JP6024967B2 - 放射性廃棄物貯蔵施設、廃棄物ユニット又は廃棄物体を有する構造物及び放射性廃棄物貯蔵方法 - Google Patents

放射性廃棄物貯蔵施設、廃棄物ユニット又は廃棄物体を有する構造物及び放射性廃棄物貯蔵方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性廃棄物貯蔵施設、廃棄物ユニット又は廃棄物体を有する構造物及び放射性廃棄物貯蔵方法に関するものである。
一般に、有害物質であるセシウム等の放射性物質を含む土壌又は建築物においては、当該土壌又は建築物から放射性物質を取り除いて、該土壌又は建築物を健全な状態として使用することが進められている。
ここで、除去された放射性物質を含む廃棄物は、仮置き場所に一時的に仮置きされた後、貯蔵施設において該放射性物質の濃度が低減されるまで保管管理される。そして、将来的には、原子力施設等から排出される放射性廃棄物と同様に処分容器に格納されて、地中に設けられた処分施設に長期間にわたって収容される予定である(下記特許文献1参照)。
特開2007−298319号公報
ここで、非常に大量の廃棄物が排出された場合には、該廃棄物を格納する処分容器が多数必要であるとともに、これら多数の処分容器を埋設するために大規模な処分施設を建設しななければならない。よって、大規模な処分施設の建築場所を確保することが困難であるばかりか、コストが嵩むという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、将来的な再利用を可能とするように廃棄物を安全に管理することができる放射性廃棄物貯蔵施設、廃棄物ユニットを有する構造物及び放射性廃棄物貯蔵方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵施設は、放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵施設であって、該廃棄物が貯蔵される貯蔵容器と、該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定装置と、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定装置とを備え、該第二測定装置は、前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、前記排水層と連通されるとともに該貯蔵容器の外方に向かって開口する排水口とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵方法は、放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を定期的に測定する定期測定工程と、該定期測定工程における前記放射性物質の濃度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定工程とを備え、該第二測定工程は、前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする。
このような放射性廃棄物貯蔵施設及び放射性廃棄物貯蔵方法では、貯蔵容器により放射性物質を含む廃棄物を貯蔵できるとともに、第一測定装置(第一測定工程、定期測定工程)により該廃棄物の放射性物質の濃度を把握することができる。よって、貯蔵期間中における廃棄物の放射性物質の濃度を把握できるため、廃棄物を安全に保管することができる。
さらに、判定工程により放射性物質の濃度が閾値以下となった廃棄物については、再利用することが可能となる。
また、放射性物質が貯蔵容器から漏出した場合には、第二測定装置(第二測定工程)で測定した結果を第一測定装置(第一測定工程)で測定した結果を比較することで、漏出した放射性物質の濃度を把握し、漏出量を管理することができる。
また、貯蔵容器と廃棄物との間に排水層が形成され、該排水層は排水口を介して貯蔵容器の外方に連通されているため、放射性物質が貯蔵容器から漏出する際には、排水口を通って漏出することとなる。よって、排水口から排水された放射性物質の濃度を測定すれば、貯蔵容器から放射性物質が漏出しているか否か分かるとともに、漏出している貯蔵容器を特定することができるため、放射性物質の漏出の管理を容易に行うことができる。
また、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵施設は、前記廃棄物は、セメント及び水と混合されて固化されていることが好ましい。
このような放射性廃棄物貯蔵施設では、廃棄物がセメント及び水と混合されて固化され剛性が大きくなるため、外力等の影響を受けた場合でも破損する虞がなく安定的に貯蔵することができる。
また、本発明に係る構造物は、上記に記載の前記貯蔵容器と、該貯蔵容器に貯蔵され前記放射性物質の濃度が閾値以下とされた前記廃棄物とを有する廃棄物ユニットを、構造体
として利用したことを特徴とする。
このような構造物では、廃棄物ユニットは内部に廃棄物を貯蔵して強固とされるため、該廃棄物の放射性物質の濃度が保管により低減して閾値以下となった後には、躯体、土台又は基礎等の構造体として活用することができる。
