JP6027826B2 - 基板停止制御シミュレータ並びに表面実装機 - Google Patents

基板停止制御シミュレータ並びに表面実装機 Download PDF

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Description

本発明は、基板停止制御シミュレータ並びに表面実装機に関する。
表面実装機は、プリント基板にIC等の電子部品を実装する装置である。プリント基板を表面実装機に搬送するために、基板搬送経路には、基板搬送装置が設けられる。
大型のプリント基板に電子部品を実装するため、例えば、特許文献1に開示されている装置では、基板搬送装置は、一つのヘッドユニットに対し、複数の基板停止位置を設定可能に構成されている。これにより、例えば、ヘッドユニットの動作可能範囲を超える大型の基板であっても、電子部品を実装することを可能としている。
しかしながら、単にプリント基板の停止位置を複数箇所に設定するだけでは、必ずしもタクト時間を短くすることはできない。
そこで、特許文献2の構成では、大型のプリント基板に実装する部品を、この部品の実装に要する時間に応じて決定することにより、部品の実装に要する時間を短くする構成を採用している。
特許第4559264号公報 特許第4763430号公報
特許文献2の構成では、大型のプリント基板に実装する部品を当該部品の実装に要する時間に応じて決定しているので、効率のよい部品実装を実現することが可能となる。
しかしながら、特許文献2においては、実装効率と基板停止回数の関係については、考慮されていなかった。実装効率は、必ずしも、回数を少なくすることで実現されるものでもない。一回で実装することのできるエリアであっても、複数回に分割した方が、効率がよい場合もある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、さらなる実装効率の向上を図ることのできる基板停止制御シミュレータ並びに表面実装機を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、部品供給部からピックアップした電子部品を実装するヘッドユニットに基板を供するために、複数の基板停止位置に前記基板を停止することのできる基板搬送装置について、当該基板停止位置を決定する基板停止制御シミュレータであって、1以上の整数を初期値としてインクリメントすることにより、基板停止回数を順次演算する回数演算手段と、前記ヘッドユニットが前記電子部品を実装可能な実装範囲に基づいて、前記回数演算手段が演算した基板停止回数ごとに前記基板の停止位置を決定する停止位置決定手段と、前記回数演算手段が演算した基板停止回数ごとに、当該基板停止回数に係る前記基板の停止位置のそれぞれにおいて、前記電子部品を前記基板に実装させた場合に要する総タクト時間を演算するタクト時間演算手段と、前記回数演算手段がインクリメントする直前の基板停止回数に係る総タクト時間と、インクリメント後の基板停止回数に係る総タクト時間とを比較し、インクリメント直前の基板停止回数に基づく総タクト時間の方が短いときに、当該インクリメント直前の基板停止回数を最適な基板停止回数として決定する一方、インクリメント直前の基板停止回数に基づく総タクト時間が、インクリメント後の基板停止回数に基づく総タクト時間以上のときには、前記回数演算手段によってインクリメント後の基板停止回数をさらにインクリメントさせて、前記基板停止回数の決定のための処理を繰り返す回数決定手段とを備えていることを特徴とする基板停止制御シミュレータである。この態様では、ヘッドユニットが電子部品を実装可能な実装範囲に基づいて、基板の停止位置(基板停止位置)を決定するに当たり、最も総タクト時間が短くなる基板停止回数を探索し、その基板停止回数に基づいて、基板停止位置を決定することができる。従って、この基板停止位置に基板を停止して実装処理を実行することにより、表面実装機の処理効率を向上することが可能になる。具体的には、まず、最小の基板停止回数から順次インクリメントされる基板停止回数ごとに基板停止位置が決定され、決定された基板停止回数ごとに総タクト時間が演算される。ここで、総タクト時間は、基板停止回数によって変化する。基板停止回数を増やした方が、好適な位置でヘッドユニットが実装作業を実行しやすくなり、タクト時間が低減する可能性も少なくない。一方、基板停止回数が増加するほど、基板の搬送時間や、基板の固定時間などが増加し、総タクト時間が増加する可能性も高くなる。そこで、本態様では、ある基板停止回数に基づく基板停止位置に係る総タクト時間と、この基板停止回数をインクリメントした場合における基板停止位置に係る総タクト時間とを比較することにより、総タクト時間が短くなる基板停止回数をシミュレートしているのである。このシミュレーションにより、最も総タクト時間が短くなる基板停止回数(基板停止位置)を決定することができる。そして、この基板停止回数に基づく基板停止位置に基板を停止して実装処理を実行することにより、表面実装機の処理効率を向上することが可能になる。よって、比較的簡便な方法で好適な基板停止位置を決定し、もって実装効率の向上を図ることが可能となる。
