JP6030389B2 - 食品包装用ラップフィルム - Google Patents

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本発明は、加熱することなく密封する家庭用ラップフィルムとして用いられる、ポリオレフィン系の食品包装用ラップフィルムに関する。
従来、この種の食品包装用ラップフィルムとして、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー15〜200重量部を混合してなる樹脂組成物を芯層とし、この芯層の両側にポリプロピレン系樹脂からなる被覆層を積層した3層としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−232733号公報
しかし乍ら、このような従来の食品包装用ラップフィルムでは、食品を包んでポリプロピレン系樹脂製被覆層の表面同士を貼り合わせるか、又は食品が入った容器の開口部分にポリプロピレン系樹脂製被覆層の表面を貼り付けて覆ったとしても、密着度が低くて食品と外気の遮断が不十分であるため、冷蔵保存中や冷凍保存中に食品の水分が蒸発して、食品の乾燥による臭い移りや冷凍焼けが発生したり、酸素が侵入することによる油脂の酸化による変質により、保存中の食品の味や風味を長期に亘って保つことができないという問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、フィルム本体の引き出し性及びカット性に優れ且つ冷蔵保存用又は冷凍保存用として密着性に優れた食品包装用ラップフィルムを提供すること、などを目的とするものである。
このような目的を達成するために本発明に係る食品包装用ラップフィルムは、フィルム本体が巻芯にロール状に巻き付けられて収納箱に収納し、前記収納箱から引き出した前記フィルム本体がカット刃で切断される食品包装用ラップフィルムであって、前記フィルム本体は、その厚みが5〜70μmであり、中間層と、前記中間層の一方表面に積層される強粘着層と、前記中間層の他方表面に積層される非粘着層と、を有し、前記強粘着層は、ポリオレフィン系樹脂を含み、前記強粘着層同士が貼り合わされた直から時間経過に伴って粘着力が増大るように構成され、前記非粘着層は、前記強粘着層とアンチブロッキング性を有するブロックポリプロピレンを主体としたポリオレフィン系樹脂からなり、前記中間層は、密度0.92以上のポリエチレンからなり、前記強粘着層及び前記非粘着層よりも厚くなるように積層したことを特徴とする。
前述した特徴を有する本発明は、巻芯にフィルム本体をロール状に巻き付けることで、フィルム本体の強粘着層と非粘着層が重ね合わされ、巻芯からフィルム本体を引き出すことにより、フィルム本体の強粘着層がアンチブロッキング性を有する非粘着層からスムーズに剥がれ、フィルム本体で食品を包み、それから突出するフィルム本体の強粘着層同士を貼り合わせることにより、それらの粘着力で食品が外気と遮断されて、ポリオレフィン系樹脂からなる強粘着層、非粘着層及び中間層で水蒸気が透過し難くなり、またフィルム本体において密度0.92以上のポリエチレンからなる中間層を強粘着層及び非粘着層よりも厚くすることで、カット刃でスムーズに切断可能となる。
したがって、フィルム本体の引き出し性及びカット性に優れ且つ冷蔵保存用又は冷凍保存用として密着性に優れた食品包装用ラップフィルムを提供することができる。
その結果、食品を包んでポリプロピレン系樹脂製被覆層の表面同士を貼り合わせるか、又は食品が入った容器の開口部分にポリプロピレン系樹脂製被覆層の表面を貼り付けて覆ったとしても、密着度が低くて食品と外気の遮断が不十分である従来のものに比べ、冷蔵保存中や冷凍保存中に食品と外気を確実に遮断して、食品の水分が蒸発し難くなるため、食品の乾燥による臭い移りや冷凍焼けを防ぎ、保存中の食品の味や風味をしっかり長期に亘って保つことができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る食品包装用ラップフィルムは、そのフィルム本体が巻芯にロール状に巻き付けられるとともに、この巻き付け状態で収納箱に収納され、収納箱からフィルム本体を所定長さ引き出してカット刃で切断することにより、食品に巻き付けて包むか、又は食品が入った容器の開口部を覆ってラップ包装するために用いられるものである。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る食品包装用ラップフィルムのフィルム本体は、その芯材となる中間層と、中間層の一方表面に沿って積層される強粘着層と、中間層の他方表面に沿って積層される非粘着層と、を主要な構成要素として備えている。