また、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵方法は、放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、前記廃棄物が貯蔵された貯蔵容器を利用して構造物を建築する建築工程と、前記構造物を構成する貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該構造物において測定する第三測定工程とを備え、該第三測定工程は、前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする。
このような放射性廃棄物貯蔵方法では、貯蔵容器に貯蔵された廃棄物を構造物として利用する場合であっても、第三測定工程により貯蔵容器から漏出した放射性物質の濃度を測定することにより、漏出量を管理することができるため、安全性を確保することができる。
また、本発明に係る構造物は、上記に記載の前記貯蔵容器と、該貯蔵容器に貯蔵された前記放射性物質を含む前記廃棄物とを有する廃棄物体を、構造物の一部として利用した構造物であって、前記構造物は、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該構造物において測定する第三測定装置を備え、該第三測定装置は、前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、前記排水層から該貯蔵容器の外方に向かって連通する排水口とを有することを特徴とする。
このような構造物では、貯蔵容器に貯蔵された廃棄物を構造物として利用する場合に、放射性物質が貯蔵容器から漏出する際には、貯蔵容器と廃棄物との間に排水層が形成され、該排水層は排水口を介して貯蔵容器の外方に連通されているため、排水口を通って漏出することとなる。よって、排水口から排水された放射性物質の濃度を測定すれば、貯蔵容器から放射性物質が漏出しているか否か分かるとともに、漏出している貯蔵容器を特定することができるため、放射性物質の漏出の管理を容易に行うことができる。
また、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵方法は、前記廃棄物を粉砕し、混合して加工廃棄物を生成する加工工程を備え、前記貯蔵工程は、前記廃棄物として前記加工廃棄物を貯蔵し、前記第一測定工程及び前記定期測定工程は、前記廃棄物として前記加工廃棄物の濃度を測定することが好ましい。
このような放射性廃棄物貯蔵方法では、加工工程により廃棄物を均質化して、所定の濃度以下となるように調整することができるため、貯蔵容器内の加工廃棄物の放射性物質の濃度を均一に保つことができる。
また、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵方法は、前記廃棄物又は前記加工廃棄物をセメント及び水と混合して固化させて混合物を生成する混合工程を備え、前記貯蔵工程は、前記廃棄物として前記混合物を貯蔵し、前記第一測定工程及び前記定期測定工程は、前記廃棄物として前記混合物の濃度を測定してもよい。
このような放射性廃棄物貯蔵方法では、廃棄物又は加工廃棄物はセメント及び水によりセメント固化した混合物とされるため、該混合物が貯蔵容器から漏出する虞がない。
本発明に係る放射性廃棄物貯蔵施設、廃棄物ユニットを有する構造物及び放射性廃棄物貯蔵方法によれば、貯蔵期間中における廃棄物の放射性物質の濃度を把握できるため、廃棄物を安全に保管することができ、判定工程により放射性物質の濃度が閾値以下となった廃棄物については、再利用することが可能となる。よって、将来的な再利用を可能とするように廃棄物を安全に管理することができる。
本発明の第一実施形態に係る(a)放射性廃棄物貯蔵施設の概略斜視図、(b)放射性廃棄物貯蔵施設の内部を示す分解概略斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵施設を構成する(a)貯蔵容器の上部が開放された斜視図、(b)貯蔵容器に廃棄物を貯蔵した状態の斜視図、(c)貯蔵容器の斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵施設を構成する(a)貯蔵容器の上部が開放された断面図、(b)貯蔵容器に廃棄物を貯蔵して上部が閉塞された断面図である。 本発明の第一実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵施設を構成する第一測定装置の構成を示す概略斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る第一測定装置により廃棄物中の放射性物質の能動(放射能濃度)を測定した結果を表すグラフである。 本発明の第一実施形態に係る第一測定装置により廃棄物中の放射能濃度を測定した結果の年月による変化を表すグラフである。 本発明の第一実施形態に係る廃棄物ユニットを用いた構造物を示す概略斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る廃棄物体を用いた構造物において、第三測定装置により放射性物質の濃度を測定する概略斜視図である。 本発明の第二実施形態の変形例に係る廃棄物体を用いた構造物において、第三測定装置により放射性物質の濃度を測定する概略斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る加工工程を示す模式図である。 本発明の第三実施形態に係る第一測定装置により廃棄物中の放射能濃度を測定した結果を表すグラフである。 本発明の第三実施形態に係る第一測定装置により廃棄物中の放射能濃度を測定した結果の年月による変化を表すグラフである。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態である放射性廃棄物貯蔵施設について、図1〜図7を用いて説明する。
