JP6028439B2 - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6028439B2
JP6028439B2 JP2012168432A JP2012168432A JP6028439B2 JP 6028439 B2 JP6028439 B2 JP 6028439B2 JP 2012168432 A JP2012168432 A JP 2012168432A JP 2012168432 A JP2012168432 A JP 2012168432A JP 6028439 B2 JP6028439 B2 JP 6028439B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reading
carriage
unit
conveyance
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012168432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014027601A (ja
Inventor
侑典 宮本
侑典 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2012168432A priority Critical patent/JP6028439B2/ja
Publication of JP2014027601A publication Critical patent/JP2014027601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6028439B2 publication Critical patent/JP6028439B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Systems Of Projection Type Copiers (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

本発明は画像読取装置に関し、詳しくは、CIS等の読取部にシート状の原稿を搬送する搬送装置と読取部を移動させる移動装置とを一つのモータでの動力で動作させる画像読取装置に関する。
従来、CIS等の読取部にシート状の原稿を搬送する搬送装置(搬送部)と読取部を移動させる移動装置(キャリッジ)とを一つのモータでの動力で動作させる画像読取装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この画像読取装置によれば、モータの駆動を伝達する伝達部(切替ギア)が搬送装置(搬送部)に動力を伝達する位置(搬送部側位置)と、伝達部が移動装置(キャリッジ)に動力を伝達する位置(キャリッジ側位置)との間で切替えることにより、搬送装置と移動装置とを一つのモータで動作させることができる。
特開2006−86817号公報
しかしながら、搬送部側位置とキャリッジ側位置とにおいて切替ギアを切り替える必要がある場合があり、上記従来の画像読取装置では、切替ギアがキャリッジ側位置にあるときには、移動装置の動作が開始されるまでの時間よりも、搬送装置の動作が開始されるまでの時間の方が長くなる。一方、切替ギアが搬送部側位置にあるときには、搬送装置の動作が開始されるまでの時間よりも、移動装置の動作が開始されるまでの時間の方が長くなる。すなわち、移動装置を動作させる読取であるか、搬送装置を動作させる読取であるかによって、各装置の動作が開始されるまでの時間が偏る、という不都合が生じた。
そこで、本発明は、移動装置を動作させる移動読取と、搬送装置を動作させる搬送読取とのいずれかであるかによって、各装置の動作が開始されるまでの時間が偏ることを低減させることのできる画像読取装置を提供するものである。
本明細書によって開示される画像読取装置は、原稿の画像を読み取る読取部と、原稿を搬送する搬送部と、前記読取部を保持し、所定の方向に移動するキャリッジと、モータと、前記モータが供給する動力を伝達するモータ側伝達ギアと、前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る搬送読取の際に、前記搬送部に前記動力を伝達する搬送部側伝達ギアと、前記キャリッジを移動させて画像を読み取る移動読取の際に、前記キャリッジに前記動力を伝達するキャリッジ側伝達ギアと、前記搬送読取の際に前記キャリッジが原稿読取位置である搬送読取位置にある状態で、前記モータ側伝達ギアと前記搬送部側伝達ギアとを連結する搬送部側位置で前記搬送部側伝達ギアと噛合い、前記移動読取の際に前記モータ側伝達ギアと前記キャリッジ側伝達ギアとを連結するキャリッジ側位置で前記キャリッジ側伝達ギアと噛合うように切り替わる切替ギアであって、前記モータ側伝達ギアと常時連結している切替ギアと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記モータを停止させる際に、前記キャリッジ側位置と前記搬送部側位置との間に位置する、前記切替ギアの停止位置に、前記切替ギアを移動させる移動処理を実行する。
本構成によれば、キャリッジ側位置と搬送部側位置との間に切替ギアを停止させることによって、移動読取と搬送読取とのいずれの読取であるかによって、各装置の動作が開始されるまでのユーザの待ち時間が偏ることを低減させることができる。
また、上記画像読取装置において、前記搬送読取の実行回数である搬送読取回数と、前記移動読取の実行回数である移動読取回数とを記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数と、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数とに基づいて、前記停止位置を決定する決定処理を実行するようにしてもよい。
本構成によれば、記憶部に記憶された搬送読取および移動読取の実行回数に基づいて停止位置が決定される。そのため、過去の実行頻度を反映した切替ギアの停止位置を決定することができる。それによって、読取が開始されるまでに要する時間の総合的な短縮を期待できる。
また、上記画像読取装置において、前記制御部は、前記決定処理において、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数が、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数より多い場合、前記キャリッジ側位置よりも前記搬送部側位置に相対的に近い位置を前記停止位置に決定し、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数が、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数より多い場合、前記搬送部側位置よりも前記キャリッジ側位置に相対的に近い位置を前記停止位置に決定するようにしてもよい。
