JP5977685B2 - 協調動作装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、制御の主目的のための主制御系が複数系統であり、主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を調整するための副制御系が1系統のみというマルチループ制御系において、省エネルギーを実現することができる協調動作装置および方法に関するものである。
温度や圧力などのプロセス量を制御するためのプロセス制御系において、例えば温度が制御対象であれば、ヒータと温度センサと温調計が1個ずつというように、1個の制御量PVに対して1個のアクチュエータという組合せが基本になる。
一方で、加熱アクチュエータ(ヒータ)と冷却アクチュエータ(冷却器)という2個のアクチュエータを協調動作させて、温度を制御する方法も提案されている(特許文献1参照)。図10は特許文献1に開示された制御装置を加熱処理炉の温度制御に適用した例を示す図、図11は特許文献1に開示された制御装置の構成を示すブロック図である。加熱処理炉100では、ヒータ101で加熱、冷却器102で冷却した空気を循環させるようになっている。
コントローラ104は、加熱処理炉100内の温度センサ103によって計測された制御量(温度計測値)PV_Aと設定値SP_Aに基づいてPID制御演算により加熱用の操作量MV_Aを算出する。コントローラ105は、設定値SP_Bとしてコントローラ104の加熱用操作量MV_Aの望ましい値を採用し、制御量としてコントローラ104の加熱用操作量MV_Aを採用し、PID制御演算により冷却用の操作量MV_Bを算出する。
特許文献1に開示された技術によれば、単に温度を制御するだけではなく、加熱と冷却の相殺を低減してエネルギー効率を改善することができる。特許文献1に開示された技術の特徴は、エネルギー効率に影響を与える要因である、ヒータ出力と冷却器出力との平衡点に着眼し、ヒータ出力(操作量MV_A)を常時監視しながら調整する制御ループを付加したことである。
特許第3805957号公報
特許文献1に開示された技術は、加熱1系統(1個の加熱アクチュエータ)に冷却1系統(1個の冷却アクチュエータ)の組合せを前提とする制御技術である。しかし、エネルギー効率に影響するアクチュエータは必ずしも2個とは限らない。例えば図12に示すように、加熱処理炉100内に加熱したいゾーン106−1〜106−4が複数あって、ゾーン106−1〜106−4毎にヒータ101−1〜101−4が設けられ、さらに加熱処理炉100内の空気を冷却する1個の冷却器102が設けられている場合、すなわち加熱複数系統に冷却1系統の組合せという場合もある。
図12の構成は、加熱を目的とする通常制御の系統が複数あれば、複数の制御量(温度)を制御可能であるので、エネルギー効率を考慮しなければ、問題なく成り立つ構成である。また、この構成は、製造装置の製造コストの面で見れば、むしろ合理的な構成である。このように、制御の主目的のための主制御系が複数系統であり、主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を調整するための副制御系が1系統のみという構成に対しては、特許文献1に開示された技術を適用することはできない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、主制御系が複数系統であり、主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を調整するための副制御系が1系統のみというマルチループ制御系において、省エネルギーを実現することができる協調動作装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の協調動作装置は、複数の主制御系に対応して設けられ、主制御の設定値と主制御の制御量を入力として制御演算により第1の操作量を算出する複数の第1の制御演算手段と、主制御系毎に設けられ、対応する主制御系の前記第1の制御演算手段によって算出された第1の操作量を対応する主制御系のアクチュエータに出力する複数の第1の操作量出力手段と、主制御系毎に設けられ、対応する主制御系の前記第1の制御演算手段によって算出された第1の操作量と、対応する主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を示す所定の操作量設定値との差である第2の操作量を算出する複数の操作量算出手段と、前記複数の操作量算出手段によって算出された複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成して第3の操作量を出力する合成手段と、前記平衡点を調整するための1つの副制御系に対応して設けられ、前記合成手段から出力された第3の操作量を制御量入力として、制御演算により第4の操作量を算出する第2の制御演算手段と、前記第2の制御演算手段によって算出された第4の操作量を副制御系のアクチュエータに出力する第2の操作量出力手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の協調動作装置の1構成例において、前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、前記第2の制御演算手段に予め設定されているPIDパラメータである積分時間は、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている積分時間以上の値である。
また、本発明の協調動作装置の1構成例において、前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、前記第2の制御演算手段に予め設定されているPIDパラメータである微分時間は、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている微分時間以下の値である。
また、本発明の協調動作装置の1構成例において、前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、前記第2の制御演算手段に設定されるPIDパラメータである積分時間を、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている積分時間以上の値に制限する積分時間リミッタをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の協調動作装置の1構成例において、前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、前記第2の制御演算手段に設定されるPIDパラメータである微分時間を、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている微分時間以下の値に制限する微分時間リミッタをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の協調動作装置の1構成例は、さらに、前記複数の操作量算出手段によって算出された複数の第2の操作量を小さい順あるいは大きい順に並び替える整列手段を備え、前記合成手段は、前記整列手段によって並び替えられた複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成することを特徴とするものである。
また、本発明の協調動作装置の1構成例において、前記合成手段は、前記第2の操作量の最小値あるいは最大値を選択する加重演算を行なうことを特徴とするものである。
また、本発明の協調動作装置の1構成例において、前記合成手段が行なう加重演算の加重は、前記第2の操作量の数値に連動する可変的な加重であることを特徴とするものである。