好ましい態様の基板停止制御シミュレータにおいて、前記停止位置決定手段は、前記回数演算手段が演算した基板停止回数に基づいて、基板上のエリアを分割し、分割されたエリアごとに、当該エリアに分布する電子部品の実装位置の重心を演算し、この重心が前記実装範囲に対応する部品供給位置に対向するように、当該基板停止位置を分割されたエリアごとに決定するものである。この態様では、基板上のエリアが、基板停止回数に基づいて分割される。一方、基板上に実装される電子部品の実装位置は、分割されたエリアごとに分布が異なっている。しかしながら、本態様では、分割されたエリアごとに、当該エリアに分布する電子部品の実装位置の重心が演算され、この重心がヘッドユニットの実装範囲に対応する部品供給位置に対向するように、基板停止位置が分割されたエリアごとに決定されるので、基板が停止するたびに、実装範囲に対向するエリアでは、電子部品が最も密集している部分が、当該実装範囲に対応する部品供給位置に対向する。従って、電子部品が最も密集している部分と部品供給位置とが可及的に最短距離になり、ヘッドユニットの動線が短くなるので、実装時間が短くなり、作業効率が高くなる。
好ましい態様の基板停止制御シミュレータにおいて、部品供給位置に対向する方向に沿う移動が支配的な動作で前記ヘッドユニットが電子部品を実装可能な好適実装範囲に係るデータを取得する範囲取得手段と、前記回数演算手段が演算した基板停止回数に基づいて、基板上のエリアを分割し、分割されたエリアが前記好適実装範囲内に収まるか否かを判定する判定手段と、分割されたエリアが前記好適実装範囲内に収まると前記判定手段が判定した場合には、前記停止位置決定手段による基板停止位置の演算を許容する一方、分割されたエリアが前記好適実装範囲外にはみ出すと前記判定手段が判定した場合には、前記回数演算手段が演算した基板停止回数を強制的にインクリメントしてシミュレーションを再実行させる強制手段とをさらに備えている。この態様では、基板停止回数をシミュレーションする際に、シミュレーションの対象となる基板停止回数に基づいて分割された基板上のエリアは、何れも好適実装範囲に収まる仕様に限定される。この好適実装範囲では、ヘッドユニットは、基板搬送方向に沿って移動する必要が概ねなくなるので、短い動線で基板上と部品供給位置との間を往復し、最も効率よく実装作業を実行することができる。従って、ヘッドユニットが最も効率よく実装作業を実行可能な基板停止位置が設定される基板停止回数同士を比較して、総タクト時間の短いものを選定することができ、一層、処理効率の高い基板停止位置の設定が可能となる。
本発明のさらに別の態様は、電子部品を基板に実装するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットに前記電子部品を供給する部品供給部と、前記ヘッドユニットが前記電子部品を実装する基板を供給する基板搬送装置と、前記基板搬送装置による前記基板の停止動作を制御する制御装置と、前記基板停止制御シミュレータとを備え、前記制御装置は、この基板停止制御シミュレータの停止位置決定手段が決定した基板停止位置に基づいて、前記基板搬送装置を制御するものであることを特徴とする表面実装機である。
以上説明したように、本発明によれば、比較的簡便な方法で好適な構成で、最も総タクト時間が短くなる基板停止位置を決定することができ、もって実装効率の向上を図ることが可能となるという顕著な効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係る表面実装機の概略構成を示す平面略図である。 図1の表面実装機の制御系のブロック図である。 図1の表面実装機に係る実装範囲の説明図である。 図1の表面実装機に係る基板停止回数のシミュレーションについての一例を示す説明図であり、(A)は、基板停止回数が2回の場合、(B)は、基板停止回数が3回の場合である。 図4の例についての演算結果を示すグラフであり、(A)は、基板停止回数が2回の場合、(B)は、基板停止回数が3回の場合である。 本発明の基板停止制御シミュレータの処理例を示すフローチャートである。 図6のサブルーチンを示すフローチャートである。 図7のサブルーチンにおける部品重心についての説明図である。 参考例に係るフローチャートである。 図9の参考例に係るシミュレーションについての一例を示す説明図であり、(A)は、参考例の場合、(B)は、比較例の場合である。 図10の例についての演算結果を示すグラフであり、(A)は、参考例の場合、(B)は、比較例の場合である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1〜3に示す表面実装機は、平面視略矩形の基台1と、この基台1の長手方向(X軸方向)に沿って基台1上に配設され、プリント基板Wを搬送する基板搬送装置2と、この基板搬送装置2の両側の基台1上に設けられ、電子部品Ctを供給する部品供給部3と、基台1の上方に設けられ、ヘッドユニット41により部品供給部3の電子部品Ctをプリント基板Wに実装するヘッド機構4と、ヘッドユニット41に設けられ、プリント基板Wを撮像する基板カメラ5と、基台1上に設けられ、ヘッドユニット41が搬送する電子部品Ctを撮像する部品カメラ6と、基台1内部または基台1から離間した位置に配設された表面実装機の動作を制御する制御装置7と、表面実装機の動作に関する各種表示を行う表示ユニット8と、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の公知の通信回線10を介して制御装置7と接続され、表面実装機の動作を制御する動作プログラムを作成する基板停止制御シミュレータ9とを有する。
基板搬送装置2は、X軸方向にプリント基板Wを搬送する公知のコンベアから構成されている。基板搬送装置2のプリント基板Wの搬送経路上の所定の箇所には、プリント基板Wを所定の停止位置に停止して固定するためのストッパF1、F2と、プリント基板Wの有無を検出する基板センサSn1、Sn2とが設けられている。本実施の形態において、ストッパF1、F2および基板センサSn1、Sn2は、それぞれ2つずつ設けられる。
