JP6029461B2 - 変色性積層体セット - Google Patents

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Description

本発明は変色性積層体に関する。更に詳細には水が付着しても変色することなく、特定界面張力値未満の液体が付着すると変色する変色性積層体に関する。
従来、シリカ等の低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた吸水状態と非吸水状態で透明性が異なる塗布層を設けた水像シートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記水像シートは、塗布層が吸水することにより透明化し、乾燥した状態で不透明化して下層の色相や像を視認することができるものであり、玩具やゲームに用いることが開示されている。
しかしながら、前記水像シートは水により変色するため、水以外の液体を用いて変色させる用途や、水では変色しないことを目的とした用途、例えば、お風呂やプール等で使用する際に水が付着しても変色することなく、水以外の液体を用いることにより変色させる場合には不適であった。
特開昭63−260476号公報
本発明は、この種の液体を付着させた際に変色する変色性積層体の応用性を更に高めるものであって、水以外の液体で変色させる用途や、水では変色しないことを目的とする用途に適した変色性積層体を提供しようとするものである。
本発明は、支持体表面に、疎水性シリカをバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設けてなり、前記多孔質層は界面張力値が0mN/mを超え、且つ、60mN/m未満であり、60mN/mを超える界面張力値の液体を接触させた際に吸液せず、60mN/m未満の界面張力値の液体を接触させた際に吸液して透明化する変色性積層体と、水に界面活性剤を添加した変色性積層体用液状組成物とからなる変色性積層体セットを要件とする。
更には、前記変色性積層体の吸液前後の色変化(ΔE)が1以下であることを要件とする。
本発明は、天候、使用場所に左右されず、水以外の液体で変色させる用途や、水では変色しないことを目的とする用途に適した変色性積層体を提供できる。
本発明変色性積層体の一実施例の縦断面説明図である。
本発明の変色性積層体は、支持体表面に、疎水性シリカをバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設けてなる。
前記支持体の材質は特に限定されるものではなく、紙、合成紙、編物、織物、不織布等の布帛、合成皮革、レザー、プラスチック、金属、ガラス、陶磁器、木材、石材等が挙げられる。
前記支持体の形状は特に限定されるものではなく、平面形状、シート状の他、凹凸を有する形状であってもよい。
なお、前記支持体と多孔質層の間に着色剤を含む着色層を設けることもできる。
次に、多孔質層中に含まれる疎水性シリカについて説明する。
シリカは製造方法により乾式法と湿式法に分類されるが、いずれも表面にはシラノール基が配列された構造である。
疎水性シリカはシラノール基にメチルクロロシラン等のシラン、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等を反応させて、シラノール基のもつ親水性を疎水性に変えるため、水を吸収しないのみならず撥水性を示す。
汎用の疎水性シリカとしては、東ソー・シリカ株式会社製の商品名Nipsil SS−10、同SS−20、同SS−70、同SS−40、同SS−50、同SS−100、日本アエロジル株式会社製の商品名AEROSIL R972、同RY50、R812、同R805、同RX200、同RY200、キャボットカーボン社製の商品名TS−530、同TS−610、同TS−720、デグサジャパン株式会社製の商品名AEROSIL R202,同R805、同R812、株式会社トクヤマ製の商品名REOLOSIL MT−10、同DM−10、同DM−20S、富士シリシア化学株式会社製の商品名SYLOPHOBIC100、同200、同704、同4004、同507、同702、同505、同603等が挙げられる。
前記疎水性シリカは、屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液体を吸液すると良好な透明性を示すものである。
前記疎水性シリカの粒子径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記疎水性シリカは2種以上を併用することもできる。
前記疎水性シリカは、バインダー樹脂を含む溶剤中に分散して、塗料や印刷インキ等の液状物を調製し、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷方法、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の方法により、支持体表面に多孔質層を設ける。
前記疎水性シリカは、水分散は勿論、水系エマルジョンへの分散も通常の方法では困難であるため、好適には有機溶剤に分散して用いる。