図1に示すように、放射性廃棄物貯蔵施設1は、放射性物質を含む廃棄物Zを保管するものである。
ここで、放射性物質としては、例えばセシウム−134やセシウム−137等が挙げられる。廃棄物Zとしては、これら放射性物質を含む土壌、建築物又は植物等が挙げられる。
この放射性廃棄物貯蔵施設1は、地上に設けられており、躯体をなす構造部10と、該構造部10の内部に配設され廃棄物Zが貯蔵された複数の貯蔵容器20と、廃棄物Z中の放射性物質の濃度を測定する第一測定装置30及び第二測定装置40とを備えている。
構造部10は、床部11と、該床部11から立設された複数の外壁部12と、該複数の外壁部12で形成された空間の上部を覆う屋根部13とを備えている。
この床部11には、外壁部12の長手方向に沿って延在し下方に向かって凹む溝14が形成されており、該溝14は雨水が構造部10内に浸水した場合に該雨水を集約して外部に導くことが可能とされている。
図2に示すように、貯蔵容器20は、底部21と、該底部21から立設された複数の側壁部22と、該複数の側壁部22で形成された空間を覆う蓋部23とを有しており、本実施形態ではこれら底部21、複数の側壁部22及び蓋部23により略直方体状に形成されている。
図3に示すように、底部21は、外底21Aと、該外底21Aの内側に配された内底21Bとを有している。側壁部22は、外壁22Aと、該外側の内側に配された内壁22Bとを有している。蓋部23は、外蓋23Aと、該外蓋23Aの内側に配された内蓋23Bとを有している。
これら底部21、側壁部22及び蓋部23は、鉄筋コンクリート、鋼材、コンクリートやセラミック等の剛性の高い材料で構成されている。
また、貯蔵容器20の外面を形成する外底21A、外壁22A及び外蓋23A(壁部)
と廃棄物Zとの間には、通水性を有する排水層21C,22C,23Cが設けられている。本実施形態では、外底21Aと内底21Bとの間には排水層21Cが設けられ、外壁22Aと内壁22Bとの間には排水層22Cが設けられ、外蓋23Aと内蓋23Bとの間には排水層23Cが設けられている。
これら排水層21C,22C,23Cは、通水性を有する材料、例えば不織布、金属粉、樹脂粒子等を焼結又は溶着した多孔性材料で形成されている。また、排水層21Cの端部は排水層22Cの下端と連結され、排水層22Cの上端は排水層23Cの端部と当接されている。
このような排水層21C,22C,23Cでは、例えば、内底21B、内壁22B又は内蓋23Bから放射性物質が漏出水Rとして漏出する際には、排水層21C,22C又は23Cに導かれる構成とされている。
また、貯蔵容器20の側壁部22には、排水層22Cに導かれた漏出水Rを、該貯蔵容器20の外方に向かって排水する排水口22Dが形成されている。排水口22Dは、管状部材であって、一端が排水層22Cに連通されるとともに、外壁22Aを貫通して、他端が貯蔵容器20の外方に向かって開口するように設けられている。
図1に示すように、上記のように構成された貯蔵容器20は、外壁部12の長手方向及び短手方向に向かってそれぞれ複数配設されるとともに、上下方向に向かって複数配設されている。
また、貯蔵容器20は、例えば略直方体状に輸送用コンテナサイズに形成され、剛性の高い材料で構成されているため、放射性廃棄物貯蔵施設1から搬出可能とされている。
なお、貯蔵容器20の形状としては、直方体状に限られず円柱状であってもよい。
図4に示すように、第一測定装置30は、貯蔵容器20の蓋部23(図2(c)参照)が取り外された密閉前の状態で、該貯蔵容器20に貯蔵された廃棄物Zの上面の放射性物質の濃度を測定するものである。
この第一測定装置30は、本実施形態では貯蔵容器20の外壁部12の長手方向に向かって設けられたレール部31と、該レール部31に沿って移動可能とされた支持部32と、該支持部32により支持されるとともに放射性物質の濃度を測定可能な測定部33と、支持部32及び測定部33と一体とされたレール部31を外壁部12の短手方向に向かって移動させる移動部(不図示)とを有している。
測定部33としては、例えばガイガーミュラー計数管等が挙げられる。
ここで、移動部により外壁部12の短手方向に移動されるラインを順に、第一ラインL1、第二ラインL2及び第三ラインL3とする。
貯蔵容器20に廃棄物Zを貯蔵した直後に、測定部33により測定された結果の一例を図5のグラフに示す。当該グラフの横軸は長手方向の端部P(図3参照)からの距離を表し、縦軸は該距離に応じた箇所の放射性物質中の濃度(放射能濃度)を表している。そして、第一ラインL1、第二ラインL2、第三ラインL3毎の距離に応じた放射能濃度を折れ線グラフとして表記している。