ストッパF1、F2は、例えば、エアシリンダやソレノイド等から構成されており、搬送経路上に突出可能であり、プッシュアップピン等の固定手段(図示せず)と協働することにより、それぞれプリント基板Wの位置決めおよび各停止位置へのプリント基板Wの固定を行う。
なお、本実施形態に係る基板搬送装置2のコンベアは、駆動用モータ21と、駆動用モータ21の出力を検出するエンコーダ22とを備えており(図2参照)、制御装置7がエンコーダ22の検出に基づいて、駆動用モータ21を制御することにより、ストッパF1、F2に拘わらず、任意の位置でプリント基板Wを停止することができるようになっている。
このような基板搬送装置2は、プリント基板Wを外部または連続して設けられた印刷装置等の上流側から実装機内部に搬入する搬入動作、搬入されたプリント基板Wを所定の作業位置に固定する固定動作、電子部品Ctが装着されたプリント基板Wを他の実装機若しくはリフロー炉または表面実装機外部等の下流側に搬出する搬出動作等を行う。
部品供給部3は、基板搬送装置2と平行に配設された取付座31と、各取付座31に各々位置決めされた状態で並列に配設された複数のテープフィーダ32とを有する。このテープフィーダ32は、それぞれIC、トランジスタ、コンデンサ等、小片状の電子部品Ctを所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるように構成されるとともに、テープ送り出し端には送り機構が備えられ、ヘッドユニット41により電子部品Ctがピックアップされるにつれてテープを間欠的に送り出す。なお、部品供給部3には、上述したようなテープフィーダ以外に、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)等の比較的大型の電子部品Ctをトレイ上に載置した状態で供給するトレイフィーダ等も配設されるようにしてもよい。
ヘッド機構4の前記ヘッドユニット41は、基台1上方において、X軸方向(基板搬送装置2の方向)およびY軸方向(水平面においてX軸と直交する方向)に移動可能に配設されている。このヘッドユニット41には、電子部品Ctを吸着するための吸着ヘッド42が搭載されており、本実施の形態では、複数(例えば、8本)の吸着ヘッド42がX軸方向に並べて配設されている。各吸着ヘッド42は、先端に電子部品吸着用のノズルを備えており、このノズルが電磁バルブを介して負圧供給手段(図示せず)に接続されることにより、実装動作時には、ノズル先端に負圧が供給されてその吸引力で電子部品Ctを吸着する。
基板カメラ5は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を用いた公知のデジタルカメラ等から構成されており、ヘッドユニット41に搭載される。このような基板カメラ5は、ヘッドユニット41の移動に伴い、作業位置に保持されたプリント基板W上方からフィデューシャルマーク、すなわち、プリント基板W上の基準位置を示すマークを撮像する。
部品カメラ6は、CCDやCMOS等の固体撮像素子を用いた公知のエリヤカメラや、ラインセンサ等から構成されており、基台1上に埋設される。このような部品カメラ6は、ヘッドユニット41に吸着された電子部品Ctを撮像する。
制御装置7は、図2に示すように、モータ制御部71と、基板搬送制御部72と、外部入出力部73と、画像処理部74と、記憶部75と、主制御部76とを少なくとも備えている。このような制御装置7は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN、WAN等の通信回線を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)またはFED(Field Emission Display)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。
モータ制御部71は、主制御部76の指示に基づいて、ヘッドユニット41が有するX軸モータ、Y軸モータ、Z軸モータおよびR軸モータ等の各モータ44の駆動を制御する演算処理部である。モータ制御部71の制御により、ヘッドユニット41による電子部品Ctの吸着、移送、搭載が実現される。
基板搬送制御部72は、主制御部76の指示に基づいて、基板搬送装置2が有する各モータの操作量を演算し、この演算結果に基づいて基板搬送装置2の動作を制御する演算処理部である。これにより、プリント基板Wの搬入、固定、搬出が実現される。
外部入出力部73は、主制御部76の指示に基づいて、ストッパF1、F2、固定手段(図示せず)および基板センサSn1、Sn2など実装機に設けられた各種装置や各種基板センサに接続され、それぞれとの間で各種情報の送受信を行うインターフェース部である。
画像処理部74は、主制御部76の指示に基づいて、基板カメラ5または部品カメラ6に撮像を行わせ、これらの取り込み画像に画像処理を行う演算処理部である。この処理結果は、主制御部76に送出される。
記憶部75は、実装機の動作に関する各種情報を記憶するユニットである。このような記憶部75は、実装機の一連の実装動作を制御するプログラムである実装プログラム75aと、基板搬送プログラム75bとを少なくとも記憶する。
主制御部76は、記憶部75の実装プログラム75aおよび基板搬送プログラム75bに基づいて各種演算を行うことにより、表面実装機の各種動作を統括して制御する演算処理部である。
表示ユニット8は、制御装置7の主制御部76の指示に基づいて各種情報の表示をしたり、各種情報を音声として出力したりする表示処理部である。
