JPH08140713A - モールドイン成形用係止部材およびそれを用いた樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

モールドイン成形用係止部材およびそれを用いた樹脂成形体の製造方法

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JPH08140713A
JPH08140713A JP28462594A JP28462594A JPH08140713A JP H08140713 A JPH08140713 A JP H08140713A JP 28462594 A JP28462594 A JP 28462594A JP 28462594 A JP28462594 A JP 28462594A JP H08140713 A JPH08140713 A JP H08140713A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モールドイン成形時に、成形型の凹部内に面
ファスナーテープを容易に位置決め保持し、かつ、この
テープの係合素子側に発泡用樹脂などの樹脂組成物が流
入するのを確実に阻止しながら、小形で、生産性、安全
性および作業性に優れ、しかも、リサイクルが可能で公
害問題を発生させることのないモールドイン成形用係止
部材を提供する。 【構成】 基板の表面に係合素子を有する面ファスナー
テープであって、該ファスナーの巾側両端に長さ方向に
基板の裏面に立ち上がる突条を有し、該突条の最外側部
が基板巾側端部より約0.3ないし約5mm外側に突出
することを特徴とするモールドイン成形用係止部材であ
り、また上記の成形用係止部材を、その表面の係合素子
が成形型の凹部に当接するように該凹部に嵌着し、係止
部材の該突条で成形型の凹部の壁面と係止部材の間隙を
実質的に封止し、成形型に樹脂組成物を導入することか
らなる係止部材付き樹脂成形体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車シートや事務用
椅子などのクッションをモールドイン成形する際に、こ
のクッション表面に埋め込まれるモールドイン成形用係
止部材に関するものである。係止部材付きのクッション
は、その表面を繊維布などの被覆体で蔽い、被覆体を係
止部材でクッションに固定して使用される。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車や事務用椅子などに用い
られるシートは、発泡ウレタンなどからなるクッション
の表面に、シートカバーを取付けて構成している。この
シートカバーの取付けにあたって、従来、ワイヤをクッ
ション用成形型の凹部に嵌合させてモールドイン成形
し、このワイヤとシートカバーとの間を多数の金属製固
定具で固定することにより、上記クッションにシートカ
バーを取付けるいわゆるホグリング法が採用されてい
る。このホグリング法において、上記固定具は電動工具
を用いて固定される。
【0003】最近、自動車シートの成形方法として、表
面に多数の係合素子を、裏面に多数の埋設要素をそれぞ
れ備えた面ファスナーテープを、成形型内の所定の位置
にセットし、該成形型内に成形用樹脂を注入して発泡さ
せ、上記テープの埋設要素をクッション表面に埋設一体
化し、かつ、上記係合素子がクッションの外表面に露出
するように埋め込み成形する方法(いわゆるモールドイ
ン成形法)が提案されている。そして、シートカバーに
は上記面ファスナーテープの係合素子に係合可能な被係
合素子が設けられ、これらの両素子を係合させることに
より、上記シートカバーがクッションに沿わせて被覆さ
れる。
【0004】ところで、上記のモールドイン成形法で
は、上記面ファスナーテープを成形型に設けた凹部に装
着して、成形用樹脂(以下樹脂組成物と言うことがあ
る)がテープ基板と成形型凹部の間隙から係合素子側に
流入し該素子を埋めるのを阻止する必要がある。
【0005】上記問題を解決する係止部材の1例が図9
に示される。係止部材Aは面ファスナーの基板Bの表裏
両面に多数の係合素子Cと埋設要素Dとを備えた面ファ
スナーテープEを用い、上記係合素子Cの上面にモール
