JP6312533B2 - 食品包装用ラップフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、加熱することなく密封する家庭用ラップフィルムとして用いられる、ポリオレフィン系樹脂を主成分とした内層と中間層と外層からなる食品包装用ラップフィルムに関する。
従来、この種の食品包装用ラップフィルムとして、外層及び内層が密度0.92〜0.94g/cm3 でMFRが4以上の低密度ポリエチレン95〜50重量部及び密度0.91g/cm3 以下の超低密度線状ポリエチレン5〜50重量部からなる樹脂組成物からなり、中間層がMFR15以上のポリプロピレン樹脂組成物からなるラップフィルムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平07−148898号公報
しかし乍ら、このような従来の食品包装用ラップフィルムでは、内層及び外層の粘着性が低いため、容器などに接着した際に、現在多く使用されているポリ塩化ビニリデン系樹脂やポリ塩化ビニル系樹脂を主要材料とした家庭用ラップフィルムに比べて、密着性が悪く剥がれ易い。
それにより、食品が入った容器の開口部分に貼り付けたとしても、食品と外気の遮断が不十分であるため、冷蔵保存中や冷凍保存中に食品の水分が蒸発して、食品の乾燥による臭い移りや冷凍焼けが発生したり、酸素が侵入することによる油脂の酸化による変質により、保存中の食品の味や風味を長期に亘って保つことができないという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、内層及び外層の粘着力を高めると、巻芯にフィルム本体をロール状に巻き付けて、その内層の表面が対向する外層の表面に重ね合わされた場合、重なり合う内層の表面と外層の表面が互いに密着してしまい、巻芯からフィルム本体を引き出す際に、内層の表面が対向する外層の表面からスムーズに剥がれず、収納箱からフィルム本体を引き出すことが困難になる。
さらに、カット刃によるフィルム本体の切断も困難になって、使用勝手が悪いという問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、優れた粘着性及び解反性とカット性を兼ね備えた食品包装用ラップフィルムを提供すること、などが本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明による食品包装用ラップフィルムは、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1] 少なくとも内層、中間層及び外層の3層以上の構造を有し且つポリオレフィン系樹脂を主成分とするフィルム本体が、巻芯にロール状に巻き付けられて収納箱に収納し、前記収納箱から引き出した前記フィルム本体がカット刃で切断される食品包装用ラップフィルムであって、
前記内層及び前記外層は、低密度ポリエチレンを主成分とした層であり、粘着性調整剤としてアジピン酸エステル又はアセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方か、若しくはアジピン酸エステル及びアセチルクエン酸トリブチルの両方を配合することを特徴とする食品包装用ラップフィルム。
このような特徴を有する本発明の食品包装用ラップフィルムは、内層及び外層が低密度ポリエチレンを主成分とした層で、粘着性調整剤としてアジピン酸エステル又はアセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方若しくは両方を配合することにより、容器に対する内層及び外層の粘着力が、ポリ塩化ビニル製の食品包装用ラップフィルムと同等か或いはそれ以上になる。さらにカット刃によるフィルム本体のカット性についても、ポリ塩化ビニル製の食品包装用ラップフィルムと同等のカット性が得られる。また巻芯にフィルム本体をロール状に巻き付けた際に、内層の表面が対向する外層の表面に重ね合わされても、巻芯からフィルム本体を引き出すことで、内層の表面が対向する外層の表面からスムーズに剥がれる。
したがって、容器に対するフィルム本体の密着性及びカット性と解反性を兼ね備えた食品包装用ラップフィルムを提供することができる。
その結果、外層及び内層が低密度ポリエチレン及び超低密度線状ポリエチレンからなる従来のラップフィルムに比べ、食品が入った容器の開口部分に貼り付けたり、食品に直接巻き付けてフィルム表面同士を貼り付けたりしても、密着性が良くなって剥がれ難くなるため、容器内の食品と外気を確実に遮断して、食品の水分が蒸発し難くなり、食品の乾燥による臭い移りや冷凍焼けを防ぎ、保存中の食品の味や風味をしっかり長期に亘って保つことができる。
さらに、収納箱から引き出されたラップフィルムは、カット刃で切断し易くなり、使用勝手が向上する。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る食品包装用ラップフィルムは、そのフィルム本体が巻芯にロール状に巻き付けられるとともに、この巻き付け状態で収納箱に収納され、収納箱からフィルム本体を所定長さ引き出してカット刃で切断することにより、食品が入った容器の開口部を覆うか、又は食品に直接巻き付けてラップ包装するために用いられるものである。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る食品包装用ラップフィルムは、少なくとも内層、中間層及び外層の3層以上を含む多層構造からなり、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフィルム本体を備えている。