基板停止制御シミュレータ9は、記憶部91と、基板停止制御シミュレータ9と、主演算部93とから構成される。このような基板停止制御シミュレータ9は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN、WAN等の通信回線を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、CRT、LCDまたはFED等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。なお、基板停止制御シミュレータ9は、インターネット、LAN、WAN等の通信回線を介して連結されたコンピュータでなくてもよい。すなわち、実装機の主制御部76、記憶部75等に機能させるようにしてもよい。
記憶部91は、基板停止制御シミュレータ9の一連の最適化プログラムの作成動作を制御するプログラムであるデータ作成プログラム91aと、実装機の一連の実装動作を制御するプログラムである実装プログラム91bと、基板搬送装置2の一連の搬送動作を制御する基板搬送プログラム91cと、実装機の形状、動作速度、各構成要素の配置など実装機や部品供給部3の構成に関する設備固有データ91dと、各プリント基板Wの構成に関するプリント基板Wデータ91dと記憶する。なお、記憶部91に記憶される実装プログラム91b、基板搬送プログラム91cは、それぞれ制御装置7の記憶部75に記憶された実装プログラム75a、基板搬送プログラム75bと同等である。また、記憶部91に記憶される各プログラムおよび各データは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で基板停止制御シミュレータ9の記憶部91に記憶させるようにしてもよい。設備固有データ91dには、プリント基板Wごとに実装される電子部品Ctを供給する部品供給部3の識別情報や、部品供給部3のテープフィーダ32によって決まる部品供給位置が含まれている。
主演算部93は、記憶部91のデータ作成プログラム91aに基づいて各種演算を行うことにより、基板停止制御シミュレータ9の動作を統括して制御する演算処理部である。このような主演算部93は、後述するシミュレーションの演算結果を基板搬送プログラム75bとして実装機の制御装置7に送信する。この基板搬送プログラム75bは、基板搬送装置2の停止回数、基板停止位置X1〜XNの座標等を各プリント基板Wの種類ごとに指定するものであり、制御装置7の記憶部75に記憶される。なお、上記基板搬送プログラム75bは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で制御装置7に提供するようにしてもよい。
図3を参照して、基板停止制御シミュレータ9には、プリント基板Wに実装される電子部品Ctの部品供給位置に応じて、ヘッドユニット41の実装範囲に係るデータを好適実装範囲Aoptに係るデータ、実装可能範囲Aactに係るデータにそれぞれ分類して取得する機能を備えている。ここで、実装範囲に係るデータを「取得する」とは、設備固有データ91dに含まれるデータに基づいて、演算により、実装範囲を導出することと、設備固有データ91dに予め含まれている値を読み取ることの何れかを指す動作である。「取得」は、演算による導出、記憶されたデータの読取の何れであってもよい。
次に、好適実装範囲Aoptとは、部品供給位置に対向する方向に沿う移動が支配的な動作でヘッドユニット41が電子部品Ctを吸着し、実装することのできる範囲をいう。「部品供給位置に対向する方向に沿う移動が支配的な動作」とは、ヘッドユニット41が移動するXY平面において、X軸方向の成分がY軸方向の成分に比べて大幅に少ない動きをいう。好適実装範囲Aoptでは、ヘッドユニット41は、Y軸方向と平行な方向、またはY軸方向に対し、僅かに斜行する方向に移動するだけで、電子部品Ctを実装することが可能となる。無論、ヘッドユニット41が辿る経路ないし動線は、随意でよいが、好適実装範囲Aoptでは、X軸方向の成分が大幅に少ないので、ヘッドユニット41は、この好適実装範囲Aoptでは、タクトロスのない状態で(すなわち、最短の動線で)効率よく電子部品Ctを実装することが可能となる。
また、実装可能範囲Aactとは、ヘッドユニット41が基板搬送方向、即ちX軸方向に沿って移動する必要があるものの、当該ヘッドユニット41によって、電子部品Ctを実装することが可能な範囲をいう。プリント基板Wの停止位置によっては、電子部品Ctの実装を要するエリアが、装置外にはみ出すことがある。或いは、複数のヘッドユニット41が装備される場合がある。その場合には、相手方のヘッドユニット41との干渉を避けるためのエリアが実装不能な範囲となる。そのような実装不能な範囲を制御上明確にするために、実装可能範囲Aactが設定される。
プリント基板Wを何回停止させるか、また、その停止位置はどこか、によって、総タクト時間は、大きく変わる。そこで、本実施形態では、基板停止制御シミュレータ9によって、好適な基板停止回数と基板停止位置を決定するようにしている。
次に、基板停止制御シミュレータ9による基板搬送プログラム75bの生成例について、図4を参照しながら説明する。
以下の説明において、図4に例示するプリント基板Wは、2回の基板停止によって、プリント基板Wの全エリアに必要な電子部品Ctを全て実装することができるものと仮定する。この場合、図4(A)の通り、プリント基板Wを2回に分けて搬送し、電子部品Ctを実装した場合、図5(A)に示すように、最初の電子部品Ctの実装に、実装時間MT1がかかり、次の基板停止位置にプリント基板Wを搬送するための搬送に、基板搬送時間TT2がかかり、搬送後の実装に、実装時間MT2がかかるものとする。