ド成形時に成形型に埋設された磁石体に吸着するスチー
ルペーパFを配置するとともに、このスチールペーパF
および係合素子Cの全体をカバーフィルムGで覆って、
モールド成形時に係合素子C側に成形樹脂組成物が流入
するのを阻止する構造を有する。このフィルムGは、そ
の外周縁部が上記面ファスナーテープEの周縁部に、粘
接着剤やヒートシール手段などで接合一体化されてい
る。
【0006】そして、該係止部材Aは、底面に磁石Jが
設置されている成形型の凹部Kに、上記スチールペーパ
Fをその磁気吸引力を利用して固定する。この後成形型
内に発泡原液などの樹脂組成物を注入して、上記埋設要
素Dが樹脂に埋め込まれたクッションなどの成形体を成
形し、クッションを取り出し、その後カバーフィルムG
とスチールペーパFとを取外し、面ファスナーの係合素
子Cをクッションの表面に露出させる。
【0007】他の一例として特開昭64−9708号に
開示されるモールドイン用の係止部材がある。該係止部
材は、面ファスナーの全周端部に表面または裏面に向い
た凹溝部を設け、一方成形型のファスナー装着部の周縁
に凸部または凹部を設け、面ファスナーの凹溝部と成形
型の凹部周縁の凸または凹部を嵌着する構造である。該
係止部材では面ファスナーの周縁部に凹溝部とその外側
に耳部を設けており、その両構造により係止部材は成形
型の装着部に嵌着されると考えられる。
【0008】さらに、実開平3−58109号に示され
る係止部材は、面ファスナーテープの外周に断面矩形の
嵌合部材を装着する構造で、面ファスナーテープの幅が
嵌合部材の分だけ増して、面ファスナーテープが大型化
する欠点がある。また、上記嵌合部材は、面ファスナー
テープとは別個に成形されて、面ファスナーテープの外
周に装着されるので、装着作業が面倒で生産性に劣る欠
点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したホ
グリング法によるときには、上記シートカバーをクッシ
ョンに固定するとき、多数の固定具を必要とし、多大の
手間も要する。しかも、これら固定具は電動工具で取付
けられるため、怪我をしたり腱鞘炎になるなど安全およ
び労働衛生上に問題があり、その上、樹脂材料にワイヤ
や固定具などの金属部品が混在しているので、使用後の
樹脂材料のリサイクルが行いにくい欠点もある。
【0010】また、図9に示したモールドイン成形手段
による場合は、上記クッションの成形後に、上記スチー
ルペーパFとファスナーカバーフィルムGとを取外す必
要があるが、これらの部材は廃棄物となって処分する必
要が生ずる。しかも、上記フィルムGの取外し時に、フ
ィルム屑が上記係合素子面に残ると、係合素子の露出を
妨げ係合力を低下させ、また外観が悪くなったりするた
め、細心で面倒な取外作業が必要となる。その作業には
手間がかかり、その上、前記スチールペーパFの取外時
に手指の怪我を招く恐れもあった。
【0011】特開昭64−9708号に示される係止部
材は、面ファスナーの端部に設ける構造が複雑であり、
成形型の凹部の周縁にも凹部か凸部を設ける必要があ
り、その製造を複雑にする欠点がある。従って、より簡
単な構造で十分な効果を得る係止部材が求められてい
た。また、該ファスナーは周縁部に係合素子が存在しな
い部分を有するので、ファスナー巾が大きくなる。細巾
のテープを取り付ける場合は、埋設要素や係合素子の数
が少なくなり、成形体への係止部分の固定や被覆体の係
止が十分でない。
【0012】本発明は、以上のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、モールドイン成形時に、成形
型の凹部内に面ファスナーテープを固定し、かつ、この
面ファスナーテープの係合素子側に発泡原液などの樹脂
組成物が流入するのを確実に阻止することができ、しか
も、小形で、生産性、安全性および作業性に優れ、さら
にリサイクルが可能なモールドイン成形用係止部材を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板の表面に
係合素子を有する面ファスナーテープであって、該ファ
スナーの巾側両端に長さ方向に基板の裏面に立ち上がる
突条を有し、該突条の最外側部が基板巾側端部より約