また、本発明の協調動作装置の1構成例は、さらに、前記平衡点に直接影響する状態量を監視し、前記第4の操作量の操作に制限を与える管理手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の協調動作方法は、主制御の設定値と主制御の制御量を入力として制御演算により第1の操作量を主制御系毎に算出する第1の制御演算ステップと、前記第1の制御演算ステップで算出した複数の第1の操作量をそれぞれ対応する主制御系のアクチュエータに出力する第1の操作量出力ステップと、前記第1の制御演算ステップで算出した第1の操作量と、主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を示す所定の操作量設定値との差である第2の操作量を主制御系毎に算出する操作量算出ステップと、前記操作量算出ステップで算出した複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成して第3の操作量を得る合成ステップと、前記合成ステップで得られた第3の操作量を制御量入力として、制御演算により第4の操作量を算出する第2の制御演算ステップと、前記第2の制御演算ステップで算出した第4の操作量を、前記平衡点を調整するための1つの副制御系のアクチュエータに出力する第2の操作量出力ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、第1の制御演算手段によって算出された第1の操作量と望ましい平衡点を示す操作量設定値との差である第2の操作量を主制御系毎に算出することにより、各主制御系における平衡点の差異を整理し、第2の操作量を合成して、合成後の第3の操作量に基づいて第4の操作量を算出して副制御系のアクチュエータに出力することにより、平衡点を望ましい値に調整することができ、省エネルギーを実現することができる。本発明では、加熱と冷却のマルチループ制御系に限らず、他のマルチループ制御系にも適用することができる。また、本発明では、複数の主制御系において、それらの調整されるべき平衡点が共通しているものに限らず、平衡点が異なるマルチループ制御系にも適用することができる。
また、本発明では、第2の制御演算手段に予め設定されているPIDパラメータである積分時間を、全ての第1の制御演算手段に予め設定されている積分時間以上の値とすることにより、安定した主制御系からの操作量の選択・組合せで動作させることができる。
また、本発明では、第2の制御演算手段に予め設定されているPIDパラメータである微分時間を、全ての第1の制御演算手段に予め設定されている微分時間以下の値とすることにより、安定した主制御系からの操作量の選択・組合せで動作させることができる。
また、本発明では、第2の制御演算手段に設定されるPIDパラメータである積分時間を、全ての第1の制御演算手段に予め設定されている積分時間以上の値に制限する積分時間リミッタを設けることにより、安定した主制御系からの操作量の選択・組合せで動作させることができる。
また、本発明では、第2の制御演算手段に設定されるPIDパラメータである微分時間を、全ての第1の制御演算手段に予め設定されている微分時間以下の値に制限する微分時間リミッタを設けることにより、安定した主制御系からの操作量の選択・組合せで動作させることができる。
また、本発明では、複数の操作量算出手段によって算出された複数の第2の操作量を小さい順あるいは大きい順に並び替え、整列手段によって並び替えられた複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより、主制御系からの操作量を優先順位に応じて合成することができる。
また、本発明では、合成手段が行なう加重演算の加重を、第2の操作量の数値に連動する可変的な加重とすることにより、状況対応的な合成処理を行なうことができる。
また、本発明では、平衡点に直接影響する状態量を監視し、第4の操作量の操作に制限を与える管理手段を設けることにより、状態量が下限値を下回ったり上限値を上回ったりしないように第4の操作量を制限することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る協調動作装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御系のブロック線図である。 本発明の第1の実施の形態に係る協調動作装置の動作を示すフローチャートである。 通常の制御装置の動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る協調動作装置の動作例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係るセントラル空調システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態に係るビルマル空調システムの構成を示すブロック図である。 従来の制御装置を加熱処理炉の温度制御に適用した例を示す図である。 従来の制御装置の構成を示すブロック図である。 加熱複数系統、冷却1系統の組合せを示す図である。
[発明の原理1]
複数の主制御系において、それらの調整されるべき平衡点が共通しているとは限らない対象を想定して、まず複数の主制御系における平衡点の差を整理し、次に平衡点の差を整理する処理で得られた整理操作量をセレクタにより合成し、その後に特許文献1に開示された処理(操作量の調整)を適用することを、基本原理とする。この基本原理によれば、複数の主制御系における平衡点の差のみを最前段での整理の対象とすることで、全体の演算量が必要以上に増えないようにすることができる。基本原理によれば、平衡点条件の優先度の高い整理操作量を選択するセレクタを備えることで、安定した主制御系からの実質的な操作量である整理操作量の選択方法・組合せ方法を決定する操作になるので、扱いやすい。そして、優先度の高いものに対応できるのであれば、実用価値の高いマルチループ制御系適用方法になる。
[発明の原理2]
制御演算としてPID制御演算を採用し、そのPIDパラメータの設定状態を規定したり、PIDパラメータの設定状態をリミッタで制限したりすることで、安定した主制御系からの操作量の選択・組合せで動作させることが、より確実に実現できるようになる。例えば、複数の全ての主制御系のPIDパラメータに対し、操作量を調整する副制御系のPIDパラメータが、特定の大小関係で設定された状態になるようにすればよい。あるいは、このような設定状態になるリミッタを備えていてもよい。
[発明の原理3]
平衡点の差を整理する処理で得られた各整理操作量を優先順位に応じてセレクタで合成する場合、予め優先順位が決まっているケースよりも、セレクタへの入力値の大小関係で、優先順位が決まるケースが多い。例えば、単純に各整理操作量の最小値や最大値を選択するというケースがある。特に複数の主制御系の中で、最も不利な制御状態にあるものを優先すべきであり、そのような主制御系に対応する整理操作量は最小値か最大値を示すことになる。つまり、複数の主制御系における平衡点の差を整理する処理で得られた複数の整理操作量のうち最小値か最大値を選択するのが極めて合理的である。したがって、各整理操作量を大小関係順で並び替えた後に、整理操作量を加重演算などで合成するセレクタを備えることが好ましい。このような状況対応的な動作をするセレクタにより、整理操作量の現実的な優先順位決定ができる。
なお、整理操作量の並び替えにより、セレクタからの出力値の変化率が不連続になる。セレクタの後段で、操作量を調整する制御演算を実行するので、制御演算の出力のバンプを抑制する構成を備えるのが好ましい。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2、発明の原理3に対応するものである。図1は本実施の形態に係る制御装置である協調動作装置の構成を示すブロック図、図2は本実施の形態に係る制御系のブロック線図である。協調動作装置は、n(nは2以上の整数)個の主制御部1−1〜1−nと、主制御部1−1〜1−n毎に設けられたn個の平衡点差整理部2−1〜2−nと、セレクタ3と、操作量調整制御部4とから構成される。
各主制御部1−i(i=1〜n)は、それぞれ設定値SP_Aiを入力する設定値入力部10−iと、制御量PV_Aiを入力する制御量入力部11−iと、設定値SP_Aiと制御量PV_Aiに基づいて操作量MV_Ai(第1の操作量)を算出する制御演算部12−i(第1の制御演算手段)と、操作量MV_Aiを対応する主制御系のアクチュエータに出力する操作量出力部13−i(第1の操作量出力手段)とを備えている。
各平衡点差整理部2−iは、それぞれ対応する主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を示す操作量設定値SP_Biを入力する操作量設定値入力部20−iと、主制御部1−i毎に設けられた操作量取得部21−iと、操作量MV_Aiと操作量設定値SP_Biとの差である整理操作量MV_Aei(第2の操作量)を算出する整理操作量算出部22−i(操作量算出手段)と、整理操作量MV_Aeiをセレクタ3に出力する整理操作量出力部23−iとを備えている。
セレクタ3は、主制御部1−i毎(平衡点差整理部2−i毎)に設けられた整理操作量取得部30−iと、n個の整理操作量MV_Aeiを小さい順あるいは大きい順に並び替える整列部31と、整列部31によって並び替えられた整理操作量MV_Aeiに対して加重演算を行なうことにより整理操作量MV_Aeiを合成する合成部32と、合成部32による合成操作量MV_AS(第3の操作量)を操作量調整制御部4に出力する合成操作量出力部33とを備えている。
操作量調整制御部4は、所定の操作量設定値SP_BS=0を入力する操作量設定値入力部40と、セレクタ3から出力された合成操作量MV_ASを取得する合成操作量取得部41と、合成操作量MV_ASに基づいて調整操作量MV_BS(第4の操作量)を算出する調整制御演算部42と(第2の制御演算手段)、調整制御演算部42による調整操作量MV_BSを副制御系のアクチュエータに出力する調整操作量出力部43(第2の操作量出力手段)と、調整制御演算部42に設定されるPIDパラメータである積分時間TI_Bを、全ての制御演算部12−iに予め設定されているPIDパラメータである積分時間TI_Ai以上の値に制限する積分時間リミッタ44と、調整制御演算部42に設定されるPIDパラメータである微分時間TD_Bを、全ての制御演算部12−iに予め設定されているPIDパラメータである微分時間TD_Ai以下の値に制限する微分時間リミッタ45とを備えている。
図2はn=4の場合の制御系の構成を示している。図2における4−1〜4−4は主制御系のアクチュエータ、5は副制御系のアクチュエータ、6−1〜6−4は制御対象である。主制御部1−1とアクチュエータ4−1と制御対象6−1とが第1の主制御系を構成し、主制御部1−2とアクチュエータ4−2と制御対象6−2とが第2の主制御系を構成し、主制御部1−3とアクチュエータ4−3と制御対象6−3とが第3の主制御系を構成し、主制御部1−4とアクチュエータ4−4と制御対象6−4とが第4の主制御系を構成している。また、平衡点差整理部2−1〜2−4とセレクタ3と操作量調整制御部4とアクチュエータ5とが副制御系を構成している。
以下、本実施の形態の協調動作装置の動作を図3を参照して説明する。各主制御部1−i(i=1〜n)の設定値SP_Aiは、オペレータなどによって設定され、設定値入力部10−iを介して制御演算部12−iに入力される(図3ステップS100)。
各主制御部1−iの制御量PV_Aiは、センサなど(図12の例では温度センサ103−1〜103−4)によって計測され、制御量入力部11−iを介して制御演算部12−iに入力される(図3ステップS101)。
各主制御部1−iの制御演算部12−iは、設定値SP_Aiと制御量PV_Aiに基づいて、以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MV_Aiを算出する(図3ステップS102)。
MV_Ai=(100/PB_Ai){1+(1/TI_Ais)+TD_Ais}
×(SP_Ai−PV_Ai) ・・・(1)
式(1)において、PB_Aiは比例帯、TI_Aiは積分時間、TD_Aiは微分時間、sはラプラス演算子である。
各主制御部1−iの操作量出力部13−iは、制御演算部12−iによって算出された操作量MV_Aiを対応する主制御系のアクチュエータ4−iに出力する(図3ステップS103)。設定値入力部10−iと制御量入力部11−iと制御演算部12−iと操作量出力部13−iとは主制御部1−i毎に設けられているので、ステップS100〜S103の処理は主制御部1−i毎に個別に実施されることになる。
次に、調整されるべき平衡点を示す操作量設定値SP_Biは、オペレータなどによって設定され、操作量設定値入力部20−iを介して整理操作量算出部22−iに入力される(図3ステップS104)。平衡点は、主制御の整定状態での望ましい操作量出力であり、エネルギー効率等を考慮して予め決定されている。なお、本実施の形態では、上記のとおり、複数の主制御系の平衡点が共通しているとは限らない場合を想定している。
各平衡点差整理部2−iの操作量取得部21−iは、それぞれ対応する主制御部1−iの操作量出力部13−iから操作量MV_Aiを取得する(図3ステップS105)。
各平衡点差整理部2−iの整理操作量算出部22−iは、操作量MV_Aiと操作量設定値SP_Biとの差を、整理操作量MV_Aeiとして算出する(図3ステップS106)。
MV_Aei=MV_Ai−SP_Bi ・・・(2)
各平衡点差整理部2−iは、各主制御系における平衡点の差異を整理することを目的として設けられたものである。整理操作量MV_Aeiは、各主制御部1−iが出力した実際の操作量MV_Aiと操作量設定値SP_Biが示す平衡点との差であり、実質的に制御偏差に類似の数量である。ただし、各主制御系における平衡点の差異を整理することを目的とする整理操作量MV_Aeiは、式(2)の算出式に限られる数量ではなく、別の算出式によって求めてもよい。
各平衡点差整理部2−iの整理操作量出力部23−iは、整理操作量算出部22−iによって算出された整理操作量MV_Aeiをセレクタ3に出力する(図3ステップS107)。操作量設定値入力部20−iと操作量取得部21−iと整理操作量算出部22−iと整理操作量出力部23−iとは平衡点差整理部2−i毎に設けられているので、ステップS104〜S107の処理は平衡点差整理部2−i毎に個別に実施されることになる。
次に、セレクタ3の各整理操作量取得部30−iは、それぞれ対応する平衡点差整理部2−iの整理操作量出力部23−iから整理操作量MV_Aeiを取得する(図3ステップS108)。
整列部31は、整理操作量MV_Aeiを小さい順あるいは大きい順に並び替えて、並び替え後の整理操作量MV_AXj(j=1〜n)を得る(図3ステップS109)。
合成部32は、整列部31により並び替えられた整理操作量MV_AXjに対して次式のような加重演算(加重平均演算)を行ない、合成操作量MV_ASを得る(図3ステップS110)。これにより、合成部32は、実質的に整理操作量MV_Aeiを選択的に合成する。
Figure 0005977685
式(3)において、αjは予め定められた加重であり、加重αj(j=1〜n)の合計は1.0である。例えば、整列部31が整理操作量MV_Aeiを小さい順に並び替えたとして、最も小さい整理操作量MV_AX1に対応する加重α1を1.0、その他の整理操作量MV_AX2〜MV_AXnに対応する加重α2〜αnを0とすれば、合成部32は最小値選択部として機能する。また、整列部31が整理操作量MV_Aeiを大きい順に並び替えたとして、最も大きい整理操作量MV_AX1に対応する加重α1を1.0、その他の整理操作量MV_AX2〜MV_AXnに対応する加重α2〜αnを0とすれば、合成部32は最大値選択部として機能する。
なお、整列部31による処理は必須ではない。整理操作量MV_Aeiが、例えば0%〜100%の数値を取り得るのであれば、0%〜19.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには3.0の加重βi、20.0%〜39.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには2.5の加重βi、40.0%〜59.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには2.0の加重βi、60.0%〜79.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには1.5の加重βi、80.0%〜100.0%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには1.0の加重βiというように、整理操作量MV_Aeiの値に連動する可変的な加重βiを与えて、整理操作量MV_Aeiの加重平均を算出するようにしてもよい。この場合の合成部32の演算式は以下のようになる。なお、加重βi(i=1〜n)の合計は1.0とは限らない。
Figure 0005977685
合成操作量出力部33は、合成部32によって算出された合成操作量MV_ASを操作量調整制御部4に出力する(図3ステップS111)。
次に、操作量調整制御部4の積分時間リミッタ44は、調整制御演算部42に設定されている積分時間TI_Bを、複数ある全ての制御演算部12−iに設定されている積分時間TI_Aiと比較し(図3ステップS112)、積分時間TI_Bが複数の積分時間TI_Aiよりも小さい値の場合は(ステップS112においてYES)、次式のように積分時間TI_Bを積分時間TI_Aiのうちの最大値TI_Amaxに置換する(図3ステップS113)。
IF TI_B<TI_Ai THEN TI_B=TI_Amax ・・(5)
すなわち、積分時間TI_Bは、全ての積分時間TI_Ai以上の値に規定されることになる。このような積分時間TI_Bのリミット処理により、主制御系と副制御系の協調動作は、安定的な制御系として動作しやすくなるように規定される。
一方、操作量調整制御部4の微分時間リミッタ45は、調整制御演算部42に設定されている微分時間TD_Bを、複数ある全ての制御演算部12−iに設定されている微分時間TD_Aiと比較し(図3ステップS114)、微分時間TD_Bが複数の微分時間TD_Aiよりも大きい値の場合は(ステップS114においてYES)、次式のように微分時間TD_Bを微分時間TD_Aiのうちの最小値TD_Aminに置換する(図3ステップS115)。
IF TD_B>TD_Ai THEN TD_B=TD_Amin ・・(6)
すなわち、微分時間TD_Bは、全ての微分時間TD_Ai以下の値に規定されることになる。このような微分時間TD_Bのリミット処理により、主制御系と副制御系の協調動作は、安定的な制御系として動作しやすくなるように規定される。
次に、操作量設定値入力部40は、所定の操作量設定値SP_BS=0を調整制御演算部42に入力する(図3ステップS116)。
合成操作量取得部41は、セレクタ3から合成操作量MV_ASを取得する(図3ステップS117)。
周知のとおり、PID制御演算は、設定値から制御量を引いた制御偏差が0になるように操作量を算出する演算である。後述する調整制御演算部42でのPID制御演算では、合成操作量MV_ASを制御量として扱う。ここで、本実施の形態では、式(2)に示したように整理操作量算出部22−iにおいて操作量MV_Aiから操作量設定値SP_Biを引いた整理操作量MV_Aeiを算出しており、この整理操作量MV_Aeiが合成部32で合成されて、合成操作量MV_ASとして調整制御演算部42に入力されるようになっている。上記のとおり調整制御演算部42でのPID制御演算では、合成操作量MV_ASを制御量として扱うが、合成操作量MV_ASは制御偏差に類似の数量として算出されているので、合成操作量MV_ASに対応する操作量設定値を改めて与える必要はない。したがって、操作量設定値入力部40が入力する操作量設定値SP_BSは常に0に設定されている。
調整制御演算部42は、操作量設定値SP_BS=0と合成操作量MV_ASに基づいて、以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って調整操作量MV_BSを算出する(図3ステップS118)。
MV_BS=(100/PB_B){1+(1/TI_Bs)+TD_Bs}
×(0−MV_AS) ・・・(7)
式(7)において、PB_Bは比例帯、TI_Bは積分時間、TD_Bは微分時間、sはラプラス演算子である。なお、式(7)では、積分演算の部分と微分演算の部分は制御の動特性を演算している部分に該当し、積分時間TI_Bと微分時間TD_Bにより、動特性を調整可能になる。上記のとおり、制御偏差の演算部分は、操作量設定値SP_BS=0と合成操作量MV_ASとの差(0−MV_AS)となっている。
調整操作量出力部43は、調整制御演算部42によって算出された調整操作量MV_BSを対応する副制御系のアクチュエータ5に出力する(図3ステップS119)。
以上のようなステップS100〜S119の処理が、例えばオペレータからの指令によって制御が終了するまで(図3ステップS120においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
次に、図4(A)〜図4(C)、図5(A)〜図5(C)に本実施の形態の効果を示すシミュレーション結果を示す。ここでは、主制御系の数をn=4とし、図12に示したように加熱のための4個の主制御系と平衡点を調整するための1個の副制御系である冷却制御系とを想定し、加熱処理炉内の4個のゾーンの温度を100℃から200℃へ昇温する場合の数値をシミュレーションにより求めた。
図4(A)〜図4(C)は図1に示した構成において調整操作量MV_BSを固定した場合の動作を示しており、通常の制御装置に相当する動作を示している。図4(A)は設定値SP_A1〜SP_A4=200℃のステップ入力が加わったときの温度PV_A1〜PV_A4(制御量)の変化を示し、図4(B)はこのステップ入力時に主制御部1−1〜1−4から出力される操作量MV_A1〜MV_A4の変化を示し、図4(C)は調整操作量MV_BSを示している。
調整操作量MV_BSの値は、加熱処理炉の温度を昇温前の100℃に維持する際に操作量MV_A2〜MV_A4の最小値が整定時に約20%を維持でき、かつ操作量MV_A1の最小値が整定時に約40%を維持できるようにするため、MV_BS=30.0%としている。調整操作量MV_BSが固定されているので、200℃に昇温した後では操作量MV_A1〜MV_A4が全体的に高くなり、操作量MV_A2〜MV_A4の最小値が整定時に約20%を大きく上回り、操作量MV_A1の最小値が整定時に約40%を大きく上回っている。すなわち、エネルギー的には効率の悪い状態が継続している。
図5(A)〜図5(C)は本実施の形態の協調動作装置の動作を示しており、図5(A)は設定値SP_A1〜SP_A4=200℃のステップ入力が加わったときの温度PV_A1〜PV_A4(制御量)の変化を示し、図5(B)はこのステップ入力時に主制御部1−1〜1−4から出力される操作量MV_A1〜MV_A4の変化を示し、図5(C)は操作量調整制御部4から出力される調整操作量MV_BSの変化を示している。
操作量設定値SP_B1〜SP_B4の値は、操作量MV_A2〜MV_A4の最小値が整定時に約20%を維持でき、かつ操作量MV_A1の最小値が整定時に約40%を維持できるようにするため、SP_B1=40.0%、SP_B2=20.0%、SP_B3=20.0%、SP_B4=20.0%としている。セレクタ3については、最小値選択部として機能するように設定した。本実施の形態により、調整操作量MV_BSが可変になり、加熱処理炉の温度を200℃に昇温した後でも操作量MV_A1〜MV_A4が図4(B)の場合と比較して全体的に低くなり、整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4のうち最小の整理操作量MV_Ae1がセレクタ3の最小値選択の対象になり、この整理操作量MV_Ae1に対応する操作量MV_A1が整定時に約40%を維持できていることが分かる。すなわち、エネルギー的には効率の良い状態が継続している。また、昇温時には調整操作量MV_BSがほとんどの時間帯において0%であり、副制御系の冷却器が動作していないことになるので、昇温動作自体もエネルギー的に効率が良いことが分かる。
以上のように、本実施の形態では、主制御部1−1〜1−nによって算出された操作量MV_A1〜MV_Anと望ましい平衡点を示す操作量設定値SP_B1〜SP_Bnとの差である整理操作量MV_Ae1〜MV_Aenを算出することにより、各主制御系における平衡点の差異を整理し、整理操作量MV_Ae1〜MV_Aenを合成して、合成操作量MV_ASに基づいて調整操作量MV_BSを算出して副制御系のアクチュエータに出力することにより、平衡点を望ましい値に調整することができ、省エネルギーを実現することができる。本実施の形態では、加熱と冷却のマルチループ制御系に限らず、他のマルチループ制御系にも適用することができる。また、本実施の形態では、複数の主制御系において、それらの調整されるべき平衡点が共通しているものに限らず、平衡点が異なるマルチループ制御系にも適用することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は本実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、4個の主制御系である加熱制御系と1個の副制御系である冷却制御系とで構成される加熱装置に第1の実施の形態の協調動作装置を適用した例を示すものである。トンネル型リフロー炉200には、加熱したいゾーン205−1〜205−4が4個あって、ゾーン205−1〜205−4毎にヒータ201−1〜201−4が設けられ、さらにリフロー炉200内の空気を冷却する1個の冷却器202(冷却アクチュエータ)が設けられている。ヒータ201−1〜201−4は、SSR(Solidstate Relay)204−1〜204−4と共に主制御系の加熱アクチュエータを構成している。
主制御部1−1〜1−4は、リフロー炉200内の循環空気を加熱して温度制御を行なう。リフロー炉200内の各ゾーン205−1〜205−4の温度PV_A1〜PV_A4(制御量)は、温度センサ203−1〜203−4によって個別に計測される。SSR204−1〜204−4は、主制御部1−1〜1−4から出力される操作量MV_A1〜MV_A4に応じてヒータ201−1〜201−4に供給する電力を調整する。循環空気は、各ゾーン205−1〜205−4を通過した後に4ゾーン共通の循環経路に収集され、ウォータージャケット等からなる冷却器202で冷却された後に、各ゾーン205−1〜205−4に供給される。主制御系での制御可能な最低必要な操作量MV_A1〜MV_A4が、個別の操作量設定値SP_B1〜SP_B4、すなわち調整対象の平衡点になる。操作量設定値SP_B1〜SP_B4は例えば20%である。
主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を増加させるためには冷却器202に供給する調整操作量MV_BSを上昇させる必要があり、逆に主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を減少させるためには冷却器202に供給する調整操作量MV_BSを下降させる必要がある。したがって、操作量調整制御部4の調整制御演算部42には、平衡点差整理部2−1〜2−4と合わせて逆動作の制御演算が適用される。
平衡点差整理部2−1〜2−4の構成および動作が第1の実施の形態どおりであれば、4個の主制御系の中で、最も不利な制御状態にあるものは、対応する整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4が最小値を示すものである。よって、セレクタ3は、4個の整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4のうちの最小値を選択して合成操作量MV_ASとして出力すればよい。ただし、制御性能の必要性に応じて、加重αj,βiを適宜調整してもよい。
操作量調整制御部4の調整制御演算部42に設定される積分時間TI_Bは、4個の主制御部1−i(i=1〜4)の制御演算部12−iに設定される積分時間TI_Aiのうちの最大値TI_Amax以上に設定される。また、調整制御演算部42に設定される微分時間TD_Bは、主制御部1−iの制御演算部12−iに設定される微分時間TD_Aiのうちの最小値TD_Amin以下に設定される。
例えば、制御演算部12−iに設定される積分時間TI_Aiを、TI_A1=40.0sec.、TI_A2=44.0sec.、TI_A3=48.0sec.、TI_A4=52.0sec.とし、制御演算部12−iに設定される微分時間TD_Aiを、TD_A1=10.0sec.、TD_A2=11.0sec.、TD_A3=12.0sec.、TD_A4=13.0sec.とする。この場合、調整制御演算部42に設定される積分時間はTI_B≧52.0sec.となり、調整制御演算部42に設定される微分時間はTD_B≦10.0sec.となる。
なお、本実施の形態の協調動作装置の場合、平衡点に直接影響する状態量である冷却器出口の循環空気温度が、監視され管理されるように、管理部(不図示)を備える構成にするのが好ましい。具体的には、管理部は、冷却器出口の循環空気温度が所定の下限値以下になり過剰な冷却状態になる場合は、調整操作量MV_BSを上昇させないように制限し、逆に、冷却器出口の循環空気温度が所定の上限値以上になり不十分な冷却状態になる場合は、調整操作量MV_BSを下降させないように制限する。すなわち、管理部は、冷却器出口の循環空気温度が下限値を下回ったり上限値を上回ったりしないように調整操作量MV_BSを制限する。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図7は本実施の形態に係る加熱装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、4個の主制御系である加熱制御系と1個の副制御系である加熱制御系とで構成される加熱装置に第1の実施の形態の協調動作装置を適用した例を示すものである。均熱ホットプレート300には、加熱したい均熱対象ゾーン305−1〜305−4が4個あり、さらに均熱補助のための周囲ゾーン305−5があって、ゾーン305−1〜305−4毎に埋め込み式のヒータ301−1〜301−4が設けられ、周囲ゾーン305−5に埋め込み式のヒータ301−5が設けられている。ヒータ301−1〜301−4は、SSR304−1〜304−4と共に主制御系の加熱アクチュエータを構成し、ヒータ301−5は、SSR304−5と共に副制御系の加熱アクチュエータを構成している。
主制御部1−1〜1−4は、ゾーン305−1〜305−4を加熱して温度制御を行なう。各ゾーン305−1〜305−4の温度PV_A1〜PV_A4(制御量)は、温度センサ303−1〜303−4によって個別に計測される。SSR304−1〜304−4は、主制御部1−1〜1−4から出力される操作量MV_A1〜MV_A4に応じてヒータ301−1〜301−4に供給する電力を調整する。また、周囲ゾーン305−5もゾーン305−1〜305−4と同様に加熱される。SSR304−5は、操作量調整制御部4から出力される調整操作量MV_BSに応じてヒータ301−5に供給する電力を調整する。主制御系での制御可能な最低必要な操作量MV_A1〜MV_A4が、個別の操作量設定値SP_B1〜SP_B4、すなわち調整対象の平衡点になる。操作量設定値SP_B1〜SP_B4は例えば20%である。
主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を増加させるためには周囲ゾーン305−5の調整操作量MV_BSを下降させる必要があり、逆に主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を減少させるためには周囲ゾーン305−5の調整操作量MV_BSを上昇させる必要がある。したがって、操作量調整制御部4の調整制御演算部42には、平衡点差整理部2−1〜2−4と合わせて正動作の制御演算が適用される。
平衡点差整理部2−1〜2−4の構成および動作が第1の実施の形態どおりであれば、4個の主制御系の中で、最も不利な制御状態にあるものは、対応する整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4が最小値を示すものである。よって、セレクタ3は、4個の整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4のうちの最小値を選択して合成操作量MV_ASとして出力すればよい。ただし、制御性能の必要性に応じて、加重αj,βiを適宜調整してもよい。
操作量調整制御部4の調整制御演算部42に設定される積分時間TI_Bは、4個の主制御部1−i(i=1〜4)の制御演算部12−iに設定される積分時間TI_Aiのうちの最大値TI_Amax以上に設定される。また、調整制御演算部42に設定される微分時間TD_Bは、主制御部1−iの制御演算部12−iに設定される微分時間TD_Aiのうちの最小値TD_Amin以下に設定される。
なお、本実施の形態の協調動作装置の場合、平衡点に直接影響する状態量である周囲ゾーン305−5の温度が、監視され管理されるように、管理部(不図示)を備える構成にするのが好ましい。具体的には、管理部は、周囲ゾーン305−5の温度が所定の上限値以上になり過剰な加熱状態になる場合は、調整操作量MV_BSを上昇させないように制限し、逆に、周囲ゾーン305−5の温度が所定の下限値以下になり不十分な加熱状態になる場合は、調整操作量MV_BSを下降させないように制限する。すなわち、管理部は、周囲ゾーン305−5の温度が上限値を上回ったり下限値を下回ったりしないように調整操作量MV_BSを制限する。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図8は本実施の形態に係るセントラル空調システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、4個の主制御系である給気風量制御系と1個の副制御系である給気温度制御系とで構成されるセントラル空調システムに第1の実施の形態の協調動作装置を適用した例を示すものである。部屋400には、温度制御したいゾーン405−1〜405−4が4個あり、ゾーン405−1〜405−4毎に給気ダンパ402−1〜402−4(給気風量アクチュエータ)が設けられている。空調機401は、副制御系の給気温度アクチュエータを構成している。
主制御部1−1〜1−4は、各ゾーン405−1〜405−4に対して給気風量による室内温度制御を行なう。各ゾーン405−1〜405−4の温度PV_A1〜PV_A4(制御量)は、温度センサ403−1〜403−4によって個別に計測される。4ゾーン共通の空調機401は、冷房の場合は指定された温度に給気を冷却し、暖房の場合は指定された温度に給気を加熱する。以下では、冷房の場合についてのみ説明する。
空調機401から送り出された給気は、ダクト406を通って吹出口407−1〜407−4から各ゾーン405−1〜405−4に供給される。給気温度は、給気温度センサ404によって計測される。給気ダンパ402−1〜402−4は、主制御部1−1〜1−4から出力される操作量MV_A1〜MV_A4に応じて、各ゾーン405−1〜405−4に供給される給気の風量を調節する。空調機401は、操作量調整制御部4から出力される調整操作量MV_BSに応じて、空調機内部の熱交換機を流れる熱媒の量を調節することにより、給気温度を調節する。部屋400から戻される還気は、ダクト408および還気ダンパ409を通り、取入口410から導入された外気と混合されて空調機401に戻される。主制御系での制御可能な最低必要な操作量MV_A1〜MV_A4(風量)が、個別の操作量設定値SP_B1〜SP_B4、すなわち調整対象の平衡点になる。操作量設定値SP_B1〜SP_B4は例えば10m3/min.である。
主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を増加させるためには調整操作量MV_BSである給気温度を上昇させる必要があり、逆に主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を減少させるためには調整操作量MV_BSである給気温度を下降させる必要がある。したがって、操作量調整制御部4の調整制御演算部42には、平衡点差整理部2−1〜2−4と合わせて逆動作の制御演算が適用される。一般的には、風量を少なくすれば、搬送動力を小さくすることができるので、省エネルギーに繋がることが知られている。
平衡点差整理部2−1〜2−4の構成および動作が第1の実施の形態どおりであれば、4個の主制御系の中で、最も不利な制御状態にあるものは、対応する整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4が最小値を示すものである。よって、セレクタ3は、4個の整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4のうちの最小値を選択して合成操作量MV_ASとして出力すればよい。ただし、制御性能の必要性に応じて、加重αj,βiを適宜調整してもよい。
空調の場合、各ゾーン405−1〜405−4に存在する人やコンピュータのような発熱物、あるいは各ゾーン405−1〜405−4における窓の有無のような放熱条件が異なり、結果的に整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4が、ゾーン間で大きく異なる数値になる可能性が高い。ゆえに、整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4の最小値に加重を集中させるのではなく、整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4の数値に連動して、式(4)に示した加重βiを変えた方が好ましいこともある。具体的には、整理操作量MV_Aei(i=1〜4)が、例えば0%〜100%の数値を取り得るのであれば、0%〜19.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには3.0の加重βi、20.0%〜39.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには2.5の加重βi、40.0%〜59.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには2.0の加重βi、60.0%〜79.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには1.5の加重βi、80.0%〜100.0%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには1.0の加重βiというような値にすればよい。
操作量調整制御部4の調整制御演算部42に設定される積分時間TI_Bは、4個の主制御部1−i(i=1〜4)の制御演算部12−iに設定される積分時間TI_Aiのうちの最大値TI_Amax以上に設定される。また、調整制御演算部42に設定される微分時間TD_Bは、主制御部1−iの制御演算部12−iに設定される微分時間TD_Aiのうちの最小値TD_Amin以下に設定される。
なお、本実施の形態の協調動作装置の場合、平衡点に直接影響する状態量である給気温度を管理する管理部(不図示)を備える構成にするのが好ましい。具体的には、管理部は、給気温度が所定の上限値以上になる場合は、調整操作量MV_BSを下降させないように制限し、逆に、給気温度が所定の下限値以下になる場合は、調整操作量MV_BSを上昇させないように制限する。すなわち、管理部は、給気温度が上限値を上回ったり下限値を下回ったりしないように調整操作量MV_BSを制限する。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図9は本実施の形態に係るビルマル空調システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、4個の主制御系である給気温度制御系と1個の副制御系である熱媒温度制御系とで構成されるビルマル空調システムに第1の実施の形態の協調動作装置を適用した例を示すものである。部屋500には、温度制御したいゾーン504−1〜504−4が4個あり、ゾーン504−1〜504−4毎に空調機501−1〜501−4(給気温度アクチュエータ)が設けられている。室外機502は、副制御系の熱媒温度アクチュエータを構成している。
主制御部1−1〜1−4は、各ゾーン504−1〜504−4に対して給気温度による室内温度制御を行なう。各ゾーン504−1〜504−4の温度PV_A1〜PV_A4(制御量)は、温度センサ503−1〜503−4によって個別に計測される。4台の空調機501−1〜501−4に共通の室外機502は、冷房の場合は指定された温度に熱媒を冷却し、暖房の場合は指定された温度に熱媒を加熱する。以下では、冷房の場合についてのみ説明する。
室外機502は、操作量調整制御部4から出力される調整操作量MV_BSに応じて、室外機内部の熱交換機を流れる熱媒の量を調節することにより、熱媒温度を調節する。室外機502によって冷却された熱媒は、配管508を通って各空調機501−1〜501−4に供給される。使用された熱媒は、配管509を通って室外機502に戻される。空調機501−1〜501−4は、主制御部1−1〜1−4から出力される操作量MV_A1〜MV_A4に応じて、空調機内部の熱交換機を流れる熱媒の量を調節することにより、給気温度を調節する。空調機501−1〜501−4から送り出された給気は、ダクト505−1〜505−4を通って吹出口506−1〜506−4から各ゾーン504−1〜504−4に供給される。部屋500から戻される還気は、ダクト507−1〜507−4を通って空調機501−1〜501−4に戻される。主制御系での制御可能な最低必要な操作量MV_A1〜MV_A4(熱媒バルブ開度)が、個別の操作量設定値SP_B1〜SP_B4、すなわち調整対象の平衡点になる。操作量設定値SP_B1〜SP_B4は例えば20%である。
主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を増加させるためには調整操作量MV_BSである冷媒温度を上昇させる必要があり、逆に主制御系の操作量MV_A1〜MV_A4を減少させるためには調整操作量MV_BSである冷媒温度を下降させる必要がある。したがって、操作量調整制御部4の調整制御演算部42には、平衡点差整理部2−1〜2−4と合わせて逆動作の制御演算が適用される。室外機502の種類によっては、熱媒流量を少なくすれば、搬送動力を小さくすることができるので、省エネルギーに繋げることができる。
平衡点差整理部2−1〜2−4の構成および動作が第1の実施の形態どおりであれば、4個の主制御系の中で、最も不利な制御状態にあるものは、対応する整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4が最小値を示すものである。よって、セレクタ3は、4個の整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4のうちの最小値を選択して合成操作量MV_ASとして出力すればよい。ただし、制御性能の必要性に応じて、加重αj,βiを適宜調整してもよい。
空調の場合、各ゾーン504−1〜504−4に存在する人やコンピュータのような発熱物、あるいは各ゾーン504−1〜504−4における窓の有無のような放熱条件が異なり、結果的に整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4が、ゾーン間で大きく異なる数値になる可能性が高い。ゆえに、整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4の最小値に加重を集中させるのではなく、整理操作量MV_Ae1〜MV_Ae4の数値に連動して、式(4)に示した加重βiを変えた方が好ましいこともある。具体的には、整理操作量MV_Aei(i=1〜4)が、例えば0%〜100%の数値を取り得るのであれば、0%〜19.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには3.0の加重βi、20.0%〜39.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには2.5の加重βi、40.0%〜59.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには2.0の加重βi、60.0%〜79.9%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには1.5の加重βi、80.0%〜100.0%の範囲にある整理操作量MV_Aeiには1.0の加重βiというような値にすればよい。
操作量調整制御部4の調整制御演算部42に設定される積分時間TI_Bは、4個の主制御部1−i(i=1〜4)の制御演算部12−iに設定される積分時間TI_Aiのうちの最大値TI_Amax以上に設定される。また、調整制御演算部42に設定される微分時間TD_Bは、主制御部1−iの制御演算部12−iに設定される微分時間TD_Aiのうちの最小値TD_Amin以下に設定される。
なお、ビルマル空調システムの場合、トレードオフとなる操作量の組合せは、空調機501−1〜501−4や室外機502が備える機能などに応じて、上記以外にも適宜設計可能である。また、本実施の形態の協調動作装置の場合、平衡点に直接影響する状態量である熱媒温度を管理する管理部(不図示)を備える構成にするのが好ましい。具体的には、管理部は、熱媒温度が所定の上限値以上になる場合は、調整操作量MV_BSを下降させないように制限し、逆に、熱媒温度が所定の下限値以下になる場合は、調整操作量MV_BSを上昇させないように制限する。すなわち、管理部は、熱媒温度が上限値を上回ったり下限値を下回ったりしないように調整操作量MV_BSを制限する。
第1〜第5の実施の形態で説明した協調動作装置は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第5の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、マルチループ制御系に適用することができる。特に、本発明は、複数の主制御系において、それらの調整されるべき平衡点が共通しているとは限らないものを対象とする。
1−1〜1−n…主制御部、2−1〜2−n…平衡点差整理部、3…セレクタ、4…操作量調整制御部、10−1〜10−n…設定値入力部、11−1〜11−n…制御量入力部、12−1〜12−n…制御演算部、13−1〜13−n…操作量出力部、20−1〜20−n… 操作量設定値入力部、21−1〜21−n…操作量取得部、22−1〜22−n…整理操作量算出部、23−1〜23−n…整理操作量出力部、30−1〜30−n…整理操作量取得部、31…整列部、32…合成部、33…合成操作量出力部、40…操作量設定値入力部、41…合成操作量取得部、42…調整制御演算部、43…調整操作量出力部、44…積分時間リミッタ、45…微分時間リミッタ。

Claims (18)

  1. 複数の主制御系に対応して設けられ、主制御の設定値と主制御の制御量を入力として制御演算により第1の操作量を算出する複数の第1の制御演算手段と、
    主制御系毎に設けられ、対応する主制御系の前記第1の制御演算手段によって算出された第1の操作量を対応する主制御系のアクチュエータに出力する複数の第1の操作量出力手段と、
    主制御系毎に設けられ、対応する主制御系の前記第1の制御演算手段によって算出された第1の操作量と、対応する主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を示す所定の操作量設定値との差である第2の操作量を算出する複数の操作量算出手段と、
    前記複数の操作量算出手段によって算出された複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成して第3の操作量を出力する合成手段と、
    前記平衡点を調整するための1つの副制御系に対応して設けられ、前記合成手段から出力された第3の操作量を制御量入力として、制御演算により第4の操作量を算出する第2の制御演算手段と、
    前記第2の制御演算手段によって算出された第4の操作量を副制御系のアクチュエータに出力する第2の操作量出力手段とを備えることを特徴とする協調動作装置。
  2. 請求項1記載の協調動作装置において、
    前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算手段に予め設定されているPIDパラメータである積分時間は、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている積分時間以上の値であることを特徴とする協調動作装置。
  3. 請求項1記載の協調動作装置において、
    前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算手段に予め設定されているPIDパラメータである微分時間は、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている微分時間以下の値であることを特徴とする協調動作装置。
  4. 請求項1記載の協調動作装置において、
    前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算手段に設定されるPIDパラメータである積分時間を、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている積分時間以上の値に制限する積分時間リミッタをさらに備えることを特徴とする協調動作装置。
  5. 請求項1記載の協調動作装置において、
    前記第1の制御演算手段と前記第2の制御演算手段が行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算手段に設定されるPIDパラメータである微分時間を、全ての前記第1の制御演算手段に予め設定されている微分時間以下の値に制限する微分時間リミッタをさらに備えることを特徴とする協調動作装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の協調動作装置において、
    さらに、前記複数の操作量算出手段によって算出された複数の第2の操作量を小さい順あるいは大きい順に並び替える整列手段を備え、
    前記合成手段は、前記整列手段によって並び替えられた複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成することを特徴とする協調動作装置。
  7. 請求項6記載の協調動作装置において、
    前記合成手段は、前記第2の操作量の最小値あるいは最大値を選択する加重演算を行なうことを特徴とする協調動作装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の協調動作装置において、
    前記合成手段が行なう加重演算の加重は、前記第2の操作量の数値に連動する可変的な加重であることを特徴とする協調動作装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の協調動作装置において、
    さらに、前記平衡点に直接影響する状態量を監視し、前記第4の操作量の操作に制限を与える管理手段を備えることを特徴とする協調動作装置。
  10. 主制御の設定値と主制御の制御量を入力として制御演算により第1の操作量を主制御系毎に算出する第1の制御演算ステップと、
    前記第1の制御演算ステップで算出した複数の第1の操作量をそれぞれ対応する主制御系のアクチュエータに出力する第1の操作量出力ステップと、
    前記第1の制御演算ステップで算出した第1の操作量と、主制御の整定状態での望ましい操作量出力である平衡点を示す所定の操作量設定値との差である第2の操作量を主制御系毎に算出する操作量算出ステップと、
    前記操作量算出ステップで算出した複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成して第3の操作量を得る合成ステップと、
    前記合成ステップで得られた第3の操作量を制御量入力として、制御演算により第4の操作量を算出する第2の制御演算ステップと、
    前記第2の制御演算ステップで算出した第4の操作量を、前記平衡点を調整するための1つの副制御系のアクチュエータに出力する第2の操作量出力ステップとを含むことを特徴とする協調動作方法。
  11. 請求項10記載の協調動作方法において、
    前記第1の制御演算ステップと前記第2の制御演算ステップで行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算ステップで用いるPIDパラメータである積分時間は、前記第1の制御演算ステップで用いる全ての積分時間以上の値であることを特徴とする協調動作方法。
  12. 請求項10記載の協調動作方法において、
    前記第1の制御演算ステップと前記第2の制御演算ステップで行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算ステップで用いるPIDパラメータである微分時間は、前記第1の制御演算ステップで用いる全ての微分時間以下の値であることを特徴とする協調動作方法。
  13. 請求項10記載の協調動作方法において、
    前記第1の制御演算ステップと前記第2の制御演算ステップで行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算ステップで用いるPIDパラメータである積分時間を、前記第1の制御演算ステップで用いる全ての積分時間以上の値に制限する積分時間制限ステップをさらに含むことを特徴とする協調動作方法。
  14. 請求項10記載の協調動作方法において、
    前記第1の制御演算ステップと前記第2の制御演算ステップで行なう制御演算は、PID制御演算であり、
    前記第2の制御演算ステップで用いるPIDパラメータである微分時間を、前記第1の制御演算ステップで用いる全ての微分時間以下の値に制限する微分時間制限ステップをさらに含むことを特徴とする協調動作方法。
  15. 請求項10乃至14のいずれか1項に記載の協調動作方法において、
    さらに、前記操作量算出ステップで算出した複数の第2の操作量を小さい順あるいは大きい順に並び替える整列ステップを含み、
    前記合成ステップは、前記整列ステップで並び替えた複数の第2の操作量に対して加重演算を行なうことにより前記複数の第2の操作量を合成することを特徴とする協調動作方法。
  16. 請求項15記載の協調動作方法において、
    前記合成ステップは、前記第2の操作量の最小値あるいは最大値を選択する加重演算を行なうことを特徴とする協調動作方法。
  17. 請求項10乃至14のいずれか1項に記載の協調動作方法において、
    前記合成ステップで行なう加重演算の加重は、前記第2の操作量の数値に連動する可変的な加重であることを特徴とする協調動作方法。
  18. 請求項10乃至17のいずれか1項に記載の協調動作方法において、
    さらに、前記平衡点に直接影響する状態量を監視し、前記第4の操作量の操作に制限を与える管理ステップを含むことを特徴とする協調動作方法。
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