JP6025034B2 - 嵌合ガタツキ防止に優れた面ファスナーの組み合わせ - Google Patents

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Description

本発明は雄面同士を組み合わせた面ファスナーの組み合わせにおいて、嵌合時に面ファスナー間でのガタツキがなく、さらに強固に係合することができる面ファスナーの組み合わせに関する。
従来から面ファスナーとして、表面にフック状係合素子を有するフック面ファスナーと表面にループ状係合素子を有するループ面ファスナーを重ね合わせて両係合素子を係合させて両方の面ファスナーを一体化するものが広く用いられている。
最近、表面にフック状係合素子を有するフック面ファスナー同士を係合させて両者を一体化する面ファスナーがホモ嵌合面ファスナーと称されて用いられており、このものは、従来のフック面ファスナーとループ面ファスナーの2種類の面ファスナーの組み合わせよりも、フック面ファスナーのみで係合できること、さらにフック面ファスナーはループ面ファスナーに比べて係合素子が太く剛直であることから高い係合力が得られることから需要が増加している。
その具体例として、例えば、織製のマッシュルームタイプの係合素子を有する面ファスナー同士の組み合わせによるホモタイプの面ファスナーがよく知られており(特許文献1)、このものは、床材や天井材の取り付けや、自動車内層、配線等の固定など様々な用途に用いられている。
しかしながら、このようなマッシュルームタイプのホモ嵌合面ファスナー同士を用いて上記部材を取り付ける際、それぞれの係合素子の寸法、形状、素子密度が互いの嵌合隙間を完全に埋めるような設計になっておらず、嵌合時に面ファスナー間でズレが生じたり、あるいは取り付けた部材に力を加えると位置ずれを生じる、いわゆるガタツキが発生してしまう。
また、ホモ嵌合面ファスナーとして、プラスチック基板の表面に多数の独立した雄型係合素子が列をなして並び、かつそのような係合素子列が平行に複数列存在しており、さらに該係合素子がプラスチック基板から立ち上がるステムと係合素子列方向と交わる方向にのみステムから突出する係合用突起を有している成形面ファスナーも公知であるが、この面ファスナーは係合素子が一方向に列をなして並んでいることから、同一の面ファスナー同士を嵌合させても、縦方向または横方向へスライド、すなわち係合した状態で面ファスナー同士が横ずれ、すなわちガタツキを生じ易いために、上記取り付け用途には不向きである。
これら一般的な面ファスナー同士の嵌合時におけるガタツキ問題を解決するものとして、基材の表面に多数の係合素子が一体に成形された合成樹脂製の成形面ファスナーであって、係合素子が、基材の表面に起立する起立部と、同起立部の上端に連続して形成された水平方向に膨出する係合頭部を有し、前記係合素子頭部が2以上に分割され水平方向に拡縮可能に構成されてなり、前記係合素子頭部と相手方の係合素子頭部とが係合したときに、分割された頭部に相手方の基材表面から突出する突起が侵入して分割頭部を拡張させてガタツキを防止する面ファスナーが知られている(特許文献2)。
また、同じくガタツキを防止する面ファスナーとして、係合素子と嵌着突起が基板表面から突出している成形面ファスナーであって、該係合素子が、基材の表面から起立し側面が傾斜面とされた起立部と、同起立部の上端に形成された水平方向に膨出する係合頭部とを有し、一方、該嵌着突起は、前記係合素子同士の係合時に、相手方の隣り合う係合素子の間に位置し、傾斜面に嵌合当接する傾斜面を持っている面ファスナーが知られている(特許文献3)。
しかしながら、このような成形面ファスナーでは、それぞれの係合素子同士が決まった位置、方向でのみ嵌合するために実際にはその嵌合位置を探しながら嵌め込まなければならず作業性が悪く、微妙な位置合わせができない。加えて、ガタツキを抑えるために太く剛直な係合素子を隙間無く嵌め込むような設計になっていることから嵌合させる際に強い押し圧が必要であり、しかも完全な嵌合が得難いという欠点を有している。