0.3ないし約5mm外側に突出することを特徴とする
モールドイン成形用係止部材である。
【0014】また、上記の係止部材において、面ファス
ナーの基板の巾側両端に折り曲げ片を設け、該折り曲げ
片を基板の裏面側に折り曲げて突条を形成するモールド
イン成形用係止部材である。
【0015】さらに、本発明は上記の構成の係止部材に
おいて、突条の端部に膨大部を有するモールドイン成形
用係止部材を提供する。この構造によれば、突条が樹脂
に埋設され膨大部がアンカー効果を示すため、樹脂成形
体と係止部材の接合をより高める事ができる。
【0016】また本発明は、上記の構成の係止部材にお
いて、面ファスナーテープの裏面に埋設要素を有するモ
ールドイン成形用係止部材を提供する。この構造によれ
ば、成形体と係止部材との接合をさらに強力にできる。
【0017】本発明は、上記の係止部材を、その表面の
係合素子が成形型の凹部に当接するように該凹部に嵌着
し、係止部材の該突条で成形型の凹部の壁面と係止部材
の間隙を実質的に封止し、成形型に樹脂組成物を導入す
ることからなる係止部材付き樹脂成形体の製造方法を提
供する。
【0018】図1は本発明の係止部材の1例を示す斜視
図であり、図2は図1のX,X線における断面図であ
る。図1および2において、係止部材はその基板1の表
面側に多数の係合素子2を有し、裏面側には巾側両端に
長さ方向に立ち上がる突条3を有する。突条3は、その
最外側部が基板1の巾側端部より約0.3ないし約5m
m外側に突出する構造とする。図2において、突条3は
基板1の巾側端部からdの距離だけ突出しており、dが
約0.3ないし約5mmである。裏面側には、所望によ
り埋設要素4を設けることができる。
【0019】図3は、図1の係止部材を成形型の係止部
材嵌着用の凹部に嵌着した状態を示す断面模式図であ
る。一般に、該係止部材嵌着用の凹部の巾は、係止部材
の巾とやや小さいかほぼ等しい巾に設定され、係止部材
は該凹部にセットされる。本係止部材を成形型5の凹部
6に嵌着した場合、突条3が基板端部より外側に突出す
ることにより、突条が成形型凹部の壁面7と接触または
接近し、その間隙を実質的に封止する。適当な供給装置
8から供給される成形材料9が凹部6に導入されても、
突条3により間隙が封止されるから、係合素子2側に流
入することはない。
【0020】突条の突出dが十分に大きいと、突条体の
弾性力により凹部の壁面との間で強い封止ができる。本
発明の係止部材では突出dは約0.3ないし約5mmが
必要である。しかしdの大きさは、基板の巾の大きさに
関係するものであり、基板の巾が大きい面ファスナーで
は大きいdが好ましく、5mm以上の突出でも使用でき
る場合がある。基板の巾が小さい面ファスナーに大きい
突出dを与えると、成形型凹部に嵌着する時に突条の弾
性力が強くて、嵌着が困難になったり面ファスナーを変
形するので好ましくない。
【0021】図4および図5は、本発明の他の係止部材
とその製造方法を説明する断面模式図である。図4に示
す面ファスナーは、その基板1の巾の両端部に折り曲げ
片10を設け、該折り曲げ片10を基板の裏面側に折り
曲げて、図5に示すような巾両側に突条3を有する係止
部材とする。図5の係止部材でも突条3の突出dは、約
0.3mmないし約5mmである。本構造の面ファスナ
ーでは基板と折り曲げ片の境界に設けた折り曲げ線11
によって、折り曲げ片の突出dを調節することができ
る。
【0022】本発明の突条3は基板1の裏面に設けられ
ているから、基板の幅、つまり面ファスナーテープの幅
を大きく増大させることがない。したがって、細巾の面
ファスナーテープを用いた係止部材として有効であり、
係合素子を係止部材の表面全域に設けることができる。
さらに、上記突条3が面ファスナーテープに一体形成さ
れているので、嵌合要素を別途形成して面ファスナーテ
ープに装着する場合と比較して、生産性に優れている。
【0023】本発明の係止部材が成形型の凹部に嵌着さ
れる場合、係止部材の突条と成形型の凹部の壁面との間
に間隙のないことが好ましいが、僅かな間隙があって
も、樹脂組成物が突条を成形型凹部の壁面に押し付ける
ように作用し間隙を封止することができる。また、わず
かな間隙があっても、樹脂組成物の粘度が高いと自己の
