JP6025378B2 - 電子顕微鏡および試料の観察方法 - Google Patents

電子顕微鏡および試料の観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6025378B2
JP6025378B2 JP2012096464A JP2012096464A JP6025378B2 JP 6025378 B2 JP6025378 B2 JP 6025378B2 JP 2012096464 A JP2012096464 A JP 2012096464A JP 2012096464 A JP2012096464 A JP 2012096464A JP 6025378 B2 JP6025378 B2 JP 6025378B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
sample
shielding plate
electrons
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012096464A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013225395A (ja
Inventor
香菜子 大志万
香菜子 大志万
幹夫 島田
幹夫 島田
小山 信也
信也 小山
伊福 俊博
俊博 伊福
久保田 純
純 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2012096464A priority Critical patent/JP6025378B2/ja
Publication of JP2013225395A publication Critical patent/JP2013225395A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025378B2 publication Critical patent/JP6025378B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は電子顕微鏡および試料の観察方法に関する。特に電子遮蔽板を設けることで1100℃以上の温度環境下であっても鮮明な試料像を得ることができる電子顕微鏡および試料の観察方法に関する。
電子顕微鏡は電子線を用いて試料の表面形態を高倍率で観察する装置である。近年では、様々な環境下で試料を観察する需要が高まっている。特許文献1では、試料加熱組立体を有する試料ステージを設けることで、試料を加熱しながら観察できる環境制御走査型電子顕微鏡を開示している。高温試料の鮮明な像を取得するには、試料およびその周辺部から発生する熱電子の影響を排除する必要がある。
そこで、特許文献1では、標本カップにバイアス電圧を印加することで熱電子を抑止し、必要な電子のみを試料と検出器との間にある電子加速装置で検出器方向に加速することにより、S/N比(信号/雑音比、Signal to Noise ratio)の悪化を防ぐ構成を開示している。ここで、必要な電子とは、一次電子線照射によって試料から発生した二次電子と反射電子、およびこれらの電子が試料室内の気体によって増幅された電子(以下、増幅電子と略称する)を指す。しかしながら、必要な電子まで抑止するとS/N比がかえって低下するので前記バイアス電圧の値には限度があった。そのため、試料およびその周辺部の温度が例えば1100℃以上になると、試料およびその周辺部から発生する熱電子の影響を十分に排除できず、試料の鮮明な像が得られないという問題があった。
特許第4361603号公報
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、試料およびその周辺部の温度が1100℃以上であっても熱電子の影響を排除し、鮮明な試料像を得ることができる電子顕微鏡および試料の観察方法を提供するものである。
上記の課題を解決する本発明の第一の電子顕微鏡は、少なくとも試料を載置するための試料ステージと、前記試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を検出するための電子検出器と、前記試料ステージと前記電子検出器の間に設けられた、前記電子検出器方向に前記検出電子を加速するための電子加速装置とを有する電子顕微鏡において、前記電子加速装置とは別に、前記試料ステージと前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板を有し、且つ前記電子遮蔽板が前記検出電子を通過させる貫通孔を有し、前記電子加速装置の開口部と、前記電子遮蔽板の貫通孔との間の距離が0.5mm以上であることを特徴とする。
上記の課題を解決する本発明の第二の電子顕微鏡は、なくとも試料を載置するための試料ステージと、前記試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を検出するための電子検出器と、前記試料ステージと前記電子検出器の間に設けられた、前記電子検出器方向に前記検出電子を加速するための電子加速装置とを有する電子顕微鏡において、前記電子加速装置とは別に、前記試料ステージと前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板を有し、且つ前記電子遮蔽板が厚肉部と、前記検出電子を通過させる薄肉部を有し、前記薄肉部の最も薄い部分の板厚が30nm以上200nm以下であり、前記電子加速装置の開口部と、前記電子遮蔽板の薄肉部との間の距離が0.5mm以上であることを特徴とする。