ここで、第一測定装置30により放射性物質の濃度を測定した後に、貯蔵容器20の蓋部23を閉じて、図示しない溶接機により該貯蔵容器20を密閉状態とする。そして、この状態で、廃棄物Zが貯蔵された貯蔵容器20は放射性廃棄物貯蔵施設1内に保管される。
そして、保管中に随時、貯蔵容器20の蓋部23を開いて、第一測定装置30により上記と同様にして放射性物質の濃度を測定することができる。なお、貯蔵容器20を放射性廃棄物貯蔵施設1内の別の場所や、該放射性廃棄物貯蔵施設1から搬出して測定することとしてもよい。
図1に示すように、第二測定装置40は、例外的に貯蔵容器20から漏出した廃棄物Zにおける放射性物質の濃度を測定するものである。この第二測定装置40は、例えばゲルマニウム半導体検出器又はシンチレーション検出器等で構成された測定部41と、貯蔵容器20に設けられた排水層21C,22C,23C(図3参照)と、貯蔵容器20に設けられた排水口22Dとで構成されている。
例えば、屋根部13から漏水した雨水が貯蔵容器20に滴下して、該貯蔵容器20内に浸入した雨水が廃棄物Zと接触する。そして、当該雨水が放射性物質を含んだ漏出水Rは、内壁22Bを貫通した場合には、排水層22Cに浸水し排水口22Dから貯蔵容器20の外方に向かって排水され、床部11に形成された溝14に排水される。第二測定装置40の測定部41で漏出水Rを測定することにより、放射性物質の濃度を測定できるように構成されている。
次に、上記の放射性廃棄物貯蔵施設1における放射性廃棄物貯蔵方法について説明する。
放射性廃棄物貯蔵方法は、貯蔵工程と、第一測定工程と、定期測定工程と、貯蔵容器20から放射性物質が例外的に漏出した場合に実行する第二測定工程と、判定工程とを備えている。
まず、貯蔵工程を実行して、廃棄物Zを貯蔵容器20に貯蔵する。
すなわち、図2(a)に示すように貯蔵容器20の蓋部23を開いて、図2(b)に示すように該貯蔵容器20の内部に廃棄物Zを貯蔵する。
次に、第一測定工程を実行して、貯蔵容器20内に貯蔵する際の廃棄物Zにおける放射性物質の濃度を測定する。
すなわち、図4に示すように、測定部33を支持する支持部32をレール部31に沿って外壁部12の長手方向に移動させる。また、移動部によりレール部31を外壁部12の短手方向に移動させる。これにより、廃棄物Zの表面の所望の位置における放射性物質の濃度を測定する。ここで、廃棄物Z中の放射性物質の濃度の一例を図5のグラフに示す。
その後、図2(c)に示すように貯蔵容器20の蓋部23を閉じ、廃棄物Zが貯蔵された貯蔵容器20を放射性廃棄物貯蔵施設1内に保管する。
次に、定期測定工程を実行して、貯蔵容器20内に貯蔵された廃棄物Zにおける放射性物質の濃度を測定する。この定期測定工程は、例えば、1年ごと、10年ごと等定期点検ごとに実行する。
すなわち、貯蔵容器20の蓋部23を開いて、第一測定装置30により上記と同様にして放射性物質の濃度を測定する。
ここで、例外的に貯蔵容器20から放射性物質が漏出した場合には、第二測定工程を実行する。
例えば、屋根部13から漏水した雨水が貯蔵容器20に滴下して、該貯蔵容器20内に浸入した雨水が廃棄物Zと接触する。そして、当該雨水が放射性物質を含んだ漏出水Rは、内壁22Bを貫通して排水層22Cに浸水し、排水口22Dから排水される。
第二測定工程では、排水口22Dから排水された漏出水Rの放射性物質の濃度を、測定部41で測定する。これにより、漏出した放射性物質の濃度を把握することができる。
次に、判定工程を実行して、上記の定期的に実行した定期測定工程における廃棄物Zの放射性物質の濃度が閾値以下であるか否かを判定する。
放射性物質を含む廃棄物Zは、放射性崩壊して年月の経過とともに半減期を迎えて該放射性物質の濃度が低下する。例えば、セシウム−134は2.065年後に、セシウム−137は30.04年後に、それぞれ半減期を迎え、120年後にはセシウム−137の濃度が1/16以下に減少する。
ここで、廃棄物Z中の放射性物質の濃度の一例として、図4に示した第一ラインL1の濃度変化を図6のグラフに示す。当該グラフの横軸は長手方向の端部からの距離を表し、縦軸は該距離に応じた箇所の放射性物質の濃度(放射能濃度)を表している。貯蔵容器20に貯蔵後、0年、30年、60年、90年と順次放射能濃度が減少しているのが分かる。
このように構成された放射性廃棄物貯蔵施設1及び放射性廃棄物貯蔵方法によれば、貯蔵容器20により放射性物質を含む廃棄物Zを貯蔵することができるとともに、第一測定装置30を用いた第一測定工程、定期測定工程により該廃棄物Zの放射性物質の濃度を把握することができる。よって、貯蔵期間中における廃棄物Zの放射性物質の濃度を把握できるため、廃棄物を安全に保管することができる。
また、例外的に放射性物質が貯蔵容器20から漏出する場合であっても、漏出水Rは内壁22Bを貫通して排水層22Cに浸水し、排水口22Dから排水される。また、漏出水Rが、内底21Bを貫通した場合には、排水層21Cに浸水するとともに、該排水層21Cと連通された排水層22Cにも導かれる。そして、この漏出水Rは、排水口22Dから貯蔵容器20の外方に向かって、床部11に形成された溝14に排水される。さらに、漏出水Rが、内蓋23Bを貫通した場合には、排水層23Cに浸水するとともに、該排水層23Cと当接された排水層22Cにも導かれる。そして、この漏出水Rは、排水口22Dから貯蔵容器20の外方に向かって、床部11に形成された溝14に排水さる。