粘性で間隙の流下は極めて少ないので、樹脂による係合
素子の汚染は無視する事ができる。この場合でも、壁面
の封止は行われていると認められる。係止部材の突条の
最外側部間の距離W1(図2に示す)と、凹部の巾方向
の壁面間の距離W2(図3に示す)の差(W1−W2)
は−1mmないし5mmであれば、係止部材の嵌着も容
易で、樹脂の流入は実質的に防止できる。(W1−W
2)は、より好ましくは−0.5mmないし2mmであ
る。上記の範囲でW1がW2よりも大きいとき、係止部
材が弾性変形して凹部の壁面に密着するから、封止が良
好となり、樹脂組成物の流入防止に効果的である。
【0024】本発明の係止部材をモールドイン成形に使
用する場合、巾方向の間隙からの樹脂の流入と共に、係
止部材の長さ方向の端部からの樹脂の流入も問題であ
る。しかし係止部材の基板は普通、巾約7ないし50m
m、好ましくは約7ないし20mm、より好ましくは約
10ないし15mm程度であり、長さ10cm以上、好
ましくは数十cmであり、非常に細長い形状である。従
って、長さ方向の端部から樹脂が流入しても、その部分
で汚染される係合素子は非常に少ないので、該端部から
の樹脂の流入は許容され得る。通常は、成形型凹部の長
さと係止部材の長さをほぼ等しくすることで、該端部の
封止は達成される。
【0025】係止部材の長さをL1とし、成形型凹部の
長さ方向壁面間距離をL2とするとき、(L1−L2)
を−5mm〜5mm、より好ましくは−2mm〜2mm
とする。(L1−L2)が−5mmより小さいと樹脂の
流入が多くなり、5mmより大きいと係止部材の成形型
凹部への嵌着が困難になり、また係止部材が凹部内で変
形するので好ましくない。長さ方向の端部の封止を高度
にするには、面ファスナーの長さ方向の表面側端部に平
坦部、すなわちシール部を形成し、このシール部を成形
型凹部の壁面の一部に設けた棚部に載置し、シール部と
棚部を密着する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいてさら
に説明する。図6は、本発明に係るモールドイン成形用
係止部材の適用例として、自動車用シートクッションの
構造を示す部分断面図である。シート12は、発泡ウレ
タンなどからなるモールド成形体であるクッション13
を備え、このクッションの外表面にシートカバー14を
被覆させる。上記クッション13の外表面には、シート
カバーを固定する部分、例えばその外周縁部に沿ってほ
ぼコの字形状とされた溝15が形成され、この溝15内
に係止部材16がモールドイン成形により固着され、こ
の係止部材16の係合部材に上記シートカバー14を係
止させることにより、シートカバー14がクッション1
3に取付けられる。シートカバー14の裏面の繊維布1
7は、係合素子と係合しうる多数のループ状繊維層をも
つ織編物、不織布が採用される。
【0027】上記モールドイン成形用係止部材16は、
図1、図5または図7に示したものである。係止部材に
用いる面ファスナーは、基板の表面にシートカバーなど
の繊維布と係合する多数の係合素子を設ける。係合素子
の形状は任意であり、きのこ状、鈎状、矢じり状でよ
い。その裏面側には上記クッションに埋設係止される断
面円弧状またはきのこ状頭部をもった埋設要素を設ける
のが望ましいが、基板の巾が小さいものでは、両端部の
突条だけとし、突条が埋設要素を兼ねることも出来る。
【0028】本発明の係止部材の他の1例の斜視図を図
7に示す。図7の係止部材は基板の裏面側に巾方向の両
端部に2つの突条3、3を有すると共に、中間部に2つ
の列状の断面円弧状頭部をもつ埋設要素4、4を有す
る。基板の裏面側の突条がその頭部に膨大部を有する
と、成形樹脂に対しアンカー効果を発揮し、両者の接合
が強力になり、樹脂成形体から係止部材の脱離、特に係
止部材の巾側縁での剥離を防ぐことができる。埋設要素
は、係止部材の長手方向に連続した列条とするか、係合
素子のように多数の細片素子とすることができる。
【0029】突条3の断面形状は、必要に応じて任意の
ものにすることができ、その例を図8−aないし図8−
cに示す。図8−aの突条は、突条3の端部に断面錨状
の膨大部18を有し、該膨大部の右端部が基板1の端部
より外側にdだけ突出する。図8−bの突条は、端部の