フィルム本体は、内層、中間層及び外層の3層構造であっても良いし、中間層を多層にして4層以上の層構造にしても良い。
[内層及び外層について]
内層及び外層は、ポリエチレンを主成分とする層にしている。ポリエチレンとしては、密度が0.910〜0.930の低密度ポリエチレン(LDPE)を用いることが好ましい。この低密度ポリエチレンとは、高圧法で製造された長鎖分岐を持つ高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)と、短い側鎖分岐を導入した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:線状低密度ポリエチレン)が含まれる。
内層及び外層の主成分となる低密度ポリエチレンの配合例としては、密度が0.920〜0.930のHP−LDPEが総量で80重量%以上(詳しくは80〜90重量%)と、密度が0.900〜0.920のLLDPEが5〜15重量%(詳しくは10重量%)とを組み合わせることが好ましい。
密度0.920〜0.930のHP−LDPEの具体例としては、日本ユニカー社製のNUC8240(密度0.929)と、日本ユニカー社製のNUC8230(密度0.928)が該当する。
密度0.900〜0.920のLLDPEの具体例としては、住友化学社製の「スミカセン(登録商標)E」FV401(密度0.904)が該当する。
さらに、内層及び外層には、粘着性調整剤や粘着付与剤などを添加することが好ましい。
粘着性調整剤としては、アジピン酸ジオクチル(DOA)の一種であるアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHA)やアジピン酸ジイソデシル(DIDA)などのアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、エポキシ化亜麻仁油やエポキシ化大豆油などのエポキシ化植物油などが挙げられる。
これらの粘着性調整剤は、ポリ塩化ビニルにおいては可塑剤として広く使われているが、ポリオレフィンには使われていない。ここで、これらのポリ塩化ビニル用可塑剤がポリオレフィンでは粘着性調整剤となることを見出し、特定の粘着性調整剤を特定の比率で添加すると特に効果があることを見出した。
内層及び外層の主成分となる低密度ポリエチレンに対する粘着性調整剤の配合例としては、低密度ポリエチレン及び粘着性調整剤とその他の添加物(粘着付与剤など)との合計100重量%に対し、アジピン酸エステル又はアセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方か、若しくはアジピン酸エステル及びアセチルクエン酸トリブチルの両方と、その他の粘着性調整剤(エポキシ化植物油など)とを、粘着性調整剤の総量が1.5重量%以上7.0重量%未満(好ましくは1.5〜6.0重量%)になるように添加することが好ましい。
粘着付与剤は、タッキファイヤーとも呼ばれる樹脂であり、エラストマーに添加されることで、エラストマーと相溶して粘着機能(タッキ)を付与させる配合剤である。
粘着付与剤としては、テルペン樹脂水素化物(水添テルペン樹脂)などのテルペン樹脂、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂)や脂環族飽和炭化水素樹脂や脂肪族系石油樹脂や芳香族系石油樹脂やC5系石油樹脂などの石油樹脂、クマロン・インデン樹脂(クマロン−インデン樹脂)、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂、及びそれらの水素添加樹脂中の少なくとも一種の樹脂などが挙げられる。これらの中から、軟化点が120−130℃のテルペン樹脂を用いることが好ましい。
内層及び外層の主成分となる低密度ポリエチレンに対する粘着付与剤(テルペン樹脂)の配合例としては、低密度ポリエチレン及び粘着性調整剤と粘着付与剤などとの合計100重量%に対し、約5.0重量%未満添加することが好ましい。その理由は、粘着付与剤(テルペン樹脂)の配合量が5.0重量%以上になると、内層及び外層の表面における粘着力が大きくなり過ぎるからである。それにより、巻芯にフィルム本体を巻き付けて内層と外層が重ね合わされた際に密着して、巻芯からのフィルム本体の引き出しに伴い内層を外層から剥がす際の解反力が低下し、巻芯からフィルム本体が引き出し難くなる。
テルペン樹脂の具体例としては、ヤスハラケミカル社製の「クリアロン(登録商標)」P−125(水添テルペン樹脂:軟化点125℃)が該当する。
[中間層について]
中間層は、フィルム本体のカット性を高めることができ、これに加えてフィルム本体の耐熱温度が高い層にする。具体的には、フィルム本体の耐熱温度を改善するために、ポリプロピレンを主成分とする層にしている。
ポリプロピレン(PP)としては、ホモPP(ホモポリマー)、ランダムPP(ランダムコポリマー)、ブロックPP(ブロックコポリマー)などが挙げられる。これらの中から、透明性と柔軟性に優れたランダムPPを用いることが好ましい。ランダムPPは、その融点が低過ぎると、耐熱性の改善効果が不足し、高過ぎると硬くなるため、融点が125〜140℃のものが好ましい。