一方、同一のプリント基板Wを図4(B)の通り、プリント基板Wを3回に分けて搬送し、電子部品Ctを実装した場合、必ずしも、2回のときよりも、総タクト時間が長くなるとは限らない。図5(B)に示すように、3回に分割された場合の方が、個々の実装時間MT1〜MT3が短くなり、また、基板搬送時間TT2、TT3も短くなるので、総タクト時間が2回のときよりも、短くなる場合があるからである。
そこで、本実施形態では、基板停止制御シミュレータ9に図6に示すようなプログラムを実行させて、プリント基板Wの停止回数ごとに総タクト時間を演算し、総タクト時間が短くなるような基板停止回数に基づいて、プリント基板Wの停止位置を決定することとしている。
図6を参照して、同図に示すプログラムが実行されると、基板停止制御シミュレータ9は、まず、初期値として、基板停止回数Nを1に設定する(ステップS11)。次いで、基板停止制御シミュレータ9は、基板停止位置X1〜XNを算出するためのサブルーチンを実行する(ステップS12)。このサブルーチンにより、基板停止制御シミュレータ9は、基板停止回数ごとに、それぞれの基板停止位置を演算する。基板停止位置X1〜XNの決定方法については後述する。
次に、基板停止制御シミュレータ9は、設備固有データ91dおよび基板データ91eに基づいて、基板停止位置ごとに、実装時間MT1〜MTNを演算する(ステップS14)。
次に、基板停止制御シミュレータ9は、設備固有データ91dに基づいて、ステップS12で演算した基板停止位置X1〜XNに基づき、基板搬送時間TT2〜TTNを演算する(ステップS15)。ここで、基板搬送時間TTNは、プリント基板Wを図略のクランプで固定する時間、プリント基板Wのフィデューシャルマークを基板カメラ5で認識する時間等、プリント基板Wを再固定するのに付随して発生する処理時間が含まれるものとしている。例えば、基板搬送時間TT2は、基板停止位置X1から基板停止位置X2に移動する時間である。基板停止位置XNによって、基板搬送時間TTNも異なるので、基板停止制御シミュレータ9は、駆動用モータ21の回転速度、搬送距離等に基づき、個別に基板搬送時間TTNを演算することとしているのである。
次いで、基板停止制御シミュレータ9は、(1)式に基づき、総タクト時間TNを演算する(ステップS16)。
Figure 0006027826
式中mは、カウンタ変数であり、1を初期値として、基板停止回数Nまで1ずつインクリメントされる。この演算結果は、記憶部91に設定される所定の記憶領域に保存される。
次に、基板停止制御シミュレータ9は、演算した基板停止回数Nに係る総タクト時間TNと比較される総タクト時間TN-1が存在するか否かを判別する(ステップS17)。例えば、基板停止回数Nが1以下の場合、すなわち、初期値の場合や、或いは、後述するステップS12のサブルーチンにおいて、基板停止回数Nが強制的にインクリメントされた場合等には、比較対がないので、基板停止回数Nをインクリメントし(ステップS18)、ステップS12に移行して、上述した処理を繰り返すこととしている。この過程で、上述した処理をN=2、N=3について実行されることにより、図4(A)(B)に示したように、プリント基板Wを2回停止する場合や、プリント基板Wを3回停止する場合について、それぞれの基板停止位置X1〜X3がそれぞれ決定され、実装時間MT1〜MTNがそれぞれ演算され、演算結果である総タクト時間T2、総タクト時間T3が得られる。
次いで、基板停止制御シミュレータ9は、インクリメントする直前の基板停止回数(図4(A)、図5(A)の例では、N=2)に係る総タクト時間T2と、インクリメント後の基板停止回数(図4(B)、図5(B)の例では、N=3)に係る総タクト時間T3とを比較する(ステップS19)。図5(A)(B)の例では、基板停止回数Nが2回のときよりも、基板停止回数Nが3回のときの方が、総タスク時間TNは、短くなっている(T2>T3)。この場合には、基板停止回数Nをインクリメントし、さらに基板停止回数Nが4回の場合の総タスク時間T4を演算して、総タクト時間T3とを比較する処理が繰り返される。基板停止回数Nを増加した場合に、総タスク時間TNが、基板停止回数Nを増す前の総タクト時間TN以下になる場合には、基板停止回数Nの増加によって、さらに総タスク時間TNが短くなる可能性が残されているからである。一方、基板停止回数Nを増やした場合に、基板停止回数Nを増やす前よりも総タスク時間TNが長くなった場合には、基板停止回数Nを増やす前の総タクト時間TN-1が最適なタクト時間である、と判断される。総タスク時間TNが長くなった場合に、基板停止回数Nを増加してシミュレーションを繰り返しても、基板停止回数Nの増加によって、基板搬送時間TTNもまた増加することになるので、総タスク時間TNが短くなる可能性は、考えられないからである。そのため、基板停止制御シミュレータ9は、インクリメント直前の基板停止回数N−1に基づく総タクト時間TN-1の方が総タスク時間TNよりも短いときには、当該インクリメント直前の基板停止回数N−1を最適な基板停止回数NOPTとして決定し(ステップS20)、処理を終了する。これにより、各プリント基板Wに応じて、好適な基板停止回数NOPTと、この基板停止回数NOPTに基づく基板停止位置X1〜XNが決定される。
決定された基板停止位置X1〜XNに基づき、基板停止制御シミュレータ9の主制御部は、基板搬送プログラム91cを生成し、この基板搬送プログラム91cを基板搬送プログラム71bとして、制御装置7に送信する。これにより、表面実装機は、基板停止回数NOPTに基づく基板停止位置X1〜XNにプリント基板Wを停止し、ヘッドユニット41によって電子部品Ctを搭載することが可能となる。