前記バインダー樹脂は有機溶剤に溶解又は分散してなり、疎水性シリカを含む液状物を支持体上に全体又は部分的に塗工、乾燥して多孔質層が得られる。
前記有機溶剤としては、n−パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤、α−オレフィン系溶剤等の石油系溶剤、軽油、スピンドル油、マシン油、シリンダー油、テレピン油、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、キシレン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記有機溶剤に可溶なバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
前記疎水性シリカとバインダー樹脂の混合比率は、疎水性シリカの種類及び性状に左右されるが、好ましくは、疎水性シリカ1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。疎水性シリカ1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、形成される多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記疎水性シリカ内部への液体の浸透性が損なわれ易くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂、ウレタン系樹脂、又は、アクリル系樹脂を用いて耐擦過強度を高めることが好ましい。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、液体との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層中には着色剤を含有させることもできる。
また、樹脂中に疎水性シリカを混合した樹脂組成物を支持体表面に塗工して多孔質層を設けることもできる。
前記樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化型樹脂、二液硬化型樹脂等が挙げられる。
具体的には、熱溶融した樹脂中に疎水性シリカを混合、分散した樹脂組成物を支持体に塗工後、冷却して多孔質層を形成したり、紫外線等の放射線で硬化する樹脂中に疎水性シリカを混合、分散した樹脂組成物を支持体に塗工後、光照射して多孔質層を形成したり、硬化剤混合により硬化する樹脂中に疎水性シリカを混合、分散した樹脂組成物を支持体に塗工後、硬化して多孔質層を形成したり、ゾル状からゲル状に変化して固まる樹脂中に疎水性シリカを混合、分散した樹脂組成物を支持体に塗工後、熱等によりゲル状に変化させて多孔質層を形成することができる。
前記樹脂としては、高密度ポリエチレン、中低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(アイオノマー樹脂)、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、メチルペンテンポリマー、エチレン−プロピレン−ジエチレンエラストマー−アクリロニトリル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−アクリリック−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、低軟化点ポリエステル、共重合ナイロン、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂等が挙げられる。これらの樹脂中には、可塑剤、核剤、離型剤等の各種添加剤を加えることもできる。
前記放射線硬化樹脂としては、珪素樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリユリア等が挙げられる。
前記変色性積層体の多孔質層は界面張力値が0mN/mを超え、且つ、60mN/m未満である。
よって、多孔質層は界面張力値を超える液体を接触させた際にははじいて吸液せず、変色性積層体は変色しない。
また、多孔質層の界面張力値未満の液体を接触させた際には吸液して多孔質層が透明化し、下層の色が視認される。
一例として、水(界面張力値72mN/m)を付着させても多孔質層が水を吸水せず、表面で水をはじくため、多孔質層は透明化せず、変色を生じない。
一方、有機溶剤としてエタノール(界面張力値22mN/m)やオリーブ油(界面張力値35mN/m)を付着させると、多孔質層は有機溶剤を吸液して透明化し、下層の色が視認されるようになる。
前記多孔質層中に含まれる有機溶剤が蒸発すると、多孔質層が不透明化して再び元の状態に戻る。
更に、前記水に界面活性剤を添加した液状組成物(例えば、界面張力値24N/m)を付着させると、多孔質層は液状組成物を吸液して透明化し、下層の色が視認されるようになる。
前記多孔質層中に含まれる水が蒸発すると、多孔質層が不透明化して再び元の状態に戻るものの、多孔質層中には界面活性剤が存在するため、水を付着させると界面活性剤が存在する箇所の多孔質層は透明化し、界面活性剤が存在しない箇所の多孔質層は水をはじくため、初期の液状組成物を付着させた箇所のみ変色させることができる。