特開平5−199911号公報 特開平9−238714号公報 特開2002−172004号公報
本発明は、上記ホモ嵌合面ファスナーの抱える問題点、すなわち嵌合時の面ファスナー間のガタツキを無くし、かつ高い押し圧を必要とせずに嵌め込み易く、さらに高い係合強力が得られる面ファスナーの組み合わせを提供することを目的としている。
すなわち本発明は、一方が、基板の表面に多数の独立した矢じり型の係合素子が列をなして並び、かつそのような係合素子列が平行に複数列存在しており、さらに該矢じり型係合素子が、該基板から立ち上がるステムと係合素子列方向と交わる方向にのみステムから突出する係合用突起を有している成形面ファスナーAであって、もう一方が、基材表面に配置されたキノコ状係合素子を持つ面ファスナーBである面ファスナーの組み合わせであって、面ファスナーAと面ファスナーBが、以下1)〜5)の条件を満足していることを特徴とする面ファスナーの組み合わせである。
1)面ファスナーAの矢じり型係合素子の傘部広がりL A1 と面ファスナーBのキノコ状素子間距離L B1 の比L B1 /L A1 が0.3〜1.2であること、
2)矢じり型係合素子の頂点から矢じり端までの距離L A2 とキノコ状係合素子の茎部長さL B2 との比L B2 /L A2 が0.5〜1.4であること、
3)矢じり型係合素子列の素子間距離L A3 とキノコ状係合素子の茎径D B1 との比L A3 /D B1 が0.5〜1.0であること、
4)面ファスナーAの係合素子密度が10〜100個/cm 2 の範囲で、面ファスナーBの係合素子密度が15〜150個/cm 2 の範囲で、さらに面ファスナーBの係合素子密度が面ファスナーAの係合素子密度の1.05〜2.5倍であること、
5)面ファスナーBの係合素子の高さが1.0〜3.5mmであること、
さらに本発明は、上記の面ファスナーの組み合わせを用いて固定されたカウンター用天板、建材化粧板部材または外壁材である。
本発明の面ファスナーの組み合わせは、上記したとおり、列をなして並んだ板状の矢じり型係合素子とキノコ状係合素子との嵌合であり、キノコ状係合素子が矢じり型係合素子の傘部広がりに対し、滑りながら弾性変形し嵌合することで、キノコ状係合素子によって矢じり型係合素子が挟持されることでガタツキを抑え、また、キノコ状係合素子が今度は板状の矢じり型係合素子列間に挟持されガタツキを抑える。このように係合素子同士が互いに挟持し合うことによって嵌合時のガタツキを無くすことができ、また、それぞれの係合素子頭部が滑るように嵌合することから、それほど強い押し圧を必要とせず、嵌合後はしっかりと互いの傘で引っ掛り合うため、強い係合強力も得られる。
本発明の面ファスナーの組み合わせの一方を構成する面ファスナーAの一例を示した斜視図である。 本発明の面ファスナーの組み合わせの他の一方を構成する面ファスナーBの一例を示した斜視図である。 本発明の面ファスナーの組み合わせの一例であって、嵌合する状態を示した図であり、図1および図2におけるI−I方向の断面図である。 本発明の面ファスナーの組み合わせの一例であって、嵌合する状態を示した図であり、図1および図2におけるII−II方向の断面図である。
以下、本発明を図面に従って詳細に説明する。
面ファスナーAは、図1に示すように、基材1表面に多数の独立した矢じり型係合素子2が列をなして並び(図1ではII−II方向に列をなして並んでいる)、かつそのような係合素子列が複数列平行して存在している(図1では3列を示す)。該係合素子は列方向から係合素子を見た場合にはキノコ状に見えるが(図3 I−I断面図 面ファスナーA)、それと直交する方向から見た場合には単にステムが延長している板状にしか見えない成形面ファスナーである(図4 II−II断面図 面ファスナーA)。
