JP6030028B2 - 新規化合物、熱硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、イミダゾール骨格を有する新規化合物に関し、詳しくは、優れた保存安定性、加熱硬化性を有し、熱硬化剤として有用な新規化合物、および該化合物からなる熱硬化剤、該熱硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、各種基材への接着性に優れており、また、エポキシ樹脂を硬化剤で硬化させた硬化物は、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性などが比較的優れているため、塗料、接着剤、各種成形材料等の幅広い用途において多用されている。
従来、エポキシ樹脂組成物は、使用直前に硬化剤や硬化促進剤を添加する二液型が主流であった。二液型は、常温あるいは低温において硬化させることができるという特徴を有しているが、その反面、使用直前に計量、混合しなければならないだけでなく、可使時間が短く、自動機械への適用が困難である等その使用条件が制限されるという欠点を有している。このような問題点を解消するために、一液型硬化性エポキシ樹脂組成物が望まれている。
一液型硬化性樹脂組成物を得るためには、室温では反応しないが、加熱により硬化反応を開始する性質を有する硬化剤、いわゆる潜在性硬化剤が必要である。潜在性硬化剤としては、これまで、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、グアナミン類、メラミン、イミダゾール類等が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、イミダゾール類の硬化剤が開示されている。
特開平07−109261号公報 特開2000−290260号公報
しかしながら、例えば、ジシアンジアミド、メラミン、グアナミン類をエポキシ樹脂と混合したものは、貯蔵安定性には優れているものの、150℃以上の高温で長時間硬化させる必要があるという欠点を有している。また、上記の潜在性硬化剤と硬化促進剤を併用して硬化時間を短縮することも広く行われているが、貯蔵安定性が著しく損なわれるという欠点が生じる。一方、公知のイミダゾール類は比較的低温で硬化する一方、貯蔵安定性に乏しいという問題を有している。三フッ化ホウ素アミン錯塩は、貯蔵安定性に優れ硬化時間は短いという長所があるものの耐水性に劣る上、金属に対する腐食性を持つ、といったように、既知の潜在性硬化剤はそれぞれに欠点を有している。
そこで本発明の目的は、保存安定性に優れると共に加熱硬化性にも優れ、樹脂用熱硬化剤に有用な新規化合物、及び該化合物からなる熱硬化剤、熱硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するイミダゾール化合物が上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表されることを特徴とするものである。
Figure 0006030028
Figure 0006030028
(式中、Z、Zはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜5の2価の脂肪族炭素鎖を表し、Zは、−S−、−SO−又は−SO− を表し、Rは、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、R、Rはそれぞれ独立に、下記部分構造式(3)又は(4)を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−OR基、−SR基、−NR1011基、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の複素環基を表し、R〜R11は、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
Figure 0006030028
Figure 0006030028
(式中、Zは、炭素原子数1〜5の2価の飽和脂肪族炭素鎖を表し、Rは、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明の化合物は、前記Rが、−O−、−S−、−SO−、および−SO−からなる群から選ばれるいずれかにより中断されていてもよく、無置換、又は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびスルフィノ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有する炭素原子数1〜10のアルキル基、または、無置換、又は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびスルフィノ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有する炭素原子数6〜12のアリール基であることが好ましい。
本発明の化合物は、前記R、R、R及びRが水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
本発明の化合物は、前記Rが炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
本発明の熱硬化剤は、上記いずれかの化合物からなることを特徴とするものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂100質量部に対して、請求項5記載の熱硬化剤を0.001〜50質量部含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、保存安定性に優れると共に加熱硬化性にも優れ、樹脂用熱硬化剤に有用な新規化合物及び該化合物からなる熱硬化剤が提供される。また、保存安定性及び施工性に優れると共に、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性にも優れた、熱硬化性樹脂組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明について、その好ましい実施形態について詳細に説明する。
上記一般式(1)又は(2)中のZ、Zが表す炭素原子数1〜5の2価の脂肪族炭素鎖としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基が挙げられ、アルキレン基が好ましい。具体例としては、メタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ペンタン−3,3−ジイル、ブタン−2,3−ジイル等が挙げられる。上記一般式(3)中のZが表す炭素原子数1〜5の飽和脂肪族炭化水素鎖としては、上記のアルキレン基と同様のものを挙げることができる。
本発明において、−S−はスルフィドであり、−SO−はスルホキシドであり、−SO−はスルホンである。
上記一般式(1)又は(2)中の、R、R、R、R、R、R、R10、R11、及び上記一般式(4)中のRが表す炭素原子数1〜20の炭化水素基は、無置換であるか又は置換基を有しているものである。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基等の脂環族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
無置換である炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシルといったアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルといったシクロアルキル基;フェニル、ナフチルといったアリール基;ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、3−フェニルプロパン−1−イル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等のアルキル鎖で連結された芳香族炭化水素等が挙げられる。
