JP6025538B2 - 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法 - Google Patents

分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6025538B2
JP6025538B2 JP2012269884A JP2012269884A JP6025538B2 JP 6025538 B2 JP6025538 B2 JP 6025538B2 JP 2012269884 A JP2012269884 A JP 2012269884A JP 2012269884 A JP2012269884 A JP 2012269884A JP 6025538 B2 JP6025538 B2 JP 6025538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain amino
branched chain
amino acid
odor
isoleucine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012269884A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014113097A (ja
Inventor
貴之 越智
貴之 越智
小林 誠
誠 小林
孝宜 瀧原
孝宜 瀧原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ito En Ltd
Original Assignee
Ito En Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ito En Ltd filed Critical Ito En Ltd
Priority to JP2012269884A priority Critical patent/JP6025538B2/ja
Publication of JP2014113097A publication Critical patent/JP2014113097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025538B2 publication Critical patent/JP6025538B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Description

本発明は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)などのアミノ酸を抗疲労素材として配合した場合に、経時により発生する劣化臭を効果的に抑制するための劣化臭抑制剤、劣化臭抑制方法及び分岐鎖アミノ酸の劣化が抑制された飲食品に関するものである。
抗疲労・癒し関連市場は近年伸長を続ける期待の市場であり、飲料市場においても、効果の高い抗疲労機能を有するスポーツドリンクなどが望まれている。抗疲労成分としては種々の素材が用いられている。代表的な成分としては、カフェイン、アルギニン、タウリン及び分岐鎖アミノ酸(BCAA)が挙げられる(例えば特許文献1参照)。分岐鎖アミノ酸は筋肉の有効な抗疲労成分であるが、本成分単独で抗疲労効果を得るには、少なくとも2000mg摂取する必要があることが知られている(非特許文献1)。少なくとも2000mg以上の分岐鎖アミノ酸を一度に摂取可能な飲料として摂取する場合、分岐鎖アミノ酸含有量が比較的高濃度となり、嗜好性において問題が生じる場合がある。さらに、容器詰飲料とした場合には、分岐鎖アミノ酸、その中でもとりわけイソロイシンが経時により劣化して異味・異臭を生じ、問題となっていた。また、イミダゾールジペプチドも抗疲労剤として知られており、それ単独で優れた抗疲労効果を得る場合、400mg以上摂取する必要があることが知られているが(例えば非特許文献2及び非特許文献3参照)、後味が悪いという欠点があった(例えば特許文献2参照)。
再表02/034257号公報 特開2002−173442号公報 濱田広一郎他 「分岐鎖アミノ酸飲料の単回摂取に対する血中分岐鎖アミノ酸応答」 日本臨床栄養学会雑誌 2005 田中雅彰他 「CBEX−DR配合飲料の健常者における抗疲労効果」医薬と治療、vol.36 No.3 2008 清水恵一郎他 「イミダゾールジペプチド配合飲料の日常的な作業のなかで疲労を自覚している健常者に対する継続摂取による有用性」医薬と治療、vol.37 No.3 2009
それ故に、分岐鎖アミノ酸を抗疲労素材としてスポーツドリンクなどの飲料に使用した場合であっても、経時劣化により異味や苦味、劣化臭が生じることがない飲料が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。より詳しくは、本発明者らは、分岐鎖アミノ酸に対してイミダゾールジペプチドを一定量添加した場合に、分岐鎖アミノ酸、とりわけイソロイシンが経時により発生させる異味・異臭、劣化臭を低減させることを見出した。
(1)イミダゾールジペプチドを有効成分とする分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤組成物。
(2)分岐鎖アミノ酸に対するイミダゾールジペプチドの配合量が、重量比で0.005〜0.55倍量であることを特徴とする(1)に記載の分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤組成物。
(3)分岐鎖アミノ酸に対するイミダゾールジペプチドの配合量が、重量比で0.01〜0.40倍量であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤組成物。
(4)前記分岐鎖アミノ酸がイソロイシンである(1)〜(3)のいずれかに記載の分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤組成物。