すなわち本発明を構成する面ファスナーAは、基板の表面に多数の独立した矢じり型の係合素子が列をなして並び、かつそのような係合素子列が平行に複数列存在しており、さらに該矢じり型係合素子が該基板から立ち上がるステムと係合素子列方向と交わる方向にのみステムから突出する係合用突起を有している成形面ファスナーである。
矢じり型係合素子の膨頭部の形状については、キノコ状係合素子が矢じり型係合素子の頂点から矢じり端に移動するような機能を有する形状であれば特に限定されるものではないが、その膨張部の拡がりに対しキノコ状係合素子が左右に拡がりながら嵌合することとなるため、頂点とそこから左右に拡がる略三角形状や楕円状や文字通り矢じり状であることが好ましく、なかでも三角形状や文字通りの矢じり状がより好ましく、図1に示すように、頂点が丸みを帯びた凸状で、さらにその傘部拡がりも丸みを帯びているものがさらに好ましい。このような形状を有していることで、挿入時にそれぞれの係合素子が入り易くなり、また、脱着時の係合素子の切断が軽減される。
基材1及び矢じり型係合素子2はともにプラスチックからなり、それぞれ別々の素材から形成されても良いが、生産性の点から通常は同一樹脂から構成される。
用いられる樹脂に関しては特に限定されず、通常の成形に用いられる樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6やナイロン66等のナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられるが、これ以外にも、ポリエステル系のエラストマー樹脂やポリオレフィン系、ポリスチレン系やポリウレタン系等のエラストマー樹脂でもよく、これらの共重合体であっても良い。または2種類以上ブレンドして用いられても良い。さらにエラストマー樹脂と非エラストマー樹脂の混合物でもよい。
なかでも、繊維形成性および延伸性のある樹脂が好ましく、その具体例として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ナイロン系、ポリエステル系の樹脂が挙げられる。さらには紫外線吸収剤や熱安定剤、耐加水分解剤、撥水剤等の各種安定剤、顔料、染料等の各種着色剤等が添加されていてもよく、さらに表面にこれら安定剤や着色剤等が塗布されていても良い。
本発明を構成する面ファスナーAは以下に述べる方法により製造される。すなわち、まず、図3に示すような基板上に矢じり型係合素子を有するような形状のスリットを有するノズルから、熱可塑性樹脂をテープ状に溶融押出し、冷却して、基板表面に、基板に対して直立し、かつ長さ方向に連続している係合素子断面を有する複数の列条を有するテープ状物を成型する。
次に、得られたテープ状物の表面に存在する係合素子用列条に、該列条長さ方向を横切る方向に小間隔で該列条の先端から付け根付近まで切れ目を入れる。この際の切れ目の角度がテープ状物の長さ方向と直角である場合には、係合素子のステムの基板と平行な断面での断面形状が正方形または長方形となり、直角よりずれている場合には平行四辺形となる。直角から外れるにしたがって、より鋭角な平行四辺形となる。切れ目の間隔としては、0.2〜0.6mm、特に0.3〜0.5mmの範囲が好適である。
次いで、切れ目を入れたテープ状物を長さ方向に延伸する。延伸倍率としては、延伸後のテープ状物の長さが元のテープ状物の長さの1.3〜3.5倍となる程度が採用される。この延伸により、列条に入れられた切れ目が広がり、列条が独立した多数の雄型係合素子の列となる。より好ましくは1.6〜2.5倍の延伸である。以上の方法により、表面に多数の独立した係合素子を有する係止部材が得られる。面ファスナーAの矢じり型係合素子の高さとしては1.0〜3.0mmが好ましく、そして矢じり型係合素子の高さの30〜75%が矢じり部となっているのが好ましい。
本発明の面ファスナーの組み合わせを構成するもう一方の面ファスナーである面ファスナーBは、図2に示すように、基板3から突出するステムの先端に周囲360度に広がる傘部を有するキノコ状係合素子4を多数有しており、隣の係合素子とほぼ一定の距離を保っていれば係合素子は基板面上に六角形や八角形等、環状に配置されていても良い。