本構成によれば、搬送部側位置とキャリッジ側位置とのうち、読取の実行回数の多い方の近くに切替ギアが停止されることになる。そのため、実行回数の多い読取が実行回数の少ない読取よりも早期に開始されることにより、読取が開始されるまでに要する時間を総合的に短縮できることが期待できる。
また、上記画像読取装置において、前記制御部は、前記決定処理において、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数と、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数との割合に応じた位置を、前記停止位置に決定するようにしてもよい。
本構成によれば、搬送読取と移動読取の実行回数の割合に応じた位置に切替ギアを停止させることにより、ユーザの使用状況に即した位置が切替ギアの停止位置となる。そのため、ユーザの使用状況に即して、読取が開始されるまでに要する時間を短縮できることが期待できる。
その際、前記制御部は、前記決定処理において、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数と、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数とが等しい場合、前記搬送部側位置と前記キャリッジ側位置とから等距離にある位置を前記停止位置に決定するようにしてもよい。
本構成によれば、切替ギアの停止位置から搬送部側位置およびキャリッジ側位置までの距離が等距離とされる。そのため、読取が開始されるまでのユーザの待ち時間が偏ることを防止できる。すなわち、ユーザの待ち時間を平均化できる。
また、上記画像読取装置において、前記切替ギアが前記キャリッジ側伝達ギアと噛合うことにより、前記キャリッジが移動する経路である移動経路と、前記移動経路上に設けられ、前記読取部を初期化するための初期化部材とを備え、前記制御部は、前記搬送読取の終了後に、前記搬送部側伝達位置から前記キャリッジ側伝達位置に前記切替ギアを切り替える切替処理と、前記切替処理の後に、前記初期化部材を用いて、前記読取部を初期化する初期化処理とをさらに実行し、前記初期化処理の実行後に、前記移動処理を実行するようにしてもよい。
本構成によれば、次の読取を開始するために、切替ギアの切り替えを実行する必要がなくなる。すなわち、読取開始前において、初期化処理のためのギア切替の要否によって、読取が開始されるまでのユーザの待ち時間に偏りが生じることを抑制できる。それによって、ユーザの待ち時間の偏りを低減させることが期待できる。
また、上記画像読取装置において、前記停止位置は、前記搬送部側位置と前記キャリッジ側位置とから等距離にある位置であるようにしてもよい。
本構成によれば、切替ギアの停止位置から搬送部側位置およびキャリッジ側位置までの距離が等距離とされる。そのため、読取が開始されるまでのユーザの待ち時間の偏りを低減できる。
また、上記画像読取装置において、前記モータは、駆動ステップ数に応じて動力を供給するステッピングモータであり、前記制御部は、前記移動処理において、前記切替ギアの移動に係る前記駆動ステップ数を決定することによって、前記切替ギアを前記停止位置まで移動させるようにしてもよい。
本構成によれば、ステッピングモータの、切替ギアの移動に係る駆動ステップ数を決定することで、簡便な構成で切替ギアを停止位置まで移動させることができる。
また、上記画像読取装置において、前記停止位置が、所定の固定位置とされ、前記固定位置に対応した位置に設けられ、前記切替ギアを検出するセンサを備え、前記制御部は、前記移動処理において、前記センサを用いて前記切替ギアを検出することによって、前記切替ギアを前記停止位置まで移動させるようにしてもよい。
本構成によれば、センサを用いることによって、切替ギアを正確に停止位置まで移動させることができる。
本発明によれば、移動装置を動作させる移動読取と、搬送装置を動作させる搬送読取とのいずれかであるかによって、各装置の動作が開始されるまでの時間が偏ることを低減させることができる。
一実施形態における複合機の外観を示す斜視図 複合機の画像読取装置の概略的な断面図 遊星ギアがFB側位置にある場合を示す説明図 遊星ギアがADF側位置にある場合を示す説明図 複合機の電気的構成を概略的に示すブロック図 遊星ギアの初期移動処理を示すフローチャート 遊星ギアの停止位置を示す説明図 遊星ギア移動処理を示すフローチャート 読取処理を示すフローチャート 遊星ギアの他の移動方法を示す説明図
<実施形態>
次に一実施形態について図1から図9を参照して説明する。
1.複合機の外観構成
図1に示される複合機1は、プリンタ機能、スキャナ(原稿読取)機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備えた多機能周辺装置であり、画像形成装置の一例である。
複合機1は、図1に示すように、本体部2の上方に原稿を読み取るための画像読取装置3を備えている。画像読取装置3は、図2に示されるように、読取部30、キャリッジ34、自動原稿給紙(ADF)装置40、原稿載置部50、および読取駆動部60(図5参照)等を含む。画像読取装置3は、画像読取方法として、キャリッジ34を移動させて画像を読み取る移動読取と、搬送部44,45(図2参照)によって搬送される原稿を読み取る搬送読取とを有する。なお、画像読取装置3は、複合機1の一部には限られない。例えば、画像読取装置は、単独のスキャナ装置あるいはコピー機であってもよい。
原稿載置部50は、図2に示されるように、台枠51、透明なガラス板からなる第1プラテンガラス52、第2プラテンガラス53、およびガラス52、53の中間に配置された中間枠54を含む。第1プラテンガラス52の上面は、回動可能な原稿カバー48によって覆われている。
また、中間枠54にはホームポジション検出用マーク(初期化部材の一例)55が設けられ、当該マーク55は、例えば、副走査方向に並べられる白テープ55Aと黒テープ55Bとから構成される。読取部30によって読み取られたデータが黒から白(あるいは白から黒)に変化する位置がホームポジションHPとして検出される。ここでホームポジションHPは、読取部30が第1プラテンガラスに載置された原稿5の画像を読み取る画像読取処理を実行していない時に、読取部30が待機する待機位置となる場合があり、また、FB読取動作を行う際の、キャリッジ34の移動制御の基準位置とされる。