前記強粘着層は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂などを含み、強粘着層同士が貼り合わされた際に、貼り合わせ直後でも剥がれないレベルの粘着力を有し、時間経過に伴って前記粘着力が増大しても開封可能なレベルにとどまるように構成されている。
強粘着層を構成する材料には、スチレン系熱可塑性エラストマーや水添スチレン系ゴムなどのスチレン系エラストマー、及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体などのプロピレン系エラストマー、若しくはエチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン系エラストマー化合物が含まれる。強粘着層に用いられるベース樹脂としては、ポリプロピレンを用いることが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、硬質セグメントがスチレンで、軟質セグメントがオレフィン、ジエンなどのブロックコポリマーである。軟質セグメントがブタジエンを水素添加したSEBS、HSBS、イソプレンのSIS、イソプレンを水素添加したSEPSが例示される。水添スチレン系ゴムとしては、水添スチレン・ブタジエンゴムのHSBRが例示される。
強粘着層を構成する材料の具体例としては、SEBS,HSBS,SIS、SEPS、HSBRなどのスチレン系エラストマー、又はオレフィン系エラストマー化合物を1種類あるいは2種類以上の組み合わせた組成が10−50質量部、ポリプロピレンが90−50質量部を含有することが好ましい。
さらに、強粘着層の粘着力をコントロールするために、強粘着層の材料に粘着付与剤を添加することも可能である。粘着付与剤としては、例えば脂肪族系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂、芳香族系石油樹脂、C5系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂などが挙げられる。特にスチレン系エラストマーに粘着付与剤を添加することで、粘着レベルのコントロールに有効である。
また、強粘着層の粘着力は、強粘着層同士を貼り合わせた直後から容易に剥がれないレベルの粘着力が既にあり、その後、時間経過に伴って粘着力が増大する。しかし、その増大量は、強粘着層同士を貼り合わせてから所定時間以上に経過しても、家事を行う女性や子供が強粘着層同士を剥離することが可能なレベルの粘着力に維持されている。
このような強粘着層の粘着力は、後述する粘着力試験によって数値的に表すことが可能である。
粘着力試験の具体例としては、幅22cmの試験片を用いてその強粘着層が目的とする形に貼り合わされ、幅22cmの方向に剥離する際の粘着力を、引張試験機などの測定器で測定する。この粘着力試験において、強粘着層同士を貼り合わせた直後から容易に剥がれないレベルの粘着力とは、約50〜1000g/22cm程度であり、好ましくは約80〜800g/22cm程度である。貼り合わせ直後から所定時間(約24時間)経過後の測定において、女性や子供であっても強粘着層同士を剥離することが可能なレベルとは、約60〜2000g/22cm程度であり、好ましくは約200〜800g/22cm程度である。
前記非粘着層は、強粘着層とアンチブロッキング性を有するポリオレフィン系樹脂からなり、強粘着層と重ね合わせても容易に開反できる程度の粘着性しか与えないが、強粘着層に対して巻きズレずれを起こさない程度の僅かな粘着性となるように構成している。
非粘着層を構成する材料には、ブロックポリプロピレンを主体とするか、又はポリエチレン系樹脂にアンチブロッキング剤を添加したものか、若しくはポリプロピレン系樹脂にアンチブロッキング剤を添加したものが含まれる。
特に、非粘着層を構成する材料としてブロックポリプロピレンを用いた場合には、アンチブロッキング剤を使用しなくても良好なアンチブロッキング性を与えるため好ましい。