ランダムPPの具体例としては、住友化学社製の「ノーブレン(登録商標)」S131(融点132℃)が該当する。
中間層としてランダムPPを用いる場合は、内層と中間層と外層の層比を約3:1:3に設定して、フィルム本体の全体厚みに対する中間層の割合を約15%以下にすることが望ましい。
また、中間層の硬さコントロールや加工性の改良のため、軟化剤として2種以上のα−オレフィン(エチレンを含む)のランダム共重合体、ポリエチレン系熱可塑性エラストマーなどのオレフィン系エラストマーを添加することも可能である。これらの中からランダム共重合体を用いることが好ましい。
中間層の主成分となるポリプロピレン(ランダムPP)に対するオレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)の配合例としては、ポリプロピレン(ランダムPP)が約60〜80重量%(詳しくは70重量%)と、オレフィン系エラストマーが約20〜40重量%(詳しくは30重量%)を配合することが好ましい。
オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)の具体例としては、住友化学製の「タフセレン(登録商標)」T3732(プロピレン系エラストマー)が該当する。
オレフィン系エラストマーには、フィルムの硬さとカット性のバランスを調整する効果があり、より柔らかなフィルムでも良好なカット性を与えることができる。
[製造方法]
そして、フィルム本体の製造方法としては、Tダイ又はサークルダイを用いた押出し成形機による押出成形か、若しくはインフレーション成形により、中間層を挟んで強粘着層と非粘着層が一体的に積層して所定の厚みにフィルム化され、押出し成形されたフィルム本体を冷却することで製品化される。
なお、フィルム本体の成形時には各樹脂層に必要に応じて各種の添加剤を通常の量で配合させることができる。
さらに、フィルム本体全体の厚さは、柔軟で破れ難くするために約5〜20μmとすることが好ましく、特に7〜15μm程度が最も好ましい。
また、フィルム本体を巻芯に対して巻き付ける際の巻き付け方向としては、巻芯の外表面と対向する内側が内層又は外層となるように配置する。
このような本発明の実施形態に係る食品包装用ラップフィルムによると、内層及び外層が低密度ポリエチレンを主成分とした層であり、粘着性調整剤としてアジピン酸エステル又はアセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方か、若しくはアジピン酸エステル及びアセチルクエン酸トリブチルの両方を配合している。
それにより、容器に対する内層及び外層の粘着力が、ポリ塩化ビニル製の食品包装用ラップフィルムと同等か或いはそれ以上になる。
さらに、カット刃によるフィルム本体のカット性については、ポリ塩化ビニル製の食品包装用ラップフィルムと同等のカット性が得られる。
また、巻芯にフィルム本体をロール状に巻き付けた際には、内層の表面が対向する外層の表面に重ね合わされても、巻芯からフィルム本体を引き出すことで、内層の表面が対向する外層の表面からスムーズに剥がれる。
したがって、容器に対するフィルム本体の密着性及びカット性と解反性を兼ね備えた食品包装用ラップフィルムを提供することができる。
その結果、食品が入った容器の開口部分に貼り付けたり、食品に直接巻き付けてフィルム表面同士を貼り付けたりしても、密着性が良くなって剥がれ難くなるため、容器内の食品と外気を確実に遮断して、食品の水分が蒸発し難くなり、食品の乾燥による臭い移りや冷凍焼けを防ぎ、保存中の食品の味や風味をしっかり長期に亘って保つことができる。
さらに、収納箱から引き出されたラップフィルムは、カット刃で切断し易くなり、使用勝手が向上する。
特に、内層及び外層が、低密度ポリエチレン及び粘着性調整剤とその他の添加物との合計100重量%に対し、粘着性調整剤としてアジピン酸エステル又はアセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方か、若しくはアジピン酸エステル及びアセチルクエン酸トリブチルの両方と、その他の粘着性調整剤とを、粘着性調整剤の総量が1.5重量%以上7.0重量%未満になるように含む場合には、容器に対する内層及び外層の粘着力が、ポリ塩化ビニル製の食品包装用ラップフィルムと同等か或いはそれ以上になるものの、内層及び外層との触感がベタ付かず、ブリード感が無い。
したがって、フィルム本体の感触がベタ付かずに容器に対する密着性を確実に向上させることができる。
その結果、巻芯からフィルム本体を引き出す際に、フィルム本体が指にまつわり付くことがなく、スムーズに引き出すことができて使用勝手が良い。
さらに、内層及び外層に粘着付与剤を配合した場合には、内層及び外層との触感がベタ付かないまま、容器に対する内層及び外層の粘着力がより強くなる。
したがって、フィルム本体の感触がベタ付かずに容器に対する密着性を更に向上させることができる。
また、内層及び外層が、密度0.920〜0.930の高圧法低密度ポリエチレンが80重量%以上と、密度0.910〜0.920の直鎖状低密度ポリエチレンが5〜15重量%を組み合わせた組成である場合には、容器に対するフィルム本体の密着性及びカット性を高いレベルでバランスさせることができる。
また、中間層が、ポリプロピレンからなり、中間層の層比がフィルム本体の20%以下である場合には、フィルム本体の耐熱温度を向上させることができる。
