JP2015192793A - モールドイン成形用雄型面ファスナー - Google Patents
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Abstract
【課題】モールドイン成形用係止部材を用いたモールドイン成形法において、面ファスナーの係合素子部分に成形用発泡性樹脂液が流入してしまう問題点を解決する。【解決手段】テープ状基板2と同基板の表面から立ち上がる多数の雄型係合素子を有し、雄型係合素子は基板表面から立ち上がるステム部4および同ステム部よりテープ状基板の幅方向に張り出す突起部からなり、これら雄型係合素子は基板長さ方向に列をなして並び、かつその列が基板幅方向に3列以上存在しているモールドイン成形用雄型面ファスナー1において、両端列に存在している雄型係合素子が以下の構成1)および2)を満足していることを特徴とするモールドイン成形用雄型面ファスナー。1)幅方向外側の突起部は、その上面が基板面より遠ざかる形状を有していること、2)幅方向内側の突起部は、その上面が基板面に近づく形状を有していること、【選択図】図1
Description
本発明は、自動車用座席、車両用座席、航空機用座席、各種椅子などを構成するクッション体(以下、発泡樹脂製成形体と称することがある)を成形する際に、クッション体表面に埋め込まれるモールドイン成形用雄型面ファスナーとして使用される雄型面ファスナーに関する。
このようなモールドイン成形用雄型面ファスナー付のクッション体は、その表面を布帛や皮革などの被覆シートで覆い、クッション体表面に存在している雄型面ファスナーと該被覆シート裏面に取り付けた雌型面ファスナーを係合させることにより、クッション体表面に被覆シートを固定させ、自動車用座席、車両用座席、航空機用座席、各種椅子などとして使用される。
一般に、自動車や各種椅子などに用いられる座席は、発泡ウレタン等からなる座席形状のクッション体の表面を座席カバー(すなわち被覆シート)で覆うことで構成されている。
現在一般に用いられている自動車用等の座席の製造方法としては、表面に多数の係合素子(通常は雄型の係合素子)、裏面に埋設素子をそれぞれ備えたテープ状の面ファスナーを、係合素子面に発泡性樹脂液が流れ込まないように成形型内の所定の位置にセットし、そして成形型内に発泡性樹脂液(通常はポリウレタン発泡液)を封入して発泡させ、上記テープ状面ファスナーの埋設素子を発泡体に埋設一体化し、且つ上記係合素子が発泡体(すなわちクッション体)の外表面に露出するように埋め込み成形する方法、いわゆるモールドイン成形法が用いられている(特許文献1参照)。
そして、被覆シートの裏面には、上記雄型面ファスナーの係合素子に係合可能な雌型係合素子(通常はループ状の係合素子)を有する雌型面ファスナーが取り付けられており、被覆シートを発泡体に被せて、これらの両係合素子(いわゆるフック&ループ)を係合させることにより、発泡体は被覆シートにより被覆され、かつ固定されることとなる。
特許文献1にも示されている通り、上記のモールドイン成形法では、成形の際に該雄型面ファスナーの雄型係合素子部分に発泡性樹脂液が流入しないように、予めクッション体の成形型に設けた溝部に係合素子面を隠すように装着する方法が用いられている。
そして、このような方法を用いると、雄型面ファスナーを金型内にセットした後、金型内に発泡性樹脂液を流し込み、発泡性樹脂液を発泡させかつ硬化させ、面ファスナーの裏面側がクッション体に埋設されてクッション体に面ファスナーがしっかりと接着した状態とした後、金型からクッション体を取り出すこととなり、該面ファスナーの係合素子面が露出した状態のクッション体が得られることとなる。
そして、このような方法を用いると、雄型面ファスナーを金型内にセットした後、金型内に発泡性樹脂液を流し込み、発泡性樹脂液を発泡させかつ硬化させ、面ファスナーの裏面側がクッション体に埋設されてクッション体に面ファスナーがしっかりと接着した状態とした後、金型からクッション体を取り出すこととなり、該面ファスナーの係合素子面が露出した状態のクッション体が得られることとなる。
しかしながら、該面ファスナーを成形型の溝部に取付けた状態で、成形型内に発泡性樹脂液を流し込んだ時、何らかの原因で該面ファスナーと成形型の溝部の隙間より発泡性樹脂液が侵入して、該面ファスナーの係合素子部分に発泡性樹脂液が流入してしまうことで、該面ファスナーの係合素子面が発泡樹脂に覆われ、係合素子が十分に露出せず、係合力が不十分となり、出来上がったクッション体が不良品となってしまうことがある。
現在知られているモールドイン成形用面ファスナーの場合、係合素子部分に発泡樹脂液が流入してしまうと、流入して発泡硬化した樹脂を簡単に除去することが難しく、ジクロロメタン等の有機溶剤を用いてブラシ等で擦り落として流入樹脂を除去するか、流れ込み量が多く除去が困難なものに関しては廃棄処分とするしかなく、除去作業・廃棄処分いずれの場合でもコストアップに繋がることに加え、除去作業や追加生産等による作業負荷及び生産時間の増大に繋がることとなる。
これらの問題点を解決するために、係合素子面部分に発泡性樹脂液が流入しにくいモールドイン成形用面ファスナーが求められている。
これらの問題点を解決するために、係合素子面部分に発泡性樹脂液が流入しにくいモールドイン成形用面ファスナーが求められている。
係合素子面部分への発泡性樹脂液流入を阻止する手段として、特許文献1、特許文献2、特許文献3等には、金型内に面ファスナー用の溝部を設け、同溝部へ面ファスナーを密着させるようにセットして、係合素子部分を溝部とファスナー裏面間に隠すことで、発泡性樹脂液を係合素子部分から隔離し、発泡性樹脂液が係合素子と接触することを防止する手法が提案されている。
しかしながら、これら手法では係合素子部分への発泡性樹脂液流入を高度に阻止することはできず、クッションメーカーから面ファスナーメーカーへの改善要求が後を絶たない。
しかしながら、これら手法では係合素子部分への発泡性樹脂液流入を高度に阻止することはできず、クッションメーカーから面ファスナーメーカーへの改善要求が後を絶たない。
また、特許文献4にも、係合素子面への発泡性樹脂液流入を阻止する手段として、布帛やエラストマー樹脂等からなるカバー材を面ファスナーの係合素子面に貼り合わせる手法が提案されているが、単なる布帛によるカバー材の場合には、発泡樹脂液が毛管現象により布帛を浸透して係合素子面まで到達することとなり、多くの効果を期待することができない。
さらに、布帛によるカバー材を用いた場合は、容易に係合素子面を布帛で完全に覆うことができ、かつその状態で固定できると同時に成型後には容易に剥離できることが求められ、したがって雄型係合素子の形状がシンプルなものに制限され、形状が制限されることからモールドインファスナーとしての係合性能向上が制限され、顧客の要求を満たせない場合が多い。
また、エラストマー樹脂製のカバー材についても、エラストマー樹脂の成形温度が雄型面ファスナーの耐熱温度未満である必要があること、さらにエラストマー樹脂が雄型面ファスナーと熱融着しないこと、さらにエラストマー樹脂が雄型面ファスナーから容易に剥離できることなどが要求され、雄型面ファスナーの素材及びエラストマー樹脂製のカバー材の素材の組み合わせや形状が限定的になることで、やはりモールドインファスナーとしての係合性能面で顧客の要求を満たすことができない。