ブロックポリプロピレン以外のポリプロピレン、ポリエチレンを非粘着層とする時には、アンチブロッキング剤で非粘着性をコントロールする。
アンチブロッキング剤としては、例えば無機シリカ、ゼオライト、タルク、カオリン、マイカ、合成炭酸カルシウムなどの無機微粒子、ポリマービーズなどの有機微粒子、脂肪酸グリセリド、脂肪酸アミドなどの界面活性剤系がある。非粘着層が食品と接触する場合も考慮して、食品に移行の恐れが少ない無機微粒子として、特に無機シリカ、ゼオライトを用いることが好ましい。
非粘着層と強粘着層を貼り合わせた際の粘着力は、前述した粘着力試験によって数値的に表すと、約200g/22cm以下となるように構成されている。
ここで、非粘着層と強粘着層を貼り合わせた際の粘着力が50〜200g/22cmである場合には、フィルム本体を収納箱から引き出す時に、非粘着層と強粘着層の粘着力により、収納箱内で巻芯が浮き上がってしまい、フィルム本体が収納箱から引き出し難くなるおそれがある。
このような問題点を解決するため、例えば特開2009−292508号公報に記載されるように、収納箱の左右の側壁部に沿って、フィルム本体が巻き付けられた巻芯の収納開口へ入り込んで巻芯の浮き上がり移動を制限するための規制片を備えることにより、フィルム本体が収納箱からスムーズに引き出すことができるように構成することが好ましい。
なお、強粘着層同士を貼り合わせた際の粘着力と、非粘着層と強粘着層を貼り合わせた際の粘着力は、幅22cmの試験片による前述した粘着力試験で得られた数値に限らず、それらの数値と実質的にほぼ同等であれば、その他の幅の試験片により粘着力試験で得られた数値や、前述した粘着力試験とは別の試験で得られた粘着力も含まれることは言うまでもない。
前記中間層は、ポリエチレンにおいてその密度が0.92以上のポリエチレンからなり、密度を高くすることでフィルム本体の全体に腰を持たせて、カット刃によるカット性が良好となるように構成されている。
密度0.92以上のポリエチレンは、低密度ポリエチレンのうち密度の高いものと、高密度ポリエチレンを指す。
特に、密度が0.926〜0.935以上のポリエチレンを用いると良い。0.926以上ではカット刃によるカット性が特に良好であり、0.935以下ではフィルムの柔軟性が特に良好になる。
さらに、中間層の厚さは、強粘着層及び非粘着層よりも厚くなるように積層している。
強粘着層と中間層と非粘着層の厚さバランス(層比)は、1:1〜20:1であり、好ましくは、1:2〜20:1である。
また、中間層の硬さコントロールや加工性の改良に前述した粘着付与剤を添加することも可能である。粘着付与剤には、フィルムの硬さとカット性のバランスを調整する効果があり、より柔らかなフィルムでも良好なカット性を与えることができる。
そして、前記フィルム本体の製造方法としては、Tダイまたはサークルダイによる押出し成形機による押出し工程のみで、中間層を挟んで強粘着層と非粘着層が一体的に積層して所定の厚さにフィルム化され、押出し成形されたフィルム本体を冷却することで製品化される。
フィルム本体全体の厚さは、柔軟で破れ難くするために約5〜70μmとすることが好ましく、特に10〜50μm程度が最も好ましい。
さらに、前記巻芯に対するフィルム本体の巻き付け方向としては、巻芯と対向する内側が強粘着層となるように配置する方が扱い易い。また、これに限らず、巻芯と対向する内側が非粘着層となるように巻き付けることも可能である。
このような本発明の実施形態に係る食品包装用ラップフィルムによると、巻芯にフィルム本体をロール状に巻き付けることで、フィルム本体の強粘着層と非粘着層が重ね合わされ、巻芯からフィルム本体を引き出すことにより、フィルム本体の強粘着層がアンチブロッキング性を有する非粘着層からスムーズに剥がれる。
さらに、フィルム本体で食品を包み、それから突出するフィルム本体の強粘着層同士を貼り合わせることにより、それらの粘着力で食品が外気と遮断されて、ポリオレフィン系樹脂からなる強粘着層、非粘着層及び中間層で水蒸気が透過し難くなる。
また、フィルム本体において密度0.92以上のポリエチレンからなる中間層を強粘着層及び非粘着層よりも厚くすることで、フィルム本体全体の密度が高くなって腰が強くなるため、カット刃でスムーズに切断可能となる。
したがって、フィルム本体の引き出し性及びカット性に優れ且つ冷蔵保存用又は冷凍保存用として密着性に優れた食品包装用ラップフィルムを提供することができる。