上記の課題を解決する本発明の試料の観察方法は、少なくとも1100℃以上の温度環境にある試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を電子加速装置により加速する工程、加速された前記検出電子を電子検出器により検出することにより試料を観察する工程を有し、前記電子加速装置とは別に、前記試料と前記電子加速装置の間に0.5mm以上の距離をあけて融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、試料およびその周辺部の温度が1100℃以上であっても熱電子の影響を排除し、鮮明な試料像を得ることができる電子顕微鏡および試料の観察方法を提供することができる。
本発明の電子顕微鏡の構成の一実施態様を示す断面模式図である。 貫通孔を有する電子遮蔽板を設けた本発明の電子顕微鏡の試料ステージ近傍の構成の一実施態様を示す断面模式図である。 本発明の電子顕微鏡における電子線および電子の経路を概略的に示した電子遮蔽板近傍の断面模式図である。 本発明の電子顕微鏡において、試料室内を低真空とした場合の電子線および電子の経路を概略的に示した電子遮蔽板近傍の断面模式図である。 本発明の電子顕微鏡に用いる電子遮蔽板のうち、貫通孔を有する電子遮蔽板の一実施態様を示す斜視模式図である。 厚肉部と薄肉部を有する電子遮蔽板を設けた本発明の電子顕微鏡の試料ステージ近傍の構成の一実施態様を示す断面模式図である。 本発明の電子顕微鏡に用いる電子遮蔽板のうち、厚肉部と薄肉部を有する電子遮蔽板の一実施態様を示す斜視模式図である。 実施例1の観察方法により1380℃における焼結途中のセラミックスを撮影した電子顕微鏡写真である。 比較例1の観察方法により1380℃における焼結途中のセラミックスを撮影した電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明の代表的な実施形態として、走査型の電子顕微鏡を例に説明するが、本発明の要旨を越えない限り、以下に示す形態に限定されない。
本発明に係る電子顕微鏡は、少なくとも試料を載置するための試料ステージと、前記試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を検出するための電子検出器と、前記試料ステージと前記電子検出器の間に設けられた、前記電子検出器方向に前記検出電子を加速するための電子加速装置とを有する電子顕微鏡において、前記試料ステージと前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板を有し、且つ前記電子遮蔽板が前記検出電子を通過させる貫通孔を有することを特徴とする。
図1は、本発明の電子顕微鏡の一実施態様を示す断面模式図である。図中、1は鏡体、2は電子銃、3は加速電極、4はコンデンサレンズ、5は偏向レンズ、6は対物レンズ、7は一次電子線、8は試料室、9は電子検出器、10は電子加速装置、11は電子遮蔽板、11aは貫通孔、12は試料、13は試料ステージ、13aは加熱冷却ユニット、13bは試料カップ、13cは断熱ジャケット、14は試料ステージ移動機構、15は真空排気系、16は制御系、17は表示装置を示す。
本発明の電子顕微鏡は少なくとも試料ステージ13、電子検出器9、電子加速装置10、電子遮蔽板11を有する。その他、実用上の要求に応じて、鏡体1、電子銃2、加速電極3、コンデンサレンズ4、偏向レンズ5、対物レンズ6、試料室8、真空排気系15を本発明の電子顕微鏡に設けても良い。また、装置を運転するための試料ステージ移動機構14、制御系16、表示装置17を設けることで観察の利便性を高める事ができる。
電子顕微鏡を稼働させる際は、鏡体1の内部および試料室8の内部は、通常真空排気系15によって連続排気される。電子銃2から放出された電子は加速電極3によって所望の電圧に加速され、一次電子線7を形成する。一次電子線7はコンデンサレンズ4によって細く絞られ、偏向レンズ5によって走査偏向されたのち、対物レンズ6により試料12の表面に集束するように調整され、試料ステージ13に設置された試料12に照射される。
図2は、図1の電子顕微鏡の試料ステージ13近傍を拡大して示す断面模式図である。図中、10aは開口部、10bはセラミック断熱シールド、10cは金属ネット、12aは観察部を示す。電子検出器9は、通常試料ステージ13上部の光軸上に配置される。一次電子線の通過を妨げないよう電子検出器9は環状であることが好ましい。
本発明の電子顕微鏡において、電子加速装置10は、開口部10aが光軸上に位置するよう試料ステージ13と電子検出器9の間に設けられ、検出する電子を電子検出器9のある方向へ加速する。試料ステージ13、電子加速装置10、電子検出器9を、この順で配置することで試料12から放出された電子を効果的に電子検出器9に導いて検出強度を高くすることができる。
図2に示した電子加速装置10は、一次電子線および検出電子を通過させるための開口部10aを有し、電子検出器9を放射熱から保護するためのセラミック断熱シールド10bと金属ネット10cで構成される。ここで、検出電子とは、試料ステージ側から発生した二次電子、反射電子およびそれらの増幅電子を指している。金属ネット10cにはバイアス電圧を印加することができ、検出する電子を電子検出器9のある方向へ加速する。セラミック断熱シールド10bは低熱伝導性素材で形成され、好ましくは酸化アルミニウムにより形成される。金属ネット10cは例えばステンレスなどの金属素材により形成することができる。
図2に示した電子遮蔽板11は貫通孔11aを有する。前記電子遮蔽板11は、貫通孔11aが光軸上に位置するよう試料ステージ13と電子加速装置10の間に設置される。