上記炭化水素基は、炭化水素基中のアルキル鎖が、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CS−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−又は−SiRR’−で中断されていてもよい。また、炭化水素基中の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、アミノ基(−NH)、カルボキシル基(−COOH)又はスルフィノ基(−SOH)で置換されているものが挙げられる。R及びR’は、水素原子又は前記置換基を有していない炭化水素基である。中断、置換は組み合わされてもよい。
また、RとR、RとR、RとRがそれぞれ同一の置換基であることが好ましい。
上記例示の中でも、Z、Zが炭素原子数2〜4の場合、原料の入手が容易であり、製造が容易であるため好ましく、炭素原子数1又は2の場合、熱硬化剤として優れた保存安定性を示すため好ましい。また、Zについても同様に、炭素原子数2〜4の場合、原料の入手が容易であり、製造が容易であるため好ましく、炭素原子数1又は2の場合、熱硬化剤として優れた保存安定性を示すため好ましい。
また、Rが、−O−、−S−、−SO−、および−SO−からなる群から選ばれるいずれかにより中断されていてもよく、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびスルフィノ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、または、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびスルフィノ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基であることが好ましい。Rは、酸素原子または硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数1〜6のアルキル基、または、フェニル基であることがより好ましい。
前記R、R、R及びRは、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
また、Rが脂肪族炭化水素基であるものが好ましく、中でも分岐鎖を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましく、t−ブチル基が特に好ましい。
上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物の具体的な例としては以下に示すNo.1〜13等が挙げられる。
Figure 0006030028
本発明のイミダゾール化合物は、公知の反応を利用した方法で得ることができ、その合成方法には特に限定されない。例として化合物No.1及びNo.9の合成法を説明する。下記反応式のように、アクリルアルデヒド(A)に対応するチオールを反応させ、チオエーテル体(B)を得る。その後、グリオキサール及びアンモニアと反応させることで、イミダゾール中間体(C)が得られる。その後、アクリロニトリルと反応させることで化合物No.1、二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることで化合物No.9が得られる。
Figure 0006030028
本発明の熱硬化剤は、上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物からなることを特徴とするものである。また、他の熱硬化剤等と組み合わせて、熱硬化剤組成物として用いることもできる。熱硬化剤組成物において、上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物以外に用いられる熱硬化剤成分としては、公知の熱硬化剤が広く用いられ、例えば、上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物以外のイミダゾール化合物、アミン化合物、ジシアンジアミド、酸無水物化合物、ポリフェノール、チオール化合物や潜在性熱硬化剤などが挙げられる。
熱硬化剤組成物とする場合、硬化性に優れる点で、上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物は、熱硬化剤組成物中、通常20重量%以上含有されることが好ましく、より好ましくは50重量%以上で含まれ、特に好ましくは70重量%以上で含まれる。また、酸無水物化合物、ポリフェノール、チオール化合物等と併用する場合、上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物は、硬化触媒として用いることもでき、熱硬化剤組成物中、5重量%以下で用いられる。
熱硬化剤組成物において、上記一般式(1)又は(2)で表されるイミダゾール化合物以外に用いられる熱硬化剤成分としては、公知の熱硬化剤が広く用いられるが、好ましくは潜在性熱硬化剤である。
本発明の熱硬化剤は、ポリエポキシ化合物を主体とする主剤と組合せて、例えば、コンクリート、セメント、モルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あるいは接着剤;包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品ラベル、リムーバブルラベル、P O S ラベル、粘着壁紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙等の加工紙;天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊維処理剤;シーリング材、セメント混和剤、防水材等の建築材料などの広範な用途に使用することができるだけでなく、半導体保護のための封止や電子部品の接着などの電子材料用途、自動車用材料の用途にも好適である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂と上記熱硬化剤を有していればよい。
本発明において使用されるエポキシ樹脂は、一般にエポキシ樹脂として使用されているものであれば特に限定されない。例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノールなどの多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物などの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。
本発明においては、これらのエポキシ樹脂の中でも、特に液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することが、より優れた性能の硬化物を得るという観点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の熱硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.001〜50質量部であり、好ましくは0.01〜35質量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、エポキシ樹脂の含有量は、10〜99.9重量%であることが好ましく、25〜99重量%であることが更に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて溶媒;硬化促進剤;希釈剤;ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質などの充填剤もしくは顔料;増粘剤; チキソトロピック剤; 難燃剤; 消泡剤; 防錆剤; コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の、常用される添加物を含有させてもよい。更に、キシレン樹脂や石油樹脂等の、粘着性の樹脂類を併用することもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