また、フィルム本体の厚みが20μm未満である場合には、フィルム本体のカット性に優れる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
[実施例1〜7及び比較例1〜8]
表1に示す実施例1〜7と表2に示す比較例1〜8は、それらに記載された成分をそれぞれの割合で混合して、内層、中間層及び外層の3層構造のフィルム本体を形成するか、又は単層のフィルム本体を形成し、フィルム本体の全体の厚みがそれぞれ設定寸法となるように加工した食品包装用ラップフィルムである。
実施例1〜7及び比較例1〜7における内層及び外層は、HP−LDPE(密度0.929)、HP−LDPE(密度0.928)、LLDPE(密度0.904)の組み合わせを主成分としており、共通の構成にしている。実施例1〜7及び比較例2〜7における内層及び外層は、粘着性調整剤としてアジピン酸エステル(DEHA),ATBC,エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)の中から2種又は3種を添加した層であり、共通の構成にしている。詳しくは、HP−LDPE(密度0.928)22.5重量%と、LLDPE(密度0.904)10重量%をそれぞれ共通して配合している。
実施例1〜7及び比較例1〜7における中間層は、ポリプロピレン(ランダムPP)を主成分としており、ポリプロピレン(ランダムPP)70重量%に、オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)30重量%を配合した層であり、共通の構成にしている。
さらに、実施例1〜7と比較例1〜7では、内層と中間層と外層の層比が3:1:3であり、共通の構成にしている。
実施例1〜7と比較例1〜6では、フィルム本体の全体の厚みが10μmであり、共通の構成にしている。
詳しく説明すると、実施例1の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が66重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が0.5重量%と、ATBCが0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が0.5重量%とを混合している。
実施例2の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が65.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が1.0重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が1.0重量%とを混合している。
実施例3の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が65重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が1.0重量%と、ATBCが0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が1.0重量%とを混合している。
実施例4の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が61.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が1.5重量%と、ATBCが0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が1.0重量%と、粘着付与剤(テルペン樹脂)が3.0重量%とを混合している。
実施例5の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が61.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が1.0重量%と、ATBCが0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が1.5重量%と、粘着付与剤(テルペン樹脂)が3.0重量%とを混合している。
実施例6の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が63.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が1.0重量%と、ATBCが1.0重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が2.0重量%とを混合している。
実施例7の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が61.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が2.0重量%と、ATBCが2.0重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が2.0重量%とを混合している。
一方、比較例1の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が67.5重量%で、粘着性調整剤及び粘着付与剤が添加されないところが異なっている。