試料ステージの構成は特に限定されないが、図2で示した試料ステージ13は、試料カップ13b、加熱冷却ユニット13a、断熱ジャケット13cで構成され、試料ステージ移動機構に付随する。本発明の電子顕微鏡を用いて観察を行う際には、試料12を試料カップ13bの上面に形成された凹部に配置する。試料カップ13bは高い熱伝導性の材料で形成され、好ましくは酸化マグネシウムからなる。試料カップ13bの底部および上面凹部に白金をコートし、試料カップの内部に白金線を通すなどして、試料カップの底部と上面凹部の導通をとることが好ましい。試料カップ13bは、側壁が加熱冷却ユニット13aで覆われた断熱ジャケット13cの凹部に、加熱冷却ユニット13aに近接して収容される。断熱ジャケット13cは低熱伝導性の材料で形成され、好ましくは酸化アルミニウムからなる。加熱冷却ユニット13aは加熱コイルに形状維持のためのセラミックコーティングを施した加熱機構(不図示)と冷却水を循環させる冷却機構(不図示)を含むものを用いることができる。加熱冷却ユニット13aは、試料ステージ13に接続された加熱電源(不図示)によって発熱する。試料ステージ13に配置された試料12は、加熱冷却ユニット13aの放射熱および加熱冷却ユニット13aによって加熱された試料カップ13bからの伝熱や放射熱によって加熱される。加熱冷却ユニット13aを備えた試料ステージ13を用いると、試料12を高温で保持したり、試料12の温度を上げたり下げたりしながら観察をすることができる。
図3は本発明の電子顕微鏡における電子線および電子の経路を概略的に示した電子遮蔽板近傍の断面模式図である。図中、18は二次電子、19は反射電子、20は熱電子を示す。図3に示すように、一次電子線7の照射によって試料12の観察部12aから発生した二次電子18および反射電子19の大部分は、電子遮蔽板11の貫通孔11aを通過する。貫通孔11aを通過した検出電子は、電子加速装置10によって電子検出器9のある方向へ加速されながら電子加速装置10の開口部10aを通って電子検出器9で検出される。
一方で、高温の試料ステージ13および試料12の観察部12a以外から発生する多量の熱電子20は、その大部分が電子遮蔽板11によって遮蔽される。この熱電子20は、試料の観察上において不要な電子である。これによりS/N比が改善され、試料表面の鮮明な像を取得できる。熱電子を高確率で遮蔽するには、電子遮蔽板11は試料12に近い位置に設置されることが好ましい。また、試料12を高温に保つためには、電子遮蔽板11は断熱ジャケット13cの凹部に蓋をするように設置されることがより好ましい。
鏡体1の内部は常に高真空が要求される。そのため、加熱時に高い蒸気圧を伴う試料を観察する場合、鏡体1と試料室8の間に圧力制限アパーチャー(不図示)を設け、鏡体1と試料室8にそれぞれ別の真空排気系を接続して差動排気を行うことが望ましい。これにより、鏡体1の内部を高真空に保ち、試料室8の内部を低真空に保つことができる。
図4は本発明の電子顕微鏡において、試料室内を低真空とした場合の電子線および電子の経路を概略的に示した電子遮蔽板近傍の断面模式図である。図中、21は二次電子の増幅電子、22は反射電子の増幅電子、23は熱電子の増幅電子を示す。図4は、前記図3の高真空の場合の電子に加えて、二次電子の増幅電子21、反射電子の増幅電子22、熱電子の増幅電子23が発生している様子を示す。すなわち、一次電子線7の照射によって試料12の観察部12aから発生した二次電子18および反射電子19は、試料室内の気体分子(不図示)と衝突を繰り返し、増幅されて増幅電子(21、22)を生じる。検出電子は、二次電子18、反射電子19、二次電子の増幅電子21、反射電子の増幅電子22を含む。検出電子(18、19、21、22)の大部分は、電子遮蔽板11の貫通孔11aを通過してさらに増幅されながら電子加速装置10によって加速されて電子検出器9で検出される。低真空環境では、高温の試料ステージ13および試料12から発生した熱電子20も気体分子によって増幅され熱電子の増幅電子23が発生するが、その大部分は電子遮蔽板11によって遮蔽される。これによりS/N比が改善され、加熱時に高い蒸気圧を伴う試料であっても鮮明な表面像を取得できる。
図5は、本発明の電子顕微鏡に用いる電子遮蔽板のうち、貫通孔を有する電子遮蔽板の一実施態様を示す斜視模式図である。図5に示した電子遮蔽板11は、融点が1100℃以上で比熱が0.1cal/g・K以下の薄板に貫通孔11aを設けたものである。電子遮蔽板11は、熱電子の遮蔽以外に、試料からの放熱を食い止める過程で自らが高温となり、その輻射熱で試料を高温に保つ働きをする。電子遮蔽板11の融点が1100℃以上であることで、1100℃以上の温度環境下での観察においてもその形状および熱物性の変化を最小限にとどめる事ができ、熱電子の遮蔽という本発明の効果を安定的に得る事ができる。電子遮蔽板11のより好ましい融点は1500℃以上であり、例えばセラミックスの焼結を最終工程まで観察する事が可能となる。
また、電子遮蔽板11の比熱が0.1cal/g・K以下であることで、試料を所望の温度に変化させる際の温度追随性を高める事ができる。逆に比熱の大きい電子遮蔽板を用いて観察を行うと、例えば1100℃から1500℃の設定温度に試料を加熱する事が不可能となったり、試料の温度を変化させる時に大幅な遅延が発生したりする。電子遮蔽板11のより好ましい比熱は0.07cal/g・K以下であり、温度制御性を格段に高める事ができる。