また、エラストマー樹脂製カバー材の素材として軟質塩化ビニル系の樹脂が一般的となることから、可塑剤の蒸気対策や塩化ビニル樹脂の分解物である酸から製造設備を守るための対応が必要になる等の製造面での不都合が生じてくる。さらに、カバー材はモールドイン成形後に雄型面ファスナーから取り外され、廃棄されるため、比較的重量が重いエラストマー樹脂製カバー材は、廃棄物量をより増加させ、さらに塩化ビニル製の樹脂の場合には燃焼廃棄すると自然や装置に有害なガスや人体に有害な物質が生じるというマイナス要素があり、環境保護の観点から推奨される方法とは言えない。
本発明は、上記問題点を解決するものであって、即ち、モールドイン成形用雄型面ファスナーを用いたモールドイン成形法において、該面ファスナーの雄型係合素子部分に発泡性樹脂液が流入してしまうことで、該面ファスナーの係合素子面が十分に露出せず、出来上がった座席用クッションが不良品となってしまうという問題点を解決することを目的とするものである。
本発明者らは上記の課題を解決するための具体的手段について検討した結果、係合素子部分にまで発泡性樹脂液が到達することを防ぐために行なわれるカバー材となる布帛で覆う手法をより効果的なものにするために、テープ状の基板の表面に多数の雄型係合素子が林立しているモールドイン成形用雄型面ファスナーにおいて、最も発泡性樹脂との接触面積の大きい該係合素子の側面からの発泡性樹脂液の流入を阻止する技術について研究を行った。
その結果、該テープ状基板の幅方向両端に位置する2列の雄型係合素子の形状が発泡性樹脂液の流入を大きく左右することを見出した。特に、基板幅方向両端部に位置する雄型係合素子の突起部の向きが発泡樹脂液の流入を大きく左右することを見出した。
この知見を基に本発明者等は、発泡性樹脂液の流入を高度に阻止できる雄型面ファスナーの形状を見出した。
この知見を基に本発明者等は、発泡性樹脂液の流入を高度に阻止できる雄型面ファスナーの形状を見出した。
すなわち本発明は、テープ状基板と同基板の表面から立ち上がる多数の雄型係合素子を有し、これら雄型係合素子は、基板表面から立ち上がるステム部および同ステム部よりテープ状基板の幅方向(以下、TD方向と称す場合もある。)に張り出す突起部からなり、そしてこれら雄型係合素子は基板長さ方向(以下、MD方向と称す場合もある。)に列をなして並び、かつその列がTD方向に3列以上存在しているモールドイン成形用雄型面ファスナーにおいて、両端列に存在している雄型係合素子が以下の構成1)および2)を満足していることを特徴とするモールドイン成形用雄型面ファスナーである。
1)TD方向外側の突起部は、その上面が基板面より遠ざかる形状を有していること、
2)TD方向内側の突起部は、その上面が基板面に近づく形状を有していること、
1)TD方向外側の突起部は、その上面が基板面より遠ざかる形状を有していること、
2)TD方向内側の突起部は、その上面が基板面に近づく形状を有していること、
そして、好ましくは、上記のモールドイン成形用雄型面ファスナーの発明において、両端列に存在している雄型係合素子が以下の構成3)および4)を満足している発明である。
3)突起部がステム高さ方向に2段以上存在していること、
4)2段以上存在する突起部のうち、下段の突起部(基板に近い方の突起部)の張り出し長さが上段の突起部(基板から遠い方の突起部)の張り出し長さより長いこと、
3)突起部がステム高さ方向に2段以上存在していること、
4)2段以上存在する突起部のうち、下段の突起部(基板に近い方の突起部)の張り出し長さが上段の突起部(基板から遠い方の突起部)の張り出し長さより長いこと、
また、好ましくは、上記のモールドイン成形用雄型面ファスナーの発明において、雄型係合素子が、MD方向には突起部を有していない発明である。
さらに好ましくは、上記のモールドイン成形用雄型面ファスナーの発明において、雄型係合素子のMD方向端面がTD方向から15〜45度の角度で傾いている発明である。
さらに好ましくは、上記のモールドイン成形用雄型面ファスナーの発明において、雄型係合素子のMD方向端面がTD方向から15〜45度の角度で傾いている発明である。
そして、好ましくは、上記のモールドイン成形用雄型面ファスナーの発明において、基板表面またはその裏面に磁着成分が付与されている発明である。
そして、本発明は、上記の発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーの雄型係合素子側の面が、表面に多数のループ繊維または起毛繊維を有する布帛により覆れており、該布帛のループ繊維または起毛繊維が雄型係合素子と係合している発明である。
そして、好ましくは、本発明は、上記のループ繊維または起毛繊維を有する布帛により覆われている場合において、両端列に存在している雄型係合素子のTD方向外側の突起部が布帛により覆われていない発明である。
そして、好ましくは、本発明は、上記のループ繊維または起毛繊維を有する布帛により覆われている場合において、両端列に存在している雄型係合素子のTD方向外側の突起部が布帛により覆われていない発明である。
また、本発明は、好ましくは、上記の発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーの雄型係合素子側の面が、表面に多数のループ繊維または起毛繊維を有する布帛により覆れている発明において、ループ繊維または起毛繊維の布帛面からの高さが、突起部の最も基板に近づいている点から、両端部に存在する雄型係合素子のステム部頂点までの垂直距離(H)の1.1〜1.8倍である発明である。
さらに、本発明は、好ましくは、上記の発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーの雄型係合素子側の面が、表面に多数のループ繊維または起毛繊維を有する布帛により覆れている発明において、布帛が磁着成分を含有している発明である。
また、本発明は、上記のモールドイン成形用雄型面ファスナーを、成形金型内の所定位置に雄型係合素子面が金型面側となるよう設置し、次いで成形金型内に発泡性樹脂液を導入し、該発泡性樹脂液を発泡硬化させて面ファスナー付の発泡樹脂製成形体を得て、そして成形金型から雄型面ファスナー付の発泡樹脂製成形体を取り出し、次いで雄型係合素子側の面を覆っている布帛を除去して雄型係合素子を露出させる雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体の製造方法である。
そして、本発明は、このような製造方法により得られた雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体である。そして、上記の雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体の雄型係合素子と、同成形体を覆う布帛製または皮革製の被覆シートの裏面に取り付けた雌型係合素子とを係合させることにより発泡樹脂製成形体の表面に被覆シートを固定した乗物用座席である。
本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーは、テープ状基板の表面に存在している雄型係合素子のうち、両端列に存在している雄型係合素子が、上記したように、1)と2)の構成、すなわち外側の突起部は、その上面が基板面から遠ざかる形状有しており(すなわち、突起部の先端部が付け根より基板面から遠ざかる位置にある)、一方、内側突起部は、その上面が基板面に近づく形状(すなわち、突起部の先端部が付け根より基板面に近づく位置にある形状)を満足している。
