…コントローラ、3,3a,3b…連携動作演算部、4−1〜4−6…センサ、5−1〜5−6…空調機、6−1〜6−6…冷温風出口、20−1〜20−6…設定値SP入力部、21−1〜21−6…制御量PV入力部、22−1〜22−6…PID演算部、23−1,23−2,23a−1〜23a−6…操作量MV出力部、30−1,30a−1,30a−2,30b−1〜30b−6…比較操作量入力部、31−1,31a−1,31a−2,31b−1〜31b−6…操作量差算出部、32−1,32a−1,32a−2,32b−1〜32b−6…操作量変更部、310,311,314…ダンピング処理部、312,312a…減算部、Z1〜Z6…ゾーン。

Claims (14)

  1. 制御対象を空間的に分割した複数のゾーンをそれぞれ制御する複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御装置において、
    各制御ループの制御量PVとこれに対応する各制御ループの設定値SPとの偏差に基づいて操作量を制御ループ毎に算出する複数の制御演算手段と、
    算出された複数の前記操作量のうち、特定の第1の操作量と他の第2の操作量との操作量差を算出する操作量差算出手段と、
    前記操作量差の絶対値が規定値Δを超える場合に前記操作量差の絶対値が小さくなるように、制御対象に出力する前記第1の操作量と第2の操作量のうち少なくとも一方を変更する操作量変更手段とを備えることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記操作量差算出手段は、
    前記第1の操作量と第2の操作量の各々にダンピング処理を行うダンピング処理手段と、
    前記ダンピング処理後の第1の操作量からダンピング処理後の第2の操作量を減算して前記操作量差を算出する減算手段とを備えることを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の制御装置において、
    前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、一方のゾーンについてのみ設けられ、
    前記操作量差算出手段は、前記一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、
    前記操作量変更手段は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1または2に記載の制御装置において、
    前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に設けられ、
    各操作量差算出手段は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、
    各操作量変更手段は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第2の操作量を、前記第1の操作量に規定値Δを加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1または2に記載の制御装置において、
    前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に設けられ、
    各操作量差算出手段は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、
    各操作量変更手段は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第1の操作量と第2の操作量との平均値からΔ/2を減算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値からΔ/2を減算した値に変更することを特徴とする制御装置。
  6. 請求項1または2に記載の制御装置において、
    前記操作量差算出手段と前記操作量変更手段とは、制御対象を空間的に2つ以上に分割する場合に、ゾーン毎に設けられ、
    各操作量差算出手段は、制御対象のゾーンの操作量を前記第1の操作量、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の平均値を前記第2の操作量として、前記操作量差をゾーン毎に算出し、
    各操作量変更手段は、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とする制御装置。
  7. 請求項6に記載の制御装置において、
    前記第2の操作量は、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の加重平均値であることを特徴とする制御装置。
  8. 制御対象を空間的に分割した複数のゾーンをそれぞれ制御する複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御方法において、
    各制御ループの制御量PVとこれに対応する各制御ループの設定値SPとの偏差に基づいて操作量を制御ループ毎に算出する制御演算手順と、
    算出された複数の前記操作量のうち、特定の第1の操作量と他の第2の操作量との操作量差を算出する操作量差算出手順と、
    前記操作量差の絶対値が規定値Δを超える場合に前記操作量差の絶対値が小さくなるように、制御対象に出力する前記第1の操作量と第2の操作量のうち少なくとも一方を変更する操作量変更手順とを備えることを特徴とする制御方法。
  9. 請求項8に記載の制御方法において、
    前記操作量差算出手順は、
    前記第1の操作量と第2の操作量の各々にダンピング処理を行うダンピング処理手順と、
    前記ダンピング処理後の第1の操作量からダンピング処理後の第2の操作量を減算して前記操作量差を算出する減算手順とを備えることを特徴とする制御方法。
  10. 請求項8または9に記載の制御方法において、
    前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、一方のゾーンについてのみ実行され、
    前記操作量差算出手順は、前記一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、
    前記操作量変更手順は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とする制御方法。
  11. 請求項8または9に記載の制御方法において、
    前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に実行され、
    各操作量差算出手順は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、
    各操作量変更手順は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第2の操作量を、前記第1の操作量に規定値Δを加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とする制御方法。
  12. 請求項8または9に記載の制御方法において、
    前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つに分割する場合に、ゾーン毎に実行され、
    各操作量差算出手順は、一方のゾーンの操作量を前記第1の操作量、他方のゾーンの操作量を前記第2の操作量として、前記操作量差を算出し、
    各操作量変更手順は、前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第1の操作量と第2の操作量との平均値からΔ/2を減算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更し、前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記平均値にΔ/2を加算した値に変更すると共に、前記第2の操作量を、前記平均値からΔ/2を減算した値に変更することを特徴とする制御方法。
  13. 請求項8または9に記載の制御方法において、
    前記操作量差算出手順と前記操作量変更手順とは、制御対象を空間的に2つ以上に分割する場合に、ゾーン毎に実行され、
    各操作量差算出手順は、制御対象のゾーンの操作量を前記第1の操作量、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の平均値を前記第2の操作量として、前記操作量差をゾーン毎に算出し、
    各操作量変更手順は、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値(−Δ)を下回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量から規定値Δを減算した値に変更し、制御対象のゾーンについて算出された前記操作量差が規定値Δを上回る場合は、前記第1の操作量を、前記第2の操作量に規定値Δを加算した値に変更することを特徴とする制御方法。
  14. 請求項13に記載の制御方法において、
    前記第2の操作量は、制御対象のゾーンに空間的に隣接するゾーンの操作量の加重平均値であることを特徴とする制御方法。
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