(5)(1)〜(4)に記載の劣化臭抑制剤を、イミダゾールジペプチドが8〜155mg/Kgとなるように含有する分岐鎖アミノ酸含有飲食品。
(6)前記飲食品が飲料である(5)に記載の分岐鎖アミノ酸含有飲食品。
(7)分岐鎖アミノ酸を含有する飲食品に、イミダゾールジペプチドを有効成分として含有させることを特徴とする分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制方法。
(8)イミダゾールジペプチドを、分岐鎖アミノ酸に対して重量比で0.005〜0.55倍量含有させることを特徴とする(7)に記載の分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制方法。
(9)イミダゾールジペプチドを、分岐鎖アミノ酸に対して重量比で0.01〜0.40倍量含有させることを特徴とする(7)又は(8)に記載の分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制方法。
(10)前記分岐鎖アミノ酸がイソロイシンである(7)〜(9)のいずれかに記載の分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制方法。
本発明によれば、分岐鎖アミノ酸、とりわけイソロイシンが経時により発生させる異味・異臭をイミダゾールジペプチドによって抑制することが可能となり、容器詰飲料として長期間保管した場合であっても長期間嗜好性が良好な飲料を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施の態様について説明する。
本明細書において使用する用語の意味は以下のとおりである。
本発明において「疲労」とは、過度の肉体的・精神的な活動により生じた独特の病的不快感と休養を求める欲求を伴う精神・身体機能の減弱状態をいい、「抗疲労」とは、疲労負荷時の不快感(疲労感)を緩和させ、パフォーマンスの低下を抑制することをいう。
「劣化臭」とは、経時などの要因により品質が劣化して発生してくる生臭さや金属臭のような臭いをいう。したがって、「劣化臭抑制」という場合には、生臭さや金属臭のような劣化臭、特にイソロイシン等の分岐鎖アミノ酸の劣化に起因する生臭さや金属臭のような劣化臭が、摂取時に摂取者が気にならない程度まで抑えられた状態をいう。用語「異味・異臭」も「劣化臭」と同意である。
「分岐鎖アミノ酸(BCAA;Branched Chain Amino Acid)」とは、人体内で合成することができない9種類の必須アミノ酸のうち、バリン、ロイシン及びイソロイシンの総称であり、筋肉のエネルギー源となる重要な栄養素である。バリン、ロイシン及びイソロイシンのうち、ロイシン及びイソロイシン、とりわけイソロイシンが最も経時による異味・異臭を発生させる傾向にあるため、本発明においては、分岐鎖アミノ酸のうち、イソロイシンに着目して経時による劣化臭抑制効果を実証するものとする。分岐鎖アミノ酸は肉、魚、乳製品及び卵などに多く含有されているが、食品からはタンパク質として摂取されるため、分岐鎖アミノ酸に分解されて吸収されるまでには数時間を要する。したがって、分岐鎖アミノ酸で効率的な疲労回復効果を得るには、飲料やサプリメントの形態で分岐鎖アミノ酸を摂取するのが効果的である。分岐鎖アミノ酸の製造方法は特に限定されず、発酵法、合成法、精製法などで製造することができ、市販のものを利用することができる。本発明において使用される分岐鎖アミノ酸は、それらの一般的な分岐鎖アミノ酸を使用することが可能だが、発酵法によって製造された純品が、風味面や濃度の成分管理の面から好ましく、さらに好ましくは、イソロイシンである。分岐鎖アミノ酸を有効成分として抗疲労効果を得るには、少なくとも80〜5000mg、好ましくは100〜3000mg、さらに好ましくは150〜2500mg、最も好ましくは200〜2000mg摂取するとよい。
「イミダゾールジペプチド」は、脊椎動物の筋肉や脳に多く存在するペプチド成分であり、アンセリンやカルノシン、バレニンの総称である。これらイミダゾールジペプチドは、アンセリン、カルノシン、バレニンの混合物であってもよく、また、塩酸、乳酸、酢酸、硫酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、グルコン酸、酒石酸等の塩であってもよい。渡り鳥や回遊魚の筋肉中にも多く存在し、長時間にわたって渡り鳥や回遊魚が活動し続けることが可能なのは、このジペプチドに起因するとも言われている抗疲労成分である。イミダゾールジペプチドの製造方法は特に限定されず、魚介類や鶏肉を含む家畜肉などの動物性材料を熱水抽出、溶剤抽出、超臨界抽出などの方法により得られる抽出物やその精製物、加工物として製造することが可能であり、市販のものを利用することも可能である。イミダゾールジペプチド精製物である必要はなく、魚介エキスやチキンエキスなどの、イミダゾールジペプチド含有量を高めた状態のエキスを使用しても良い。本発明において使用されるイミダゾールジペプチドは、それらの一般的なイミダゾールジペプチドまたは高濃度エキスを使用することが可能だが、好ましくは鶏胸肉等を抽出し、必要に応じて酵素処理などを行い、脱塩、脱色、濃縮、乾燥工程等を経て、精製して得られるイミダゾールジペプチドを15%以上、好ましくは40%以上含有するチキンエキスである。市販のチキンエキス中には、アンセリン29.7g/100g、カルノシン10.4g/100g、あわせて40.1g/100gのイミダゾールジペプチドが含まれる。
「分岐鎖アミノ酸に対するイミダゾールジペプチドの配合量」([イミダゾールジペプチド/分岐鎖アミノ酸]比率)については、以下のとおりである。