これにより、該雄型面ファスナーの係合素子面を布帛で覆って、これをモールドイン成形用係止部材として用いることにより、特にTD方向端部からの発泡性樹脂液の滲入を防止し、係合素子まで発泡性樹脂液が到達することを防ぎ、それにより本発明の雄型面ファスナーの係合素子が発泡樹脂に埋没してしまうことを高度に防ぐ効果がある。さらに、係合素子面を布帛で覆う際に位置決めが容易であり、さらに布帛を剥離する際に、容易に剥離できる効果もある。
また、上記3)や4)の構成、すなわち両端列に存在している雄型係合素子がステム高さ方向に2段以上の突起部を有しており、2段以上存在する突起部のうち、下段の突起部の張り出し長さが上段の突起部の張り出し長さよりも長いことを満足している場合には、また雄型係合素子がMD方向端面には突起部を有していない場合には、さらに雄型係合素子が、MD方向端面がTD方向から15〜45度の角度で傾いている場合には、本発明の雄型面ファスナーの係合素子が発泡樹脂に埋没してしまうことをより一層高度に防ぐ効果がある。
その結果、本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーを用いると、係合素子が発泡樹脂に殆ど埋没しないことから、モールドイン成形法による座席用クッション体の製造工程が安定化し、座席用クッション体を製造しているメーカーで発生している不良品数が減少し、更には不良品の手直しや追加製造等に費やされる作業時間及び作業負荷の減少につながることから、座席用クッション体メーカーにとって納期短縮、コストダウンや作業負荷軽減等のメリットが得られる。
次に、図面に基づき本発明を説明する。本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナー(1)は、図1〜2に示すように、その基板(2)の表面側に多数の雄型係合素子(3−1)および(3−2)を有し、そして図4に示すように、基板表面側の表面と同表面に林立して存在している雄型係合素子(3−1)および(3−2)が布帛6で覆われている。
両端部に存在する雄型係合素子(3−1)のTD方向外側の突起部(5−11、5−12)は、図2で示すように、その上面が基板面より遠ざかる形状を有し、そして両端部に存在する雄型係合素子(3−1)のTD方向内側の突起部(5−21、5−22)はその上面が基板面に近づく形状を有している。
両端部2列以外に位置する雄型係合素子(3−2)については、やじり型、きのこ型、かぎ型等公知の形状のいずれでも良く、本発明では、これらを総称して雄型係合素子あるいはフックと称している。特に、図1や図2に示すように、雄型係合素子が、基板表面から立ち上がるステムと同ステムの先端付近からTD方向に突出する係合用突起からなり、MD方向には突起部が突出していない、やじり型の雄型面ファスナーの場合には、布帛(6)に滲み入った発泡性樹脂液が係合素子面側に付着しても、容易に発泡樹脂を係合素子から取り除くことができることから、本発明には好適である。
また、突起部(5−11や5−12)は、発泡樹脂に一体成形された後、該雄型成形面ファスナーが埋設された発泡樹脂中に食い込んでアンカーとしての役割を果たすことで、裏面への埋設素子設置が不要となるため、この点でも好ましい。
本発明の雄型面ファスナーは、後述するように、MD方向に連続する雄型係合素子用列条を有するテープ状物を製造し、そして該列条にTD方向から15〜45度の間の角度で切れ込みが入れられ、そして延伸することにより製造されるが(すなわち図3に示すθが15〜45度の角度となる)、その結果、基板と平行な面でのステムの断面形状が平行四辺形となり、かつステムから突き出た突起物がTD方向に平行よりも傾かせることが出来る。
その結果、これらステムの断面形状と突起部の傾きが発泡樹脂が係合素子間を通過する際に抵抗となり、さらに両端部に存在する雄型係合素子(3−1)の突起部の向きが外側と内側とで逆方向を向いていることから、この点からも両端部に存在する係合素子(3−1)の突起部が、発泡樹脂液が係合素子間を通過する際の抵抗物として働く。その結果、発泡樹脂が中央部の係合素子面に到達することを阻害する構造を有することが出来ることとなる。
しかも、両端部に存在している雄型係合素子(3−1)は、図1や図2に示すように、突起部がステム高さ方向に2段以上存在しており、2段以上存在している突起部のうち、下段の突起部の張り出し長さが上段の突起部の張り出し長さよりも長い場合が好ましく、長い突起部が発泡樹脂液の通過をより一層効率的に阻止することとなる。
なお、図1や図2には、突起部がステム高さ方向に2段有している場合が記載されているが、3段や4段であってもよく、下段、特にもっとも下段の突起部が最も長く張り出している場合が、発泡樹脂液の通過をより一層阻止できる点で特に好ましい。
なお、図1や図2には、突起部がステム高さ方向に2段有している場合が記載されているが、3段や4段であってもよく、下段、特にもっとも下段の突起部が最も長く張り出している場合が、発泡樹脂液の通過をより一層阻止できる点で特に好ましい。
雄型係合素子(3−1および3−2)は、図1や2に示すように、基板(2)表面から立ち上がるステム部(4)と同ステム部からTD方向に突出している突起部(5)からなり、突起部(5)はMD方向には突出していないのが好ましく、そして同係合素子が図3に示すように、MD方向に列をなして等間隔で並んでいるのが好ましい。このような場合には、雄型係合素子を布帛で覆うと、発泡性樹脂液と接触する係合素子のMD方向の側面の係合素子間に布帛のループ繊維や起毛繊維が充填され、その隙間が埋められることとなることから、より発泡樹脂液が滲入しにくくなる効果がある。
さらに突起部(5)がTD方向に突出しているがMD方向には突出していない係合素子とすることで,MD方向の係合素子間ピッチをより密着させることが可能となるため、発泡樹脂液を滲入しにくくする効果をさらに高める効果があり、本発明には好適である。さらに、突起部(5)はMD方向には突出していないことにより、モールドイン成形後に係合素子を覆う布帛を取り除く際に、布帛を容易に取り除くことができる。
ステムの全周囲に突起部が突出している従来のきのこ型の係合素子の場合には、布帛を取り除く際に、係合素子の突起部がちぎれ易く、その後の係合力を低下させるという問題があったが、上記の突起部がTD方向に突出しているがMD方向には突出していない本発明の好適な面ファスナーの場合には、このような問題も生じにくい。
係合素子3−1および3−2の高さ(基板面からの高さ)としては、特に制限はないが、1〜5mmの範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5mmの範囲である。さらに、両端部の係合素子(3−1)の高さは、中央部の係合素子(3−2)の高さより0.3〜0.7mm高いことが、布帛で覆う際の位置決め性の点で好ましい。なお、係合素子の高さとはステム部の高さのことを意味する。
図3に示すように、両端部に存在する係合素子(3−1)を上から見たときの幅(W1)は0.2〜3.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜2.5mmの範囲であり、中央部に存在する係合素子(3−2)については0.5〜2.0mmの範囲が好ましい。
また、これら係合素子(3−1または3−2)を上から見たときの1つ当りの長さ(D)は0.1〜2.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0mmの範囲である。
また、これら係合素子(3−1または3−2)を上から見たときの1つ当りの長さ(D)は0.1〜2.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0mmの範囲である。
係合素子(3−1または3−2)が、基板表面からほぼ垂直に立ち上がるステム部と同ステム部からTD方向に突出する突起部からなり、同係合素子がMD方向に列をなして並んでいる雄型面ファスナーの場合には、製造上および布帛の剥離性の点で、さらに樹脂液の侵入防止の点で本発明に好適であるが、このような場合、係合素子密度としては1列当たり長さ方向に5〜50個/cmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜20個/cmの範囲である。
そして、このような係合素子列は、基板(2)のTD方向に3〜10列/cm、特に4〜6列/cm存在しているのが係合力と発泡樹脂滲入防止の面から好ましい。そして、本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーでは、このような係合素子列が4〜6列存在しているのが、樹脂液の侵入阻止の点で好ましい。図1の面ファスナーでは、係合素子列が5列存在、すなわち両端部の係合素子の列が2列と中間部の係合素子列が3列存在している。なお、本発明において、両端部の係合素子列を含めて係合素子列は合計3列以上存在することが必要で、3列未満の場合には、十分な係合力が得られない。
さらに、MD方向における隣り合う係合素子のステム間ピッチ(P)が0.5〜1.0mmの範囲、TD方向における隣り合う係合素子の係合用突起間ピッチ(S)が0.5〜1.5mmの範囲である場合も滲入防止の面から好ましい。
なお、ここで言うMD方向における隣り合う係合素子のステム間ピッチ(P)は、係合素子の高さの中間点における距離であり、またTD方向における隣り合う係合素子の係合用突起間の距離(S)とは、係合用突起の先端から隣の列に存在している最も近い係合素子の係合用突起の先端までのTD方向距離である。
そして、さらに本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーにおいて、面ファスナーの係合素子面には、図4で示すように、係合素子を覆う布帛(6)が一体化されている。基板表面側に存在する雄型係合素子を覆う布帛(6)としては、織物、編物、不織布のいずれでもよく、これら布帛の表面にループ繊維を存在させたもの、あるいは布帛の表面を起毛処理することによりループ繊維や雄型係合素子と係合できる能力を有する起毛繊維を存在させたものが好ましい。図4は、ループ繊維を存在させた布帛を一体化した場合を模式的に示したものである。
本発明において、係合素子を覆う布帛(6)としては、特に伸縮性と厚みを有し、さらに畝を有している経編地であるトリコット編物等の布帛の表面を針布等で起毛して、編地から繊維を表面にループ状に引き出した布帛、または、織製の面ファスナーのループ面において、そのループ素子を針布等で布帛の表面を起毛処理した布帛が、雄型係合素子を容易かつ完璧に覆うことができることからもっとも優れている。
そして、布帛を構成する繊維としては,平均太さが150dtex以下、特に1〜20dtexが、また布帛の平均目付けとしては50g/m2以上、特に150〜500g/m2が、さらに布帛の嵩密度としては、0.01g/cm3以上、特に0.03〜0.15g/cm3が好ましい。
さらに、布帛表面に存在するループ繊維のループ高さまたは起毛繊維の起毛高さ、所謂ループ繊維または起毛繊維の布帛面からの高さとしては、図2に示すように、突起部の最も基板に近づいている点から両端部に存在する雄型係合素子のステム部頂点までの垂直距離(H)の1.1〜1.8倍、特に1.3〜1.5倍が樹脂液の侵入を高度に阻止できる点で好ましい。なお、ここで言う垂直距離(H)は、図2に示すように、面ファスナーの任意の断面図における突起部のうちの最も基板に近づいている点からの垂直距離を意味しており、面ファスナーの全長に亘る最も基板に近づいている点を見つけ出し、それからの垂直距離を求めるというものではない。
また、図4に示すように、基板(2)の表面または裏面には、MD方向に連続する磁性金属含有層(7)が存在しているのが好ましく、また基板側に存在させるのに代えて、係合素子を覆う布帛(6)に磁着成分、具体的には磁着性金属成分含有樹脂液を含浸あるいは布帛裏面に塗布することで布帛側に磁性金属含有層を存在させてもよい。
図5や図6に示すように、磁性金属含有層(7)を有していることが、モールドイン成形用雄型面ファスナーを金型(8)内の所定位置に取りつけた磁石(9)により所定位置に沿って本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーを確実に設置することができ、かつ金型面に押し付けることができるため、隙間から発泡性樹脂液が滲入することを高度に阻止でき、好ましい。
本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーでは、両端部に存在する係合素子の外側の突起部が、モールドイン成形後にはクッション体中に埋没して、アンカー材として働くことから、通常のモールドイン成形用雄型面ファスナーのように、アンカー材を取り付ける必要はないが、より確実なアンカー効果を期待する場合には、アンカー素子(埋設素子)を設けてもよい。
このような埋設素子としては、基板を構成する樹脂と同一の樹脂からなる突起部が基板裏面から突出していてもよいが、織物、編物、不織布等の布帛を基板裏面に貼り付けても良い。これら布帛は、モールドイン成形の際に発泡性樹脂液が滲入してアンカー効果を発現し、さらに発泡性樹脂液が係合素子面に滲入することを防ぐ遮蔽材としても働くこととなる。
このような埋設素子としては、基板を構成する樹脂と同一の樹脂からなる突起部が基板裏面から突出していてもよいが、織物、編物、不織布等の布帛を基板裏面に貼り付けても良い。これら布帛は、モールドイン成形の際に発泡性樹脂液が滲入してアンカー効果を発現し、さらに発泡性樹脂液が係合素子面に滲入することを防ぐ遮蔽材としても働くこととなる。
本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナーを構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ナイロン6やナイロン12等のポリアミド系樹脂などの各種熱可塑性樹脂が挙げられ、特に成形性の点からポリオレフィン系樹脂、なかでもポリプロピレン樹脂や、エチレン系エラストマー樹脂を少量ブレンドしたポリプロピレン樹脂及びナイロン6やナイロン12等のポリアミド系樹脂が好ましい。