よって、排水口22Dから排水された漏出水Rの放射性物質の濃度を測定すれば、貯蔵容器20から放射性物質が漏出しているか否かが分かる。さらに、所定の値よりも高い放射性物質の濃度の排水口22Dを特定することで、放射性物質が漏出している貯蔵容器20を特定することができる。したがって、放射性物質の漏出の管理を容易に行うことができる。
また、上記のように放射性物質貯蔵容器20から漏出する場合には、第二測定装置40を用いた第二測定工程で測定した結果を第一測定工程で測定した結果と比較することで、漏出した放射性物質の濃度を把握して、漏出量を把握することができる。
さらに、判定工程により放射性物質の濃度が閾値以下となった廃棄物Zについては、再利用することが可能となる。
その具体例として、廃棄物Zが貯蔵された貯蔵容器20を用いた構造物Aについて説明する。
図7に示すように、例えば、構造物Aは河川沿いに設けられた堤防であって、該構造物Aの内部には廃棄物ユニットVが河川の延在方向に向かって複数設けられ、複数の該廃棄物ユニットVの外側には外装部Bが設けられている。廃棄物ユニットVは、構造物Aにおいて荷重等を負担する構造体の一部として利用され、外装部Bは、コンクリート等で形成されている。
この廃棄物ユニットVは、貯蔵容器20に放射性物質の濃度が低下した廃棄物Zが貯蔵されたものを言う。
このような構造物Aでは、廃棄物ユニットVは内部に廃棄物Zを貯蔵して強固とされるため、該廃棄物Zにおける放射性物質の濃度が低減した後には、構造物Aの内部の躯体、土台又は基礎等として活用することができる。
つまり、構造物Aを建設するコンクリート等の材料を低減することができるとともに、該廃棄物Zの最終的な処理費用を削減することができ、コスト面においても有益である。
また、貯蔵容器20は、例えば輸送用のコンテナと同等の大きさで構成されているため、図1(b)に示すように放射性廃棄物貯蔵施設1内に整頓して多数配設することが可能であるとともに、該放射性廃棄物貯蔵施設1内から搬出することが容易である。
また、放射性廃棄物貯蔵施設1は地上に設けられているため、検査等のために該放射性廃棄物貯蔵施設1から貯蔵容器20を搬出することが容易である。さらに、地中に放射性廃棄物貯蔵施設1を設ける場合と比較して、地下水が浸入する虞がないとともに、雨水等が浸入した際には、該貯蔵容器20に接触した雨水等を集約して管理しやすいというメリットがある。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る構造物2Aについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、例えば構造物2Aは、高潮や津波を防ぐために設けられた防潮堤であって、防潮堤2Aは、土台2Dと、該土台2Dから立設された壁部2Cと、該壁部2Cを支持するとともに海岸の延在方向(水平方向)及び鉛直方向に向かって複数設けられた廃棄物体2Vとを有している。
この土台2Dには、下方に向かって凹むとともに、海岸の延在方向(水平方向)に向かって延びる溝201が形成されている。
廃棄物体2Vは、貯蔵容器20と、該貯蔵容器20の内部に貯蔵された放射性物質を含む廃棄物Zとを有している。
また、構造物2Aは、貯蔵容器20から漏出した放射性物質の濃度を構造物2Aにおいて測定する第三測定装置250を有している。
第三測定装置250は、例外的に貯蔵容器20から漏出した廃棄物Zにおける放射性物質の濃度を測定するものである。この第三測定装置250は、例えばゲルマニウム半導体検出器又はシンチレーション検出器等で構成された測定部241と、貯蔵容器20に設けられた排水層21C,22C,23C(図3参照)と、貯蔵容器20に設けられた排水口22Dとで構成されている。
例えば、例外的に貯蔵容器20内に浸入した雨水が廃棄物Zと接触して、放射性物質を含んだ漏出水Rとして土台2Dに形成された溝201に排水された場合において、第三測定装置250は当該放射性物質の濃度を測定できるように構成されている。
次に、上記のように構成された放射性物質を含む廃棄物Zの放射性廃棄物貯蔵方法について説明する。
放射性廃棄物貯蔵方法は、貯蔵工程と、第一測定工程と、建築工程と、貯蔵容器20から放射性物質が例外的に漏出した場合に実行する第三測定工程とを備えている。
第一実施形態と同様に貯蔵工程、第一測定工程を実行する。
その後、廃棄物Zが貯蔵された貯蔵容器20(廃棄物体2V)を構造体の一部に利用し、構造物2Aを建築する建築工程を実行する。
ここで、例外的に貯蔵容器20から放射性物質が漏出した場合には、第三測定工程を実行する。
例えば、雨水が貯蔵容器20に滴下して、該貯蔵容器20内に浸入した雨水が廃棄物Zと接触する。そして、当該雨水が放射性物質を含んだ漏出水Rは、内壁22Bを貫通して排水層22Cに浸水し、排水口22Dを経由して土台2Dに形成された溝201に排水される。
第三測定工程では、溝201に排水された漏出水Rの放射性物質の濃度を、構造物2Aにおいて測定部241で測定する。これにより、構造物2Aにおいて漏出した放射性物質の濃度を把握することができる。