本発明の特徴は、イミダゾールジペプチドを分岐鎖アミノ酸に対して特定の割合で併用・配合することにより、経時により発生してくる分岐鎖アミノ酸、とりわけイソロイシンの劣化臭を、イミダゾールジペプチドが抑制することが可能となる。分岐鎖アミノ酸の劣化臭発生抑制方法として、劣化臭抑制効果を得るための効果的な配合量は、イミダゾールジペプチド量を、重量基準で分岐鎖アミノ酸の0.005〜0.55倍量、好ましくは0.01〜0.40倍量、さらに好ましくは0.08〜0.35倍量含有させるものである。したがって、この重量比率における分岐鎖アミノ酸含有物、好ましくはロイシン及びイソロイシン含有物、さらに好ましくはイソロイシン含有物へイミダゾールジペプチドを添加することは、「分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制方法」であるとも言うことができる。
本発明において「劣化臭抑制剤」とは、分岐鎖アミノ酸の劣化臭を抑制する作用を有する「組成物」を意味し、混ぜ物を意味するものであって、その形態は固体状であっても液体状であってもよい。形態的には、飲料や食品に添加するための配合用原体としての固体組成物(粉末、錠剤等)が好ましく、これら固体組成物を飲料用原液に加えてなる飲料等の液体組成物、あるいはこれら固体組成物をガムや飴等の食品に加えてなるガムや飴等の固形組成物として存在し得る。用途面から見た場合、該組成物は、医薬組成物;医薬部外品組成物;薬理効果を備えたいわゆる健康食品、健康補助食品、栄養機能食品、特定保健用食品、機能性食品等の食品組成物;飲料や食品に添加するための配合用組成物(食品添加物);該配合用組成物を添加して飲料とした飲料組成物;等に区分することができる。なお、前記食品組成物は前記配合用組成物を添加してなるヨーグルト、発酵乳等の所謂食品であってもよい。
医薬組成物、医薬部外品組成物、薬理効果を備えたいわゆる健康食品、健康補助食品等の食品組成物とする場合は、結合剤等の配合剤を適宜加えることによって、定法に従って、タブレット、カプセル、顆粒等の形態とすることにより、より一層摂取し易くすることができる。配合用組成物として使用する場合は、粉末状の原体のままでもよいし、これを定法に従ってタブレット、カプセル、顆粒等の形態に加工して用いてもよい。
より詳しくは、本発明の劣化臭抑制剤は、固形の場合には、常法に従って薬学的に許容される担体とともに種々の剤型の組成物とすることができる。例えば、経口用固形製剤を調製する場合には、上記組成物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものを用いればよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、硅酸等を;結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を;崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を;滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を;矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
本発明の劣化臭抑制剤は、液状の場合は、本発明の組成物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味剤としては上記に挙げられたもので良く、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
また、本発明の劣化臭抑制剤は、健康食品、健康補助食品等の食品組成物あるいは飲料組成物に配合して用いることも可能である。ここで好ましい食品組成物、飲料組成物としては、発酵乳、茶飲料、果汁加工飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、クッキー、キャンディー、タブレット等が例示することができ、特に種々の生理効果を有し、健康に寄与する飲料として、スポーツドリンクやエナジードリンクとするならば、呈味がよく、抗疲労効果も期待されるため好ましい。
本発明の実施態様が、スポーツドリンク、エナジードリンクなどの飲料(液状)である場合には、摂取者は分岐鎖アミノ酸の劣化臭やイミダゾールジペプチド自体の味覚をより敏感に感じる傾向にあるため、それぞれの配合量及び配合比率はより制限されることになる。
分岐鎖アミノ酸に対するイミダゾールジペプチドの配合量([イミダゾールジペプチド/分岐鎖アミノ酸]比率)は、重量基準で分岐鎖アミノ酸の0.005〜0.55、好ましくは0.01〜0.40倍量、さらに好ましくは0.08〜0.35倍量含有すると、分岐鎖アミノ酸、とりわけイソロイシンが経時により発生させる異味・異臭をイミダゾールジペプチドが抑制し、容器詰飲料として長期間保管した場合であっても長期間嗜好性が良好な飲料を提供することが可能となる。また、スポーツ飲料とした場合には、水分補給と同時に運動時の筋肉疲労を軽減することが可能となる。
さらに、イミダゾールジペプチドは、8〜155mg/Kgとなるように含有することが好ましい。それ未満では分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制効果が不十分となり、それを上回る場合はイミダゾールジペプチドに起因する後味の悪さが出てきてしまうためである。劣化臭抑制効果を奏しつつ後味の悪さを感じさせないイミダゾールジペプチド含有量は、分岐鎖アミノ酸の含有量にもよるが、好ましくは20〜140mg/Kg、更に好ましくは30〜120mg/Kgである。また、抗疲労効果を発揮しつつイミダゾールジペプチドに劣化臭を抑制されるのに適当な分岐鎖アミノ酸含有量は、150〜3000mg/Kg、好ましくは200〜2500mg/Kg、更に好ましくは600〜1200mg/Kgである。
これら劣化臭抑制剤の製造方法は常法に従えばよく、上記の分岐鎖アミノ酸及びイミダゾールジペプチドを含む組成物を添加することにより、あるいはこれら成分を個別に添加することによって調製すればよい。また、製造時に発酵を伴う飲食品等であれば、微生物あるいは微生物の産生する酵素の作用を用いて、分岐鎖アミノ酸及びイミダゾールジペプチド等を生成させてもよい。