また、発泡樹脂(特にポリウレタン)との親和性に優れるとは言えないポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂等を雄型面ファスナーの構成樹脂として使用した場合には、雄型面ファスナーの裏面側の面および埋設素子が親和性に優れるナイロン6やナイロン12等のポリアミド系の樹脂で構成されている場合や、裏面にポリウレタン樹脂系またはアクリル系樹脂のプライマー層を存在させることで発泡樹脂との親和性を向上させておく場合が好ましく、より好ましくはアクリル系樹脂のプライマー層を存在させる場合である。
本発明に好適な雄型面ファスナーは、押出、射出成形等の樹脂成形加工手法により成形されるが、より好ましくは押出成形によって成形される。次に、本発明に特に好適な押出成形法により雄型面ファスナーを製造する方法を説明する。
まず、図1に示すような面ファスナーの断面形状のスリットを有するノズルから、熱可塑性樹脂をテープ状に溶融押出し、冷却して、基板表面に、基板に対して直立し、かつMD方向に連続している係合素子断面を有する複数の列条を、また必要により基板裏面に、MD方向に連続している埋設素子断面を有する列条を有するテープ状物を成形する。
次に、得られたテープ状物の表面に存在する係合素子用列条に、該列条MD方向を横切る方向に小間隔で該列条の先端から付け根付近まで切れ目を入れる。この際の切れ目の角度がテープ状物のMD方向に対して0度に近い方が係合素子面に滲入することを阻止できることとなるが、製法の制限と強力な係合力を得ることを考慮すると、好ましくは、MD方向に45〜75度、すなわちTD方向に対して15〜45度の角度である。図3に示すθが、このTD方向に対する角度となる。この角度が0度に近い場合には、基板と平行な面でのステムの断面形状が正方形または長方形となり、0度よりずれている場合には平行四辺形となる。0度から外れるにしたがって、より鋭角な平行四辺形となる。従来はできる限りこのθを0度に近づけるべく行われていた。したがって本発明は従来の一般的な考えとは異なる。そして、切れ目の間隔としては、MD方向で0.2〜3.0mm、特に0.3〜1.0mmの範囲が好適である。
次いで、切れ目を入れたテープ状物をMD方向に延伸する。延伸倍率としては、延伸後のテープ状物の長さが元のテープ状物の長さの1.3〜3.5倍となる程度が採用される。この延伸により、列条に入れられた切れ目が広がり、列条が独立した多数の雄型係合素子からなる列となる。より好ましくは1.6〜2.5倍の延伸である。延伸倍率が高くなり過ぎると、係合素子間が広く開くことから樹脂液が侵入し易くなる。逆に延伸倍率が低すぎると、係合素子間があまりにも狭くなり、ループ素子が係合しにくくなり、係合力が低下する。
以上の方法により、表面に多数の独立した係合素子(3−1および3−2)を有する雄型面ファスナーが得られる。そして、必要により、埋設素子として織物、編物、不織布等の布帛を得られた雄型面ファスナーの裏面に貼り付けることで発泡樹脂への埋設力増強効果が得られる。貼り付ける方法としては、接着剤による方法、熱融着により貼り付ける方法等が挙げられる。
図5および図6は、ともに、本発明のモールドイン成型用雄型面ファスナーを金型内のセット金型(8)に取り付けた一例の断面模式図である。
本発明で使用する金型には、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、セラミックス等の各種無機材料が使用でき、金型の加工性の点からアルミニウムが好ましい。
本発明で使用する金型には、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、セラミックス等の各種無機材料が使用でき、金型の加工性の点からアルミニウムが好ましい。
また、セット金型の断面形状は、該係止部材の寸法や成形品の形状等により任意に変更でき、特に制限されるものではないが、図4や図5の雄型面ファスナーのように磁性金属含有層(7)を有するものに使用されるセット金型は、図5や図6に示すように、セット金型(8)の所定位置に設けた溝部の底部に磁石(9)が設置されることで、溝部が埋まって所定位置が隣接する面と同一の高さのフラットな形状になったものが好ましい。そしてこのようなセット金型は、鋳造、鍛造等及び削り出し等の機械加工により容易に作製される。
図1に示す本発明の雄型面ファスナーの場合は、基板に磁性金属含有層を取り付けているのが好ましいが(図には記載しておらず)、磁性金属含有層は基板の表面側、裏面側あるいは面ファスナー内部のいずれでもよい。好ましくは裏面側に取り付けている場合であり、磁性金属含有層が基板裏面から塊となって突出している場合には、磁性金属含有層は埋設素子の働きも有することとなる。
磁性金属含有層を有するものとする場合には、例えば、磁性を有する金属粉を混ぜた汎用・エンプラ樹脂からなるモノフィラメントを面ファスナーの表面や裏面あるいは布帛の裏面に一体化することにより、また磁性を有する金属粉を混ぜた接着剤グレードの樹脂を雄型面ファスナーの表面や裏面や布帛の裏面に塗布または含浸することにより、あるいは面ファスナーそのもの或いは布帛そのものを磁性金属粉を含有する樹脂により成形することにより製造できる。
好ましくは、磁性を有する金属粉を混ぜた接着剤グレードの樹脂を雄型面ファスナーの表面や裏面や布帛に塗布または含浸する場合である。より好ましくは、カバー材となる布帛が、磁着成分を布帛内に含浸したものあるいは布帛裏面に塗布したものである場合である。
図6は、本発明のモールドイン成形用雄型面ファスナー(1)を金型(10)内の所定位置に取り付けた一例の断面模式図である。図6に示すように、金型内に固定されたセット金型部(8)に本発明の雄型面ファスナー(1)を固定し、金型内に発泡性樹脂液(11)を導入する。導入された発泡性樹脂液は、発泡して体積を増加しながら金型内の隅々まで滲入し、この状態で硬化して成形が完了する。そして金型内から、発泡成形体、すなわち雄型面ファスナーを表面に有するクッション体を取り出す。
成形用の発泡性樹脂としては発泡性のポリウレタン系樹脂がもっとも好ましいが、該樹脂に限定されず、各種の樹脂を使用することができる。
得られた発泡成形体を金型から取り出し、そして面ファスナーの係合素子表面を覆っている布帛を取り外すことにより、発泡樹脂成形体の表面に雄型面ファスナーが埋め込まれ、かつ面ファスナーの雄型係合素子は発泡樹脂に覆われていない発泡成形体(すなわちクッション体)が得られる。
このようにして得られた発泡成形体の表面を、裏面に雌型面ファスナーを取付けた布帛製や皮革製の被覆シートで覆い、発泡成形体表面の雄型係合素子と布帛等の裏面に取り付けた雌型係合素子を係合させ、発泡成形体表面を布帛や皮革製の被覆カバーで覆い、かつ固定することで、自動車や航空機用の座席や事務用椅子等の各種座席や椅子などが完成される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示すような、基板上に5本の係合素子を有するスリットを有するノズルからポリプロピレン樹脂を押出し、得られたテープ状物の係合素子用突条を0.3mm間隔で幅方向に対して30度の角度で切れ目を入れ、そして1.67倍延伸し、さらに基板表面から立ち上がる両端部2列の外側の基板面より立ち上がるステムの根本に直径0.5mmの磁性金属を含有したモノフィラメントをホットメルト系接着剤により接着させて、モールドイン成型用の面ファスナーを得た。
図1に示すような、基板上に5本の係合素子を有するスリットを有するノズルからポリプロピレン樹脂を押出し、得られたテープ状物の係合素子用突条を0.3mm間隔で幅方向に対して30度の角度で切れ目を入れ、そして1.67倍延伸し、さらに基板表面から立ち上がる両端部2列の外側の基板面より立ち上がるステムの根本に直径0.5mmの磁性金属を含有したモノフィラメントをホットメルト系接着剤により接着させて、モールドイン成型用の面ファスナーを得た。
得られたモールドイン成型用面ファスナーは、図3に示すようにMD方向に列をなして雄型係合素子が並んでおり、この係合素子列がTD方向に5列存在しており、そして、雄型係合素子は、基板表面から立ち上がるステム部と同ステムの先端からTD方向に突出するがMD方向には突出していない係合用突起部からなり、TD方向両端部に存在している係合素子列の係合素子は、図1や図2に示すように、ステム部高さ方向に2段の突起部、中央の3列に存在する係合素子列の係合素子は1段の突起部を有していた。
そして、両端部の係合素子列の係合素子は、外側の突起部は、その上面が基板面から遠ざかる形状を、また内側の突起部および中央3列の係合素子列の突起部は図1や図2に示すように、ともにその上面が基板面に近づく形状を有しており、しかも、両端部の係合素子列の係合素子は下段の突起部の方が上段の突起部より横に長く張り出していた。
そして、両端部の係合素子列の係合素子は、外側の突起部は、その上面が基板面から遠ざかる形状を、また内側の突起部および中央3列の係合素子列の突起部は図1や図2に示すように、ともにその上面が基板面に近づく形状を有しており、しかも、両端部の係合素子列の係合素子は下段の突起部の方が上段の突起部より横に長く張り出していた。
得られたモールドイン成型用面ファスナーは、全幅11mm、係合素子の林立する係合有効幅7mm、係合素子密度75個/cm2、MD方向における係合素子のステム間のピッチ(P)0.8mm、TD方向における隣り合う係合素子の係合突起間の距離(S)0.5mm、両端部の係合素子列の係合素子の幅(W1)は2.0mm、高さは2.0mm、中央3列の係合素子列の幅(W2)は1.7mm、係合素子の高さは1.5mmであった。
また、係合素子を覆う布帛として、クラレファスニング(株)製面ファスナーB面(ループ面)のループ素子に針布で起毛処理を掛けたもの[B9751Y(ポリエステル製、ウレタン系樹脂バックコート付き、繊維の平均太さ265dtex、目付け400g/m2、嵩密度が0.06g/cm3、ループ素子の長さ2.5mm、ループ素子(ループ繊維)の高さは、突起部の最も基板に近づいて点から両端部に存在する雄型係合素子のステム部頂点までの垂直距離(H)の1.3倍である]を用いた。
すなわち、この起毛した面ファスナーのループ面を9mm幅にスリットし、準備したモールドイン成形用面ファスナーの中央3列および両端部の係合素子の内側の突起部を完全に覆うように係合素子面に布帛カバーの起毛面を合わせて係合させることで、布帛カバー付きの雄型面ファスナーを得た。なお、この係合素子面を布帛カバーで覆う際には、係合素子面の幅方向両端部が突き出た突起部で囲まれているため、両端部布帛の位置決めが容易であった。
得られた上記雄型面ファスナーを、成形金型内面の所定位置に磁石が埋め込まれているセット金型に、係合素子側が金型面側となるように固定した。次いで、成形金型内にポリウレタン系の発泡性樹脂液を導入し、該発泡性樹脂液を発泡硬化させて面ファスナー付の発泡樹脂製成形体を得て、そして成形金型から面ファスナー付の発泡樹脂製成形体を金型から取り出した。
得られた成形体の係合素子を覆っている布帛カバーを除去し、成形体に埋設された雄型面ファスナーの係合素子面を観察したところ、雄型面ファスナーの係合素子部への発泡樹脂の流れ込みが発生した発泡樹脂製成形体は30本中に1本もなかった。なお、布帛を剥離する際には、係合素子面両端部の突起部は布帛と殆ど係合していないことから布帛は容易に剥離できた。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を5分程強く擦ったが、両端部2列の係合素子の上面が基板面より遠ざかる構造を有する突起物が発泡樹脂の中に埋設されており、発泡樹脂から面ファスナーが剥離を生じることは全くなかった。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を5分程強く擦ったが、両端部2列の係合素子の上面が基板面より遠ざかる構造を有する突起物が発泡樹脂の中に埋設されており、発泡樹脂から面ファスナーが剥離を生じることは全くなかった。
得られた雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体は、自動車用クッションの形状を有しており、この成形体に、裏面に雌型係合素子を縫い付けた編物(被覆シート)を被せ、該発泡樹脂製成形体表面に存在している雄型係合素子と該雌型係合素子を係合させたところ、編物は強固に発泡樹脂成形体の表面に強固に固定され、得られた自動車用座席の被覆カバーを引っ張っても係合が剥がれることは全くなく、自動車用座席として全く問題のないものであった。
[比較例1]
成形面ファスナーとして、クラレファスニング製L−6323−3(ポリプロピレン製、全幅11mm、係合素子の林立する係合有効幅11mm、係合素子密度60個/cm2、係合素子列5列、MD方向における係合素子のステム間のピッチ(P)1.0mm、TD方向における隣り合う係合素子の係合突起間の距離(S)1.0mm、基板表面から立ち上がる両端部2列の外側の基板面より立ち上がるステムの根本に直径0.5mmの磁性金属を含有したモノフィラメントをホットメルト系接着剤により接着、雄型係合素子は、基板表面から立ち上がるステムと同ステムの先端から、テープ幅方向に突出するがテープ長さ方向には突出していない係合用突起からなり、同係合素子がテープ長さ方向に列をなして並んでおり、両端部2列および中央3列の係合素子はともに上下2段の突起部を有しており、これら突起部はいずれも上面が基板面に近づく形状を有している)を用いた。
成形面ファスナーとして、クラレファスニング製L−6323−3(ポリプロピレン製、全幅11mm、係合素子の林立する係合有効幅11mm、係合素子密度60個/cm2、係合素子列5列、MD方向における係合素子のステム間のピッチ(P)1.0mm、TD方向における隣り合う係合素子の係合突起間の距離(S)1.0mm、基板表面から立ち上がる両端部2列の外側の基板面より立ち上がるステムの根本に直径0.5mmの磁性金属を含有したモノフィラメントをホットメルト系接着剤により接着、雄型係合素子は、基板表面から立ち上がるステムと同ステムの先端から、テープ幅方向に突出するがテープ長さ方向には突出していない係合用突起からなり、同係合素子がテープ長さ方向に列をなして並んでおり、両端部2列および中央3列の係合素子はともに上下2段の突起部を有しており、これら突起部はいずれも上面が基板面に近づく形状を有している)を用いた。
その製造方法は、前記の押出成形と同様の押出成形法で、得られたテープ状物の係合素子用突条をTD方向に対して平行(すなわちθが0度)にカットし、そして2.33倍延伸した。そして、布帛カバーには実施例1と同一のものを用いて、実施例1と同一の方法で発泡樹脂製成形体を得た。なお、係合素子面を布帛で覆う際には、位置決めが難しく、係合素子面が全て隠れるように覆うことは極めて難しく、何回かやり直した上で初めて覆うことができた。