本発明の電子遮蔽板11の材質は限定されないが、高融点かつ温度追随性が高い材質で構成される必要があり、金属、金属酸化物、金属窒化物などからなることが好ましい。本発明の電子遮蔽板が、少なくとも白金およびモリブデンのいずれか一方を含んでいることが好ましい。例えば、本発明の電子遮蔽板11は白金(融点1770℃、比熱0.0317cal/g・K)、モリブデン(融点2620℃、比熱0.0599cal/g・K)、タングステン(融点3400℃、比熱0.0317cal/g・K)および、これらの合金を主成分とすることができる。本発明の電子遮蔽板11は全体として融点が1100℃以上かつ比熱が0.1cal/g・K以下であれば良いので、副成分として低融点、高比熱の材質を少量含んでいても良い。本発明の電子遮蔽板11は熱伝導率を低くすると試料の温度追随性を向上させる事ができるので、その観点において白金(熱伝導率0.719W/cm・℃)およびモリブデン(熱伝導率1.38W/cm・℃)のいずれか一方を含んでいることが好ましい。なお、各物質の融点、比熱および熱伝導率の値は、物理学辞典(培風館)および岩波理化学辞典第5版(岩波書店)を参照した。各物質の比熱および熱伝導率の値は25℃における値である。電子遮蔽板の比熱が未知である場合、一般的な比熱測定方法で電子遮蔽板の比熱を求めることができる。電子遮蔽板の比熱は、例えば示差走査熱量測定法を用いて求めることができる。
電子遮蔽板11の貫通孔11aを電子検出器方向から投影した面積は、0.03mm以上20mm以下が好ましく、0.03mm以上5mm以下がより好ましい。貫通孔の投影面積が0.03mm未満であると、貫通孔を通過する検出電子が極端に少なくなって、像を得るのに十分な検出電子を電子検出器に導けなくなるおそれがある。一方、貫通孔の投影面積が20mmを超えると、熱電子の遮蔽効果が十分でなくなるおそれがある。
貫通孔11aの形状は、例えば円、楕円、多角形等の形状が用いられるが、特に円形状が好ましい。電子検出器方向から投影したときの貫通孔11aの形状が円に近いほど貫通孔11aの周辺長が短くなる。すなわち、検出電子が貫通孔11aを通過する際に貫通孔11aの内壁に接触して失われる機会が減少する。そのため、電子検出器方向から投影したときの貫通孔11aの周辺長Lと投影円相当直径Rの関係は、πR≦L≦3.6Rを満たすことが好ましく、πR≦L≦3.5Rを満たすことがより好ましく、LがπRに近いほどより好ましい。ここで「投影円相当直径」とは、貫通孔11aの投影面積と同面積を有する真円の直径を表す。Lが3.6Rを超えると検出電子が貫通孔11aを通過する際に貫通孔11aの内壁に接触して失われる機会が多くなり、信号量が減る恐れがある。Rの値は、例えば0.19mm以上5.1mm以下、好ましくは0.19mm以上2.6mm以下が望ましい。
電子遮蔽板11の実効部の最も厚い部分の板厚は、0.01mm以上2mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。ここで「実効部」とは、本発明の電子遮蔽板11のうちで熱電子を遮蔽する目的で用いられる部分を示す。電子顕微鏡に据え付けるための取り付け部のような本発明の効果と関係の無い部分を含まないように調節や設計がなされる。実効部の最も厚い部分の板厚が0.01mm未満であると、1100℃以上の温度環境下での観察中に電子遮蔽板11の形態を維持することが困難となるおそれがある。一方、実効部の最も厚い部分の板厚が2mmを超えると、貫通孔11aの内壁面積が大きくなりすぎて検出電子が貫通孔11aを通過する際に貫通孔11aの内壁に接触して失われる機会が多くなる。
本発明の電子遮蔽板11は電気的に接地されていることが好ましい。電子遮蔽板11が電気的に接地されていることで、電子遮蔽板11が取りこんだ電子を開放する事ができ、一次電子線への影響を抑制する事ができる。
電子加速装置10の開口部10aは電子遮蔽板11の貫通孔11aよりも大きいことが好ましく、開口部10aの投影円相当直径は5mm以上が好ましい。また、電子加速装置10の開口部10aは円形であることが好ましい。電子加速装置10の開口部10aが電子遮蔽板11の貫通孔11aより大きい、または円形であることで、検出電子を高確率で電子検出器に誘導する事ができる。
試料室内が低真空の場合、電子加速装置10と電子遮蔽板11の距離が大きいと、検出電子が気体分子と衝突する機会が増えて信号量が増える。一方で、対物レンズの作動距離はなるべく小さくする必要がある。電子加速装置10の開口部10aの部分と電子遮蔽板11の貫通孔11aの部分の距離は0.5mm以上が好ましい。電子加速装置10と電子遮蔽板11の距離を0.5mm以上とすることで検出電子の気体増幅の機会が増えるのでS/N比の向上が見込める。電子加速装置10と電子遮蔽板11の距離の上限は特に無いが、対物レンズの作動距離を大きくしすぎない電子顕微鏡の設計によると5.0mm程度が現実的な上限と考えられる。
電子加速装置10に印加するバイアス電圧の大きさは、観察する試料や試料室内の環境、および電子検出器9に印加されたバイアスの大きさに依存するが、例えば500V以下が好ましい。
試料カップ13bにバイアス電圧を印加することで、試料12の観察部およびその近辺から発生する熱電子の影響をさらに低減できる。試料カップ13bに印加するバイアス電圧の大きさは、観察する試料、試料室内の環境、電子検出器9および電子加速装置10に印加されたバイアスの大きさに依存するが、好ましくは50V以下であり、より好ましくは10V以下である。
次に、本発明に係る他の第二の電子顕微鏡は、少なくとも試料を載置するための試料ステージと、前記試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を検出するための電子検出器と、前記試料ステージと前記電子検出器の間に設けられた、前記電子検出器方向に前記検出電子を加速するための電子加速装置とを有する電子顕微鏡において、前記試料ステージと前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板を有し、且つ前記電子遮蔽板が厚肉部と、前記検出電子を通過させる薄肉部を有し、前記薄肉部の最も薄い部分の板厚が30nm以上200nm以下であることを特徴とする。