すなわち、読取部30によるホームポジションHPの検出がなされてからのモータ62を駆動する駆動量(本実施形態では駆動ステップ数)が所定の駆動量に到達すると、読取部30による第1プラテンガラスに載置された原稿5の読取走査が開始される。言い換えれば、モータ62が所定のFB読取開始ステップ数だけ駆動されて、読取部30がホームポジションHPから図2に示される読取開始位置PSに達した際に、読取部30は原稿5の読取走査を開始する。また、モータ62が所定のFB読取終了ステップ数だけ駆動されて、読取部30がホームポジションHPから図2に示される読取終了位置PEに達した際に、読取部30は原稿5の読取走査を終了する。このように、ホームポジションHPは、読取部30が読取走査を行う際の基準位置とされる。そのため、読取部30の初期化処理の一例として、ホームポジションHPの検出処理が行われる。
原稿カバー48は、第1プラテンガラス52を覆う閉姿勢と第1プラテンガラス52を開放する開姿勢とに回動可能に、複合機1の本体部2の後側上方(操作部11、表示部12等が設けられる側を前側とする)に連結されている。原稿カバー48上に、ADF装置40が設けられている。また、本体部2の上方には、原稿カバー48の開閉状態を検知するカバーセンサ13が設けられている(図1参照)。
ADF装置40は、図2に示されるように、ADFカバー41、原稿トレイ42、搬送路43、搬送ローラ44、給紙ローラ44A、排紙ローラ45等の各種のローラ、および原稿カバー48の上面を利用した排紙トレイ46を含む。ADF装置40は、原稿トレイ42に載置されている原稿5を一枚ずつ搬送して第2プラテンガラス53上を通過させ、排紙トレイ46に排出する。さらに、搬送ローラ44によって搬送される原稿5を検出するための、フォトセンサ等のリアセンサ47と、原稿トレイ42にセットされた原稿5を検出するための、フォトセンサ等のフロントセンサ49が設けられている。ここで、搬送路43、搬送ローラ44、給紙ローラ44A、および排紙ローラ45は、原稿5を搬送する搬送部に相当する。
読取部30は、図2に示されるように、原稿載置部50の下方に設けられている。読取部30は、ここではCIS(Contact Image Sensor)方式で原稿を読み取るように構成されている。読取部30は、複数の受光素子が紙面垂直方向に直線状に配列されているリニアイメージセンサ33、RGB3色の発光ダイオードなどで構成される光源31、原稿5等で反射された反射光をリニアイメージセンサ33の各受光素子に結像させるロッドレンズアレイ32を含む。読取部30を保持するキャリッジ34は、タイミングベルト35に結合され、タイミングベルト35の移動に伴って、矢印A方向およびB方向に移動する。タイミングベルト35は、スプロケット等(図示せず)を介して、後述する読取駆動部60によって駆動される。なお、読取部30はCIS方式に限られず、縮小光学系およびCCD(電荷結合素子)イメージセンサを用いた、いわゆるCCD方式であってもよい。
読取部30は、第1プラテンガラス12に載置されている原稿5を読み取るとき、すなわち、移動読取を実行する時は、タイミングベルト35に結合したキャリッジ34によって、ホームポジションHPから第1プラテンガラス52の盤面に平行な方向(図2中のA方向)に一定速度で搬送されながら原稿5を読み取る。その際、搬送方向での読取範囲は、例えば、図2に示される読取開始位置PSから読取終了位置PEまでとされる。
一方、読取部30は、ADF装置40によって搬送される原稿5を読み取るとき、すなわち、搬送読取を実行するときは、キャリッジ34によって第2プラテンガラス53の直下の搬送読取位置RPに保持されて原稿5を読み取る。
すなわち、本実施形態では、キャリッジ34は、搬送読取位置RPから読取終了位置PEに至る経路を移動し、その経路は、移動経路の一例である。
さらに、複合機1の前側には、各種のボタンからなる操作部11、および例えば、液晶ディスプレイからなる表示部12が設けられている。操作部11は読取動作を開始させるスタートボタン11A、複合機1の電源をオン・オフする電源ボタン11Bを含む。
2.読取駆動部の構成
次に、図3から図5を参照して、読取駆動部60について説明する。読取駆動部60は、モータ駆動部61、モータ62、およびギア部70を含む。
モータ62はステッピングモータであり、モータ駆動部61は、CPU20の制御に応じて、モータ62をステップ駆動するための駆動信号を生成する。ギア部70は、モータ側伝達ギア71、キャリッジ側伝達ギア72、搬送部側伝達ギア73、遊星ギア機構74を含む。遊星ギア機構74は、伝達ギア74A、太陽ギア74B、および遊星ギア74Cによって構成される。
モータ側伝達ギア71はモータ62の回転軸に連結されるとともに、遊星ギア機構74の伝達ギア74Aと結合している。そのため、モータ側伝達ギア71は、モータ62の回転に応じて、モータ62が供給する動力を伝達ギア74Aに伝達する。太陽ギア74Bと伝達ギア74Aとは同軸上に規制され、太陽ギア74Bは、伝達ギア74Aの回転に応じて、すなわちモータ側伝達ギア71の回転に応じて回転する。
遊星ギア74Cは、太陽ギア74Bと結合され、太陽ギア74Bの回転に応じて自転および公転する。遊星ギア74Cの位置は、キャリッジ側伝達ギア72と結合し、モータ側伝達ギア71とキャリッジ側伝達ギア72とを、伝達ギア74Aおよび太陽ギア74Bを介して連結するキャリッジ側位置(以下「FB側位置」と記載する)と、搬送部側伝達ギア73と結合し、モータ側伝達ギア71と搬送部側伝達ギア73とを、同じく伝達ギア74Aおよび太陽ギア74Bを介して連結する搬送部側位置(以下「ADF側位置」と記載する)とに切り替わる。図3は遊星ギア74CがFB側位置にある場合を示し、図4は遊星ギア74CがADF側位置にある場合を示す。
なお、各位置において読取を実行する際、遊星ギア74Cは、所定の阻止機構(図示せず)によって公転が阻止され、各位置に保持された状態で、太陽ギア74Bの回転に応じて自転するものとする。また、遊星ギア74Cの位置が切り替えられる際には、遊星ギア74Cは、阻止機構による公転の阻止が解除された状態で、太陽ギア74Bの回転に応じて公転するものとする。
キャリッジ側伝達ギア72は、図3に示されるように、遊星ギア74CがFB側位置にある場合、すなわち移動読取の実行時に、タイミングベルト35を介してキャリッジ34にモータ62からの動力を伝達する。それによってキャリッジ34が移動される。
搬送部側伝達ギア73は、図4に示されるように、遊星ギア74CがADF側位置にある場合、すなわち搬送読取の実行時に、所定のギア機構(図示せず)等を介して、搬送ローラ44,排紙ローラ45にモータ62からの動力を伝達する。それによって原稿5が搬送される。