また、劣化臭抑制剤及びこれを含有する飲料等の飲食品の製造に際しては、その他の食品素材、すなわち各種糖質や乳化剤、増粘剤、甘味料、酸味料、香料、アミノ酸、果汁等を適宜添加することができる。具体的には、蔗糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール類、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、スクラロース等の高甘味度甘味料、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、ペクチン、ローカストビーンガム等の増粘(安定)剤、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の酸味料、レモン果汁、オレンジ果汁、ベリー系果汁等の果汁類等が挙げられる。この他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等のビタミン類やカルシウム、鉄、マンガン、亜鉛等のミネラル類等を添加することが可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制試験
[試験方法]
イオン交換水に果糖ブドウ糖液糖7重量%、クエン酸0.12重量%、クエン酸ナトリウム0.05重量%を添加し、さらに表1に記載の通り分岐鎖アミノ酸としてのイソロイシン及びイミダゾールジペプチド源としてのチキンエキス配合量を添加した後、イオン交換水を加えて1000gに調整して各サンプルを作成した。チキンエキス(日本ハム社製「イミダ40」)は、鶏肉を熱水抽出し、酵素処理、脱塩、イオン交換、濃縮、乾燥工程を経て製造されたイミダゾール高含有エキスである(イミダゾールペプチド含有率40.1%)。
[パネラーによる官能評価手法]
飲料の開発を担当する訓練された10人のパネラーにより、サンプル100mLを試飲することで香味・呈味を評価した。サンプルは5℃または45℃(加速試験)で2週間保管したものをそれぞれ評価し、45℃(加速試験)で2週間保管したものが、5℃で2週間保管したものと比較してどれだけ変化したかを評価した。評価は以下に示す基準で、劣化臭及び苦味後味の2項目に関し、劣化臭は5段階、苦味後味は○、△及び×の3段階にて評価した。評価の平均値を各表に示す。
=劣化臭の評価=
5:劣化臭(生臭さ・金属臭)を殆ど、または全く感じない
4:わずかに劣化臭が感じられるが許容範囲である
3:許容範囲を超える劣化臭を感じる
2:やや強い劣化臭を感じる
1:強い劣化臭を感じる
=苦味後味の評価=
○:後味に不快な苦味を感じないか、またはわずかに感じるが、許容範囲内である
△:後味に不快な苦味を感じるが、許容範囲内である
×:許容範囲を超える程度に、後味に不快な苦味を感じる
=総合評価=
◎:劣化臭評価が5であり、かつ後味評価が○のもの
○:劣化臭評価が4であり、かつ後味評価が○のもの
△:劣化臭評価が3以下のもの、または後味評価が△のもの
×:劣化臭評価が3以下のもの、または後味評価が×のもの
Figure 0006025538
[試験結果]
試験例1及び2は分岐鎖アミノ酸を170mg/Kg添加した飲料である。試験例1はイミダゾールジペプチドが添加されていないため、許容範囲を超える劣化臭が発生しているが、試験例2はイミダゾールジペプチドが、分岐鎖アミノ酸の約0.08倍量添加されたことにより、試験例1よりも劣化臭が抑制されている。
試験例3〜7は分岐鎖アミノ酸を250mg/Kg添加した飲料である。試験例3はイミダゾールジペプチドが添加されていないため、許容範囲を超える劣化臭が発生しているが、試験例4〜7にはイミダゾールジペプチドが添加されたことにより、試験例3よりも劣化臭が抑制されている。劣化臭の抑制度合いは、イミダゾールジペプチドを分岐鎖アミノ酸の約0.16〜0.33倍量添加した試験例6及び7でとりわけ顕著であった。
試験例8〜11は分岐鎖アミノ酸を630mg/Kg添加した飲料である。試験例8はイミダゾールジペプチドが添加されていないため、やや強い劣化臭が発生しているが、試験例9〜11にはイミダゾールジペプチドが添加されたことにより、試験例8よりも劣化臭が抑制されている。しかしながら、試験例11は後味に苦味を生じだし、好適な飲料とは言えなかった。これは、イミダゾールジペプチドを比較的高濃度(200mg/Kg以上)に添加していることが起因している可能性がある。
試験例12〜15は分岐鎖アミノ酸を1000mg/Kg添加した飲料である。試験例12はイミダゾールジペプチドが添加されていないため、強い劣化臭が発生していた。一方、試験例13〜15にはイミダゾールジペプチドが、重量基準で分岐鎖アミノ酸の約0.04倍以上量添加されているため、試験例12よりも劣化臭が抑制されている。しかしながら、試験例15は後味に苦味を生じだし、好適な飲料とは言えなかった。これは、イミダゾールジペプチドを比較的高濃度(160mg/Kg以上)に添加していることが起因している可能性がある。
以上の通り、本願明細書に記載の範囲にある分岐鎖アミノ酸量、イミダゾールジペプチド/分岐鎖アミノ酸比率及びイミダゾールジペプチド量の試験例2、4〜7、9、10、13及び14は分岐鎖アミノ酸の一種であるイソロイシンの経時劣化を起因とする劣化臭において抑制効果を示し、かつイミダゾールジペプチドに起因する苦い後味も生じていない好適な飲料であった。
本発明は、分岐鎖アミノ酸などのアミノ酸を抗疲労素材として配合した場合に、経時により発生する劣化臭を効果的に抑制する分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤、分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制方法、分岐鎖アミノ酸の劣化臭が抑制された飲料に関するものであり、イミダゾールペプチドの添加により分岐鎖アミノ酸の経時による劣化臭を低減することができ、かつ効率的な抗疲労効果も有する、好適な製品を製造できる。

Claims (1)

  1. 鶏肉を熱水抽出し、酵素処理、脱塩、イオン交換、濃縮、乾燥工程を経て製造されたイミダゾール高含有エキスを有効成分とするイソロイシンに起因する劣化臭の抑制方法であって、前記エキス中におけるイミダゾールジペプチドの含有率が40.0〜41.2%であり、イソロイシン含有量170〜1000mg/kgに対するイミダゾールジペプチドの含有量が14〜160mg/kgであると共に、前記イソロイシンに対する前記イミダゾールジペプチドの重量比が0.04〜0.32であり、前記イソロイシン含有量170〜1000mg/kgに対する前記エキスの含有量が25〜500mg/kgであると共に、イソロイシンに対する前記エキスの重量比が0.10〜0.80となるように前記エキスを添加することを特徴とするイソロイシンに起因する劣化臭の抑制方法
JP2012269884A 2012-12-11 2012-12-11 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法 Active JP6025538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012269884A JP6025538B2 (ja) 2012-12-11 2012-12-11 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012269884A JP6025538B2 (ja) 2012-12-11 2012-12-11 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016172539A Division JP2017012191A (ja) 2016-09-05 2016-09-05 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014113097A JP2014113097A (ja) 2014-06-26
JP6025538B2 true JP6025538B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=51169815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012269884A Active JP6025538B2 (ja) 2012-12-11 2012-12-11 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025538B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3569070A4 (en) * 2017-01-12 2020-10-07 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. CAPSULES WITH PYRROLOCHINOLINCHINONE OR SALT THEREOF AND BRANCHED CHAIN AMINO ACID

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023156812A (ja) * 2022-04-13 2023-10-25 サントリーホールディングス株式会社 組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08289760A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 Ajinomoto Co Inc こく味付与剤
JP2005143465A (ja) * 2003-11-20 2005-06-09 Kiyomitsu Kawasaki 海藻類フレーバーの製造方法
JP2005143466A (ja) * 2003-11-20 2005-06-09 Kiyomitsu Kawasaki 魚介類フレーバーの製造方法
JP2005160402A (ja) * 2003-12-03 2005-06-23 Kiyomitsu Kawasaki 甲殻類フレーバーの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3569070A4 (en) * 2017-01-12 2020-10-07 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. CAPSULES WITH PYRROLOCHINOLINCHINONE OR SALT THEREOF AND BRANCHED CHAIN AMINO ACID

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014113097A (ja) 2014-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5813919B2 (ja) シトルリンおよびアルギニンを含有する即効性血中アルギニン濃度上昇型経口剤
JP5053535B2 (ja) 寝つきまたは寝起き改善用経口剤
JP5224680B2 (ja) 抗疲労剤
JP2014237715A (ja) アルコール性疲労改善剤
JPH04278061A (ja) 栄養食品
JP2011132174A (ja) 持久力向上剤
JP6025538B2 (ja) 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法
WO2015137387A1 (ja) 筋肉増強剤
JP2013233112A (ja) 飲食品
JP2021065226A (ja) 認知機能速度改善用の組成物
JP2008088101A (ja) 抗疲労剤
JP2002241305A (ja) 高血圧症予防・治療剤
JP2005213185A (ja) エネルギー補給および抗疲労飲食品
JP2007008866A (ja) 血圧降下剤組成物
JP5885784B2 (ja) 経口組成物
JP2007031403A (ja) 乳酸産生抑制剤
JP2017012191A (ja) 分岐鎖アミノ酸の劣化臭抑制剤及び劣化臭抑制方法
JP7057150B2 (ja) 内服液
JP2014114244A (ja) 抗疲労剤組成物
JP2005097162A (ja) グルタミンペプチドを含有する抗疲労用組成物
KR102237526B1 (ko) 오르니틴 생성능이 우수한 락토바실러스 브레비스 wikim47를 이용한 마늘 발효 조성물
JP7167286B2 (ja) 圧縮成型製剤
JP4831540B2 (ja) 経口催眠剤及び催眠性飲食物
JP6052566B2 (ja) 疲労臭抑制剤
JP2016149946A (ja) 飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140422

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20141211

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20150202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150320

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150618

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150810

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20151009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6025538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250