図6は、厚肉部と薄肉部を有する電子遮蔽板を設けた本発明の電子顕微鏡の試料ステージ近傍の構成の一実施態様を示す断面模式図である。図中、24は電子遮蔽板、24aは厚肉部、24bは薄肉部を示す。図6に示すように、貫通孔を有する電子遮蔽板の代わりに厚肉部24aと薄肉部24bを有する電子遮蔽板24を設けても本発明の効果を得られる。電子遮蔽板24は、薄肉部24bが光軸上に位置するよう試料ステージ13と電子加速装置10の間に設置される。本発明の電子遮蔽板24の薄肉部24bの最も薄い部分の板厚は30nm以上200nm以下である。高温の試料ステージ13および試料12から発生する熱電子の大部分は電子遮蔽板24の厚肉部24aで遮蔽される。薄肉部24bの最も薄い部分の板厚を30nm以上とすることで、試料12の観察部およびその近辺から発生する熱電子のうち、エネルギーの低い熱電子は薄肉部24bで遮蔽される。一方、薄肉部24bの最も薄い部分の板厚を200nm以下とすることでエネルギーの高い検出電子は薄肉部24bを通過して電子検出器9に誘導される。
図7に厚肉部と薄肉部を有する電子遮蔽板の斜視模式図を示す。電子遮蔽板24の断面で見た時に、薄肉部24bは厚肉部24aの片面に寄せて設けられていても良いし、厚肉部24aの両面の中間に設けられていても良い。
薄肉部24bを電子検出器方向から投影した面積は、0.03mm以上20mm以下が好ましく、0.03mm以上5mm以下がより好ましい。薄肉部24bの形状は、例えば円、楕円、多角形等の形状が用いられるが、特に円形状が好ましい。電子検出器方向から投影したときの薄肉部24bの形状が円に近いほど薄肉部24bの周辺長が短くなる。また、電子検出器方向から投影したときの薄肉部24bの周辺長Lと投影円相当直径Rの関係は、πR≦L≦3.6Rを満たすことが好ましく、πR≦L≦3.5Rを満たすことがより好ましく、LがπRに近いほどより好ましい。Rの値は、例えば1.9mm以上5.1mm以下、好ましくは1.9mm以上2.6mm以下が望ましい。
電子遮蔽板24の融点は1100℃以上であり、かつ比熱は0.1cal/g・以下である。電子遮蔽板24は、熱電子の遮蔽以外に、試料からの放熱を食い止める過程で自らが高温となり、その輻射熱で試料を高温に保つ働きをする。電子遮蔽板24の融点が1100℃以上であることで、1100℃以上の温度環境下での観察においてもその形状および熱物性の変化を最小限にとどめることができ、熱電子の遮蔽という本発明の効果を安定的に得ることができる。
電子遮蔽板24のより好ましい融点は1500℃以上であり、例えばセラミックスの焼結を最終工程まで観察することが可能となる。また、電子遮蔽板24の比熱が0.1cal/g・K以下であることで、試料を所望の温度に変化させる際の温度追随性を高めることができる。逆に比熱の大きい電子遮蔽板を用いて観察を行うと、例えば1100℃から1500℃の設定温度に試料を加熱することが不可能となったり、試料の温度を変化させる時に大幅な遅延が発生したりする。電子遮蔽板24のより好ましい比熱は0.07cal/g・K以下であり、温度制御性を格段に高めることができる。
本発明の電子遮蔽板24の材質は限定されないが、高融点かつ温度追随性が高い材質で構成される必要があり、金属、金属酸化物、金属窒化物などからなることが好ましい。例えば、本発明の電子遮蔽板24は白金(融点1770℃、比熱0.0317cal/g・K)、モリブデン(融点2620℃、比熱0.0599cal/g・K)、タングステン(融点3400℃、比熱0.0317cal/g・K)および、これらの合金を主成分とすることができる。本発明の電子遮蔽板24は熱伝導率を低くすると試料の温度追随性を向上させることができるので、電子遮蔽板24の厚肉部24aは、白金(熱伝導率0.719W/cm・℃)およびモリブデン(熱伝導率1.38W/cm・℃)のいずれか一方を含んでいることが好ましい。なお、各物質の融点、比熱および熱伝導率の値は、物理学辞典(培風館)および岩波理化学辞典第5版(岩波書店)を参照した。各物質の比熱および熱伝導率の値は25℃における値である。電子遮蔽板の比熱が未知である場合、一般的な比熱測定方法で電子遮蔽板の比熱を求めることができる。電子遮蔽板の比熱は、例えば示差走査熱量測定法を用いて求めることができる。
本発明の電子遮蔽板24は全体として融点が1100℃以上かつ比熱が0.1cal/g・K以下であれば良いので、体積部の少ない薄肉部24bには低融点、高比熱の材質を含んでいても良い。例えば、電子遮蔽板24の薄肉部24bは、一次電子線および検出電子が透過できるよう軽元素で構成されることが好ましく、高い融点と形状を維持できるような強度を有することが求められる。そのため、電子遮蔽板24の薄肉部24bを構成するのに好適な材質は、窒化ケイ素である。
電子加速装置10の開口部10aの部分と電子遮蔽板24の薄肉部24bの部分の距離は0.5mm以上が好ましい。電子加速装置10と電子遮蔽板24の距離を0.5mm以上とすることで検出電子の気体増幅の機会が増えるため、S/N比の向上が見込める。
本発明の試料の観察方法は、少なくとも1100℃以上の温度環境にある試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を電子加速装置により加速する工程、加速された前記検出電子を電子検出器により検出することにより試料を観察する工程を有し、前記試料と前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板が設けられていることを特徴とする。