以下、読取駆動部60の動作をより詳細に説明する。なお、図3および図4において、X方向の回転方向を時計回りの回転方向とし、Y方向の回転方向を反時計回りの回転方向とする。また、モータ62のX方向(第2回転方向の一例)の回転を正回転とし、Y方向(第1回転方向の一例)の回転を逆回転とする。また、モータ側伝達ギア71は、モータ62のX方向の回転にしたがってX方向に回転し、モータ62のY方向の回転にしたがってY方向に回転するものとする。
2−1.モータの回転と各ギアの回転
例えば、遊星ギア74Cがキャリッジ側伝達ギア72にも搬送部側伝達ギア73にも結合していない位置において、モータ62が正(X方向に)回転することにより、モータ側伝達ギア71はX方向に回転し、それに伴って伝達ギア74Aおよび太陽ギア74BはY方向に回転する。太陽ギア74BのY方向の回転に伴って遊星ギア74Cは、X方向に自転しつつL方向に公転する。そして、図3に示すように、遊星ギア74Cがキャリッジ側伝達ギア72と結合してFB側位置となると、遊星ギア74CはX方向に自転するが、キャリッジ側伝達ギア72によって遊星ギア74CのL方向の公転が阻止される。また、キャリッジ側伝達ギア72はY方向に回転し、それに伴って、タイミングベルト35は、図2のA方向、すなわち、読取開始位置PSから読取終了位置PEへの方向にキャリッジ34を移動させる方向に移動する。
一方、キャリッジ34が搬送読取位置RP以外の位置に有るときにモータ62が逆(Y方向に)回転することにより、モータ側伝達ギア71はY方向に回転し、それに伴って伝達ギア74Aおよび太陽ギア74BはX方向に回転する。太陽ギア74BのX方向の回転に伴って遊星ギア74Cは、Y方向に自転するが、阻止機構によってR方向への公転は阻止される。このとき、キャリッジ側伝達ギア72はX方向に回転し、それに伴って、タイミングベルト35は、図2のB方向、すなわち、読取終了位置PEから読取開始位置PSへの方向にキャリッジ34を移動させる方向に移動する。
そして、図2のB方向に移動されたキャリッジ34が搬送読取位置RPに到達したときに、例えば、キャリッジ34をプラテンガラス52,53方向(AおよびB方向と垂直方向)に付勢する弾性体(例えば、コイルばね)によって、キャリッジ34のAおよびB方向への移動が規制される。また、阻止機構による遊星ギア74CのR方向への公転の阻止が解除され、遊星ギア74CはY方向に自転しつつR方向に公転する。そして、図4に示すように、遊星ギア74Cが搬送部側伝達ギア73と結合してADF側位置となると、遊星ギア74CはY方向に自転するが、搬送部側伝達ギア73によって遊星ギア74CのR方向の公転が阻止される。このとき、遊星ギア74CのY方向の自転に伴って搬送部側伝達ギア73はX方向に回転する。搬送部側伝達ギア73のX方向の回転に伴って、搬送ローラ44および排紙ローラ45が回転する。
一方、モータ62が正(X方向に)回転することにより、モータ側伝達ギア71はX方向に回転し、それに伴って伝達ギア74Aおよび太陽ギア74BはY方向に回転する。太陽ギア74BのY方向の回転に伴って遊星ギア74CはR方向への公転の阻止が解除され、X方向に自転しつつL方向に公転する。
なお、本実施形態では、モータ62のX方向の回転方向が第2回転方向に相当し、モータ62のY方向の回転方向が第1回転方向に相当する。これに限定されず、モータ62のX方向の回転方向を第1回転方向とし、モータ62のY方向の回転方向を第2回転方向とする構成であってもよい。
2−2.搬送読取に係る各ギアの動作
搬送読取では、遊星ギア74CがY方向に自転して搬送部側伝達ギア73に結合するR方向に公転するように、モータ62をY方向(反時計回り)へ回転させた場合、遊星ギア74Cが搬送部側伝達ギア73に結合後もモータ62をY方向へ回転させ続けると、搬送ローラ44と排紙ローラ45が、原稿5を原稿トレイ42から排紙トレイ46へ搬送する方向に回転する。
また、遊星ギア74Cが搬送部側伝達ギア73に結合後にモータ62を、X方向に回転させた場合、遊星ギア74CがX方向に自転して、結合していた搬送部側伝達ギア73から離れるL方向に公転する。なお、搬送部側伝達ギア73は、X方向のみに回転する。
2−3.移動読取に係る各ギアの動作
移動読取では、遊星ギア74CがX方向に自転してキャリッジ側伝達ギア72に結合するL方向に公転するように、モータ62をX方向へ回転させた場合、遊星ギア74Cがキャリッジ側伝達ギア72に結合後もモータ62をX方向へ回転させ続けると、タイミングベルト35が図2のA方向にキャリッジ34を移動させるように、Y方向にキャリッジ側伝達ギア72を駆動する。
また、遊星ギア74Cがキャリッジ側伝達ギア72に結合後にモータ62を、X方向からY方向に逆回転させた場合、遊星ギア74CがY方向に自転する。しかしながら、結合していたキャリッジ側伝達ギア72から離れるR方向に遊星ギア74Cが公転することを阻止する阻止機構により、遊星ギア74CはR方向に公転することなくY方向に自転する。このとき、キャリッジ側伝達ギア72がX方向に逆回転し、それによってタイミングベルト35が、図2のB方向にキャリッジ34を移動させる方向に駆動される。
タイミングベルト35が、図2のB方向にキャリッジ34を移動させる方向に駆動され、キャリッジ34が、物理的に移動できない位置、ここでは搬送読取位置RPに到達すると、阻止機構による遊星ギアの公転の阻止が解除され、上記搬送読取に係る各ギアの動作が始まる。
なお、阻止機構については、例えば、上記従来技術文献に記載されているような、遊星ギア74Cを軸支するレバー、レバーの揺動を規制する溝カム、伝達ギア73の状態を維持するスプリング等で構成することにより、実現できる。
3.複合機の電気的構成
複合機1は、図5に示すように、CPU20(制御部の一例)、ROM21、RAM22、EEPROM(登録商標)(書換可能ROM)23、ネットワークインターフェイス(受付部の一例)24、およびファクシミリインターフェイス25を備え、これらに画像形成部27、読取部30、操作部11、表示部12、リアセンサ47、フロントセンサ49、および読取駆動部60等が接続される。
ROM21には、複合機1の動作を制御するための各種のプログラムが記憶されており、CPU20は、ROM21から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM22またはEEPROM23に記憶させながら、各部の制御を行う。EEPROM(記憶部の一例)23には、ADF読取(搬送読取)の実行回数であるADF読取回数Naと、FB読取(移動読取)の実行回数であるFB読取回数Nfとが記憶されている。