キノコ状係合素子を有する面ファスナーの製法については、特に限定するものではなく、射出成形等で代表される樹脂成形法による製法やキノコ状係合素子用キャビティを表面に多数有する加熱ロール上に溶融樹脂を流し、冷却後ロール面から樹脂シートを剥がす方法、さらには織編物上に突出するモノフィラメント糸の先端部を加熱溶融してキノコ状膨頭部とする方法等を用いることができる。より好ましくは生産性、コスト面から後者の製法である。
面ファスナーBに用いられる素材としては樹脂成形加工法によるものであれば、前述の面ファスナーAと同様な樹脂を用いることができる。
また、後者の製法の場合には、好適には、接結二重織物を用い、その接結糸であるモノフィラメント糸を中間で切断し、切断した糸の先端部を溶融させて膨頭部として織物上にキノコ型係合素子を有する面ファスナーとする方法を用いることができる。その際の係合素子および織編布の素材として特に限定されるものではないが、係合素子には、製造上の観点から、溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、なかでも、キノコ状の膨頭部を形成するのに好適なポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレンが好ましい。
本発明に用いられるキノコ型係合素子の高さとしては1.0〜3.5mmが好ましい。そしてキノコ型係合素子の高さの15〜75%がキノコ状の膨頭部となっているのが好ましい。
本発明の面ファスナーの組み合わせにおいて、面ファスナーBの係合素子密度が面ファスナーAの係合素子密度よりも高いことが係合後のガタツキを防ぐ上でさらに高い係合力を得る上で極めて重要であり、面ファスナーBの係合素子密度が面ファスナーAの係合素子密度よりも低い場合には、ガタツキを防ぐことが難しく、さらに高い係合力も得られない。特に、面ファスナーBの係合素子密度が面ファスナーAの係合素子密度の1.05〜2.5倍であるのが好ましく、より好ましくは1.1〜2.0倍の範囲である。
本発明において、面ファスナーAの係合素子密度としては、10〜100個/cmの範囲が好ましく、より好ましくは20〜50個/cmの範囲であり、一方、面ファスナーBの係合素子密度としては、15〜150個/cmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜80個/cmの範囲である。
また本発明において、面ファスナーAと面ファスナーBが、特定の形状関係を保っているのが好ましい。すなわち、図3に示す、面ファスナーAの矢じり型係合素子の傘部広がりLA1と面ファスナーBのキノコ状素子間距離LB1の比LB1/LA1が0.3〜1.2であるのが好ましい。LB1/LA1が0.3未満の場合には、キノコ状係合素子間が狭いために矢じり型係合素子が入り難く、嵌合しにくくなってしまい、一方上記比が1.2を超える場合には、今度はキノコ状素子間がやじり型契合素子の幅よりも広くなってしまうため、キノコ状素子が弾性変形できず、矢じり型係合素子を挟持することが難しくなり、ガタツキが発生しやすくなる。より好ましくは0.5〜1.0の範囲である。
また、図3に示す、矢じり型係合素子の頂点から矢じり端までの距離LA2とキノコ状係合素子の茎部長さLB2との比LB2/LA2が0.5〜1.4であるのが好ましく、LB2/LA2が0.5未満の場合にはキノコ状契合素子の茎部長さが矢じり型係合素子の頂点から矢じり端距離よりも極端に短くなるため、うまく嵌合できなくなり、十分な係合力が得られないことになり、一方1.4を超えるとキノコ状素子の茎部長さが長すぎるために互いの係合素子が引っ掛りに隙間が生じてしまい、ガタツキが発生し易くなる。より好ましくは0.7〜1.1の範囲である。