電子遮蔽板を設けることにより、1100℃以上の温度環境下にある試料やその周辺部から発生する熱電子の大部分を遮蔽できるため、S/N比が改善され、試料を鮮明に観察できる。また、融点が1100℃以上であり比熱が0.1cal/g・K以下の材質よりなる電子遮蔽板を設けることで、試料を高温に保つことができる。本発明の試料の観察方法は、試料を加熱するための機構を備えた市販の電子顕微鏡に、電子遮蔽板を設けることでも実施できる。
本発明の電子顕微鏡および試料の観察方法に用いる電子遮蔽板の製造方法は特に限定されず、一般的な工業加工法により製造できる。本発明の目的においては、電子遮蔽板の表面は鏡面であることが好ましい。貫通孔の内壁は、可能な限り平滑に加工されている事が好ましい。薄肉部の形成方法は限定されないが、例えば化学蒸着法(CVD)法や物理蒸着法(PVD)などの成膜法とフォトリソグラフィの原理などを組み合わせて用いるなどして形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の電子顕微鏡をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す構成の本発明の電子顕微鏡を用いて未焼結セラミックスの焼結過程を観察した。試料12の未焼結セラミックスは、スプレードライプロセスで作られた粉体顆粒(セラミックス粉末とバインダの混合物)の加圧成型物を電気炉で仮焼して有機バインダ成分を脱脂したものを使用した。電子遮蔽板11は、厚さ0.5mmの白金板に直径2mmの円形の貫通孔を設けて事前に作製した。貫通孔11aの電子検出器9方向から投影した面積は、3.2mmであった。観察の前に、試料ステージ13の凹部に蓋をするような位置に電子遮蔽板を設置した。電子加速装置10の開口部10aは直径5mmとした。電子加速装置10の開口部10aと電子遮蔽板11の貫通孔11aの距離が2.0mmとなるように電子加速装置10の位置を調節した。
差動排気によって試料室8の内部を低真空(80Pa)に保ちながら、試料12を加熱した。鮮明な像が得られるように、適宜、電子検出器9、電子加速装置10および試料カップ13bに印加するバイアスの大きさを調整した。試料ステージ13の温度(具体的には試料カップ13bの凹部の温度)は、融点が既知の温度較正用試料を用いて電流量と温度の関係を調べることで、前もって較正した。一次電子線7の加速電圧を15kV、作動距離を18mmとして試料12の表面を観察した。
図8は、室温から10℃/minの昇温レートで加熱した際の、試料ステージ13の温度が1380℃のときの観察倍率10000倍の試料の電子顕微鏡写真である。本発明の電子顕微鏡を用いた観察方法により、1100℃以上の温度環境下でありながらセラミックスの結晶粒を明瞭に確認できる鮮明な像が得られた。電子遮蔽板11を電気的に接地させると、更に鮮明な試料の像を得ることができた。
同様にして、板厚が0.01mmから2mmである白金箔、白金板、モリブデン箔、モリブデン板に投影面積が0.03mmから20mmである貫通孔を開けた電子遮蔽板を用いても、1300℃から1500℃の温度環境において鮮明な試料の像を得ることができた。
(実施例2)
厚さ0.5mmの白金板に直径2mmの円形の穴をあけ、穴の部分に厚さ50nmの窒化ケイ素による薄肉部を形成した電子遮蔽板を用いて実施例1と同じ条件と構成で未焼結セラミックスの加熱観察を行った。薄肉部の形成方法を具体的に説明する。ナフトキノンジアジド(DNQ)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させたものを白金板の穴に滴下し、穴の中腹まで満たした。次に、乾燥機でPGMEAを除去し、固まったDNQ上にCVD法を用いて厚さが50nmの窒化ケイ素膜を形成した。紫外線照射によってDNQをインデンカルボン酸に変質させた後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)でDNQを溶解除去し、窒化ケイ素による薄肉部を形成した。なお、PGMEAにDNQを溶解させた溶液はポジ型フォトレジストとして、TMAHは現像液として半導体製造などで一般的に用いられている。前記電子遮蔽板を用いて未焼結セラミックスの加熱観察を行った結果、1100℃以上の温度環境下でありながらセラミックスの結晶粒を明瞭に確認できる鮮明な像が得られた。電子遮蔽板を電気的に接地させると、更に鮮明な試料の像を得ることができた。
同様にして、板厚が0.01mmから2mmである白金箔、白金板、モリブデン箔、モリブデン板に厚さが30nmから200nmである窒化ケイ素薄肉部を設けた電子遮蔽板を用いても、1300℃から1500℃の温度環境において鮮明な試料の像を得ることができた。
(比較例1)
図1に示す電子顕微鏡の構成において、電子遮蔽板を除いた以外は実施例1とすべて同じ構成と条件で、実施例1と同じ未焼結セラミックスの焼結過程を観察した。図9は、室温から10℃/minの昇温レートで加熱した際の、試料ステージ温度が1380℃のときの観察倍率3000倍の試料の電子顕微鏡写真である。像質が悪くセラミックスの結晶粒を明確に判別することができないが、これは主として試料ステージから放出される熱電子の影響であると考えられる。試料ステージの温度が1380℃の時点で観察を中断して取り出したセラミックス試料の焼結進行度合いを、一般的な走査電子顕微鏡により調べた。その結果、試料表面の観察部の温度は実際には約900℃にしか達していないことが分かった。すなわち、本発明の電子遮蔽板を使用しないと、試料を所望の温度に加熱および保温することも困難となることが分かった。
(比較例2)