比較例2の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が66.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が0.5重量%とを混合したところが異なっている。
比較例3の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が66.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が0.5重量%と、ATBCが0.5重量%とを混合したところが異なっている。
比較例4の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が66.5重量%と、ATBCが0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が0.5重量%とを混合したところが異なっている。
比較例5の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が60.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が2.0重量%と、ATBCが3.0重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が2.0重量%とを混合したところが異なっている。
比較例6の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が60.5重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が3.0重量%と、ATBCが2.0重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が2.0重量%とを混合したところが異なっている。
比較例7の内層及び外層では、HP−LDPE(密度0.929)が65.0重量%と、アジピン酸エステル(DEHA)が1.0重量%と、ATBCが0.5重量%と、エポキシ化植物油(エポキシ化亜麻仁油)が1.0重量%とを混合し、フィルム本体の全体の厚みを20μmにしたところが異なっている。
比較例8では、フィルム本体がポリ塩化ビニルのみの単層で、フィルム本体の全体の厚みが10μmである。
表1及び表2に示される評価結果(容器との密着性、フィルム本体の触感、フィルム本体のカット性、フィルム本体の解反性、フィルム本体の透明性)は、以下の指標に基づくものである。
「容器との密着性」は、実施例1〜7及び比較例1〜7の各フィルム本体を、その内層又は外層のいずれか一方の表面が、容器を構成するガラス製の平滑面に接触するように貼り付けて圧着させ、貼り付け直後から所定時間内に各フィルム本体をガラス製の平滑面から剥がす試験を行った。また比較例8のフィルム本体も同様にその表面をガラス製の平滑面に貼り付けて圧着させ剥がす試験を行った。これらフィルム本体の密着状態を比較して、4段階で評価した結果である。
この「容器との密着性」の試験において、比較例8と同等な粘着力で密着性が強いものを○、比較例8よりも粘着力が強くて密着性が非常に優れたものを○、比較例8よりはやや粘着力が低下するものの密着するものを△、密着性に劣って剥がれ易いものを×、と評価した。
「フィルム本体の触感」は、実施例1〜7及び比較例1〜7の各フィルム本体において、その内層又は外層のいずれか一方の表面を指で触る試験と、比較例8のフィルム本体の表面を同様に指で触る試験を行った。これらの手ざわり感を比較して、4段階で評価した結果である。
この「フィルム本体の触感」の試験において、比較例8と同等にウエットなしっとりした手ざわり感のものを○、比較例8よりもカサカサした手ざわり感のものを□、比較例8よりはややベタベタした手ざわり感のものを△、比較例8よりもベタベタして指に貼り付く手ざわり感のものを×、と評価した。
「フィルム本体のカット性」は、実施例1〜7及び比較例1〜7の各フィルム本体を巻芯にロール状に巻き付けてカット刃で切断する試験と、比較例8のフィルム本体を同様にカット刃で切断する試験を行った。これらカット時のフィルム状態を比較して、2段階で評価した結果である。
この「フィルム本体のカット性」の試験において、比較例8と同等なカット状態のものを○、比較例8よりもカットし難いものを×、と評価した。
「フィルム本体の解反性」は、実施例1〜7及び比較例1〜7の各フィルム本体を巻芯にロール状に巻き付け、巻芯からの引き出しに伴い内層を外層から剥がす試験と、比較例8のフィルム本体を巻芯にロール状に巻き付け、巻芯からの引き出しに伴い剥がす試験を行った。これらフィルム本体の引き出す際の解反性を比較して評価した結果である。
この「フィルム本体の解反性」の試験において、比較例8と同等な解反性のものを○と評価した。
「フィルム本体の透明性」は、実施例1〜7及び比較例1〜7の各フィルム本体を透視する試験と、比較例8のフィルム本体を同様に透視する試験を行った。これらの透明性を比較して、2段階で評価した結果である。
この「フィルム本体の透明性」の試験において、比較例8と同等な透明性のものを○、比較例8よりも透明性がやや劣るものを△、と評価した。
Figure 0006312533
Figure 0006312533
実施例1〜7と比較例1〜7を比較すると、実施例1〜7は、適量の粘着性調整剤(アジピン酸エステルとATBC又はエポキシ化植物油のいずれか一方若しくは両方)を含むため、容器との密着性、フィルム本体の触感、フィルム本体のカット性、フィルム本体の解反性、フィルム本体の透明性のすべてにおいて、比較例8(ポリ塩化ビニルの単層フィルム)と同等か或いはそれ以上の良好な評価結果が得られている。
この評価結果から明らかなように、実施例1〜7は、フィルム本体の内層及び外層が有する容器との密着性及び触感、収納箱のカット刃によるフィルム本体のカット性、巻芯に巻き付けられたフィルム本体を収納箱から引き出して内層を外層から剥がす際の解反性、フィルム本体の透明性を含めて、食品包装用ラップフィルムとしての総合的な機能を高めることが可能になる。
特に、実施例4,5の内層及び外層は、前述した粘着性調整剤に加えて適量の粘着付与剤を含むため、「容器との密着性」で比較例8(ポリ塩化ビニルの単層フィルム)を越えて最も優れていた。これに比べて、実施例1〜3,6,7の内層及び外層は、「容器との密着性」で若干劣るものの、比較例8(ポリ塩化ビニルの単層フィルム)の「容器との密着性」と同等で使用上に問題がなかった。
しかし、これに対して、比較例1〜7は、前述した粘着性調整剤が不足するか又は過剰となるため、容器との密着性、フィルム本体の触感、フィルム本体のカット性、フィルム本体の透明性のいずれかで、比較例8(ポリ塩化ビニルの単層フィルム)よりも不良な評価結果になっている。
詳しく説明すると、比較例1は、粘着性調整剤の配合量が大幅に不足するため、「容器との密着性」と「フィルム本体の触感」と「フィルム本体の透明性」で、比較例8よりも不良な評価結果になった。特に、比較例1の「容器との密着性」では、密着性に劣って剥がれ易かった。「フィルム本体の触感」では、比較例8の「フィルム本体の触感」よりもカサカサした手ざわり感となり、収納箱からフィルム本体を引き出す際に滑って取り出しが困難であった。「フィルム本体の透明性」では、比較例8よりも透明性がやや劣って、透視に若干問題があった。
比較例2及び比較例3は、粘着性調整剤の配合量が若干不足するため、「容器との密着性」で比較例8よりも不良な評価結果になり、比較例8よりはやや粘着力が低下して密着するものの、剥がれるおそれがあった。
比較例4は、粘着性調整剤でアジピン酸エステルを配合していないため、「容器との密着性」で密着性に劣って剥がれ易く、「フィルム本体の触感」では、比較例8の「フィルム本体の触感」よりもカサカサした手ざわり感となった。
比較例5及び比較例6は、粘着性調整剤の配合量が過剰となるため、「フィルム本体の触感」で比較例8よりも不良な評価結果となり、収納箱からフィルム本体を引き出す際にベタベタして指に貼り付き、使いづらかった。
比較例7は、フィルム本体が厚過ぎて柔軟性に若干劣るため、「容器との密着性」で比較例8よりも不良な評価結果となるとともに、「フィルム本体のカット性」で比較例8よりも不良な評価結果になり、収納箱のカット刃でフィルム本体をカットし難くて、使いづらかった。

Claims (6)

  1. 少なくとも内層、中間層及び外層の3層以上の構造を有し且つポリオレフィン系樹脂を主成分とするフィルム本体が、巻芯にロール状に巻き付けられて収納箱に収納し、前記収納箱から引き出した前記フィルム本体がカット刃で切断される食品包装用ラップフィルムであって、
    前記内層及び前記外層は、低密度ポリエチレンを主成分とした層であり、粘着性調整剤としてアジピン酸エステル又はアセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方か、若しくはアジピン酸エステル及びアセチルクエン酸トリブチルの両方を配合することを特徴とする食品包装用ラップフィルム。
  2. 前記内層及び前記外層が、前記低密度ポリエチレン及び前記粘着性調整剤とその他の添加物との合計100重量%に対し、前記粘着性調整剤として前記アジピン酸エステル又は前記アセチルクエン酸トリブチルのいずれか一方か、若しくは前記アジピン酸エステル及び前記アセチルクエン酸トリブチルの両方と、その他の粘着性調整剤とを、前記粘着性調整剤の総量が1.5重量%以上7.0重量%未満になるように含むことを特徴とする請求項1記載の食品包装用ラップフィルム。
  3. 前記内層及び前記外層に粘着付与剤を配合したことを特徴とする請求項1又は2記載の食品包装用ラップフィルム。
  4. 前記内層及び前記外層が、密度0.920〜0.930の高圧法低密度ポリエチレンが80重量%以上と、密度0.910〜0.920の直鎖状低密度ポリエチレンが5〜15重量%を組み合わせた組成であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の食品包装用ラップフィルム。
  5. 前記中間層が、ポリプロピレンからなり、前記中間層の層比が前記フィルム本体の20%以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の食品包装用ラップフィルム。
  6. 前記フィルム本体の厚みが20μm未満であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の食品包装用ラップフィルム。
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