さらに、図4に示す、矢じり型係合素子列の素子間距離LA3とキノコ状係合素子の茎径DB1との比LA3/DB1が0.5〜1.0であるのが好ましく、LA3/DB1が0.5未満の場合にはキノコ状係合素子が太すぎるために矢じり型係合素子の弾性変形するための間隔が狭くなってしまい、嵌合し難くなってしまう。逆に1.0を超える場合にはキノコ状係合素子が矢じり型係合素子間隔よりも細いために、挟持することができず、ガタツキが発生し易くなる。
本発明の面ファスナーの組み合わせは、嵌合時に面ファスナー間でのガタツキがなく、さらに強固に係合する種々の用途に好ましく用いられ、例えば、玄関タイル取付、戸の取付、天井材の固定、階段の踏板の固定、建材化粧板部材、内壁材、外壁材の取付、瓦の取付および人工芝の取付のような住宅・建築関係、また、じゅうたんの固定、ソファー部材、床材の取付、机の止め、家具転倒防止、絵画等取付、カーテンの止め、棚の取付のようなリビングインテリア関係、あるいは、間仕切連結、間仕切固定、フロアーカーペットの固定、OA機器転倒防止のようなオフィスインテリア関係、その他自動車内装部材、例えばシート表皮の取付、ドアトリムの固定、天井材、インスルメントパネル、カウンター用天板の取付、等の固定等に好適に応用できる。取り付け、固定等に際しては、周知の粘接着加工、高周波ウェルダー、超音波ウェルダー、熱接着、縫製等を利用して固定すべき対象物に接合して使用することにより目的を達成することができる。そして、嵌合後にガタツキが生じたら困るような対象物の固定により好ましく用いられる。例えば、トイレカウンター用天板や建材化粧板部材、建物の外壁材等が挙げられる。
トイレカウンター用天板とは、公共用トイレ等でみられる荷物置き用のカウンターであるが、これまではキノコ状係合素子同士のホモ嵌合面ファスナーを利用していたが、実際には荷物を置くたびにガタツキの問題が指摘され、改善が求められていた。本発明によりこの問題が解消される。
また、建材化粧板部材とは、建物の内壁や間仕切り壁に化粧板を取り付けたものであるが、取り付けた後において、ガタツキにより化粧板が動く場合には、雑に化粧板が取り付けられている印象を与えたりする。また建物の外壁材とは、タイル模様や木目模様を有する板の裏面に貼り付けた面ファスナーを建物の外壁に取り付けるものであり、この場合も上記の建材化粧板部材の場合と同様である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ガタツキ判定については、SUS板(タテ5cm×ヨコ12.5cm)に両面テープを用いて各面ファスナー(タテ2.5cm×ヨコ2.5cm)を貼り付け固定し、各組み合わせにて嵌合させたときに貼り付け固定されたSUS板が上下、前後、左右にがたつくかどうかを判定したものである。
嵌合力については、面ファスナーを縦2cm、横2cmのサイズにカットして同一形状の面ファスナーをプラスチック板へ貼り付け、各面ファスナーの組み合わせにてデジタルフォースゲージ(IMADA社製DPSII)にて嵌合させ、そのときの単位面積あたりの押し圧力を測定、N=5の平均値で示す。
ラッチ強力については、上記嵌合力評価後、面直方向に引き取り速度300mm/minの速度で剥離した時の強力を測定、N=5の平均値で示す。
実施例1
図1の矢じり型係合素子を持つ面ファスナーAと図2のキノコ状係合素子を持つ面ファスナーBとの組み合わせを用いた。すなわち、面ファスナーAとして、係合素子密度=36個/cm、矢じり型係合素子の傘部広がりLA1=2.0mm、矢じり型係合素子の頂点〜矢じり端の距離LA2=1.7mm、矢じり型係合素子列の素子間距離LA3=0.4mm、係合素子高さ2.8mm、係合素子の高さの55%が矢じり部となっているものを用い、面ファスナーBとして、係合素子密度=63個/cm、キノコ状係合素子間距離LB1=1.1mm、キノコ状係合素子の茎部長さLB2=1.3mm、キノコ状係合素子の茎径DB1=0.4mm、係合素子高さ1.8mm、キノコ型係合素子の高さの28%がキノコ状の膨頭部となっているものを用いた。