実施例1〜11は、上記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物の合成例を示し、実施例14〜19及び比較例1〜4は、エポキシ樹脂組成物の製造例及び評価例を示す。
〔実施例1〕化合物No.4の合成
<イミダゾール合成>
アクリルアルデヒド9.65g(0.17mol)に5℃以下で1−ヘキサンチオール20.3g(0.17mol)を1時間かけて滴下後、室温で一晩攪拌した。メタノール90gを加え28%アンモニア水10.5g(0.17mol)を室温で滴下し1時間攪拌した。反応液を加熱し45℃で39%グリオキサール水溶液25.6g(0.17mol)と28%アンモニア水10.5g(0.17mol)を滴下後、50℃で1.5時間攪拌した。反応液を減圧下脱溶媒し得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水=100/0.9/0.1)により精製し目的物19.7g(収率54%、茶色固体)を得た。
<シアノエチル化>
イミダゾール体8.0g(38mmol)とアクリロニトリル25mLを60℃で8時間攪拌した。減圧下脱溶媒して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2)により精製し目的物7.5g(収率75%、橙色液体)を得た。得られた化合物が、目的物であることはH−NMR、IRで確認した。結果を表1及び表2に示す。
〔実施例2〜8〕化合物No.1〜3及び5〜8の合成
実施例1における1−ヘキサンチオールを対応する化合物に変更して同様の手法にて合成した。得られた物質が目的物であることは実施例1と同様に確認した。尚、目的物が固体であった場合は、融点も測定した。
〔実施例9〕化合物No.10の合成
実施例1におけるシアノエチル化の工程を、次のBoc化工程に変更して目的物を得た。
<Boc化工程>
イミダゾール体5.0g(24mmol)とクロロホルム10mLの溶液に二炭酸−ジ−t−ブチル6.2g(28mmol)を加え室温で3時間攪拌した。減圧下脱溶媒して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/2)により精製し目的物6.4g(収率87%、黄色液体)を得た。得られた化合物が、目的物であることはH−NMR、IRで確認した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0006030028
※各収率は、シアノエチル化工程又はBoc化工程におけるものを示す。
H−NMR(CDCl
Figure 0006030028
IRスペクトル(ATR)
Figure 0006030028
〔実施例14〜19及び比較例1〜4〕エポキシ樹脂組成物の製造、並びに硬化性及び保存安定性
表4に記載のエポキシ樹脂1g及びイミダゾール化合物2×10−4molを混合し、ホモジナイザーで撹拌することにより、実施例14〜17及び比較例1〜5の樹脂組成物をそれぞれ得た。得られた樹脂組成物を2枚のスライドガラスで挟み、120℃のホットプレート上に置いて硬化させた。この時、互いのスライドガラスがピンセットで動かなくなるまでの時間を可使時間として評価した。可使時間が長いほどレジスト等のプロセスマージンが大きくなるため、ハンドリングが向上することを表す。
また、エポキシ樹脂とイミダゾール化合物との混合の終了直後の粘度、及び、混合終了後、得られた樹脂組成物を25℃で、5日間静置した時の粘度をコーンプレート型粘度計(東機産業製TVE−22H)で測定した。この時、(5日後の粘度)/(混合直後の粘度)を相対粘度とした。データを表4に示す。
Figure 0006030028
EP−4100:ADEKA社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
EP−4100E:ADEKA社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
Figure 0006030028
表4の結果より、比較化合物1〜3を用いた場合と比べて、本発明の化合物を用いたエポキシ樹脂組成物は、高い保存安定性を示し、更に、可使時間が長いため、プロセスマージンが広いことが確認された。このことから、本発明のイミダゾール化合物は熱硬化剤として優れていることは明らかである。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)又は(2)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 0006030028
    Figure 0006030028
    (式中、Z、Zはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜5の2価の脂肪族炭素鎖を表し、Zは、−S−、−SO−又は−SO−を表し、Rは、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、R、Rはそれぞれ独立に、下記部分構造式(3)又は(4)を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−OR基、−SR基、−NR1011基、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の複素環基を表し、R〜R11は、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
    Figure 0006030028
    Figure 0006030028
    (式中、Zは、炭素原子数1〜5の2価の飽和脂肪族炭素鎖を表し、Rは、無置換又は置換基を有している炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
  2. 前記Rが、−O−、−S−、−SO−、および−SO−からなる群から選ばれるいずれかにより中断されていてもよく、無置換、又は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびスルフィノ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有する炭素原子数1〜10のアルキル基、または、無置換、又は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、およびスルフィノ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有する炭素原子数6〜12のアリール基である請求項1記載の化合物。
  3. 前記R、R、R及びRが水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である請求項1または2記載の化合物。
  4. 前記Rが炭素原子数1〜10のアルキル基である請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物からなることを特徴とする熱硬化剤。
  6. エポキシ樹脂100質量部に対して、請求項5記載の熱硬化剤を0.001〜50質量部含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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