この状態は、過剰の水で変色性積層体を洗浄して多孔質層中の界面活性剤を除去することにより元の状態に戻る。
前記変色性積層体において、多孔質層の吸液前後の色変化(ΔE)は1以上であることが好ましく、より好ましくは5以上である。
多孔質層の吸液前後の色変化(ΔE)は1以上であると色変化が明瞭になり、ΔEが1より小さいと色変化が判別し難くなる。
本発明の変色性積層体の具体的な実施形態としては、例えば、人形、レインコート等の人形用衣装、傘や鞄等の人形用付属品、水鉄砲の標的、車や船を模した模型、人間と人形の手形や足形等の形跡を現すボード等の玩具類、筆記シート等の教習具類、ドレス、レインコート等の衣類、雨靴等の靴類、書籍、カレンダー等の印刷物類、スタンプカード、パズル、各種ゲーム等の娯楽用具類、コースター、コップ等の台所用具類、造花、当りくじ等が挙げられる。
又、各種インジケーターとして適用することもでき、例えば、配管、タンク等の液洩れ検知、薬品の輸送や保管場所での液濡れ検知等が挙げられる。
なお、前記変色性積層体は、変色性積層体用液状組成物と組み合わせて変色性積層体セットを構成したり、前記変色性積層体と、変色性積層体用液状組成物と、前記液状組成物を収容する容器を組み合わせて変色性積層体セットを構成したり、変色性積層体と、前記液状組成物を収容し、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具形態の付着具とを組み合わせて変色性積層体セットを構成することもできる。
前記連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具形態の付着具としては、先端にペン先部材を有する付着具、容器内に液状組成物を収容し、且つ、容器内の液状組成物を導出する繊維体や刷毛を設けた付着具等を挙げることができる。
前記連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、液状組成物を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、汎用のポリオレフィン系、ポリウレタン系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は任意に設定できる。
以下に実施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、実施例中の部は質量部である。
界面張力値の測定方法
固体表面の界面張力値はJIS K6768 ぬれ張力試験方法に準じて測定した。また、液体の界面張力値は協和界面科学株式会社製、自動表面張力計(CBVP−A3)にて20℃における測定値とした。
色変化値(ΔE)の測定方法
Gretag Macbeth社製、Spectro Eyeを使用し、変化前の色を標準として変化後のΔE値(Lab値)を測定した。
疎水性シリカの屈折率測定方法
株式会社島津製作所製の接触液(屈折液)を使用し、液浸法(ベッケ線法)にて疎水性シリカの屈折率を測定した。
実施例1(図1参照)
疎水性シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、製品名:ニップシールSS20)10部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインA)10部、シクロヘキサノン25部、ノニオン系添加剤1部を混合して印刷インキを得た。
前記印刷インキを用いて、支持体2として厚み100μmの青色キャストコート紙上にスクリーン印刷により印刷、乾燥して多孔質層3を設けて変色性積層体1を得た。
前記変色性積層体の多孔質層表面の界面張力値は50mN/mであり、変化前後のΔEは30.55であった。
前記変色性積層体は、界面張力が72mN/mの水を表面に付着させても、水をはじくため変色することなく、白色の状態を保持していた。次いで、界面張力値が22mN/mのエチルアルコールを表面に付着させると、その部分の多孔質層が吸液して透明化し、下層の支持体による青色が視認された。
多孔質層中のエチルアルコールが蒸発して乾燥すると、多孔質層は再び元の白色になった。
実施例2
疎水性シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、製品名:ニップシールSS70)13部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインA)10部、シクロヘキサノン20部、高沸点炭化水素溶剤(ソルベッソ150)8部、ノニオン系添加剤1部を混合して印刷インキを得た。
前記印刷インキを用いて、支持体として厚み100μmの透明性ポリエチレンテレフタレートフィルム上にスクリーン印刷により印刷、乾燥して多孔質層を設けて変色性積層体を得た。
前記変色性積層体の多孔質層表面の界面張力値は48mN/mであり、変化前後のΔEは下地に白紙を置いた時は2.20であり、下地に黒紙を置いた時には27.42であった。