なお、面ファスナーAを構成する樹脂はポリプロピレンであり、押し出し成形後、係合素子用列条を長さ方向に直交する方向で切れ目を入れ、延伸したものである。一方、面ファスナーBは、ポリプロピレン製の二重織物の接結糸を中間で切断し、切断端を溶融させて膨頭状としたものである。両者を係合させてガタツキの有無および係合力を測定した。結果を表1に示す。
本組み合わせにおいて、嵌合力は数値としてやや強めだが、手感触(嵌め込むために要する力)としては程良い嵌合感を感じるレベルの強さであり、ラッチ強力も強く、全くガタツキなく、しっかりと固定されていた。
この面ファスナーの組み合わせを用いて、トイレカウンター用天板の固定に用いた。すなわち壁面と仕切り板の両面に、長さ65cm、幅2.5cmの面ファスナーAを取り付け、一方、厚さ2.5cm、幅25cm、長さ40cmの天板の両側面に面ファスナーBを取り付け、両面ファスナーを係合させることにより壁面に天板を取り付けた。天板は面ファスナーによりしっかりと固定され、上に15kgの重さのカバンを載せてもガタツクことはなかった。
実施例2
上記実施例1において、面ファスナーBとして、係合素子密度=53個/cm、キノコ状係合素子間距離LB1=0.7mm、キノコ状係合素子の茎部長さLB2=0.9mm、キノコ状係合素子の茎径DB1=0.6mm、係合素子高さ2.5mm、キノコ型係合素子の高さの20%がキノコ状の膨頭部となっている面ファスナーを用いる以外は実施例1と同様にして両面ファスナーを係合させた。結果を表1に示す。
本組み合わせの場合、嵌合力は数値としてやや強めだが、手感触としては程良い嵌合感を感じられるレベルの強さであり、ラッチ強力も強く、全くガタツキなく、しっかりと固定されていた。
実施例3
上記実施例1において、面ファスナーBとして、係合素子密度=42個/cm、キノコ状係合素子間距離LB1=2.1mm、キノコ状係合素子の茎部長さLB2=1.9mm、キノコ状係合素子の茎径DB1=0.4mm、係合素子高さ2.1mm、キノコ型係合素子の高さの24%がキノコ状の膨頭部となっているものを用いる以外は実施例1と同様にして、ガタツキの程度および係合力を測定した。結果を表1に示す。
場合である。
本組み合わせにおける嵌合も全くガタツキはなく、手感触としてほど良い嵌合感を感じられ、ラッチ強力も強く、しっかりと固定されていた。
比較例1
面ファスナーとして、キノコ状係合素子を持つホモ嵌合面ファスナーを用い、このキノコ状係合素子を持つホモ嵌合面ファスナー同士を重ね合わせて、係合力およびガタツキの有無を測定した。すなわち、係合素子密度=53個/cm、キノコ状係合素子間距離LB1=0.7mm、キノコ状係合素子の茎部長さLB2=0.9mm、キノコ状係合素子の茎径DB1=0.4mm、係合素子高さ2.5mm、キノコ型係合素子の高さの20%がキノコ状の膨頭部となっているキノコ状係合素子を持つホモ嵌合面ファスナー同士を組み合わせた。結果を表2に示す。
この組み合わせにおける嵌合では、係合素子同士が互いに挟持し合う効果は発生せず、ガタツキが発生し、特に面直方向のガタツキが大きかった。また、嵌合力、ラッチ強力ともに弱かった。
比較例2
面ファスナーとして、キノコ状係合素子を持つホモ嵌合面ファスナーを用い、このキノコ状係合素子を持つホモ勘合面ファスナー同士を重ね合わせて、係合力およびガタツキの有無を測定した。すなわち、キノコ状係合素子を持つホモ嵌合面ファスナーとして、係合素子密度=63個/cm、キノコ状係合素子間距離LB1=1.1mm、キノコ状係合素子の茎部長さLB2=1.3mm、キノコ状係合素子の茎径DB1=0.4mm、係合素子高さ1.8mm、キノコ型係合素子の高さの28%がキノコ状の膨頭部となっているもの同士を用いた場合である。比較例1の面ファスナーよりも素子密度が高い面ファスナーの場合である。結果を表2に示す。
この組み合わせでは、嵌合力、ラッチ強力ともに大きかったが、係合素子同士が互いに挟持し合う効果は発生せず、ガタツキが発生した。
比較例3