図1に示す電子顕微鏡の構成において、電子遮蔽板を比熱の大きい酸化アルミニウム(比熱0.20cal/g・K)で作製した以外は実施例1とすべて同じ構成と条件で、実施例1と同じ未焼結セラミックスの焼結過程を観察した。電子遮蔽板は、厚さ0.5mmの酸化アルミニウム板に直径2mmの円形の貫通孔を設けて事前に作製した。なお、使用した酸化アルミニウムの比熱は示差走査熱量測定法によって測定した。観察の結果、比熱の大きい電子遮蔽板を用いたことで、試料の温度を変化させる時に設定温度に対して大幅な遅延が発生したのに加えて、1100℃から1500℃の設定温度に試料を加熱する事ができなかった。
本発明によれば、試料およびその周辺部の温度が1100℃以上であっても熱電子の影響を排除し、鮮明な試料像を取得することができる電子顕微鏡および試料の観察方法を提供することができる。本発明の電子顕微鏡および試料の観察方法によれば、例えばセラミックスの焼結プロセスをその場観察することが可能となる。
7 一次電子線
8 試料室
9 電子検出器
10 電子加速装置
10a 開口部
11 電子遮蔽板
11a 貫通孔
12 試料
13 試料ステージ
15 真空排気系
18 二次電子
19 反射電子
20 熱電子
24 電子遮蔽板
24a 厚肉部
24b 薄肉部

Claims (10)

  1. 少なくとも試料を載置するための試料ステージと、前記試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を検出するための電子検出器と、前記試料ステージと前記電子検出器の間に設けられた、前記電子検出器方向に前記検出電子を加速するための電子加速装置とを有する電子顕微鏡において、前記電子加速装置とは別に、前記試料ステージと前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板を有し、且つ前記電子遮蔽板が前記検出電子を通過させる貫通孔を有し、前記電子加速装置の開口部と、前記電子遮蔽板の貫通孔との間の距離が0.5mm以上であることを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 前記貫通孔の電子検出器方向から投影した面積が0.03mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡。
  3. 前記貫通孔の周辺長Lと投影円相当直径Rの関係が、πR≦L≦3.6Rを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の電子顕微鏡。
  4. 前記電子遮蔽板の実効部の最も厚い部分の板厚が0.01mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  5. 前記電子遮蔽板が電気的に接地されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  6. 前記電子遮蔽板が、少なくとも白金およびモリブデンのいずれか一方を含んでいることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  7. 少なくとも試料を載置するための試料ステージと、前記試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を検出するための電子検出器と、前記試料ステージと前記電子検出器の間に設けられた、前記電子検出器方向に前記検出電子を加速するための電子加速装置とを有する電子顕微鏡において、前記電子加速装置とは別に、前記試料ステージと前記電子加速装置の間に融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板を有し、且つ前記電子遮蔽板が厚肉部と、前記検出電子を通過させる薄肉部を有し、前記薄肉部の最も薄い部分の板厚が30nm以上200nm以下であり、前記電子加速装置の開口部と、前記電子遮蔽板の薄肉部との間の距離が0.5mm以上であることを特徴とする電子顕微鏡。
  8. 前記電子遮蔽板の薄肉部が窒化ケイ素よりなることを特徴とする請求項7に記載の電子顕微鏡。
  9. 前記電子遮蔽板の厚肉部が、少なくとも白金およびモリブデンのいずれか一方を含んでいる事を特徴とする請求項7または8に記載の電子顕微鏡。
  10. 少なくとも1100℃以上の温度環境にある試料に電子線を照射することにより発生した検出電子を電子加速装置により加速する工程、加速された前記検出電子を電子検出器により検出することにより試料を観察する工程を有し、前記電子加速装置とは別に、前記試料と前記電子加速装置の間に0.5mm以上の距離をあけて融点が1100℃以上であり、比熱が0.1cal/g・K以下の電子遮蔽板が設けられていることを特徴とする試料の観察方法。
JP2012096464A 2012-04-20 2012-04-20 電子顕微鏡および試料の観察方法 Expired - Fee Related JP6025378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096464A JP6025378B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 電子顕微鏡および試料の観察方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096464A JP6025378B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 電子顕微鏡および試料の観察方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013225395A JP2013225395A (ja) 2013-10-31