次に、図7を参照して、基板停止位置X1〜XNを決定するためのサブルーチンについて説明する。
同図に示すサブルーチンにおいて、まず、基板停止制御シミュレータ9は、設備固有データ91dに基づき、実装範囲を取得する(ステップS1201)。この処理では、種々の態様が可能である。好ましい態様としては、実装範囲として、好適実装範囲Aopt(図3参照)を取得する態様を採用してもよい。また、別の態様として、実装可能範囲Aactを含めた範囲を取得してもよい。本実施形態では、好適実装範囲Aoptのみを実装範囲として選択する態様を採用している。
次に、基板停止制御シミュレータ9は、設備固有データ91dおよび基板データ91eに基づき、基板停止回数Nが一回当たりの実装エリアANの長さLNを演算する(ステップS1202)。具体的には、プリント基板Wの基板搬送方向長さLをNで除算する。この演算結果に基づき、基板停止制御シミュレータ9は、ステップS1201で取得した実装範囲の基板搬送方向Xにおける長さと、ステップS1202で演算した実装エリアANの長さLNとを比較し、基板停止回数Nが一回当たりの実装エリアAN内に、実装不能範囲があるか否かを判別する(ステップS1203)。仮に、基板停止回数Nが一回当たりの実装エリアANに実装不能範囲が含まれている場合、基板停止制御シミュレータ9は、強制的に基板停止回数Nをインクリメントし(ステップS1204)、ステップS1202以下の処理を繰り返す。他方、基板停止回数Nが一回当たりの実装エリアANに実装不能範囲が含まれていない場合、基板停止制御シミュレータ9は、カウンタ変数Mnを1に設定する(ステップS1205)。次いで、実装エリアAMnについて、当該実装エリアAMn内のX軸方向における部品重心GMnを演算し、この部品重心GMnを部品供給部3の部品供給位置のX軸方向の中心に対向するように、基板停止位置XMnを演算する(ステップS1206)。これにより、基板停止回数NがMnの基板停止位置XMnが決定される。次いで、基板停止制御シミュレータ9は、カウンタ変数Mnをインクリメントし(ステップS1207)、カウンタ変数Mnが基板停止回数Nを越えたか否かを判別する(ステップS1208)。仮に、インクリメントしたカウンタ変数Mnが基板停止回数Nを越えている場合には、基板停止制御シミュレータ9は、メインルーチンに復帰する。一方、インクリメントしたカウンタ変数Mnが基板停止回数N以下の場合には、基板停止制御シミュレータ9は、ステップS1206に移行して上述した処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態に係る基板停止制御シミュレータ9は、1以上の整数を初期値としてインクリメントすることにより、基板停止回数Nを順次演算する回数演算手段としての処理(図6のステップS11、S18)と、ヘッド機構4のヘッドユニット41が電子部品Ctを実装可能な実装範囲に基づいて、回数演算手段が演算した基板停止回数Nごとにプリント基板Wの停止位置を決定する停止位置決定手段としての処理(図7のサブルーチンS12)と、回数演算手段が演算した基板停止回数Nごとに、当該基板停止回数Nに係るプリント基板Wの停止位置に基づく総タクト時間TNを演算するタクト時間演算手段としての処理(図6のステップS14〜S16)と、回数演算手段がインクリメントする直前の基板停止回数N−1に係る総タクト時間TN-1と、インクリメント後の基板停止回数Nに係る総タクト時間TNとを比較し、インクリメント直前の基板停止回数N−1に基づく総タクト時間TN-1の方が短いときに、当該インクリメント直前の基板停止回数Nを最適な基板停止回数Nとして決定する一方、インクリメント直前の基板停止回数N−1に基づく総タクト時間TN-1が、インクリメント後の基板停止回数Nに基づく総タクト時間TN以上のときには、回数演算手段によってインクリメント後の基板停止回数Nをさらにインクリメントさせて、処理を繰り返す回数決定手段としての処理(図6のステップS18〜S20)とを実行する機能を備えている。
このため本実施形態では、ヘッド機構4のヘッドユニット41が電子部品Ctを実装可能な実装範囲に基づいて、プリント基板Wの停止位置(基板停止位置XN)を決定するに当たり、最も総タクト時間TNが短くなる基板停止回数Nを探索し、その基板停止回数Nに基づいて、基板停止位置XNを決定することができる。従って、この基板停止位置XNにプリント基板Wを停止して実装処理を実行することにより、表面実装機の処理効率を向上することが可能になる。
また、本実施形態に係る基板停止制御シミュレータ9は、上記停止位置決定手段として、回数演算手段が演算した基板停止回数Nに基づいて、プリント基板W上の実装エリアを分割し、分割された実装エリアA1〜ANごとに、当該実装エリアA1〜ANに分布する電子部品Ctの実装位置の重心G1〜GNを演算し、この重心G1〜GNが実装範囲に対応する部品供給位置に対向するように、当該基板停止位置XNを分割された実装エリアA1〜ANごとに決定する機能を有している。このため本実施形態では、プリント基板W上の実装エリアA1〜ANが、基板停止回数Nに基づいて分割される。一方、プリント基板W上に実装される電子部品Ctの実装位置は、図8に示したように、分割された実装エリアA1〜ANごとに分布が異なっている。しかしながら、本実施形態では、分割された実装エリアA1〜ANごとに、重心G1〜GNが演算され、この重心G1〜GNがヘッド機構4のヘッドユニット41の実装範囲に対応する部品供給位置に対向するように、基板停止位置XNが分割された実装エリアA1〜ANごとに決定されるので、プリント基板Wが停止するたびに、実装範囲に対向する実装エリアA1〜ANでは、電子部品Ctが最も密集している部分が、当該実装範囲に対応する部品供給位置に対向する。従って、電子部品Ctが最も密集している部分と部品供給位置とが可及的に最短距離になり、ヘッドユニット41の動線が短くなるので、実装時間が短くなり、作業効率が高くなる。
また、本実施形態に係る基板停止制御シミュレータ9は、部品実装位置に対向する方向、すなわち、Y軸方向に沿う移動が支配的な動作でヘッドユニット41が電子部品Ctを実装可能な好適実装範囲Aoptに係るデータを取得する範囲取得手段としての処理(図7のステップS1203)と、回数演算手段が演算した基板停止回数Nに基づいて、プリント基板W上の実装エリアA1〜ANを分割し、分割された実装エリアA1〜ANが好適実装範囲Aopt内に収まるか否かを判定する判定手段としての処理(図7のステップS1203)と、分割された実装エリアA1〜ANが好適実装範囲Aopt内に収まると判定手段が判定した場合には、停止位置決定手段による基板停止位置XNの演算を許容する一方、分割された実装エリアA1〜ANが好適実装範囲Aopt外にはみ出すと判定手段が判定した場合には、回数演算手段が演算した基板停止回数Nを強制的にインクリメントしてシミュレーションを再実行させる強制手段としての処理(図7のステップS1204)とを実行する機能をさらに備えている。このため本実施形態では、基板停止回数Nをシミュレーションする際に、シミュレーションの対象となる基板停止回数Nに基づいて分割されたプリント基板W上の実装エリアA1〜ANは、何れも好適実装範囲Aoptに収まる仕様に限定される。この好適実装範囲Aoptでは、ヘッド機構4のヘッドユニット41は、基板搬送方向に沿って移動する必要が概ねなくなるので、短い動線でプリント基板W上と部品供給位置との間を往復し、最も効率よく実装作業を実行することができる。従って、ヘッド機構4のヘッドユニット41が最も効率よく実装作業を実行可能な基板停止位置XNが設定される基板停止回数N同士を比較して、総タクト時間TNの短いものを選定することができ、一層、処理効率の高い基板停止位置XNの設定が可能となる。
本実施形態に係る表面実装機は、電子部品Ctをプリント基板Wに実装するヘッド機構4のヘッドユニット41と、ヘッド機構4のヘッドユニット41に電子部品Ctを供給する部品供給部3と、ヘッド機構4のヘッドユニット41が電子部品Ctを実装するプリント基板Wを供給する基板搬送装置2と、基板搬送装置2によるプリント基板Wの停止動作を制御する制御装置7と、上述した基板停止制御シミュレータ9とをさらに備え、上記制御装置は、この基板停止制御シミュレータ9の停止位置決定手段が決定した基板停止位置XNに基づいて、基板搬送装置2を制御するものである。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
上述したように、図2に示す基板停止制御シミュレータ9は、ヘッド機構4のヘッドユニット41が基板搬送装置2による基板搬送方向沿いに電子部品Ctを実装可能な実装範囲のうち、部品実装位置に対向する方向、すなわち、Y軸方向に沿う移動が支配的な動作でヘッドユニット41が電子部品Ctを実装可能な好適実装範囲Aoptに係るデータを記憶する実装範囲取得手段としての記憶部91(基板データ91e)を備えている。
かかる態様においては、より簡便な方法で基板停止回数Nと、基板停止位置XNを決定することも可能である。そのような簡便な演算方法を参考例として、図9以下を参照しながら説明する。
まず、図9を参照して、基板停止制御シミュレータ9は、まず、基板停止回数Nの初期値として値「1」を設定し(ステップS41)、次いで、未処理エリアの長さLU
U=L−(N*LA
として演算する(ステップS42)。式中LAは、好適実装範囲Aoptの基板搬送方向長さである(図10参照)。ステップS42の演算結果に基づき、基板停止制御シミュレータ9は、未処理エリアの長さLUが0よりも大きいか否かを判別する(ステップS43)。仮に、未処理エリアの長さLUが0よりも大きい場合、すなわち、N回の処理では、実装しきれない場合、基板停止制御シミュレータ9は、基板停止回数Nをインクリメントし(ステップS44)、ステップS42以下の処理を繰り返す。一方、処理エリアの長さLUが0以下の場合、すなわち、N回の処理で全てのエリアに電子部品Ctを実装できる場合、基板停止制御シミュレータ9は、この基板停止回数Nを好適な回数Noptとして登録し(ステップS45)、Noptに基づいて基板停止位置X1〜XNoptを演算して(ステップS46)、処理を終了する。ステップS46での演算処理は、好適実装範囲Aoptの基板搬送方向長さLAを基準にして、基板停止位置X1〜XNoptを等配する方法を採用してもよく、或いは、図8で説明した重心G1〜GNに基づく方法を採用してもよい。
図9による処理例による効果を図10、図11を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図10に例示するプリント基板Wは、図4の場合と同様に、2回の基板停止によって、プリント基板Wの全エリアに必要な電子部品Ctを全て実装することができるものと仮定する。
図10(B)に示すように、従来は、基板搬送時間TTを短縮する目的から、図示の例のように、実装不能範囲Anotに実装エリアが存在する場合には、この実装不能範囲Anotにはみ出している部分を実装可能範囲Aactに搬入した時点で、搬送を停止することとしていた。このような搬送処理では、図11(B)に示すように、基板搬送時間TT2は、短くなるものの、実装可能範囲Aactでのタクトロスによって、実装効率が低くなり、総タクト時間TNも長くなるという問題があった。
これに対して、図9に示した基板停止位置の決定処理では、図10(A)に示すように、プリント基板W上の実装エリア全体を好適実装範囲Aoptで実装することが可能になる。そのため、図11(A)に示すように、基板搬送時間TT2は、幾分長くなるものの、2回目以降の実装効率を高く維持することができることから、総タクト時間TNも短くすることができるという利点がある。このように、図9に示した参考例では、大型のプリント基板Wに電子部品Ctを実装するに当たり、Y軸方向に沿う移動が支配的な動作でヘッドユニット41が電子部品Ctを実装可能な好適実装範囲Aoptごとに基板停止位置XNを設定することが可能になる。そのため、かかる基板停止位置XNが設定された場合には、ヘッド機構4のヘッドユニット41は、タクトロスの少ない動線で電子部品Ctの実装作業を実行することが可能となる。
また、上述した図6のプログラムに係る図7のサブルーチンでは、任意の位置に基板停止位置X1〜XNを設定できることとしているが、複数のストッパのみを用いてプリント基板Wを停止する仕様の基板搬送装置においては、ストッパの個数を上限とし、且つ、各ストッパによって規定される基板停止位置ごとに実装時間MT、搬送時間TTを演算するようにしてもよい。
2 基板搬送装置
3 部品供給部
4 ヘッド機構
7 制御装置
9 基板停止制御シミュレータ
41 ヘッドユニット
91 記憶部
93 主演算部
act 実装可能範囲
N 実装エリア
not 実装不能範囲
opt 好適実装範囲
Ct 電子部品
1-GN 部品重心
L 基板長さ
A 好適実装範囲の基板搬送方向長さ
N 一回当たりの実装エリアの長さ
U 未処理エリアの長さ
MT1-MTN 実装時間
N 基板停止回数
N 総タスク時間
TT2−TTN 基板搬送時間
W プリント基板
1−XN 基板停止位置

Claims (4)

  1. 部品供給部からピックアップした電子部品を実装するヘッドユニットに基板を供するために、複数の基板停止位置に前記基板を停止することのできる基板搬送装置について、当該基板停止位置を決定する基板停止制御シミュレータであって、
    1以上の整数を初期値としてインクリメントすることにより、基板停止回数を順次演算する回数演算手段と、
    前記ヘッドユニットが前記電子部品を実装可能な実装範囲に基づいて、前記回数演算手段が演算した基板停止回数ごとに前記基板の停止位置を決定する停止位置決定手段と、
    前記回数演算手段が演算した基板停止回数ごとに、当該基板停止回数に係る前記基板の停止位置のそれぞれにおいて、前記電子部品を前記基板に実装させた場合に要する総タクト時間を演算するタクト時間演算手段と、
    前記回数演算手段がインクリメントする直前の基板停止回数に係る総タクト時間と、インクリメント後の基板停止回数に係る総タクト時間とを比較し、インクリメント直前の基板停止回数に基づく総タクト時間の方が短いときに、当該インクリメント直前の基板停止回数を最適な基板停止回数として決定する一方、インクリメント直前の基板停止回数に基づく総タクト時間が、インクリメント後の基板停止回数に基づく総タクト時間以上のときには、前記回数演算手段によってインクリメント後の基板停止回数をさらにインクリメントさせて、前記基板停止回数の決定のための処理を繰り返す回数決定手段と
    を備えていることを特徴とする基板停止制御シミュレータ。
  2. 請求項1記載の基板停止制御シミュレータにおいて、
    前記停止位置決定手段は、前記回数演算手段が演算した基板停止回数に基づいて、基板上のエリアを分割し、分割されたエリアごとに、当該エリアに分布する電子部品の実装位置の重心を演算し、この重心が前記実装範囲に対応する部品供給位置に対向するように、当該基板停止位置を分割されたエリアごとに決定するものである
    ことを特徴とする基板停止制御シミュレータ。
  3. 請求項1または2に記載の基板停止制御シミュレータにおいて、
    部品供給位置に対向する方向に沿う移動が支配的な動作で前記ヘッドユニットが電子部品を実装可能な好適実装範囲に係るデータを取得する範囲取得手段と、
    前記回数演算手段が演算した基板停止回数に基づいて、基板上のエリアを分割し、分割されたエリアが前記好適実装範囲内に収まるか否かを判定する判定手段と、
    分割されたエリアが前記好適実装範囲内に収まると前記判定手段が判定した場合には、前記停止位置決定手段による基板停止位置の演算を許容する一方、分割されたエリアが前記好適実装範囲外にはみ出すと前記判定手段が判定した場合には、前記回数演算手段が演算した基板停止回数を強制的にインクリメントしてシミュレーションを再実行させる強制手段と
    をさらに備えている
    ことを特徴とする基板停止制御シミュレータ。
  4. 電子部品を基板に実装するヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットに前記電子部品を供給する部品供給部と、
    前記ヘッドユニットが前記電子部品を実装する基板を供給する基板搬送装置と、
    前記基板搬送装置による前記基板の停止動作を制御する制御装置と、
    請求項1からの何れか1項に記載の基板停止制御シミュレータと
    を備え、前記制御装置は、この基板停止制御シミュレータの停止位置決定手段が決定した基板停止位置に基づいて、前記基板搬送装置を制御するものである
    ことを特徴とする表面実装機。
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