そして、得られた成形体の係合素子を覆っている布帛カバーを除去し、成形体に埋設された雄型面ファスナーの係合素子面を観察したところ、雄型面ファスナーの係合素子部への発泡樹脂の流れ込みが発生した発泡樹脂製成形体は30本中30本であり(すなわち全ての面ファスナーにおいて係合素子面への発泡樹脂の流れ込みが見られた)、流れ込んだ発泡樹脂は雄型面ファスナーの係合素子部の2/3以上を埋没させていた。なお、布帛を剥離する際には、端部まで完全に係合されているため、剥離し難かった
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を5分程強く擦ったところ、簡単に発泡樹脂より成形面ファスナーが剥がれてしまった。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を5分程強く擦ったところ、簡単に発泡樹脂より成形面ファスナーが剥がれてしまった。
[比較例2]
実施例1において、両端列に存在している雄型係合素子の内側突起部が、その上面が基板面より遠ざかる形状を有しているように変更する以外は、上記実施例1と同様の方法で雄型面ファスナーを製造し、さらにこの雄型面ファスナーに上記実施例1と同様に、磁性金属含有モノフィラメントを貼り付け、さらに係合素子面に実施例1と同一のループ素子が起毛処理された面ファスナーのループ面を重ね、モールドイン成形を行った。なお、係合素子面を布帛で覆う際の位置決めは、比較的容易であったが、TD方向両端に存在している雄型係合素子の突起部が内側及び外側ともに、その上面が基板面より遠ざかる形状を有しているため、布帛カバーとなる起毛面ファスナーループ面のTD方向両端部が雄型係合素子を有する成形面ファスナーと係合せず、中央3列の係合素子のすぐ外側に位置する係合素子が基板面よりも遠ざかる形状であり、素子の高さも中央3列より0.5mm高い形状を有しているため、中央3列の係合素子のTD方向両端の2列の係合素子への係合が阻害された格好となり、布帛カバーが浮いたような格好となって成形面ファスナーと布帛カバーの密着性がよくなかった。
実施例1において、両端列に存在している雄型係合素子の内側突起部が、その上面が基板面より遠ざかる形状を有しているように変更する以外は、上記実施例1と同様の方法で雄型面ファスナーを製造し、さらにこの雄型面ファスナーに上記実施例1と同様に、磁性金属含有モノフィラメントを貼り付け、さらに係合素子面に実施例1と同一のループ素子が起毛処理された面ファスナーのループ面を重ね、モールドイン成形を行った。なお、係合素子面を布帛で覆う際の位置決めは、比較的容易であったが、TD方向両端に存在している雄型係合素子の突起部が内側及び外側ともに、その上面が基板面より遠ざかる形状を有しているため、布帛カバーとなる起毛面ファスナーループ面のTD方向両端部が雄型係合素子を有する成形面ファスナーと係合せず、中央3列の係合素子のすぐ外側に位置する係合素子が基板面よりも遠ざかる形状であり、素子の高さも中央3列より0.5mm高い形状を有しているため、中央3列の係合素子のTD方向両端の2列の係合素子への係合が阻害された格好となり、布帛カバーが浮いたような格好となって成形面ファスナーと布帛カバーの密着性がよくなかった。
そして、得られた成形体の係合素子を覆っている布帛カバーを除去し、成形体に埋設された雄型面ファスナーの係合素子面を観察したところ、雄型面ファスナーの係合素子部への発泡樹脂の流れ込みが発生した発泡樹脂製成形体は30本中25本であり、流れ込んだ発泡樹脂は雄型面ファスナーの係合素子部の半分以上を埋没させていた。なお、布帛を剥離する際には、容易に剥離できた。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を5分程強く擦ったが、両端部2列の係合素子の上面が基板面より遠ざかる構造を有する突起物が発泡樹脂の中に埋設されており、発泡樹脂から面ファスナーが剥離を生じることは全くなかった。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を5分程強く擦ったが、両端部2列の係合素子の上面が基板面より遠ざかる構造を有する突起物が発泡樹脂の中に埋設されており、発泡樹脂から面ファスナーが剥離を生じることは全くなかった。
[比較例3]
実施例1において、両端列に存在している雄型係合素子の外側突起部が、その上面が基板面に近づく形状を有し、内側突起部が遠ざかる形状を有しているように変更する以外は、上記実施例1と同様の方法で雄型面ファスナーを製造し、さらにこの雄型面ファスナーに上記実施例1と同様に、磁性金属含有モノフィラメントを貼り付け、さらに係合素子面に実施例1と同一の起毛面ファスナーループ面を重ね、モールドイン成形を行った。なお、係合素子面を布帛で覆う際には、上記比較例2と同様に位置決めは比較的容易も、上記比較例2と同様に成形面ファスナーと布帛カバーとなる布帛の密着性が悪く浮いたような格好となっていた。
実施例1において、両端列に存在している雄型係合素子の外側突起部が、その上面が基板面に近づく形状を有し、内側突起部が遠ざかる形状を有しているように変更する以外は、上記実施例1と同様の方法で雄型面ファスナーを製造し、さらにこの雄型面ファスナーに上記実施例1と同様に、磁性金属含有モノフィラメントを貼り付け、さらに係合素子面に実施例1と同一の起毛面ファスナーループ面を重ね、モールドイン成形を行った。なお、係合素子面を布帛で覆う際には、上記比較例2と同様に位置決めは比較的容易も、上記比較例2と同様に成形面ファスナーと布帛カバーとなる布帛の密着性が悪く浮いたような格好となっていた。
そして、得られた成形体の係合素子を覆っている布帛カバーを除去し、成形体に埋設された雄型面ファスナーの係合素子面を観察したところ、雄型面ファスナーの係合素子部への発泡樹脂の流れ込みが発生した発泡樹脂製成形体は30本中16本であり、流れ込んだ発泡樹脂は雄型面ファスナーの係合素子部の半分以上を埋没させていた。なお、布帛を剥離する際には、容易に剥離できた。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を10分程強く擦ったところ、発泡樹脂より成形面ファスナーが剥がれてしまったものがいくつかあった。
また、布帛カバーを取り除いた後に係合素子面を10分程強く擦ったところ、発泡樹脂より成形面ファスナーが剥がれてしまったものがいくつかあった。
[実施例2]
上記実施例1において、係合素子列に入れる切り目の角度を40度に変更する以外は実施例1と同一の方法によりモールドイン成形用雄型面ファスナーを製造した、係合素子面に取り付けた布帛カバーおよび磁性金属含有モノフィラメントも実施例1と同一である。係合素子面を布帛で覆う際には、係合素子面の両端部が係合素子面から突出する突起部により囲まれていることから、布帛カバーの位置決めが極めて容易であった。
上記実施例1において、係合素子列に入れる切り目の角度を40度に変更する以外は実施例1と同一の方法によりモールドイン成形用雄型面ファスナーを製造した、係合素子面に取り付けた布帛カバーおよび磁性金属含有モノフィラメントも実施例1と同一である。係合素子面を布帛で覆う際には、係合素子面の両端部が係合素子面から突出する突起部により囲まれていることから、布帛カバーの位置決めが極めて容易であった。