あるいは、放射性物質の漏出をより早く検知するために、各々の排水口22Dにて個別に漏出水Rを採取して測定部241で測定することで、放射性物質の濃度を把握しても良い。
このような構造物2Aでは、廃棄物体2Vは内部に廃棄物Zを貯蔵して強固とされるため、構造物2Aの構造体を構成する躯体、土台又は基礎等として利用しながら、放射性物質が漏出した場合には漏出した放射性物質の濃度を把握することができる。よって、例えば放射性物質の濃度が所定の閾値以下に低減されていない場合でも、廃棄物体2Vから漏出する放射性物質を管理しながら、該廃棄物体2Vを構造体の一部として利用することができるため、利用価値を高めることができる。
(第二実施形態の変形例)
図9は、第二実施形態の変形例である。具体的には、廃棄物体2Vを構成する貯蔵容器20に設けられた排水口22Dの側方には、通路部225が設けられている。
通路部225は、地面上に設けられた床部225Aと、該床部225Aから立設された一対の側壁部225B,225Bと、該一対の側壁部225B,225Bの上部を連結する上壁部225Cとを有している。
これら床部225A、一対の側壁部225B,225B及び上壁部225Cにより囲まれた空間部分が通路部225として構成されている。
また、一方の側壁部225Bには、その板厚方向に貫通孔(不図示)が設けられ、該貫通孔に貯蔵容器20の側壁部22に設けられた排水口22Dが挿通されている。排水口22Dの開口側は、通路部225内に位置するように配されている。
上記の構造物2Bでは、雨水が貯蔵容器20に滴下して、該貯蔵容器20内に浸入した雨水が例外的に廃棄物Zと接触し貯蔵容器20から漏水した場合には、漏出水Rは、内壁22Bを貫通して排水層22Cに浸水し、排水口22Dを経由して床部225Aに形成された溝201Dに排水される。
第三測定工程では、溝201Dに排水された漏出水Rの放射性物質の濃度を、構造物2Aにおいて測定部241で測定する。これにより、構造物2Aにおいて漏出した放射性物質の濃度を把握することができる。
あるいは、放射性物質の漏出をより早く検知するために、各々の排水口22Dにて個別に漏出水Rを採取して測定部241で測定することで、放射性物質の濃度を把握しても良い。
このような構造物2Bでは、廃棄物体2Vは内部に廃棄物Zを貯蔵して強固とされるため、構造物2Bの構造体を構成する躯体、土台又は基礎等として利用しながら、放射性物質が漏出した場合には漏出した放射性物質の濃度を把握することができる。よって、例えば放射性物質の濃度が所定の閾値以下に低減されていない場合でも、廃棄物体2Vから漏出する放射性物質を管理しながら、該廃棄物体2Vを構造体の一部として利用することができるため、利用価値を高めることができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵方法について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態における放射性廃棄物貯蔵方法は、廃棄物Zを粉砕し、混合して加工廃棄物Xを生成する加工工程を備えている。
図10に示すように、重機T1,T2により生成された土壌U1や建築物U2の表面を削り、該表面に付着した放射性物質を廃棄物Zとして集約する。そして、粉砕機T3で廃棄物Zを粉砕して混合した加工廃棄物Xを生成する。これにより、複数の加工廃棄物Xは略同一の大きさで成分が略同一に均質化される。
なお、貯蔵容器20内の放射性物質の濃度が所定の濃度以下となるように、適宜混合しても良い。
次に、貯蔵工程と、第一測定工程と、定期測定工程と、貯蔵容器20から放射性物質が漏出した場合には第二測定工程と、判定工程とを実行する。
なお、第一実施形態における廃棄物Zの替わりに本実施形態における加工廃棄物Xと用いる点以外は、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
ここで、測定部33により測定した廃棄物Z中の放射性物質の濃度の一例を図11のグラフに示す。当該グラフの横軸は長手方向の端部P(図4参照)からの距離を表し、縦軸は該距離に応じた箇所の放射性物質の濃度(放射能濃度)を表している。端部Pからの距離に関わらず、第一ラインL1、第二ラインL2及び第三ラインL3において、放射能濃度が略同一とされていることが分かる。
また、廃棄物Z中の放射性物質の濃度の一例として、図11に示した第一ラインL1の濃度変化を図12のグラフに示す。当該グラフの横軸は長手方向の端部からの距離を表し、縦軸は該距離に応じた箇所の放射性物質の濃度(放射能濃度)を表している。貯蔵容器20に貯蔵後、0年、30年、60年と順次放射能濃度が減少しているのが分かる。
このように構成された放射性廃棄物貯蔵方法では、加工工程により廃棄物Zを均質化することができるため、貯蔵容器20内の加工廃棄物Xの放射性物質の濃度を均一に保つことができ安定的に加工廃棄物X(廃棄物Z)を貯蔵することができる。また、適宜混合することで該放射性物質の濃度を調整することもできる。
よって、年月が経過した後の貯蔵容器20内の加工廃棄物Xの放射性物質の濃度の推測もしやすいため、該加工廃棄物X(廃棄物Z)を計画的に保管して廃棄物ユニットとしての利用性を高めることができる。