ネットワークインターフェイス24は、通信回線(図示せず)を介して外部のコンピュータ等に接続され、ネットワークインターフェイス24を介して相互のデータ通信が可能となる。なお、ネットワークインターフェイス24を介して、外部のコンピュータから読取開始指示を受け付けることも可能である。
ファクシミリインターフェイス25は、電話回線(図示せず)に接続され、ファクシミリインターフェイス25を介して外部のファクシミリ装置等とファクシミリデータの通信が可能となる。画像形成部27は、周知の、帯電部、露光部、感光体、現像部、転写部、および定着部を含み、画像読取装置3によって読み取られた画像(原稿)の画像データに基づいて、画像を用紙(被記録媒体の一例)上に形成する。
CPU20は、複合機1に係る各種処理を制御する。また、CPU20は、画像読取装置3に係る処理として、以下に説明する移動処理を実行する。移動処理において、CPU20は、モータ62を停止させる際に、キャリッジ側位置と搬送部側位置との間に位置する、遊星ギア74Cの停止位置PTに、遊星ギア74Cを移動させる。
上記画像読取装置3の構成において、CPU20が、図2の移動方向Bにキャリッジ34を移動させるために、モータ62を一回転方向(Y方向)に回転させる場合、キャリッジ34は、最大移動距離として、原稿の読み取りを終了する読取終了位置PEから、原稿の読み取りを開始する読取開始位置PSを経由して、遊星ギア74CをFB側位置からADF側位置に切り替える切替位置まで移動する(図2参照)。この切替位置は、本実施形態では搬送読取位置RPとされる。なお、切替位置はこれに限られない。
また、上記のように、キャリッジ34は、搬送読取位置RPに到達した際に、規制部材により移動を規制される。そして、遊星ギア74Cは、キャリッジ34が規制部材により移動を規制された後、FB側位置からADF側位置に切り替えを開始し、搬送部44,45は、遊星ギア74CがADF側位置にあるとき、原稿5を搬送する方向に回転動作する。
4.遊星ギア移動処理
次に図6から図9を参照して、本実施形態おける遊星ギア移動処理を説明する。遊星ギア移動処理に係る各処理は、例えば、ROM21等に格納された所定の制御プログラムにしたがってCPU20によって実行される。
まず、図6を参照して、遊星ギア移動処理における初期移動処理について説明する。初期移動処理は、例えば、複合機1の電源ボタン11Bがオンされ、画像読取装置3への電源供給が開始された場合に実行される。
初期移動処理において、CPU20は、図6に示されるように、まず、EEPROM23から、前回読取までのADF読取回数Naと前回読取までのFB読取回数Nfとを取得し、前回読取までのADF読取回数Naと前回読取までのFB読取回数NfとをRAM22内の所定の変数領域に記憶させる(ステップS10)。次いで、CPU20は、モータ62をX方向に回転させて、遊星ギア74CをFB側位置に切り替えさせる(ステップS15)。さらに、CPU20は、モータ62を所定ステップ数、X方向に回転させて、キャリッジ34を、搬送読取位置RPからホームポジションHPに移動させる。そして、CPU20は、読取部30にホームポジション検出用マーク55を読み取らせることにより、電源投入時における白データの補正を行う(ステップS20)。
次いで、CPU20は、取得したADF読取回数Naと取得したFB読取回数Nfとから、遊星ギア74Cの停止位置PTを決定する。すなわち、遊星ギア74Cを搬送読取位置RPから所定位置PTに移動させるために、CPU20は、モータ62をY方向に回転させる駆動ステップ数を決定する(ステップS25:決定処理の一例)。
ここで、所定位置は、図7に示されるように、FB側位置PfとADF側位置Paとの間にある。その際、CPU20は、RAM22に記憶されたADF読取回数Naが、RAM22に記憶されたFB読取回数Nfより多い場合、FB側位置PfよりもADF側位置Paに相対的に近い位置を停止位置PTに決定し、あるいは、RAM22に記憶されたFB読取回数Nfが、RAM22に記憶されたADF読取回数Naより多い場合、ADF側位置PaよりもFB側位置Pfに相対的に近い位置を停止位置PTに決定する。
本実施形態では、その際、さらに、RAM22に記憶されたADF読取回数Naと、RAM22に記憶されたFB読取回数Nfとの割合に応じた位置が、停止位置PTに決定される。例えば、RAM22に記憶されたADF読取回数NaとRAM22に記憶されたFB読取回数Nfとの割合が、6:4の場合、CPU20は、FB側位置PfよりもADF側位置Paに相対的に近い位置を停止位置PTに決定する。より詳細には、図7に示されるように、ADF側位置PaとFB側位置Pfとの間の遊星ギア74Cの最大公転角度をθmaxとし、ADF側位置Paと停止位置PTとの間の遊星ギア74Cの公転角度をθaとし、FB側位置Pfと停止位置PTとの間の遊星ギア74Cの公転角度をθfとすると、θmax=θa+θfであり、また、θa:θf=4:6の関係がある。ここでは、CPU20は、モータ62をY方向に回転させる駆動ステップ数として、例えば、公転角度θfに対応した駆動ステップ数STfを決定する。なお、遊星ギア74Cの公転角度θと駆動ステップ数STとの関係は事前に決定されており、その関係を示すデータは、例えば、ROM21に格納されているものとする。
なお、ADF読取回数NaとFB読取回数Nfとが等しい場合、ADF側位置PaとFB側位置Pfとから等距離(同一駆動ステップ数)にある位置を停止位置PTに決定するようにしてもよい。この場合、遊星ギア74Cの停止位置PTからADF側位置PaおよびFB側位置Pfまでの距離が等距離とされるため、すなわち、遊星ギア74Cの停止位置PTからADF側位置PaおよびFB側位置Pfまでの駆動ステップ数STが同一とされるため、読取が開始されるまでのユーザの待ち時間が偏ることを防止できる。すなわち、ユーザの待ち時間を平均化できる。
また、停止位置PTの決定は、公転角度θfに基づいて行われることに限られない。
次いで、CPU20は、決定した駆動ステップ数STfでモータ62を駆動して遊星ギア74Cを停止位置PTに移動させる。そして、CPU20は、モータ62を停止させる(ステップS30:移動処理の一例)。
次に、図8および図9を参照して、読取処理に伴う遊星ギア移動処理について説明する。
遊星ギア移動処理において、CPU20は、まず、読取開始の指示があるまで待機する(ステップS35)。読取開始指示があった場合(ステップS35:YES)、CPU20は、読取処理を実行する(ステップS40)。読取処理では、図9に示すように、CPU20は、遊星ギア74Cの停止位置PTのデータ(駆動ステップ数データ)を取得する(ステップS410)。