JP6025378B2 true JP6025378B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=49595332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012096464A Expired - Fee Related JP6025378B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 電子顕微鏡および試料の観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025378B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10840056B2 (en) * 2017-02-03 2020-11-17 Kla Corporation Multi-column scanning electron microscopy system
JPWO2020053979A1 (ja) * 2018-09-12 2021-09-09 株式会社日立ハイテク ミラー電子式検査装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6025592A (en) * 1995-08-11 2000-02-15 Philips Electronics North America High temperature specimen stage and detector for an environmental scanning electron microscope
JPH11329321A (ja) * 1998-05-14 1999-11-30 Hitachi Ltd タンデム加速静電レンズ
JP4214616B2 (ja) * 1999-05-18 2009-01-28 株式会社ニコン 電子銃、電子線露光転写装置及び半導体デバイスの製造方法
JP4300168B2 (ja) * 2004-09-10 2009-07-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 集束イオンビーム装置、及びそれに用いる絞り
JP2006147430A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Hokkaido Univ 電子顕微鏡
JP5002251B2 (ja) * 2006-12-06 2012-08-15 日本電子株式会社 試料検査方法及び試料検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013225395A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1580787A2 (en) X-ray generating apparatus
JP5584819B2 (ja) 電子顕微鏡用ホルダー、電子顕微鏡及び試料観察方法
KR20140064903A (ko) X선 발생장치 및 x선 촬영장치
JPH1064467A (ja) 電子顕微鏡
JP4361603B2 (ja) 環境走査型電子顕微鏡用高温試料ステージ及び検出器
JP6740448B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP6025378B2 (ja) 電子顕微鏡および試料の観察方法
JP2020047407A (ja) 荷電粒子線装置
JP2002352754A (ja) 透過型x線ターゲット
Priebe et al. Application of a novel compact Cs evaporator prototype for enhancing negative ion yields during FIB-TOF-SIMS analysis in high vacuum
WO2014174997A1 (ja) カンチレバー、製造方法、検査装置及び検査方法
US10269533B2 (en) Anti-contamination trap, and vacuum application device
JP2006032011A (ja) 低真空走査電子顕微鏡
US11508544B2 (en) Thermoelectric field emission electron source and electron beam application device
JP6584787B2 (ja) プラズマイオン源および荷電粒子ビーム装置
US11894209B2 (en) Component or electron capture sleeve for an X-ray tube and X-ray tube having such a device
JP2007080784A (ja) プラズマ発生装置及び走査電子顕微鏡
JP6814301B2 (ja) 電子銃および電子ビーム応用装置
US10386314B2 (en) Apparatus and method for measuring energy of electrons
JP2011149893A (ja) 微小部x線計測装置
JP2008117662A (ja) ショットキー電子銃及びショットキー電子銃を搭載する荷電粒子線装置
JP3684106B2 (ja) 成膜装置
JP6178296B2 (ja) 電子線放射管
JP2005285485A (ja) プラズマ発生装置及び低真空走査電子顕微鏡
JP2004047254A (ja) カーボンナノチューブ冷陰極を用いた電子ビーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6025378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees