JP2014109547A - 放射性廃棄物貯蔵施設、廃棄物ユニット又は廃棄物体を有する構造物及び放射性廃棄物貯蔵方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射性廃棄物貯蔵施設は、廃棄物Zが貯蔵される貯蔵容器20と、貯蔵容器20内に貯蔵された廃棄物Zにおける放射性物質の濃度を測定する第一測定装置と、貯蔵容器20から漏出した放射性物質の濃度を放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定装置40とを備え、第二測定装置40は、貯蔵容器20の外面を形成する壁部22Aと廃棄物Zとの間に設けられた排水層22Cと、排水層22Cと連通されるとともに貯蔵容器20の外方に向かって開口する排水口22Dとを備えることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
すなわち、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵施設は、放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵施設であって、該廃棄物が貯蔵される貯蔵容器と、該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定装置と、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定装置とを備え、該第二測定装置は、前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、前記排水層と連通されるとともに該貯蔵容器の外方に向かって開口する排水口とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る放射性廃棄物貯蔵方法は、放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を定期的に測定する定期測定工程と、該定期測定工程における前記放射性物質の濃度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定工程とを備え、該第二測定工程は、前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする。
さらに、判定工程により放射性物質の濃度が閾値以下となった廃棄物については、再利用することが可能となる。
また、放射性物質が貯蔵容器から漏出した場合には、第二測定装置(第二測定工程)で測定した結果を第一測定装置(第一測定工程)で測定した結果を比較することで、漏出した放射性物質の濃度を把握し、漏出量を管理することができる。
また、貯蔵容器と廃棄物との間に排水層が形成され、該排水層は排水口を介して貯蔵容器の外方に連通されているため、放射性物質が貯蔵容器から漏出する際には、排水口を通って漏出することとなる。よって、排水口から排水された放射性物質の濃度を測定すれば、貯蔵容器から放射性物質が漏出しているか否か分かるとともに、漏出している貯蔵容器を特定することができるため、放射性物質の漏出の管理を容易に行うことができる。
として利用したことを特徴とする。
本発明の第一実施形態である放射性廃棄物貯蔵施設について、図1〜図7を用いて説明する。
ここで、放射性物質としては、例えばセシウム−134やセシウム−137等が挙げられる。廃棄物Zとしては、これら放射性物質を含む土壌、建築物又は植物等が挙げられる。
この床部11には、外壁部12の長手方向に沿って延在し下方に向かって凹む溝14が形成されており、該溝14は雨水が構造部10内に浸水した場合に該雨水を集約して外部に導くことが可能とされている。
と廃棄物Zとの間には、通水性を有する排水層21C,22C,23Cが設けられている。本実施形態では、外底21Aと内底21Bとの間には排水層21Cが設けられ、外壁22Aと内壁22Bとの間には排水層22Cが設けられ、外蓋23Aと内蓋23Bとの間には排水層23Cが設けられている。
なお、貯蔵容器20の形状としては、直方体状に限られず円柱状であってもよい。
測定部33としては、例えばガイガーミュラー計数管等が挙げられる。
放射性廃棄物貯蔵方法は、貯蔵工程と、第一測定工程と、定期測定工程と、貯蔵容器20から放射性物質が例外的に漏出した場合に実行する第二測定工程と、判定工程とを備えている。
すなわち、図2(a)に示すように貯蔵容器20の蓋部23を開いて、図2(b)に示すように該貯蔵容器20の内部に廃棄物Zを貯蔵する。
例えば、屋根部13から漏水した雨水が貯蔵容器20に滴下して、該貯蔵容器20内に浸入した雨水が廃棄物Zと接触する。そして、当該雨水が放射性物質を含んだ漏出水Rは、内壁22Bを貫通して排水層22Cに浸水し、排水口22Dから排水される。
第二測定工程では、排水口22Dから排水された漏出水Rの放射性物質の濃度を、測定部41で測定する。これにより、漏出した放射性物質の濃度を把握することができる。
よって、排水口22Dから排水された漏出水Rの放射性物質の濃度を測定すれば、貯蔵容器20から放射性物質が漏出しているか否かが分かる。さらに、所定の値よりも高い放射性物質の濃度の排水口22Dを特定することで、放射性物質が漏出している貯蔵容器20を特定することができる。したがって、放射性物質の漏出の管理を容易に行うことができる。
図7に示すように、例えば、構造物Aは河川沿いに設けられた堤防であって、該構造物Aの内部には廃棄物ユニットVが河川の延在方向に向かって複数設けられ、複数の該廃棄物ユニットVの外側には外装部Bが設けられている。廃棄物ユニットVは、構造物Aにおいて荷重等を負担する構造体の一部として利用され、外装部Bは、コンクリート等で形成されている。
以下、本発明の第二実施形態に係る構造物2Aについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この土台2Dには、下方に向かって凹むとともに、海岸の延在方向(水平方向)に向かって延びる溝201が形成されている。
また、構造物2Aは、貯蔵容器20から漏出した放射性物質の濃度を構造物2Aにおいて測定する第三測定装置250を有している。
放射性廃棄物貯蔵方法は、貯蔵工程と、第一測定工程と、建築工程と、貯蔵容器20から放射性物質が例外的に漏出した場合に実行する第三測定工程とを備えている。
その後、廃棄物Zが貯蔵された貯蔵容器20(廃棄物体2V)を構造体の一部に利用し、構造物2Aを建築する建築工程を実行する。
例えば、雨水が貯蔵容器20に滴下して、該貯蔵容器20内に浸入した雨水が廃棄物Zと接触する。そして、当該雨水が放射性物質を含んだ漏出水Rは、内壁22Bを貫通して排水層22Cに浸水し、排水口22Dを経由して土台2Dに形成された溝201に排水される。
あるいは、放射性物質の漏出をより早く検知するために、各々の排水口22Dにて個別に漏出水Rを採取して測定部241で測定することで、放射性物質の濃度を把握しても良い。