次いで、CPU20は、読取指示がADF読取指示であるか否かを判断する(ステップS420)。この判断において、CPU20は、例えば、スタートボタン11Aがオンされた際に、スタートボタン11Aがオンされる直前にフロントセンサ49によって原稿5が検出されている場合、ADF読取指示であると判断する。また、CPU20は、例えば、スタートボタン11Aがオンされた際に、スタートボタン11Aがオンされる直前にカバーセンサ13によって原稿カバー48の開閉が検知されている場合、FB読取指示であると判断する。
ADF読取指示であると判断した場合(ステップS420:YES)、CPU20は、停止位置PTからADF側位置Paまでの駆動ステップ数を演算する(ステップS430)。この場合の駆動ステップ数、すなわち、遊星ギア74Cの公転角度θaに対応した駆動ステップ数STaは、最大公転角度θmaxに対応した駆動ステップ数をSTmaxとすると、STa=STmax−STfから算出される。
次いで、CPU20は、算出された駆動ステップ数STaでモータ62をY方向に回転させて、遊星ギア74CをADF側位置に切り替える(ステップS432)。そして、さらに、CPU20は、モータ62をY方向に回転させて、搬送部を駆動させ、読取部30にADF読取を行わせる(ステップS434)。
一方、ステップS420において、CPU20は、ADF読取指示でないと判断した場合、すなわち、FB読取指示であると判断した場合(ステップS420:NO)、停止位置PTからFB側位置Pfまでの駆動ステップ数STfを取得する(ステップS440)。遊星ギア74Cの公転角度θfに対応した駆動ステップ数STfは、この場合、S30又は後述するS85により決定されるステップ数をRAM22に記憶されており、CPU20がRAM22から読み出すことにより、CPU20によって取得される。
次いで、CPU20は、取得した駆動ステップ数STfでモータ62をX方向に回転させて、遊星ギア74CをFB側位置に切り替える(ステップS442)。そして、さらに、CPU20は、モータ62をX方向に回転させて、キャリッジ34を、搬送読取位置RPからホームポジションHPに移動させ、その後、読取部30にFB読取を行わせる(ステップS444)。
ADF読取あるいはFB読取が終了すると、CPU20は、図8のステップS50において、読取がADF読取であったか否かを判断する。読取がADF読取であったと判断した場合、CPU20は、ADF読取回数に今回の1回分を加算する(ステップS60)。そして、CPU20は、モータ62をY方向に回転させて、遊星ギア74CをFB側位置Pfに切り替える(ステップS70)。一方、読取がADF読取でなかったと判断した場合、すなわち、読取FB読取であったと判断した場合(ステップS50:NO)、CPU20は、FB読取回数に今回の1回分を加算する(ステップS55)。
次いで、ステップS20と同様に、CPU20は、読取部30にホームポジション検出用マーク55を読み取らせ、白データを取得し、白データの補正を行う(ステップS75:初期化処理の一例)。そして、CPU20は、今回変更されたADF読取回数NaとFB読取回数Nfから、遊星ギア74Cの停止位置PT、すなわち、遊星ギア74Cを停止位置PTまで移動させるための駆動ステップ数STを決定する(ステップS80:決定処理の一例)。次いで、CPU20は、決定した駆動ステップ数STでモータ62を駆動させ、遊星ギア74Cを停止位置PTに移動させる。そして、CPU20は、モータ62を停止させる(ステップS85:移動処理の一例)。
次いで、CPU20は、今回の読取で変更されたADF読取回数NaとFB読取回数Nfを、RAM22から読み出しEEPROM23に保管する(ステップS90)。そして、CPU20は、読取指示の度に、ステップS40〜S90の処理を実行する。
5.実施形態の効果
本実施形態によれば、CPU20は、モータ62を停止させる際に、FB側位置(キャリッジ側位置)PfとADF側位置(搬送部側位置)Paとの間に位置する、遊星ギア74Cの停止位置PTに、遊星ギア74Cを移動させる移動処理(ステップS30,S85)を実行する。このように、FB側位置PfとADF側位置Paとの間に遊星ギア74Cを停止させることによって、BF読取(移動読取)とADF読取(搬送読取)とのいずれの読取であるかによって、キャリッジ34の移動が開始されるまでのユーザの待ち時間と、ADF装置40による搬送が開始されるまでのユーザの待ち時間とが偏ることを低減させることができる。
その際、CPU20は、EEPROM23に記憶された、ADF読取回数(搬送読取回数)NaとFB読取回数(移動読取回数)Nfとに基づいて、停止位置PTを決定する決定処理(ステップS25,S80)を実行する。そのため、過去の実行頻度を反映した遊星ギア74Cの停止位置PTを決定することができる。それによって、読取が開始されるまでに要する時間の総合的な短縮を期待できる。
また、決定処理において、CPU20は、EEPROM23に記憶されたADF読取回数Naが、EEPROM23に記憶されたFB読取回数Nfより多い場合、FB側位置PfよりもADF側位置Paに相対的に近い位置を停止位置PTに決定し、あるいは、EEPROM23に記憶されたFB読取回数Nfが、EEPROM23に記憶されたADF読取回数Naより多い場合、ADF側位置PaよりもFB側位置Pfに相対的に近い位置を停止位置PTに決定する。これによって、ADF側位置PaとFB側位置Pfとのうち、読取の実行回数の多い方の近くに遊星ギア74Cが停止されることになる。そのため、実行回数の多い読取が実行回数の少ない読取よりも早期に開始されることにより、読取が開始されるまでに要する時間を総合的に短縮できることが期待できる。なお、決定処理におけるこの処理は省略してもよい。
また、さらに、決定処理において、CPU20は、EEPROM23に記憶された、ADF読取回数NaとFB読取回数Nfとの割合に応じた位置を、停止位置PTに決定する。このように、ADF読取とFB読取の実行回数Na,Nfの割合に応じた位置に遊星ギア74Cを停止させることにより、ユーザの使用状況に即した位置が遊星ギア74Cの停止位置PTとなる。そのため、ユーザの使用状況に即して、読取が開始されるまでに要する時間を短縮できることが期待できる。
また、CPU20は、ADF読取の終了後に、搬送部側伝達ギア73からキャリッジ側伝達ギア72に遊星ギア74Cを切り替える切替処理(ステップS70)と、切替処理の後に、ホームポジション検出用マーク(初期化部材)55を用いて、読取部30を初期化する初期化処理(ステップS75)とを実行し、初期化処理の実行後に、移動処理(ステップS80)を実行する。そのため、次の読取を開始するために、遊星ギア74Cの切り替えを実行する必要がなくなる。すなわち、読取開始前において、初期化処理のためのギア切替の要否によって、読取が開始されるまでのユーザの待ち時間に偏りが生じることを抑制できる。それによって、ユーザの待ち時間の偏りを低減させることが期待できる。