得られた成形体の係合素子を覆っている布帛カバーを除去し、成形体に埋設された雄型面ファスナーの係合素子面を観察したところ、雄型面ファスナーの係合素子部への発泡樹脂の流れ込みが発生した発泡樹脂製成形体は30本中1本もなかった。布帛カバーを取り除いた後に、係合素子面を10分程強く擦ったが、発泡樹脂より成形面ファスナーが剥がれてしまったものは全くなかった。なお、布帛を剥離する際には、両端部の突起部が布帛と係合していないことから、容易に剥離できた。
得られた雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体に、裏面に雌型係合素子を縫い付けた編物を被せ、該発泡樹脂製成形体表面に存在している雄型係合素子と該雌型係合素子を係合させたところ、編物は強固に発泡樹脂成形体の表面に強固に固定され、編み物を引っ張っても係合が剥がれることは全くなく、自動車用座席として全く問題のないものであった。
1:モールドイン成形用雄型面ファスナー
2:基板
3:雄型係合素子
3−1:両端列に存在している雄型係合素子
3−2:中央に存在している雄型係合素子
4:ステム部
5:突起部
5−1:幅方向外側の突起部
5−11:幅方向外側で下段の突起部
5−12:幅広報外側で上段の突起部
5−2:幅方向内側の突起部
5−21:幅方向内側で上段の突起部
5−22:幅方向内側で下段の突起部
6:布帛カバー
7:磁性金属含有層(磁性金属含有モノフィラメント)
8:金型内のセット金型
9:磁石
10:成形金型
11:発泡性成形樹脂液
MD:テープ基板長さ方向
TD:テープ基板幅方向
θ:基板の長さ方向の雄型係合素子の端面の基板幅方向からの角度
D:係合素子の長さ
H:突起部の最も基板に近づいている点から両端部に存在する雄型係合素子のステム部頂点までの垂直距離
P:基板長さ方向における隣り合う係合素子のステム間ピッチ
S:基板幅方向における隣り合う係合素子の係合用突起間の距離
W1:両端部に存在する係合素子の幅
W2:中央部に存在する係合素子の幅
2:基板
3:雄型係合素子
3−1:両端列に存在している雄型係合素子
3−2:中央に存在している雄型係合素子
4:ステム部
5:突起部
5−1:幅方向外側の突起部
5−11:幅方向外側で下段の突起部
5−12:幅広報外側で上段の突起部
5−2:幅方向内側の突起部
5−21:幅方向内側で上段の突起部
5−22:幅方向内側で下段の突起部
6:布帛カバー
7:磁性金属含有層(磁性金属含有モノフィラメント)
8:金型内のセット金型
9:磁石
10:成形金型
11:発泡性成形樹脂液
MD:テープ基板長さ方向
TD:テープ基板幅方向
θ:基板の長さ方向の雄型係合素子の端面の基板幅方向からの角度
D:係合素子の長さ
H:突起部の最も基板に近づいている点から両端部に存在する雄型係合素子のステム部頂点までの垂直距離
P:基板長さ方向における隣り合う係合素子のステム間ピッチ
S:基板幅方向における隣り合う係合素子の係合用突起間の距離
W1:両端部に存在する係合素子の幅
W2:中央部に存在する係合素子の幅
Claims (12)
- テープ状基板と同基板の表面から立ち上がる多数の雄型係合素子を有し、これら雄型係合素子は、基板表面から立ち上がるステム部および同ステム部よりテープ状基板の幅方向に張り出す突起部からなり、そしてこれら雄型係合素子は基板長さ方向に列をなして並び、かつその列が基板幅方向に3列以上存在しているモールドイン成形用雄型面ファスナーにおいて、両端列に存在している雄型係合素子が以下の構成1)および2)を満足していることを特徴とするモールドイン成形用雄型面ファスナー。
1)幅方向外側の突起部は、その上面が基板面より遠ざかる形状を有していること、
2)幅方向内側の突起部は、その上面が基板面に近づく形状を有していること、 - 両端列に存在している雄型係合素子が以下の構成3)および4)を満足している請求項1に記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
3)突起部がステム高さ方向に2段以上存在していること、
4)2段以上存在する突起部のうち、下段の突起部の張り出し長さが上段の突起部の張り出し長さより長いこと、 - 雄型係合素子が、テープ状基板の長さ方向には突起部を有していない請求項1または2に記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- テープ状基板の長さ方向の雄型係合素子の端面が基板幅方向から15〜45度の角度で傾いている請求項1〜3のいずれかに記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- 基板表面またはその裏面に磁着成分が付与されている請求項1〜4のいずれかに記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- モールドイン成形用雄型面ファスナーの雄型係合素子側の面が、表面に多数のループ繊維または起毛繊維を有する布帛により覆れており、該布帛のループ繊維または起毛繊維が雄型係合素子と係合している請求項1〜5のいずれかに記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- 両端列に存在している雄型係合素子の幅方向外側の突起部が布帛により覆われていない請求項6のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- ループ繊維または起毛繊維の布帛面からの高さが、突起部の最も基板に近づいている点から、両端部に存在する雄型係合素子のステム部頂点までの垂直距離(H)の1.1〜1.8倍である請求項6または7に記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- 布帛が磁着成分を含有している請求項6〜8のいずれかに記載のモールドイン成形用雄型面ファスナー。
- 請求項6〜9のいずれかに記載のモールドイン成形用雄型面ファスナーを、成形金型内の所定位置に雄型係合素子面が金型面側となるよう設置し、次いで成形金型内に発泡性樹脂液を導入し、該発泡性樹脂液を発泡硬化させて面ファスナー付の発泡樹脂製成形体を得て、そして成形金型から雄型面ファスナー付の発泡樹脂製成形体を取り出し、次いで雄型係合素子側の面を覆っている布帛を除去して雄型係合素子を露出させる雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体の製造方法。
- 請求項10に記載の製造方法により得られた雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体。
- 請求項11に記載の雄型面ファスナー付発泡樹脂製成形体の雄型係合素子と、同成形体を覆う布帛製または皮革製の被覆シートの裏面に取り付けた雌型係合素子とを係合させることにより発泡樹脂製成形体の表面に被覆シートを固定した乗物用座席。
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- 2014-03-31 JP JP2014072794A patent/JP2015192793A/ja active Pending
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