膨大部18と中間部の突出部19を有し、その最外側部
が基板端部より外側にdだけ突出する。図8−cの突条
は、突条3が外側に湾曲して立ち上がっており、湾曲部
の最外側部が基板端部よりdだけ突出する。
【0030】係止部材の基板の巾はその用途により選択
され、普通7ないし50mm程度であり、好ましくは7
ないし20mm程度、より好ましくは10ないし15m
m程度である。 係止部材として使用する面ファスナー
テープは、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール樹
脂その他の樹脂およびこれらを任意に配合した樹脂組成
物から成形される。
【0031】また、成形方法に特に制限はなく、周知の
押出成形方法によって成形される。つまり、面ファスナ
ーテープ成形用の成形ダイに、上記基板を押出す第1吐
出孔と、その上下方向にそれぞれ係合素子、埋設要素お
よび突条に対応する第2吐出孔を、図1、図4、図7又
は図8の形状に対応するように連通状に設け、該成形ダ
イから熱可塑性樹脂を押し出し、基板の上下両面に係合
素子、埋設要素および巾両端の突条に対応する列条を有
するテープ状成形物を成形する。テープ状成形物が冷却
した後、基板の長さ方向に対し所定の刃角度に設定され
た回転カッタにより、基板表面側の列条に所定間隔で多
数の切り目を入れる。一方、裏面側の突条に対応する列
条には切れ目を入れない。
【0032】上記テープ状成形物を延伸ロールで延伸す
ると、基板が長手方向に引き伸ばされるから、上記カッ
タで切れ目をつけられた表面側の列条は、断面矢じり状
の多数の独立した係合素子となる。また裏面側の巾端部
にある列条は連続した状態を保持する。特に両端部の突
条は樹脂組成物をシールする部材でもあるので、連続の
構造が必要である。
【0033】図1および図7に示したような両端部突条
と埋設要素が直接成形ダイから製造されるものでは、中
間部にある埋設要素に対応する列条だけをカッターで切
断するのは困難であり、基板の裏面に多数の矢じり状の
埋設要素を設けることは難しい。しかし、図4の面ファ
スナーでは折り曲げ片を立てない段階で、裏面側の埋設
要素に対応する列条をカッターで切れ目を入れ延伸する
ことにより、表面の係合素子と同様に裏面の埋設要素を
多数の独立した矢じり状の素子とすることができる。
【0034】上記各素子および要素の断面形状を同じく
する必要はなく、必要に応じて異なる形状とすることも
できる。係合素子および埋設要素の高さは、特に制限は
ないが、通常約1mmないし約15mm、より好ましく
は約2mmないし6mmである。モールドイン成形用の
係止部材には、約3ないし約7mmの高さ、より好まし
くは約3ないし5mmの高さである。
【0035】係止部材は上記の押出成形方法のほかに、
上記係合素子を基板に植設して形成することもできる。
この場合、係合素子は必ずしもきのこ状とする必要はな
く、例えば、鈎状、矢じり状、その他係合機能を有する
形状に形成することができる。
【0036】次に、本発明の係止部材を使用した自動車
用クッションの製造例について説明する。先ず、上記モ
ールドイン成形用係止部材として、図7に示した面ファ
スナーテープ1を使用し、図3に示すように、テープ1
をその係合素子2が成形型5の凹部6の内側に、突条3
及び埋設要素4が成形型の内側を向くようにセットす
る。
【0037】このとき、上記面ファスナーテープ1の突
条が成形型凹部の巾方向の壁面7,7に接触または近接
しておかれ、係止部材と成形型凹部との間隙をシールし
て、成形型内への発泡原液の注入時に、発泡原液が凹部
内側の係合素子側に流入するのを阻止する。
【0038】この状態で、上記成形型にポリウレタなど
の樹脂を注入して発泡させ、その硬化後に成形型5から
クッション13を外部に取出すことにより、このクッシ
ョン13の溝15に上記係止部材が一体的に埋め込まれ
た成形体が得られる。ここで、上記係合素子2は、その
表面が発泡材で覆われることなく、クッション13の外
表面に確実に露出する。また、突条および嵌合要素の一
部が上記クッション13内に埋め込まれて、本係止部材
がクッションに強固に取付けられる。
【0039】さらに、図6で示すように、以上のように
成形されたクッション13の表面にシートカバー14を