また、CPU20は、移動処理において、遊星ギア74Cの移動に係る、モータ62の駆動ステップ数STを決定することによって、遊星ギア74Cを停止位置PTまで移動させる。そのため、簡便な構成で遊星ギア74Cを停止位置PTまで移動させることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態においては、遊星ギア74Cの停止位置PTに移動させる際に、EEPROM23に記憶されたADF読取回数NaおよびFB読取回数Nfとに基づいて行う例を示したが、これに限られない。例えば、停止位置PTは、ADF読取回数NaおよびFB読取回数Nfとに基づかない所定の固定位置とされてもよい。例えば、停止位置PTとしての所定の固定位置は、ADF側位置PaとFB側位置Pfとから等距離にある位置とするようにしてもよい。この場合、遊星ギア74Cの停止位置PTからADF側位置PaおよびFB側位置Pfまでの距離が等距離とされるため、読取が開始されるまでのユーザの待ち時間の偏りを低減できる。
(2)また、その所定の固定位置に遊星ギア74Cを移動させる際に、モータ62の駆動ステップ数STによって移動させることに限らない。例えば、図10に示されるように、固定位置に対応した位置に設けられ、遊星ギア74Cを検出するセンサ57を設けるようにしてもよい。そして、CPU20部は、移動処理において、センサ57を用いて遊星ギア74Cを検出することによって、遊星ギア74Cを停止位置PTまで移動させるようにしてもよい。
この場合、センサ57を用いることによって、遊星ギア74Cを正確に停止位置PTまで移動させることができる。
また、その際、停止位置PTとしての所定の固定位置は、ADF側位置PaとFB側位置Pfとから等距離にある位置とするようにしてもよい。この場合、センサ57を用いることによって、ADF側位置PaとFB側位置Pfとから等距離にある停止位置PTまで、遊星ギア74Cを正確に移動させることができる。
(3)CPU20は、単に、モータ62を停止させる際に、FB側位置PfとADF側位置Paとの間に位置する、遊星ギア74Cの停止位置PTに、遊星ギア74Cを移動させる移動処理を実行するものであってもよい。すなわち、決定処理(ステップS80)および/または初期化処理(ステップS75)等は省略されてもよい。
(4)上記実施形態においては、切替ギアとして、遊星ギア機構74における遊星ギア74Cを使用する例を示したが、これに限られない。切替ギアとして、モータ側伝達ギア71とキャリッジ側伝達ギア72とを連結するキャリッジ側位置(FB側位置)Pfと、モータ側伝達ギア71と搬送部側伝達ギア73とを連結する搬送部側位置(ADF側位置)Paとに切り替わる他の周知の構成が使用されてもよい。
3…画像読取装置、5…原稿、20…CPU、30…読取部、34…キャリッジ、42…原稿トレイ、44…搬送ローラ、44A…給紙ローラ、45…排紙ローラ、49…原稿セットセンサ、55…ホームポジション検出用マーク、55A…白テープ、55B…黒テープ、57…センサ、62…モータ、71…モータ側伝達ギア、72…キャリッジ側伝達ギア、73…搬送部側伝達ギア、74C…遊星ギア

Claims (9)

  1. 原稿の画像を読み取る読取部と、
    原稿を搬送する搬送部と、
    前記読取部を保持し、所定の方向に移動するキャリッジと、
    モータと、
    前記モータが供給する動力を伝達するモータ側伝達ギアと、
    前記搬送部によって搬送される原稿を読み取る搬送読取の際に、前記搬送部に前記動力を伝達する搬送部側伝達ギアと、
    前記キャリッジを移動させて画像を読み取る移動読取の際に、前記キャリッジに前記動力を伝達するキャリッジ側伝達ギアと、
    前記搬送読取の際に前記キャリッジが原稿読取位置である搬送読取位置にある状態で、前記モータ側伝達ギアと前記搬送部側伝達ギアとを連結する搬送部側位置で前記搬送部側伝達ギアと噛合い、前記移動読取の際に前記モータ側伝達ギアと前記キャリッジ側伝達ギアとを連結するキャリッジ側位置で前記キャリッジ側伝達ギアと噛合うように切り替わる切替ギアであって、前記モータ側伝達ギアと常時連結している切替ギアと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記モータを停止させる際に、前記キャリッジ側位置と前記搬送部側位置との間に位置する、前記切替ギアの停止位置に、前記切替ギアを移動させる移動処理を実行する、画像読取装置。
  2. 請求項1に記載の画像読取装置において、
    前記搬送読取の実行回数である搬送読取回数と、前記移動読取の実行回数である移動読取回数とを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数と、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数とに基づいて、前記停止位置を決定する決定処理を実行する、画像読取装置。
  3. 請求項2に記載の画像読取装置において、
    前記制御部は、前記決定処理において、
    前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数が、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数より多い場合、前記キャリッジ側位置よりも前記搬送部側位置に相対的に近い位置を前記停止位置に決定し、
    前記記憶部に記憶された前記移動読取回数が、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数より多い場合、前記搬送部側位置よりも前記キャリッジ側位置に相対的に近い位置を前記停止位置に決定する、画像読取装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の画像読取装置において、
    前記制御部は、
    前記決定処理において、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数と、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数との割合に応じた位置を、前記停止位置に決定する、画像読取装置。
  5. 請求項4に記載の画像読取装置において、
    前記制御部は、