前記変色性積層体は、界面張力値が72mN/mの水を付着させても、水をはじくため変色することなく、白色の状態を保持していた。次いで、界面張力値が33mN/mの30%エチルアルコール水溶液を表面に付着させると、その部分の多孔質層は吸液して透明化した。
多孔質層中の30%エチルアルコール水溶液が蒸発して乾燥すると、多孔質層は再び元の白色になった。
実施例3
疎水性シリカ(富士シリシア化学株式会社製、製品名:サイロホービック200)8部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインC)10部、メチルエチルケトン40部、キシレン20部を混合してスプレーインキを得た。
前記スプレーインキを用いて、支持体として赤色軟質塩化ビニル成形物上にスプレー塗装し、乾燥して多孔質層を設けて変色性積層体を得た。
前記変色性積層体の多孔質層表面の界面張力値は58mN/mであり、変化前後のΔEは48.22であった。
前記変色性積層体は、界面張力値が72mN/mの水を付着させても、水をはじくため変色することなく、白色の状態を保持していた。次いで、界面張力値が25mN/mの30%界面活性剤水溶液を表面に付着させると、その部分の多孔質層は吸液して透明化し、下層の支持体による赤色が視認された。
多孔質層中の30%界面活性剤水溶液中の媒体が乾燥すると再び元の白色になり、この状態の変色性積層体に界面張力が72mN/mの水を付着させるとその部分が白色から赤色になり、初期と異なる変色挙動を示した。
多孔質層中の水が乾燥すると再び元の白色になり、流水で変色性積層体を洗浄して多孔質層中に残存する界面活性剤を除去して乾燥させることにより、界面張力値が72mN/mの水を付着させても多孔質層は変色せず、元の状態に戻り、この変化は繰り返し行うことができた。
実施例4
疎水性シリカ(富士シリシア化学株式会社製、製品名:サイロホービック200)12部、アクリル樹脂50%トルエン・酢酸ブチル溶液(DIC株式会社製、製品名:アクリディックA−817)20部、メチルエチルケトン15部、キシレン15部を混合してスプレーインキを得た。
前記スプレーインキを用いて、支持体として緑色ABS樹脂成形物上にスプレー塗装し、乾燥して多孔質層を設けて変色性積層体を得た。
前記変色性積層体の多孔質層表面の界面張力値は56mN/mであり、変化前後のΔEは17.54であった。
前記変色性積層体は、界面張力値が72mN/mの水を付着させても、水をはじくため変色することなく、白色の状態を保持していた。次いで、界面張力値が25mN/mの30%界面活性剤水溶液を表面に付着させると、その部分の多孔質層は吸液して透明化し、下層の支持体による緑色が視認された。
多孔質層中の30%界面活性剤水溶液中の媒体が乾燥すると再び元の白色になり、この状態の変色性積層体に界面張力が72mN/mの水を付着させるとその部分が白色から緑色になり、初期と異なる変色挙動を示した。
多孔質層中の水が乾燥すると再び元の白色になり、流水で変色性積層体を洗浄して多孔質層中に残存する界面活性剤を除去して乾燥させることにより、界面張力値が72mN/mの水を付着させても多孔質層は変色せず、元の状態に戻り、この変化は繰り返し行うことができた。
実施例5
疎水性シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、製品名:ニップシールSS70)13部、蛍光ピンク顔料0.5部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインA)10部、シクロヘキサノン20部、高沸点炭化水素溶剤(ソルベッソ150)8部、ノニオン系添加剤1部を混合して印刷インキを得た。
前記印刷インキを用いて、支持体として厚み100μmの青色ポリエチレンテレフタレートフィルム上にスクリーン印刷により印刷、乾燥して多孔質層を設けて変色性積層体を得た。
前記変色性積層体の多孔質層表面の界面張力値は48mN/mであり、変化前後のΔEは48.82であった。
前記変色性積層体は、界面張力値が72mN/mの水を付着させても、水をはじくため変色することなく、淡ピンク色の状態を保持していた。次いで、界面張力値が28mN/mの50%エチルアルコール水溶液を表面に付着させると、その部分の多孔質層は吸液して透明化し、下層の支持体による青色と混色となった紫色が視認された。
多孔質層中の50%エチルアルコール水溶液が蒸発して乾燥すると、多孔質層は再び元の淡ピンク色になった。
1 変色性積層体
2 支持体
3 多孔質層

Claims (2)

  1. 支持体表面に、疎水性シリカをバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性が異なる多孔質層を設けてなり、前記多孔質層は界面張力値が0mN/mを超え、且つ、60mN/m未満であり、60mN/mを超える界面張力値の液体を接触させた際に吸液せず、60mN/m未満の界面張力値の液体を接触させた際に吸液して透明化する変色性積層体と、水に界面活性剤を添加した変色性積層体用液状組成物とからなる変色性積層体セット
  2. 前記変色性積層体の吸液前後の色変化(ΔE)が1以下である請求項1記載の変色性積層体セット
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