かぶせ、クッションの表面に露出される上記係止部材の
係合素子2に、上記シートカバー14の裏面側に設けた
被係合素子(ループ状繊維)17を係合させることによ
り、シートカバー14がクッション13の外観形状に沿
って密着状に確実に被覆される。クッションの細くて深
い凹部に本係止部材を使用すれば、シートカバーをクッ
ションに吊り込むように固定でき、クッションの表面に
密接してシートカバーを装着し、風合いの優れたシート
が得られる。
【0040】なお、以上の実施例では、本発明にかかる
モールドイン成形用係止部材の適用例として自動車用ク
ッションを示したが、このクッションに限らず、他のモ
ールド成形体にも適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のモールド
イン成形用係止部材は、成形型内の凹部に簡単かつ確実
に保持でき、しかも成形型凹部の巾方向の間隙の封止に
優れ、樹脂組成物の係合素子側への流入を確実に阻止す
ることがでる。従来のものと比較して細巾の係止部材で
あっても、表面全面に係合素子を配することができ、被
覆体を強固に固定できる。クッションの細くて深い凹部
に本係止部材を使用すれば、シートカバーをクッション
に吊り込むように固定でき、クッションの表面に密接し
てシートカバーを装着し、風合いの優れたシートが得ら
れる。また、生産性、安全性および作業性にも優れたも
のとなり、しかも、リサイクルが可能で公害問題の発生
も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモールドイン成形用係止部材の1
例を示す斜視図である。
【図2】図1の係止部材のX、X線における断面図であ
る。
【図3】本発明に係る係止部材をモールドイン成形型に
嵌着した状態を示す断面模式図である。
【図4】本発明に係る1例の係止部材の製造を説明する
断面図である。
【図5】本発明に係る1例の係止部材の断面図である。
【図6】本発明に係る樹脂成形体の1例の構造を示す部
分断面図である。
【図7】本発明に係る係止部材の他の例を示す斜視図で
ある。
【図8】本発明の係止部材に設けられる突条のさらに他
の例を示す断面図である。
【図9】従来の係止部材を示す断面図である。
【符号の説明】 1…係止部材の基板、2…係合素子、3…突条、4…埋
設要素、5…成形型、6…成形型凹部、7…凹部内壁
面、8…樹脂供給装置、9…成形材料(樹脂組成物)、
10…折り曲げ片、11…折り曲げ線、12…シート、
13…クッション、14…シートカバー、15…溝、1
6…係止部材、17…被係合素子、18…膨大部、19
…中間突出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に係合素子を有する面ファス
    ナーテープであって、該ファスナーの巾側両端に長さ方
    向に基板の裏面に立ち上がる突条を有し、該突条の最外
    側部が基板巾側端部より約0.3ないし約5mm外側に
    突出することを特徴とするモールドイン成形用係止部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、面ファスナーの基板
    の巾側両端に折り曲げ片を設け、該折り曲げ片を基板の
    裏面側に折り曲げて突条を形成するモールドイン成形用
    係止部材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、突条の端部
    に膨大部を有するモールドイン成形用係止部材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    面ファスナーテープの裏面に埋設要素を有するモールド
    イン成形用係止部材。
  5. 【請求項5】 請求項1の成形用係止部材を、その表面
    の係合素子が成形型の凹部に当接するように該凹部に嵌
    着し、係止部材の該突条で成形型の凹部の壁面と係止部
    材の間隙を実質的に封止し、成形型に樹脂組成物を導入
    することからなる係止部材付き樹脂成形体の製造方法。
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