図9は、第二実施形態の変形例である。具体的には、廃棄物体2Vを構成する貯蔵容器20に設けられた排水口22Dの側方には、通路部225が設けられている。
また、一方の側壁部225Bには、その板厚方向に貫通孔(不図示)が設けられ、該貫通孔に貯蔵容器20の側壁部22に設けられた排水口22Dが挿通されている。排水口22Dの開口側は、通路部225内に位置するように配されている。
あるいは、放射性物質の漏出をより早く検知するために、各々の排水口22Dにて個別に漏出水Rを採取して測定部241で測定することで、放射性物質の濃度を把握しても良い。
以下、本発明の第三実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵方法について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
なお、貯蔵容器20内の放射性物質の濃度が所定の濃度以下となるように、適宜混合しても良い。
なお、第一実施形態における廃棄物Zの替わりに本実施形態における加工廃棄物Xと用いる点以外は、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
よって、年月が経過した後の貯蔵容器20内の加工廃棄物Xの放射性物質の濃度の推測もしやすいため、該加工廃棄物X(廃棄物Z)を計画的に保管して廃棄物ユニットとしての利用性を高めることができる。
以下、本発明の第四実施形態に係る放射性廃棄物貯蔵方法について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
なお、第一実施形態における廃棄物Zの替わりに本実施形態における混合物Yを用いる点以外は、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
底部21に排水口が設けられている場合には、排水口は、一端が排水層21Cに連通されるとともに、外底21Aを貫通して、他端が貯蔵容器20の外方に向かって開口するように設けられる構成とされる。
また、蓋部23に排水溝が設けられている場合には、排水口は、一端が排水層23Cに連通されるとともに、外蓋23Aを貫通して、他端が貯蔵容器20の外方に向かって開口するように設けられる構成とされる。
20…貯蔵容器
30…第一測定装置
40…第二測定装置
250…第三測定装置
A…構造物
X…加工廃棄物
Y…混合物
Z…廃棄物
Claims (8)
- 放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵施設であって、
該廃棄物が貯蔵される貯蔵容器と、
該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定装置と、
前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定装置とを備え、
該第二測定装置は、
前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、
前記排水層と連通されるとともに該貯蔵容器の外方に向かって開口する排水口とを備えることを特徴とする放射性廃棄物貯蔵施設。 - 請求項1に記載の放射性廃棄物貯蔵施設において、
前記廃棄物は、セメント及び水と混合されて固化されていることを特徴とする放射性廃棄物貯蔵施設。 - 請求項1または請求項2に記載の前記貯蔵容器と、該貯蔵容器に貯蔵され前記放射性物質の濃度が閾値以下とされた前記廃棄物とを有する廃棄物ユニットを、構造体として利用したことを特徴とする構造物。
- 請求項1または請求項2に記載の前記貯蔵容器と、該貯蔵容器に貯蔵された前記放射性物質を含む前記廃棄物とを有する廃棄物体を、構造体として利用した構造物であって、
前記構造物は、前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該構造物において測定する第三測定装置を備え、
該第三測定装置は、
前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層と、
前記排水層から該貯蔵容器の外方に向かって連通する排水口とを有することを特徴とする構造物。 - 放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、
該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、
該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、
該貯蔵容器内に貯蔵された前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を定期的に測定する定期測定工程と、
該定期測定工程における前記放射性物質の濃度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、
前記貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を放射性廃棄物貯蔵施設において測定する第二測定工程とを備え、
該第二測定工程は、
前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。 - 放射性物質を含む廃棄物を保管する放射性廃棄物貯蔵方法であって、
該廃棄物を貯蔵容器に貯蔵する貯蔵工程と、
該貯蔵容器内に貯蔵する際の前記廃棄物における前記放射性物質の濃度を測定する第一測定工程と、
前記廃棄物が貯蔵された貯蔵容器を利用して構造物を建築する建築工程と、
前記構造物を構成する貯蔵容器から漏出した前記放射性物質の濃度を該構造物において測定する第三測定工程とを備え、
該第三測定工程は、
前記貯蔵容器の外面を形成する壁部と前記廃棄物との間に設けられた排水層から、排水口を通って該貯蔵容器の外方に向かって漏出した前記放射性物質の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。 - 請求項5又は請求項6に記載の放射性廃棄物貯蔵方法において、
前記廃棄物を粉砕し、混合して加工廃棄物を生成する加工工程を備え、
前記貯蔵工程は、前記廃棄物として前記加工廃棄物を貯蔵し、
前記第一測定工程及び前記定期測定工程は、前記廃棄物として前記加工廃棄物の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。 - 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の放射性廃棄物貯蔵方法において、
前記廃棄物をセメント及び水と混合して固化させて混合物を生成する混合工程を備え、
前記貯蔵工程は、前記廃棄物として前記混合物を貯蔵し、
前記第一測定工程及び前記定期測定工程は、前記廃棄物として前記混合物の濃度を測定することを特徴とする放射性廃棄物貯蔵方法。
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