    前記決定処理において、前記記憶部に記憶された前記搬送読取回数と、前記記憶部に記憶された前記移動読取回数とが等しい場合、前記搬送部側位置と前記キャリッジ側位置とから等距離にある位置を前記停止位置に決定する、画像読取装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
    前記切替ギアが前記キャリッジ側伝達ギアと噛合うことにより、前記キャリッジが移動する経路である移動経路と、
    前記移動経路上に設けられ、前記読取部を初期化するための初期化部材とを備え、
    前記制御部は、
    前記搬送読取の終了後に、前記搬送部側位置から前記キャリッジ側位置に前記切替ギアを切り替える切替処理と、
    前記切替処理の後に、前記初期化部材を用いて、前記読取部を初期化する初期化処理とをさらに実行し、
    前記初期化処理の実行後に、前記移動処理を実行する、画像読取装置。
  7. 請求項1に記載の画像読取装置において、
    前記停止位置は、前記搬送部側位置と前記キャリッジ側位置とから等距離にある位置である、画像読取装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
    前記モータは、駆動ステップ数に応じて動力を供給するステッピングモータであり、
    前記制御部は、
    前記移動処理において、前記切替ギアの移動に係る前記駆動ステップ数を決定することによって、前記切替ギアを前記停止位置まで移動させる、画像読取装置。
  9. 請求項1に記載の画像読取装置において、
    前記停止位置が、所定の固定位置とされ、
    前記固定位置に対応した位置に設けられ、前記切替ギアを検出するセンサを備え、
    前記制御部は、
    前記移動処理において、前記センサを用いて前記切替ギアを検出することによって、前記切替ギアを前記停止位置まで移動させる、画像読取装置。
JP2012168432A 2012-07-30 2012-07-30 画像読取装置 Active JP6028439B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168432A JP6028439B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 画像読取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168432A JP6028439B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 画像読取装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014027601A JP2014027601A (ja) 2014-02-06
JP6028439B2 true JP6028439B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=50200833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012168432A Active JP6028439B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 画像読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6028439B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6405706B2 (ja) * 2014-05-27 2018-10-17 ブラザー工業株式会社 画像読取装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3684824B2 (ja) * 1998-03-27 2005-08-17 ブラザー工業株式会社 印刷装置
JP2006086817A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Sharp Corp 画像読取装置
JP6056218B2 (ja) * 2012-06-29 2017-01-11 ブラザー工業株式会社 画像読取装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014027601A (ja) 2014-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5978785B2 (ja) 画像読取装置および画像形成装置
JP6731180B2 (ja) 画像読取装置
JP5994533B2 (ja) 画像読取装置
CN100365515C (zh) 送纸器,图像读取装置和图像形成装置
JP6031919B2 (ja) 画像読取装置
JP6056218B2 (ja) 画像読取装置および画像形成装置
JP6028439B2 (ja) 画像読取装置
US8861050B2 (en) Image reading apparatus
JP2015162767A (ja) 画像読取装置、画像形成装置
US9363401B2 (en) Image reading apparatus for reducing start-up time
JP6011140B2 (ja) 画像読取装置
JP5900250B2 (ja) 画像読取装置
JP2015138249A (ja) 画像形成装置
JP6108208B2 (ja) 画像読取装置
JP6108206B2 (ja) 画像読取装置
US8773679B2 (en) Image forming apparatus with a document conveying unit capable of efficiently performing a document reading operation
JP6024301B2 (ja) シート搬送装置、画像処理装置、および、シート搬送プログラム
JP2014112795A5 (ja)
JP2014093576A (ja) 画像読取装置
JP2006173990A (ja) 画像読取装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20140408

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6028439

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150