また、貯蔵容器20内の加工廃棄物Xの放射性物質の濃度を均一であるため、一箇所の放射性物質の濃度を測定すれば貯蔵容器20内全体の放射性物質の濃度を把握することができるため、加工廃棄物X(廃棄物Z)の管理が容易となる。
(第四実施形態)
以下、本発明の第四実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵方法について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態における放射性廃棄物貯蔵方法は、加工廃棄物Xをセメント及び水と混合して混合物Yを生成する混合工程を備えている。これにより、加工廃棄物Xはセメント及び水と反応して固化された混合物Yとなる。
加工工程の後に、貯蔵工程と、第一測定工程と、定期測定工程と、貯蔵容器20から放射性物質が漏出した場合には第二測定工程と、判定工程とを実行する。
なお、第一実施形態における廃棄物Zの替わりに本実施形態における混合物Yを用いる点以外は、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
このように構成された放射性廃棄物貯蔵方法では、加工廃棄物Xはセメント及び水によりセメント固化した混合物Yとされるため、該混合物Yが貯蔵容器20から漏出する虞がないため、安全性を高めることができる。
また、加工廃棄物Xがセメント及び水によりセメント固化されて剛性が大きくなるため、外力等の影響を受けた場合でも破損する虞がなく安定的に貯蔵することができる。また、該構造物Aとして再利用する際には、荷重を負担することができるため、躯体、土台又は基礎として確実に活用することができる。
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
第一実施形態において、排水口22Dは貯蔵容器20の側壁部22に設けられているが、底部21又は蓋部23に設けられていて良い。
底部21に排水口が設けられている場合には、排水口は、一端が排水層21Cに連通されるとともに、外底21Aを貫通して、他端が貯蔵容器20の外方に向かって開口するように設けられる構成とされる。
また、蓋部23に排水溝が設けられている場合には、排水口は、一端が排水層23Cに連通されるとともに、外蓋23Aを貫通して、他端が貯蔵容器20の外方に向かって開口するように設けられる構成とされる。
第二測定装置40及び第三測定装置250にて測定した漏出量が所定値以上であれば、貯蔵容器20を補修することや、新たな貯蔵容器に廃棄物Zを移し替える対応をとることができる。
また、排水層21C,22C,23Cは、貯蔵容器20の外面を構成する外壁22A等と内壁22B等との間に設ける他に、貯蔵容器20を構成する壁部と廃棄物Zとの間に設けられていてもよい。
また、第一測定工程において、廃棄物Zの表面における放射性物質の濃度を測定するだけではなく、廃棄物Zの表面から所望の深さにおける放射性物質の濃度をさらに測定してもよい。この場合には、貯蔵容器20内における三次元的な濃度分布から平均値を算出することができるため、貯蔵容器20内の放射性物質の濃度を一層正確に把握することができる。
また、上記の実施形態においては、測定部33は外壁部12の短手方向に向かって第一ラインL1、第二ラインL2及び第三ラインL3の三段階の移動が可能とされているが、三段階以上の移動が可能であってもよい。この場合には、放射性物質の濃度分布の更に詳細なデータを入手することができる。
また、貯蔵容器20を屋外又は覆土中等に設けてよい。この場合でも第一測定装置30を備えることにより、貯蔵容器20内の廃棄物Zの放射性物質の濃度を把握することが可能となる。
また、放射性廃棄物貯蔵施設1の耐久年数が貯蔵容器20の耐久年数よりも低い場合には、放射性廃棄物貯蔵施設1の耐久年数が経過した後に、該放射性廃棄物貯蔵施設1から貯蔵容器20を全て搬出し、新たに設けた放射性廃棄物貯蔵施設内に貯蔵容器20を設けることとしてもよい。
また、貯蔵容器20の耐久年数が経過した後には、当該年数毎に新たな貯蔵容器20に交換したり、または廃棄物Zが貯蔵された貯蔵容器20をそのまま更に大きな容器内に貯蔵させる構成であってもよい。これにより、貯蔵容器20や大きな容器から放射性物質が流出する虞がなく、安全性を確保することができる。
また、第三実施形態の混合工程において、加工廃棄物Xの替わりに第一実施形態に係る廃棄物Zとセメント及び水を混合させてもよい。この場合には、加工工程を省略して固化した混合物Yを生成することができるため、作業性を向上させることができる。
また、第一実施形態における廃棄物ユニットVを構成する廃棄物Zとして、第二実施形態の加工廃棄物X又は第三実施形態の混合物Yを使用してもよい。
また、廃棄物ユニットVを用いた構造物の他の例としては、防潮堤、道路の路体等が挙げられる。
また、廃棄物Z中の放射性物質の濃度が減少した後には、貯蔵容器20から該廃棄物Zを取り出し土砂等と混合して、土木工事における盛土として利用することも可能である。
また、放射性物質を含む廃棄物Z中のセシウム−137の濃度は、90年後には1/8に減少し、150年後には1/32に減少する。すなわち、廃棄物Zを貯蔵する貯蔵期間を任意に設定し、それに応じた初期段階の濃度に調整してから廃棄物Zを貯蔵すれば、所定の貯蔵期間経過後の放射性物質の濃度を調整することができる。
1…放射性廃棄物貯蔵施設
20…貯蔵容器
30…第一測定装置
40…第二測定装置
250…第三測定装置
A…構造物
X…加工廃棄物
Y…混合物
Z…廃棄物

Claims (8)

  1. 放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵施設であって、
    該廃棄物が貯蔵される貯蔵容器と、
    該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定装置と、
    前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定装置とを備え、
    該第二測定装置は、
    前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、
    前記排水層と連通されるとともに該貯蔵容器の外方に向かって開口する排水口とを備えることを特徴とする放射性廃棄物貯蔵施設。
  2. 請求項1に記載の放射性廃棄物貯蔵施設において、
    前記廃棄物は、セメント及び水と混合されて固化されていることを特徴とする放射性廃棄物貯蔵施設。
  3. 請求項1または請求項2に記載の前記貯蔵容器と、該貯蔵容器に貯蔵され前記放射性物質の濃度が閾値以下とされた前記廃棄物とを有する廃棄物ユニットを、構造体として利用したことを特徴とする構造物。
  4. 請求項1または請求項2に記載の前記貯蔵容器と、該貯蔵容器に貯蔵された前記放射性物質を含む前記廃棄物とを有する廃棄物体を、構造体として利用した構造物であって、
    前記構造物は、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該構造物において測定する第三測定装置を備え、
    該第三測定装置は、
    前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、
    前記排水層から該貯蔵容器の外方に向かって連通する排水口とを有することを特徴とする構造物。
  5. 放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、
    該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、
    該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、
    該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を定期的に測定する定期測定工程と、
    該定期測定工程における前記放射性物質の濃度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、
    前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定工程とを備え、
    該第二測定工程は、
    前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。
  6. 放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、
    該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、
    該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、
    前記廃棄物が貯蔵された貯蔵容器を利用して構造物を建築する建築工程と、
    前記構造物を構成する貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該構造物において測定する第三測定工程とを備え、
    該第三測定工程は、
    前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。
  7. 請求項5に記載の放射性廃棄物貯蔵方法において、
    前記廃棄物を粉砕し、混合して加工廃棄物を生成する加工工程を備え、
    前記貯蔵工程は、前記廃棄物として前記加工廃棄物を貯蔵し、
    前記第一測定工程及び前記定期測定工程は、前記廃棄物として前記加工廃棄物の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。
  8. 請求項5に記載の放射性廃棄物貯蔵方法において、
    前記廃棄物をセメント及び水と混合して固化させて混合物を生成する混合工程を備え、
    前記貯蔵工程は、前記廃棄物として前記混合物を貯蔵し、
    前記第一測定工程及び前記定期測定工程は、前記廃棄物として前記混合物の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。
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