面ファスナーとして、矢じり型係合素子を持つホモ嵌合面ファスナーを用い、この矢じり型係合素子を持つホモ嵌合面ファスナー同士を重ね合わせて、係合力およびガタツキの有無を測定した。すなわち、矢じり型係合素子を持つホモ嵌合面ファスナーとして、係合素子密度=36個/cm、矢じり型係合素子の傘部広がりLA1=2.0mm、矢じり型係合素子の頂点〜矢じり端距離LA2=1.7mm、矢じり型係合素子列の素子間距離LA3=0.4mm、係合素子高さ2.8mm、係合素子の高さの55%が矢じり部となっているものを用いた。結果を表2に示す。
この組み合わせの場合には、係合素子列が並行ならば嵌合することができるが、スライドが発生し固定することができず、また係合素子列が交差していると嵌合することができなかった。
比較例4
本比較例は、矢じり型係合素子を持つ面ファスナーAの係合素子密度がキノコ型係合素子を持つ面ファスナーBの係合素子密度より高い場合である。すなわち、面ファスナーAとして、係合素子密度=36個/cm、矢じり型係合素子の傘部広がりLA1=2.0mm、矢じり型係合素子の頂点〜矢じり端距離LA2=1.7mm、矢じり型係合素子列の素子間距離LA3=0.4mm、、係合素子高さ2.8mm、係合素子の高さの55%が矢じり部となっている面ファスナーを用い、一方、面ファスナーBとして、係合素子密度=29個/cm、キノコ状係合素子間距離LB1=2.5mm、キノコ状係合素子の茎部長さLB2=1.9mm、キノコ状係合素子の茎径DB1=0.4mm、係合素子高さ1.8mm、キノコ型係合素子の高さの28%がキノコ状の膨頭部となっているものを用いた。
この組み合わせの場合には、キノコ状係合素子の係合素子密度がやじり型係合素子の係合素子密度より小のため、ガタツキ発生し、また、ラッチ強力もそれほど強くなかった。
Figure 0006025034
Figure 0006025034
1・・・・面ファスナーAの基材部
2・・・・面ファスナーAの矢じり型係合素子
3・・・・面ファスナーBの基材部
4・・・・面ファスナーBのキノコ状係合素子
A1・・・やじり型係合素子の傘部広がり
A2・・・やじり型係合素子の頂点から矢じり端までの距離
A3・・・やじり型係合素子列の素子間距離
B1・・・キノコ状係合素子の素子間距離
B2・・・キノコ状係合素子の茎部長さ
B1・・・キノコ状係合素子の茎径

Claims (2)

  1. 一方が、基板の表面に多数の独立した矢じり型の係合素子が列をなして並び、かつそのような係合素子列が平行に複数列存在しており、さらに該矢じり型係合素子が、該基板から立ち上がるステムと係合素子列方向と交わる方向にのみステムから突出する係合用突起を有している成形面ファスナーAであって、もう一方が、基材表面に配置されたキノコ状係合素子を持つ面ファスナーBである面ファスナーの組み合わせであって、面ファスナーAと面ファスナーBが、以下1)〜5)の条件を満足していることを特徴とする面ファスナーの組み合わせ。
    1)面ファスナーAの矢じり型係合素子の傘部広がりL A1 と面ファスナーBのキノコ状素子間距離L B1 の比L B1 /L A1 が0.3〜1.2であること、
    2)矢じり型係合素子の頂点から矢じり端までの距離L A2 とキノコ状係合素子の茎部長さL B2 との比L B2 /L A2 が0.5〜1.4であること、
    3)矢じり型係合素子列の素子間距離L A3 とキノコ状係合素子の茎径D B1 との比L A3 /D B1 が0.5〜1.0であること、
    4)面ファスナーAの係合素子密度が10〜100個/cm 2 の範囲で、面ファスナーBの係合素子密度が15〜150個/cm 2 の範囲で、さらに面ファスナーBの係合素子密度が面ファスナーAの係合素子密度の1.05〜2.5倍であること、
    5)面ファスナーBの係合素子の高さが1.0〜3.5mmであること、
  2. 請求項1に記載の面ファスナーの組み合わせを用いて固定されたカウンター用天板、建材化粧版部材または外壁材。
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