その結果、冷蔵保存中や冷凍保存中に食品と外気を確実に遮断して、食品の水分が蒸発し難くなるため、食品の乾燥による臭い移りや冷凍焼けを防ぎ、保存中の食品の味や風味をしっかり長期に亘って保つことができる。
特に、強粘着層が、スチレン系エラストマー、及び/又はプロピレン系エラストマー、若しくはオレフィン系エラストマー化合物を含む場合には、冷蔵保存用又は冷凍保存用として更に密着性を向上させることができる。
その結果、保存中の食品の味や風味をしっかり長期に亘って確実に保つことができる。
さらに、非粘着層がブロックポリプロピレンを主体とした場合には、アンチブロッキング剤の添加がなしで非粘着層を形成することもできる。
その結果、フィルム本体の積層形成を容易にすることができ、製造工程の簡素化及びコストの低減化が図れる。
また、中間層における密度0.92以上のポリエチレンの密度が0.926〜0.935であり、フィルム本体の厚さが10〜50μmである場合には、フィルム本体のカット性を更に向上させ且つフィルム本体全体に柔軟性を持たせることができる。
その結果、フィルム本体の取り扱いが更に容易になって使用勝手が良い。
実施例1〜7及び比較例1〜9
表1(実施例1〜7)及び表2(比較例1〜9)に示す成分をそれぞれの割合で混合し、押出し成形機によって、強粘着層と中間層と非粘着層の厚さバランス(層比)が1:3:1のフィルム本体を得た。
得られたフィルム本体の厚みを、表1及び表2にそれぞれ示した。
表1及び表2において、「スチレン系熱可塑性エラストマー」は、クレイトンポリマー社製の「クレイトンG1645」である。「水添スチレン系ゴム」は、JSR社製のダイナロン1320Pである。「プロピレン系エラストマー(A)」は、三井化学社製の「ノティオPN−3560」である。「プロピレン系エラストマー(B)」は、三井化学社製の「ノティオPN−2060」である。「オレフィン系エラストマー」は、住友化学社製の「タフセレンT−1712」である。「エチレン―ブテン1ランダム共重合体エラストマー」は、三井化学社製の「タフマーA−4085S」である。「エチレンプロピレンランダム共重合体ゴム」は、住友化学社製の「エスプレンV0141」である。「エチレン−酢酸ビニル共重合体」は、日本ユニカー社製の「NUC3888」である。「メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.914)」は、住友化学社製の「FV203」である。「ランダムポリプロピレン(A)」は、住友化学社製の「ノーブレンFH3315」である。「ブロックポリプロピレン」は、日本ポリプロ社製の「CF580A」である。「密度0.92以上のポリエチレン(密度0.929)」は、日本ユニカー社製の「NUC8240」である。「ブロックポリプロピレン」は、日本ポリプロ社製の「ノバテックBC3HF」である。「ランダムポリプロピレン(B)」は、住友化学社製の「S−131」である。
得られた2枚のフィルム本体を、その強粘着層同士が重なり合うように貼り合わせ、平らな柔らかいゴムのマットの上に載せてから、JIS K−6732 べた付き性試験で使用されるゴムローラーを2回かけて圧着させる。
これに続いて、貼り合わされた2枚のフィルム本体から、長さ10cm、幅22cmの試験片を複数枚(3枚)作製する。
その次に、各試験片の粘着力試験を一定温度(23℃)の同じ環境下でそれぞれ行った。
粘着力試験には、その測定器として引っ張り速度が500mm/分のストログラフを用い、強粘着層同士が貼り合わされた直後のタイミングとして貼り合わせ直後から約20分以内と、貼り合わせ直後から所定時間経過後のタイミングとして貼り合わせ直後から24時間経過後において、各試験片を幅22cmの方向に剥離力(g/22cm)を測定し、平均値を求めた。
また、粘着力試験の測定値が2000g/22cm以上は「NG」とした。
さらに、フィルム本体を収納箱から実際に引き出して強粘着層を非粘着層から剥がす「アンチブロッキング性」の試験と、フィルム本体を収納箱から実際に引き出してカット刃で切断する「カット性」の試験も行った。
「アンチブロッキング性」の試験において、フィルム本体の強粘着層が非粘着層からスムーズに剥がれたものを「○」印で示し、スムーズに剥がれなかったものを「×」印で示した。
「カット性」の試験において、フィルム本体がスムーズに切断されたものを「○」印で示し、フィルム本体がスムーズに切断されなかったものを「×」印で示し、どちらとも言えないものを「△」印で示した。
これらの結果を併せて表1及び表2に示した。
Figure 0006030389
Figure 0006030389
表1及び表2から分かるように、実施例1〜7は、粘着力試験の結果においてすべての「貼り合わせ直後」が50g〜1000/22cmの範囲内に収まり、すべての「貼り合わせ24時間後」が、60〜2000/22cmの範囲内収まっている。
「アンチブロッキング性」の試験結果及び「カット性」の試験結果においても、すべてが「○」印であった。
したがって、実施例1〜7は、強粘着層同士が重なり合うように貼り合わせた際の粘着力に優れて、冷蔵保存や冷凍保存に使用しても食品と外気を確実に遮断可能であることが分かった。さらに、フィルム本体を巻芯にロール状に巻き付けて収納箱に収納しても、フィルム本体の引き出しに伴ってフィルム本体の強粘着層を非粘着層からスムーズに剥がれると同時に、フィルム本体をカット刃でスムーズに切断可能であるため、家庭用ラップフィルムとして良好であることが分かった。
これに対し、比較例1〜9は、粘着力試験の結果において、比較例6〜9の「貼り合わせ直後」が50g〜1000/22cmの範囲内に収まるものの、比較例1〜5の「貼り合わせ直後」が50g〜1000/22cmの範囲外であった。比較例3,4,6〜9の「貼り合わせ24時間後」が、60〜2000/22cmの範囲に収まるものの、比較例1,2,5の「貼り合わせ24時間後」が、60〜2000/22cmの範囲の範囲外であった。
「アンチブロッキング性」の試験結果において、比較例1〜6,8,9が「○」印であるものの、比較例7が「×」印であった。
「カット性」の試験結果において、比較例1〜5,7が「○」印であるものの、比較例8が「△」印であり、比較例6,9が「×」印であった。
すなわち、比較例1〜9のいずれも、粘着力試験と「アンチブロッキング性」の試験と「カット性」の試験のいずれかが不合格となり、すべて合格するものはなかった。
したがって、比較例1〜9は、冷蔵保存や冷凍保存に使用した際の密封性、フィルム本体を巻芯にロール状に巻き付けて収納箱に収納した際の引き出し性、カット性のいずれかが不良となるため、家庭用ラップフィルムとして使用するには問題があることが分かった。

Claims (4)

  1. フィルム本体が巻芯にロール状に巻き付けられて収納箱に収納し、前記収納箱から引き出した前記フィルム本体がカット刃で切断される食品包装用ラップフィルムであって、
    前記フィルム本体は、その厚みが5〜70μmであり、中間層と、前記中間層の一方表面に積層される強粘着層と、前記中間層の他方表面に積層される非粘着層と、を有し、
    前記強粘着層は、ポリオレフィン系樹脂を含み、前記強粘着層同士が貼り合わされた直から時間経過に伴って粘着力が増大るように構成され、
    前記非粘着層は、前記強粘着層とアンチブロッキング性を有するブロックポリプロピレンを主体としたポリオレフィン系樹脂からなり、
    前記中間層は、密度0.92以上のポリエチレンからなり、前記強粘着層及び前記非粘着層よりも厚くなるように積層したことを特徴とする食品包装用ラップフィルム。
  2. 前記強粘着層が、スチレン系エラストマー、及び/又はプロピレン系エラストマー、若しくはオレフィン系エラストマー化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の食品包装用ラップフィルム。
  3. 前記中間層における密度0.92以上のポリエチレンの密度が0.926〜0.935であり、前記フィルム本体の厚10〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の食品包装用ラップフィルム。
  4. 前記強粘着層同士の貼り合わせ直後で50〜1000g/22cm又はこれと実質的に同等なレベルの粘着力を有し、前記強粘着層同士の貼り合わせ直後から所定時間経過後で60〜2000g/22cm又はこれと実質的に同等なレベルの粘着力を有することを特徴とする請求項1記載の食品包装用ラップフィルム。
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